JP5856943B2 - 撮像システム - Google Patents

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本発明は被写体を撮像する撮像システムに関する。
近年、体腔内に挿入される内視鏡のように撮像手段を備えた撮像システムが広く用いられるようになっている。
また、通常の可視領域の照明光の照明のもとで撮像する通常光観察モード又は白色光観察(WLI観察)モードの他に、可視領域の照明光とは異なり、狭帯域の照明光のもとで撮像を行う狭帯域光観察(NBI観察)モード等の特殊光観察を行うことができる撮像システムも実用化されている。
例えばWO2010/131620号公報の第1の従来例には、狭帯域光観察を行うための面順次方式の撮像装置が開示されている。狭帯域光観察では、血管を高いコントラストで観察するために、血液に強く吸収され、かつ粘膜表層で強く反射・散乱される、という特長を併せ持つ光の利用に着目し、青色狭帯域光と緑色狭帯域光とを順次、生体組織に照射し、その反射光を撮像することにより、粘膜表層の毛細血管と深部の太い血管とのコントラストを強調表示する。
また、青色狭帯域光は、緑色狭帯域光に比較して、照明光量が不足しがちとなるため、上記公報の第1の従来例の撮像装置においては、緑色の狭帯域光Gと青色の2つの狭帯域光B1,B2を順次照射し、狭帯域光G,B1,B2に対応する反射光画像(狭帯域画像)から作成した狭帯域光観察画像を用いて狭帯域光観察を行うようにしている。また、この第1の従来例の撮像装置は、明るさ制御を行う構成を開示している。
また、特開2001−8097号公報の第2の従来例は、光源からの光照射に基づき被観察体内を撮像する撮像素子と、露光量情報を入力し上記光源からの光出力を可変制御する光量制御回路と、上記撮像素子から出力された画像信号のゲインを可変制御するゲイン制御回路と、上記画像信号に対して輪郭強調を行うディテール回路と、上記露光量情報により画像明るさが不足する状態で上記光量制御回路による光出力が上限値にあることを検出したとき、上記ゲイン制御回路により画像信号のゲインを上げると共に、このゲイン値の上昇に比例して上記ディテール回路のディテール量を下げるように制御する制御回路とを設けた内視鏡システムを開示している。
WO2010/131620号公報 特開2001−8097号公報
上記第1の従来例は、可視領域の照明光と狭帯域の照明光とを切り替えることにより通常光観察モードと狭帯域光観察モードとで観察できるようにしているが、照明光を切り替えて照明光量が不足し易い狭帯域光による観察を行うような場合において、明るさ制御のためにノイズが目立つようになる欠点が発生する。
また、第2の従来例は、露光量が不足する場合には、ゲイン可変手段により画像信号のゲインを所定の明るさの画像が得られるようにゲインを増大すると共に、ゲイン値の上昇に比例してディテール回路のディテール量を下げるように制御するが、通常の照明光の場合に適用することを想定しているため、通常の照明光よりも光量がかなり小さい狭帯域光の場合にはノイズが顕著になってしまう欠点がある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、照明光を切り替えて観察を行う場合に対応でき、ノイズが目立つことなく、観察し易い画質の画像を生成することができる撮像システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の撮像システムは、第1の狭帯域及び第2の狭帯域を備えた第1の照明帯域の照明光と、複数の広帯域を備えた第2の照明帯域の照明光とを切り替えて照明を行う照明手段と、前記照明手段により照明された被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により出力される撮像信号の撮像信号レベルを変更する信号レベル可変手段と、前記信号レベル可変手段から出力される信号から画像信号を生成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行う画像処理手段と、前記第1の照明帯域の照明光で照明を行う場合において、前記第1の狭帯域の照明光に前後するタイミングで前記第2の狭帯域の照明光のもとで撮像した2つの撮像画像を合成する処理を行う合成処理手段と、前記画像処理手段が行う輪郭強調処理内容と、前記照明手段における前記第1の照明帯域を形成する前記第1の狭帯域及び前記第2の狭帯域の組み合わせと、前記第2の照明帯域を形成する前記複数の広帯域の組み合わせの情報と、前記合成処理手段による2つの撮像画像を合成する際の合成係数に応じて、前記信号レベル可変手段における前記撮像信号レベルに対するゲインを制御する信号レベル可変制御手段と、を備え、前記第1の照明帯域の照明は、1フレーム期間の整数倍となる所定の時間内に、前記第1の狭帯域の照明光による第1回の照明と、前記第2の狭帯域を有する照明光による前記第1回の2倍となる第2回の照明との組み合わせからなり、更に、前記第1回の回数のうちの第1の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第1の撮像信号と、前記第2回の回数のうちの第2の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第2の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第1の明るさを算出し、前記第1回の回数のうちの第3の所定回の照明に基づく第1の撮像信号と、前記第2回の回数のうちの第4の所定回の照明に基づく第3の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第2の明るさを算出する明るさ算出手段と、前記第1の明るさと所定の目標明るさとの差分と、前記第2の明るさとの比に基づいて、各1フレーム期間において前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第1及び第3の撮像信号を合成する場合の合成係数を算出する演算手段と、を備え、前記画像処理手段は、前記演算手段による合成係数、又は合成係数設定手段により設定される合成係数に基づき、各1フレーム期間内における前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第1及び第3の撮像信号を合成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行い、前記信号レベル可変手段は、前記照明手段が前記第1の狭帯域及び第2の狭帯域の組み合わせからなる前記第1の照明帯域の照明光のもとで撮像された撮像信号である場合、前記画像処理手段が行う前記輪郭強調処理内容と前記合成係数とに基づき、前記第1、第2及び第3の撮像信号を処理する前記信号レベル可変手段を制御する。
本発明によれば、照明光を切り替えて観察を行う場合に対応でき、ノイズが目立つことなく、観察し易い画質の画像を生成することができる。
図1は本発明の第1の実施形態の撮像システムの全体構成を示す図。 図2は回転フィルタの内周側に設けた第1フィルタ群を構成する狭帯域フィルタの波長に対する透過特性を示す図。 図3は回転フィルタの外周側に設けた第2フィルタ群を構成する広帯域フィルタの波長に対する透過特性を示す図。 図4は明るさ算出部の構成を示すブロック図。 図5は合成処理部の構成を示すブロック図。 図6Aは合成率に応じてノイズ低減の強度をステップ状に変更する特性例を示す図。 図6Bは合成率に応じてノイズ低減の強度を連続的に変更する特性例を示す図。 図7Aは狭帯域光観察モード時における強調レベルなどに応じてAGC回路のゲイン最大値を抑制する制御内容を示す図。 図7Bは通常光観察モード時における強調レベルに応じてAGC回路のゲイン最大値を抑制する制御内容を示す図。 図8は強調回路が行う強調の種類に応じてAGC回路のゲイン最大値を抑制する制御内容を示す図。 図9は第1の実施形態における処理内容を示すフローチャート。 図10は第1の実施形態の変形例の撮像システムの全体構成を示す図。 図11は第1の実施形態の変形例におけるNBI観察モード時でのゲイン最大値を制限する内容を示す図。 図12は表示される画像を複数の領域に分割した様子を示す図。 図13Aは明領域及び暗領域に応じて構造強調を行う周波数特性を変更する内容を示す図。 図13Bは明領域及び暗領域と、電子ズームの有無に応じて構造強調を行う強度などを変更する内容を示す図。 図14は撮像素子をAチャンネルとBチャンネルとの2線を用いて読み出す場合における欠陥画素とその周辺の8画素の関係を示す図。 図15は60コマ/秒の画像を50コマ/秒の画像に変換する65変換回路の画像メモリに入力される画像のタイミングと、65変換されて画像メモリから出力される画像のタイミング等を示すタイミング図。 図16は65変換した画像信号を同時化メモリに書き込みして、同時化したRGB信号として読み出すタイミングを示すタイミング図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示す本発明の第1の実施形態の撮像システム1は、患者9の体腔内に挿入され、体腔内の患部等を被写体として内視鏡検査を行う内視鏡2と、内視鏡2に複数の狭帯域光からなる照明光と、複数の広帯域光からなる照明光とを選択的に供給する光源装置3と、内視鏡2に搭載された撮像手段に対する信号処理を行う信号処理手段としてのビデオプロセッサ4と、このビデオプロセッサ4から出力される画像信号をカラー表示するカラー表示手段としてのカラーモニタ5とを有する。
内視鏡2は、体腔内に挿入し易いように細長で可撓性を有する挿入部11と、この挿入部11の後端(基端)に設けられた操作部12と、操作部12の側部などから延出されたユニバーサルケーブル13とを有する。挿入部11、操作部12、ユニバーサルケーブル13内には、照明光を伝達するライトガイド14が挿通され、ライトガイド14の端部に設けた光源用コネクタ15は、第1の狭帯域及び第2の狭帯域を備えた第1の照明帯域の照明光と、複数の広帯域を備えた第2の照明帯域の照明光とを切り替えて照明を行う照明手段を構成する光源装置3に着脱自在に接続される。
光源装置3は、ランプ電源回路20によるランプ点灯電源により発光するランプ21を有する。このランプ21は、例えばキセノンランプなどにより構成され、可視領域をカバーする広帯域の光を発生する。
そして、以下に説明するように光源装置3は、通常光観察モード又は白色光の観察モード(WLI観察モード又はWLIモード)に対応した広帯域R、G、B面順次照明光と、狭帯域光観察モード(NBI観察モード又はNMIモード)に対応した狭帯域G、B面順次照明光との一方の面順次照明光をライトガイド14に供給する。
なお、狭帯域のG、B面順次光は、広帯域R、G、B面順次照明光に比較すると、照明光量が不足しがちになり易く、かつ狭帯域のG面順次光に比較して狭帯域のB面順次光の照明光量がライトガイド14での伝送ロスなどにより小さくなり易いため、本実施形態においては、以下に説明するように狭帯域G面順次光の1回の照明に対して狭帯域B面順次光の照明を2回行う構成にしている。2回の内の一方がB1の照明光、他方がB2の照明光となる。
