本発明は、調理用コンロと共に使用される鍋内の食品加工アセンブリを駆動するための駆動アセンブリを有する調理用コンロに関する。駆動アセンブリは、鍋を支持するための調理用コンロのコンロベース(stove base)と関連する。駆動アセンブリは、調理用コンロ内に移動可能に配置された、被駆動動作移動手段を含む。被駆動動作移動手段は、動作を食品加工アセンブリに移動させるために、食品加工アセンブリに連結するように構成された連結部を有する。駆動アセンブリは、鍋を係合するための鍋固定手段を更に含む。これにより、駆動アセンブリの作動中に鍋が動作移動手段と共に動くことを防ぐ。
食品調理の分野において、調理に関わる工程を容易にすることを目的とした多くの器具が利用可能である。例えば、肉をローストするために従来方法でこの工程を行う必要があるとき、鍋を取り、鍋に油などと共に肉をのせ、鍋を調理用コンロ上に置いて、鍋の内容物を加熱するための調理用コンロを作動せざるを得ない。更に、肉の調理むら及び焼き焦げを防ぐために、少なくとも時々、肉を適切な撹拌具でかき混ぜる必要がある。従って、人は、調理工程において積極的な役割を果たす必要があり、料理が出来上がるまで台所に留まるほか仕方ない。しかしながら、調理工程を行うための特別な器具を使用することも可能である。このような器具は、とりわけ、所望の材料で満たしてスイッチを入れた後に、人の介入が一切ない機能を備えている。この場合、人は長時間台所に滞在する必要はなく、例えば、より多くの時間を家族及び/又は友人と過ごす機会を得る。
米国特許出願公開第2008/190301号明細書は、上述のような特別な器具の実施例を開示する。特に、米国特許出願公開第2008/190301号明細書は、撹拌調理器に関する。この撹拌調理器は、上部が開き、食材を保持するための、側壁部を有する容器と、容器の開いている上部を閉めるための蓋と、食材を撹拌するための、容器内部に取り付けられた撹拌器と、撹拌器が回転すると、食材が撹拌器と共に回転することを防ぐための、容器内部の側壁において取り付けられた供回り防止部材(co−rotation prevention member)と、食材を加熱するための、容器の底部に固定して取り付けられた加熱管と、容器を支えるための、容器の下部に配置された支持台(base support)と、支持台における位置で容器が立つように適応させるための、容器の底部に取り付けられた支持部材と、支持台の内部に取り付けられ、撹拌器を駆動して食材をかき混ぜるための撹拌器と共に、取り外し可能に連結されたモータとを備える。
上述のような特別な器具は、使いやすいが、この種の器具に関連した重大な欠点がある。それは、使用中で、かつ、収納されていない限り、台所トップ(kitchen top)のスペースを占領してしまうということだ。また、この器具は、収納中に台所の食器棚のかなりのスペースを占領してしまう比較的大きな台所用器具である。更に、キッチンフード(kitchen hood)は、一般には調理用コンロの真上に存在するだけであり、これによって、器具が調理用コンロより、むしろ台所トップに配置されると仮定すると、器具からの焼煙をフィルターにかけて排出するキッチンフードの作動の効果は、最小である。
上述のような問題に対する解決策は、鍋を支えるように構成され、かつ、撹拌アセンブリを駆動するためのモータ、あるいは、鍋内の他の種類の食品加工アセンブリを備える、少なくとも1つのコンロベースを有する調理用コンロを提供することである。例えば、米国特許出願公開第2008/264927号明細書は、自動撹拌又は混合で食材を調理する鍋を支えるためのコンロベースを備えた調理台(cooking platform)を有する調理用コンロを開示する。鍋は、食材を保持及び調理するための容器と、容器の開いている上部を閉じるための蓋とを有する。概ねテーパー付き中空円筒状構成(generally tapered hollow cylindrical configuration)を有する適応部材(adapting member)は、容器を支えるために提供される。部材の上端部は容器底部の周辺部と固定的に係合される。部材の下端部は所定の距離だけ下方に延在し、これによって、容器は、調理目的のためのコンロベース上に、あるいは、水平な台所トップ又は料理が出されるダイニングテーブルの上に位置するように構成される。鍋がコンロベースの所定の位置に置かれると、コンロベースの上部が適応部材の下端部を収容する。2つの位置案内部が、コンロベース上の位置に容器を導くため、かつ、コンロベースに対して容器が回転するのを防ぐため、適応部材の内部表面から所定の距離に沿って内部に突出す。コンロベースは、2つのベース案内部を備え、位置案内部はベース案内部に挿入されるように構成され、これによって、容器はコンロベースにおける位置で取り外し可能に固定され得る。
撹拌器は容器に取り外し可能に取り付けられ、食材を撹拌する役割を果たす。更に、電気加熱管は容器の内部に配置された食材を加熱するために提供される。特に、電気加熱管は容器底部の外表面に取り付けられる。モータは、撹拌器に回転力を提供するために、コンロベースの下部に取り付けられる。モータは、容器が位置に取り付けられると駆動シャフトに取り外し可能に連結される。駆動シャフトは容器の底部における中央開口部を通って装着される。シャフトの上端部は撹拌器と係合し、シャフトの下端部は連結デバイスを介してモータと連結される。密封デバイスがシャフトと容器の底部との間の接触面(interface)を密封するために提供される。また、ブッシング(bushing)が提供され、これはシャフトと同軸であり、容器の底部と固定及び密封して係合される。パッケージがシャフト周囲の溝切り込み部(groove cut)の内部に挿入される。シャフトと共にブッシングに挿入されると、パッケージはシャフト及びブッシングに対して圧縮及び圧搾されて、シャフト及びブッシングの接触面を密封することができる。ブッシングは容器底部の上において、所定の高さで上方に延在し、これによって、ブッシングの上端部及びパッキングは、容器底部の上方に配置され、かつ、密封デバイスにおける要件は大幅に低減される。
特に、食材をかき混ぜるための撹拌器、あるいは、食材を混ぜ合わせるためのブレードを含む調理デバイスといった、さまざまな器具のデバイスを支えるために、コンロベースが使用され得る。この事実の重要な利点は、消費者たちが調理に必要なさまざまな台所用器具を買う必要がないということだ。その代わりに、全ての器具よりもはるかに低価格で、かつ、台所のより小さなスペースを占める、さまざまな調理デバイス又は器具を付属品として買うことができる。
本発明の目的は、少なくとも1つのコンロベースを有する調理用コンロを改良することである。コンロベースは、特に、一部の種類の食品加工アセンブリが使用される鍋を支えるように構成され、かつ、食品加工アセンブリを駆動するためのアセンブリを備える。また、本発明の目的は、上述のような調理用コンロと共に使用することを意図とした鍋を改良することである。
本発明は、調理用コンロと共に使用される鍋内の食品加工アセンブリを駆動するための駆動アセンブリを有する調理用コンロを提供する。駆動アセンブリは調理用コンロのコンロベースと関連する。駆動アセンブリは調理用コンロに移動可能に配置された、被駆動動作移動手段を備える。被駆動動作移動手段は、動作を食品加工アセンブリに移動させるための食品加工アセンブリに連結するように構成された連結部を有する。駆動アセンブリは、鍋を係合するための鍋固定手段を更に備え、それによって、駆動アセンブリの作動中に、鍋が動作移動手段と共に動くのを防ぐ。駆動アセンブリの少なくとも1つの構成要素と、コンロベースの最上面を画定する、コンロベースの少なくとも1つの構成要素とは、調理用コンロにおいて互いに対して変位可能である。
上述のように、鍋が米国特許出願公開第2008/264927号明細書から周知の調理用コンロと共に使用されるのに適切であるために、鍋の容器の底部側において特殊な構成が必要となる。特に、適応部材が使用され、これは、概ねテーパー付き中空円筒状構成を有する。部材の上端部は、容器底部の周辺部と固定的に係合される。適応部材によって取り囲まれたスペースにおいて、容器の底部における中央開口を通って装着された駆動シャフトの端部は、容器が関連するコンロベースにおける所定の位置に置かれると、モータのシャフトとの連結を確立するため、容器の底部に対して突出する。上述の説明のように、適応部材は、作動中に容器が回転するのを防ぐ役割を担う。また、適応部材の用途に起因して、容器は台所トップ又はダイニングテーブルなどを土台に、安定して支えられ得る。容器と土台との間の接触は適応部材の底端部で起こる。その上、土台に対して容器が傾斜位置を取るのを防ぐために、駆動シャフトの端部が容器の底部に対して最も低位にあるのを回避するため、適応部材を有する必要がある。
反対に、本発明に従ったコンロベースに関連して、突出部材がない外部底面を有する鍋を有することができる。これによって、鍋の底部側におけるスペースを作り出すために、鍋から取り外し可能な、あるいは、鍋に固定される部材を必要としない、多くの従来型の鍋と同様に、鍋は、単に少なくとも底面の相当な部分を通って土台と接触することで、土台において安定して支えられ得る。特に、本発明に従って、駆動アセンブリの少なくとも1つの構成要素と、コンロベースの最上面を画定する、コンロベースの少なくとも1つの構成要素とは、調理用コンロにおいて互いに対して変位可能である。結果として、とりわけ、駆動アセンブリの上部がコンロベースの最上面に対して突出する状態を実現することができる。上述したような上部は、調理用コンロと共に使用される鍋の底部まで延在することができるか、あるいは、底部を通って延在する。鍋の構成要素は、底部の外部表面の位置よりも更に下方に延在する必要はない。一方で、コンロベースの最上面に対する後退位置(retracted position)に駆動アセンブリ全体を有することができる。これにより、つまり、駆動アセンブリを使用する必要がないとき、コンロベースは、従来型の鍋を支えるために利用され得る。以下において、明確化のために、コンロベースの最上面を画定する、コンロベースの構成要素は、コンロベースの最上部の構成要素と見なされる。
原則として、駆動アセンブリのこれらの構成要素が、コンロベースの最上面に対して後退位置にあるとき、鍋固定手段と、突出部のない底面を有する鍋との間の連結と、動作移動手段の連結部と、鍋で使用されるような食品加工アセンブリとの間の連結とを可能にすることができるが、そのようするには別の部材の使用が必要であり、これは望ましくない。従って、本発明で提案されるような、駆動アセンブリの少なくとも1つの構成要素の変位可能な配置を有することは、非常に実用的である。完全性を期すために、駆動アセンブリが存在するコンロベースが、従来の方法で誘導コイルなどの加熱手段を備えることができるということが留意される。動作移動手段及び/又は鍋固定手段が通るのを可能にするための空間が必要なだけである。
本発明に従って、駆動アセンブリの一部がコンロベースの最上面に対して突出する場合と、駆動アセンブリ全体がコンロベースの最上面よりも低位に位置付けられる場合との間における変動は、駆動アセンブリの少なくとも1つの構成要素及びコンロベースの少なくとも最上部の構成要素が互いに対して変位可能である配置に基づく。実際には、駆動アセンブリの構成要素及びコンロベースの最上部の構成要素の相互変位は、実質的に垂直方向である。本発明の範囲内で、駆動アセンブリの構成要素及びコンロベースの最上部の構成要素の両方が変位可能である配置を有することができるが、駆動アセンブリの構成要素及びコンロベースの最上部の構成要素のうちの一方だけが変位可能である配置は、より単純な構造であり、それ故好ましい。ただし、コンロベースの最上部の構成要素は、鍋を支え、かつ、鍋に熱を提供する機能を有するプレートを備えることができるということが留意される。更に、完全性を期すため、コンロベースは、最上面を画定する2つ以上の構成要素を備えることができるということが留意される。また、コンロベースのより多くの構成要素が、駆動アセンブリに対して変位可能であることができる。本発明は、コンロベース上に突出部がない外部底面を有する鍋の使用に関する可能性を提供することに関係しているので、本発明の範疇において、コンロベースの最上部の構成要素は、駆動アセンブリに対する位置に関して言えば、関連性のある構成要素である。コンロベースは、一方における駆動アセンブリに連結するための連結アセンブリと、他方における食品加工アセンブリとを備える鍋と、最上部の構成要素上で支えられる従来型の鍋とを有する。
上述に続き、調理用コンロが、駆動アセンブリの構成要素と、コンロベースの最上面を画定する、コンロベースの構成要素との相互位置を可能にすることができるような方法で構成されることが有益である。駆動アセンブリ全体がコンロベースの最上面よりも低位に位置する。例えば、調理用コンロ内のコンロベース全体の固定位置と、駆動アセンブリの少なくとも1つの構成要素の移動可能な配置とを仮定すると、駆動アセンブリ全体を収納するための十分な内部スペースを有する調理用コンロを設計することによって、従来型の鍋を支えるために、駆動アセンブリが存在するコンロベースを使用することが可能である。コンロベースは、従来型コンロベースのような鍋に熱を提供するための手段を備えることができる。実際に、本発明に従って、鍋内で食品加工アセンブリを駆動するように構成されたコンロベースは、任意の他のコンロベースのようでよく、任意の他のコンロベースのように作動され得る。唯一の違いは、コンロベースにおける動作移動手段の連結部と鍋固定手段に自由にアクセスできるということである。しかしながら、本発明に内在する識見に従って、上述のような駆動アセンブリの構成要素の利用可能性(accessibility)が従来型調理用コンロに対する最小限の調整だけに関わる設計を有することが可能であり、従来型調理用コンロの機能性が守られ得る。従って、駆動アセンブリが存在するコンロベースの柔軟な使用が実現され、コンロベースは多機能性を有し、たとえ特別に採用された鍋及び食品加工アセンブリが使用されようが、使用されまいが、駆動アセンブリの存在は、調理用コンロで使用され得る鍋の数において減少効果(reducing effect)がない。
