≪実施形態1≫
本発明の一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明すると以下のとおりである。
以下で説明する実施形態では、一例として、本発明の優先設定装置を、被制御機器としてのデジタルテレビに適用し、当該デジタルテレビを遠隔操作する遠隔操作装置(リモコン)をスマートフォンなどの多機能端末装置で実現した遠隔操作システムについて説明する。
〔遠隔操作システムの概要〕
図2は、本発明の実施形態における遠隔操作システムの概要を説明する図である。本実施形態では、図2に示すとおり、遠隔操作システム100は、被制御機器であるデジタルテレビ(優先設定装置)1と、被制御機器のリモコンとして機能するスマートフォン(遠隔操作装置)2とを含む構成である。
スマートフォン2は、ユーザごとに個別に所有されている。図2に示す例では、遠隔操作システム100は、ユーザAのスマートフォン2a、および、ユーザBのスマートフォン2bを含む。これらを特に区別する必要がない場合には、まとめてスマートフォン2と称する。遠隔操作システム100において、スマートフォン2は、図示する2台よりも多く含まれていてもよい。
本実施形態では、デジタルテレビ1とスマートフォン2とは、図示しないルータによって統括された家庭内LAN(Local Area Network)に参加してホームネットワークを構築している。このホームネットワークにおいて、デジタルテレビ1とスマートフォン2とは、相互に通信できる。これにより、各スマートフォンからデジタルテレビ1を遠隔操作することができる。なお、スマートフォン2は、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信などの近距離無線通信機能を備えていてもよい。この場合、スマートフォン2からデジタルテレビ1に対して行われる遠隔操作のための指示信号の送受信は、上述の近距離無線通信機能によって実現されてもよい。
なお、デジタルテレビ1は、スマートフォン2の他に、自装置に対して指示信号を入力するための操作部13を備えていてもよいが必須ではない。操作部13は、例えば、デジタルテレビ1専用のリモコンとして実現される。
〔デジタルテレビの構成〕
図1は、本発明の実施形態におけるデジタルテレビの要部構成を示すブロック図である。デジタルテレビ1は、本発明の優先設定装置として機能するために、少なくとも、制御部10、記憶部11および通信部14を備える構成である。さらに、デジタルテレビ1は、表示部12および操作部13を備えていてもよい。また、図示しないが、デジタルテレビ1は、デジタルテレビとして従来備わっている機能を実現するために、音声出力部、放送データ受信部(チューナ・復調部)、外部インターフェースなど、デジタルテレビが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。その他にも、デジタルテレビ1について、デジタルテレビの一般的な機能であって、本発明に直接関係の無い部分については記載を省略した。
制御部10は、デジタルテレビ1が備える各部を統括制御するものである。制御部10は、機能ブロックとして、少なくとも、端末検出部20、端末状態検知部21および優先設定部22を備えている構成である。さらに、制御部10は、機能ブロックとして、任意で、操作受付部23、予約登録部24、映像再生部25、視聴監視部26、視聴履歴管理部27および番組選択部28を備えていてもよい。
上述した制御部10の各機能ブロックのうち、端末検出部20、端末状態検知部21、優先設定部22および視聴履歴管理部27は、特に、本発明の優先設定装置として機能する機能ブロックである。
上述した制御部10の各機能ブロックは、CPU(central processing unit)等が、ROM(read only memory)、NVRAM(non-Volatile random access memory)等で実現された記憶装置(記憶部11)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。制御部10の各部についての詳細は後述する。
記憶部11は、(1)デジタルテレビ1の制御部10が実行する制御プログラム、(2)制御部10が実行するOSプログラム、(3)制御部10が、優先設定装置が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを非一時的に記憶するものである。あるいは、(5)制御部10が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を一時的に記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、デジタルテレビ1の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。例えば、上記放送データ受信部によって受信された番組の映像データは、揮発性記憶装置にて実現された記憶部11に一時的に保存される。あるいは、上記放送データ受信部によって受信された電子番組表の情報データなどは、不揮発性記憶装置にて実現された記憶部11に非一時的に保存される。また、図1に示すとおり、記憶部11は、本実施形態では、端末情報記憶部30、視聴履歴記憶部31および予約情報記憶部32を含む。これらの記憶部が記憶する情報についての具体的な説明は後に行う。
表示部12は、デジタルテレビ1が管理する情報を表示したり、ユーザがデジタルテレビ1を操作するための操作画面をGUI(Graphical User Interface)画面として表示したりするものである。表示部12は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。
操作部13は、ユーザがデジタルテレビ1を動作させるための指示信号を入力するためのものである。例えば、操作部13は、デジタルテレビ1の本体外で遠隔操作するためのリモートコントローラ(リモコン)を含む。この場合、操作部13は、さらに、デジタルテレビ1の本体側において、リモコン側の各キー操作による信号(例えば赤外線による信号)を受光する受光手段(図示せず)を有している。
通信部14は、通信網を介して外部の装置と通信を行うものである。通信部14は、通信網を介して各装置(ここでは特に、スマートフォン2)に接続し、データの送受信を実現する。なお、通信部14は、さらに、近距離無線通信部を含んでいてもよい。この場合、近距離無線通信部としての通信部14は、無線で近距離の外部の装置との通信を行う。通信部14は、特に限定されないが、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、WiFi(登録商標)通信、非接触型ICカードのいずれかの無線通信技術を実現するものであってもよいし、これらの技術を複数実現するものであってもよい。
〔デジタルテレビの機能構成-詳細〕
制御部10の端末検出部20は、デジタルテレビ1のリモコン(遠隔操作装置)として機能する端末(ここでは、スマートフォン2)を識別し、有効な(アクティブな)端末を検出するものである。端末検出部20がスマートフォン2を検出する方法は特に限定されないが、例えば、UPnP(Universal Plug and Play)技術を用いて、上記ホームネットワークに接続するスマートフォン2を検出することが考えられる。
端末検出部20は、検出したスマートフォン2の情報を端末状態検知部21および優先設定部22に通知する。あるいは、どのスマートフォン2を検出したのかを示す情報を、端末状態検知部21および優先設定部22が常時読み出すことが可能なように、端末情報記憶部30に記憶してもよい。
端末状態検知部21は、端末検出部20によって検出されたスマートフォン2の動作状態を検知するものである。具体的には、本実施形態では、端末状態検知部21は、スマートフォン2がアプリケーションを実行しているのか否か、および、実行している場合はどのアプリケーションを実行しているのかを検知する。端末状態検知部21は、通信部14を介してスマートフォン2と通信することができる。端末状態検知部21は、スマートフォン2に対して動作状態を問合せる要求メッセージを送信し、これに対し受信した応答メッセージに基づいてスマートフォン2の動作状態を検知してもよい。あるいは、端末状態検知部21は、要求を行わずとも、スマートフォン2から定期的に送信される動作状態を受信して、これにより、各スマートフォン2の動作状態を把握してもよい。
端末状態検知部21は、スマートフォン2ごとに検知した動作状態の情報を優先設定部22(さらに、視聴履歴管理部27)に通知する。あるいは、どのスマートフォン2がどのような動作状態であるのかを示す情報を、優先設定部22または視聴履歴管理部27が常時読み出すことが可能なように、端末情報記憶部30に記憶してもよい。
優先設定部22は、デジタルテレビ1の優先モードを制御するものである。優先モードとは、デジタルテレビ1における特殊な状態の1種であり、特定のスマートフォン2からの指示に対して優先的に応じるモードのことを指す。優先設定部22は、優先させるスマートフォン2を1つ決定し、この決定を、1または複数の優先モード実行部に通知して、優先モードを設定するように当該優先モード実行部に対し指示する。この動作を、優先設定部22による優先設定(動作)と称する。
