以下、本発明の実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素の参照符号を付加することにおいて、同じ構成要素に対しては他の図面に表示する場合も可能な限り同じ符号を有するようにしたことに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたって、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
〔第1実施例〕
図2は、本発明の第1実施例による防波堤を示す断面図である。図2に示す本発明の第1実施例による防波堤100は、第1フレーム111とこの第1フレーム111内に収容される多数の球状体112または多面体を備え、これら球状体112または多面体は、その内部に中空部を有し、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されている少なくとも一つの第1単位組立体110と、第2フレーム121とこの第2フレーム121に収容される少なくとも一つの球状体122または多面体を備え、これら球状体122または多面体は、その内部に中空部を有し、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されており、第1単位組立体110上に積層される多数の第2単位組立体120と、積層された第2単位組立体120の最上部を覆うように設置される覆い板130を含んでいる。
第1単位組立体110は、第1フレーム111内に多数の球状体112または多面体が収容されている形態を有する。第1フレーム111は耐腐食性が優れた金属または鉄筋コンクリートで作られ、球状体112または多面体はコンクリートで作られるが、必要に応じて球状体112または多面体の芯材として鉄筋が使用されうる。これら球状体112または多面体は、その内部に中空部を有し、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されている。
球状体112は、必ず正円の球形状を有するものに限定されるものではなく、楕円の断面を有するかまたは多数の不規則な湾曲部を有する曲面形状体も使用されうる。
示していないが、多面体の場合は、これらの多面体が互い接する部分が点でなく、一定の面積を有する面であるため、構造的にさらに安定した防波堤100を構築することができ、場合によって第1フレーム111の構成部材を減らすことができる経済的な防波堤として設計することができる。このような点を考慮すると、多面体としては正12面体以上の正多面体が良いが、必ずこれに限定されるものではなく、不規則な多面体も使用されうるのは勿論である。
貫通孔109の総面積は、球状体112または多面体の表面積の1/4〜1/3程度がよい。貫通孔109の総面積が1/4未満であると、これら貫通孔109を通過しなければならない海水が円滑に通過されず、滞積し、逆に貫通孔109の表面積が1/3を超過すると、球状体112または多面体そして究極的に第1単位組立体110の重さが減り、浮揚する問題がある。
第1単位組立体110は、海底の底面に配置される扁平なベース支持台140の上に設置されるのが好ましいが、必ずこれに限定されるものではない。また、このような第1単位組立体110は多様な方式により設置できるが、大きくは単一型と組立型に分けられる。
単一型は、図2ないし図5に示すように、先に第1フレーム111の側面フレーム113をベース支持台140の上に垣根を巡らすように設置した後、この側面フレーム113で区切られた空間内で球状体112または多面体を1つの層毎に均等に配列して積み上げて成る。ここで、側面フレーム113はベース支持台140から概ね平均水面まで至る高さを有するが、単に多数の垂直部材113aだけで側面フレーム113を構成することができ(図3を参照)、さらに好ましくは側面フレーム113が多数の垂直部材113aとこれらの垂直部材113aを連結する一つ以上の水平部材113bからなる(図4を参照)。
また、側面フレーム113の内側空間に積層される球状体112または多面体は、例えば3つの層に積み上げられると仮定すると、図3のように第1層と第3層との間に第2層が交錯して配列されるように積層するか、または図4のように第1層ないし第3層が水平及び垂直に格子型に配列されるように積層できる。層別に交錯して積層する構造の方がより堅固で、かつ密集した形態で構築できるが、このような積層方式に限定されるものではなく、密集度を変化させて設置地域の特定の環境に合わせて多様に積層できる。
一方、図5に示すように、側面フレーム113の垂直部材として作用する柱部材113cをベース支持台140上で平面上から見たとき、蜂の巣状に配列して垂直するように設置した後、これら柱部材113cにより区切られた概ね六角柱形状の空間内に球状体112または多面体を積み上げて構成することもできる。前述したように、側面フレーム113の柱部材113cはベース支持台140から概ね平均水面まで至る高さを有した方が良い。このような構成は、球状体112または多面体が垂直方向に整列されながらも堅固に配置されうるという長所がある。
このように側面フレーム113の上段の高さまでその内側の空間に球状体112または多面体が積層された後は、積層された球状体112または多面体を覆い、側面フレーム113に連結される上面フレーム114が設置されうる。このような上面フレーム114は、後述する第2単位組立体120または遮断壁250を第1単位組立体110上に安定に設置するためのものであり、格子形状や蜂の巣形状の網部材または平坦な多孔板で形成される。
組立型は、図6ないし図8に示すように、多数の第1単位組立体110を他の場所であらかじめ製作して防波堤100の築造地域に移動させ、組立式に配列または積層して設置する。第1フレーム111を概ね六面体のボックス形状に形成する。すなわち上面フレーム114と下面フレーム115との間に側面フレーム113が連結するようにし、その中に一定数の球状体112または多面体が配列及び積層して収容される。
このように作られた多数の第1単位組立体110をベース支持台140の上に適切に配列するが、各々の第1単位組立体110が概ね平均水面まで至る高さを有する場合は、図6のように単層配列すればよく、そうではない場合は、概ね平均水面まで第1単位組立体110を多層配列及び積層する。この際、必要に応じて第1単位組立体110の間を連結する別途の連結手段(図示せず)が使用されうる。
また、一つの第1単位組立体110において、第1フレーム111の内側の空間に積層される球状体112または多面体は、例えば3つの層に積み上げられると仮定すると、図7のように第1層と第3層との間に第2層が交錯して配列されるように積層するか、または図8のように第1層ないし第3層が水平及び垂直に格子型に配列されるように積層できる。
第2単位組立体120は、第2フレーム121内に少なくとも一つの球状体122または多面体が収容されている形態を有する。第2フレーム121は耐腐食性が優れた金属または鉄筋コンクリートで作られ、球状体122または多面体はコンクリートで作られるが、必要に応じて球状体122または多面体の芯材として鉄筋が使用されうる。第2単位組立体120に使用される球状体122または多面体は、第1単位組立体110に使用された球状体112または多面体と同じであるか異なるサイズ及び材質で形成されうる。これら球状体122または多面体は、その内部に中空部を有しており、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されている。
第2単位組立体120は、多様なサイズに作られる。一例として図2に示すように、その中に収容される球状体122または多面体のサイズによって大型第2単位組立体123、中型第2単位組立体124、小型第2単位組立体125に区分される。また、第2フレーム121内に収容される球状体122または多面体の個数は1〜10個程度が好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、その個数は必要に応じて変更できる。したがって、第2単位組立体120の中に収容される球状体122または多面体のサイズと個数は適切に組合わせて使用できるが、例えば図9は、3個の球状体122を有する大型第2単位組立体123と、2個の球状体122を有する小型第2単位組立体125を拡大して示している。
第2単位組立体120は、他の場所であらかじめ製作し、防波堤100の築造地域に移動させて組立式に第1単位組立体110の上面フレーム114上に配列または積層することによって設置される。第2フレーム121を概ね六面体のボックス形状に形成する。すなわち、上面フレーム126と下面フレーム127との間に側面フレーム128が連結されるようにし、その中に一定数の球状体122または多面体を一列に整列して収容される。
