JP5852854B2 - メラノサイト分化誘導抑制剤及びその使用方法 - Google Patents

メラノサイト分化誘導抑制剤及びその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制剤及び当該分化誘導抑制剤を含有する色素異常症改善若しくは治療用又はシミ改善用組成物に関する。
メラノサイトは、メラニン色素を合成し、動物の皮膚の色や毛色を決めている細胞である。メラノサイトは、脊椎動物発生の基本となる神経管から派生する神経堤細胞に由来する。神経堤細胞は、神経管から真皮内に左右対称に腹側に遊走し、増殖しながら成熟する。最終的に、神経堤細胞は毛包に定着した後、さらに分化し、且つ成熟することで、メラノサイトへと分化し、且つ成熟する。
また、毛包内では、成熟したメラノサイトとともに、バルジ領域付近に未分化な色素幹細胞が存在する。当該未分化色素幹細胞は、自己増殖するとともに、必要に応じて未熟なメラノブラストを経て、成熟したメラノサイトを表皮や毛母に供給していると考えられている。供給された成熟メラノサイトは周辺のケラチノサイトにメラノソームを移送することで、皮膚や毛に色素を供給している。このように、メラノサイトには様々な分化段階が存在する。
メラノサイトの分化及び増殖並びにメラニン合成機構の異常は、様々な色素異常症やシミの原因となる。例えば、神経堤細胞の遊走に異常が起きると、表皮層へ移動するはずの神経堤細胞が真皮に残存することとなる。当該真皮への残存は、生後様々な刺激で遅発性に顕在化してくる対称性真皮メラノサイトーシスを引き起こす。本症の病変は褐色調で左右対称性である。当該疾患は圧倒的に女性に多く、また10歳代後半から20歳代に発症が多い。従って、対称性真皮メラノサイトーシスに対する女性ホルモンの関与が考えられている。しかしながら、その原因は未だ不明な点が多い。
また、肝斑は、圧倒的に女性に多く、特に30歳代の女性に多く発症するシミである。肝斑の臨床症状は左右対称性の扁平な褐色斑であり、頬や口周囲及び前額部に生じる。肝斑の発症は、妊娠2〜3ヶ月に始まり、漸次高度となり、分娩後月経開始とともに徐々に消退する。しかしながら、肝斑が長期に持続して閉経後に及ぶこともある。さらに、女性ホルモンを含有する経口避妊薬により肝斑が誘発されることが知られている。
ところで、メラノサイトの増殖や分化に働く代表的な外的要因としては、紫外線が挙げられる。紫外線は、表皮細胞に働きかけ、各種のメラノサイト増殖及び分化促進因子の分泌を促す。また、紫外線はメラノサイトに直接作用し、各種メラノサイト活性化因子に対する受容体の発現を向上させることも知られている。老人性色素斑は、この紫外線によるメラノサイトの増加及びメラニン合成の亢進が長年繰り返されることによって引き起こされる。日本人では、60歳台になると、ほぼ100%の人に老人性色素斑が認められ、頻度に男女差はない。顔、肩、背、手等の日光に比較的当たりやすい部位が老人性色素斑の好発部位であり、褐色から黒褐色の平らな斑を生じる。
以上のように、メラノサイトの発生、分化及び増殖並びにメラニン合成に異常が生じると、様々な色素異常症及びシミを生じる。これらの疾患は直接外面の表現系として現れるため、患者の精神的負担が重く、QOL(生活の質)を妨げる要因の一つとなっている。従って、これらの疾患を根本的に改善するためにメラノサイト制御因子の同定が不可欠である。
一方、これまでにメラノサイトを制御する美白剤として、メラニン合成に関わる酵素であるチロシナーゼの活性阻害効果に着目した美白剤が多く開発されている。チロシナーゼ活性阻害効果を有する物質としては、例えばコウジ酸、ハイドロキノン、L-アスコルビン酸等がよく知られている。また、バショウ属植物の抽出液(特許文献1)やヤブコウジ科植物エンベリアの抽出物(特許文献2)等の天然成分を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害及びメラニン生成抑制剤が開発されている。しかしながら、これらチロシナーゼ阻害剤は、主に分化後のメラノサイト(チロシナーゼを発現し、且つメラニン合成能を有する)に作用しているに過ぎず、根本的にメラノサイトを制御するものとは言えない。
また、これまでに、海草類抽出物に由来するチロシナーゼ阻害剤が幾つか報告されている。例えば、特許文献3は、アイヌワカメを始めとするAlaria属の海藻が、マッシュルーム由来チロシナーゼに対する阻害効果を有することを記載する。しかしながら、上記の美白剤(コウジ酸、ハイドロキノン、L-アスコルビン酸等)や天然成分(バショウ属植物の抽出液、ヤブコウジ科植物エンベリアの抽出物等)と同様に、特許文献3において、当該海草類抽出物がメラノサイトの分化自体に及ぼす影響に関しては検討されていなかった。