本実施形態の優先設定部22は、この優先設定を適切に行うために、すなわち、優先させるべきスマートフォン2を適切に、かつ、適切なタイミングで選ぶために、各スマートフォン2の動作状態を考慮することを特徴としている。
動作状態は、デジタルテレビ1が、スマートフォン2の状態を区別するための情報を含む。例えば、スマートフォン2がテレビ関連アプリケーション(機器関連アプリケーション)を実行中の状態である、非テレビ関連アプリケーション(非機器関連アプリケーション)を実行中の状態である、何のアプリケーションも実行していない状態であるなどのように区別することができるような情報である。テレビ関連アプリケーションは、デジタルテレビ1を視聴する行為に関連して利用されるアプリケーションを示す。反対に、非テレビ関連アプリケーションは、テレビの視聴行為に無関係な各アプリケーションを示す。
優先設定部22は、スマートフォン2の動作状態を参照することにより、テレビ関連アプリケーション実行中のスマートフォン2のユーザは、番組を真剣に視聴している(デジタルテレビ1を、関心を持って利用している)と判断することができる。反対に、優先設定部22は、非テレビ関連アプリケーション実行中のスマートフォン2のユーザは、デジタルテレビ1を真剣に利用していないと判断することができる。
これにより、優先設定部22は、より真剣にデジタルテレビ1を利用しているユーザのスマートフォン2を、より優先させるべく、適切な優先設定を行うことができる。
なお、優先モード実行部の役割は、制御部10が備えるいずれの部が担ってもよい。優先モード実行部がどのようにして決定されたスマートフォン2を優先させるのかについては、優先モード実行部として各部の本来の機能に応じて決定される。本実施形態では、一例として、操作受付部23および番組選択部28などが優先モード実行部として機能する。各部の詳細は後述する。
操作受付部23は、通信部14を介して受信された、各スマートフォン2からの指示信号を受け付けるものである。操作受付部23は、受け付けた指示信号を、当該指示内容を処理する各部に通知する。
例えば、操作受付部23は、スマートフォン2から、優先モードの開始を指示する優先指示信号を受け付ける。操作受付部23は、優先指示信号を優先設定部22に通知する。これにより、優先設定部22は、そのスマートフォン2を優先させるための優先設定を開始することができる。さらに、操作受付部23は、スマートフォン2から、放送予定の指定の番組を定刻に表示するよう指示する視聴予約指示信号を受け付けたり、スマートフォン2のユーザに推薦する番組を表示するよう指示する推薦番組指示信号を受け付けたりしてもよい。
操作受付部23は、優先モード実行部として機能することができる。例えば、操作受付部23は、優先設定部22によって決定されたスマートフォン2からの指示信号を受け付け、それ以外のスマートフォン2からの指示信号を拒否することにより、優先モードを実行する。
予約登録部24は、上記視聴予約指示信号によって指定された番組を視聴予約するものである。具体的には、指定された番組の予約情報を予約情報記憶部32に登録する。予約登録部24は、例えば、予約情報として、指定された番組の放送開始日時、チャンネル、上記視聴予約指示信号の送信元であるスマートフォン2の端末識別情報、および、スマートフォン2のユーザ(視聴予約依頼主)のユーザ名などを紐付けて予約情報記憶部32に記憶する。デジタルテレビ1に視聴予約機能を搭載しない場合には、制御部10は、予約登録部24を備えていなくてもよい。
映像再生部25は、映像データを再生し、これにより得られた映像信号を表示部12に出力して、映像を表示するものである。例えば、映像再生部25は、放送データ受信部を介して選局し、受信した放送番組をリアルタイムで表示したり、図示しない録画再生装置によって録画された録画番組を表示したりする。また、映像再生部25は、予約情報記憶部32に記憶された予約情報にしたがって、指定された番組を選局し、放送時間に合わせて当該番組の映像を表示部12に表示することができる。
視聴監視部26は、映像再生部25を監視して、どの番組がユーザによって視聴されたのかを監視するものである。何を以て番組が「視聴された」と判断するのかについては特に限定されないが、一例を挙げると以下のとおりである。視聴監視部26は、同一番組が連続で所定時間以上映像再生部25によって表示された場合に当該番組が視聴されたと判断する。視聴監視部26は、視聴されたと判断した番組の情報を視聴履歴管理部27に通知する。
視聴履歴管理部27は、各ユーザによるデジタルテレビ1の利用状況を記憶し、管理するものである。視聴履歴管理部27は、デジタルテレビ1においてどのような番組が過去に視聴されたのかをしめす視聴履歴を視聴履歴記憶部31に記憶する。視聴履歴管理部27は、視聴監視部26によって視聴されたと判断された番組の情報を単に記憶するだけではない。視聴履歴管理部27は、上記視聴が行われた時に端末検出部20によって検出されたスマートフォン2のユーザ、および、当該スマートフォン2のその時の動作状態を、視聴された上記番組に紐付けて視聴履歴として記憶する点を特徴としている。なお、本実施形態では、優先設定部22は、優先すべきスマートフォン2を決定する時、その時(現在)のスマートフォン2の動作状態を考慮する。したがって、本実施形態においては、制御部10は、必ずしも、視聴監視部26および視聴履歴管理部27を備えない。
番組選択部28は、上記推薦番組指示信号に応じて、当該信号を創出したスマートフォン2のユーザに推薦すべき番組を選択するものである。
番組選択部28は、この推薦番組指示信号を出力したスマートフォン2のユーザを特定し、当該ユーザの視聴履歴を視聴履歴記憶部31から読み出す。番組選択部28は、上記ユーザの視聴履歴に基づいて、当該ユーザが頻繁に視聴している(好みそうな)番組、すなわち、推薦番組を選択する。番組選択部28は、選択した番組を選局して表示するように、映像再生部25に対して通知する。なお、番組選択部28は、推薦番組を選択する際、視聴履歴の番組の情報だけではなく、その番組が視聴されていたときのスマートフォン2の動作状態を考慮することを特徴としている。
番組選択部28は、優先モード実行部として機能することができる。例えば、番組選択部28は、優先設定部22によって決定されたスマートフォン2のユーザの視聴履歴のみに基づいて、当該ユーザの推薦番組を選択することにより、優先モードを実行する。
なお、デジタルテレビ1に推薦番組提示機能を搭載しない場合には、制御部10は、番組選択部28を備えていなくてもよい。
番組選択部28は、上記推薦番組指示信号が入力される度に、推薦番組をお勧め度の高い順に切り替えて表示する。これによりユーザは、自分の好みそうな番組ばかりを順次切り替えて(ザッピングして)、すばやく、所望の番組を見つけることが可能となる。
さらに、番組選択部28は、推薦番組提示機能に代えて(あるいは、加えて)、常連番組切替機能を有し、デジタルテレビ1において常連番組モードを実行してもよい。常連番組モードでは、番組選択部28は、特定のユーザ(優先されているユーザ)の視聴履歴情報を視聴履歴記憶部31から参照して、そのユーザの視聴傾向を分析する。そして、デジタルテレビ1が常連番組モードに設定されている間、番組選択部28は、上記視聴傾向に基づいて、特定の曜日、特定の時間に、特定の番組を選択し、当該番組を選局、再生するように映像再生部25に対して指示を出す。例えば、ユーザBが毎週月曜日の19時から1chの某バラティー番組を視聴しているという履歴と、毎週月曜日の20時から2ch某ドラマ番組を視聴しているという履歴が蓄積されているとする。ここで、デジタルテレビ1が、ユーザBを優先する常連番組モードに設定されている場合であって、月曜日の19時になると、番組選択部28は、ユーザBの視聴履歴情報に基づいて、1chを選局し、上記バラティー番組を表示するように映像再生部25に指示する。そして、番組選択部28は、20時になると、2chを選局し、上記ドラマ番組を表示するように映像再生部25に指示する。以上のように、番組選択部28は、優先モード実行部として、常連番組切替機能を実現してもよい。
〔端末情報について〕
図3は、端末情報記憶部30に記憶されている端末情報の一具体例を示すテーブルである。図3は端末情報をテーブル形式にて示しているが、これは、端末情報記憶部30に記憶される端末情報のデータ構造をテーブルに限定することを意図していない。
端末情報は、少なくとも、端末識別情報とユーザ名とを含む。これらが紐付けられていることにより、デジタルテレビ1は、スマートフォン2とその持ち主のユーザとを1対1で管理することができる。図3に示すとおり、端末情報は、さらに、プレゼンスフラグと優先フラグと動作状態とを含んでいてもよい。