多数の第2単位組立体120が第1単位組立体110上に配置されるとき、2個以上の球状体122または多面体を有する第2単位組立体120である場合は、図2に示すように2個以上の球状体122または多面体が垂直方向に長く積層して位置するように第2単位組立体120を設置した方がよいが、必ずこれに限定されるものではなく、水平に平行するように整列して位置するように設置してもよい。この際、必要に応じて第2単位組立体120の間を連結する別途の連結手段(図示せず)が使用されうる。
第1単位組立体110は、極力平均水面に近い高さに設置されるため、積層された第2単位組立体120は平常時は水面の外に多く露出される。
多数の第2単位組立体120を配置するとき、防波堤100の外海側には内海側に比べて体積が大きい球状体122または多面体を有する大型第2単位組立体123を配置し、内海側に行くほど少しずつ体積が小さくなる中型第2単位組立体124及び小型第2単位組立体125の順に配置する。また、同じサイズの第2単位組立体120を配列しても各第2単位組立体120に収容されている球状体122または多面体の間の整列が一貫するようにまたはずれるように第2単位組立体120を適切に応用して配置することによって、球状体122または多面体の密集度が内海側でさらに稠密するように変化させ、設置地域の特定の環境に合わせた防波堤100が築造される。その上、防波堤100の設置地域の実際の波データにより第2単位組立体120のサイズ、特に球状体122または多面体のサイズを適切に選択して組み合わせることによって、防波堤100の全体幅を最小化させることができる。
覆い板130は、積層された第2単位組立体120の最上部を覆うように設置されるが、通常はコンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。この覆い板130は防波堤100の内部に海水をせき止める役割をすると共に人道及び車道として使用されうる。
本発明の第1実施例による防波堤100内で球状体122または多面体の密集度を異なるようにする理由は、外海側は最初に波が防波堤100に当たる領域であるため、大きい反射波が生じうるが、体積が大きい球状体122または多面体を有する大型第2単位組立体123を配置することによって、体積が大きい球状体122または多面体の間の孔隙が大きく形成されるようにし、海水が防波堤100の中に円滑に移動するようにし、防波堤100を越えないようにするためである。また、内海側に相対的に体積が小さい球状体122または多面体を有する小型第2単位組立体125を密集するように配置することによって、より増大した表面積と不規則性によって波の波浪エネルギーの相殺を極大化させる効果がある。小型第2単位組立体125を非常に密集するように配置すると、防波堤100の中に入った海水が全く内海側に流出しないようにすることもできる。
追加で、本発明の第1実施例による防波堤100は、防波堤100の状態を監視するモニタリングシステム150を含む。再び図2を参照すると、モニタリングシステム150はベース支持台140上に設置される多数の沈下計151、第1単位組立体110の第1フレーム111または第2単位組立体120の第2フレーム121に付着する多数の傾斜計152、第1単位組立体110の第1フレーム111で平均水面に近い高さに設置される波圧計153及び、これら計測装置から異常が発生したデータを収集して保存し、無線通信によりデータを伝送する制御装置154を含んでいる。このようなモニタリングシステム150は防波堤100の外海側面に配置されるのが好ましい。
沈下計151と傾斜計152は、防波堤100の勾配を持続的に測定するための手段として、作動原理が互い類似するため、同じ製品を使用することもできる。沈下計151と傾斜計152は、通常、垂直または水平方向に設置され、防波堤100の表面上に位置されるかまたは組み込まれる。図2では、沈下計151が防波堤100の幅方向に配置された例を示しているが、これに限定されるものではなく、防波堤100の長さ方向に沿って間欠的にまたは連続的に配置されても構わない。
本発明の第1実施例による防波堤100では、電気式沈下計または電気式傾斜計を使用するのが好ましい。このような沈下計151または傾斜計152は、例えばアルミニウムのチューブに内蔵された電子傾斜センサ(Electronic Inclination Sensor)が、挙動が発生した量に対して重力方向との角度を計算し、その勾配を低い電圧信号(または電流)に換算して出力する。
波圧計153は、防波堤100に及ぼす波の分布圧を測定する手段として、平均水面に近い高さに設置され、波の微細な変化に正確かつ迅速に感知できる製品が良い。必要に応じて波力計または波高計などと共に使用されうる。
制御装置154は、沈下計151、傾斜計152、波圧計153などで測定したデータに異常が発生した場合、このデータを収集して無線通信により遠隔サーバ部(図示せず)に伝送するように制御するが、異常が発生したときのみデータを伝送するように制御してデータのオーバーフローを防止できる。通信方式は、Bluetooth(登録商標)通信、Zigbee(登録商標)、Binary CDMA、無線LAN、CDMA、UWB、RF通信などのすべての無線通信技術を使用することができ、いずれか一つの通信方式に限定されるものではない。
データを伝送された遠隔サーバ部は、伝送されたデータを分析及び保存し、これによる警報音、警光灯、文字メッセージなどにより管理者に防波堤100の状態に異常が発生したことを知らせることができる。
モニタリングシステム150の各構成要素に連結されるケーブル155は、電源を供給したり出力信号を伝達するが、ケーブル155は、例えば金属またはプラスチックなどのように堅固でかつ耐腐食性が優れる材質で形成されたケーブル保護管内に収容されるように設置した方が良い。図2には図解の便宜上、各構成要素とケーブル155との間の連結関係のみを概略に示した。
以下では、本発明の第1実施例による防波堤100の作用について具体的に説明する。
先ず、本発明の第1実施例による防波堤100の作用について正しく理解するためには基本的に海水の流れをよく理解していなければならない。海水の流れは、如何に波が高く立っても一定の振幅と周期、そして進行速度を有する。すなわち、外海で発生した高い波が内海に押し寄せることは、常に高い波が継続して押し寄せるのではなく、サイン波(Sine Wave)のように一定の周期及び速度を有して振幅が最も大きい波が押し寄せると相次いで滑るように振幅が最も低い波が押し寄せる現象が繰り返し行われる。
この際、本発明の第1実施例による防波堤100は、互いの間に孔隙を形成すると共にその内部に中空部を有しており、貫通孔109が形成されている多数の球状体(112、122)または多面体を有しており、平常時は海水が内海から外海へそして外海から内海へ自由に移動できるため、内海の汚染をを防止できる効果がある。
本発明の第1実施例による防波堤100は、台風などの気象悪化時に防波堤100の中に入る海水の波浪エネルギーを多くの球状体(112、122)または多面体が基本的に有している形状と、追加で形成されている多数の貫通孔109の表面摩擦抵抗を利用して顕著に減衰させる。すなわち、密集した多数の球状体(112、122)または多面体は、防波堤100の内部で波の動きと類似する不規則的な3次元の海水の流れを発生させ、さらに、多数の貫通孔109を通過するとき、貫通孔109により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。また、球状体(112、122)または多面体の内部に入った海水は、その中で回転するように渦巻きながらその力が減少するだけではなく、貫通孔109を通過して水平に出た海水が抗力として作用し、水平方向に押し寄せる反射波を阻止することにより複雑な乱流を形成する。結局、これら球状体(112、122)または多面体は水平方向に来る海水の流れを変えて内海に入ろうとする波力を急激に減少させる。
また、本発明の第1実施例による防波堤100は、不規則的な海水の流れを多数の球状体(112、122)または多面体の表面積及びこれら球状体(112、122)または多面体の間に形成された孔隙を利用して四方に広がるようにする形態の非常に複雑な乱流の流れに変えて波浪エネルギーを減少させると共に内海側へ向かう波の方向を左右及び上下方向に広がるようにして内海側に押し寄せる海水の流れを遅滞させる。