上述のように、メラノサイトには様々な分化段階(神経堤細胞、色素幹細胞、メラノブラスト等)が存在しており、その分化異常により様々な色素異常症やシミが引き起こされる。よって、このメラノサイトの分化自体を制御する因子の同定が根本的な色素異常症及びシミの解決のために重要である。しかしながら、従来においては、メラノサイト制御因子の探索には、主にメラノーマ細胞(メラノサイトの癌化により生じる)、最終分化後のメラノサイト及びマッシュルーム由来チロシナーゼ等を用いて行うスクリーニング系が用いられていた。そのため、メラノサイトの分化を制御する因子の探索は従来において行われていなかった。
特開2008-56587号公報 特開2005-289922号公報 特開2007-204369号公報
上述のように、メラノサイトの分化自体を制御する因子の同定が根本的な色素異常症及びシミの解決のために重要である。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、幹細胞からメラノサイトへの分化抑制活性を有する素材を見出し、これまでにない根本的な色素異常症改善又は治療用組成物及びシミ改善用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導系を用いることにより、メラノサイトの発生、分化、増殖及びメラニン合成の全てを試験管内(in vitro)で再現できることを確認し、さらに本誘導系をスクリーニング系として用いることにより、チガイソ科に属するアイヌワカメ(学名:Alaria praelonga Kjellman)の抽出物がメラノサイトの分化を抑制する優れた効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下を包含する。
(1)アイヌワカメの抽出物を有効成分として含有するメラノサイト分化誘導抑制剤。
(2)前記抽出物が水、低級アルコール、液状多価アルコール及び無機酸から成る群より選択される溶媒により抽出された抽出物である、(1)記載のメラノサイト分化誘導抑制剤。
(3)低級アルコールがエタノールである、(2)記載のメラノサイト分化誘導抑制剤。
(4)液状多価アルコールが1,3-ブチレングリコールである、(2)記載のメラノサイト分化誘導抑制剤。
(5)無機酸が塩酸である、(2)記載のメラノサイト分化誘導抑制剤。
(6)(1)〜(5)のいずれか1記載のメラノサイト分化誘導抑制剤を含有する色素異常症改善又は治療用組成物。
(7)(1)〜(5)のいずれか1記載のメラノサイト分化誘導抑制剤を含有するシミ改善用組成物。
(8)幹細胞をメラノサイト分化誘導系において候補物質と接触させる工程と、該候補物質非存在下での該幹細胞と比較して、該候補物質と接触した該幹細胞においてメラニン合成量又はメラノサイトマーカー遺伝子の発現が調節されていることにより、該候補物質がメラノサイト分化誘導調節剤であると判定する工程とを含む、メラノサイト分化誘導調節剤のスクリーニング方法。
本発明によれば、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導を顕著に抑制することでメラノサイトの分化を根本的に制御することができる。従って、本発明は、メラノサイトが関与する色素異常症及びシミの治療、予防及び改善の分野において大きく貢献できるものであり、医学、医薬品、医薬部外品、美容及び健康分野への応用が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
上述のように、従来のメラノーマ細胞や最終分化後のメラノサイト及びマッシュルーム由来チロシナーゼ等を用いて行う従来のスクリーニング系ではなく、未分化な幹細胞からメラノサイトへの分化誘導系をスクリーニング系として用いていることにより、メラノサイトの分化自体を抑制する素材の探索を行ったところ、チガイソ科に属するアイヌワカメ(学名:Alaria praelonga Kjellman)の抽出物が、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制活性を有することを見出した。
従って、本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤は、アイヌワカメの抽出物を有効成分として含有するものである。本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤によれば、幹細胞からメラノサイトへの分化を抑制することで、メラノサイトの分化を制御することができる。また、本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤によれば、メラノサイトの分化を制御することで、メラノサイトが関連する色素異常症及びシミ等の疾患を根本的に予防、改善及び治療することができる。さらに、幹細胞からメラノサイトへの分化を抑制するための研究用試薬として、本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤を使用することもできる。