端末識別情報は、遠隔操作システム100に参加するスマートフォン2を一意に識別するための情報であり、スマートフォン2を一意に識別できるのであれば、形式は問われない。端末識別情報は、例えば、ネットワークにおいて事前に登録しているホスト名であってもよいし、プライベートアドレスであってもよい。ユーザ名は、デジタルテレビ1を利用する各ユーザを、デジタルテレビ1が一意に識別するための情報であり、形式は問われない。ここでは、図2に示すユーザAのユーザ名を「ユーザA」、ユーザBのユーザ名を「ユーザB」としているが、これは一例である。端末識別情報とユーザ名とは1対1で紐付けられているので、どのスマートフォン2がどのユーザのものであるのかを制御部10の各部は容易に把握することができる。
プレゼンスフラグは、スマートフォン2の、遠隔操作システム100における存否の状態を示す情報であり、端末検出部20によって更新される。端末検出部20は、検出されたスマートフォン2のプレゼンスフラグを「検出」とする。反対に、登録はあるが、検出されないスマートフォン2のプレゼンスフラグを「非検出」とする。
優先フラグは、デジタルテレビ1が優先モードの状態である場合に、どのスマートフォン2が優先されているのかを示す情報であり、優先設定部22によって更新される。優先設定部22は、優先モードを開始すべき何らかのイベントが発生し、それに伴って優先すべきスマートフォン2(のユーザ)を決定した場合には、そのスマートフォン2の優先フラグをオンにする。
動作状態は、スマートフォン2がどのような動作状態であるのかを示す情報であり、端末状態検知部21によって更新される。動作状態のカラムには、例えば、スマートフォン2が、リモコンアプリケーションを実行中であることを示す「リモコンアプリケーション実行」、テレビ番組評価アプリケーションを実行中であることを示す「テレビ番組評価アプリケーション実行」、動画閲覧アプリケーションを実行中であることを示す「動画閲覧アプリケーション実行」、書籍アプリケーションを実行中であることを示す「書籍アプリケーション実行」、Webブラウザアプリケーションを実行中であることを示す「Webブラウザアプリケーション実行」、通話アプリケーションを実行中であることを示す「通話アプリケーション実行」、メールアプリケーションを実行中であることを示す「メールアプリケーション実行」、ゲームアプリケーションを実行中であることを示す「ゲームアプリケーション実行」などが格納される。しかし、スマートフォン2には多種多様なアプリケーションが搭載されているので、上記カラムに格納される動作状態は上記に限定されない。なお、図3に示す例では、動作状態の情報をアプリケーション名で表しているが、デジタルテレビ1およびスマートフォン2が、アプリケーションを識別するためのコードを共有している場合には、端末状態検知部21は、アプリケーション名の代わりにアプリケーションコードを格納してもよい。
また、端末状態検知部21は、スマートフォン2が何のアプリケーションも実行していない待機状態であることを検知してもよい。この場合、動作状態のカラムには、例えば、「アプリケーション実行なし」が格納されてもよい。
さらに、多種多様なアプリケーションを、テレビ関連アプリケーションと、非テレビ関連アプリケーションとに分類して、事前に記憶部11に登録しておいてもよい。テレビ関連アプリケーション(テレビ関連アプリ)は、デジタルテレビ1を視聴する行為に関連して利用されるアプリケーションを示す。したがって、上述の例では、デジタルテレビ1を遠隔操作するリモコンとしてスマートフォン2を使うためのリモコンアプリケーション、および、放送番組に対してコメントを投稿するためのテレビ番組評価アプリケーションが、テレビ関連アプリケーションに属する。一方、残りのテレビの視聴行為に無関係な各アプリケーションが、非テレビ関連アプリケーションに属する。
端末状態検知部21は、例えば、スマートフォン2aの動作状態を「テレビ番組評価アプリケーション実行」と検知した場合に、スマートフォン2aの動作状態のカラムに「テレビ関連アプリケーション」を格納してもよい。そして、スマートフォン2bの動作状態を「ゲームアプリケーション実行」と検知した場合に、スマートフォン2bの動作状態のカラムに「非テレビ関連アプリケーション」を格納してもよい。
〔スマートフォンの構成〕
図4は、本発明の実施形態におけるスマートフォンの要部構成を示すブロック図である。スマートフォン2(2a、b)は、デジタルテレビ1の遠隔操作装置として機能するために、少なくとも、制御部40、記憶部41、表示部42、操作部43および通信部44を備える構成である。また、図示しないが、スマートフォン2は、スマートフォンとして従来備わっている機能を実現するために、外部インターフェース、音声出力部、音声入力部、通話処理部、放送受像部(チューナ・復調部など)、GPS、センサ(加速度センサ、傾きセンサなど)、および、電源を入れるスイッチ・キーなどの操作部、他、スマートフォンが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。その他にも、スマートフォンについて、スマートフォン2の一般的な機能であって、本発明に直接関係の無い部分については記載を省略した。
制御部40は、スマートフォン2が備える各部を統括制御するものである。制御部40は、本発明の遠隔操作装置を実現するための機能ブロックとして、少なくとも、表示制御部50、操作受付部51、端末状態通知部52、端末状態監視部53および遠隔操作制御部54を備えている構成である。さらに、制御部10は、機能ブロックとして、任意で、メッセージ処理部55を備えていてもよい。なお、遠隔操作制御部54およびメッセージ処理部55は、デジタルテレビ1を遠隔操作するためのリモコンアプリケーションを実行するリモコンアプリ実行部61の一部である。
上述した通り、スマートフォン2には多種多様なアプリケーションが搭載されており、リモコンアプリ実行部61を含む、各アプリケーションを実行する実行部を総じてアプリケーション実行部60と称する。アプリケーション実行部60は、これには限定されないが、リモコンアプリ実行部61の他にも、テレビ番組評価アプリ実行部62、動画閲覧アプリ実行部63、書籍アプリ実行部64、Webブラウザアプリ実行部65、通話アプリ実行部66、メールアプリ実行部67およびゲームアプリ実行部68などを含んでいてもよい。上述したとおり、リモコンアプリ実行部61およびテレビ番組評価アプリ実行部62がテレビ関連アプリケーションに属し、動画閲覧アプリ実行部63、書籍アプリ実行部64、Webブラウザアプリ実行部65、通話アプリ実行部66、メールアプリ実行部67およびゲームアプリ実行部68が非テレビ関連アプリケーションに属する。
上述した制御部40の各機能ブロックは、CPU(central processing unit)等が、ROM(read only memory)、NVRAM(non-Volatile random access memory)等で実現された記憶装置(記憶部41)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。制御部40の各部についての詳細は後述する。
記憶部41は、(1)スマートフォン2の制御部40が実行する制御プログラム、(2)制御部40が実行するOSプログラム、(3)制御部40が、各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを非一時的に記憶するものである。あるいは、(5)制御部40が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を一時的に記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、スマートフォン2の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
表示部42は、スマートフォン2が管理する情報を表示したり、ユーザがスマートフォン2を操作するための操作画面をGUI(Graphical User Interface)画面として表示したりするものである。表示部42は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。
操作部43は、ユーザがスマートフォン2を操作するための指示信号を、タッチパネルを介して入力するためのものである。操作部43は、指示体(指またはペンなど)の接触を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触/非接触(接近/非接近)、および、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体とタッチ面との接触/非接触を検知できればどのようなセンサで実現されていてもかまわない。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。