特に上下方向に、すなわち垂直方向に移動する海水の流れは、多数の球状体(112、122)または多面体の内部、すなわち中空部に入るが、球状体(112、122)または多面体の内部に入った海水はその中で回転するように丸く流動しながらその力が減少するだけではなく、球状体(112、122)または多面体の内部に収容され、球状体(112、122)または多面体、そして単位組立体(110、120)の重さを増大させて浮揚しないようにすることによって、防波堤100をさらに安定化させる作用をする。これはフレーム(111、121)内に収容される多数の球状体(112、122)または多面体の形状に起因するものであり、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体では期待できない効果である。さらに、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体より材料費などを節減できるため、経済的にも非常に効果があるという長所がある。
同時に、球状体(112、122)または多面体に多数の貫通孔109が形成されているため、垂直方向に移動する海水が球状体(112、122)または多面体の内部に入って、その中で丸く流動しながら多数の貫通孔109を介して下方に流されていくと、この貫通孔109を通過して下へ向かった海水が抗力として作用し、次いで垂直方向に押し寄せる反射波を阻止する。これによって、覆い板130付近では波の反射波及び波浪エネルギーがほど吸収される。
このような防波堤100は、海水が防波堤100に当たる力が分散されるようにする構成を有するため、反射波が少なく、従来技術の防波堤より低い高さに築造しても波が防波堤100を越えることを防止できる。さらに、海水は、防波堤100内で多数の球状体(112、122)または多面体の間に形成された孔隙と共に、多数の球状体(112、122)または多面体の中空部と連通するようにする多数の貫通孔109によって散らばるため、防波堤100に当たる力の成分が増大した表面積によって分散するだけでなく、表面摩擦力が作用することにより防波堤100が波によって受ける単位面積当たりの力の強度も大幅に減り、従来技術の一方向に力を受ける防波堤より構造的に非常に安定した防波堤100を実現できる。また、単純な構成要素で構成された全体の防波堤100は、その工事期間を短縮することができ、通常の防波堤の工事の際に海水に流されていく砂利及び土砂の損失も減すことができるという大きい長所がある。
〔第2実施例〕
図10は、本発明の第2実施例による防波堤を示す断面図である。図10に示す本発明の第2実施例による防波堤200は、第1フレーム111とこの第1フレーム111内に収容される多数の球状体112または多面体を備え、これら球状体112または多面体は、その内部に中空部を有し、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されている少なくとも一つの第1単位組立体110と、第2フレーム121とこの第2フレーム121に収容される少なくとも一つの球状体122または多面体を備え、これら球状体122または多面体は、その内部に中空部を有し、外部とこの中空部を連通させる多数の貫通孔109が形成されており、第1単位組立体110の上に積層される多数の第2単位組立体120と、第1単位組立体110の上で積層された第2単位組立体120の間に垂直に設置される遮断壁250と、積層された第2単位組立体120と遮断壁250の最上部を覆うように設置される覆い板130を含んでいる。
本発明の第2実施例では、第2単位組立体120の間に垂直に設置される遮断壁250を追加で備える点以外の他の構成要素は前述した第1実施例の構成要素と同じである。これに、本発明の第2実施例による防波堤200を説明するにあたって、第1実施例による防波堤100と同じ構成要素に対しては同じ符号を付与し、その構成及び機能に関する詳細な説明は省略する。
遮断壁250は、所定の厚さを有する平板形状の壁部材として、コンクリートや鉄筋コンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。遮断壁250は、製1単位組立体110の上面フレーム114上に設置されるが、このように遮断壁250を構築することによって、防波堤200を通過して入る波を直接的に遮断すると共に内海の静穏を保つ。
本発明の第2実施例による防波堤200は、外海側から入る非常に不規則的な海水の流れを多数の球状体(112、122)または多面体の表面積及びこれら球状体(112、122)または多面体の間に形成された孔隙と共に、多数の球状体(112、122)または多面体の中空部と連通するようにする多数の貫通孔109を利用して四方に広がるようにする形態の非常に複雑な乱流の流れに変え、波浪エネルギーを減少させること共に内海側へ向かう波の方向を左右及び上下方向に広がるようにし、内海側に押し寄せる海水の流れを遅滞させる。さらに、波が多数の貫通孔109を通過するとき、貫通孔109により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。これに加えて、第1単位組立体110の上部に設置された遮断壁250に当たった波は、継続して上に積み上げられながら防波堤200の上部側に移動し、この遮断壁250から始まった反射波は上部を通り再び外海側に戻って下向移動して防波堤の重さを増大させる。このような一連の過程により波の波浪エネルギーを防波堤200の内部にせき止めておき、再び大きい波が来る前に防波堤200の内部で安定した海水の流れを作る。
一方、遮断壁250は、内海側の最端に設置されず、内海側から外海側に所定の距離だけ移動した位置で第1単位組立体110上に設置された後、遮断壁250の内海側の側面に隣接するように小型第2単位組立体125を積層することによって、内海側から生じうる反射波を受け入れて相殺させる空間を設け、内海の静穏度を向上させることができる。このように内海の静穏度を向上させると、船舶がより安定的に停泊できる環境が整えられるという効果がある。
付加的には、遮断壁250は、水面の上で防波堤200を通過する風を防いで、防波堤200の内側にある内海を外海と分離させた平穏な環境を作ることができるという長所もある。
〔第3実施例〕
図11は、本発明の第3実施例による防波堤を示す図であり、図12は、図11に示す第1単位組立体を示す斜視図であり、図13は、図11に示す第2単位組立体を示す斜視図である。
これら図面に示す本発明の第3実施例による防波堤300は、海底の底面に配置されるベース支持台340と、第1フレーム311とこの第1フレーム311内に収容され、横方向にN個(ここでNは2以上の定数)及び縦方向にNまたはM個(ここでMは2以上の定数)に配列され、各々多数の貫通孔309が放射状に形成された多数のボウル状体312を備え、ベース支持台340上に積層される多数の第1単位組立体310と、第2フレーム321とこの第2フレーム321内に収容されるが横方向にN−1個及び縦方向にN−1またはM−1個に配列され、各々多数の貫通孔309が放射状に形成された多数のボウル状体322を備え、第1単位組立体310上に積層される多数の第2単位組立体320と、積層された第1単位組立体310または第2単位組立体320の最上部を覆うように設置される覆い板330を含んでいる。
第1単位組立体310は、第1フレーム311内に多数のボウル状体312が収容されている形態を有する。第1フレーム311は、耐腐食性が優れた鉄筋コンクリートで作られ、ボウル状体312はコンクリートで作られるが、必要に応じてボウル状体の芯材として鉄筋が使用されうる。これらボウル状体312には多数の貫通孔309が形成されている。
ボウル状体312は、正円の半球形状を有するのが好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、楕円または反楕円の断面を有したり多数の不規則な湾曲部を有する曲面形状体も使用されうる。
示していないが、ボウル状体312が多面体に形成されるが、このような場合、これら多面体が互い接する部分が点でなく、一定の面積を有する面であるため、構造的にさらに安定した単位組立体及び防波堤300を構築できる。多面体としては、正12面体以上の正多面体の折半部が良いが、必ずこれに限定されるものではなく、不規則な多面体も使用されうるのは勿論である。このような多面体にも多数の貫通孔が形成されている。
このような第1単位組立体310は、多様な方式により設置されるが、例えば、多数の第1単位組立体310を他の場所であらかじめ製作し、防波堤300の築造地域に移動させて組立式に配列または積層することによって設置できる。