本発明においては、先ずアイヌワカメの抽出物を準備する。アイヌワカメを溶媒抽出に供することで、アイヌワカメの抽出物を得ることができる。アイヌワカメの抽出物の溶媒抽出においては、アイヌワカメ本体をそのまま使用してもよく、あるいは、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ったアイヌワカメ調製物を使用することもできる。
抽出に使用する溶媒としては、例えば、水(熱水)、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)、無機酸(塩酸等)等が挙げられる。水、低級アルコール、液状多価アルコール及び無機酸が好ましく、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール及び塩酸が特に好ましい。これらの溶媒は単独で、又は2種以上を混合して用いても良い。また、これら溶媒に酸やアルカリを添加してpH調整を行うこともできる。特に、エタノール又は1,3-ブチレングリコールを溶媒として使用する場合には、例えば50〜100%(v/v)、好ましくは50〜60%(v/v)の濃度のエタノール又は1,3-ブチレングリコールを使用することができる。また、塩酸を溶媒として使用する場合には、例えば0.01〜1N、特に0.1Nの塩酸を使用することができる。
上述の溶媒を用いて、アイヌワカメを溶媒抽出に供する。アイヌワカメに対する溶媒の割合は、例えば0.5〜50%(w/v)、好ましくは1〜20%(w/v)が挙げられる。溶媒抽出方法は、特に限定されないが、加熱による抽出が好ましい。例えば、アイヌワカメ乾燥物に水を加え、95〜100℃における熱水抽出を行うことで、アイヌワカメ抽出物を得ることができる。あるいは、アイヌワカメ乾燥物に無機酸(例えば、塩酸)を加え、4℃程度で抽出を行うことで、アイヌワカメ抽出物を得ることができる。また、アイヌワカメ乾燥物に低級アルコール又は液状多価アルコール(例えば、エタノール、1,3-ブチレングリコール等)を添加し、常温(例えば5〜35℃)で抽出を行うことで、アイヌワカメ抽出物を得ることができる。
溶媒抽出後、得られた溶媒相自体をアイヌワカメ抽出物とすることができる。あるいは、必要に応じて、得られた溶媒相を、濃縮、希釈、濾過、乾燥等の処理及び活性炭等による脱色処理、脱臭処理等に供して、得られた生成物をアイヌワカメ抽出物とすることができる。特に、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理に供し、得られた乾燥物をアイヌワカメ抽出物として用いることが好ましい。
このようにして得られたアイヌワカメ抽出物を本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤の有効成分とする。本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤は、医薬、医薬部外品、化粧料又は飲食品として使用することができる。また、上述のアイヌワカメ抽出物を、医薬、医薬部外品、化粧料又は飲食品の製造のために使用することもできる。特に、本発明に係る分化誘導抑制剤は、色素異常症改善若しくは治療用組成物又はシミ改善用組成物として、又は当該組成物の製造のために使用することができる。
ここで、色素異常症としては、例えば対称性真皮メラノサイトーシス、肝斑、老人性色素斑、雀卵斑、Riehl黒皮症、摩擦黒皮症、遺伝性対側性色素異常症、Addison病、光線性花弁状色素斑、色素異常性固定紅斑等が挙げられる。
さらに、本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤を医薬、医薬部外品、化粧料又は飲食品として利用する場合には、その取扱い説明書又はパッケージに、アイヌワカメ抽出物を含有し、メラノサイト分化誘導抑制活性を有することを特徴とする旨を表示することができる。
本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤を、医薬又は医薬部外品として使用する場合には、剤形としては、特に限定されるものではないが、例えば、内服剤(錠剤、カプセル剤等)、外用剤(軟膏(クリーム)、水剤、エキス剤、ローション剤、乳剤等)並びに注射剤が挙げられる。当該医薬又は医薬部外品には、アイヌワカメ抽出物の他に、助剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤及び界面活性剤等の薬学的に許容される担体を任意に組合せて配合することができる。