本実施形態では、表示部42と操作部43とは一体に成形されており、これらがタッチパネルを構成している。例えば、スマートフォン2のタッチパネルを投影型静電容量方式のタッチパネルで実現する場合、具体的には、上記タッチセンサは、ITO(Indium Tin Oxide)などによるマトリクス状の透明電極パターンを、ガラス、プラスチックなどの透明基板上に形成したものとなる。タッチセンサに指示体(ユーザの指またはペン等)が接触または接近すると、その付近の複数の透明電極パターンにおける静電容量が変化する。従って、制御部40は、上記透明電極パターンの電流または電圧の変化を検出することにより、上記指示体が接触または接近した位置を検出することができる。以下では、「接触」という用語は、指示体とタッチ面とが完全に接する(接している)状態のみならず、指示体とタッチ面とが、タッチセンサが検知可能な程度に接近する(接近している)状態も含んでいる。
通信部44は、通信網を介して外部の装置と通信を行うものである。通信部44は、通信網を介して各装置(ここでは特に、デジタルテレビ1)に接続し、データの送受信を実現する。なお、通信部44は、さらに、近距離無線通信部を含んでいてもよい。この場合、近距離無線通信部としての通信部44は、無線で近距離の外部の装置との通信を行う。通信部44は、特に限定されないが、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、WiFi(登録商標)通信、非接触型ICカードのいずれかの無線通信技術を実現するものであってもよいし、これらの技術を複数実現するものであってもよい。
〔スマートフォンの機能構成-詳細〕
制御部40の表示制御部50は、制御部40の各部が情報処理した結果を映像信号として表示部42に出力するものである。例えば、表示制御部50は、メッセージ処理部55によって処理されたデジタルテレビ1の遠隔操作に関するメッセージを表示部42に表示する。また、表示制御部50は、デジタルテレビ1を遠隔操作するための操作パネル(GUI画面)を表示部42に表示する。具体的には、優先モードの開始を指示するための優先指示ボタンを表示したり、放送予定の指定の番組を定刻に表示するよう指示する視聴予約指示ボタンを表示したり、推薦する番組を表示するよう指示する推薦番組指示ボタンを表示したりする。
操作受付部51は、操作部43を介して入力されたユーザからの指示信号を受け付けるものである。操作受付部51は、受け付けた指示信号を、当該指示内容を処理する各部に通知する。例えば、上述の各ボタンがタップされたときに入力された各指示信号をリモコンアプリ実行部61の遠隔操作制御部54に通知する。これにより、遠隔操作制御部54は、タップされたボタンに応じて入力された指示信号を、デジタルテレビ1への入力信号として、デジタルテレビ1に対して送信することができる。
端末状態通知部52は、端末状態監視部53によって検知された当該スマートフォン2の動作状態をデジタルテレビ1に送信するものである。
端末状態監視部53は、当該スマートフォン2の動作状態を監視するものである。端末状態監視部53は、検知した、スマートフォン2の動作状態を端末状態通知部52に通知する。これにより、端末状態通知部52は、スマートフォン2の動作状態を、通信部44を介してデジタルテレビ1に通知することが可能となる。
なお、端末状態監視部53は、リモコンアプリ実行部61が何のアプリケーションも実行していない状態を検知してもよい。
端末状態通知部52は、通信部44を介してデジタルテレビ1から要求があったときに、端末状態監視部53に命じて動作状態を検知させて、得られた動作状態を送信し、上記要求に応答してもよい。あるいは、端末状態監視部53が、スマートフォン2において動作状態が変化したときに、新しい動作状態を検知して、端末状態通知部52が、自発的に得られた新しい動作状態を送信してもよい。
リモコンアプリ実行部61の遠隔操作制御部54は、スマートフォン2がデジタルテレビ1のリモコンとして機能するために送出する指示信号をデジタルテレビ1に対して送信するものである。上述の具体例を用いて説明する。
上記優先指示ボタンに対するタップ操作を操作受付部51が受け付けると、遠隔操作制御部54は、優先モードの開始を指示する優先指示信号を、デジタルテレビ1に対して送信する。上記視聴予約指示ボタンに対するタップ操作を操作受付部51が受け付けると、遠隔操作制御部54は、ユーザに選択された番組を定刻に表示するよう指示する視聴予約指示信号を、デジタルテレビ1に対して送信する。上記推薦番組指示ボタンに対するタップ操作を操作受付部51が受け付けると、遠隔操作制御部54は、推薦する番組を表示するよう指示する推薦番組指示信号を、デジタルテレビ1に対して送信する。
この他にも、チャンネルを選択するための指示信号、番組表を表示するための指示信号、音量を変更するための指示信号など、デジタルテレビ1に対して動作を指示するためのあらゆる指示信号が遠隔操作制御部54によって送出される。
メッセージ処理部55は、デジタルテレビ1から受信したメッセージを処理してユーザに提示するものである。メッセージ処理部55は、受信したメッセージをユーザが理解可能な文字、図、記号などに変換し、表示制御部50に出力する。
デジタルテレビ1から受信するメッセージは、具体的には、以下のような内容を含む。デジタルテレビ1が優先モードに移行したことおよび誰を優先しているのかを通知するメッセージ、優先モードが一時解除または終了したことを通知するメッセージ、自装置に対する優先モードを解除してもよいか否かを問い合わせるメッセージ、他のスマートフォン2を優先していることにより自装置の要求が拒否されたことを通知するメッセージなどである。しかし、メッセージ処理部55が処理するメッセージは、これに限定されない。
上記構成によれば、スマートフォン2は、自装置の動作状態を常に監視しており、デジタルテレビ1からの要求に応じて、または、自装置の動作状態に変化が生じた場合に、常に最新の動作状態をデジタルテレビ1に対して通知することができる。これにより、デジタルテレビ1は、周囲にある各スマートフォン2の動作状態をリアルタイムに管理して、これを考慮し、優先設定を適切に実行することが可能となる。
なお、端末状態監視部53は、リモコンアプリ実行部61に含まれる各部を、テレビ関連アプリケーションと非テレビ関連アプリケーションとに分類できることが好ましい。そして、端末状態監視部53は、自装置が優先されている間、自装置にて、非テレビ関連アプリケーションのいずれかが実行されたときに、自発的に、非テレビ関連アプリケーション開始の動作状態を、端末状態通知部52に送信させてもよい。そして、非テレビ関連アプリケーションの実行が完了したときに、再び自発的に、非テレビ関連アプリケーション終了の動作状態を、端末状態通知部52に送信させてもよい。
〔優先設定フロー−現在の動作状態を考慮する〕
図5は、本実施形態のデジタルテレビ1による優先設定の処理の流れを示すフローチャートである。
優先モード開始トリガが発生すると(S101においてYES)、デジタルテレビ1は、特定のスマートフォン2を優先させる優先設定の動作を開始する。なお、優先モード開始トリガの内容は、ここでは、特に限定されない。例えば、スマートフォン2から、優先指示信号を受信すること、以前に視聴予約指示信号を受信しており、予約された番組の放送が開始される時刻になったこと、などが優先モード開始トリガとなり得る。
まず、端末検出部20は、デジタルテレビ1のリモコンとして有効に機能しているスマートフォン2(図5において端末装置と記載する)を検出する(S102)。例えば、端末検出部20は、ホームネットワークに接続する全機器に同報通知を行い、リモコン機能を有する各スマートフォン2から応答を受信することによってスマートフォン2を検出することができる。
次に、端末状態検知部21は、端末検出部20によって検出された各スマートフォン2の動作状態を検知する(S103)。
そして、優先設定部22は、検出されたスマートフォン2のそれぞれの動作状態に基づいて優先すべきスマートフォン2を決定する(S104)。
ここで、優先設定部22は、まずは、S101の優先モード開始トリガを発生させたスマートフォン2を優先すべきスマートフォンに決定する。例えば、S101において、ユーザAのスマートフォン2aから、優先指示信号が送信されたのであれば、スマートフォン2aを優先すべきスマートフォンに決定する。ユーザBのスマートフォン2bから受信された視聴予約指示信号に応じて、S101にて予約された番組を表示するところであれば、スマートフォン2bを優先すべきスマートフォンに決定する。
優先設定部22は、S104で決定した優先すべきスマートフォン2を優先モード実行部である各部に通知するとともに、そのスマートフォン2を優先させる優先モードを実行するように、上記各部に指示する(S105)。ここでは、例えば、優先設定部22は、操作受付部23に対して、スマートフォン2aを優先させるよう指示したとする。
優先モード実行部は、優先設定部22の指示にしたがって優先モードを実行する(S106)。これには限定されないが、一例を挙げると、操作受付部23は、優先されたスマートフォン2aからの指示信号のみを受け付け、他のスマートフォン2から指示信号が受信された場合には、その指示信号を拒否する。なお、操作受付部23が指示信号の受け付けを拒否した場合には、制御部10の図示しないメッセージ処理部が、指示信号の受け付けを拒否した旨のメッセージを、上記他のスマートフォン2に返信することが好ましい。
優先モード実行部(操作受付部23)による優先モードの実行は、優先モード終了トリガが発生するまで継続される。優先モード終了トリガは、例えば、S101にて開始トリガが優先指示信号を受信したことであった場合には、該信号を送信したスマートフォン2から、今度は優先モードの終了を指示する優先終了指示信号を受信したことであると考えられる。もしくは、S101にて優先指示信号を受信したときに表示されていた番組の放送が終了したこと、または、S101にて優先指示信号を受信したときから所定時間経過したことなどが考えられる。あるいは、優先モード終了トリガは、以前に予約されていた番組の放送開始に合わせて優先モードを開始した場合には、当該予約されていた番組の放送が終了したことなどが考えられる。
上述のような優先モード終了トリガが発生した場合には(S107においてYES)、優先設定部22は、優先設定の終了を優先モード実行部に通知する。そして、優先モード実行部は、優先設定部22の決定にしたがい、優先モードを解除する(S112)。これにより、優先モードが終了する。
一方、上述のような優先モード終了トリガが発生しない間は(S107においてNO)、優先モードが継続され、端末状態検知部21が、優先されたスマートフォン2(例えば、スマートフォン2a)の現在の動作状態の監視を行う(S108)。ここで、端末状態検知部21は、優先対象のスマートフォン2aに対しては、定期的に(例えば、1分おきに)問合せを行って、優先中のスマートフォン2aの動作状態を逐一把握する構成であってもよい。あるいは、端末状態検知部21は、優先対象のスマートフォン2aから、動作状態に変化があった場合に報告を受信し、これによって、優先中のスマートフォン2aの動作状態の変化を把握する構成であってもよい。
優先対象のスマートフォン2aの動作状態が、非テレビ関連アプリケーションを実行していないことを示している場合(S108においてNO)、スマートフォン2aは、テレビ関連アプリケーションを実行中であるか、または、待機状態であると考えられる。よって、優先設定部22は、この場合、スマートフォン2aのユーザAが関心を持ってデジタルテレビ1を視聴している可能性が高いと判断する。そして、優先設定部22は、ユーザAのスマートフォン2aに対する優先モードを継続することを決定する。操作受付部23による優先モードの実行は継続される(S109)。
一方、優先対象のスマートフォン2aの動作状態が、非テレビ関連アプリケーションを実行していることを示している場合(S108においてYES)、優先設定部22は、スマートフォン2aのユーザAがデジタルテレビ1を、関心を持って視聴していない可能性が高いと判断する。非テレビ関連アプリケーションは、例えば、ゲームアプリケーションなど、テレビの視聴行為と無関係なアプリケーションである。スマートフォン2aが、ゲームアプリケーションが実行しているということは、ユーザAは、スマートフォン2aを操作してゲームに興じていることになり、ユーザAがデジタルテレビ1を関心を持って視聴していないと考えることができる。そして、優先設定部22は、ユーザAのスマートフォン2aに対する優先モードを解除することを決定し、優先モード実行部に通知する(S110)。
操作受付部23は、優先設定部22の決定にしたがい、スマートフォン2a以外のスマートフォン2から指示信号を拒否するという優先モードを解除する(S111)。なお、優先モードの解除は、スマートフォン2aが、非テレビ関連アプリケーションを実行している間継続される。よって、スマートフォン2aが、非テレビ関連アプリケーションを実行したまま優先モード終了トリガが発生した場合には(S111の後、S107においてYES)、優先モードに復帰にしないまま、一連の優先設定が終了してもよい。
一方、優先モード終了トリガが発生しない間に、スマートフォン2aが、非テレビ関連アプリケーションの実行を終了した場合には(S111の後、S107においてNO、S108においてNO)、優先設定部22は、再び、スマートフォン2aを優先させることを決定する。優先設定部22の決定にしたがって、操作受付部23は、スマートフォン2a以外を拒否する優先モードに復帰し、優先モードが継続される(S109)。
なお、S108において、どのような条件に基づいて、スマートフォン2aが、非テレビ関連アプリケーションを実行している、と判断するのかについては、特に限定されない。一例を挙げると、端末状態検知部21が、スマートフォン2aが非テレビ関連アプリケーションを一定時間以上(例えば、5分以上)実行したことを検知した場合に、優先設定部22は、スマートフォン2aが非テレビ関連アプリケーションを実行していると判断してもよい。例えば、ユーザAが番組を関心を持って視聴しているが、コマーシャルが放送されている短い間に受信メールをチェックするというようなシーンが想定される。このようなシーンまで、厳格に、デジタルテレビ1を視聴していないと判断してしまうと、逆に、実際の利用状況に応じた適切な優先設定が行えないという不都合が生じる。上記構成によれば、上記不都合を回避することが可能となる。
上記構成および方法によれば、デジタルテレビ1は、優先対象に選んだスマートフォン2aの動作状態を監視し、常に最新の動作状態を把握することができる。そして、デジタルテレビ1は、スマートフォン2の動作状態をリアルタイムに管理して、これを考慮し、優先設定を適切に実行することが可能となる。具体的には、デジタルテレビ1は、優先対象に選んだスマートフォン2aが一定時間以上、非テレビ関連アプリケーションを実行しているという動作状態を把握することが想定される。このような場合には、デジタルテレビ1は、スマートフォン2aのユーザAが集中してデジタルテレビ1を利用していないと判断する。そして、デジタルテレビ1は、スマートフォン2aを優先する優先モードを解除することができる。これにより、一旦ユーザAが優先されるが、そのユーザAがデジタルテレビ1を利用していないケースにおいて、ユーザAよりもデジタルテレビ1を利用したいと所望する他のユーザからの操作を受け付けることが可能になる。
以上のとおり、本発明の優先設定装置を備えるデジタルテレビ1においては、デジタルテレビ1の現在の利用状況に応じて、リアルタイムに適切な優先設定が行われるという効果を奏する。
なお、優先設定部22がスマートフォン2aを優先させている間に、他のスマートフォン2bから、優先指示信号または当該スマートフォン2aに対する優先モードを終了させる指示信号を受信するケースが想定される。このようなケースでは、操作受付部23は、スマートフォン2bからの指示信号をすぐに拒否するのではなく、制御部10の図示しないメッセージ処理部に転送してもよい。メッセージ処理部は、現在の優先対象であるスマートフォン2aに対して、優先モードを終了してもよいかどうかを問い合わせるメッセージを送信する。そして、スマートフォン2aより却下のメッセージを受信しなかった場合には、優先設定部22は、優先対象をスマートフォン2aからスマートフォン2bに変更してもよい。
≪実施形態2≫
本発明の一実施形態について、図1、図4、図6〜図10に基づいて説明すると以下のとおりである。本実施形態におけるデジタルテレビ1の要部構成およびスマートフォン2の要部構成は、それぞれ、図1および図4に示すとおりである。説明の便宜上、上述の実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
実施形態1では、優先設定装置としてのデジタルテレビ1は、リモコンとして機能するスマートフォン2の現在の動作状態を考慮して、優先設定を行う構成であった。しかし、デジタルテレビ1は、上記構成に限定されず、過去の利用状況を管理し、スマートフォン2の過去の動作状態を考慮して優先設定を行ってもよい。
〔デジタルテレビの構成〕
本実施形態におけるデジタルテレビ1は、実施形態1のデジタルテレビ1が任意で備えている視聴監視部26、視聴履歴管理部27、番組選択部28、および、視聴履歴記憶部31を、必須で備えている点で異なる。
上述したとおり、視聴監視部26は、映像再生部25を監視して、どの番組が再生されたのか(ユーザに視聴されたのか)を検出し、視聴履歴管理部27に通知する。
視聴履歴管理部27は、番組の視聴が検出された場合に、どの番組が、どのユーザ(スマートフォン2)によって、スマートフォン2がどのような動作状態のときに視聴されたのかを視聴履歴として記憶する。
例えば、視聴監視部26は、映像再生部25によって番組Aが一定時間以上再生されたことによって、番組Aが視聴されたことを検出する。視聴履歴管理部27は、このときに検出されたスマートフォン2と、それぞれのスマートフォン2の動作状態を、端末検出部20および端末状態検知部21から取得する。
視聴履歴管理部27は、番組Aの放送時間中のスマートフォン2aの動作状態の内訳を求めて、最も時間が長かった動作状態を、番組Aに紐付けて視聴履歴情報を生成すればよい。
例えば、番組Aの放送時間1時間の間で、スマートフォン2aの動作状態が、テレビ番組評価アプリケーション実行中である時間が50分、メールアプリケーション実行中である時間が10分あったとする。この場合、視聴履歴管理部27は、番組Aと、スマートフォン2a(ユーザA)と、割合の高い動作状態、すなわち、「テレビ番組評価アプリケーション実行」とを紐付けた視聴履歴情報を生成し、視聴履歴記憶部31に記憶すればよい。
優先設定部22は、優先モード開始トリガ(例えば、推薦番組指示信号)が発生した時点で、複数のスマートフォン2が競合した場合に、視聴履歴記憶部31を参照して、過去の利用状況(動作状態を含む視聴履歴情報)を考慮して、優先すべきスマートフォン2(のユーザ)を決定する。
番組選択部28は、優先設定部22の決定にしたがって、優先されたユーザの視聴履歴情報に基づいて、推薦番組を選択することができる。さらに、番組選択部28は、推薦番組を選択する順番を決定する際に、視聴履歴情報に含まれる動作状態の情報を考慮してもよい。
〔視聴履歴情報について〕
図6は、視聴履歴記憶部31に記憶されている視聴履歴情報の一具体例を示すテーブルである。図6は視聴履歴情報をテーブル形式にて示しているが、これは、視聴履歴記憶部31に記憶される視聴履歴情報のデータ構造をテーブルに限定することを意図していない。
上述のとおり、視聴履歴情報は、視聴された番組と、視聴したユーザ(スマートフォン2)と、視聴されたときのスマートフォン2の動作状態とを含む。
図6に示す例では、視聴履歴管理部27は、視聴された番組の情報として、放送の開始日時および終了日時、番組名、チャンネル、ならびに、ジャンルを視聴履歴記憶部31に格納する。これらの番組の情報は、視聴履歴管理部27によって、図示しない番組情報記憶部から取得されればよい。図6に示す例は、一例である。視聴履歴管理部27は、番組情報記憶部から取得される番組についてあらゆる情報を視聴履歴記憶部31に記憶してもよい。
視聴履歴管理部27は、視聴したユーザの情報として、ユーザ名を視聴履歴記憶部31に記憶する。視聴履歴管理部27は、視聴監視部26が番組が視聴されたと判断したときに端末検出部20によって検出されたスマートフォン2を特定する。視聴履歴管理部27は、特定したスマートフォン2のユーザのユーザ名を取得し、視聴履歴記憶部31に記憶する。視聴履歴管理部27は、特定したスマートフォン2が複数の場合には、ユーザごとに1つレコードを作成すればよい。視聴履歴管理部27は、図3に示す端末情報を参照して、検出されたスマートフォン2に対応するユーザ名を特定することができる。また、視聴履歴管理部27は、ユーザ名の代わりに、あるいは、加えて、検出されたスマートフォン2の端末識別情報を視聴履歴記憶部31に記憶してもよい。
視聴履歴管理部27は、視聴されたときのスマートフォン2の動作状態を視聴履歴記憶部31に記憶する。視聴履歴管理部27は、視聴監視部26が番組が視聴されたと判断したとき、その番組の放送中に、端末状態検知部21が検知したスマートフォン2の動作状態を取得する。上述したとおり、視聴履歴管理部27は、上記番組の放送時間中、最も時間が長かった動作状態を、当該番組に紐付けて格納すればよい。
例えば、図6に示す1つ目のレコードは、2011年11月5日の土曜日の21時〜23時の間に、番組名「movie<>XO」という番組が、スマートフォン2aを所有するユーザAによって視聴されたことを示す視聴履歴情報である。さらに当該レコードは、番組「movie<>XO」が視聴されている間、ユーザAのスマートフォン2aが「テレビ番組評価アプリケーション実行」の動作状態にあったことを示している。本実施形態では、テレビ番組評価アプリケーションは、テレビ関連アプリケーションである。したがって、制御部10の各部(特に、優先設定部22など)は、当該レコードを参照することにより、ユーザAが番組「movie<>XO」を関心を持って視聴していた、と判断することができる。
なお、図6に示す各レコードは、視聴履歴記憶部31に記憶されている視聴履歴情報の一部のレコードを表しているに過ぎない。同図に図示された各レコードの間に起こった番組視聴ごとにレコードは作成され記憶されているものとする。
以下、図6に示す具体例を用いて、本実施形態におけるデジタルテレビ1の、視聴履歴管理、優先設定、および、推薦番組選択の動作をより詳細に説明する。
〔デジタルテレビの機能構成−具体例〕
(視聴履歴管理部27)
例えば、2011年11月12日土曜日の21時から21時45分まで、デジタルテレビ1の映像再生部25は、番組「newsOOO」(ジャンルはニュース)を選局し、表示した。視聴監視部26は、デジタルテレビ1において番組「newsOOO」が視聴されたことを検出する。このとき、端末検出部20は、ユーザAのスマートフォン2aを検出した。端末状態検知部21は、上記番組の放送時間帯における、スマートフォン2aの動作状態のログを記憶部11のいずれかの領域に一時的に格納している。視聴履歴管理部27は、上記放送時間帯において、スマートフォン2aの最も長かった動作状態が、ゲームアプリケーション実行状態であると特定する。
これにより、視聴履歴管理部27は、視聴された番組「newsOOO」の各種情報と、視聴したユーザのユーザ名「ユーザA」と、ユーザAのスマートフォン2aの動作状態「ゲームアプリケーション実行」とを紐付けて視聴履歴情報として視聴履歴記憶部31に記憶する。この視聴履歴情報が、図6の2つ目のレコードに示されている。
1週間前の2011年11月5日土曜日の21時〜、および、1週間後の2011年11月19日土曜日の21時〜にもユーザAによる視聴が行われている。上記と同様の手順で、視聴履歴管理部27は、ユーザAの視聴に関する視聴履歴情報を視聴履歴記憶部31に記憶する(図6の1つ目のレコード、および、3つ目のレコード)。
例えば、さらに別の日の、2011年11月26日土曜日の21時から22時まで、映像再生部25は、番組「variety*+<>」(ジャンルはバラエティー)を選局し、表示した。視聴監視部26は、デジタルテレビ1において番組「variety*+<>」が視聴されたことを検出する。このとき、端末検出部20は、ユーザBのスマートフォン2bを検出した。視聴履歴管理部27は、上記放送時間帯において、スマートフォン2bの最も長かった動作状態が、テレビ番組評価アプリケーション実行状態であると特定する。
これにより、視聴履歴管理部27は、視聴された番組「variety*+<>」の各種情報と、視聴したユーザのユーザ名「ユーザB」と、ユーザBのスマートフォン2bの動作状態「テレビ番組評価アプリケーション実行」とを紐付けて視聴履歴情報として視聴履歴記憶部31に記憶する。この視聴履歴情報が、図6の4つ目のレコードに示されている。1週間後の同時刻(2011年12月3日土曜日の21時〜)および2011年12月7日水曜日の21時〜についても、同様の手順で、視聴履歴管理部27は、ユーザBに関する視聴履歴情報(図6の5つ目および6つ目のレコード)を視聴履歴記憶部31に記憶する。
(優先設定部22)
例えば、2011年12月10日土曜日の21時に、操作受付部23が、推薦番組指示信号を、スマートフォン2から競合する状態で受け付けたとする。競合する状態で受け付けるとは、例えば、スマートフォン2aおよびスマートフォン2bのそれぞれから、ほぼ同時に推薦番組指示信号を受け付けることを意味する。あるいは、すでに、スマートフォン2a(b)が優先されている状態で、スマートフォン2b(a)から推薦番組指示信号を受け付けることを意味する。
端末検出部20は、ユーザA、ユーザBのスマートフォン2a、スマートフォン2bを検出する。そして、優先設定部22は、検出されたスマートフォン2a(ユーザA)およびスマートフォン2b(ユーザB)のいずれを優先させるのかを決定する。本実施形態では、優先設定部22は、ユーザAおよびユーザBの視聴履歴情報に基づいて、デジタルテレビ1をより関心を持ってよく利用している優良視聴ユーザを決定する。優先設定部22は、これにより、優先対象のスマートフォン2を決定することができる。
一例として、優先設定部22は、番組視聴回数が最も多いユーザを優良視聴ユーザに決定する。しかし、本発明の優先設定部22は、単に視聴回数をカウントするだけではなく、視聴された時のスマートフォン2の動作状態を考慮する。
図6に示すとおり、各レコードには、その時のスマートフォン2の動作状態が紐付けられている。そこで、優先設定部22は、非テレビ関連アプリケーション実行が紐付けられているレコード以外を抽出し、関心を持って視聴した視聴回数をユーザごとに求める。例えば、図6に示されたレコードだけで考えると、単なる視聴回数であれば、ユーザAもユーザBも3回で優劣がつかない。しかし、関心を持って視聴した視聴回数、すなわち、テレビ関連アプリケーションの動作状態(または、待機状態)が関連付けられたレコードの数は、ユーザAが1回で、ユーザBが3回である。これにより、優先設定部22は、ユーザBの方が、デジタルテレビ1を視聴する際により関心を持って視聴していると判断し、ユーザBを優良視聴ユーザに決定する。
そして、優先設定部22は、ユーザBのスマートフォン2bを優先させることを決定し、優先モード実行部に通知する。本実施形態では、優先設定部22は、操作受付部23および番組選択部28に対して、スマートフォン2bの優先モードを実行するように指示する。
これにより、スマートフォン2bからの推薦番組指示信号が番組選択部28に対して入力される。
優先モード実行部としての操作受付部23は、優先設定部22の決定にしたがって、スマートフォン2b以外のスマートフォン2から指示信号を拒否する。
優先モード実行部としての番組選択部28は、優先設定部22の決定にしたがって、ユーザBの視聴履歴に基づいて、ユーザBに推薦すべき推薦番組を選択する。
なお、優先設定部22は、他の例として、番組視聴時間が最も長いユーザを優良視聴ユーザに決定してもよい。しかし、本発明の優先設定部22は、単に視聴時間を合計するだけではなく、視聴された時のスマートフォン2の動作状態を考慮する。
図6に示すとおり、優先設定部22は、非テレビ関連アプリケーション実行が紐付けられているレコード以外を抽出し、関心を持って視聴した視聴時間をユーザごとに求める。例えば、図6に示されたレコードだけで考えると、単なる視聴時間であれば、ユーザAが3.5時間、ユーザBが3時間で、ユーザAが優先されてしまう。しかし、ユーザAはデジタルテレビ1が番組を表示している間その場に居合わせた時間が長いだけで、実際には、番組視聴に集中していたとは言えない。つまり、利用状況にそぐわない優先設定が行われてしまう問題がある。一方、関心を持って視聴した視聴回数、すなわち、テレビ関連アプリケーションの動作状態(または、待機状態)が関連付けられたレコードに基づく視聴時間の合計時間は、ユーザAが2時間で、ユーザBが3時間である。これにより、優先設定部22は、ユーザBの方が、デジタルテレビ1を視聴する際により関心を持って視聴していると判断し、ユーザBを優良視聴ユーザに決定することができる。
(番組選択部28)
上述のとおり、優先設定部22が、ユーザBを優先させると決定した場合の番組選択部28の動作について説明する。本実施形態では、12月10日土曜日の21時に推薦番組指示信号が受信されたので、番組選択部28は、このときに放送される(選局可能な)番組の中から、ユーザBが好みそうな番組を推測して、選択する。番組選択部28は、選択した番組を映像再生部25に対して指定する。映像再生部25は、番組選択部28によって指定された番組を選局し、表示部12に表示する。
図6に示す例では、ユーザBは、バラエティーをよく視聴しているので、番組選択部28は、ジャンルがバラエティーの番組について、推薦する順位を上げることができる。さらに、番組選択部28は、特に視聴回数の多い番組「variety*+<>」の推薦順位をより高くしてもよい。
番組選択部28が実行する推薦番組選択の他の例を示す。例えば、優先設定部22が、スマートフォン2a(ユーザA)を優先することを決定したとする。この場合、番組選択部28は、12月10日土曜日の21時に受信されたスマートフォン2aからの推薦番組指示信号にしたがって、ユーザAが好みそうな番組を推測して、選択する。
図6に示す例では、ユーザAは、ニュースをよく視聴しているので、番組選択部28は、ジャンルがニュースである番組の推薦順位を上げることが考えられる。しかしながら、番組選択部28は、視聴されているときのスマートフォン2aの動作状態を考慮して、ユーザAが関心を持って視聴した過去の番組に基づいて、推薦する番組を選択することが好ましい。図6に示す例では、ユーザAが関心を持って視聴している番組は、ニュースよりも映画の方が多い。よって、番組選択部28は、番組「newsOOO」よりも番組「movie<>XO」の推薦順位を上げることが好ましい。
推薦番組指示信号の受信を、優先モード開始トリガとする場合、優先設定部22が、優先モードの終了を決定する優先モード終了トリガとしては、以下のようなイベントが想定される。
例えば、推薦番組提示機能経由で視聴された番組の放送が終了したとき、より優先度の高いユーザのスマートフォン2から推薦番組指示信号を受信したとき、現在優先されているスマートフォン2が、他のスマートフォン2を優先させることを許可したとき、などであるが、これ以外の条件に基づいて、優先モードが終了してもよい。
〔視聴履歴管理フロー−番組視聴時の動作状態を管理する〕
図7は、本実施形態のデジタルテレビ1による視聴履歴管理の処理の流れを示すフローチャートである。
端末検出部20は、デジタルテレビ1のリモコンとして有効に機能しているスマートフォン2を検出する(S201)。端末検出部20は、この検出を定期的に行い、常に最新の状態にしておくことが好ましい。
次に、端末状態検知部21は、端末検出部20によって検出された各スマートフォン2の動作状態を検知する(S202)。端末状態検知部21は、図3に示す端末情報のように、現在の動作状態を端末情報記憶部30に記憶してもよい。本実施形態では、さらに、端末状態検知部21は、現在の(最新の)動作状態だけでなく、過去の少なくとも数時間分の動作状態のログを端末情報記憶部30に記憶しておくことが好ましい。
映像再生部25が一定時間以上同一番組を連続再生し続けたことに基づいて、視聴監視部26が、番組が視聴されたことを検知する。番組視聴が検知されると(S203においてYES)、視聴履歴管理部27は、視聴された番組の放送中に検出された各スマートフォン2の動作状態のログを取得する(S204)。視聴履歴管理部27は、取得したログに基づいて、視聴された番組の放送中の各スマートフォン2の動作状態を特定する。
最後に、視聴履歴管理部27は、視聴された番組の各種情報と、視聴したユーザ(または、該ユーザのスマートフォン2)の情報と、該スマートフォン2の動作情報とを紐付けて、視聴履歴記憶部31に記憶する(S205)。これにより、図6に示すとおり、視聴履歴情報が視聴履歴記憶部31に蓄積される。
〔優先設定フロー−過去の動作状態を考慮する〕
図8は、本実施形態のデジタルテレビ1による優先設定の処理の流れを示すフローチャートである。
優先モード開始トリガ(ここでは、操作受付部23が推薦番組指示信号を受信すること)が発生すると(S301においてYES)、デジタルテレビ1は、特定のスマートフォン2を優先させる優先設定の動作を開始する。
ここで、競合が発生しない場合には(S302においてNO)、優先設定部22は、上記推薦番組指示信号の送信元のスマートフォン2を優先することを決定する(S303)。
一方、競合が発生する場合には(S302においてYES)、競合するスマートフォン2の中から優先すべき1台を決定するための処理を開始する。例えば、ここでは、スマートフォン2aとスマートフォン2bとが競合しているものとする。
まずは、優先設定部22は、競合する各スマートフォン2のユーザごとの視聴履歴情報(図6など)を視聴履歴記憶部31から読み出す(S304)。そして、優先設定部22は、ユーザごとに、例えば、関心を持って視聴された視聴回数を求める。すなわち、優先設定部22は、テレビ関連アプリケーション実行(または、待機状態)が関連付けられたレコード数が最も多いユーザを、優良視聴ユーザとして特定する(S305)。
なお、視聴回数が同じでユーザAとユーザBとの間で優劣がつかない場合、優先設定部22は、関心を持って視聴された視聴時間の合計をユーザごとに求めて、視聴時間が最長のユーザを優良視聴ユーザとして特定してもよい。それでもなおユーザAとユーザBとの間で優劣がつかない場合には、優先設定部22は、非テレビ関連アプリケーションが関連付けられた視聴回数または視聴時間の割合が最も少ないユーザを絞り込んで優良視聴ユーザとして特定してもよい。例えば、図6に示す例では、ユーザAは、番組視聴の3回に2回(3.5時間中1.5時間)の割合で、非テレビ関連アプリケーションを実行しているが、ユーザBは、すべての番組視聴において、テレビ関連アプリケーションが関連付けられている。視聴時間でいえば、3時間中3時間、すべて、番組を真剣に視聴していることになる。したがって、この場合、非テレビ関連アプリケーションの割合が少ないユーザBが優良視聴ユーザとして特定される。
以上のようにして、優先設定部22は、優良視聴ユーザ(ユーザB)に対応するスマートフォン2bを優先することを決定する(S306)。
続いて、優先設定部22は、S303またはS306にて決定したスマートフォン2bの情報を、優先モード実行部の各部に通知する。本実施形態では、例えば、操作受付部23および番組選択部28に通知する(S307)。
優先モード実行部の各部は、それぞれの機能に応じた優先モードを実行する(S308)。例えば、操作受付部23は、他のスマートフォン2からの指示信号を拒否する。例えば、番組選択部28は、S301で受信された推薦番組指示信号にしたがって、推薦番組モードを実行する。ここでは、番組選択部28は、優先されるユーザBの視聴履歴情報に基づいて、ユーザBが視聴しそうな番組を推薦番組として選択する。番組選択部28が実行する推薦番組モードの一例を図9を参照しながら次に説明する。
〔推薦番組選択フロー−過去の動作状態を考慮する〕
図9は、本実施形態のデジタルテレビ1による推薦番組選択の処理の流れを示すフローチャートである。
番組選択部28は、優先設定部22の決定にしたがって、優先されるユーザ(ここでは、例えば、ユーザB)の視聴履歴情報を視聴履歴記憶部31から読み出す(S401)。
そして、番組選択部28は、視聴履歴情報に基づいて、ユーザBによって最も視聴されている番組のジャンル、番組名など、ユーザBの嗜好、視聴傾向を読み取る。そして、番組選択部28は、ユーザBの嗜好、視聴傾向に沿った番組を特定する(S402)。例えば、番組選択部28は、視聴回数または視聴時間が最も多い番組を特定することが考えられる。ここでも、番組選択部28は、各レコードに関連付けられた動作状態を考慮して、関心を持って視聴された視聴回数または視聴時間に基づいて推薦番組を選択することが好ましい。
次に、番組選択部28は、ユーザに推薦する順に推薦番組を順次選択する(S403)。例えば、番組選択部28は、今現在選局できる番組の中で、S402で特定した番組と、番組名、ジャンル、チャンネルなどの属性が共通する番組を順に選択することが可能である。例えば、番組選択部28は、まずは、視聴回数または視聴時間が最も多い番組と同一名の番組を選択する。次に、番組選択部28は、視聴回数または視聴時間が最も多い番組と同じジャンルの番組を選択する。その次に、番組選択部28は、視聴回数または視聴時間が最も多い番組と同一チャンネルの番組を選択する。番組選択部28は、このようにして、ユーザBに選ばれる可能性が高い推薦番組から順に、推薦番組指示信号が入力される度に、順次切り替えて表示する。具体的には、番組選択部28は、選択した番組を映像再生部25に通知して、当該番組を映像再生部25に表示させる(S404)。
〔変形例:優先設定フロー−過去および現在の動作状態を考慮する〕
なお、優先設定部22は、過去の動作状態を考慮して優先させるユーザ(スマートフォン2)を決定した後でも、監視されている最新の現在の動作状態を考慮して、先に決定した優先モードを解除することができる。
すなわち、図8のS306において、優先されるスマートフォン2が決定し、S308において、優先モード実行部によって各種優先モードが実行されると、優先設定部22は、S107に進み以降のS111までの処理を繰り返し行ってもよい。
上記構成によれば、デジタルテレビ1は、過去の動作状態を考慮して、より精度よく、利用状況に適した優先設定を行うことができるとともに、現在の動作状態を考慮して、現在の利用状況に適した優先設定へとタイミングよく切り替えることが可能になる。
〔変形例:優先設定フロー−優先モード開始トリガがデジタルテレビ1のリモコンから発生した場合〕
デジタルテレビ1は、図2に示すとおり、自装置専用のリモコン(操作部13)を備えていてもよい。操作部13は、スマートフォン2のようにユーザの属性を持たない。そのため、操作部13を介して、推薦番組指示信号がデジタルテレビ1に入力された場合、それだけでは、デジタルテレビ1は、どのユーザの嗜好に合わせた推薦番組の切り替えを行えばよいかすぐには理解できない。
そこで、デジタルテレビ1の優先設定部22は、有効に機能しているスマートフォン2の中から、現在の動作状態および過去の動作状態を考慮して、優先すべきスマートフォン2を決定してもよい。
図10は、本実施形態のデジタルテレビ1による優先設定の処理の流れを示すフローチャートである。
操作受付部23が、デジタルテレビ1のリモコン(操作部13)から推薦番組指示信号を受信すると(S501においてYES)、デジタルテレビ1は、特定のスマートフォン2を優先させる優先設定の動作を開始する。
まず、端末検出部20は、デジタルテレビ1のリモコンとして有効に機能しているスマートフォン2を検出する(S502)。
ここで、端末検出部20が、1台のスマートフォン2を検出した場合には、優先設定部22は、そのスマートフォン2を優先対象に決定すればよい。また、スマートフォン2が1台も検出されなかった場合には、優先設定部22は、予め固定的に設定されているユーザ(スマートフォン2)を優先対象に決定すればよい。以上のように、スマートフォン2が1台特定された場合には(S503においてYES)、優先設定部22は、特定された当該スマートフォン2を優先対象に決定する(S509)。
一方、端末検出部20が、複数のスマートフォン2を検出した場合には(S503においてNO)、次に、端末状態検知部21は、検出された各スマートフォン2の動作状態を検知する(S504)。優先設定部22は、各スマートフォン2の中で、動作状態がテレビ関連アプリケーション実行または待機状態であるスマートフォン2を特定する(S505)。すなわち、優先設定部22は、関心を持って視聴している優良視聴ユーザを特定する。
ここで、優先設定部22は、優良視聴ユーザの1台のスマートフォン2を特定した場合には(S506においてYES)、優先設定部22は、特定された当該スマートフォン2を優先対象に決定する(S509)。
一方、優良視聴ユーザを一人に絞れなかった場合には(S506においてNO)、次に、優先設定部22は、視聴履歴記憶部31から、S505で特定された各優良視聴ユーザの視聴履歴情報を読み出す(S507)。なお、視聴履歴記憶部31にレコードが多数記憶されている場合には、S501にて推薦番組指示信号が入力された時点の曜日または時間帯に絞り込んでレコードを抽出することが好ましい。なぜなら、ユーザの視聴行為には、曜日または時間帯に基づく特定の傾向または習慣性が見られることが多いからである。
そして、優先設定部22は、抽出されたレコードに基づいて、テレビ関連アプリケーション実行(または、待機状態)が関連付けられたレコード数(視聴回数)が最も多いユーザを、優良視聴ユーザとして特定する(S508)。ここで、視聴回数で、一人の優良視聴ユーザを特定できなかった場合には、優先設定部22は、テレビ関連アプリケーションに関連付けられた視聴時間の長さ、もしくは、非テレビ関連アプリケーションに関連付けられた視聴回数または視聴時間の割合、などに基づいて、条件を絞り込み、一人の優良視聴ユーザを特定してもよい。
優先設定部22は、S502、S505またはS508にて特定された一人のユーザに対応する1台のスマートフォン2を優先することを決定する(S509)。そして、決定したスマートフォン2の情報を、優先モード実行部の各部に通知する。本実施形態では、例えば、操作受付部23および番組選択部28に通知する(S510)。
操作受付部23および番組選択部28は、優先設定部22の決定にしたがって、優先モードを実行する。番組選択部28は、S501にて操作部13から入力された推薦番組指示信号に応答して、優先対象のユーザの好みに合わせた推薦番組を選択し、映像再生部25に表示させる(S511)。
この後、優先設定部22は、S107(図5)に進み、優先対象のスマートフォン2の動作状態を考慮して、タイミングよく適切な優先設定を行うことが好ましい。
上記構成および方法によれば、ユーザの属性を持たない操作部によって指示信号が入力された場合でも、デジタルテレビ1は、適切な優先設定を実行することが可能である。
〔変形例:各実施形態共通〕
優先設定部22が、優先させるスマートフォン2(ユーザ)を選択した後で、視聴履歴記憶部31において、当該ユーザについて、推薦番組を選択するために必要な視聴履歴情報が十分蓄積されていない場合が想定される。このような場合には、優先設定部22がその次に優先させる別のユーザを決定し、番組選択部28は、その2位のユーザについて推薦番組を選択する構成であってもよい。
上述の各実施形態では、優先モード実行部としての操作受付部23を、優先されたスマートフォン2以外からの指示信号をすべて受け付けない構成であると説明したが、このような構成に限定されない。操作受付部23は、指示信号の種類に応じて、拒否する指示信号と受け付ける指示信号とを区別してもよい。例えば、現在、ユーザAのスマートフォン2aを優先させる優先モードであるとして、操作受付部23は、スマートフォン2bからのチャンネル変更を指示する指示信号は拒否するが、音量変更を指示する指示信号は受け付けるといった構成であってもよい。
上述の各実施形態では、本発明の優先設定装置をデジタルテレビ1に搭載した場合について説明したが、優先設定装置の実施形態は上記に限定されない。本発明の優先設定装置を被制御機器であるデジタルテレビ1とは別の装置として設けて、優先設定装置をデジタルテレビ1と通信可能に接続してもよい。この場合、優先設定装置の優先設定部22は、デジタルテレビ1の優先モード実行部に対して、有線または無線の適宜の通信手段を介して、優先モード実行の指示を送ることができる。このような実施形態も、上述の各実施形態と略同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、デジタルテレビ1およびスマートフォン2の各ブロック、特に、デジタルテレビ1の端末検出部20、端末状態検知部21、優先設定部22および視聴履歴管理部27、ならびに、スマートフォン2の端末状態通知部52、端末状態監視部53および遠隔操作制御部54は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、デジタルテレビ1(またはスマートフォン2)は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデジタルテレビ1(またはスマートフォン2)の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記デジタルテレビ1(またはスマートフォン2)に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、デジタルテレビ1(またはスマートフォン2)を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。