第1フレーム311は、概ね六面体のボックス形状を有する枠で形成するが、すなわち、多数の垂直な下方柱315を有する上面フレーム314と多数の垂直な上方柱317を有する下面フレーム316は、互いに対応する柱(315、317)の位置合わせにより結合し、その中に一定数のボウル状体312が配列され、これらを収容する。下方柱315と上方柱317の接触面には各々例えばはめ込み溝またははめ込み突起のような連結手段が設けられ、これらの安定した結合を確保できる。第1フレーム311には横方向にN個及び縦方向にNまたはM個のボウル状体312が配列されうる。
第2単位組立体320は、第2フレーム321内に多数のボウル状体322が収容されている形態を有する。第2フレーム321は耐腐食性が優れた鉄筋コンクリートで作られる。第2単位組立体320に使用されるボウル状体322は、第1単位組立体310に使用されたボウル状体312と同じであるかまたは異なるサイズ及び材質で形成されうる。これらボウル状体322には多数の貫通孔309形成されている。
第2フレーム321も概ね六面体のボックス形状を有する枠で形成するが、多数の垂直な下方柱325を有する上面フレーム324と多数の垂直な上方柱327を有する下面フレーム326が互い対応する柱(325、327)の位置合わせにより結合し、その中に一定数のボウル状体322が配列されてこれらを収容する。下方柱325と上方柱327の接触面には各々例えば、はめ込み溝またははめ込み突起のような連結手段が設けられ、これらの安定した結合を確保できる。第2フレーム321には横方向にN−1個及び縦方向にN−1またはM−1個のボウル状体322が配列されうる。
各単位組立体で、下面フレーム(316、326)の下面は、格子形状や蜂の巣形状の網部材の形状に形成される。また、上面フレーム(314、324)の上面は、概ね格子形状や蜂の巣形状を有するが、ボウル状体(312、322)の位置及び形状に相応するように環部が適切に配列されうる。
このように作られた多数の単位組立体(310、320)をベース支持台340の上に適切に多層に配列及び積層する。この際、単位組立体(310、320)の間を連結する連結手段が使用されるが、各単位組立体が有する上面フレームの上面には上に突出した突出部318が形成されていることに対し、各単位組立体が有する下面フレームの底面には前述した突出部318の形状に相応する凹溝(328、図11を参照)が形成されており、これら突出部318と凹溝328の形状合わせによって単位組立体(310、320)が互いに連結固定される。すなわち、突出部318と凹溝328が連結手段を構成する。ここでは上面フレームに突出部が、そして下面フレームに凹部が備えられているものを示して説明するが、突出部と凹溝の位置が逆でも構わない。
垂直方向に単位組立体(310、320)を積層するときは、第1単位組立体310上に第2単位組立体320を、そしてその上に第1単位組立体310などを位置させる方式により積層できるが、これに限定されるものではない。
水平方向には防波堤300の長さ方向に沿って第1単位組立体310をその長さ方向を平行に合わせて連続するように直線上に配置できる。その後に、第1単位組立体310上に他の第1単位組立体310または第2単位組立体320を積層される。仮に、防波堤300の幅を増大させなければならない場合、第1単位組立体310を2列以上に長く配置してもよい。
一方、第1単位組立体310及び第2単位組立体320の長さが、防波堤300の長さと同じに形成されるときには長さ方向に連続するように配置せず、単に垂直方向に積層だけすることもできる。
単位組立体(310、320)は、多様なサイズに作られるため、その中に収容されるボウル状体(312、322)のサイズによってそのサイズが変更されうる。また、各フレーム(311、321)内に収容されるボウル状体(312、322)の個数は4〜30個程度が好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、その個数は必要に応じて変更できる。結論的には、単位組立体(310、320)の中に収容されるボウル状体(312、322)のサイズと個数は適切に組合わせて使用できる。さらに、防波堤300の設置地域の実際の波データにより単位組立体(310、320)のサイズ、特にボウル状体(312、322)のサイズを適切に選択して組合わせることによって防波堤300の全体幅を最小化させることができる。
前述したように、単位組立体(310、320)は、海底の底面に配置される扁平なベース支持台340上に設置されるのが好ましいか、必ずこれに限定されるものではない。また、ベース支持台340は基礎捨石の上に設置されうる。このベース支持台340の上面には第1単位組立体310の下面フレーム316を固定するために該当下面フレーム316の連結手段(突出部または凹溝)に対応する連結手段(凹溝または突出部)が形成されうる。
覆い板330は、積層された最上層の単位組立体(310または320)の上部を覆うように設置され、通常はコンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。この覆い板330の下面には上面フレーム(314または324)と固定するために該当上面フレーム(314または324)の連結手段(突出部または凹溝)に対応する連結手段(凹溝または突出部)が形成されうる。覆い板330は、防波堤300の内部に海水をせき止める役割を果たすと共に人道及び車道として使用されうる。また、覆い板330は連結手段を有しており、積層された単位組立体(310または320)を堅固に一体化させる手段としての役割も果たす。
追加で、本発明の第3実施例による防波堤300は、防波堤300の状態を監視するモニタリングシステム350を含むが、この構成は本発明の第1実施例で説明したモニタリングシステム150と同じであるため、これに関する詳細な説明は省略する。
本発明の第3実施例による防波堤300では、上下方向に、すなわち垂直方向に移動する海水の流れがボウル状体(312、322)の内部に入るが、ボウル状体(312、322)の内部に入った海水はその中で回転するように丸く流動しながらその力が減少するだけではなく、ボウル状体(312、322)の内部に収容され、ボウル状体(312、322)、そして単位組立体(310、320)の重さを増大させて浮揚しないようにすることによって、防波堤300をさらに安定化させる作用をする。これは各フレーム(311、321)内に収容される多数のボウル状体(312、322)の形状に起因するものであり、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体では期待できない効果である。さらに、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体より材料費などを節減することができ、経済的にも非常に効果があるという長所がある。
同時に、各ボウル状体(312、322)に多数の貫通孔309が形成されているため、垂直方向に移動する海水がボウル状体(312、322)の内部に入ってその中で丸く流動し、その後貫通孔309を介して下方に流れていくと、この貫通孔309を通過して下へ向かった海水が抗力として作用し、次いで垂直方向に押し寄せる反射波を阻止する。これによって、覆い板330付近では波の反射波及び波浪エネルギーがほぼ吸収される。さらに、多数の貫通孔309により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。
本発明の第3実施例による防波堤300は、台風などの気象悪化時に防波堤300の中に入る海水の波浪エネルギーを多くのボウル状体(312、322)が基本的に有している形状と、追加で形成されている多数の貫通孔309の表面摩擦抵抗を利用して顕著に減衰させる。すなわち、密集した多数のボウル状体(312、322)は、防波堤300の内部で波の動きと類似する不規則的な3次元の海水の流れを発生させ、さらに多数の貫通孔309を通過するとき、貫通孔309により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。また、ボウル状体(312、322)の内部に入った海水は、その中で回転するように渦巻きながらその力が減少するだけでなく、貫通孔309を通過して水平に出た海水が抗力として作用し、水平方向に押し寄せる反射波を阻止するにより複雑な乱流を形成する。結局、これらボウル状体(312、322)は水平方向に来る海水の流れを変えて内海に入ろうとする波力を急激に減少させる。