メインとなる狭帯域B面順次光を狭帯域B1の面順次光、サブ(スレーブ)の狭帯域B面順次光を狭帯域B2の面順次光とした場合、本実施形態においては、狭帯域G、B1、B2の面順次照明光又は狭帯域B2を最初にした狭帯域B2,G,B1の面順次照明光による照明を行う。そして、同じ狭帯域のB1の照明光とB2の照明光とでそれぞれ撮像した撮像画像を合成することによって、狭帯域のB1又はB2の照明光でそれぞれ撮像したB1の撮像画像(又はB2の撮像画像)よりも明るい画像を生成することができるようにしている。
また、照明光量が不足する場合には、撮像信号レベルを変更する信号レベル可変手段としてのAGC回路47によるゲインにより撮像信号レベルを上げ、明るい画像を生成することができるようにしている。但し、面順次照明のため、動きのある被写体を撮像した場合には、合成画像に輪郭ずれ等が発生する。そのため、後述するように本実施形態においては観察モード、輪郭強調レベル、2つの画像を合成する場合の合成係数(又は合成比率)に応じて、AGC回路47によるゲインの最大値を制限し、ノイズが目立たない画像がえられるようにする。
ランプ21の光は、その照明光路中に配置された絞り22Aにより、通過する光量が調整された後、モータ23により回転される回転カラーフィルタ24を通り、コンデンサレンズ25で集光されてライトガイド14の入射端面に入射される。なお、絞り22Aは、絞り駆動回路22Bにより、絞り22Aにおける通過光量を決定する開口の大きさを可変する。なお、絞り22Aには、絞り22Aの開口量を検出するセンサ(図示略)を有し、最大の開口量となった開放状態においては、最大の開口量又は開放状態を検出した信号を絞り駆動回路22Bを介して後述する制御回路32に出力する。
なお、センサは、絞り駆動回路22Bを介することなく、直接制御回路32に出力しても良い。
回転カラーフィルタ24は、内周側周方向と外周側周方向に沿ってそれぞれ配置された複数の扇形状のフィルタを備え、第1の照明帯域の照明光と、第2の照明帯域の照明光を生成する第1フィルタ群6と第2フィルタ群7を有する。
内周側の円環部分に、緑(G),青(B)の波長帯域における狭帯域の光をそれぞれ透過するGフィルタ6G、Bフィルタ6B1及び6B2が配置されて、第1フィルタ群6が構成される。なお、Bフィルタ6B1及び6B2は、同じ特性のフィルタであり、Bフィルタ26B1がメインで使用されるフィルタで、Bフィルタ26B2がサブで使用されるフィルタである。
外周側の円環部分には、赤(R)、緑(G)、青(B)の広帯域の光をそれぞれ透過するR,G,Bフィルタ7R,7G,7Bが配置され、第2フィルた群7を構成する。
図2はGフィルタ6G、Bフィルタ6B1及び6B2の透過特性を示す。具体的には、Gフィルタ6Gは、540nmを中心とした530−550nmの狭帯域のG光を透過し、Bフィルタ6B1及び6B2は、例えば415nmを中心とした400−430nmの狭帯域のB光(B1光、B2光ともいう)を透過する。なお、図2においては、符号フィルタ6G、6B1、6B2を記載しないで、その透過特性をG,B1(B2)で示している。
図3は、R,G,Bフィルタ7R,7G,7B(図中ではRw,Gw,Bwで示す)の透過特性を示し、R,G,Bフィルタ7R,7G,7Bは、通常のR,G,Bの広帯域の波長帯域の光をそれぞれ通過する。なお、第1フィルタ群6と第2フィルた群7を、それぞれ狭帯域フィルタ群と広帯域フィルタ群とも言う。
なお、本明細書においては、図2に示す狭帯域の透過特性を有するGフィルタ6G、Bフィルタ6B1及び6B2の透過特性をG,B1(B2)で示し、図3に示す広帯域の透過特性を有するR,G,Bフィルタ7R,7G,7Bの透過特性、又はそれらの光をRw,Gw,Bwで示す。
回転カラーフィルタ24を回転するモータ23は、ラック28に取り付けてあり、このラック28は移動用モータ29の回転軸に取り付けたピニオンギア29aと噛合している。図1の実線で示す状態においては、回転カラーフィルタ24の外周側のR,G,Bフィルタ7R,7G,7B(Rw,Gw,Bw)が照明光路中に配置されたWLI観察モードに対応した照明を行う状態であり、モータ23により回転されることにより、広帯域のR、G、B面順次照明光がライトガイド14の入射端面に入射される。
内視鏡2の操作部12には観察モードを選択又は切り替える観察モード切替手段としての観察モードスイッチ31が設けられており、制御回路32は観察モードスイッチ31の操作に対応して光源装置3による照明光の切替と、ビデオプロセッサ4による照明光に対応した動作の制御を行う。例えば、術者等のユーザが観察モードスイッチ31を操作してWLI観察モードから、NBI観察モードに切り替える操作をすると、ビデオプロセッサ4内の制御回路32は、モータ29を回転駆動して、回転カラーフィルタ24及びモータ23を図1における矢印で示すように上方側に移動させる。
回転カラーフィルタ24が2点鎖線で示すように上方側に移動すると、内周側のB2G、B1フィルタ6B2,6G、6B1が照明光路中に配置される状態に切り替わる。この状態においては、モータ23により回転カラーフィルタ24が回転されることにより、狭帯域のB2,G、B1面順次照明光がライトガイド14の入射端面に入射される。
ライトガイド14により伝送された照明光は、挿入部11の先端部33の照明窓に臨むライトガイド先端面から照明光として体腔内に出射され、体腔内の患部等の被写体を照明する。照明された被写体は、照明窓に隣接して設けられた観察窓に取り付けられた対物レンズ系34によってその結像位置に、撮像面が配置された撮像素子としての例えば電荷結像素子(CCDと略記)35に結像される。照明手段により照明された被写体を撮像する撮像手段は、被写体の光学像を結ぶ対物レンズ系34と、その結像位置に配置されたCCD35とにより構成される。
撮像手段を構成するCCD35は、挿入部11等を挿通された信号線を介してユニバーサルケーブル13の端部に設けた信号コネクタ36の電気接点と接続される。信号コネクタ36は、ビデオプロセッサ4に着脱自在に接続される。CCD35はビデオプロセッサ4内に設けたCCDドライバ41が発生するCCD駆動信号の印加により、CCD35の撮像面に結像された光学像を光電変換した信号を撮像信号として出力する。
なお、光源装置3が広帯域のR、G、B面順次照明光を生成している場合においては、CCD35は、広帯域のR、G、B面順次照明光のもとでそれぞれ光電変換した信号としての広帯域のR、G、Bの撮像信号を面順次で出力する。
一方、光源装置3が狭帯域のB2、G、B1面順次照明光を生成している場合においては、CCD35は、狭帯域のB2、G、B1面順次照明光のもとでそれぞれ光電変換した信号としての狭帯域のB2、G、B1の撮像信号を面順次で出力する。
以下においては、(殆どの場合において)広帯域のR、G、B面順次照明光を、Rw、Gw、Bw面順次光、広帯域のR、G、Bの撮像信号を、Rw、Gw、Bwの撮像信号のように表記し、狭帯域のB2、G、B1面順次照明光や、狭帯域のB2、G、B1の撮像信号と区別する。
CCD35から面順次で出力される撮像信号(具体的には、Rw、Gw、Bwの撮像信号又はB2、G、B1の撮像信号)は、ビデオプロセッサ4内のアナログ処理部42に入力され、アナログ処理部42を構成するプリアンプにより低雑音指数で増幅された後、相関2重サンプリング回路(CDS回路と略記)によりベースバンドの信号成分が抽出される。CDS回路を経たベースバンドの信号は、A/D変換回路43によりデジタルの撮像信号に変換された後、面順次の撮像信号を同時化する同時化制御部44と撮像画像の明るさを算出する明るさ算出部45とに入力される。
同時化制御部44は、面順次の撮像信号を同時化するための同時化メモリ46と接続されている。同時化メモリ46は、R,G,Bメモリ46a,46b,46cを有する。そして、Rw、Gw、Bwの撮像信号が入力された場合には、同時化制御部44は、R,G,Bメモリ46a,46b,46cにそれぞれRw、Gw、Bwの撮像信号を格納する。
一方、B2、G、B1の撮像信号が入力された場合には、同時化制御部44は、R,G,Bメモリ46a,46b,46cにそれぞれB2、G、B1の撮像信号を格納する。
同時化制御部44は、広帯域のRw、Gw、Bwの撮像信号又は狭帯域のB2、G、B1の撮像信号を同時化メモリ46に格納した後、同時に読み出し、各フレームにおける撮像信号のレベルを変更する信号レベル可変手段としての自動利得制御回路(AGC回路と略記)47に出力する。
明るさ算出部45は、撮像画像の明るさを明るさ算出部45内に設けたマトリクス処理部65によるマトリクス処理(又は色変換マトリクス処理)により算出する。明るさ算出部45は、少なくとも1フレーム期間より長い時間における撮像画像の平均の明るさ(又は輝度)を算出する。平均の明るさ(又は輝度)を算出する場合の時間をユーザが設定することができるようにしても良い。
明るさ算出部45は、WLI観察モードの場合には、広帯域のRw、Gw、Bw面順次照明光でのRw、Gw、Bwの撮像信号に対応した1種類の明るさを算出する。
一方、NBI観察モードの場合には、所定の時間(例えば1フレーム期間、又は2フレーム期間)内において、狭帯域のB2、G、B1面順次照明光におけるB2、G照明光と、B1、G照明光とでそれぞれ撮像した撮像信号から2組の明るさ(第1の明るさと第2の明るさ)を算出する。
なお、本実施形態においては、B1照明光をマスター照明光、B2照明光をマスター照明光に対して補助的(従属的)に使用されるスレーブ照明光とも呼ぶ。また、B1、G照明光をマスター側照明光、B2、G照明光をスレーブ側照明光とも呼ぶ。
上記AGC回路47の出力信号は、以下に説明するように輪郭強調処理を行う強調回路55を含む画像処理手段としての画像処理部50を構成する合成処理部51に、切替スイッチ52を介して入力される。画像処理部50は、信号レベル可変手段としてのAGC回路47から出力された信号から画像信号を生成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理等を行う。
NBI観察モードにおいては、AGC回路47の出力信号は、切替スイッチ52を介して(B1照明光の下でCCD35により撮像された)B1撮像画像と(B2照明光の下でCCD35により撮像された)B2撮像画像の合成を行う合成処理部51に入力される。合成処理部51は、合成により生成した画像信号を後段側に出力する。
WLI観察モードにおいては、制御回路32によって切替スイッチ52は接点a、bにおける設定aが選択されるように切替が制御される。この場合には、AGC回路47の出力信号は、合成処理部51をバイパスしてノイズ低減処理を行うノイズリダクション(NRと略記)回路53に入力される。
NR回路53は、ノイズ低減処理を行う際の処理強度(NR強度とも言う)と合成処理部51による合成率の値とをルックアップテーブルのように関連付けた情報として格納したROM53aと接続されている。そして、NR回路53は、ROM53aの情報を参照して、合成率の値に応じた強度でノイズ低減の動作を行う。
NR回路53から出力される画像信号は、拡大/縮小回路54に入力され、拡大/縮小回路54は、入力される画像信号の画像サイズを電気的な信号処理により拡大(電子ズーム)又は縮小を行う。拡大/縮小回路54の出力信号は、強調回路55に入力され、強調回路55は、輪郭を強調する輪郭強調処理を行う。
強調回路55から出力される画像信号は、マトリクス処理部56に入力され、マトリクス処理部56は、1フレーム期間単位でマトリクス処理によりカラーモニタ5のRGBチャンネルに出力するR,G,B画像の画像信号Ro,Go,Boを生成する。
マトリクス処理部56は、WLI観察モード時においては、単位マトリクスとなり、NBI観察モード時は、色調変更する場合には、後述する(1)式のα、β、γを含むマトリクスを採用する。
このマトリクス処理部56により生成された画像信号Ro,Go,Boは、D/A変換回路57によりアナログの画像信号Rt′,Gt′,Bt′に変換された後、カラーモニタ5のRGBチャンネルに入力される。
カラーモニタ5には、WLI観察モードにおいては、WLI観察画像がカラー表示され、NBI観察モードにおいては、NBI観察画像がカラーないしは擬似カラーで表示される。
また、ビデオプロセッサ4には、合成係数設定手段(又は合成比率設定手段)としての合成比率設定部(又は合成係数設定部)58a、輪郭強調レベル設定部58b等の各種の設定を行う操作パネル58を備え、操作パネル58により設定した信号は制御回路32に入力される。
術者等のユーザは、合成比率設定部58aから合成比率a′を設定する操作を行うことにより、制御回路32を介して合成比率a′が合成処理部51に入力され、合成処理部51は実際に合成する際に使用する合成比率acとしてこの合成比率a′を用いて2組の撮像信号(B1撮像信号とB2撮像信号)の合成処理を行う。
合成処理部51は、ユーザにより設定される合成比率a′を優先して使用するが、この設定が行われない場合には、明るさ算出部45により算出される後述する合成比率aを合成比率acとして合成処理を行う。
図1では、明るさ算出部45から合成比率の情報を合成処理部51に直接出力するラインを示しているが、明るさ算出部45により算出した合成比率aの情報を制御回路32に出力し、制御回路32が纏めて合成処理部51の合成処理を制御しても良い。本実施形態では、後者の場合を想定して以下の説明を行う。
また、明るさ算出部45は、算出した明るさの目標の明るさからの差分を、調光制御部59に出力する。調光制御部59は、入力された差分の信号を調光信号として光源装置3の絞り駆動回路22Bに出力し、絞り駆動回路22Bは調光信号に基づいて絞り22Aを通過する光量を調整する。
また、ビデオプロセッサ4内には、制御回路32がAGC回路47のAGCゲイン(以下、単にゲインと略記)の範囲を制限する制御情報60aを格納した制御情報格納部としての例えばフラッシュメモリ60を有する。
制御回路32は、フラッシュメモリ60に格納された制御情報60aを参照してAGC回路47のゲインを、AGC回路47のゲイン制御端子に印加するゲイン制御信号Cgで制御する。なお、AGC回路47は、3つの特性が揃ったAGC回路により構成され、ゲイン制御端子に印加されるゲイン制御信号Cgの電圧値に応じた同じゲインでB2,G,B1の撮像信号を増幅して後段側に出力する。
なお、後述するようにNBI観察モードにおいては、2組の明るさの算出値及び目標の明るさとの差分値等に応じてB1の撮像信号とB2の撮像信号とを合成する場合の合成係数としての合成比率aを可変設定する。
本実施形態における明るさ算出部45は、例えば図4に示すような構成によりCCD35により撮像された撮像画像の平均の明るさ(輝度)を算出する。なお、図4においては、所定の時間として例えば2フレーム期間に設定した場合での平均の明るさを算出する場合の例を示しているが、1フレーム期間T1に設定して、1フレーム期間T1での平均の明るさを算出しても良いし、3フレーム期間等、複数のフレーム期間において平均の明るさを算出しても良い。なお、図4における点線に関しては後述する。
図4に示すように明るさ算出部45は、例えば3組のフレームメモリ61R,61R′,61G,61G′,61B,61B′を有し、Rw、Gw、Bwの撮像信号又はB1、G、B2の撮像信号の複数フレーム(ここでは2フレーム)分の撮像信号の平均値(平均信号値)となる/Rw、/Gw、/Bw又は/B2、/G、/B1の撮像信号を算出する平均値算出部62を有する。
図4に示す構成例では、1フレーム目のRw又はB2の撮像信号が入力された場合には、制御回路32は切替スイッチSW1とSW2aとを切り替え、フレームメモリ61RにRw又はB2の撮像信号を格納する。フレームメモリ61Rに格納されたRw又はB2の撮像信号をRw−1(B2−1)で示す。次の1フレーム目のGw又はGの撮像信号が入力された場合には、制御回路32は切替スイッチSW1とSW2bとを切り替え、フレームメモリ61GにGw又はGの撮像信号を格納する。フレームメモリ61Gに格納されたGw又はGの撮像信号をGw−1(G−1)で示す。
さらに次の1フレーム目のBw又はB1の撮像信号が入力された場合には、制御回路32は切替スイッチSW1とSW2cとを切り替え、フレームメモリ61BにBw又はB1の撮像信号を格納する。フレームメモリ61Bに格納されたBw又はB1の撮像信号をBw−1(B1−1)で示す。
次の2フレーム目のRw又はB1の撮像信号が入力された場合には、制御回路32は切替スイッチSW1とSW2aとを切り替え、フレームメモリ61R′にRw又はB2の撮像信号を格納する。フレームメモリ61R′に格納されたRw又はB2の撮像信号をRw−2(B2−2)で示す。同様に、フレームメモリ61G′にはGw−2(G−2)で示す撮像信号が格納され、フレームメモリ61B′にはBw−2(B1−2)で示す撮像信号が格納される。
また、フレームメモリ61Rに格納されたRw―1(B2―1)の撮像信号とフレームメモリ61R′に格納されたRw―2(B2―2)の撮像信号とは加算器63aにより、対応する画素が加算されて平均値となる/Rw(/B2)が算出される。
例えば、1回目のRw(又はB2)照明光の下でCCD35により撮像され、プリアンプで増幅された後、CDS回路により抽出されたベースバインドの撮像信号成分を、A/D変換回路43によりデジタル信号に変換した撮像信号Rw−1(B2−1)における2次元の画素位置(i,j)の信号レベルをRw―1(i,j)(B2―1(i,j))で表した場合、/Rw=(Rw―1(i,j)+Rw―2(i,j))/2となり、/B2=(B2―1(i,j)+B2―2(i,j))/2となる。なお、2フレーム分の撮像信号から平均値を算出する例を示したが、3フレーム以上の複数フレームで平均値を算出しても良い。
同様にフレームメモリ61Gに格納されたGw―1(G―1)の撮像信号とフレームメモリ61G′に格納されたGw―2(G―2)の撮像信号とは加算器63bにより加算されて平均値となる/Gw(/G)が算出される。
また、同様にフレームメモリ61Bに格納されたBw―1(B1―1)の撮像信号とフレームメモリ61B′に格納されたBw―2(B1―2)の撮像信号とは加算器63cにより加算されて平均値となる/Bw(/B1)が算出される。
平均値算出部62を構成する加算器63a,63b,63cは、それぞれ算出した/Rw(/B2)、/Gw(/G)、/Bw(/B1)の撮像信号をそれぞれR画像、G画像、B画像明るさ算出部64a,64b,64cに出力する。
R画像、G画像、B画像明るさ算出部64a,64b,64cは、例えば/Rw(/B2)、/Gw(/G)、/Bw(/B1)の撮像信号を、有効画素領域の画素単位で積算して、(積算に用いた有効画素領域の)画素数で除算して各成分画像の明るさ<Rwf>,<Gwf>,<Bwf>(<B2f>、<Gf>,<B1f>)を算出する。
各成分画像の明るさ<Rwf>,<Gwf>,<Bwf>(<B2f>、<Gf>,<B1f>)は、マトリクス処理部65に入力される。マトリクス処理部65は、WLI観察モードにおいては、単位のマトリクスによりRm,Gm,Bmの信号を算出する。
つまり、入力される各成分画像の明るさ<Rwf>,<Gwf>,<Bwf>をRm,Gm,Bmの信号として出力する。一方、NBI観察モードの場合においては、マトリクス処理部65は、下記の(1)式に示すマトリクス処理してRm,Gm,Bmの信号を算出する。算出したRm,Gm,Bmの信号を輝度算出部66に出力する。
[数式1]
Figure 0005856943
なお、(1)式におけるα、β、γは、マトリクス係数である。α、β、γは、上述したマトリクス処理部56におけるNBI観察モード時におけるカラーモニタ5においてカラー表示する場合の色調を希望する色調に変更したものに対応している。
これらの値は、例えば、0.7〜1.5の範囲から適宜に選択設定することができる。
(1)式の右辺のRf,Gf,Bfは、NBI観察モードにおけるマスター側照明光の場合とスレーブ側照明光の場合とにそれぞれ対応する<R1f>,<Gf>,<B1f>と、<R2f>,<Gf>,<B2f>となる。ここでは、マスター側照明光の場合とスレーブ側照明光の場合とにおいて、Gfを共通に使用しているが、共通に使用する場合に限定されない。Gfを共用した場合には、画像のずれを低減できる利点を有する。
NBI観察モードにおいては、(1)式は2組のRm,Gm,Bmの信号を算出する。輝度算出部66は、WLI観察モードでは下記の(2)式により輝度Yを算出する。
Y=0.3Rm+0.59Gm+0.11Bm (2)
一方、NBI観察モードにおいては、輝度算出部66は、マスター側照明光の場合に対して下記の(3)式により輝度Y1を算出する。
Y1=0.3Rm+0.59Gm+0.11Bm
=0.3・α<G>+0.59・β<B1>+0.11・γ<B1> (3)
また、NBI観察モードにおいては、輝度算出部66は、スレーブ側照明光の場合に対して下記の(4)式により輝度Y2を算出する。
Y2=0.3Rm+0.59Gm+0.11Bm
=0.3・α<G>+0.59・β<B2>+0.11・γ<B2> (4)
また、輝度算出部66は、WLI観察モードの場合においては、目標の明るさ(輝度)Ywsと輝度Yとの差分ΔYw(=Yws−Y)と、NBI観察モードの場合においては、目標の明るさ(輝度)Ysと輝度Y1との差分ΔY1(=Ys−Y1)を算出する差分算出部66aを有する。
なお、メモリなどにより構成される目標明るさ格納部67は、WLI観察モードの場合における目標の明るさ(輝度)Ywsの値と、NBI観察モードにおける目標の明るさ(輝度)Ysの値を格納し、差分算出部66aは、目標明るさ格納部67に格納された情報を参照して差分ΔYw、ΔY1を算出する。
WLI観察モードの場合又はNBI観察モードの場合においては、明るさ算出部45(の輝度算出部66)は、差分ΔYw又はΔY1を調光制御部59に出力し、調光制御部59は差分ΔYw又はΔY1に応じて絞り駆動回路22Bを介して絞り22Aの開口量を調整する。