本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤を化粧料として使用する場合には、剤形としては、特に限定されるものではないが、例えば、クリーム、ローション、フォーム、エッセンス、ファンデーション、パック、スティック及びパウダー等が挙げられる。当該化粧料には、アイヌワカメ抽出物の他に、化粧料成分として一般に使用されている油分、界面活性剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素類、香料等を任意に組合せて配合することができる。
本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤におけるアイヌワカメ抽出物の配合量は、特に限定されるものではないが、乾燥物として計算して、全組成の0.00001〜10重量%とすることが好ましく、0.0001〜1重量%とすることが最も好ましい。全組成の0.00001重量%未満とすると、メラノサイト分化誘導抑制効果が十分に発揮されにくい場合がある。
以上に説明した本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤を、ヒトを含めた動物に適用することで、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導を抑制でき、また色素異常症又はシミを治療、予防又は改善することができる。本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤の幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制活性は、下記の本発明に係るスクリーニング方法に準じて評価することができる。
一方、本発明に係るスクリーニング方法は、幹細胞をメラノサイト分化誘導系において候補物質と接触させる工程と、候補物質非存在下での該幹細胞と比較して、該候補物質と接触した該幹細胞においてメラニン合成量又はメラノサイトマーカー遺伝子の発現が調節されていることにより、該候補物質がメラノサイト分化誘導調節剤であると判定する工程とを含む、メラノサイト分化誘導調節剤のスクリーニング方法である。本発明に係るスクリーニング方法では、メラノサイト分化誘導系において各種候補物質存在下で幹細胞の分化誘導を行った後、メラニン合成量と細胞数とを定量し、該候補物質が細胞数当たりのメラニン合成量を促進した場合にメラノサイト分化誘導促進剤として、またメラニン合成量を抑制した場合にメラノサイト分化誘導抑制剤として候補物質を選択するものである。あるいは、メラノサイトマーカー遺伝子の発現を指標として、候補物質が当該遺伝子の発現を促進した場合にメラノサイト分化誘導促進剤として、また当該遺伝子の発現を抑制した場合にメラノサイト分化誘導抑制剤として候補物質を選択することができる。
本発明に係るスクリーニング方法で使用する幹細胞としては、メラノサイトに分化する幹細胞であればいずれのものであってよく、例えば胚性幹細胞(ES細胞);骨髄、血液、皮膚、脂肪、脳、肝臓、膵臓、腎臓、筋肉やその他の組織に存在する未分化な状態の細胞(総称して、体性幹細胞と称する);遺伝子導入等により人工的に作製された幹細胞等が挙げられる。これら幹細胞は、初代培養細胞、継代培養細胞、凍結細胞のいずれであってもよい。好ましくは、ES細胞又は骨髄、血液、皮膚若しくは脂肪組織由来の幹細胞を使用することができる。また、幹細胞の分化の方向性及び分化の過程等について同等の特性を持っていれば、全ての哺乳動物由来の幹細胞を使用することができる。例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の哺乳動物由来の幹細胞を使用することができる。
一方、本発明に係るスクリーニング方法において、候補物質としては、例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、合成化合物、微生物の培養上清、植物や海洋生物由来の天然成分、植物抽出物、動物組織抽出物等が挙げられる。
本発明に係るスクリーニング方法において、幹細胞培養培地又は幹細胞からメラノサイトへの分化誘導培地、また、これら培地と同時に用いる添加剤としては、限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。
培地としては、増殖因子として白血球遊走阻止因子(LIF)の少なくともいずれか1種(好ましくは、これら増殖因子の全て)を添加した、細胞の生存に必要な成分(無機塩、炭水化物、ホルモン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン等)を含む基本培地が挙げられる。当該基本培地としては、例えば、Dulbecco's Modified Eagle Medium(D-MEM)、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI 1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco's Modified Eagle Medium:Nutrient Mixture F-12(D-MEM/F-12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)、ハンクス液(Hank's balanced salt solution)、MCDB153培地等が挙げられる。また、必要に応じて、培地は、上皮細胞増殖因子(EGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ビタミン類、インターロイキン類、インスリン、トランスフェリン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コラーゲン、フィブロネクチン、プロゲステロン、セレナイト、B27-サプリメント、N2-サプリメント、ITS-サプリメント、抗生物質等を含有してもよい。
また、上記以外には、1〜20%の含有率でFBS(ウシ胎児血清)等の血清が培地に含まれることが好ましい。しかしながら、血清はロットの違いにより成分が異なり、その効果にバラツキがあるため、ロットチェックを行った後に使用することが好ましい。
なお、幹細胞培養又は幹細胞からメラノサイトへの分化誘導における培地の交換は2〜3日に1回行うことが好ましく、より好ましくは毎日行うことが好ましい。また、メラノサイト分化誘導系における幹細胞からメラノサイトへの分化誘導を24日以上行うことが好ましい。
幹細胞培養又は幹細胞からメラノサイトへの分化誘導に使用する容器としては、例えば使い捨てのシャーレ、マイクロタイタープレート等が挙げられる。
幹細胞の培養(前培養)においては、未分化状態を保つために、マイトマイシンCで処理したMEF細胞(マウス胎児線維芽細胞)等をフィーダー細胞として使用する。培地は、LIF、L-グルタミン等を含有することが好ましい。例えば、培地含有容器底面上にフィーダー細胞をコンフルエントの状態まで培養し、その上に幹細胞を播種し、幹細胞を、所定の時間及び培養温度で培養する。培養後、フィーダー細胞から分離した幹細胞を回収し、メラノサイト分化誘導に使用する。
一方、メラノサイト分化誘導系としては、例えばマウスストローマ細胞であるST2細胞上への幹細胞の播種、及びFBS、DEX(デキサメタゾン)、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)、CT(コレラトキシン)、EDN3(エンドセリン3)等のメラノサイトの分化を促す因子を添加した培地の使用が挙げられる(Yamane T., Hayashi S., Mizoguchi M., Yamazaki H., Kunisada T., Developmental Dynamics, 1999年, Vol. 216, Issue 4-5, pp. 450-458)。
本発明に係るスクリーニング方法では、先ず幹細胞をメラノサイト分化誘導系において候補物質と接触させる。ここで、接触とは、幹細胞からメラノサイトへの分化に候補物質が影響を及ぼす状態を意味する。例えば、メラノサイト分化誘導用培地に候補物質を添加するだけでもよい。あるいは、候補物質をある種のキャリアー物質(タンパク質や脂質等)とともにメラノサイト分化誘導用培地に添加してもよい。また、幹細胞にマイクロインジェクション等で候補物質を直接導入してもよい。
次いで、本発明に係るスクリーニング方法においては、候補物質非存在下での幹細胞と比較して、該候補物質と接触した該幹細胞においてメラニン合成量又はメラノサイトマーカー遺伝子の発現が調節されているか否かを決定する。メラニン合成及びメラノサイトマーカー遺伝子の発現は、幹細胞からメラノサイトへの分化の指標である。ここで、メラニン合成量の調節とは、幹細胞におけるメラニン合成量の低下又は増加を意味する。また、メラノサイトマーカー遺伝子の発現の調節とは、幹細胞におけるmRNAレベル又はタンパク質レベルでのメラノサイトマーカー遺伝子発現の低下又は増加を意味する。メラノサイトマーカー遺伝子としては、例えばMitf-M(メラノサイト特異的小眼球症関連転写因子:Melanocyte-specific Microphthalmia-associated transcription factor)(Tachibana M. Pigment Cell Res.(2000)13(4):230-40.)及びTyrp1(チロシナーゼ関連タンパク質1:Tyrosinase-related protein 1)(Sarangarajan R, Boissy RE. Pigment Cell Res. (2001) 14(6):437-44.)が挙げられる。
メラニン合成量の評価方法では、培養後、メラニン合成量と細胞数とを定量し、細胞数当たりのメラニン合成量を算出する。細胞数測定において、例えば市販品のCell Counting Kit-8(同仁化学研究所製)等の測定後も細胞を回収できるキットを用いることが望ましい。また、メラニンの定量方法としては、例えば分化誘導後に細胞数を測定した細胞を2N NaOHで60℃で2時間溶解し、溶解物を475nmの吸光度で測定する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。次いで、得られた細胞数当たりのメラニン合成量を、候補物質不在下で培養した幹細胞における細胞数当たりのメラニン合成量と比較する。
一方、メラノサイトマーカー遺伝子発現の評価方法では、培養後の細胞からmRNA又はタンパク質を抽出する。次いで、得られたmRNA又はタンパク質中のメラノサイトマーカー遺伝子発現量を、候補物質不在下で培養した幹細胞における当該遺伝子発現量と比較する。mRNAレベルでは、例えばメラノサイトマーカー遺伝子に特異的なプライマーやプローブを用いたRT-PCR、定量PCRやノーザンブロッティングによって確認する方法が挙げられる。また、タンパク質レベルでは、例えばメラノサイトマーカー遺伝子によりコードされるタンパク質に特異的な抗体を用いたELISA、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッテイング等の免疫学的方法が挙げられる。
候補物質不在下で培養した幹細胞に比べて、候補物質を接触させた幹細胞において、メラニン合成量又はメラノサイトマーカー遺伝子の発現が有意(例えば、1.5〜100倍、好ましくは2〜5倍)に増加した場合に、あるいは、有意(例えば、1/2〜1/1000、好ましくは1/4〜1/10)に低下した場合に、候補物質がメラノサイト分化誘導調節剤であると判定することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕アイヌワカメからの溶媒抽出物の製造例
以下に、アイヌワカメを用いた溶媒抽出物の製造例を示す。
1.製造例1 アイヌワカメの熱水抽出物
アイヌワカメの乾燥物20gに精製水800mLを加え、95〜100℃で2時間抽出を行った。抽出後、抽出液を濾過に供し、得られた濾液を濃縮及び凍結乾燥に供することで、アイヌワカメの熱水抽出物を3.4g得た。
2.製造例2 アイヌワカメのHCl抽出物
アイヌワカメの乾燥物20gに0.1N HCl 800mlを加え、4℃で7日間抽出を行った。抽出後、抽出液を濾過に供し、得られた濾液を濃縮及び凍結乾燥に供することで、アイヌワカメのHCl抽出物を3.1g得た。
3.製造例3 アイヌワカメの50%エタノール抽出物
アイヌワカメの乾燥物20gに50(v/v)%エタノール400mLを加え、常温で7日間抽出を行った。抽出後、抽出液を濾過に供し、得られた濾液を濃縮乾固に供することで、アイヌワカメの50%エタノール抽出物を3.7g得た。
4.製造例4 アイヌワカメのエタノール抽出物
アイヌワカメの乾燥物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出を行った。抽出後、抽出液を濾過に供し、得られた濾液を濃縮乾固に供することで、アイヌワカメのエタノール抽出物を6.7g得た。
5.製造例5 アイヌワカメの50%1,3-ブチレングリコール抽出物
アイヌワカメの乾燥物20gに50%1,3-ブチレングリコール水溶液400mLを加え、常温で7日間抽出を行った。抽出後、抽出液を濾過に供することで、アイヌワカメの50%1,3-ブチレングリコール抽出物を370g得た。
〔実施例2〕幹細胞からメラノサイトへのアイヌワカメ抽出物の分化誘導抑制効果の評価
以下に、実施例1において製造した製造例1〜5のアイヌワカメ抽出物を用いて、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制効果を評価し、該抽出物のメラノサイトへの分化誘導抑制剤としての効果について確認した。
1.実験例1 アイヌワカメ抽出物のメラノサイトへの分化誘導抑制効果の評価(メラニン定量試験)
本実験例では、過去に山根らが開発したマウス胚性幹細胞(ES cell:embryonic stem cell)からのメラノサイト分化誘導系(Yamane T., Hayashi S., Mizoguchi M., Yamazaki H., Kunisada T., Developmental Dynamics, 1999年, Vol. 216, Issue 4-5, pp. 450-458)を用いて、アイヌワカメ抽出物の効果を検討した。本誘導系を用いることで、メラノサイトの発生から成熟までの全ての段階において素材の評価を行うことが可能となる。以下に詳細を説明する。
35mmシャーレにMMC(mitomycin C)処理済みのMEF細胞(Mouse embryonic fibroblast)をコンフルエントの状態で培養し、その上にマウスES細胞を10×104〜20×104個播種し、37℃において5%CO2インキュベーターで前培養した。使用した培地は、DMEMにchemicon社製のES細胞用添加因子(L-グルタミン液、2-メルカプトエタノール液、ヌクレオシド液、非必須アミノ酸液及びESGRO)を推奨濃度で添加した後、FBSを15%添加したものであった。
次いで、ST2細胞を24wellプレート上でコンフルエントになるまで培養し、そこにMEF細胞から分離した上述の培養ES細胞を250〜500個播種した。当該培養物を、α-MEMに10%ウシ胎児血清、100nM デキサメタゾン、20pM 塩基性線維芽細胞増殖因子、10pM コレラトキシン及び100ng/mL エンドセリン3を添加した分化誘導培地で培養し、ES細胞をメラノサイトへ分化誘導した。顕微鏡観察により、誘導後6日目にはST2細胞上に形成されたES細胞のコロニーが広がり始め、18日目前後でコロニーの周りにメラノサイトが出現した。誘導後24日目までに、出現したメラノサイトがさらにメラニン合成を行う様子が観察された。以上より、本誘導系を用いることにより、メラノサイトの発生、分化及びメラニン合成の全てを再現できることを確認した。
本誘導系において、上述の分化誘導培地に各濃度(12.5、25、50μg/mL)でアイヌワカメ抽出物を継続して添加し、24日間の分化誘導を実施した。その後、Cell Counting Kit-8を用いて相対細胞数を定量した。一方、細胞数定量後、細胞をPBS(-)で3回洗浄した後、2N NaOHを用いて60℃で2時間溶解し、溶解物について475nmの吸光度を測定した。その結果、細胞数当たりのメラニン合成量は濃度依存的に減少した。
これらの試験結果を以下の表1に示す。
Figure 0005852854
表1に示すように、アイヌワカメ抽出物(製造例1〜5)の全てに、顕著なメラノサイト分化誘導抑制効果が認められた。以上より、アイヌワカメ抽出物が極めて優れた幹細胞からのメラノサイト分化誘導抑制効果を有することが明らかとなり、アイヌワカメ抽出物のメラノサイト分化誘導抑制剤としての効果を確認した。
2.実験例2 アイヌワカメ抽出物のメラノサイトへの分化誘導抑制効果の評価(遺伝子発現解析)
試験例1と同様に、マウスES細胞からメラノサイトへの分化誘導を実施し、メラノサイトへの分化効率についてメラノサイトの特異的マーカー遺伝子(Mitf-M及びTyrp1)の発現を指標に評価した。
具体的には、上述の分化誘導培地に50μg/mLの濃度で実施例1で製造したアイヌワカメ抽出物を継続して添加し、24日間の分化誘導を実施した。分化誘導24日目において、細胞を回収し、PBS(-)にて2回洗浄し、Trizol Reagent(Invitrogen)によって細胞からRNAを抽出した。次いで、2-STEPリアルタイムPCRキット(Applied Biosystems)を用いて、抽出したRNAをcDNAに逆転写した後、ABI7300(Applied Biosystems)により、得られたcDNAをテンプレートとして、下記の各プライマーセットを用いたリアルタイムPCR(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を実施した。その他の操作は定められた方法に従って実施した。
Mitf-M用のプライマーセット:
5'-TGCCTTGTTTATGGTGCCTTCT-3'(配列番号1)、及び
5'-TCCCTCTACTTTCTGTAATTCCAATTC-3'(配列番号2)
Tyrp1用のプライマーセット:
5'-CAACGCTATGCTGAGGACTATGA-3'(配列番号3)、及び
5'-GCGGCTATCAGACCATGGA-3'(配列番号4)
GAPDH用のプライマーセット:
5'-TGCACCACCAACTGCTTAGC-3'(配列番号5)、及び
5'-TCTTCTGGGTGGCAGTGATG-3'(配列番号6)
各細胞のメラノサイトへの分化誘導効率については、抽出物を添加せずに分化誘導した細胞におけるメラノサイトマーカー遺伝子(Mitf-M及びTyrp1)の発現量を内部標準であるGAPDH mRNAの発現量に対する割合として算出したメラノサイト特異的マーカー遺伝子相対発現量の値を100とし、これに対し、アイヌワカメ抽出物を添加して分化誘導した各細胞におけるメラノサイト特異的マーカー遺伝子相対発現量の値を算出し、評価した。
その結果を下記の表2に示す。
Figure 0005852854
表2に示すように、アイヌワカメ抽出物(製造例1〜5)は顕著なメラノサイト分化誘導抑制効果を示した。一方で、従来の美白剤であるアルブチンは、メラノサイト分化誘導抑制効果を示さなかった。なお、製造例3の抽出物もまた製造例1の抽出物と同様の顕著なメラノサイト分化誘導抑制効果を示した。
〔実施例3〕アイヌワカメ抽出物の処方例
実施例1で製造したアイヌワカメ抽出物について、処方例として下記の製剤化を行った。
1.処方例1 ローション
Figure 0005852854
[製造方法]
成分1〜6及び12と、成分7〜11をそれぞれ均一に溶解した後、双方を混合し、濾過することで製品とした。
2.比較処方例1 従来のローション
処方例1において、アイヌワカメ抽出物を精製水に置き換えたものを従来のローションとした。
3.処方例2 クリーム
Figure 0005852854
[製造方法]
成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とした。また、成分1及び成分11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とした。次いで、油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却することで製品とした。
4.比較処方例2 従来のクリーム
処方例2において、アイヌワカメ抽出物を精製水に置き換えたものを従来のクリームとした。
5.処方例3 錠剤
Figure 0005852854
[製造方法]
成分1〜5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒に供した後、乾燥させた。成形した顆粒に成分6を加えて混合し、打錠した。1錠を0.52gとした。
6.比較処方例3 従来の錠剤
処方例3において、アイヌワカメ抽出物を精製水に置き換えたものを従来の錠剤とした。
7.処方例4 飲料
Figure 0005852854
[製造方法]
成分1〜4を成分5の一部の水に撹拌溶解した。次いで、成分5の残りの水を加えて混合した。
8.比較処方例4 従来の飲料
処方例4において、アイヌワカメ抽出物を水に置き換えたものを従来の飲料とした。
〔実施例4〕アイヌワカメ抽出物を含有する製剤のシミ及びくすみの改善作用の評価
実施例3で製造した処方例1のローション及び処方例2のクリーム並びに比較処方例1のローション及び比較処方例2のクリームを用いて、シミ及びくすみに悩む女性30人(18才〜50才)を対象に2ヶ月間の使用試験を行った。
使用後、シミ及びくすみの改善作用をアンケートにより判定した。
結果を表7に示す。
Figure 0005852854
表7に示すように、処方例1のローション及び処方例2のクリームは、比較処方例1のローション及び比較処方例2のクリームと比較して、シミ及びくすみの予防改善効果に優れていた。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題がなかった。また、処方例1のローション及び処方例2のクリームの処方成分の劣化についても問題がなかった。
また、同様に、処方例3の錠剤及び処方例4の飲料についても、経口摂取による使用試験を行ったところ、安全で優れたシミ及びくすみの予防改善作用を示した。なお、試験期間中、体調を崩した被験者は一人もなく、安全性においても問題がなかった。また、処方例3の錠剤及び処方例4の飲料の処方成分の劣化についても問題がなかった。
本発明に係るメラノサイト分化誘導抑制剤によれば、色素異常症及びシミを治療、予防及び改善することができる。例えば、本発明において見出されたアイヌワカメ抽出物を用いることにより根本からの色素異常症及びシミの解決に繋がる。本発明で見出されたアイヌワカメ抽出物を経口投与、皮膚への直接注入、塗布、貼付等により導入することで、組織に存在する未分化細胞のメラノサイトへの分化を抑制させることができる。

Claims (3)

  1. アイヌワカメの熱水抽出物又は塩酸抽出物を有効成分として含有する、幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制剤。
  2. 請求項1記載の幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制剤を含有する色素異常症改善又は治療用組成物。
  3. 請求項1記載の幹細胞からメラノサイトへの分化誘導抑制剤を含有するシミ改善用組成物。
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