このような防波堤300は、海水が防波堤300に当たる力が分散されるようにする構成を有することにより、反射波が少なく、従来技術の防波堤より低い高さに築造しても波が防波堤300を越えることを防止できる。その上、海水が防波堤300の中で多数のボウル状体(312、322)の間に形成された孔隙と共に、多数のボウル状体(312、322)の内部と多数の貫通孔309によって散らばるため、防波堤300に当たる力の成分が増大した表面積によって分散するだけでなく、表面摩擦力が作用し、防波堤300が波によって受ける単位面積当たりの力の強度も大幅に減り、従来技術の一方向に力を受ける防波堤より構造的に非常に安定した防波堤300を実現できる。また、単純な構成要素で構成された全体防波堤300は、その工事期間を短縮することができ、通常の防波堤の工事で見られる海水に流されていく砂利及び土砂の損失も減らすことができるという大きい長所がある。
〔第4実施例〕
図14は、本発明の第4実施例による防波堤を示す斜視図である。図14に示す本発明の第4実施例による防波堤300’は、海底の底面に配置されるベース支持台340と、第1フレーム311とこの第1フレーム311内に収容されるが、横方向にN個(ここでNは2以上の定数)及び縦方向にNまたはM個(ここでNは2以上の定数)に配列される多数のボウル状体312’を備え、ベース支持台340上に積層される多数の第1単位組立体310と、第2フレーム321とこの第2フレーム321内に収容されるが、横方向にN−1個及び縦方向にN−1またはM−1個に配列される多数のボウル状体322’を備え、第1単位組立体310上に積層される多数の第2単位組立体320と、積層された第1単位組立体310または第2単位組立体320の最上部を覆うように設置される覆い板330を含んでいる。
本発明の第4実施例では、第1単位組立体310と第2単位組立体320を構成する多数のボウル状体(312’、322’)に貫通孔が省略された点以外の他の構成要素は、前述した第3実施例の構成要素と同じである。これに、本発明の第4実施例による防波堤300’を説明するにあたって、第3実施例による防波堤300と同じ構成要素に対しては同じ符号を付与し、その構成及び機能に関する詳細な説明は省略する。
第1単位組立体310のボウル状体312’はコンクリートで作られるが、必要に応じてボウル状体の芯材として鉄筋が使用されうる。ボウル状体312’は正円の半球形状を有するのが好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、楕円または反楕円の断面を有したり多数の不規則な湾曲部を有する曲面形状体も使用されうる。
示していないが、ボウル状体312’が多面体に形成されるが、このような場合にこれら多面体が互い接する部分が点でなく、一定の面積を有する面であるため、構造的にさらに安定した単位組立体及び防波堤300’を構築できる。多面体としては、正12面体以上の正多面体の折半部が良いが必ずこれに限定されるものではなく、不規則な多面体も使用されるのは勿論である。
第2単位組立体320に使用されるボウル状体322’は第1単位組立体310に使用されたボウル状体312’と同じであるか異なるサイズ及び材質で形成されうる。各単位組立体内に収容されるボウル状体(312’、322’)の個数は4〜30個程度が好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、その個数は必要に応じて変更できる。
本発明の第4実施例による防波堤300’では、上下方向にすなわち垂直方向に移動する海水の流れがボウル状体(312’、322’)の内部に入るが、ボウル状体(312’、322’)の内部に入った海水はその中で回転するように丸く流動しながらその力が減少するだけではなく、ボウル状体(312’、322’)の内部に収容され、ボウル状体(312’、322’)、そして単位組立体(310、320)の重さを増大させて浮揚しないようにすることによって、防波堤300’をさらに安定化させる作用をする。これは各単位組立体内に収容される多数のボウル状体(312’、322’)の形状に起因するものであり、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体では期待できない効果である。さらに、他のソリッド形態のものを採用した単位組立体より材料費などを節減することができ、経済的にも非常に効果があるという長所がある。
このような防波堤300’は、海水が防波堤300’に当たる力が分散されるようにする構成を有するため、反射波が少なく、従来技術の防波堤より低い高さに築造しても波が防波堤300’を越えることを防止できる。その上、海水が防波堤300’の中で多数のボウル状体(312’、322’)の間に形成された孔隙と共に、多数のボウル状体(312’、322’)の内部空間によって散らばるため、防波堤300’に当たる力の成分が増大した表面積によって分散され、防波堤300’が波によって受ける単位面積当たりの力の強度も大幅に減り、従来技術の一方向に力を受ける防波堤より構造的に非常に安定した防波堤300’を実現できる。また、単純な構成要素で構成された全体防波堤300’はその工事期間を短縮することができ、通常の防波堤の工事で見られる海水に流されていく砂利及び土砂の損失も減らすことができるという大きい長所がある。
〔第5実施例〕
図15は、本発明の第5実施例による防波堤の一部を示す斜視図であり、図16は、図15に示すベース支持台を示す斜視図であり、図17は、図15に示す管形状単位ブロックを示す斜視図である。
これら図面に示す本発明の第5実施例による防波堤400は、海底の底面に配置されるベース支持台440と、放射状に多数の貫通孔409が形成されており、一側にはめ込み溝411と他側にはめ込み突起412が形成され、前記ベース支持台440上に積層して連結される多数の管形状単位ブロック410と、積層された単位ブロック410の最上部を覆うように設置される覆い板430を含んでいる。
ベース支持台440は海底の底面に設置され、扁平な基礎を提供する。また、ベース支持台440は基礎捨石上に設置される。このベース支持台440の上面には後述する管形状単位ブロック410を固定するために管形状単位ブロックが有する連結手段に対応する連結手段が形成されうる。図16には連結手段の一例としてめ込み溝441が示されているが、これに限定されるものではない。
本発明の第5実施例による防波堤400に使用される管形状単位ブロック410は、正円の断面を有する管形状を有するのが好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、楕円または反楕円の断面を有したり、多数の不規則な湾曲部を有する曲断面を有することもできる。管形状単位ブロック410はコンクリートで作られるが、必要に応じて管形状の芯材として鉄筋が使用されうる。これら管形状単位ブロック410には放射状に多数の貫通孔409が形成されている。
示していないが管形状単位ブロックは多角形の断面を有する管形状体に形成される。多角形としては三角形以上の正多角形が良いが、必ずこれに限定されるものではなく、不規則な多角形の断面を有する管形状体にも使用されうるのは勿論である。このような管形状体にも多数の貫通孔が形成されている。
このような管形状単位ブロック410は、多様な方式により設置されるが、例えば多数の管形状単位ブロック410を他の場所であらかじめ製作し、防波堤400の築造地域に移動させて組立式に配列または積層されることによって設置できる。
図17に詳細に示すように管形状単位ブロック410は、三つ類型に形成されるが、図17の(a)のような概ね十字型単位ブロック410a、(b)のような概ねT字型単位ブロック410b及び(c)のようなI字型単位ブロック410cで構成されうる。
具体的には十字型単位ブロック410aは、垂直なZ軸方向に延長した管形状本体401、Z軸方向に直角であるX軸方向で両側に伸びた管形状第1アーム402及びX軸方向とZ軸方向に直角であるY軸方向で両側に伸びた管形状第2アーム403を備える。管形状本体401、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム403には各々放射状に貫通孔409が形成される。
また、管形状本体401で一側先端面には、はめ込み溝411が形成されており、他側先端面にはめ込み突起412が形成されており、隣接する管形状単位ブロックのはめ込み突起またははめ込み溝とはめ合わせられることによって、管形状単位ブロックが垂直方向に積層して連結される。これらはめ込み溝411とはめ込み突起412が連結手段を構成する。
同様に、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム403にも各々一側先端面にははめ込み溝411が形成されており、他側先端面にはめ込み突起412が形成されており、隣接する管形状単位ブロックのはめ込み突起またははめ込み溝とはめ合わせられることによって、管形状単位ブロックが水平方向に配列して連結される。