例えば、調光制御部59は、差分ΔYwが正の場合(算出された輝度Yが目標の明るさ(輝度)Ywsより小さい場合)には、絞り22Aを開くように制御する調光信号を出力し、差分ΔYwが負の場合には、絞り22Aを閉じるように制御する調光信号を出力する。
上記差分又はΔYwを差分ΔY1に置換したNBI観察モードの場合においても調光制御部59は、同様の制御を行う。また、NBI観察モードの場合において、差分ΔY1が0以下となる場合には、マスター側照明のみにより、目標の明るさ(輝度)Ysが得られるため、合成処理部51におけるB1及びB2撮像画像との画像を合成する場合の合成係数としての合成比率acを0にする。
また、明るさ算出部45により算出される差分ΔYw、ΔY1に応じて制御回路32を介してAGC回路47のAGCゲインが制御される。なお、本実施形態においては、WLI観察モードの場合とNBI観察モードの場合とでは、後述するようにAGC回路47のAGCゲインの制御範囲(ゲイン最大値)を異なるように設定している(図7A,図7B参照)。
また、明るさ算出部45の輝度算出部66は、NBI観察モードの場合においては、差分ΔY1がΔY1>0の場合には下記の(5)式により、合成係数を構成する合成比率aを算出する演算手段を構成する合成比率算出部66bを有する。
ΔY1=Y2×a 、a=ΔY1/Y2 (5)
合成比率算出部66bは、差分ΔY1と輝度Y2の比(ΔY1/Y2)とから合成比率aを算出する演算手段を構成する。
合成比率算出部66bは、算出した合成比率aを例えば制御回路32を介して合成処理部49に出力する。合成処理部51は、(合成比率設定部58aによる合成比率a′の設定がされない場合には)算出された合成比率aを合成処理部51において実際に合成する合成比率acに設定してマスター照明によるB1の撮像画像と、スレーブ照明によるB2の撮像画像とを合成する。
これに対して、合成比率設定部58aによる合成比率a′が設定がされている場合には、合成処理部51は、合成比率a′を優先して合成比率acに設定して、画像の合成に使用する。なお、合成処理部51は、実際には、後述する(6)式又は図5に示すようにGの撮像画像も含めた合成画像を生成する。但し、Gの撮像画像に対しては、単に1+acの係数を乗算して生成する。このため、異なるタイミングで撮像した複数の画像を合成するという定義を用いる場合には、B1の撮像画像とB2の撮像画像とから合成する場合がその定義に対応した撮像画像となる。
例えば、合成処理部51に入力される動画を構成する各フレームの撮像画像成分となるB2,G,B1の撮像画像をRin,Gin,Binとし、合成処理部51から出力される合成された合成画像をRt,Gt,Btとすると、合成処理部51は以下の(6)式のような合成画像の信号を生成して後段側に出力する。
[数式6]
Figure 0005856943
(6)式によれば、合成処理部51は、Rt,Gt,BtとしてB2,(1+ac)G,ac・B2+B1の画像を生成する。
このように、合成処理部51は、出力画像成分としてのBtの合成画像としてac・B2+B1画像を生成する。また、合成処理部51は、Btの合成画像の生成に対応して、Gtの画像成分として(1+ac)・Gの画像を生成する。
合成処理部51の後段側における画像処理部50を構成するNR回路53、拡大/縮小回路54、強調回路55等においては、合成処理部51により生成された合成画像の画像信号に対して、それぞれノイズ低減、拡大/縮小処理、輪郭強調処理等を行う。
なお、本明細書においては、合成処理部51により生成される主要な合成画像成分Btを生成するB1の撮像画像とB2の撮像画像とそれぞれ乗算する係数の比1:acを合成比率とも言う。
図5は合成処理部51の構成例を示す。B2の撮像画像(の撮像信号)は合成処理部51をスルーしてRtの画像信号となる。また、G及びB1の撮像画像(の撮像信号)は、乗算器71a及び加算器71bの一方の入力端にそれぞれ入力され、乗算器71a及び加算器71bは、出力端からGt,Btの合成画像の画像信号としてNR回路53に出力する。
乗算器71aにおける他方の入力端には、制御回路32から乗算される係数として、1+acが入力され、乗算器71aは、Gの撮像画像に1+acの係数を乗算して、(1+ac)Gの合成画像を出力する。
また、加算器71bの他方の入力端には、B2の撮像画像を乗算器71cにより係数acを乗算したac・B2の撮像画像が入力され、加算器71bは、両撮像画像を加算してac・B2+B1の合成画像を出力する。この係数acは制御回路32が出力する。
なお、(6)式又は図5の構成においては、合成処理部51が、Rt,Gt,BtとしてB2,(1+ac)G,ac・B2+B1の画像を生成する例で示しているが、Rtとしてac・B2を出力するようにマトリクス係数や乗算係数を設定しても良い。
また、より簡略化して合成処理部51が、Rt,Gt,Btとして0,(1+ac)G,ac・B2+B1画像を生成するようにしても良い。
また、本実施形態においては、制御回路32は、NR回路53によるノイズ低減する強度を合成比率ac又は合成率に応じて変化させる。本実施形態においては、図6A又は図6Bに示すように合成率の値に応じてノイズ低減する強度を大きくするように制御する。なお、図6A又は図6Bにおいては、合成比率acが0の場合を0%の合成率、合成比率acが1の場合を100%の合成率として表している。
また、図6Aにおいては、0%の合成率ではノイズ低減の強度をNRminに設定し、合成率の増大と共にステップ状にノイズ低減の強度を大きくし、100%の合成率ではノイズ低減の強度をNRmaxに設定している。図6Bでは0%の合成率ではノイズ低減の強度を0に設定し、合成率の増大と共に連続的にノイズ低減の強度を大きくし、100%の合成率ではノイズ低減の強度をNRmaxに設定している。
合成率が大きい場合には、ノイズ低減の強度を大きくし、ノイズ低減の機能を大きくする。一方、合成率が小さい場合には、合成率が大きい場合よりはノイズ低減の強度を小さく(低く)し、ノイズ低減処理の際の画像の解像度の劣化を防止する。換言すると、本実施形態では、画像の解像度を維持しつつ、良好なノイズ低減を行うことができるようにノイズ低減処理を行うようにしている。
また、マトリクス処理部56は、NBI観察モードにおいては入力される画像をRt′,Gt′,Bt′とした場合、(7)式のようなRo,G,Boの画像を生成してD/A変換回路57を介してカラーモニタ5のR,G,Bチャンネルに出力する。
[数式7]
Figure 0005856943
なお、Rt′として0に設定しても良い。
また、本実施形態においては、制御回路32は、観察モードと、強調回路55で輪郭強調を行う場合の強調レベルLと、合成処理部51における合成比率acに応じて、(信号レベル可変手段としての)AGC回路47のゲインを制御する。つまり、制御回路32は、信号レベル可変手段としてのAGC回路47のゲインを制御するゲイン制御部32aの機能を有する。ゲイン制御部32aは、フラッシュメモリ60に格納された制御情報60a等を参照して、AGC回路47のゲインをノイズを低減するように制御する。
図7Aは、NBI観察モード時におけるAGC回路47のゲインの範囲を、強調レベルLと、合成比率acとに応じて制限する内容を示す。このようにAGC回路47のゲインを制限することにより、本実施形態は、カラーモニタ5に表示される画像におけるノイズが目立たつことなく、観察し易い画像が得られるようにする。
図7Aに示すように強調レベルLは、0−7までの8段階で輪郭強調する場合の強調レベルLが増大する。なお、強調レベルLが0は、強調を行わない場合を示す。そして、本実施形態においては、強調レベルLが増大するにつれてAGC回路47のゲイン最大値が小さくなるように制御(制限)する。
また、合成比率が設定されていない場合(換言すると合成比率acが0)に比較して、合成比率が設定された場合(つまり合成比率acが0より大きく1以下の場合)には、AGC回路47のゲイン最大値がより小さい値となるように制御(制限)される。図7Aの具体例では、合成比率acが0の場合のゲイン最大値に対して、合成比率acが0より大きい場合には、その1/2のゲイン最大値に制限する。
図7Aに示すゲイン制御内容は、輪郭の強調レベルLが大きい程ノイズが目立つようになる(ノイジーになる)ので、ゲイン最大値が小さくなるように制限する。また、合成比率acが0より大きく設定されると、合成比率acが0の場合よりもノイジーになるため、合成比率acが0の場合よりもゲイン最大値が小さくなるように制限する。
このようにゲイン最大値を制限することにより、カラーモニタ5で表示される画像のノイズが目立たないようにすることができる。なお、図7Aにおいて、強調レベルLと合成比率の割合に応じてゲイン最大値を点線で示すように、合成比率acの値をより反映したゲイン最大値となるように制限しても良い。
図7Aの点線で示すようにゲイン最大値を制限する場合、合成画像における主要な画像成分(B1+ac・B2)を生成する場合の合成割合に相当する値を(B1+ac・B2)≒(1+ac)B1と近似して、(1+ac)を合成割合の大きさと見なすことができる。そして、(1+ac)が大きい程、ゲイン最大値が小さくなるように制御回路32のゲイン制御部32aが抑制するようにする。その理由として、B1とB2の撮像画像は、時間的に異なるタイミングで撮像された画像であるため、カラーモニタ5において動きのある動画で表示する場合、(1+ac)が小さい方が輪郭、構造のずれが少ない良好な画質の画像と考えられる。
このため、(1+ac)の値が大きくなると、輪郭、構造のずれが画質を低下させる要因となりえる。従って、上記のように(1+ac)が大きい程、ゲイン最大値が小さくなるようにゲインを抑制することにより、ノイズが目立たない画質の良い画像が得られるようにできる。
一方、WLI観察モードにおいては、合成処理部51は動作しないため、AGC回路47のゲイン最大値は強調レベルLのみで決定される。図7BはWLI観察モードでの強調レベルLに対応して設定されるゲイン最大値を示す。WLI観察モードの場合においても、輪郭強調のレベルが大きい程ノイズが目立つようになる(ノイジーになる)ので、ゲイン最大値が小さくなるように制限する。
WLI観察モードにおいては、NBI観察モードの場合に比較して照明光量をかなり大きくできるので、NBI観察モードの場合に得られる画像に比較するとノイズレベルはかなり小さくできる。
従って、図7Bに示す具体例では、NBI観察モードの場合に比較して、強調レベルLを大きくする程、ゲイン最大値を小さくするように制限するが、NBI観察モードの場合よりは緩和したゲイン最大値となるように制限している。このように本実施形態は、照明光を切り替えて異なる観察モードで観察を行う場合に対応でき、ノイズが目立つことなく、観察し易い画質の画像を生成することができる撮像システムを提供する目的を達成する。特に、照明光が不足しがちとなる第1の狭帯域(具体的にはG)及び第2の狭帯域(具体的にはB1,B2)を備えた第1の照明帯域の照明光のもとで撮像したNBI観察モードの場合において、ノイズが目立つことなく、観察し易い画質の画像を生成するようにゲイン最大値を制限又は抑制する。