好ましい実施形態において、駆動アセンブリ全体は、調理用コンロの第1位置と、調理用コンロの第2位置との間で変位可能である。第1位置は、駆動アセンブリ全体がコンロベースの最上面よりも低位に位置付けられる位置である。第2位置は、コンロベースの最上面に対して、第1位置よりも高位に位置付けられる位置である。鍋固定手段の少なくとも一部は、コンロベースの最上面を超えて延在する。調理用コンロは、ある位置から他の位置へと駆動アセンブリを変位させるための手段を備える。
駆動アセンブリの変位可能な配置を有することによって、この駆動アセンブリを使用する必要がないとき、駆動アセンブリを後退させることができる。これによって、駆動アセンブリが存在するコンロベースは、上記で説明したように、従来型の鍋を支えるために使用され得る。第1位置は、調理用コンロの通常の配向において最も低い位置である。この位置において、コンロベースの最上面を超えて延在する駆動アセンブリはない。第1位置は、駆動アセンブリを使用する必要がない状況に関連した位置である。第2位置は、より高い位置で、この位置は、駆動アセンブリが作動される状況と関連し、動作移動手段は駆動され、鍋固定手段は鍋を係合するために利用可能である。
駆動アセンブリは第3位置に変位可能である。第3位置は、コンロベースの最上面に対して第2位置よりも高位にある。駆動アセンブリを変位させるための手段は、駆動アセンブリが第3位置にあるときに、鍋固定手段に加えられた力を検出するための手段と関連する。従って、駆動アセンブリは第2位置よりも更に高い位置に変位可能である。第2位置よりも更に高い位置では、鍋はコンロベースから持ち上げられ、鍋及び鍋内の内容物の重さは、その場所で鍋固定手段に加えられた力を検出することによって決定され得る。この可能性に基づき、調理用コンロの機能性は、駆動アセンブリが存在する領域において、計量機能と共に拡大され得る。
実用的な可能性に従って、食品加工アセンブリは撹拌器、混合器(blender)などであり、これは、鍋の立ち壁(standing wall)の中心軸と一致する軸に対して鍋内で回転するように支えられる。この軸は、鍋の長手方向軸として示され得る。このような実用的な場合において、かつ、食品加工アセンブリの回転動作が実現される必要があるその他の場合において、動作移動手段が調理用コンロに回転可能に配置されることは有益であり、また、調理用コンロが動作移動手段に回転動作を行わせるように構成された駆動手段を備えることも有益である。
動作移動手段及び鍋固定手段が、1つのユニットとして互いに近接して配置されることは、有益である。そのようにあるように、本発明に従った調理用コンロにおいて、動作を食品加工アセンブリに移動させるために用いられることが適切な手段と、調理用コンロに対して鍋が移動するのを防ぐために使用されるのが適切な手段とは、同じ領域に1つに置かれるということが実現される。実用的な場合において、この領域は、調理用コンロと共に使用される鍋の中央における領域に対応する領域でよい。このような領域は、通常、コンロベースの中央にあり、そのような理由から調理用コンロにおいて非常によく認識され得る。この点において、調理用コンロが、例えばコンロベースの周辺部を示すための印を含むことが周知であるということが留意される。コンロベースにおける駆動アセンブリ全体の変位可能な配置を仮定すると、規定領域に駆動アセンブリの構成要素を有することが非常に実用的である。そのようにあるように、一方の構成要素を他方の構成要素に沿って移動させることが可能であり、異なる位置で動作する複雑な駆動手段は必要ない。
動作移動手段及び鍋固定手段が、1つのユニットとして互いに近接して配置される、これらの手段の相互の位置決めには、駆動アセンブリが作動中に、調理用コンロの固定位置において鍋を維持するために、米国特許出願公開第2008/264927号明細書から知られるような容器底部の周辺部から下方へ延在する比較的大きな適応部材は必要ないという利点がある。更に、調理用コンロの複雑な設計は不要で、従来型の鍋に対する鍋の調整は、最小限でよい。調理用コンロにおいて、動作移動手段及び鍋固定手段によって形成されるユニットがあり、これは調理用コンロの外側から利用可能(accessible)である。従って、鍋において、動作移動手段を食品加工アセンブリに連結し、かつ、鍋を鍋固定手段に連結するための連結アセンブリの要素は、鍋の一か所に集結される。これについては、後ほど説明する。
完全性を期すために、本明細書で連結について言及されると、この用語は直接的な連結と間接的な連結の両方の意味を包含することを目的とすることが留意される。直接的な連結とは、要素間での直接的な接触に関わる連結を意味し、間接的な連結とは、少なくとも1つの他の要素を介する要素間の接触に関わる連結を意味する。例えば、本発明に従った調理用コンロの実用的な実施形態において、動作移動手段の連結部は、鍋内に組み込まれた手段を介して、調理用コンロと共に使用される鍋における食品加工アセンブリに連結されることを目的としている。
鍋固定手段及び動作移動手段は、同心円状に配置され得る。特に、動作移動手段は鍋固定手段と同心配置の中心にある。鍋固定手段は、動作移動手段が鍋固定手段を介して少なくとも部分的に延在することができるための内部スペースを有することができる。一般に、同心配置は、非常にコンパクトな配置であり、このため、設計の単純化に寄与する。
特に、動作移動手段及び鍋固定手段が最も近接した配置を有するために、両手段の表面が互いに対面して、互いに近接するように配置され得る。上述のような同心配置において、動作移動手段の外部表面の少なくとも一部分が、鍋固定手段の内部表面の少なくとも一部と対面することができるように、動作移動手段及び鍋固定手段が配置され得る。
動作移動手段がシャフトを備えることが実用的である。更に、鍋固定手段は、シャフトの長手方向において見られる、シャフトを取り囲む立ち壁を有する凹部を備えることができる。立ち壁の内周部は、非円形形状を有する。このような場合、鍋固定手段は、鍋に接続し、かつ、凹部にぴったりと嵌合するように構成された部材を収容するのに適する。上述のような部材の外周部は、凹部の立ち壁と同様の非円形形状を有する。完全性を期すために、本発明の枠組み内で、逆の場合を有することもできるということが留意される。鍋は凹部を有し、鍋固定手段は凹部内に挿入される部材を備える。非円形形状に関して、この形状は三角形又は六角形などの一定の多角形形状でよいということが留意される。
本発明は、上記で記載したような調理用コンロと共に使用することが適切な鍋にも関する。特に、調理用コンロでは、駆動アセンブリの動作移動手段及び鍋固定手段のうちの少なくとも1つと、コンロベースの少なくとも最上部の構成要素が、調理用コンロにおいて互いに対して変位可能であり、かつ、駆動アセンブリの動作移動手段及び鍋固定手段は、1つのユニットとして互いに近接して配置される。本発明に従った鍋は、鍋の底部における穴部に配置される連結アセンブリを備える。連結アセンブリは、調理用コンロの駆動アセンブリの鍋固定手段を係合するための、固定的に配置された手段と、反対側に連結部分を有する移動可能に配置された手段とを備える。連結部のうちの1つは、調理用コンロの駆動アセンブリの動作移動手段の連結部分に連結するための連結部分である。連結部のうちの他は、鍋で使用される食品加工アセンブリに連結するための連結部分である。
本発明に従った鍋と、米国特許出願公開第2008/264927号明細書から知られる鍋との間の重要な違いは、調理用コンロの駆動アセンブリの鍋固定手段を係合するための、固定的に配置された手段の位置決めに関する。米国特許出願公開第2008/264927号から知られる鍋において、上述のような固定的に配置された手段は、概ねテーパー付き中空円筒状構成を有する適応部材を備える。このような適応部材は、容器/鍋の上端部を介して、容器/鍋の底部の周辺部と、適応部材の内部表面から所定の距離で内部に向けて突出する位置案内部と固定的に係合される。しかしながら、本発明に従った鍋において、調理用コンロの駆動アセンブリと相互作用することを目的とした全ての要素は、食品加工アセンブリの動作を実現するためか、あるいは、調理用コンロにおいて固定位置に鍋を維持するため、鍋の底部における穴部に配置された連結アセンブリの一部である。このようにして、鍋は、動作移動手段及び鍋固定手段が、ある領域に一緒に配置される調理用コンロと連携するのに適している。上述のように、その領域は中央領域でよく、これによって、連結アセンブリと、連結アセンブリが配置された底部における穴部とが、鍋における中央位置を有する、つまり、鍋の立ち壁の中心軸が鍋の底部を横断する位置における領域に位置することは、実現可能な選択肢である。
回転するように構成された食品加工アセンブリが使用される実用的な状況において、連結アセンブリの移動可能に配置された手段が、鍋に回転可能に配置されることが好ましい。これによって、ある種類の動作を他に変換する必要がないので、移動可能に配置された手段は、所望に応じて、食品加工アセンブリに直接連結され得る。
調理用コンロの駆動アセンブリの鍋固定手段及び動作移動手段のように、鍋の連結アセンブリの固定的に配置された手段及び移動可能に配置された手段は、同心円状に配置される。更に、鍋の連結アセンブリの固定的に配置された手段及び移動可能に配置された手段の最もコンパクトな配置が、互いに対面する手段の表面と共に、可能である。
一般に、鍋が、鍋における食品加工アセンブリの動作に続くことを防ぐために、特に動作が回転動作のとき、固定的に配置された手段が、非円形状の周辺部を有する係合手段を備える場合が有益である。調理用コンロの駆動アセンブリの鍋固定手段の構造上の詳細に依存して、例えば、このような手段は、非円形状の内周部を有する立ち壁を有する凹部、あるいは、非円形状の外周部を有する係合部でよい。上述のように、非円形形状は、例えば三角形又は六角形などといった一定の多角形形状でよい。
有利なものとして、連結アセンブリの移動可能に配置された手段は、鍋で使用される食品加工アセンブリを支えるため、鍋の内部において、鍋の底部から突出する部材を備える。食品加工アセンブリがないときに、鍋内でスティック型の混合器などの使用を妨げないように、この手段を鍋内でできるだけ低く維持するように考慮され得る。また、連結アセンブリが鍋の底部の他の側部において、できるだけ低く維持される場合、鍋が平面によってまだ支えられ得るということが実現され得る。鍋の底部と表面との間の接触は、底部からかなりの距離をおいて突出する連結アセンブリのいかなる要素によっても妨げられない。
代替形として、鍋の内部における底部から突出する管部材を鍋に備え付け、かつ、連結アセンブリの移動可能に配置された手段の部材が管部材の内部に延在することを可能にすることも考えられる。管部材は、連結を目的として部材へのアクセスを可能にするため、あるいは、部材の自由端が管部材から突出することを可能にするための自由端において開いている。部材はシャフトの形状で提供され得る。上述のような管部材と共に、連結アセンブリが鍋の内容物から分離されることが実現される。管部材が少なくとも鍋の立ち壁と同じ高さにあることが好ましい。また、管部材は、ダメージから連結アセンブリを保護する機能も有する。そうでなければ、スティック型の混合器などが鍋内で使用されるとき、このような道具によってダメージが生じる。鍋が上記で記載したような管部材を備えない場合、鍋の内容物が連結アセンブリの位置における鍋の底部を介して漏れる状況を防ぐため、連結アセンブリが、連結アセンブリの移動可能に配置された手段と固定的に配置された手段との間に配置された封止手段を備える場合が有益である。
上述したように、鍋を使用することを目的とした調理用コンロの設計に起因して、鍋の底部における外部表面が突出部材を有さないことは可能である。特に、連結部材は鍋の底部における穴部の外部に対して下方に延在する任意の手段を備える必要がない。更に、従来技術の教示とは対照的に、鍋内で使用される食品加工アセンブリに伴う鍋の動作を防ぐことを目的とする1つ以上の突出部材を使用する必要はない。従って、本発明に従った鍋は、鍋の外部外形(exterior outline)に関する限り、従来の設計と同様の設計でよい。
本発明は、調理用コンロと鍋の調理器組み合わせ(cooking combination)に更に関する。調理用コンロと鍋の両方は、本発明による標準設定を満たしている。つまり、調理用コンロは、1つのユニットとして互いに近接して配置された動作移動手段及び鍋固定手段を有する駆動アセンブリを備える。そして、上記で説明したように、鍋は固定的に配置された手段及び移動可能に配置された手段を有する連結アセンブリを備える。固定的に配置された手段及び移動可能に配置された手段は、鍋の底部における穴部に位置する。本発明に従った調理器組み合わせにおいて、鍋は、駆動アセンブリが調理用コンロに存在する位置における調理用コンロの最上面に置かれる。鍋の連結アセンブリの固定的に配置された手段と、調理用コンロの駆動アセンブリの鍋固定手段とは、互いに係合する。鍋の連結アセンブリの移動可能に配置された手段の連結部のうちの1つは、調理用コンロの駆動アセンブリの動作移動手段の連結部に連結される。食品加工アセンブリが調理器組み合わせと共に使用される場合で、特に、調理器組み合わせの鍋において、鍋の連結アセンブリの移動可能に配置された手段の連結部のうちの他は、食品加工アセンブリに連結される。
調理用コンロの駆動アセンブリの動作移動手段と、鍋の連結アセンブリの移動可能に配置された手段との間の連結に関して、動作移動手段の連結部と、移動可能に配置された手段の関連する連結部のうちの1つが突出部材を備え、上述のような連結部のうちの他が突出部をぴったりと収容するための対応する数の凹部を備えることができるということが留意される。他の選択肢に従って、突出部と凹部の唯一の組み合わせが、連結を実現するために使用される。突出部の周辺部及び凹部の立ち壁の周辺部が、非円形形状を有することができる。
本発明の範疇において、多くの異なる鍋及び食品加工アセンブリは、単一の調理用コンロと共に使用され得る。調理用コンロの1つ及び同様の駆動アセンブリに連結されるのに適した鍋を有するように、鍋は同様の連結アセンブリを備える。
上述の、かつ、本発明の他の態様は、撹拌器が適用される鍋と調理用コンロとの調理器組み合わせに関する以下の詳細な説明の参照から明らかであり、かつ、明瞭となるだろう。調理用コンロは、撹拌器を駆動するための駆動アセンブリを備える。鍋は、撹拌器を駆動アセンブリの動作移動手段に連結し、かつ、鍋を駆動アセンブリの鍋固定手段に連結する機能を有する連結アセンブリを備える。
図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面では、同等の、あるいは、同様の部分については同一の参照符号で示す。
本発明に従った鍋と、鍋で使用される撹拌器との斜視上面図である。
撹拌器を有さない鍋の斜視上面図である。
調理用コンロに配置されるような鍋及び撹拌器の断面図であり、調理用コンロの一部のみが図示される。
調理用コンロの駆動アセンブリの要素と、鍋の連結アセンブリの要素とを明確に示すための図3の詳細IVである。
調理用コンロのコンロベースのプレートの一部及び駆動アセンブリの要素の斜視上面図である。
調理用コンロのコンロベースのプレートの一部及び駆動アセンブリの要素の斜視上面図であり、駆動アセンブリの要素はプレートの最上面に対して後退する。
連結アセンブリが位置する鍋の一部の底面図である。
鍋の代替的な実施形態を示す図であり、鍋は、鍋の中央位置で鍋の底部から突出する管部材を備える。
図1は、本発明に従った鍋10と、鍋で使用される撹拌器20とを示す。図2は、撹拌器を有さない鍋10を示す。
鍋10は、調理する食材(図示しない)を入れるのに適し、かつ、片側で閉じられた管のように概ね形作られる。特に、鍋10は、底部11と、底部11の周辺部に接続された立ち壁12とを有する。図示した実施例において、底部11の周辺部は、円形形状を有するが、これは、他の形状が本発明の枠組み内で実行可能でないということを意味するわけではない。
図3及び図4を参照して、鍋10を支えるための、コンロベース33の一部である支持面32を有するプレート31を含む調理用コンロ30と共に、鍋10が使用されることを目的としているということが留意される。図示した実施例において、調理用コンロ30は、ガラスプレートを有する誘導型調理用コンロである。従来型調理用コンロのように、本発明に従った調理用コンロ30は、多くのコンロベースを備えることができる。各コンロベースは、鍋及びその内容物の加熱工程を実現するための誘導コイルを備える。
図3及び図4に図示するような鍋10、撹拌器20及び調理用コンロ30の配向は、標準的な配向である。特に、鍋10の標準的な配向において、鍋10の底部11は下側にあり、鍋10の開口端は上側にあり、鍋10の立ち壁12の長手方向軸13は、実質的に垂直な配向を有する。撹拌器20の標準的な配向において、撹拌器20の撹拌用のブレード21は下側にあり、ブレード21を担持するためのシャフト本体22は、実質的に垂直な配向を有する。調理用コンロ30の標準的な配向において、コンロベース33のプレート31の支持面32は上側にある。本明細書で使用されるような、用語「底部(bottom)」及び「最上部(top)」は、鍋10、撹拌器20及び調理用コンロ30の標準的な配向に関連するようなものとして理解されるということが留意される。一方で、このような用語は、本発明の範囲に制限的なものとして理解されるべきでない。
鍋10の底部11における食材の焦げ付きを回避するため、かつ、食材が鍋10にわたって均一に分散することを確実にするため、上述のような撹拌器20が適用される。原則として、鍋10の使用者は、食材を撹拌するための手持ち式道具(hand−held tool)を適用することが可能である。しかしながら、本発明は、鍋10における自動撹拌機能を有する可能性を提供することを目的とする。更に、本発明は、鍋10が調理用コンロ30に置かれている間、鍋10内の自動撹拌機能を有する可能性を提供することを目的とする。これにより、鍋10を加熱し、かつ、撹拌器20を駆動するための別のコンロベースは必要ない。
撹拌器20は、シャフト本体22の長手方向軸に対して回転されることを目的とし、シャフト本体22の長手方向軸は、撹拌器20が鍋10内の位置にあるとき、鍋10の立ち壁12の長手方向軸13と一致する。撹拌器20が作動中、撹拌用のブレード21は鍋10を介して動くようにされる。撹拌用のブレード21と衝突する(encounter)食材は、ブレード21によって押しのけられ、結果として、食材の調理むら、つまり、片面のみの調理や、焦げ付きなどにつながる、食材が鍋10の一か所に長時間留まるということがないようにすることができる。
本発明に従って、調理用コンロ30は、撹拌器20を駆動するための駆動アセンブリ40を備えた少なくとも1つのコンロベース33を含む。駆動アセンブリ40は、実質的に垂直に配向されたシャフト41と、シャフト41を駆動するためのモータ42とを含む。シャフト41及びモータ42は、シャフト41がモータ42のアウトプットシャフトである、1つのユニットとして提供され得る。モータ42は、コンロベース33のプレート31の支持面32の位置よりも下、つまり、コンロベース33の最上面より下に配置され、調理用コンロ30に配置された支持要素43から吊り下げ(suspend)られる。支持要素43はシャフト41の主要部を取り囲むように配置される管44を支持するようにも機能する。シャフト41は、撹拌器20に動作を移動させる機能を有する。一方で、管44は、撹拌器20の回転中に調理用コンロ30上の固定位置に鍋10を維持するために、鍋10を係合する機能を有する。本明細書を考慮して、明確化のために、シャフト41は本明細書の以下では、動作移動シャフト41と称し、管44は本明細書の以下では、鍋固定管44と称する。図3及び図4は、コンロベース33のプレート31には、動作移動シャフト41及び鍋固定管44が通ることを可能にするための穴部34が設けられ、これにより、動作移動シャフト41及び鍋固定管44は、最上部側から、つまり、鍋10の底部側において利用可能(accessible)である。
有利なものとして、動作移動シャフト41及び鍋固定管44は、コンロベース33の1つの領域及び同様の領域に位置する。これは、図示した実施例において、鍋10の中央領域に対応する、中央領域である。図示した実施例において、動作移動シャフト41及び鍋固定管44は、同心配置を有する。鍋固定管44は、同心配置の外部にあり、動作移動シャフト41は同心配置の内部にある。特に、鍋固定管44は動作移動シャフト41の少なくとも一部分を直接取り囲むように配置される。鍋固定管44の内部表面の少なくとも一部分は、動作移動シャフト41の外部表面の少なくとも一部分と対面する。動作移動シャフト41及び鍋固定管44は、鍋10における撹拌器20を駆動する機能を実行するための、かつ、駆動アセンブリ40の作動中に撹拌器20と共に鍋10が回転するのを防ぐための、コンパクトなユニットを形成する。
鍋10は、撹拌器20を動作移動シャフト41に連結し、かつ、鍋10を鍋固定管44に連結するための連結アセンブリ50を備える。特に、連結アセンブリ50は、鍋10の底部11の中心にある穴部14に収容される。調理用コンロ30の駆動アセンブリ40のように、鍋10の連結アセンブリ50は、同心配置において、移動可能に配置された手段と固定的に配置された手段とを備える。移動可能に配置された手段は、同心配置の内部に位置し、撹拌器20を動作移動シャフト41に連結するための機能を果たす。固定的に配置された手段は、同心配置の外部に位置し、鍋10を鍋固定管44に連結するための機能を果たす。特に、鍋10の連結アセンブリ50の移動可能に配置された手段は、2つの相互接続構成要素51及び52を含む。相互接続構成要素51及び52のうちの一方は、調理用コンロ30及び駆動アセンブリ40の側部にあり、本明細書の以下では、駆動連結構成要素51と称する。相互接続構成要素51及び52のうちの他方は、鍋10の内部にあり、本明細書の以下では、撹拌器連結構成要素52と称する。固定的に配置された手段は、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の鍋固定管44を係合するように構成された、穴部材53を備える。上述のような穴部材53は、本明細書の以下では、係合部材53と称する。係合部材53は、鍋10の底部11における穴部14内の位置において、底部11の周辺部に沿って、鍋10の底部11と接続する。移動可能に配置された連結構成要素51及び52は、係合部材53によって回転可能に支持される。
連結アセンブリ50の位置において、鍋10の内容物が、底部11を介して漏れ出すことを防ぐために、鍋10は密封手段、好ましくはシーリングリング15及び16を備える。図4には、シーリングリング15及び16のうちの一方が駆動連結構成要素51を取り囲むように配置され、シーリングリング15及び16のうちの他方が、撹拌器連結構成要素52と係合部材53との間の位置に配置され得ることが図示されている。
鍋10がコンロベース33上の所定の位置にあるとき、鍋10の連結アセンブリ50の駆動連結構成要素51は、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41に連結される。更に、鍋10の連結アセンブリ50の係合部材53は、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の鍋固定管44に連結される。結果として、駆動アセンブリ40のモータ42が作動すると、回転動作は、連結アセンブリ50の駆動連結構成要素51と、駆動連結構成要素51に接続された撹拌器連結構成要素52とに移動される。同時に、連結アセンブリ50の係合部材53が駆動アセンブリ40の鍋固定管44に連結されるという事実に基づいて、鍋10は回転動作の後に続かないようにされる。鍋10内で撹拌器20が使用されるとき、撹拌器20は連結アセンブリ50の撹拌器連結構成要素52に連結される。従って、駆動アセンブリ40のモータ42が作動すると、撹拌器20は鍋10内で回転動作を行うようにされる。このように、調理用コンロ30において駆動アセンブリ40を有することによって、かつ、鍋10において連結アセンブリ50を有することによって、単に鍋10を調理用コンロ30の適切な位置に置き、鍋10内の中央位置に撹拌器20を挿入し、かつ、駆動アセンブリ40のモータ42を作動させることにより、鍋10において自動撹拌機能を有することが可能である。
本発明の枠組み内で、上述のようなさまざまな連結は、実質的に垂直方向において、部材をぴったりと収容するための凹部に突出部材を挿入することに基づいて実現され得る。これは、撹拌器20の回転動作の回転軸と、鍋10の連結アセンブリ50及び調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の下部にある構成要素51、52及び41と一致する。上述のような回転動作の方向において、立ち壁及び突出部材が中央位置、つまり回転軸の位置にある場合、凹部の立ち壁及び突出部材には、一般的に非円形の周辺形状が設けられる。
特に、図示した実施例において、鍋固定管44は上端部において凹部45を有し、凹部45の立ち壁46は、多角形形状を有する。図5及び図6において、コンロベース33のプレート31の一部の上面図、特に調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41及び鍋固定管44が存在する、プレート31の一部を図示する。これらの図において、鍋固定管44の上端部における凹部45の立ち壁46の多角形形状は、明瞭に見られる。図7は、連結アセンブリ50が位置する鍋10の底部11の一部の底面図を示す。連結アセンブリ50の係合部材53が凹部55によって囲まれた中央部54を備えるということがわかる。中央部54の外周部は、多角形形状を有する。
更に、図示した実施例において、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41は、連結部47を含む。連結部47は動作移動シャフト41の上端部に位置付けられ、図5及び図6において見られるような2つの突出部48a及び48bを有する。図7は、鍋10の連結アセンブリ50の駆動連結構成要素51が、上述のような突出部48a及び48bをぴったりと収容するための対応位置において、凹部56a及び56bを備えるということを図示する。
適切な方法で調理用コンロ30における所定の位置に鍋を置くとき、鍋10の連結アセンブリ50の係合部材53の中央部54は、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の鍋固定管44の凹部45へと挿入される。結果として、鍋10は、鍋10が長手方向軸13に対して回転するのを防ぐような方法で、調理用コンロ30に対して固定される。更に、駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41の連結部47の突出部48a及び48bは、連結アセンブリ50の駆動連結構成要素51の凹部56a及び56bに挿入される。その結果として、動作移動シャフト41が回転動作を行うように駆動されるとき、駆動連結構成要素51と、駆動連結構成要素51に連結された撹拌器連結構成要素52とは、動作移動シャフト41の回転動作に続くようにされる。
撹拌器20が鍋10内で使用されることを目的とするとき、撹拌器20は、撹拌用のブレード21を下げて鍋10内に挿入する必要がある。そして、鍋10の連結アセンブリ50の撹拌器連結構成要素52と、撹拌器20のシャフト本体22との間の連結が実現される。図示した実施例において、三角形に形作られた立ち壁58を有する凹部57は、図2に明瞭に示されるように、撹拌器連結構成要素52の上端部に存在する。図3及び図4において、撹拌器20が撹拌器連結構成要素52の凹部57に収容されるのに適した端部を有する中央底部突出部23を備えることがわかる。従って、撹拌器20の中央底部突出部23の外周部も三角形である。
撹拌器20が適切な方法で鍋10の所定の位置に置かれるとき、撹拌器20の中央底部突出部23の端部が鍋10の連結アセンブリ50の撹拌器連結構成要素52の凹部57に挿入される。結果として、駆動アセンブリ40が作動するとき、鍋10の連結アセンブリ50の、撹拌器連結構成要素52及び下部にある駆動連結構成要素51と、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41との回転動作の後に、撹拌器20が続けられる。
本発明の枠組み内で、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41と鍋固定管44との連結部45、46、47、48a及び48bと、鍋10の連結アセンブリ50の、駆動連結構成要素51と撹拌器連結構成要素52と係合部材53との連結部54、55、56a、56b、57及び58と、撹拌器20の中央底部突出部である連結部23とは、撹拌器20が一方で回転するように駆動されること、そして、鍋10が他方で撹拌器20に伴って動くことを防がれることが最終的に達成される限り、上述の連結を確立するための任意の適切な方法で設計され得るということが留意される。例えば、連結が、補完的な多角形又は三角形形状を有する要素に基づいて確立されるということは重要ではない。
図5及び図6の両方は、コンロベース33のプレート31の一部を示し、穴部34が調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41及び鍋固定管44にアクセスできるように存在する。本発明の枠組み内における好ましい選択肢に従って、駆動アセンブリ40は、特に、実質的に垂直方向、つまり、動作移動シャフト41及び鍋固定管44の長手方向軸の方向において、調理用コンロ30において変位可能である。この長手方向軸の方向は、動作移動シャフト41の回転軸と一致する。駆動アセンブリ40を変位させるように要望された場合、駆動アセンブリ40を変位させるために、調理用コンロ30は、支持要素43を係合する持ち上げモジュール(lifting module)60を備える。支持要素43からモータ42は吊り下げられ、支持要素43において、鍋固定管44は支持される。本発明の枠組み内において、持ち上げモジュール60は、任意の適切な方法で設計され得る。一例を挙げると、持ち上げモジュール60はモータ及びラックギアを備えることができる。
図3、図4及び図5において、駆動アセンブリ40が作動位置、つまり鍋10の連結アセンブリ50の係合部材53及び駆動連結構成要素51が、調理用コンロ30の駆動アセンブリ40のそれぞれ鍋固定管44及び動作移動シャフト41に連結するのが可能な位置に示される。駆動アセンブリ40がこの位置に配置されるとき、鍋固定管44の一部は、コンロベース33のプレート31の支持面である最上面32の上方に延在する。図6において、駆動アセンブリが後退位置において、つまり、駆動アセンブリ40全体が最上面32よりも低い位置において図示される。駆動アセンブリ40は調理用コンロ30の内部スペース35の内部に収容される。
調理用コンロ30における駆動アセンブリ40の変位可能な配置で、鍋10内の他の調理加工アセンブリ又は撹拌器20を駆動する必要がない限り、駆動アセンブリ40を後退させることは可能である。従って、さまざまな目的のために駆動アセンブリ40を備えたコンロベース33を使用することが可能である。駆動アセンブリ40が後退位置にあるとき、駆動アセンブリ40がまるでそこに全く存在しないかのように、コンロベース33が使用され得る。
調理用コンロ30における駆動アセンブリ40の変位可能な配置は、駆動アセンブリ40を作動位置よりも更に高位にある位置に置くことが可能であるような配置でよい。従って、コンロベース33のプレート31から鍋10を持ち上げることが可能である。鍋10は、動作移動シャフト41及び鍋固定管44において支えられたままである。このような状態で、鍋10とその内容物の重さが決定され、これは、所望量の食材が鍋10内にあるかどうかを決定するために、特に調理工程の開始時において役立つ。有利なものとして、このような状態において、調理用コンロ30は、鍋固定管44を介して、支持要素43における鍋10によって加えられた力を測定するための手段を備えることができる。このような手段が持ち上げモジュール60と関連することが実用的である。
上述の記載から続き、調理用コンロ30に駆動アセンブリ40の変位可能な配置を有することが有益である。駆動アセンブリ40は、第1位置に配置され得る。第1位置は、駆動アセンブリ40が後退する最も低い位置である。これによって、駆動アセンブリ40が存在するコンロベース33は、まるで駆動アセンブリ40が全くそこに存在しないかのように使用され得る。駆動アセンブリ40は、第2位置に配置され得る。第2位置は、駆動アセンブリ40がコンロベース33から飛び出した、より高い位置である。これによって、駆動アセンブリ40を鍋10の連結アセンブリ50に連結することが可能である。駆動アセンブリ40は、第3位置に配置され得る。第3位置は、調理用コンロ30から鍋10を持ち上げるための更により高い位置であり、これによって、鍋10及びその内容物の重さを決定することが可能となる。
本発明に従った調理用コンロ30は、使用者が調理用コンロ30の動作を制御することを可能にするための手段、特に、駆動アセンブリ40を備える調理用コンロ30の少なくとも1つのコンロベース33と、可能であれば他のコンロベースとの動作を使用者が制御することを可能にするための手段を備えることができる。駆動アセンブリ40が位置付けられる位置を使用者が制御することを可能にするための手段を調理用コンロ30に有して、モータ42の動作の制御や計量機能の作動などを行うことが有益である。また、計量機能が作動されるとき、調理用コンロ30が、鍋10及びその内容物の計量に関する情報を含む情報を表示するための手段も備えることが有益である。
本発明の範囲が上記で議論された実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の変更及び修正が当業者にとって明らかとなるであろう。本発明を図面及び上記説明において詳細に図示及び説明してきたが、上記の図示及び説明は、説明的又は例示的とだけ考えられるべきであって、限定的と考えられるべきではない。本発明は、開示した実施形態に限定されない。
開示した実施形態に対する変形は、図面、明細書及び添付の請求項の研究から、請求した発明を実施する当業者によって理解及び実行され得る。請求項において、文言「含む(comprising)」は、他の段階又は要素を除外するものではなく、不定冠詞「ある(“a”又は“an”)」は、複数を除外するものではない。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、かかる手段の組み合わせを使用して利点が得られないということを示すものではない。仮に請求項に参照符号を入れた場合、請求項におけるいかなる参照符号も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
1つのユニットとして駆動アセンブリ40の、動作移動シャフトである動作移動手段41と鍋固定管である鍋固定手段44との近接した配置に関わる本発明の態様は、コンロベース33の最上面32に対する後退位置に駆動アセンブリ40を有する可能性に必ずしも依存する必要はない。一般に、本発明は、調理用コンロ30と共に使用される鍋10における食品加工アセンブリ20を駆動するための駆動アセンブリ40を有する調理用コンロ30にも関する。駆動アセンブリ40は、鍋10を支えるための、調理用コンロ30のコンロベース33と関連する。駆動アセンブリ40は、調理用コンロ30において移動可能に配置された、動作移動シャフトである駆動される動作移動手段41を備える。駆動される動作移動手段41は、食品加工アセンブリ20に対する動作を移動させるための食品加工アセンブリ20に連結するように構成される、連結部47、48a及び48bを有する。また、駆動アセンブリ40は、鍋10を係合するための鍋固定手段44も備え、これにより、鍋10が駆動アセンブリ40の作動中に動作移動手段41と共に動くことを防ぐ。動作移動手段41及び鍋固定手段44は、1つのユニットとして互いに近接して配置される。
図面に示し、かつ、上記で記載したような実施例において、撹拌器20は鍋10において使用される。これは、本発明が鍋内の他のいかなる種類の食品加工アセンブリの使用にも適用可能であるという事実を変えない。例えば、鍋10は鍋10の開口端を閉じるためのカバーを備えることができ、切断機構はカバー内に配置され得る。切断機構のインプットシャフトには、直接的に、あるいは、1つ以上の媒介要素を介して、鍋10の連結アセンブリ50の移動可能に配置された手段51及び52に連結するための連結部が設けられ得る。
本発明は、固定型調理用コンロ及び移動型調理用コンロの両方を含む、さまざまな種類の調理用コンロに関する。後者の移動型調理用コンロは、例えばトレーラーハウス(mobile home)などにおいて、従来型の鍋又は他の機構と共に使用され得る、家庭用調理器をベースとして機能することができる。調理用コンロのコンロベースの数は重要ではない。
必要に応じた調理用コンロ30の駆動アセンブリ40の変位が、モータ42によって自動的に行われる配置の代替形として、駆動アセンブリ40は、調理用コンロ30の使用者が駆動アセンブリ40の少なくとも1つの構成要素41及び44と、例えばレバー構成(lever construction)などの、コンロベース33のプレートである少なくとも1つの最上部の構成要素31との関連する動作を手動で実現することを可能にするための手段を備えることができるか、あるいは、駆動アセンブリ40は、少なくとも1つの取り外し可能に配置された部材を備えることができる。駆動アセンブリ40は、部材がないとき、コンロベース33の最上面32の上方に突出するものがないように設計される。後者の場合、駆動アセンブリ40を使用するように意図されるときのみ、調理用コンロ30の使用者がその部材を利用し、コンロベース33の所定の位置にその部材を配置する必要がある。
図示したような実施例において、駆動アセンブリ40がそのように所望された場合、駆動アセンブリ40がコンロベース33の最上面32に対して完全に後退する状況を有することができるようにするために、かつ、駆動アセンブリ40の動作移動シャフト41と鍋10の連結アセンブリ50との間の連結がすぐに確立され得るように、駆動アセンブリ40がより高い位置にある状況を有することができるようにするために、駆動アセンブリ40は、調理用コンロ30において変位可能である。また、鍋10は、駆動アセンブリ40の鍋固定管44と鍋10の連結アセンブリ50との係合に基づいて、コンロベース33において固定され得る。これは、本発明の枠組み内に存在する他の可能性が、コンロベース33のプレート31の変位可能な配置に関わるという事実を変えない。このような場合、駆動アセンブリ40の後退位置は、プレート31の比較的高い位置に関連し、駆動アセンブリ40の作動位置は、プレート31の比較的低い位置に関連する。
図8を参照すると、鍋10が、鍋10の中央位置において、鍋10の内部の底部11から突出し、かつ、自由端18で開いている管部材17を備える場合、鍋10の図示した実施形態で鍋10の連結アセンブリ50において配置されたシーリングリング15及び16は、省略してもよいということが留意される。鍋10のこのような実施形態と共に、撹拌器連結構成要素52は、管部材17の内部に延在する、管部材17とほぼ同様の高さのシャフトの形状で提供され得る。また、このような場合において、撹拌器連結構成要素52の自由端が管部材17から突出することを可能にする。代替的に、撹拌器連結構成要素52は、図2から図4に図示したものと同じでよく、撹拌器20又は鍋10と共に用いられる他の食品加工アセンブリは、シャフト本体22の内部に延在する中央シャフトを備え、撹拌器20が鍋10の所定の位置に配置されるとき、撹拌器連結構成要素52に連結することができる。いずれの場合においても、鍋10が図8に図示したような管部材17を備えるとき、撹拌器20のシャフト本体であるシャフト部材22が管部材17と嵌合する(fit over)ように構成されることが実用的である。鍋10に管部材17を有することによって、あらゆる状況下、特に、管部材17が鍋10の立ち壁12と少なくとも同じ高さのとき、鍋10の連結アセンブリ50は、鍋10の内容物から自動的に分離され、これは好ましい選択肢である。
本発明は、以下のように要約することができる。調理用コンロ30は、調理用コンロ30と共に使用される鍋10において、撹拌器である食品加工アセンブリ20を駆動するための駆動アセンブリ40を有する。駆動アセンブリ40は、鍋10を支えるための、調理用コンロ30のコンロベース33と関連する。特に、駆動アセンブリ40は、調理用コンロ30において移動可能に配置された、駆動される動作移動手段41を備える。駆動される動作移動手段41は、直接的に、あるいは、少なくとも1つの要素を介して間接的に、食品加工アセンブリ20に動作を移動させるための食品加工アセンブリ20に連結するように構成される、連結部47、48a及び48bを有し、要素は、鍋10に配置され得る。更に、駆動アセンブリ40は、鍋10を係合するための鍋固定手段44を備え、これによって、鍋10が、駆動アセンブリ40の作動中に、動作移動手段41と共に動かないようにする。モータである適切な駆動手段42は、動作移動手段41を駆動する目的のために提供され得る。
本発明に従って、駆動アセンブリ40の少なくとも1つの構成要素41及び44と、コンロベース33の最上面32を画定するコンロベース33の、プレートである少なくとも1つの構成要素31とは、調理用コンロ30において互いに対して変位可能である。実用的な選択肢に従って、駆動アセンブリ40の構成要素41及び44と、コンロベース33の構成要素31との相対的な変位は、調理用コンロ30における駆動アセンブリ40全体の変位可能な配置に基づいて実現される。更に、駆動アセンブリ40全体がコンロベース33の最上面32よりも低位に位置付けられている場所において、駆動アセンブリ40が調理用コンロ30に収容されることが可能である方法で、調理用コンロ30が設計され得る。従って、駆動アセンブリ40が存在するコンロベース33は、従来型の鍋も支えるために単に使用される。コンロベース33は、従来型コンロベースのような加熱手段を備えることができる。つまり、内部スペース35が駆動アセンブリ40を収容するために必要であるという事実に加えて、従来型コンロベースに対するコンロベース33の調整は、最小限に維持され得る。鍋10を支え、かつ、鍋10に熱を提供するようなコンロベース33の機能は、低下される必要がない。好ましくは、駆動アセンブリ40は、上述のような調理用コンロ30における後退位置と、調理用コンロ30における作動位置との間で変位可能に配置され、そこでは、鍋固定手段44の少なくとも一部がコンロベース33の最上面32を超えて延在する。
有利なものとして、動作移動手段41及び鍋固定手段44は、1つのユニットとして互いに近接して配置される。動作移動手段41及び鍋固定手段44の近接した配置は、動作移動手段41及び鍋固定手段44が離れて配置される周知の配置とは異なる。動作移動手段41は、調理用コンロ30と共に使用される鍋10の底部11の中央領域と関連する領域にある。また、鍋固定手段44は、鍋10の底部11の周辺部と関連した領域にある。