次に、T字型単位ブロック410bは、垂直なZ軸方向に延長した管形状本体401、Z軸方向に直角であるX軸方向で両側に伸びた管形状第1アーム402及びX軸方向とZ軸方向に直角であるY軸方向で一側にのみ伸びた管形状第2アーム403’を備える。管形状本体401、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム403’には各々放射状に貫通孔409が形成される。また、各々の管形状本体401、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム403’は、一側先端面にはめ込み溝411が形成されており、他側先端面にはめ込み突起412が形成されているが、これら連結手段の作用は前述した十字型単位ブロック410aの連結手段と同じである。
これらT字型単位ブロック410bは、防波堤400で側壁を構成するように、積層された管形状単位ブロック410の最も外郭に配置して積層される。特に防波堤400の内海側の側面にこれらT字型単位ブロック410bが配置及び積層されることによって、船舶が安全に接岸できる。これに限定されるものではなく、外海側の側面にこれらT字型単位ブロック410bが配置及び積層されてもよい。しかし、防波堤400が船舶の接岸のような特殊の用途に使用されなければ、これらT字型単位ブロック410bは省略することができ、代りに十字型単位ブロック410aが配置されうる。
最後に、I字型単位ブロック410cは、垂直なZ軸方向に延長した管形状本体401のみで構成される。管形状本体401には放射状に貫通孔409が形成されている。また、管形状本体401で一側先端面にははめ込み溝411形成されており、他側先端面にはめ込み突起412が形成されており、隣接する管形状単位ブロックのはめ込み突起またははめ込み溝とはめ合わせられることによって、管形状単位ブロックが垂直方向に積層して連結すされる。通常、これらI字型単位ブロック410cは、防波堤400で積層された管形状単位ブロックとベース支持台440との間に配置され、防波堤400の高さの調節に使用されうる。波の影響を相対的に少なく受ける海底の底に近く設置されることによって、本発明の原理を十分に適用できる。あるいは、積層された管形状単位ブロックの間だけでなく、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム(403、403’)の間にも設置され、必要に応じて適切に多様に配置され使用されうる。これらI字型単位ブロック410cも省略できる。
図18は、図17に示す単位ブロックの変形例を示す斜視図である。これに示すように管形状単位ブロック410、すなわち十字型単位ブロック410a、T字型単位ブロック410b及びI字型単位ブロック410cは二重管で構成されうる。
管形状単位ブロック410の内部に位置した内側管404は、各単位ブロック(410a、410b、410c)の形状と相応するが、サイズ(直径)のみ異なるようにして形成したものである。内側管404にも各々放射状に貫通孔409が形成されている。また、内側管404と各々の管形状本体401、管形状第1アーム402及び管形状第2アーム(403、403’)を連結するための支持部(405、図18の(c)を参照)が備えられ、内側管404を管形状単位ブロック410内に保持する。
このような二重管の管形状単位ブロック410は、図17に示す単位ブロックよりさらに多い貫通孔409を備えいるため、貫通孔409により表面積がはるかに多く増大し、これら表面積と波との間の摩擦力によって波力を大幅に減衰させる。また、二重管の管形状単位ブロック410の内部に入った海水はその中で回転するように渦巻きながらその力が減少するだけではなく、さらに複雑な乱流をさらに多く形成して押し寄せる反射波を阻止することによって、海水の波浪エネルギーを大部分吸収する。
このように作られた多数の管形状単位ブロック410をベース支持台440の上に適切に多層に配列及び積層する。この際、管形状単位ブロック410の連結は連結手段(すなわち、はめ込み溝とはめ込み突起)により成される。
管形状単位ブロック410は、多様なサイズに作られるため、防波堤400の設置地域の実際の波データにより管形状単位ブロック410のサイズを適切に選択して組み合わせることによって、防波堤400の全体幅またはサイズを最小化させることができる。
覆い板430は、積層された最上層の管形状単位ブロック410の上部を覆うように設置され、通常はコンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。この覆い板430の下面には管形状単位ブロック410と固定するために管形状単位ブロック410が有する連結手段(はめ込み溝またははめ込み突起)に対応する連結手段(はめ込み突起またははめ込み溝)が形成されうる。覆い板430は、防波堤400の内部に海水をせき止める役割を果たすと共に人道及び車道として使用されうる。また、覆い板430は、連結手段を有するため、積層された管形状単位ブロック410を堅固に一体化させる手段としての役割も果たす。
追加で、本発明の第5実施例による防波堤400は、この防波堤400の状態を監視するモニタリングシステムを含むため、この構成は、本発明の第1実施例で説明したモニタリングシステム150と同じであるため、これに関する詳細な説明と図解は省略する。
図19は、図15に示す遮断ブロックを示す斜視図であり、これに示すように遮断ブロック450は、概ねボックス形状に形成され、垂直なZ軸方向の一側面にははめ込み溝411が形成されており、他側面にはめ込み突起412が形成されており、Z軸方向に直角であるX軸方向で一側面にははめ込み溝411が形成されており、他側面にはめ込み突起412が形成されており、X軸方向とZ軸方向に直角であるY軸方向で一側面にははめ込み溝411が形成されており、他側面にはめ込み突起412が形成されている。
これら連結手段(すなわち、はめ込み溝とはめ込み突起)により、遮断ブロック450は管形状単位ブロック410、具体的には十字型単位ブロック410a、T字型単位ブロック410bまたはI字型単位ブロック410cと、覆い板430の下面に連結固定されうる。また、遮断ブロック450同士も連結手段によって連結固定されうる。
このような遮断ブロック450は、コンクリートや鉄筋コンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。
遮断ブロック450は遮断壁を構成するが、このため遮断ブロック450は、積層された管形状単位ブロック410と覆い板430との間で所定の長さ及び高さに築造積層される。管形状単位ブロック410を極力平均水面に近い高さに設置した後、その上に遮断ブロック450を積層し、その両側に再び管形状単位ブロック410を連結及び積層するため、積層された遮断ブロック450は平常時は水面上に位置する。このように遮断ブロック450を構築することによって防波堤400を通過して入る波を直接的に遮断すると共に内海の静穏を保つ。また、内海側に伝達される波浪の残存エネルギーが遮断される。
特に、遮断ブロック450は内海側の最端に設置されず、内海側から外海側に所定の距離だけ移動した位置で管形状単位ブロック410上に設置した後、遮断ブロック450の内海側の側面に管形状単位ブロック410のうちT字型単位ブロック410bを連結して積層する。これによって、内海側から生じうる反射波を受け入れて相殺させる空間を設け、内海の静穏度を向上させることができる。このように内海の静穏度を向上させると、船舶がより安定的に停泊できる環境が作れるという効果がある。
付加的には、遮断ブロック450は水面の上で防波堤400を通過する風を防いで、防波堤400の内側にある内海を外海と分離させた平穏な環境が作れるという長所もある。
図15にはT字型単位ブロック410b、I字型単位ブロック410c、遮断ブロック450などが全て示されており、これら構成要素の配置関係、作用などを説明している。しかし、前述したように示す例に限定されず、T字型単位ブロック410b、I字型単位ブロック410cまたは遮断ブロック450は省略する場合もある。また、省略した部分は十字型単位ブロック410aに代替されうる。
本発明の第5実施例による防波堤400では上下方向に、すなわち垂直方向に移動する海水の流れが管形状単位ブロック410の内部に入るが、管形状単位ブロック410の内部に入った海水はその中で回転するように丸く流動しながらその力が減少する。