なお、図7Aでは輪郭強調の強調レベルLで説明したが、画像中における輪郭強調(エッジ強調)と共に、周波数帯域により模様や構造を強調する構造強調等の強調処理の種類に応じて、AGC回路47のゲイン最大値を制限するようにしても良い。
例えば、構造強調Aにおいては、周波数fa以下の周波数帯域での輝度レベルを強調し、構造強調Bにおいては、周波数faよりも高い周波数fb(fb>fa)以下の周波数帯域での輝度レベルを強調する構造強調と、これらの構造強調における強調レベルとほぼ同じ強調レベルL(例えばL=2)の輪郭強調とにおいて、図8に示すようにゲイン最大値を制限するようにしても良い。
図8に示す例では、強調レベルLが同じとした場合、より高い周波数fbまで構造強調を行う場合の方がノイジーの画像となるため、構造強調Aの場合よりも構造強調Bの場合の方でのゲイン最大値が小さくなるように制限する。
また、強調レベルLが同じとした場合、輪郭強調の方が構造強調の場合よりもノイジーの画像となるため、構造強調Bの場合よりも輪郭強調の場合の方でのゲイン最大値が小さくなるように制限する。このようにすることにより、ノイズが目立たない画像を表示できる。なお、図8においては、1つの強調レベルの場合に対して示しており、強調レベルLを可変した場合には、図7Aのようにゲイン最大値も変更すれば良い。また、図8をWLI観察モードの場合にも適用することができる。
このように本実施形態の撮像システム1は、第1の狭帯域及び第2の狭帯域を備えた第1の照明帯域の照明光と、複数の広帯域を備えた第2の照明帯域の照明光とを切り替えて照明を行う照明手段を構成する光源装置3と、前記照明手段により照明された被写体を撮像する撮像手段を構成するCCD35と、前記撮像手段により出力される撮像信号の撮像信号レベルを変更する信号レベル可変手段としてのAGC回路47と、前記信号レベル可変手段から出力される信号から画像信号を生成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行う強調回路55を含む画像処理手段としての画像処理部50と、前記画像処理手段が行う輪郭強調処理内容と、前記照明手段における前記第1の狭帯域及び前記第2の狭帯域を備えた前記第1の照明帯域の照明光と、前記複数の広帯域を備えた前記第2の照明帯域の照明光との情報に応じて、前記信号レベル可変手段による前記撮像信号レベルを制御する信号レベル可変制御手段としてのゲイン制御部32aと、を備えることを特徴とする。
また、本実施形態においては、前記第1の照明帯域の照明は、回転カラーフィルタ24を1回転させる時間を1フレーム期間T1として、1フレーム期間T1の正の整数N倍とする所定の時間N×T1内に、前記第1の狭帯域の照明光による第1回M1の照明と、前記第2の狭帯域を有する照明光による第2回M2(=2×M1)の照明との組み合わせからなり、更に、前記第1回の回数M1のうちの第1の所定回M1−1(=M1)の照明に基づく前記撮像手段による第1の撮像信号と、前記第2回の回数M2のうちの第2の所定回M2−1(=M1)の照明に基づく前記撮像手段による第2の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第1の明るさを算出し、前記第1回の回数M1のうちの第3の所定回M3−1(=M1)の照明に基づく第1の撮像信号と、前記第2回の回数M2のうちの第4の所定回M4−1(=M1)の照明に基づく第3の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第2の明るさを算出する明るさ算出手段としての明るさ算出部45と、前記第1の明るさと所定の目標明るさとの差分と、前記第2の明るさとの比に基づいて、各1フレーム期間において前記第1及び前記第2の撮像信号に対して前記第1及び前記第3の撮像信号を合成する場合の合成係数を算出する演算手段としての合成比率算出部66bと、を備え、前記画像処理手段は、前記演算手段による合成係数、又は合成係数設定手段としての合成比率設定部58aにより設定される合成係数に基づき、各1フレーム期間内における前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第1及び第3の撮像信号を合成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行い、前記信号レベル可変手段としてのAGC回路47は、前記照明手段が前記第1の狭帯域及び第2の狭帯域の組み合わせからなる前記第1の照明帯域の照明光のもとで撮像された撮像信号である場合、前記画像処理手段が行う前記輪郭強調処理内容と前記合成係数とに基づき、前記第1、第2及び第3の撮像信号を処理する前記信号レベル可変手段を制御する。なお、上記のNは正の整数、回数M1,M2等は、例えば1回、或いは2回等の値に設定しても良いし、( )で示す関係を満たすように設定しても良い。
次に本実施形態の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。撮像システム1の電源がONされると、制御回路32は、最初のステップS1の初期設定の処理として、例えばWLI観察モードで照明及び撮像を行う状態となるように制御する。つまり、ステップS2に示すように制御回路32は、光源装置3のモータ29を制御し、回転カラーフィルタ24の外周側の広帯域フィルタ群7が照明光路中に配置されるようにする。そして、被写体は、広帯域フィルタ群7による広帯域照明光、つまり、広帯域R,G,B照明光(換言するとRw,Gw,Bw照明光)で照明される。
また、ステップS3に示すように制御回路32は、広帯域照明光で照明された被写体をCCD35で撮像し、ビデオプロセッサ4は広帯域の撮像信号又は画像信号を生成する。
その場合、ステップS4において制御回路32のゲイン制御部32aは、強調レベルLの値に応じてAGC回路47によるゲイン最大値を抑制する。つまり、強調レベルLが大きい程、AGC回路47によるゲイン最大値を抑制する。
そして、ステップS5に示すようにカラーモニタ5は、WLI画像を表示する。
ステップS6に示すように制御回路32は、観察モードスイッチ31による観察モードの切替操作をモニタしている。術者は、被写体としての患部組織の血管の走行状態をより鮮明に観察したいと望むような場合には、観察モードスイッチ31を操作してNBI観察モードに切り替える。
制御回路32は、観察モードの切替操作を検出しない場合には、ステップS3の処理に戻り、観察モードの切替操作を検出した場合にはステップS7に示すように制御回路32は、WLI観察モードからNBI観察モードへ切り替える設定を行う。
つまり、ステップS8に示すように制御回路32は、光源装置3のモータ29を制御し、回転カラーフィルタ24の内周側の狭帯域フィルタ群6が照明光路中に配置されるようにする。そして、被写体は、狭帯域フィルタ群6による狭帯域照明光で照明される。
また、ステップS9に示すように制御回路32は、狭帯域照明光で照明された被写体をCCD35で撮像し、ビデオプロセッサ4の同時化制御部44は狭帯域のB1,G,B2の撮像信号又は画像信号を生成する。
また、ステップS10に示すように明るさ算出部45の輝度算出部66は、明るさを算出すると共に、輝度算出部66における合成比率算出部66bは、合成比率aを算出する。算出された合成比率aは制御回路32に入力される。
ステップS11に示すように制御回路32は、ユーザによる合成比率設定部58aからの設定入力により合成比率a′が設定されているか否かを判定する。
合成比率a′が設定されていない判定結果の場合には、ステップS12に示すように制御回路32は、合成処理部51が合成する場合の合成比率acとして合成比率aを採用するように決定する(ac=a)。
一方、合成比率a′が設定されている判定結果の場合には、ステップS13に示すように制御回路32は、合成処理部51が合成する場合の合成比率acとして(合成比率aに優先して)合成比率a′を採用するように決定する(ac=a′)。
ステップS12又はS13の後のステップS14において制御回路32は、強調レベルLの設定を判定する。制御回路32は、輪郭強調レベル設定部58b等により強調レベルLが設定されている場合、その強調レベルLを確認する。なお、強調レベルLが設定されている場合、その強調レベルLを図示しないメモリ又はフラッシュメモリ60等に格納しても良い。
そして、次のステップS15において制御回路32のゲイン制御部32aは、強調レベルL,合成比率acに応じて、制御情報60aを参照してAGC回路47のゲイン最大値を制限する。具体的には、信号レベル可変制御手段を構成するゲイン制御部32aは、強調レベルLが大きい程、又は合成比率acが大きい程、AGC回路47に入力される撮像信号レベルに対するゲインを抑制するゲイン制御信号CgをAGC回路47のゲイン制御端子に印加する。
AGC回路47を経た信号は、合成処理部51において合成比率ac等を用いて合成画像の画像信号が生成され、NR回路53、拡大/縮小回路54、強調回路55、マトリクス処理部56等を経た後、カラーモニタ5に出力される。そしてステップS16に示すように、カラーモニタ5にはNBI観察画像が表示される。
このように制御することにより、このような制御を行わない場合のカラーモニタ5に表示されるNBI画像がノイジーになることを防止してノイズが目立たない観察し易い画像を得ることができる。
また、ステップS17において制御回路32は、観察モードの切替操作をモニタしている。観察モードの切替操作がされた判定結果の場合には、ステップS1の処理に戻る。一方、観察モードの切替操作がされていない判定結果の場合には、次のステップS18において制御回路32は、ユーザにより内視鏡検査の終了の操作が行われたか否かを判定し、終了の操作が行われていない判定結果の場合にはステップS9の処理に戻り、終了の操作が行われた場合には電源をOFFにして図9の処理を終了する。
このように動作する本実施形態によれば、強調回路55による輪郭強調処理内容と、観察モード(観察モードに対応した狭帯域フィルタ群6による照明光の組み合わせと、広帯域フィルタ群7による照明光の組み合わせ)の情報に応じて、信号レベル可変手段を構成するAGC回路47による前記撮像信号レベルを増幅するゲインの最大値を抑制(制限)することにより、ノイズが目立つことなく、観察し易い画質の画像を生成することができる。
特に、照明光量が不足しがちになり易いNBI観察モードにおいて、狭帯域のG照明と、このG照明に対して同じ時間間隔で前後するB2照明とB1照明との組み合わせによる撮像信号から明るさ(輝度)を算出し、算出した明るさに応じてB2とB1の撮像画像を合成する合成比率を設定することができるようにすると共に、術者等のユーザが合成処理部51において合成する合成比率を優先してマニュアル設定することもできるようにしている。
そして、合成処理部51において実際に合成処理に使用される合成比率に応じて、強調回路55における輪郭強調処理する強調レベルLがユーザにより設定された場合においても、ノイズが目立たないようにAGC回路47によるゲインの最大値を抑制し、良好な画質の画像が得られるようにしている。従って、術者は、NBI観察モードにおいても、ノイズが目立たない画像を観察でき、円滑な診断を行い易くなる。
補足説明すると、NBI観察モードに設定した場合には、光源装置3での照明光の光量を最大にしても、WLI観察モードの場合よりも光量が小さく、暗い画像になる。従来例においては、光量の不足分をAGC回路によるゲインを増大によりカバーするため、そのゲインが大きくなり、ゲインの増大に伴ってノイズも増大する。また、輪郭強調を行うと、よりノイズが目立つ画像になり易い。
これに対して、本実施形態においては、NBI観察モードにおいては、Gの撮像画像に対して光量がより不足しがちとなるBの撮像画像としてB1及びB2の2つの撮像画像で取得し、1:acの合成比率で合成する(具体的にはB1+ac・B2で合成する)ことによって、1つの場合よりも明るい撮像画像を得られるようにすると共に、合成比率、強調レベルLに応じて、AGC回路47のゲイン最大値を抑制することによって、ノイズが目立たない画像を得られるようにする。本実施形態においては、図7Aの点線で示すように画像合成した場合の合成割合が大きい場合には、合成割合が小さい場合よりも、ゲイン最大値を抑制することにより、画質の良い画像が得られるようにすることもできる。
図10は、第1の実施形態の変形例の撮像システム1Bの全体構成を示す。本変形例の撮像システム1Bは、図1の撮像システム1において、内視鏡2における先端部33内に対物レンズ系34を構成する一つのレンズを可動レンズ34aを、対物レンズ系34の光軸方向に移動する移動部81aを備えたアクチュエータ81を設けた内視鏡2Bと、ビデオプロセッサ4内に、上記アクチュエータ81を電気的に駆動するアクチュエータ駆動回路82を備えたビデオプロセッサ4Bとを有する。
アクチュエータ81における移動部81aに可動レンズ34a(のレンズ枠)が取り付けられている。従って、アクチュエータ81によって移動部81aを移動させると、移動部81aと共に可動レンズ34aも光軸方向に移動し、対物レンズ系34がCCD35の撮像面に被写体像をフォーカス状態で結像するフォーカス距離が変化する。
なお、アクチュエータ81は、例えば特開2001−174714号公報の図3等に開示されているように圧電素子を用いて構成することができる。圧電素子を用いたものに限らず、ソレノイドコイルの内側に、バネと連結された移動可能な磁石を移動部として配置した電磁プランジャー等により構成しても良い。
また、内視鏡2Bにおける例えば操作部12には、対物レンズ系34のフォーカス位置を中遠距離の被写体にフォーカスする第1のフォーカス距離の状態と、近距離の被写体にフォーカスする第2のフォーカス距離の状態とに切り替える指示操作を行う操作スイッチとしてのフォーカス切替スイッチ31bが設けてある。ユーザがフォーカス切替スイッチ31bを操作した際に出力されるフォーカス切替信号は、制御回路32に入力され、制御回路32は、フォーカス切替信号に対応した制御信号をアクチュエータ駆動回路82に出力する。
例えば、図10の実線で示す状態においては、対物レンズ系34は、中遠距離の被写体にフォーカスする第1のフォーカス距離の状態(以下、「NORMAL」のフォーカス状態、又は単にNORMALの状態)である。
NORMALの状態においては、対物レンズ系34の被写界深度は、例えば5〜100mm程度となる。このNORMALの状態において、フォーカス切替信号が出力されると、制御回路32はこの信号に対応した制御信号をアクチュエータ駆動回路82に出力し、アクチュエータ駆動回路82は、可動レンズ34aを点線で示す位置に移動し、対物レンズ系34を第2のフォーカス距離の状態(以下、「NEAR FOCUS」のフォーカス状態、又は単にNEARの状態)に設定する。
NEARの状態においては、対物レンズ系34の被写界深度は、例えば2〜5mm程度となり、被写体に接近した近距離において患部等を詳細に拡大観察することができる状態となる。なお、制御回路32は、フォーカス切替スイッチ31bの操作情報をメモリなどに経時的に記憶して、任意の使用状態において、対物レンズ系34がNEAR或いはNORMALのいずれの状態に設定されているかを把握する。なお、本変形例においては可動レンズ34aを2つの位置に駆動する例で説明するが、3つ以上の複数の位置に選択的に設定できるようにしても良い。
また、本変形例においては、制御回路32のゲイン制御部32aは、さらにNEAR及びNORMALの状態に応じて、AGC回路47のゲイン最大値を制限する。
図11は、本変形例におけるNBI観察モード時でのゲイン最大値を制限する内容を示す。図11に示す制御情報は、第1の実施形態と同様に、フラッシュメモリ60に格納されている。
図11の制御情報は、図7Aに示した場合のゲイン最大値を規制する項目として、フォーカス距離(フォーカス状態)の項目が追加されている。
そして、強調レベルLと、合成比率が同じ条件の場合においては、NEARの場合の方がNORMALの場合よりも、ゲイン最大値が大きくなるように(ゲイン最大値を)設定している。その場合の理由は以下のようになる。
NEARのフォーカス距離の状態の場合においては、近距離を照明及び観察する状態であるので、ノイズ゛が目立たない(暗い部分が少なく、暗い部分があったとしても注目していない)。このため、NEARの場合の方がNORMALの場合よりも、ゲイン最大値を大きくできる設定としている。
また、観点を変えて述べると、NEARのフォーカス距離の状態の場合においては、NORMALの場合よりも、(例えば合成比率が同じ値の条件等で比較した場合)強調レベルLをより大きくし易い設定にしている。
NBI観察モードに設定された場合には、毛細血管等を良好に観察したい状態であるので、強調レベルLを上げて、最適な観察を実現し易くする。
これに対して、NORMALのフォーカス状態の場合においては、NEARのフォーカス状態の場合に比較すると、暗部が発生し易く、またノイズが目立ち易い状態となるため、強調レベルLをより下げた値となるように設定している。その他の構成は、図1等で示した構成と同様である。
本変形例によれば、第1の実施形態の効果の他に、フォーカス距離を変更した状態においても、変更されたフォーカス距離においてノイズが目立たないで、生体粘膜の表層付近の毛細血管等をより詳細に観察し易い状態にできる。従って、術者のフォーカス距離の変更に伴って観察し易くするための操作を行うことを不要にでき、操作性を向上することができる。
また、本変形例において以下に説明するように、カラーモニタ5に表示される画像を複数の領域に分け、NORMALのフォーカス距離の状態の場合において明るさ算出部45が、各領域での明るさ(平均輝度)を算出し、明るさが低い(小さい)暗領域での強調レベルLを下げることにより、ノイズが目立たないようにしても良い。
図12はNORMALのフォーカス距離の状態の場合においてCCD35により撮像した撮像画像(又はカラーモニタ5に表示される画像)を複数の領域Ai(i=1,2,…,16)に区分けした様子を示す。図12においては12個の領域に区分けしているが、この数に限定されるものでない。また、複数の領域Aiの数、領域Aiのサイズを選択的に設定することができる領域設定手段を設け、ユーザが、複数の領域Aiの数、領域Aiのサイズを設定できるようにしても良い。
以下、複数の広帯域の照明光としてのRw,Gw,Bw照明光のもとで撮像した場合について説明するが、狭帯域の照明光のもとで撮像した場合にも同様に適用できる。
図4に示した明るさ算出部45において、加算器63a,63b,63cが撮像信号Rw−1とRw−2、Gw−1とGw−2、Bw−1とBw−2をそれぞれ加算して平均の明るさ(平均輝度)を算出する場合、加算器63a,63b,63cは、図12に示した各領域Aiにおける平均の明るさを算出する領域明るさ算出手段としての領域明るさ算出回路を形成する。そして、算出した各領域Aiにおける平均の明るさを点線で示すように制御回路32に出力すると共に、R画像、G画像、B画像明るさ算出回路64a,64b,64cにも出力する。
制御回路32における点線で示す領域明るさ判定部32bは、各領域Aiにおける平均の明るさを閾値Vtと比較して、閾値Vt以上の明るい領域(明部又は明領域と記す)か、閾値Vt未満の暗い領域(暗部又は暗領域と記す)であるかを比較回路等により判定する。閾値Vt未満の暗領域と判定された領域に対して、制御回路32の領域明るさ判定部32bはその暗領域での輪郭強調や構造強調する場合の強調レベルLを、明領域の強調レベルLよりも下げるように制御する強調レベル低減制御信号Sout(点線で示す)を強調回路55に出力する。換言すると、制御回路32の領域明るさ判定部32bは、明領域の画像部分に対しては、暗領域の画像部分よりも強調レベルLを大きくするように制御する。
このように制御することにより、暗領域においては、強調レベルLを低減するため、強調レベルLを低減しない場合の画像におけるノイズが目立つようになることを防止でき、また明るい明領域においては輪郭等がより鮮明となる診断し易い画像を生成できる。また、明領域、暗領域に応じて強調レベルLを制御する場合、ユーザにより設定された強調レベルLに対して行うようにしても良いし、予め指定された強調レベルL(例えば、閾値となる強調レベルVL以上となる強調レベルL)に対して行うようにしても良い。
なお、WLI観察モードの場合とNBI観察モードの場合とに応じて、上記閾値Vtの値をそれぞれ設定し、観察モードに応じてそれぞれノイズが目立たないようにしても良い。
また、本変形例において、WLI観察モードの場合又はNBI観察モードの場合に対して、さらに領域における明領域或いは暗領域に応じて、各領域における構造部分に対して強調を行う場合の空間周波数特性を変更するようにしても良い。
図13Aは、この場合の内容を示している。明領域に対しては、構造強調を行う場合、高周波側では構造強調を行う強度を大きく(強調レベルLを大きく)し、かつ低周波側では構造強調を行う強度を小さく(強調レベルLを小さく)する。
これに対して、暗領域に対しては、構造強調を行う場合、高周波側及び低周波側とも構造強調を行う強度を小さく(弱く)する。
このようにユーザが見たい部分(画像領域)となる明領域に対しては、高周波側での構造強調の強調レベルLを大きくすることにより、明るい明領域の構造を詳細に観察することができ、かつ暗い暗領域におけるノイズを目立たないように低減できる。
また、WLI観察モードの場合又はNBI観察モードの場合に対して、構造強調を行う場合の空間周波数特性を変更する代わりに拡大/縮小回路54による電子ズーム(電子拡大)に応じて、構造強調の強調レベルLを変更するようにしても良い。
図13Bは、この場合の内容を示している。電子ズーム無しの場合には、明領域に対しては、構造強調を行う強度を大きく(強調レベルLを大きく)し、かつ暗領域に対しては構造強調を行う強度を小さく(強調レベルLを小さく)する。換言すると、明領域に対しては、暗領域の場合よりも構造強調を行う強度を大きくする。
これに対して、電子ズーム有りの場合には、明領域及び暗領域に対して、構造強調を行う強度を小さく(強調レベルLを小さく)する。
電子ズーム(電子拡大)を行うと、ノイズの粒又は塊が大きくなるため、構造強調を行う強度を小さくし、ノイズが目立たないようにする。なお、電子ズームの倍率に応じて、構造強調する場合の周波数特性を調整するようにしても良い。例えば、電子ズームの倍率を大きくするに従って、構造強調する周波数帯における最大周波数を下げるようにしても良い。
なお、上述した変形例を含む実施形態において、部分的に異なる構成を組み合わせた実施形態又は変形例も本発明に属する。
近年、プロセッサに組み合わさる機器は多様化している。記録は大きく、動画記録と静止画記録の2つが有り、静止画記録ではプリンタや写真、電子ファイルなど様々である。一方プロセッサのコネクタも数に限りがあり、どの装置にも通用するシンプルなコネクタが必要とされる。そこで、ステレオピンジャックのように、接点が2,3個のもので、レリーズ制御を伝えることが望ましい。レリーズ制御は一例なので、設定で任意に選べ、録画制御にしたり、キャプチャ制御にしたりできるとよい。また、機器によっては、信号がHであったりLであったりする為、その極性をH又はLと選べると良い。ステレオピンジャックに限らず、15ピン程度の接点を有するものでも、設定で任意に割り当てられると良いし、機器によっては電源とGND(グラウンド)をつないでいるので、それらも選べると良い。
近年、プロセッサに外付けメモリを接続して画像を記録することがある。外付けメモリにはパスワード保護されているものもある。そこで、画像記録の際には、パスワード保護を無視して記録し、画像を読み出す際にはパスワードによって保護をすると良い。また、近年において、CCDの小型化が進んでいる。それに伴い、画素欠陥の課題があった。画素欠陥には、画素のアドレスを事前に保持しておき、画素欠陥の周辺の画素から補間をする方法が考案されていた。
しかし、画素欠陥は、製造時のみではなく、長期間使用する中で生じることもあった。その為、画素欠陥を検出する方法が課題であった。対象画素と周辺画素の信号レベルを比較することで、対象画素が非常に明るければ、白い傷、非常に暗ければ、黒い傷と考えられた。そのような判定基準で対象画素が欠陥画素であるかを判定すると良い。
その際、対象画素のアドレスを内部メモリに保持すればよいが、内部メモリは有限の為、観察画面の中央エリアに限定し、そういった判定を施せばよい。
また、撮像素子が高画素化、微細化された際に、撮像素子に欠陥を持つ画素或いはノイズを発生する画素を皆無に製造することは不可能に近い。
このため、画像処理によって、撮像素子の通常画素とは異なるが画素信号を発生する欠陥画素や固定パターンのノイズを補正する技術が多数提案されている。
欠陥画素としては、光電変換された後の信号の電位が所望とならず、あるオフセットの電位を含めた信号となることが知られている。オフセットの電位が正の値であれば、白傷と呼ばれる白いドットとして観察画面に現れ、オフセットの電位が負の値であれば、黒傷と呼ばれる黒いドットとして観察画面に現れる。この欠陥画素を補正する画像処理は、オフセットの電位を推定して除去することができる。また、欠陥画素の位置情報を内視鏡に記憶し、その位置情報に関して、オフセットの電位を推定するように動作させる。
オフセットの電位を推定するには、欠陥画素の周辺8画素からなるべく多くの画素信号を用いて平均値を出してから、欠陥画素がどの程度、この平均値と乖離しているかを元に、推定が可能と考える。しかしながら、撮像素子によっては多線式のものがあり、周辺8画素として、配慮が必要である。例えば、2線式であれば、欠陥画素を含む1線と、その上下の線は異なるチャンネルとなる。前者をAチャンネル、後者をBチャンネルと呼ぶならば、補正とは別の画像処理によって、AチャンネルとBチャンネルが上下に順番に並ぶようにして、画像を構成させることが一般的である。
そして、AチャンネルとBチャンネルは撮像素子から信号を伝送するチャンネルが別々であることを示しており、そのような場合に、チャンネル毎のバラツキによって、感度が変ってくることがある。つまり、同じ量の光がAチャンネルとBチャンネルに入射したとしても、得られる信号が異なってしまう。先に述べた画像処理では、チャンネル毎のバラツキをキャンセルできるように、必要な係数を求めて乗算する方法がある。具体的にはホワイトバランスを取得することで実現する。もしくは、内視鏡に設けられたメモリ(スコープID)に、あらかじめ必要な係数を記憶しておいてもよい。
従って、補正する画像処理は、チャンネル毎のバラツキをキャンセルした後で実施するのが望ましい。もし、チャンネル毎のバラツキをキャンセルするよりも前に、補正する画像処理を適用する場合、次のようなことが望ましい。
1つの欠陥画素とその周辺8画素に着目した場合、図14のように3ライン分となるので、例えばAチャンネルが一番上、次にBチャンネル、一番下にAチャンネルが位置することになる。欠陥画素はBチャンネルにある。AチャンネルがBチャンネルに比べて感度が小さい場合、具体的にはBチャンネルの感度が1.0、Aチャンネルの感度が0.9であった場合について説明する。
この欠陥画素が白いドットである場合、正の値であるオフセットの電位を算出し、減算することで、欠陥画素が白いドットにならず、適正なものと改善できる。しかし、チャンネル毎に感度の差があるため、オフセットの電位が大きめに見積もられ、欠陥画素は適正に補正されないで、黒いドットになってしまう。なぜなら、Aチャンネルの感度がBチャンネルの感度よりも小さく、欠陥画素の周辺8画素の平均値が小さくなってしまうからである。同様に欠陥画素が黒いドットである場合、負の値であるオフセットの電位を算出し、減算することで、欠陥画素が黒いドットにならないよう補正したいのだが、チャンネル毎の感度の差によって、欠陥画素は黒いドットとなる。
欠陥画素が白いドット、黒いドットのいづれの場合でも、Aチャンネルの感度がBチャンネルの感度よりも大きいとき、補正が適正にならず、白いドットとなる。
この現象を改善するために、欠陥画素の補正後に、白いドットまたは黒いドットになっているかを検出する必要がある。検出法は、欠陥画素の左右の2つの画素の平均値に対し、補正後の欠陥画素が閾値以上の差を持っていれば、検出されたとする。白いドットなら、閾値分だけ減算し、黒いドットなら閾値分だけ加算することで、もはや、白や黒のドットとして視認されないように補正できる。
欠陥画素の位置情報が内視鏡にあらかじめ記憶していない場合や、あらかじめ記憶していても、新たな欠陥画素が生じた際に、その位置情報については記憶されていない場合についての対処法は、次の通りである。
1つの案として、内視鏡から得られる画像信号から欠陥画素を検出することが挙げられる。具体的な方法については、これまでに提案されている。このように、欠陥画素を検出できれば、位置情報が得られ、上記と同様に、白や黒のドットとして視認されないように処理すればよいこととなる。また、上記では、閾値分だけ加算、減算するとしたが、左右の2つの画素の平均値に置き換えてもよい。例えば、内視鏡に記憶された位置情報から処理する場合には、閾値を加算、減算し、検出した位置情報から処理する場合には、左右の2つの画素の平均値に置き換えることが挙げられる。
別の案として、内視鏡から得られる画像信号から欠陥画素を検出させてから、位置情報を得て、内視鏡に記憶させる方法がある。特徴としては、所定の被写体を用い、欠陥画素を検出しやすい条件を整えてから、実施することが望ましい。白のドットを検出するには、照明光を消して内視鏡先端部を暗幕で覆ったあと、10分程度動作させることで安定して白のドットが現れるので、周辺8画素の平均値と比較し、閾値以上の差があれば検出できたとすればよい。
検出した際には、画素の位置情報を内視鏡に記憶することで、この内視鏡を使用するときには白のドットが改善されることとなる。しかし、意図しない条件に配慮しなければならない。例えば、暗幕で覆うことができていない場合、正しい動作ではなくなる。そのため、エラー判定が重要となる。エラー判定の例であるが、位置情報が所定数を超えるような場合、エラーとして報知しつつ、確認してほしい条件を報知してもよい。なぜなら、本法で検出させたい白のドットは多くても20個程度と想定できるのは、CCDに欠陥画素が起こる理由について、多数の文献に掲載があるからである。本法については、白黒のCCDを用いる面順次式でもカラーチップのCCDを用いる同時式にも適用できる。ここで記載の方法は、面順次式によるものなので、同時式に適用するには、白のドットを青等のドットとする様に、カラーチップと画素の関係に配慮すればよい。
また、面順次式を例にしたとき、映像方式とCCDの信号処理に配慮することが必要になる場合がある。映像方式として、NTSCやPALが挙げられる。前者は1秒間に60コマ(60Field)の画像を表示して動画を再現し、後者は50コマの画像を表示して動画を再現する。一方で、CCDの信号処理はNTSCのように、1秒間に60コマとする場合がある。PALに適用する為には、60コマの画像を50コマにレート変換する必要がある。この処理を65変換と呼ぶ。65変換には画像メモリを用い、また、面順次式の場合には同時化されたカラー画像を得るために、同時化メモリを用いる。
同時化メモリは静止画像を得る為のプリフリーズ機能を有することもある。図15に示したように、65変換を行うために画像メモリを用いて、画像メモリに入力される60コマの画像を50コマにレート変換して出力している。例えば画像メモリには図15の上段側に示すように60コマ/秒(60Field/sec)でRO,GO,BO,R1,G1,B1,…の面順次のRGB信号が入力信号としてC65I_R_VALA,C65I_G_VALA,C65I_B_VALA で示すタイミングで順次入力され、書き込まる(以下にも記載のように一部は書き込みが不必要)。一方、画像メモリに書き込みがされたRO,GO,BO,R1,G1,B1,…の面順次のRGB画像は、図15の下段側に示すように50コマ/秒(50Field/sec)で読み出され(但し、RO,R2等の画像は60コマ/秒と50コマ/秒とが同期したタイミングでのスルー出力)、65変換される。
また、図16に示す同時化メモリは例えばRGB用に3つ分のメモリ構成になっており、先のレート変換後のG0画像をG用の同時化メモリに書き込み、60コマ/秒のR0画像をR用の同時化メモリに書き込むように制御する。このとき、R0画像はG0画像と水平・垂直方向の周波数として、画像フォーマットが異なる為、ラインメモリやFPGAの内部メモリを用い、安価に対応することが望ましい。このような方法で、65変換と同時化を安価に実現できる。同時化メモリはプリフリーズ機能を有するので、色ずれの少ない静止画像を提供できる。
また、本発明は、請求項とは若干異なる以下の付記の内容を含む。
付記1.
2つの観察モードにおける切替を行う観察モード切替手段と、
前記観察モード切替手段の切替に応じて、各フレーム期間において、第1の狭帯域及び第2の狭帯域を備えた第1の照明帯域の照明光又は、複数の広帯域を備えた第2の照明帯域の照明光で照明を行う照明手段と、
前記照明手段により照明された被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により出力される撮像信号の撮像信号レベルを変更する信号レベル可変手段と、
前記信号レベル可変手段から出力される信号から画像信号を生成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行う画像処理手段と、
前記第1の照明帯域の照明光で照明を行う場合において、前記第1の狭帯域の照明光に前後するタイミングで前記第2の狭帯域の照明光のもとで撮像した2つの撮像画像を合成する処理を行う合成処理手段と、
前記画像処理手段が行う輪郭強調処理内容と、前記照明手段における前記第1の照明帯域を形成する前記第1の狭帯域及び前記第2の狭帯域の組み合わせと、前記第2の照明帯域を形成する前記複数の広帯域の組み合わせの情報と、前記合成処理手段による2つの撮像画像を合成する際の合成係数(合成比率)に応じて、前記信号レベル可変手段における前記撮像信号レベルに対するゲインを制御する信号レベル可変制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像システム。
付記2.付記1において、前記第1の照明帯域の照明は、1フレーム期間の正の整数倍となる所定の時間内に、前記第1の狭帯域の照明光による第1回の照明と、前記第2の狭帯域を有する照明光による前記第1回の2倍となる第2回の照明との組み合わせからなり、
更に、前記第1の回数のうちの第1の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第1の撮像信号と、前記第2の回数のうちの前記第1の所定回と同じ第2の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第2の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第1の明るさを算出し、
前記第1の回数のうちの前記第1の所定回と同じ第3の所定回の照明に基づく第3の撮像信号と、前記第2の回数のうちの前記第2の所定回と同じ第4の所定回の照明に基づく第の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第2の明るさを算出する明るさ算出手段と、
前記第1の明るさと所定の目標明るさとの差分と、前記第2の明るさとの比に基づいて、各1フレーム期間において前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第及び第の撮像信号を合成する場合の合成係数を算出する演算手段と、
を備え、
前記画像処理手段は、前記演算手段による合成係数、又は合成係数設定手段により設定される合成係数に基づき、各1フレーム期間内における前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第及び第の撮像信号を合成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理内容を行い、
前記信号レベル可変手段は、前記照明手段が前記第1の狭帯域及び第2の狭帯域の組み合わせからなる前記第1の照明帯域の照明光のもとで撮像された撮像信号である場合、前記画像処理手段が行う前記輪郭強調処理内容と前記合成係数とに基づき、前記第1、第2及びの撮像信号を処理する前記信号レベル可変手段を制御する。
付記3.付記2において、
前記第1の撮像信号と前記第3の撮像信号は、共通の撮像信号である。
付記4.付記2又は付記3において、
前記撮像手段は、被写体の光学像を結像する対物レンズ系と、
前記光学像が結像される位置に撮像面が配置され、光学像を光電変換する撮像素子と、
前記対物レンズ系を構成する可動レンズを前記対物レンズ系の光軸方向における少なくとも第1の位置と第2の位置との2つの位置に駆動するアクチュエータと、
を備え、
さらに、前記撮像システムは、前記アクチュエータにより前記可動レンズを前記第1の位置に設定することにより、前記対物レンズ系が近距離の被写体にフォーカスした第1のフォーカス距離の状態と、前記アクチュエータにより前記可動レンズを前記第2の位置に設定することにより、前記対物レンズ系が中遠距離の被写体にフォーカスした第2のフォーカス距離の状態とを切り替える指示操作を行う操作スイッチを備え、
前記信号レベル可変手段は、前記対物レンズ系を前記第2のフォーカス距離に設定した場合には、前記第1のフォーカス距離に設定した場合よりも前記撮像信号レベルに対するゲインを抑制する。
1…撮像システム、2…内視鏡、3…光源装置、4…ビデオプロセッサ、5…カラーモニタ、6…第1フィルタ群(狭帯域フィルタ群)、7…第2フィルタ群(広帯域フィルタ群)、11…挿入部、14…ライトガイド、21…ランプ、22A…絞り、24…回転フィルタ、31…観察モードスイッチ、32…制御回路、32a…ゲイン制御部、35…CCD、44…同時化制御部、45…明るさ算出部、46…同時化メモリ、47…AGC回路、50…画像処理部、51…合成処理部、53…NR回路、54…拡大/縮小回路、55…強調回路、56…マトリクス処理部、58…操作パネル、58a…合成比率設定部、59…調光制御部、60…フラッシュメモリ、60a…制御情報、62…平均値算出部、64a,64b,64c…明るさ算出部、65…マトリクス処理部、66…輝度算出部、66a…差分算出部、66b…合成比率算出部

Claims (5)

  1. 第1の狭帯域及び第2の狭帯域を備えた第1の照明帯域の照明光と、複数の広帯域を備えた第2の照明帯域の照明光とを切り替えて照明を行う照明手段と、
    前記照明手段により照明された被写体を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により出力される撮像信号の撮像信号レベルを変更する信号レベル可変手段と、
    前記信号レベル可変手段から出力される信号から画像信号を生成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行う画像処理手段と、
    前記第1の照明帯域の照明光で照明を行う場合において、前記第1の狭帯域の照明光に前後するタイミングで前記第2の狭帯域の照明光のもとで撮像した2つの撮像画像を合成する処理を行う合成処理手段と、
    前記画像処理手段が行う輪郭強調処理内容と、前記照明手段における前記第1の照明帯域を形成する前記第1の狭帯域及び前記第2の狭帯域の組み合わせと、前記第2の照明帯域を形成する前記複数の広帯域の組み合わせの情報と、前記合成処理手段による2つの撮像画像を合成する際の合成係数に応じて、前記信号レベル可変手段における前記撮像信号レベルに対するゲインを制御する信号レベル可変制御手段と、
    を備え
    前記第1の照明帯域の照明は、1フレーム期間の整数倍となる所定の時間内に、前記第1の狭帯域の照明光による第1回の照明と、前記第2の狭帯域を有する照明光による前記第1回の2倍となる第2回の照明との組み合わせからなり、
    更に、前記第1回の回数のうちの第1の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第1の撮像信号と、前記第2回の回数のうちの第2の所定回の照明に基づく前記撮像手段による第2の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第1の明るさを算出し、
    前記第1回の回数のうちの第3の所定回の照明に基づく第1の撮像信号と、前記第2回の回数のうちの第4の所定回の照明に基づく第3の撮像信号とを用いた色変換マトリクス処理によって第2の明るさを算出する明るさ算出手段と、
    前記第1の明るさと所定の目標明るさとの差分と、前記第2の明るさとの比に基づいて、各1フレーム期間において前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第1及び第3の撮像信号を合成する場合の合成係数を算出する演算手段と、
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記演算手段による合成係数、又は合成係数設定手段により設定される合成係数に基づき、各1フレーム期間内における前記第1及び第2の撮像信号に対して前記第1及び第3の撮像信号を合成し、生成した画像信号に対して輪郭強調処理を行い、
    前記信号レベル可変手段は、前記照明手段が前記第1の狭帯域及び第2の狭帯域の組み合わせからなる前記第1の照明帯域の照明光のもとで撮像された撮像信号である場合、前記画像処理手段が行う前記輪郭強調処理内容と前記合成係数とに基づき、前記第1、第2及び第3の撮像信号を処理する前記信号レベル可変手段を制御することを特徴とする撮像システム。
  2. 前記信号レベル可変手段は、前記輪郭強調処理の強調レベルが大きい程、又は前記合成係数による合成の割合が大きい程、前記撮像信号レベルに対するゲインを抑制することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  3. 前記撮像手段は、被写体の光学像を結像する対物レンズ系と、
    前記光学像が結像される位置に撮像面が配置され、光学像を光電変換する撮像素子と、
    前記対物レンズ系を構成する可動レンズを前記対物レンズ系の光軸方向における少なくとも第1の位置と第2の位置との2つの位置に駆動するアクチュエータと、
    を備え、
    さらに、前記撮像システムは、前記アクチュエータにより前記可動レンズを前記第1の位置に設定することにより、前記対物レンズ系が近距離の被写体にフォーカスした第1のフォーカス距離の状態と、前記アクチュエータにより前記可動レンズを前記第2の位置に設定することにより、前記対物レンズ系が中遠距離の被写体にフォーカスした第2のフォーカス距離の状態とを切り替える指示操作を行う操作スイッチを備え、
    前記信号レベル可変手段は、前記対物レンズ系を前記第2のフォーカス距離に設定した場合には、前記第1のフォーカス距離に設定した場合よりも前記撮像信号レベルに対するゲインを抑制することを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
  4. さらに、前記第1の撮像信号と前記第2の撮像信号から生成した撮像画像を分割した複数の各領域における平均の明るさを算出する領域明るさ算出手段と、
    前記領域明るさ算出手段により算出された前記平均の明るさが閾値以上となる明領域と、前記閾値未満となる暗領域とを判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された明領域においては、暗領域の場合よりも前記輪郭強調処理の強調レベルを大きくするように制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
  5. 前記第1の狭帯域は、緑の波長帯域における狭帯域であり、前記第2の狭帯域は、青の波長帯域における狭帯域であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の撮像システム
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