同時に、管形状単位ブロック410に多数の貫通孔409が形成されているため、垂直方向に移動する海水が管形状単位ブロック410の内部に入ってその中で丸く流動し、その後多数の貫通孔409を介して下方に流れていくと、この貫通孔409を通過して下へ向かった海水が抗力として作用し、次いで垂直方向に押し寄せる反射波を阻止する。これによって、覆い板430の付近では波の反射波及び波浪エネルギーがほぼ吸収される。その上、多数の貫通孔409により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。
このような防波堤400は、海水が防波堤400に当たる力が分散されるようにする構成を有するため、反射波が少なく、従来技術の防波堤より低い高さに築造しても波が防波堤400を越えることを防止できる。さらに、海水が防波堤400の中で多数の管形状単位ブロック410の間に形成された孔隙と共に、多数の管形状単位ブロック410の内部と多数の貫通孔409によって散らばるため、防波堤400に当たる力の成分が増大した表面積によって分散するだけでなく、表面摩擦力が作用し、防波堤400が波によって受ける単位面積当たりの力の強度も大幅に減り、従来技術の一方向に力が受ける防波堤より構造的に非常に安定した防波堤400を実現できる。また、単純な構成要素で構成された全体防波堤400はその工事期間を短縮することができ、通常の防波堤の工事で見られる海水に流されていく砂利及び土砂の損失も減らすことができるという大きい長所がある。
また、このような防波堤400は、外海側から入る非常に不規則的な海水の流れを多数の管形状単位ブロック410の表面積及びこれら管形状単位ブロック410の間に形成された孔隙と共に、多数の管形状単位ブロック410の内部と連通するようにする多数の貫通孔109を利用して四方に広がるようにする形態の非常に複雑な乱流の流れに変え、波浪エネルギーを減少させると共に内海に向かう波の方向を左右及び上下方向に広がるようにし、内海側に押し寄せる海水の流れを遅滞させる。これに加え、一部の管形状単位ブロック410の上部に設置された遮断ブロック450に当たった波は継続して上に積み上げられ、防波堤400の上部側に移動し、この遮断ブロック450から始まった反射波は上部を通り再び外海側に戻り、下向移動して防波堤の重さを増大させる。このような一連の過程により、波の波浪エネルギーを防波堤400の内部にせき止めておき、再び大きい波が来る前に防波堤400の内部で安定した海水の流れを作ることができる。
〔第6実施例〕
図20は、本発明の第6実施例による防波堤の一部を示す斜視図である。また、図21は、図20に示すベース支持台の例を示す平面図であり、図22は、第1水平ブロックを示す斜視図であり、図23は、第2水平ブロックを示す斜視図であり、図24は、第1垂直ブロックを示す斜視図であり、図25は、第2垂直ブロックを示す斜視図であり、そして図26は、遮断ブロックを示す斜視図である。
これらの図面に示す本発明の第6実施例による防波堤500は、海底の底面に配置されるベース支持台560と、このベース支持台560上に積層され、放射状に多数の貫通孔509が形成されており、長さ方向に沿って先端面に凹溝または突出部513が形成されていると共に、長さ方向の一側にはめ込み溝511と他側にはめ込み突起512が形成されており、垂直な2対の足部525を備えるが、これら足部525の底面には突出部または凹溝(図示せず)が形成されている多数の凹の第1水平ブロック520と、ベース支持台560上に直立設置され、放射状に多数の貫通孔509形成されており、上側先端にはめ込み手段531が形成されている多数凹の第1垂直ブロック530と、ベース支持台560上に直立設置され、放射状に多数の貫通孔509が形成されており、上側先端にはめ込み手段541が形成されており、下側には一対の足部545を備える多数凹の第2垂直ブロック540と、積層された第1水平ブロック520、第1垂直ブロック530及び第2垂直ブロック540の最上部を覆うように設置される覆い板550を含んでいる。
ベース支持台560は海底の底面に設置されて扁平なベースを提供する。また、ベース支持台560は基礎捨石上に設置される。このベース支持台560の上面には第1垂直ブロック530または第2垂直ブロック540を固定するために第1垂直ブロック530の下側先端または第2垂直ブロック540の足部545を支持するための支持手段が形成されうる。図21の(a)には支持手段として円形断面の突起561が形成された例を示しており、(b)には支持手段として弧(Arc)形状の突起562が形成された例を示している。このような支持手段は示す例に限定されるものではなく、溝形態などのように多様に変更できる。図21の(a)と(b)では第2垂直ブロック540の足部545を支持するため、足部545の下段が挿入される溝563が示されている。
本発明の第6実施例による防波堤500に使用される水平ブロックまたは垂直ブロックは、半円の断面を有する、いわゆる弧状の断面を有するのが好ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、概ねU字状、V字状、C字状、任意の不規則な湾曲部を有する弧状、不規則な多角の角を有する断面を有しうる。これら水平ブロック及び垂直ブロックはコンクリートで作られるが、必要に応じて管形状の芯材として鉄筋が使用されうる。これら水平ブロック及び垂直ブロックには放射状に多数の貫通孔509が形成されている。
このような水平ブロック及び垂直ブロックは、多様な方式により設置されるが、例えば多数の水平ブロック及び垂直ブロックを他の場所であらかじめ製作し、防波堤500の築造地域に移動させて組立式に配列または積層されることによって設置できる。
図22は、第1水平ブロックを示す斜視図であって、これに示すように第1水平ブロック520は、放射状に多数の貫通孔509が形成されており、長さ方向に沿って先端面に凹溝または突出部513が形成されていると共に、長さ方向の一側にはめ込み溝511と他側にはめ込み突起512が形成されており、垂直な2対の足部525を備えるが、これら足部525の下面には突出部または凹溝が形成されている。
第1水平ブロック520は一側にはめ込み溝511が形成されており、他側にはめ込み突起512が形成されているが、これらの隣接する第1水平ブロックのはめ込み突起またははめ込み溝とはめ合わせられることによって、第1水平ブロック520らが長さ方向に連結される。これらのはめ込み溝511とはめ込み突起512が連結手段を構成する。
また、第1水平ブロック520は垂直な2対の足部525を備え、これらの足部525の下面には突出部または凹溝が形成されているが、例えばこれらの足部525の下面に凹溝がある場合、これら凹溝は、下層にある第2水平ブロック510または下層にある他の第1水平ブロック520の突出部513と結合することによって第1水平ブロック520の積層を安定化させる。
図23は、第2水平ブロックを示す斜視図であって、これに示すように第2水平ブロック510には放射状に多数の貫通孔509が形成されており、長さ方向に沿って先端面に凹溝または突出部のような連結手段が形成されていると共に、長さ方向の一側にはめ込み溝511と他側にはめ込み突起512が形成されている。図23には突出部513が示されている。
第2水平ブロック510にも一側にはめ込み溝511が形成されており、他側にはめ込み突起512が形成されているが、これらは隣接する第2水平ブロックのはめ込み突起またははめ込み溝とはめ合わせられることによって、第2水平ブロック510が長さ方向に連結される。これらのはめ込み溝511とはめ込み突起512がまた他の連結手段を構成する。
第2水平ブロック510は、図20に示すようにベース支持台560と第1水平ブロック520との間に配置されるが、本発明の第6実施例による防波堤500では省略できる。
図24は、第1垂直ブロックを示す斜視図であって、これに示すように第1垂直ブロック530は放射状に多数の貫通孔509が形成されており、上側先端にはめ込み手段531が形成されている。この第1垂直ブロック530は概ね防波堤の高さと類似し、ベース支持台560上に直立するように設置されて覆い板550まで伸びている。
第1垂直ブロック530は、積層された第1水平ブロック520または第2水平ブロック510からなる水平ブロックの列の間に配置されるが、水平ブロック(510、520)を間においてこれらの両側にジグザグに配置される。例えば、図21の((b)を参照すると、前述したようにベース支持台560上の支持手段によって第1垂直ブロック530の位置が設定されると共に第1垂直ブロック530の下側先端が支持されるため、第1垂直ブロック530の配置関係を簡単に確認できる。逆に説明すると、支持手段として作用する例えば、突起562の列の間に水平ブロック(510、520)の積層された列(図21の(b)の点線参照)が位置する。したがって、これらの第1垂直ブロック530は、ベース支持台560上の支持手段と、水平ブロック(510、520)の積層された列の間での配置、そして後述する覆い板550の連結手段によって堅固に支持される。
図25は、第2垂直ブロックを示す斜視図であって、これに示すように、第2垂直ブロック540は放射状に多数の貫通孔509が形成されており、上側先端にはめ込み手段541が形成されており、下側には一対の足部545を備える。この第2垂直ブロック540は、概ね防波堤の高さと類似し、ベース支持台560上に直立設置され、覆い板550まで伸びている。
第2垂直ブロック540は、防波堤500の内海側の側面に位置された方が良いが、これに限定されるものではなく、外海側の側面に位置してもよい。例えば図21の(b)を参照すると、前述したようにベース支持台560上に足部545の下段が挿入される溝563が形成されるが、これで第2垂直ブロック540は、ベース支持台560上の溝563と、水平ブロック(510、520)との接触、そして後述する覆い板550の連結手段によって支持される。第2垂直ブロック540の下部を足部545で構成した理由は、平常は海水が内海から外海にそして外海から内海に自由に移動できるようにするためである。
このように防波堤500の側面に第1垂直ブロック530と第2垂直ブロック540が配置されることによって、防波堤500に向かって押し寄せる波の反射波を減らすことができ、特に内海側では静穏度を向上させ、停泊中の船舶を安全に保護できる効果がある。
水平ブロックと垂直ブロックは多様なサイズに作られるため、防波堤500を設置する地域の実際の波データにより水平ブロックと垂直ブロックのサイズを適切に選択して組合わせることによって、防波堤500の全体幅またはサイズを最小化させることができる。
覆い板550は、積層された最上層の第1水平ブロック520と垂直ブロック(530、540)の上段を覆うように設置され、通常はコンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。この覆い板550の下面には第1水平ブロック520と固定するために第1水平ブロック520が有する連結手段(凹溝または突出部)に対応する第1連結手段(突出部または凹溝)と、垂直ブロック(530、540)の上側先端にあるはめ込み手段に対応する第2連結手段(はめ込み溝またははめ込み突起)が形成されうる。覆い板550は、防波堤500の内部に海水をせき止める役割を果たすと共に人道及び車道として使用されうる。また、覆い板550は連結手段を有するため、積層された第1水平ブロック520と垂直ブロック(530、540)を堅固に一体化させる手段としての役割も果たす。
追加で、本発明の第6実施例による防波堤500は、この防波堤500の状態を監視するモニタリングシステムを含み、この構成は本発明の第1実施例で説明したモニタリングシステム150と同じであるため、これに関する詳細な説明と図解は省略する。
図26は、図20に示す遮断ブロックを示す斜視図であって、これに示すように遮断ブロック570は概ねボックス形状に形成され、長さ方向の一側面にははめ込み溝571が形成されており、他側面にはめ込み突起572が形成されており、上側面には凹溝または突出部573が形成されており、下側面には突出部または凹溝(図示せず)が形成されている。
これら第1連結手段(すなわち、突出部または凹溝)により、遮断ブロック570は下層の第1水平ブロック520上にそして下層の他の遮断ブロック上に積層して固定される。また、第2連結手段(はめ込み溝またははめ込み突起)により遮断ブロック570同士が互いに連結固定されうる。
このような遮断ブロック570はコンクリートや鉄筋コンクリートで作られるが、これに限定されるものではなく、多様な材質を用いることができる。
遮断ブロック570は、遮断壁を構成するが、このため遮断ブロック570は積層された第1水平ブロック520と覆い板550との間で所定の長さ及び高さに築造積層される。第1水平ブロック520を極力平均水面に近い高さに設置した後、その上に遮断ブロック570を積層するため、積層された遮断ブロック570は平常時水面上に位置する。このように遮断ブロック570を構築することによって防波堤500を通過して入る波を直接遮断すると共に内海の静穏を保つことができる。また、内海側に伝達される波浪の残存エネルギーが遮断される。
特に、遮断ブロック570は、内海側の最端に設置されず、内海側から外海側に所定の距離だけ移動した位置で第1水平ブロック520上に設置した後、遮断ブロック570の内海側の側面に第1垂直ブロック530と、第2垂直ブロック540を接触するように設置する。これによって、内海側から生じうる反射波を受け入れて相殺させる空間を設け、内海の静穏度を向上させることができる。このように内海の静穏度を向上させると、船舶がより安定的に停泊できる環境が作れるという効果がある。
付加的に、遮断ブロック570は、水面の上で防波堤500を通過する風を防いで、防波堤500の内側にある内海を外海と分離させた平穏な環境を作ることができるという長所もある。
図20には遮断ブロック570が共に設置された形態を示しており、構成要素の間の配置関係、作用などを説明している。しかし、示す例に限定されず、遮断ブロック570は省略する場合もある。また、省略された部分は第1水平ブロック520に代替されうる。
本発明の第6実施例による防波堤500では、上下方向にすなわち垂直方向に移動する海水の流れが水平ブロック(510、520)が区切る空間の内部に入るが、この空間の内部に入った海水はその中で回転するように丸く流動しながらその力が減少する。
同時に、水平ブロック(510、520)に多数の貫通孔509が形成されているため、垂直方向に移動する海水が水平ブロック(510、520)が区切る空間の内部に入って、その中で丸く流動し、その後多数の貫通孔509を通して下方に流れていくと、この貫通孔509を通過して下へ向かった海水が抗力として作用し、次いで垂直方向に押し寄せる反射波を阻止する。これによって、覆い板550の付近では波の反射波及び波浪エネルギーがほぼ吸収される。さらに、水平ブロック(510、520)及び第1垂直ブロック530に設けられた多数の貫通孔509により増大した表面積と波との間の摩擦力によって波力を減衰させる。
このような防波堤500は、海水が防波堤500に当たる力が分散されるようにする構成を有するため、反射波が少なく、従来技術の防波堤より低い高さに築造しても波が防波堤500を越えることを防止できる。さらに、海水が防波堤500の中で多数の水平ブロック(510、520)及び第1垂直ブロック530の間に形成された孔隙と共に、多数の水平ブロック(510、520)が区切る空間と多数の貫通孔509によって散らばるため、防波堤500に当たる力の成分が増大した表面積によって分散するだけでなく、表面摩擦力が作用し、防波堤500が波によって受ける単位面積当たりの力の強度も大幅に減り、従来技術の一方向に力を受ける防波堤より構造的に非常に安定した防波堤500を実現できる。また、簡単な組立方式で構成され、防波堤500はその工事期間を短縮することができ、通常の防波堤の工事で見られる海水に流されていく砂利及び土砂の損失も減らすことができるという大きい長所がある。
また、このような防波堤500は、外海側から入る非常に不規則的な海水の流れを多数の水平ブロック(510、520)及び第1垂直ブロック530の表面積及びこれら水平ブロック(510、520)及び第1垂直ブロック530の間に形成された孔隙と共に、多数の水平ブロック(510、520)が区切る空間と多数の貫通孔509を利用して四方に広がるようにする形態の非常に複雑な乱流の流れに変え、波浪エネルギーを減少させると共に内海に向かう波の方向を左右及び上下方向に広がるようにし、内海側に押し寄せる海水の流れを遅滞させる。これに加えて、一部の第1水平ブロック520の上部に設置された遮断ブロック570に当たった波は継続して上に積み上げられ、防波堤500の上部側に移動し、この遮断ブロック570から始まった反射波は上部を通り、再び外海側に戻り、下向移動して防波堤の重さを増大させる。このような一連の過程により、波の波浪エネルギーを防波堤500の内部にせき止めておき、再び大きい波が来る前に防波堤500の内部で安定した海水の流れが作れる。
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の本質的な特性を変更しない範囲で多様に修正及び変形できる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の請求範囲によって解釈されるべきであり、これと等しい範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈しなければならない。