JP5850317B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転写バイアスが印加される複数の転写部を有する複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置では、電圧印加部材である転写部材としての転写ローラに転写バイアス電圧が印加されたとき、トナー像の転写が行われる転写領域に流れる所定の転写電流とは別に、転写ローラと接地箇所(アース)との間に漏れ電流が流れるという問題が知られている。例えば、中間転写ベルトなどの中間転写体を介して記録媒体に転写する画像形成装置において、中間転写体の表面抵抗が低いと、その表面抵抗が低い部分を介して転写ローラと接地箇所(アース)との間に漏れ電流が流れるおそれがある。このような漏れ電流が流れると、転写領域に流れる転写電流が減少して所定の転写特性が得られず、画像品質が低下してしまうおそれがある。
上記漏れ電流を防止するため、転写ローラにスポンジローラを使用し中間転写体を挟んで感光体などの像担持体と対向する位置に転写ローラを配置した直接転写方式では、漏れ電流が発生しない表面抵抗の高い中間転写体を用いた画像形成装置が知られている。
一方、転写ローラに金属ローラを使用し像担持体と対向する位置からオフセットさせて転写ローラを配置した間接一次転写方式では、トナー像の転写に用いられる転写電流を中間転写体の表面を伝わせて像担持体に流す必要がある。従って、間接一次転写方式では、中間転写体の表面抵抗を高くすると所定の転写電流を確保することが難しくなって転写特性に問題が出てしまうので、前述のような表面抵抗の高い中間転写体を用いる対策をとることができない。そこで、転写ローラに流れる電流のうち転写電流として使われずに漏れてしまった漏れ電流を検知し、その検知された漏れ電流の分だけ所定の転写電流に上乗せして電源の出力電流(定電流)を設定する差分定電流方式の転写バイアス制御を行う画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の差分定電流方式の転写バイアス制御は、以下に示すように、一箇所の転写部の転写部材(転写ローラ)から一箇所の接地箇所に流れる漏れ電流が発生する構成を前提とするものである。転写バイアス電圧が印加される電圧印加部材である転写部材が配置された転写部を複数備え、それらの複数の転写部から一箇所の接地箇所に流れる漏れ電流が発生する構成では、複数の転写部それぞれからどの程度の漏れ電流が発生しているかが分からないため、各転写部における転写バイアス制御に差分定電流方式を使うことができない。
また、複数の転写部を備える構成の場合に上記差分定電流方式を使うために、複数の転写部のいずれか一つについてのみ漏れ電流が発生し他の転写部については漏れ電流が発生しにくくなるように装置内のレイアウトを設定することが考えられるが、この場合はレイアウト上の自由度が制約を受けるという問題がある。また、中間転写体から記録媒体へトナー像の転写を行う二次転写部の二次転写ローラから漏れ電流がある場合は、その二次転写部の転写方式として、中間転写体上のトナー像を二次転写ローラ側に引き付ける向きの静電気力を発生させる転写バイアス電圧を印加する引力ローラ方式を採用して二次転写ローラから漏れ電流を抑制する必要がある。そのため、二次転写方式として、中間転写体上のトナー像を二次転写ローラから遠ざける向きの静電気力を発生させる転写バイアス電圧を印加する斥力ローラ方式を自由に使うことができないという問題がある。
また、前述の間接一次転写方式において転写部からの漏れ電流を抑制する方法としては、中間転写体の表面抵抗の公差を縮めることが考えられるが、公差幅を直接転写方式に比べて狭くする必要があるため、コストアップにつながるという問題がある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、転写バイアスが印加されたときに接地箇所へ漏れる漏れ電流が発生し得る転写部を複数備える場合でも、コストアップを抑えるとともに装置内のレイアウト及び転写方式についての制約を回避しつつ、安定した転写特性を確保して良好な画像品質が得られる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体に形成されたトナー像の記録媒体への直接転写又は中間転写体を介した転写に用いられる複数の転写部と、前記複数の転写部それぞれにバイアスを印加するバイアス印加手段と、前記複数の転写部それぞれにおいて前記バイアスの電流の一部が直接または抵抗体を介して接地箇所に漏れ電流として流れる漏れ電流経路と、前記接地箇所に流れる漏れ電流を検知する検知手段と、前記複数の転写部それぞれに印加される画像形成用の転写バイアスを制御する制御手段と、を備えた画像形成装置であって、画像形成動作を実行していないタイミングに、前記複数の転写部のうち一部の転写部にバイアスを印加し他の転写部にバイアスを印加しない状態で前記接地箇所に流れる第1の漏れ電流を検知し、その第1の漏れ電流の検知結果に基づいて、前記一部の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正し、画像形成動作を実行していないタイミング又は画像形成動作中に、前記複数の転写部のすべてにバイアスを印加した状態で前記接地箇所に流れる第2の漏れ電流を検知し、前記第1の漏れ電流の検知結果と第2の漏れ電流の検知結果とに基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正することを特徴とするものである。
本発明によれば、転写バイアスが印加されたときに接地箇所へ漏れる漏れ電流が発生し得る転写部を複数備える場合でも、コストアップを抑えるとともに装置内のレイアウト及び転写方式についての制約を回避しつつ、安定した転写特性を確保して良好な画像品質を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体の概略構成図。 同画像形成装置の中間転写ユニットにおける転写バイアス印加の一例を示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ一次転写部の構成例を示す説明図。 中間転写ユニットにおける中間転写ベルトの裏面の表面抵抗と一次転写バイアスの漏れ電流の関係について実際に測定したデータを示すグラフ。 間接一次転写と斥力二次転写とを組み合わせた場合の一次転写バイアスの電圧、二次転写バイアスの電圧及び漏れ電流の測定値をそれぞれ同時に記録したグラフ。 本実施形態の画像形成装置における二次転写バイアスの漏れ電流について実測したグラフ。 2種類の紙種A,Bについて用紙の第一面及び第二面に対応する漏れ電流の最大値を記録したグラフ。 一次転写バイアスの漏れ電流を温湿度に着目して測定した測定値を記録したグラフ。 二次転写バイアスの漏れ電流を同様に温湿度に着目して測定した測定値を記録したグラフ。 低温・低湿度の使用環境における感光体の帯電電位と一次転写バイアスの漏れ電流の測定データとの関係を示すグラフ。 本実施形態の画像形成装置における制御系の要部構成の一例を示すブロック図。 本実施形態の画像形成装置における一次転写バイアスの漏れ電流測定及び電源出力電流決定の手順の一例を示すフローチャート。 他の実施形態に係る画像形成装置における二次転写バイアスローラの複数種類の抵抗についてクリーニングバイアスの電源出力電流値と漏れ電流の測定値との関係を示すグラフ。 同画像形成装置における用紙の第一面通紙時における二次転写バイアスの電源出力電流と漏れ電流の測定値との関係を示すグラフ。 同画像形成装置における用紙の第二面通紙時における二次転写バイアスの電源出力電流と漏れ電流の測定値との関係を示すグラフ。 クリーニングバイアス印加時における漏れ電流の測定値と二次転写バイアスが印加される用紙の第一面通紙時における漏れ電流の測定値と差を示すグラフ。 用紙の第一面通紙時における漏れ電流の測定値と第二面通紙時における漏れ電流の測定値との差を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[実施形態1]
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体の構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置10は、4連タンデム中間転写方式及び斥力二次転写方式を採用した電子写真式のカラー画像形成装置(プリンタ)である。同図において、画像形成装置10は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す。)のトナー像を生成するための4つの画像形成部としての作像ユニット11Y,M,C,Kを備えている。作像ユニット11Y,M,C,Kは、画像形成物質として互いに異なる色のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。以下、Yトナー像を作像するための作像ユニット11Yを例に挙げて説明する。
作像ユニット11Yは、ユニットの状態でプリンタ本体に対して脱着可能に構成され、像担持体としてのドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置3Y、現像装置4Y等を有している。
帯電装置3Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される感光体1Yの表面を一様帯電させる。一様帯電した感光体1Yの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像装置4Yによって現像されてYトナー像になり、中間転写体としての中間転写ベルト21上に一次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、一次転写工程を経た後の感光体1Y表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色の作像ユニット(11M,C,K)においても、同様にして感光体(1M,C,K)上に(M,C,K)トナー像が形成されて、中間転写ベルト21上に重ね合わせて一次転写される。
また、画像形成装置10内の上部には、4つの作像ユニット11Y,M,C,Kそれぞれに補給されるトナーを収容するトナー収容部としてのトナーボトル30Y,M,C,Kが配設されている。各トナーボトル30Y,M,C,Kには、図中左からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーが充填されている。各トナーボトル30Y,M,C,Kから図示しない搬送経路を介して所定の補給量だけ各色の作像ユニット11Y,M,C,Kの現像装置4Y,M,C,Kに補給される。
作像ユニット11Y,M,C,Kの図中下方には、潜像形成手段(露光手段)としての光書込装置5が配設されている。光書込装置5は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lにより、作像ユニット11Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体を光走査する。この光走査により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込装置5は、例えば、光源から発したレーザー光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
光書込装置5の図中下側には、記録媒体としてのシート状の用紙Pを収容する記録媒体収容手段としての用紙収容カセット31が配設されている。用紙収容カセット31は、用紙Pを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の用紙Pに給送手段としての給送ローラ32を当接させている。給送ローラ32が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されると、一番上の用紙Pが用紙供給路33に向けて送り出される。この用紙供給路33の末端付近には、レジストローラ対34が配設されている。レジストローラ対34は、用紙Pを挟み込むべく両ローラを回転させているが、挟み込むとすぐに両ローラ34の回転を一旦停止させる。そして、適切なタイミングで両ローラ34の回転を再開して用紙Pを後述の二次転写部(二次転写ニップ)に向けて送り出す。
作像ユニット11Y,M,C,Kの図中上方には、中間転写ベルト21を張架して無端移動させる中間転写ユニット20が配設されている。中間転写ユニット20は、中間転写ベルト21の他、4つの一次転写バイアスローラ22Y,M,C,K、駆動ローラとして兼用されている二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23、テンションローラとして兼用されているクリーニングバックアップローラ24、二次転写ニップ入口ローラ25なども備えている。中間転写ユニット20は、二次転写バイアスローラ23、クリーニングバックアップローラ24及び二次転写ニップ入口ローラ25の3軸によって中間転写ベルト21が支持されている構成になっている。クリーニングバックアップローラ24は、図示しない付勢手段としてのバネにより中間転写ベルト21の外周面方向(図1中の左方向)に付勢され、中間転写ベルト21に所定の張力を付与している。また、二次転写ニップ入口ローラ25は、一次転写バイアスと二次転写バイアスとの干渉を防ぐために接地されている。
また、中間転写ユニット20は、二次転写部材としての二次転写対向ローラ26、クリーニング装置27などを備えている。二次転写対向ローラ26は、中間転写ベルト21の二次転写バイアスローラ23に巻き付いている部分に用紙搬送経路を介して対向し、これにより、二次転写部(二次転写ニップ)が形成されている。二次転写対向ローラ26としては、例えばスポンジローラが用いられる。
中間転写ベルト21は、上記7つのローラ22Y,M,C,K,23,24,25にそれぞれ掛け回された状態で、二次転写バイアスローラ(駆動ローラ)23の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動する。一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kは、無端移動している中間転写ベルト21を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写部(一次転写ニップ)を形成している。
中間転写ベルト21は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。中間転写ベルト21上に形成された4色トナー像は、二次転写対向ローラ26が対向している二次転写ニップで用紙Pに転写され、用紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、用紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーはクリーニング装置27によってクリーニングされる。また、二次転写ニップで4色トナー像が一括二次転写された用紙Pは、転写後搬送路35を経由して定着装置36に送られる。
定着装置36は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ36aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ36bとによって定着ニップを形成している。定着装置36内に送り込まれた用紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ36aに密着させるようにして定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化されてフルカラー画像が定着される。
定着装置36でフルカラー画像が定着された用紙Pは、定着装置36を出た後、排紙路37から排紙ローラ対38を経由した後、機外へと排出されてプリンタ筺体の上面に設けられたスタック10a上にスタックされる。
中間転写ユニット20と、これよりも上方にあるスタック部10aとの間には、ボトル支持部39が配設されている。このボトル支持部39は、前述のトナーボトル30Y,M,C,Kを搭載している。トナーボトル30Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ図示しないトナー搬送装置により、作像ユニット11Y,M,C,Kの現像装置に適宜補給される。これらのトナーボトル30Y,M,C,Kは、作像ユニット11Y,M,C,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図2は、中間転写ユニット20における転写バイアス印加の一例を示す説明図である。中間転写ベルト21の内周面に接している一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kにはそれぞれ、1Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト21に転写させるための所定の極性及び大きさの画像形成用の転写バイアスとしての一次転写バイアスが印加されている。図示の例では、例えばバイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(直流電源)40Kにより、一次転写バイアスローラ9Kに対してトナー帯電極性とは逆極性(例えば、プラス極性)の一次転写転写バイアスが印加されている。他の一次転写バイアスローラ22Y,M,Cについても、図示しない一次転写バイアス電源(直流電源)40Y,M,Cにより、トナーとは逆極性(例えば、プラス極性)の一次転写バイアスが印加される。これらの一次転写バイアスは、定電流制御又は定電圧制御によって印加することができる。
また、二次転写対向ローラ26が対向している位置(二次転写部)で中間転写ベルト21の内周面に接している二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23には、中間転写ベルト21上の4色トナー像を用紙Pに転写させるための(4色トナー像を二次転写バイアスローラ23から遠ざける向きの静電気力(斥力)を発生させるための)所定の極性及び大きさの画像形成用の転写バイアスとしての二次転写バイアスが印加されている。図示の例では、例えばバイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(直流電源)41により、二次転写バイアスローラ23に対してトナー帯電極性と同極性(例えば、マイナス極性)の二次転写転写バイアスが印加される。この二次転写バイアスについても、定電流制御又は定電圧制御によって印加することができる。
また、二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23には、所定のタイミングで、二次転写対向ローラ26の表面をクリーニングするための所定極性(例えば、二次転写バイアスと同極性)のクリーニングバイアスを印加することができる。このクリーニングバイアスは、上記二次転写バイアスと同様に、バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(直流電源)41により、二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23に印加することができる。クリーニングバイアスの印加タイミングは、二次転写バイアスローラ23と二次転写対向ローラ26とが対向している二次転写部を用紙Pが通過していないタイミングであればよく、例えば、二次転写部を用紙Pが通過する前又は通過した後の中間転写ベルト21及び二次転写対向ローラ26が空転しているタイミングに設定される。このクリーニングバイアスの印加により、二次転写対向ローラ26の表面に付着しているトナーを除去して中間転写ベルト21側に静電的に転移させて二次転写対向ローラ26の表面をクリーニングすることができる。よって、二次転写対向ローラ26の表面に付着しているトナーによる用紙Pの地汚れを防止できる。
また、図2に示すように、黒の一次転写バイアスローラ22Kと二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23との間に位置する二次転写ニップ入口ローラ25は、電流検知手段としての電流計42を介して、接地箇所であるアースに接続されている。電流計42により、各一次転写部(一次転写バイアスローラ22Y,M,C,K)及び二次転写部(二次転写バイアスローラ23)から中間転写ベルト21を介してアースに流れる漏れ電流を測定することができる。
次に、上記構成の画像形成装置における各転写部からの漏れ電流について説明する。
上記構成の画像形成装置における一次転写部の転写方式としては、直接一次転写方式と間接一次転写方式とが主に知られている。直接一次転写方式では、一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kとしてスポンジローラを使用し、中間転写ベルト21を間に挟んで、各一次転写部の一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kをそれぞれ対応する感光体1Y,M,C,Kに突き当てて使用する。間接一次転写方式では、一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kとして金属ローラを使用し、感光体1Y,M,C,Kには突き当てずに使用する。
図3(a)及び(b)はそれぞれ一次転写部の構成例を示す説明図である。図3(a)が直接一次転写方式の一次転写部の構成例であり、図3(b)が間接一次転写方式の一次転写部の構成例である。図3(b)の間接一次転写方式を使用する場合は、中間転写ベルト21の裏面(内周面)に転写電流を伝わせることで転写を行うため、中間転写ベルト21の裏面の表面抵抗(シート抵抗)を、図3(a)の直接一次転写方式に比べて下げる必要がある。具体的には、三菱化学アナリテック社製のハイレスタUP MCP−HT450型による表面抵抗の測定値で、直接一次転写方式では1011〜1012[Ω/□](11〜12[LogΩ/□])の範囲で良好な一次転写性能を得られたのに対し、間接一次転写方式では10〜1010[Ω/□](9〜10[LogΩ/□])において良好な一次転写性能が得られた。ただし、間接一次転写方式では、前述のように低抵抗の中間転写ベルト21を使用するため、一次転写バイアスの電流が中間転写ベルト21の表面を伝わって逃げてしまう(漏れてしまう)という問題が、直接一次転写方式に比べて発生しやすい。以下、本実施形態では、この中間転写ベルト21の表面を伝わって接地箇所に漏れた電流を「漏れ電流」と呼ぶ。
前述の図1に示すように、中間転写ベルト21の感光体が対向している中間張架部の最下流側に位置する黒の作像ユニット(画像形成ステーション)11Kの一次転写バイアスローラ22Kに印加した一次転写バイアスの電流(以下、適宜「一次転写電流」という。)と、二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23に印加した二次転写バイアスの電流(以下、適宜「二次転写電流」という。)とが、アースに接続された二次転写入口ローラ25へ逃げてしまう可能性がある。このように一次転写電流の一部や二次転写電流の一部がアースに逃げてしまう(漏れてしまうと)と、一次転写部及び二次転写部における実効的な転写電流が下がることで転写不良が発生してしまう。そのため、通常は漏れ電流が発生しないように設計するか、漏れ電流を補正する機構が必要となる。例えば、本実施形態の中間転写ユニット20の構成において、中間転写ベルト21の裏面の表面抵抗が1010[Ω/□](10[LogΩ/□])以上の場合、漏れ電流は補正前の転写電流の15%以下である。
図4は、上記構成の中間転写ユニット20における中間転写ベルト21の裏面の表面抵抗と一次転写バイアスの漏れ電流(以下、適宜「一次転写漏れ電流」という。)との関係について実際に測定したデータを示すグラフである。図4の横軸は、一次転写バイアス電源(直流電源)40Kから一次転写バイアスとして出力される一次転写電流の値であり、縦軸は二次転写入口ローラ25のアース側に接続された電流計42で測定された漏れ電流の測定値である。この漏れ電流の測定を、中間転写ベルト21の裏面(内周面)の4種類の表面抵抗10,109.5,1010,1010.5[Ω/□](9,9.5,10,10.5[LogΩ/□])について行った。図4において記号A1(◆),A2(■),A3(▲),A4(×)で示したデータがそれぞれ、裏面の表面抵抗が10,109.5,1010,1010.5[Ω/□]の中間転写ベルト21について測定したデータである。
なお、二次転写入口ローラ25に漏れる漏れ電流量は、一次転写バイアスローラ22Y,M,C,K及び二次転写バイアスローラ23から二次転写入口ローラ25までの距離や、像担持体(中間転写ベルト21)の特性によって変わる。すなわち、図4の測定値は、上記図1、2で示した構成の中間転写ユニット20において測定されたものであり、中間転写ユニットの構成によって漏れ電流量の値は変わる。このことから、漏れ電流への対策を考えた場合、直接一次転写方式では所定の転写特性が得られる転写性の成立するベルト抵抗の範囲と漏れ電流を防ぐことのできる中間転写ベルト21の抵抗(ベルト抵抗)とが重なり合って両立しているため、特に対策が必要ない。一方、間接一次転写方式ではベルト抵抗を例えば1010[Ω/□](10[LogΩ/□])になるように作りこむ必要がある。一般的に抵抗の公差としては歩留まりの関係から1乗〜2乗程度は必要とされ、1乗より小さい公差とする場合、コストが非常にかさむ。従って、ベルト抵抗の調整以外での対策が必要となる。
制御による対策としては、前述のように漏れ電流分を転写バイアスの出力電流に上乗せして制御する差分定電流制御が知られている。表1に示すように、通常の定電流制御では中間転写ユニットの構成、すなわち転写電流の設定電流、ベルト抵抗(中間転写ベルト21の抵抗)、二次転写バイアスローラの抵抗、紙抵抗(記録媒体の抵抗)などの組み合わせによって、転写電流が不足する場合(実転写電流<必要転写電流)や転写電流が過剰になる場合(実転写電流>必要転写電流)が存在し、常に一定の転写性を得られない。
Figure 0005850317
上記差分定電流制御は、中間転写ユニットにおける漏れ電流を検知し、その検知結果に基づいて狙いの転写電流と漏れ電流との和を、転写バイアスの目標出力電流とし、実効的な転写電流として狙いの電流値を得られるようにした従来より知られた制御である。この差分定電流制御は、中間転写体を使用しないモノクロ画像形成装置や4連タンデム中間転写と引力二次転写方式とを組み合わせた画像形成装置で使われている例がある。ここで、引力二次転写方式とは、トナーを引き付ける極性の転写バイアス(引力バイアス)を二次転写バイアスローラ側に印加して二次転写を行う方式である。一般的に、引力二次転写方式は斥力二次転写方式に比べ、用紙の抵抗(紙抵抗)が変動した際の転写性の変化に弱いため、高画質を狙った画像形成装置においては斥力二次転写方式が好まれている。
一方、差分定電流制御がモノクロ画像形成装置や4連タンデム中間転写と引力二次転写方式とを組み合わせた画像形成装置で使用されているのは、次のような理由による。すなわち、斥力二次転写方式を用いた場合、一次転写電流だけでなく二次転写電流も二次転写入口ローラ25へ漏れてしまい、二次転写入口ローラ25へは一次転写電流及び二次転写電流の両方の電流が漏れてくるので、差分定電流制御が使えない。これに対し、引力二次転写方式を用いた場合は、二次転写電流が二次転写入口ローラ25へ漏れないため、二次転写入口ローラ25へは一次転写電流のみ漏れてくることになり、差分定電流制御を使用することができる。また、中間転写体を使用しないモノクロ画像形成装置では、搬送ベルト等を使用した際に、搬送ベルトから引力転写バイアスが漏れる場合がある。しかしながら、この場合の漏れ電流は、搬送ベルトからの引力転写バイアスの漏れ電流のみであるので、やはり差分定電流制御を使用することができる。
従って、図1のような4連タンデム中間転写(間接一次転写使用)方式と斥力二次転写方式とを組み合わせた画像形成装置では、制御による漏れ電流対策すなわち差分定電流制御を使用したによる漏れ電流対策が困難であると考えられている。特に、間接一次転写を使用する場合はコストアップはするものの、中間転写ベルト21の抵抗(ベルト抵抗)を小さい公差で作り込むことで、上記漏れ電流対策を行うしかなかった。
本実施形態の画像形成装置は、中間転写ベルト21の抵抗(ベルト抵抗)の公差を従来装置に比べて縮めることなく、漏れ電流についての問題を制御で解決するものである。
なお、本実施形態の中間転写ユニット20の構成では、間接転写方式の場合のみ漏れ補正が必要となったが、漏れ補正が必要かどうかは転写方式とは別の問題であり、直接転写方式や他の転写方式であっても漏れ電流を補正する必要があるような場合はあり得る。本発明は転写方式については特に限定されることなく適用することができるため、直接転写方式や他の転写方式において転写バイアスについて漏れ電流を補正する必要がある場合は、本実施形態と同様に制御を行うことにより本発明を同じように適用することができる。
図5は、間接一次転写と斥力二次転写とを組み合わせた場合の一次転写バイアスの電圧、二次転写バイアスの電圧及び漏れ電流の測定値をそれぞれ同時に記録したグラフである。図5中の曲線B1が一次転写バイアスの電圧、曲線B2が二次転写バイアスの電圧、及び曲線B3が漏れ電流の測定値を示している。二次転写入口ローラ25への漏れ電流としては、一次転写バイアス及び二次転写バイアスの両方の漏れ電流が重ね合わされて流れてくる。その結果、一次転写バイアスの漏れ電流及び二次転写バイアスの漏れ電流の合計が観測される。また、図5の測定では、一次転写バイアスの電流がプラス(引力)の電流であり、二次転写バイアスがマイナス(斥力)の電流であるため、お互いを打ち消すような値が観測される。そのため、一次転写バイアス及び二次転写バイアスのどちらがどれだけ漏れているのかがわからないので、差分定電流制御を適用することができない。そこで、本実施形態では、一次転写バイアスの漏れ電流が変化する要因と二次転写バイアスの漏れ電流が変化する要因とが互いに異なることを利用して、それぞれの漏れ電流を測定することにより、差分定電流制御を一次転写バイアス及び二次転写バイアスの両方に適用できるようにした。
次に、本実施形態の画像形成装置における差分定電流制御の原理について説明する。
図6は、本実施形態の画像形成装置における二次転写バイアスの漏れ電流について実測したグラフである。図6のグラフの横軸は時間であり、縦軸が二次転写バイアスの漏れ電流の測定値である。図6の測定ではA3サイズの同一の紙を通紙しているが、漏れ電流の最大値と最小値との差分(max−min)で5μA程度のバラつきがある。これは、同一の紙種であっても(同一パックの用紙であっても)、1枚1枚のバラつきや局所的なバラつきが大きいことを示している。この結果から、紙種は無数に存在しているため、紙種ごとに漏れ電流量が大きく異なることが予想される。
図7は、2種類の紙種A,Bについて用紙の第一面及び第二面に対応する漏れ電流の最大値を記録したグラフである。図7のグラフの横軸は二次転写バイアス電源41の出力電流値である。図7中の曲線C1及びC2のデータはそれぞれ、紙種Aの用紙(以下、適宜「用紙A」という。)の第一面及び第二面にトナー像を転写するように用紙を二次転写部に通過させているときの漏れ電流の測定データである。また、曲線C3及びC4のデータはそれぞれ、紙種Bの用紙(以下、適宜「用紙B」という。)の第一面及び第二面にトナー像を転写するように用紙を二次転写部に通過させているときの漏れ電流の測定データである。ここで、「第一面」は、用紙の表裏二つの面それぞれにトナー像を転写して形成する場合の、トナー像が先に転写される面(おもて面)である。また、「第二面」は、上記先にトナー像が転写された第一面とは反対側の面(裏面)である。
図7に示すように、各用紙A,Bについて、第一面にトナー像が二次転写されるように用紙が二次転写部を通過しているとき(以下、必要に応じて、「第一面通紙時」という。)と、第二面にトナー像が二次転写されるように用紙が二次転写部を通過しているとき(以下、必要に応じて、「第二面通紙時」という。)とでは、漏れ電流が大きく異なる。これは、定着装置36によって用紙が加熱され水分量が変動することにより抵抗値が大きく変わるためである。このように二次転写バイアスの漏れ電流は、用紙の紙種に応じて変動だけでなく、同一紙種の1枚の用紙でも場所によって細かく変動する。
図8は、一次転写バイアスの漏れ電流を温湿度に着目して測定した測定値を記録したグラフである。図9は二次転写バイアスの漏れ電流を同様に温湿度に着目して測定した測定値を記録したグラフである。図8及び図9それぞれの横軸は、一次転写バイアス電源40及び二次転写バイアス電源41それぞれの出力電流値である。また、図8及び図9それぞれにおいて、曲線D1,E1のデータは標準の温湿度の使用環境での漏れ電流の測定データを示し、曲線D2,E2のデータは標準よりも低温・低湿度(LL)の使用環境での漏れ電流の測定データを示し、曲線D3,E3のデータは標準よりも高温・高湿度(HH)の使用環境での漏れ電流の測定データを示している。
図8及び図9における測定結果は、一次転写バイアス及び二次転写バイアスともに、温湿度の変化が起こると漏れ電流が変わることを示している。ただし、その漏れ電流の変化の割合としては一次転写バイアスよりも二次転写バイアスの方が大きい。これは、各々の転写部における対向部材が異なることに起因している。一次転写部ではベルト体積方向(中間転写ベルト21の厚さ方向)の電気抵抗と感光体の電気抵抗の合計が対向部材の電気抵抗となる。一方、二次転写部ではベルト体積方向(中間転写ベルト21の厚さ方向)の電気抵抗と二次転写バイアスローラ23の電気抵抗の合計が対向部材の電気抵抗となる。上記ベルト体積方向の抵抗は一次転写部及び二次転写部で共通であるが、中間転写ベルト21のベルト抵抗は体積抵抗及び表面抵抗ともにほぼ変動しないことがわかっている。そのため、温湿度によって感光体と二次転写バイアスローラ23の電気抵抗がどのように変わるかが、漏れ電流の変動を特徴付ける。本実施形態において二次転写バイアスローラ23はスポンジローラであり、使用環境による電気抵抗の変動が感光体より大きいため、二次転写バイアスの漏れ電流の方が温湿度の変動に対して大きく変動している。なお、図8及び図9の測定は非通紙時に測定しているため、通紙時における二次転写バイアスの漏れ電流としてはさらに用紙の抵抗の分だけ上乗せされる。
図10は、低温・低湿度の使用環境における感光体の帯電電位と一次転写バイアスの漏れ電流の測定データとの関係を示すグラフである。図10の横軸は、一次転写バイアス電源40の出力電流値である。また、図10における曲線F1,F2,F3,F4及びF5のデータはそれぞれ、感光体の帯電電位が0[V],350[V],450[V],600[V]及び750[V]の場合の一次転写バイアスの漏れ電流の測定データを示している。
図10において、低温・低湿度の使用環境での測定データを掲載しているのは、低温・低湿度の使用環境では感光体の静電容量が大きくなるため、帯電電位が変動した際の感光体上の電荷量変化が大きく、一次転写バイアスの漏れ電流の変化に対して敏感なためである。帯電電位が0Vの場合を除くと、一次転写バイアスの漏れ電流の変動としてはせいぜい3[μA]であった。さらに、実際の帯電電位の制御では特定の使用環境下ではせいぜい200[V]程度の幅で制御するようにしているため、実際はこれよりも小さい漏れ電流の変動幅である。
表2は、上記一次転写バイアスの漏れ電流及び二次転写バイアスの漏れ電流についてまとめたものであり、各種ノイズ・バラつきに対する漏れ電流値の変動量を示した表である。
Figure 0005850317
表2において、「×」は変動が大きい、「△」は変動が中程度、「○」は変動が少ない、「◎」は変動が一切ないことをそれぞれ示している。表2に示すように、一次転写バイアスの漏れ電流は、中間転写ユニット20の特性値(ベルト抵抗)と温湿度とによってほぼ決定され、作像プロセス条件によって僅かに影響を受ける。これに対し、二次転写バイアスの漏れ電流は作像中にリアルタイムで大きく変動する。以上の結果から、一次転写バイアスの漏れ電流は装置の立ち上げ時や温湿度が変動したときに測定しておけば、十分であることがわかった。一方、二次転写バイアスの漏れ電流についてはできるかぎりリアルタイムで補正することが望ましいことがわかった。ただし、情報処理に制約などがある場合、紙種さえ固定されれば、リアルタイムでなくともある程度の補正が可能である。また、後述の実施形態2、3に示するように2次転写バイアスを補正制御することも有効である。
次に、本実施形態の画像形成装置における転写バイアス制御について説明する。
図11は、本実施形態の画像形成装置における制御系の要部構成の一例を示すブロック図である。同図において、制御手段としての制御部200は、CPU201と、制御プログラムや各種データを記憶したROM202と、各種データを一時的に記憶するRAM203とを有している。この制御部200には、各周辺制御部との間で信号をやりとりするためのI/Oインターフェース204を介して、一次転写バイアス電源40Y,M,C,K、二次転写バイアス電源41、電流計42などが接続されている。制御部200は、予め組み込まれた所定の制御プログラムを実行することにより、二次転写入口ローラ25に流れる漏れ電流の検知・測定、一次転写バイアス及び二次転写バイアスの設定変更(補正)、一次転写バイアス及び二次転写バイアスの印加などを制御することができる。
まず、制御部200は、「一次転写バイアスの漏れ電流の測定」が必要か否かを、以下のタイミング条件(T1)〜(T5)で判定する。これらのタイミング条件(T1)〜(T5)のいずれかに該当する場合に、一次転写バイアスの漏れ電流の測定を行う。
(T1)その日の最初の立ち上げ時
(T2)前回測定時からの温湿度の変化が閾値以上(例えば、温度が7度以上の変動、または湿度が30%RH以上の変動のいずれかがあった場合)
(T3)中間転写ユニットの脱着時
(T4)黒の作像ユニット11Kの脱着時
(T5)プロセスコントロール実施後(黒用の感光体1Kの帯電電位調整時)
通常は、上記(T2)に該当するときに「一次転写バイアスの漏れ電流の測定」を実施すれば効果を得ることができるが、より高い効果を得るために上記(T1)、(T3)、(T4)及び(T5)に該当するときにも「一次転写バイアスの漏れ電流の測定」を実施するのが好ましい。上記(T1)〜(T5)のいずれかに該当するときに「一次転写バイアスの漏れ電流の測定」を実施するかは、ユーザーのニーズに応じて取捨選択すれば、調整時間と画質とのバランスを取ることができる。
図12は、本実施形態の画像形成装置における一次転写バイアスの漏れ電流測定及び電源出力電流決定の手順の一例を示すフローチャートである。
図12において、まず、Bk当接モードで中間転写ベルト21及び感光体を回転させる(S101)。ここで、「Bk当接モード」とは、図1には図示していない接離機構を用いて黒色以外のカラーの感光体1Y,M,Cを中間転写ベルト21から離間させ、黒用の感光体1Kのみを中間転写ベルト21に当接させた状態のモードである。作像ユニットの寿命の観点から、Bk当接モードを使用しているが、全色の感光体1Y,M,C,Kを当接した状態で行っても同様の効果を得ることはできる。なお、このとき二次転写バイアスローラ23は中間転写ベルト21に対して当接及び離間のどちらでもよい。この状態で、現在の作像プロセスの条件に合わせた帯電電位で感光体1Kを帯電させる(S102)。そして、この状態で、一次転写バイアスを10[μA]の定電流制御で出力し、一次転写バイアスをオンしてから3秒後の漏れ電流(第1の漏れ電流)を測定して記録する(S103)。
次に、一次転写バイアスをいったんオフしてから、一次転写バイアスを25[μA]の定電流制御で出力して同様のことを行う(S104、S105)。これら2種類(2水準)の一次転写バイアス(10[μA]及び25[μA])で定電流制御したときの漏れ電流の測定値(第1の漏れ電流)をそれぞれJ1[10]、J1[25]と書くこととする。このとき、一次転写バイアス電源の出力電流である電源出力電流xに対して、漏れ電流をyとして、一次式y=ax+bで示すように線形の近似を行い、その近似式の係数aと定数bを求める。具体的には、a及びbの値は、次の(1)式及び(2)式の値となる。
a=(J1[25]−J1[10])/15 ・・・(1)
b=(25×J1[10]−10×J1[25])/15 ・・・(2)
ここで、一次転写部での転写に必要な電流をJとすると、一次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値としての目標電流値Iは、下記の(3)式のように決定して設定すればよい(S106)。なお、実際の画像形成動作時においては、一次転写バイアスの電源出力電流として次の(3)式で計算される目標電流値Iを使用し、一次転写バイアスの制御を行う。
I=(J+b)/(1−a)
=(15×J+25×J1[10]−10×J1[25])/(15−J1[25]−J1[10]) ・・・(3)
次に、二次転写バイアスの電流については、画像形成動作を実行している際にリアルタイムに補正を行う。ここで、一次転写バイアスの漏れ電流J1[I]をJ1[I]=aI+bとすると、一次転写バイアス及び二次転写バイアスの両方を印加しているときの漏れ電流(第2の漏れ電流)J[R]は、上記一次転写バイアスの漏れ電流J1[I]と二次転写バイアスの漏れ電流との合計となる。従って、上記漏れ電流J[R]の測定値に対して、J[R]−J1[I]で算出される電流値が、二次転写バイアスの漏れ電流となる。
二次転写バイアスの電源出力電流I2は、目標の転写電流J2に対して、次の(4)式及び(5)式に示すように、画像形成動作を実行している際にリアルタイムに制御を行う。このとき、一次転写バイアスの漏れ電流J1[I]は計算値を使ってもよいし、いずれかのタイミング(例えば、上記タイミング条件(T1)〜(T5))で実際に測定を行い、その測定値を使ってもよい。
I2=J2+J[R]−J1[I] (一次転写バイアスがオンのとき)・・(4)
I2=J2+J[R] (一次転写バイアスがオフのとき)・・(5)
以上のように、一次転写バイアス及び二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値について制御を行うことにより、部品のコストアップなしで一次転写バイアス及び二次転写バイアスの両方について狙いの実効転写電流を得ることができる。
なお、本実施形態においては、上記漏れ電流について補正する転写バイアスの制御の計算及びフィードバックは全てソフトウェアの処理によって実施しているが、これらの回路を電源基板に直接組み込んでもよい。この場合はソフトの負荷を増やすことなく同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では漏れ電流が電源出力電流に対して一次関数で近似できるとして前述の(1)式を用いた。この一次関数での近似は、図8に代表されるように、本願発明者らが実測を行ったところ一次関数の近似によって実際の使用電流領域では十分な精度が得られることを発見したことから採用を決めたものである。ただし、漏れ電流と電源出力電流との関係については、装置を構成する部品の電気的な性質に依るところが大きく、電気抵抗の電圧依存性が大きい場合には他の関数で近似した方が良い場合もある。その場合は適切な近似方法を用いることで、より良い効果を得ることができる。上記実施形態のように一次関数で近似ができる場合は、計算処理が容易になるため、これを用いるとよい。
また、本実施形態において上記漏れ電流測定時の電源出力電流の設定値は他の数値でもよいし、定電圧制御を元にしてもよい。漏れ電流を測定する測定点(転写バイアス電源の電源出力電流の点)を1点に省略したり、あるいは3点以上としてもよく、上記実施形態と同様な効果を得ることはできる。
[実施形態2]
次に、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態2は、上記実施形態1の場合よりも二次転写バイアスの補正を簡素化したものである。なお、本実施形態2についての以下の説明において、上記実施形態1と同様な構成及び制御については説明を省略する。
上記実施形態1では、二次転写バイアスの電源出力電流の補正を画像形成動作中にリアルタイムで行っているが、ソフト処理の性能によっては遅延などが問題となることがある。例えば、ソフトウェアによる計算を行って補正する場合はその計算のためのCPUなどのハードウェアの負荷が大きくなり、計算遅延による補正の遅れや、負荷増大によるジャムの誤検知等が発生する可能性がある。そのため、ソフト処理を行うCPUなどのハードウェアとして高性能なものが要求されたり、また、リアルタイム補正であるため紙突入時の高圧電源の出力について高い追従性が要求されたりする場合がある。一方で、ソフト的な補正ではなく電子回路にて補正を行うことも考えられるが、この場合はコスト増となる。ソフト的な処理を前提としてハードウェア性能を上げることもコスト増となる。また、リアルタイムでの補正は、ソフト的な計算による負荷が高くなるため、高性能のハードウェアが組み込まれている大型の機械等に向いており、組み込まれているハードウェアの性能が低い比較的小型の機械では適用することが難しい場合がある。
そこで、本実施形態2では、二次転写バイアスの補正について簡略化することにより、ソフト処理の負荷を低減し、コスト増を抑えつつ画質の安定化を図っている。
既に述べたように、二次転写バイアスの漏れ電流は、用紙Pの紙種によって大きく変動したり、トナー像が二次転写される面が用紙Pの第一面(おもて面)であるか第二面(裏面)であるかによって大きく変動したりする。また、二次転写バイアスの漏れ電流は、同一用紙の紙面内でもばらつく。そのため、二次転写バイアスの電源出力電流は、上記実施形態1のように画像形成動作中にリアルタイム補正が最も望ましい。しかし、上記漏れ電流の紙面内でのバラつきは前述の紙種などに比べると影響が少ない。そこで、本実施形態2では、二次転写バイアスの電源出力電流に対する補正値を、用紙Pの紙種ごとに決めたり、用紙Pの印字面(画像形成面)ごとに決めたりしている。これにより、画像形成動作中にリアルタイムに補正を行わずに済み、ソフト負荷を低減することができる。
具体的には、上記二次転写バイアスの電源出力電流に対する補正値を次のように決定することができる。なお、一次転写バイアスの補正の部分(図12のS101〜S106参照)は上記実施形態1と共通であるので、二次転写バイアスの漏れ電流測定及び補正から説明する。
まず、二次転写部に用紙Pの先端部が到達したところで、二次転写入口ローラ25を流れる漏れ電流を検知し、二次転写バイアスの電源出力電流の値として、上記(4)式及び(5)式に基づいて計算した値I2を用いる。用紙Pの通紙中は最初に検知した検知結果に基づいて算出した電源出力電流の値I2でロックし、追加の検知は行わない。
次の用紙P’の先端部が二次転写部に到達したところで、同様に、その用紙P’の先端部で漏れ電流の検知のみ行い、この検知した検知結果と上記(4)式及び(5)式とに基づいて計算した電源出力電流の値I2’が、現在ロックしている上記電源出力電流の値I2と一定値以上(例えば、5[μA]以上)の差異があった場合は、二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値を、新たな電源出力電流の値I2’に更新し、この新たに決定した電源出力電流の値I2’を用いて二次転写を行う。
また、本実施形態2においても、上記二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値として、用紙Pの第一面通紙時における電源出力電流の制御目標値と第二面通紙時における電源出力電流の制御目標値の2種類を設定してもよい。この場合は、1面の通紙に1回の補正で済むため、ソフト負荷を大幅に減らすことができる。
また、本実施形態2では、通常の用紙とは抵抗水準が大きく異なる用紙がセットされた場合でも、そのセットされた用紙に応じて、上記二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値を適正値に更新できるため、安定した品質を提供することが可能になる。
以上、本実施形態2によれば、二次転写バイアスの補正について簡略化することにより、ソフト処理の負荷を低減し、コスト増を抑えつつ画質の安定化を図ることができる。また、本実施形態2の二次転写バイアスの補正制御は、リアルタイムでの補正は行わないので、高性能のハードウェアが組み込まれている大型の機械等だけでなく、組み込まれているハードウェアの性能が低い比較的小型の機械についても適用することができ汎用性が高い。
[実施形態3]
次に、本発明の更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態3についての以下の説明において、上記実施形態1や実施形態2と同様な構成及び制御については説明を省略する。
本実施形態3は、上記実施形態2の場合と同様に、二次転写バイアスの補正について簡略化することにより、ソフト処理の負荷を低減し、コスト増を抑えつつ画質の安定化を図っている。
また、上記実施形態2では、用紙Pの先端部で漏れ電流を検知して、その漏れ電流の値を使用することでリアルタイム動作を行わない方法を例示したが、用紙Pの先端部での検知は先端余白の幅(搬送方向の長さ)とプロセス線速(中間転写ベルトや二次転写ローラなどの線速)とに制約がかかるおそれがある。つまり、用紙Pの先端余白が二次転写部を通過し終わるまでには狙いの転写電流を印加し始めたいので、用紙Pの先端余白について検知を行った後、その先端余白が二次転写部を通過する期間(例えば、用紙Pの搬送方向における先端余白の幅[mm]をプロセス線速[mm/秒]で割った値)内に漏れ電流の検知・計算・電源出力の制御の全てを終わらせる必要がある。このような制御の時間的な制約を無くすことも製品設計においては重要である。
そこで、本実施形態3では、二次転写バイアスの補正制御について時間的な制約を加えることなく、二次転写バイアスの補正についてのソフト処理の負荷を低減し、コスト増を抑えつつ画質の安定化を図っている。
[実施形態3の補正制御例1]
本実施形態3における二次転写バイアス(二次転写電流)の第1の補正制御例(補正制御例1)は、次の(1)〜(3)に示す流れで行う。
(1)二次転写バイアスローラ23にクリーニングバイアスを印加しているクリーニングバイアス印加時の漏れ電流J2を検知する。なお、このときは既に一次転写バイアス(一次転写電流)を、一次転写バイアス電源40Y,M,C,Kから一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kに電源出力電流Iとして印加しており、このときの漏れ電流(一次転写漏れ電流)をi=I−Jとする。ここで、Jは、一次転写部での転写に必要な一次転写電流である。
(2)次に、クリーニングバイアス印加時に検知した漏れ電流J2から一次転写漏れ電流iを引いた値すなわちJ2−iの値を狙いの二次転写電流に加えた値を、用紙の第1面通紙時における二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値T2_1として設定する。
(3)次に、用紙の第一面通紙時におけるある規定のタイミングで漏れ電流(第3の漏れ電流)J2_1を検知し、用紙の第二面通紙時における二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値T2_2を設定する。このとき、漏れ電流J2_1の検知タイミングが一次転写バイアス(一次転写電流)の印加タイミングと重なる場合は、上記(2)と同様に、J2_1−iの値を狙いの二次転写電流値に加えたものを、二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値T2_2として設定する。一方、漏れ電流J2_1の検知タイミングが一次転写バイアス(一次転写電流)の印加タイミングと重ならない場合は、狙いの二次転写電流値に漏れ電流J2_1を加えたものを、二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値T2_2として設定する。
なお、これらの補正を行う際に、二次転写バイアス(二次転写電流)の補正のための式に係数をかけたり定数を加えたりすることにより補正精度を上げると、より良い効果が得られる。この係数及び定数については詳しく検討した結果を後に述べる。
以上のような二次転写バイアス(二次転写電流)の補正制御により画質を安定させることができるのは、以下の理由による。
図13は、二次転写バイアスローラ23の複数種類の抵抗について中間転写ベルト21及び二次転写対向ローラ26を空転させた空転時に二次転写バイアスローラ23に印加されるクリーニングバイアスの電源出力電流値と漏れ電流の測定値との関係を示すグラフである。図13の横軸は、二次転写バイアス電源41からクリーニングバイアスとして出力される電源出力電流の値であり、縦軸は二次転写入口ローラ25のアース側に接続された電流計42で測定された漏れ電流の測定値である。この漏れ電流の測定を、二次転写バイアスローラ23の4種類の抵抗107.25,10,106.75,106.5[Ω](7.25,7,6.75,6.5[LogΩ])について行った。図13中のデータG1(◆),G2(■),G3(▲),G4(×)はそれぞれ、抵抗が107.25,10,106.75,106.5[Ω]の二次転写バイアスローラ23について測定したデータである。
また、図14及び図15はそれぞれ、用紙A(紙種Aの用紙)の第一面通紙時及び第二面通紙時における二次転写バイアス(二次転写電流)の電源出力電流と漏れ電流の測定値との関係を示すグラフである。なお、図14及び図15におけるデータH1及びI1(◆),H2及びI2(■),H3及びI3(▲),H4及びI4(×)はそれぞれ、抵抗が107.25,10,106.75,106.5[Ω]の二次転写バイアスローラ23について測定したデータである。
また、図16は、図13〜図15のデータに基づいて算出された、クリーニングバイアス印加時(空転時)における漏れ電流の測定値と二次転写バイアスが印加される用紙Aの第一面通紙時における漏れ電流の測定値と差を示すグラフである。図16の横軸は、クリーニングバイアス印加時(空転時)における漏れ電流Jcの測定値[−μA]である。また、縦軸はクリーニングバイアス印加時(空転時)における漏れ電流Jcの測定値と用紙Aの第一面通紙時における漏れ電流Jt1と差(ΔJ=Jc−Jt1)の絶対値[μA]である。なお、図16における記号◆,■,▲,×で示すデータはそれぞれ、抵抗が107.25,10,106.75,106.5[Ω](7.25,7,6.75,6.5[LogΩ])の二次転写バイアスローラ23について測定したデータに対応している。また、図16の「使用しない立ち上がり部分」と記載した一点鎖線の枠内の4つのデータは、二次転写バイアスの電源出力電流が5[μA]のときのデータであり、転写電流が不十分であるため、現実的にはこの領域のデータは使用しない。図16の前述の枠を除くと、用紙の有無による漏れ電流の差が概ね3[μA]〜5[μA]に分布していることがわかる。従って、クリーニングバイアス印加時の漏れ電流+4[μA]を補正量として使うだけで、紙種Aについては±1[μA]程度の精度で漏れ電流を推定できることになる。一方で、紙種は様々存在するため、例えば前述の図7に記載の紙種Bであれば、紙種Aと比較して2[μA]程度漏れ電流が大きい。従って、ここの補正量に加える定数については、抵抗の異なるいくつかの紙種の結果から、最適なところを選ぶ必要はあり、実際には±2〜3[μA]程度の精度となる。この漏れ電流が±2〜3[μA]という数値は第一面であれば十分問題ないと考えられる電流誤差であるため、クリーニングバイアス印加時の漏れ電流から予測して補正することで、画質の安定性を図ることが可能となる。
図17は、図14及び図15のデータに基づいて算出された、用紙Aの第一面通紙時における漏れ電流の測定値と第二面通紙時における漏れ電流の測定値との差を示したグラフである。図17の横軸は、二次転写バイアスの電源出力電流値[−μA]である。また、縦軸は用紙Aの第一面通紙時における漏れ電流(第一面漏れ電流)Jt1の測定値と第二面通紙時における漏れ電流(第二面漏れ電流)Jt2の測定値と差(ΔJ=Jt2−Jt1)[−μA]である。なお、図17における記号◆,■,▲,×で示すデータはそれぞれ、抵抗が107.25,10,106.75,106.5[Ω](7.25,7,6.75,6.5[LogΩ])の二次転写バイアスローラ23について測定したデータに対応している。図17において重要なのは、用紙Aの第一面通紙時における二次転写バイアスの電源出力値に基づいて、第二面通紙時における漏れ電流を二次転写部の負荷の大小によらず同じように見積もれる点である。例えば、15[μA]のデータに注目すると、どの抵抗の二次転写ローラであっても約1.2[μA]ほど漏れ電流が増加していることがわかる。そして、そのバラつきは±0.2[μA]程度である。従って、用紙の第一面通紙時における漏れ電流の測定値がわかっていれば、その用紙の第二面通紙時における漏れ電流の測定値は、二次転写バイアスローラ23の抵抗の大小にかかわらず、すなわち二次転写部の負荷の大小にかかわらず、クリーニングバイアス単独の印加で測定される漏れ電流から見積もる場合よりも精度良く見積もることができる。そして、このように見積もって予測した用紙の第二面通紙時における漏れ電流と所望の二次転写電流とに基づいて補正された二次転写バイアスを、用紙の第二面にトナー像を転写するときに印加することができる。これにより、用紙の第二面についても画質の安定性を達成することができる。
なお、用紙の第一面通紙時の漏れ電流と第二面通紙時の漏れ電流との差は、その用紙の種類によって異なる。例えば、前述の図7及び図17を参照すると、用紙A(紙種Aの用紙)の場合における第一面通紙時の漏れ電流と第二面通紙時の漏れ電流との差は1[μA]〜2[μA]程度の差である。これに対し、用紙B(紙種Bの用紙)の場合における第一面通紙時の漏れ電流と第二面通紙時の漏れ電流との差は、4[μA]〜5[μA]程度になっている。用紙Aは普通紙と区分される紙厚を有し、用紙Bは厚紙と区分される紙厚を有する。定着装置36が加熱式定着を使用している場合、一般に、用紙の第一面と第二面との違いとして含水分量の変化がある。用紙の第一面へトナー像が転写された用紙が定着装置36を通過することで用紙の内部の水分が蒸発するため、用紙の含水分量が低下する。従って、その後に用紙の第二面にトナー像を転写する第二面通紙時には、その用紙の抵抗が第一面通紙時より上昇している。用紙の水分量としては、多くの場合、普通紙よりも厚紙の方が多い。そのため、厚紙の場合には、第一面通紙時時と第二面通紙時との間で用紙の抵抗変動が大きく、漏れ電流の変化量も大きい。従って、厚紙の用紙Bでは、第一面通紙時時と第二面通紙時との間で4[μA]〜5[μA]ほど漏れ電流が変化している。このような傾向があるため、前述の第一面通紙時における漏れ電流と第二面通紙時における漏れ電流との差については、紙種・紙厚ごとに最適化して変えておき、どの種類の用紙が設定されているかに応じて使い分けることで、用紙の種類に応じて二次転写バイアスをより正確に補正し適切な二次転写バイアスを印加することができる。
また、用紙の抵抗自体も厚い方が高くなりやすいので、用紙の第一面通紙時における二次転写バイアスの補正量についても紙種・紙厚ごとに変えておくことが望ましい。そこで、本補正制御例1では、用紙の第一面通紙時及び第二面通紙時それぞれにおける二次転写バイアスの電源出力電流値T2_1及びT2_2をそれぞれ、次の(6)式及び(7)式のように決定して補正している。
T2_1=α1×(J2−i)+β1 ・・・(6)
T2_2=α2×(J2_1−i)+β2 ・・・(7)
ここで、上記(6)式及び(7)式におけるJ2はクリーニングバイアス印加時における漏れ電流であり、J2_1は用紙の第一面通紙時における漏れ電流であり、iは一次転写部の漏れ電流である。前述のように、用紙の第一面通紙時の漏れ電流の検知タイミングと一次転写バイアス(一次転写電流)印加のタイミングが重ならない場合は、上記式中の一次転写部の漏れ電流iの項を除く。
また、上記(6)式及び(7)式におけるα1及びα2は係数であり、β1及びβ2は定数である。これらの係数α1、α2及び定数β1、β2の値としては、例えば表3のように事前に決めた値を使用する。
Figure 0005850317
なお、上記係数α1、α2及び定数β1、β2の値は、例えば表4のように、低温低湿度(LL)の環境、標準環境、高温高湿(HH)等、画像形成装置が設置されている使用環境によって最適化を行ってもよい。この場合は、用紙の第一面通紙時及び第二面通紙時それぞれにおける二次転写バイアスの出力電流値T2_1及びT2_2を、使用環境に応じてより精度良く補正することができる。
Figure 0005850317
典型的な傾向として、低温低湿(LL)の使用環境においては、用紙の水分量が減るため、第一面通紙時においても用紙の抵抗が高く、第一面通紙時と第二面通紙時との間の用紙の抵抗の差異は小さい。そこで、上記定数β2は用紙の紙厚によらず小さく、上記定数β1は大きく設定する。逆に、高温高湿(HH)の使用環境においては、第一面通紙時における用紙の抵抗が低く、第二面通紙時においては、第一面通紙時から用紙の水分量が大きく変わるため用紙の抵抗が高くなる。そのため、β1は小さく、β2は大きく設定する。しかし、これら定数の値は、転写ユニットの特性や定着装置の特性にも影響されるため、装置の設計に応じて最適化してもよい。
また、本実施形態3の補正制御例1においては、クリーニングバイアス印加時における漏れ電流を検知したが、クリーニングバイアス印加時に漏れ電流を検知しなくても同様の制御は可能である。例えば、クリーニングバイアス印加時には漏れ電流を検知しないで、一次転写部の漏れ電流を検知した直後に、二次転写バイアス印加時の漏れ電流を検知しておいてもよい。この場合、再度漏れ電流の検知をしなおすまで、一次転写部の漏れ電流の値及び二次転写部を用紙が通過する二次転写バイアス印加時における漏れ電流の値として前回検知した値を使用して補正制御を行う。また、この場合、二次転写バイアス印加時の漏れ電流の検知タイミングが一次転写バイアスの印加タイミングと重なるか否かに応じて、二次転写バイアスの出力電流値の設定に一次転写部の漏れ電流iを考慮するか否かを変える点は、前述のクリーニングバイアス印加時と同様である。例えば、二次転写バイアス印加時の漏れ電流J2_1の検知タイミングが一次転写バイアスの印加タイミングと重なる場合は、一次転写部の漏れ電流iを考慮し、J2_1−iの値を狙いの二次転写電流値に加えたものを二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値として設定する。一方、二次転写バイアス印加時の漏れ電流J2_1の検知タイミングが一次転写バイアスの印加タイミングと重ならない場合は、一次転写部の漏れ電流iを考慮しないで、漏れ電流J2_1を狙いの二次転写電流値に加えたものを二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値として設定する。
また、本実施形態3の補正制御例1においては、クリーニングバイアスの電源出力値として、二次転写バイアスの極性と同じ負極性であって第一面通紙における二次転写バイアスと同じ値に設定している。この負極性のクリーニングバイアスを印加したときに検知される漏れ電流が、本補正制御例1におけるクリーニングバイアス印加時の漏れ電流である。なお、正極性のクリーニングバイアスを印加する場合は、所定の正電圧(例えば1kV)が印加されるように定電圧制御を行ってもよい。
次に、本実施形態3の画像形成装置においてさらに漏れ電流の検知精度の向上を図ることができるより具体的な二次転写バイアスの補正制御の例を、本実施形態の補正制御例2〜5として説明する。
[実施形態3の補正制御例2]
本実施形態3の第2の補正制御例(補正制御例2)では、複数の用紙に対して連続的に画像を形成するように実行される1単位のジョブにおける2枚目以降の用紙に対する二次転写バイアス(二次転写電流)の制御目標値は、その2枚目以降の用紙よりも前に通紙される前回通紙時における二次転写バイアスの制御目標値と前回通紙時における漏れ電流の測定値とに基づいて決定される。
具体的には、例えば以下のように二次転写バイアスの補正制御を行う。
まず、前記ジョブの実行に先だってクリーニングバイアスを印加し、そのクリーニングバイアス印加時に使用された二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値を、U2[0][1]とする。同様に、前記ジョブの1枚目の用紙の第一面通紙時に使用された二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値を、U2[0][2]とする。
次に、1枚目の用紙の第一面通紙時に検知された漏れ電流の測定値をJ2[1][1]とし、一次転写部の漏れ電流をiとしたときに、二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値U2[1][1]は、次の(8)式のように計算して決定される。
U2[1][1]=(二次転写電流の目標値)+J2[1][1]−i ・・・(8)
以下同様に、N枚目m面の用紙の通紙時における漏れ電流の測定値をJ2[N][m]とすると、この測定値に基づいて、二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値U2[N][m]は、次の(9)式のように計算して決定される。
U2[N][m]=(二次転写電流の目標値)+J2[N][m]−i ・・・(9)
そして、N枚目m面の用紙の通紙時に実際に印加される二次転写バイアスの電源出力電流値をT2[N][m]とすると、このT2[N][m]は次のように決定される。すなわち、上記T2[N][m]は、前回のN−1枚目m面の用紙の通紙時における漏れ電流の測定値に基づいて計算された二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値U2[N−1][m]と、前回のN−1枚目m面の用紙の通紙時に実際に印加された二次転写バイアスの電源出力電流値T2[N−1][m]とに基づいて、次の(10)式のように補正されて決定される。
T2[N][m]=γ×U2[N−1][m]+(1−γ)×T2[N−1][m] ・・・(10)
ただし、
T2[0][1]=U[0][1]
T2[0][2]=U[0][2]
つまり、前回までに使用された二次転写バイアスの電源出力電流の実際の制御目標値T2[N−1][m]と、前回の二次転写バイアス印加時に測定された漏れ電流の測定値に基づいて計算された電源出力電流の制御目標値U2[N−1][m]とを、所定の割合γ(0≦γ≦1。以下、「重み付け係数」という。)に従って平均化するように補正制御される。この平均化して得られたT2[N][m]が、次の通紙時における二次転写バイアス電源41の電源出力電流の制御目標値として使用される。この補正制御の狙いは、1ジョブの2枚目以降ではその前の通紙時のデータを用いることで、上記電源出力電流の制御目標値の補正についてより精度を上げることにある。ただし、同じ紙種であっても多少のバラつきはあるため、上記重み付け係数γを用いて調整している。また、上記重み付け係数γの狙いとしては、漏れ電流の測定値から計算される電源出力電流の制御目標値の見積もり精度が悪かった場合に、二次転写バイアス電源41の電源出力電流が急激に変化して画質が突然変わることを防ぐ目的もある。
上記重み付け係数γは、基本的に二次転写バイアスの制御目標値の見積もり精度が悪いことが予測される場合は1に近いものとし、なるべく同一紙での漏れ電流の測定値を重視して使うようにするのが好ましい。また、1ジョブでの印刷枚数が少ない場合にもγを1に近づけるのが好ましい。逆に、二次転写バイアスの制御目標値の見積もり精度自体が悪くない場合、用紙ごとに二次転写バイアスの制御目標値がバラツク場合(変動する場合)、1ジョブで大量の連続印刷をする場合などは、γを0寄りに調整して徐々に変化させていく方が好ましい。
また、上記重み付け係数γの調整についても、例えば、温度や湿度などの使用環境、装置の生産性(想定の1ジョブでの平均枚数)、紙種などに応じて最適化を行うようにしてもよい。
なお、本補正制御例2では、上記重み付け係数γの値として、高温高湿(HH)では0.8、標準環境では0.5、低温低湿(LL)では0.4を使用した。これらのγの値の例は、高温高湿(HH)では、用紙の調湿状態(水分量)により大幅に予測からずれる場合を考慮に入れて実測値を重視したものである。そして、低温低湿になるほど、二次転写部の負荷が大きくなり、また用紙の水分量も減ってくるため、用紙の影響による予測値の誤差が小さくなると判断し、γの値をより小さい値にしている。ただし、ここで示した重み付け係数γの値は一例であり、このγの数値自体は装置の設計思想などにより変えることができる。また、重み付け係数γを調整するのではなく、例えば上記(10)式におけるNやmの値を変えて調整することも有効である。
[実施形態3の補正制御例3]
本実施形態3の第3の補正制御例(補正制御例3)では、上記補正制御例2よりも更に上記重み付け係数γの条件をより詳細に設定している。上記補正制御例2においても説明したように、上記重み付け係数γの設定値の大きさにより、前回通紙時に実際に使用された二次転写バイアスの制御目標値(以下「実際の制御値」という。)から前回通紙時における漏れ電流の測定値に基づいて計算される二次転写バイアスの制御目標値(以下「予測値」という。)への修正の速度が決まる。例えばγの設定値が大きいほど前回通紙時の実際の制御値から予測値からに素早く修正される。この前回通紙時の実際の制御値から予測値へ修正される割合はγで一定となっている一方で、上記実際の制御値と予測値との差はその時々で異なるため、前回通紙時の実際の制御値から予測値へ修正される値の絶対値はその時々で変わる。従って、γを一定に設定して二次転写バイアスの補正制御を行っていると、前回通紙時の実際の制御値と予測値とのずれが大きいほど予測値へ急速に修正されるため、前回通紙時の実際の制御値からの変化が大きい。また、予測値へ急速に修正されると、装置に何か異常が発生した場合や転写対象の用紙に特殊な紙が混ざっていた場合に、その状態に引っ張られてしまい、本来正常に画像形成可能であったものが、上記異常発生や特殊な紙に対応するように計算された予測値に基づいて二次転写バイアスが補正制御されて正常に画像形成できなくなるおそれがある。
そこで、本補正制御例3では、上記重み付け係数γの値を、前回通紙時における漏れ電流に基づいて計算した予測値U2[N−1][m]と前回通紙時の実際の制御値T2[N−1][m]との比較結果に基づいて決定している。具体的には、例えば、次の(11)式に示すように、U2[N−1][m]とT2[N−1][m]との比に基づいて決定することができる。
γ=γ’×[1−|U2[N−1][m]−T2[N−1][m]|/|U2[N−1][m]+T2[N−1][m]|] ・・・(11)
ここで、上記(11)式中の| |は絶対値を表わし、γ’は上記補正制御例2のγと同様に使用環境等で決まる定数である。つまり、前回通紙時における予測値と実際の制御値との差が大きい場合、次回通紙時における二次転写バイアスの制御目標値をあまり急速に変えないように調整する。このように二次転写バイアスを補正制御することにより、突発的な異常や急激な画像の変化を防ぐことができる。
ただし、漏れ電流の測定値に基づいて計算される予想値の精度が悪い場合は、上記補正制御例2の場合よりも全体の画像品質は落ちてしまう。そこで、上記補正制御例2における補正制御と本補正制御例3の補正制御とを組み合わせてもよい。例えば、上記予測値の精度が落ちやすいHH(高温高湿)の使用環境に限り上記補正制御例2のγを使用し、標準環境及びLL(低温低湿)の使用環境では本補正制御例3でのγを使用する。このようにγを調整することにより、上記予測値の精度と画像安定性及び不具合の回避とをバランスよく実施することができる。
[実施形態3の補正制御例4]
本実施形態3の第4の補正制御例(補正制御例4)は、上記補正制御例1〜3のいずれかの画像形成装置をベースにし、トナー像が転写される転写対象の用紙の厚さを測定する測定手段としての紙厚センサを、用紙搬送路に取り付け、その紙厚センサの測定結果である用紙の厚さの測定値に基づいて、二次転写バイアスの制御目標値の補正を調整している。
一般に、用紙の体積抵抗率ρv、厚みをDとすると、その用紙の厚さ方向の抵抗はD×ρvに比例する。従って、二次転写部における漏れ電流も用紙の厚みDが大きいほど増える傾向にある。前述の補正制御例1ではユーザーインターフェイスで入力された紙種・紙厚の情報に基づいて転写対象の用紙の紙種・紙厚を判断し、その判断結果である紙種・紙厚に応じて二次転写バイアスの制御目標値の補正量を変えている。これに対し、本補正制御例4では紙厚センサDから出力される測定結果としての用紙の厚さの測定値に応じて二次転写バイアスの制御目標値の補正量を決定するため、二次転写バイアスの補正制御についてより良い精度を得るができる。
なお、本補正制御例4において、紙厚センサは例えば用紙搬送路中に設置される。また、この紙厚センサよる紙厚の測定方式としては、例えば、紙送りのタイミングを制御しているレジストローラという対のローラの用紙を挟んだときの変位量から推定する方式を用いていることができる。この紙厚センサの精度は例えば±10[μm]である。当然ながら紙厚センサの精度は高ければ高いほど良いが、精度が低い場合でも厚みによる二次転写バイアスの補正の強さを調整することにより、二次転写バイアスの補正制御の精度の低下を回避することができる。
表5は、本補正制御例4において、紙厚センサで測定した用紙の厚みの測定値をD[μm]とした場合の、用紙の第一面通紙時及び第二面通紙時における上記二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値T2_1及びT2_2を計算する(6)式及び(7)式の係数α1、α2及び定数β1、β2の設定例を示している。ただし、表5中の計算値が負になった場合は0で置き換える。計算値が負になる可能性があるのは、第二面通紙時の二次転写バイアスの場合である。二次転写部への通紙として予め想定されている用紙の紙厚であれば、上記計算値が負になることはない。そのため、もし上記計算値が負になった場合は、誤検知の場合、又は想定外の用紙を通紙した場合である。そして、どちらの場合であっても、第二面通紙時の漏れ電流が第一面通紙時の漏れ電流よりも小さいということはないため、負の値は使用しない。
Figure 0005850317
[実施形態3の補正制御例5]
本実施形態3の第5の補正制御例(補正制御例5)は、上記補正制御例1の画像形成装置をベースにし、クリーニングバイアスを用いた漏れ電流の予測精度をさらに向上させることを目的とした例である。なお、上記補正制御例2〜4の画像形成装置をベースにした場合も同様である。
上記補正制御例1では、負極性のクリーニングバイアスとして、第一面通紙時の二次転写バイアス(二次転写電流)と同じ電流を出力して印加する定電流制御を行っている。これに対し、本補正制御例5では、第一面通紙時における二次転写バイアスの電源ン出力電流の80%の電流及び100%の電流をそれぞれクリーニングバイアスとして印加し、各水準のクリーニングバイアス印加時における漏れ電流を測定している。そして、これら2水準のクリーニングバイアス印加時に測定された2点の漏れ電流の測定結果から計算して予測される二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値と漏れ電流との関係を用いて、第一面通紙時の漏れ電流の予測と、二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値の補正とを行っている。
具体的には、例えば120[mm/s]のプロセス線速を持つ画像形成装置において、第一面通紙時の二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値は30[μA]である。そこで、二次転写バイアスローラ23に印加されるクリーニングバイアスの電源出力電流の制御目標値として、最初に30[μA]の80%出力である24[μA]を、次に100%出力である30[μA]を、二次転写バイアスローラ23に0.4周ずつ切り換えて印加する。そして、各クリーニングバイアス印加時の漏れ電流を測定する。なお、本例において、二次転写バイアスローラ23の径はφ30[mm]であり、その周長は約93[mm]である。従って、上記0.4周とは約37[mm]であり、上記プロセス線速120[mm/s]から計算すると、各クリーニングバイアスは約250[ms]の期間だけ印加されることになる。漏れ電流は、このクリーニングバイアス印加期間中における125[ms]の部分期間のタイミングを狙って検知する。これは電源の立ち上がり部分や切り替え部分を避ける意図がある。これにより検知した二つの漏れ電流の測定値JC[24]及びJC[30]から、二次転写バイアスの電源出力値xにおける漏れ電流JC[x]を推定する。このときの推定方法は、その装置の設計思想に合わせて選択することができるが、例えば二次転写バイアスローラ23に印加されるバイアスと漏れ電流との関係が線形の場合はその線形の関数を用いて予測する線形での推定を行うことができる。また、二次転写バイアスローラ23に印加されるバイアスと漏れ電流との関係が高次数の関数あるいは対数関数などで表される場合は、その高次数の関数あるいは対数関数などを用いて予測する推定を行ってもよい。
なお、本補正制御例5では、一例として、二次転写バイアスローラ23に印加されるバイアスと漏れ電流との関係が線形であると推定し、次の(12)式に示すように漏れ電流JC[x]を計算している。
JC[x]={(JC[30]−JC[24])/6}x+5×J[24]−4×J[30] ・・・(12)
上記(12)式のJC[x]に基づいて、第一面通紙時の二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値を決めるように補正することができる。例えば、狙いの二次転写電流Xと二次転写バイアスの電源出力電流値Yとの間には、次の(13)式で示す関係がある。従って、二次転写バイアスの制御目標値として設定する電源出力電流値Yは、(13)式から導出された(14)式を用いて求めることができる。
X=Y−JC[Y]=Y−({(JC[30]−JC[24])/6}Y−5J[24]+4J[30]) ・・・(13)
Y=(6X+30JC[24]−24JC[30])/(JC[30]−JC[24]−6) ・・・(14)
なお、前述の補正制御例1〜4のような漏れ電流の一点の測定値から求める場合、例えば適当な切片を仮定して一次関数を求めて、同様に計算してもよい。
次に、以上説明した本実施形態3の二次転写バイアスの補正制御例1〜5の効果を確認した結果について説明する。ここでは、前述の二次転写バイアスの補正制御例1〜5を採用した定電流制御、及び、漏れ電流を検知しない従来の通常の定電流制御のそれぞれを行った場合について、二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値と二次転写バイアスローラ23に流れた電流の実測値との差を求めた。
表6は、第一面通紙時及び第二面通紙時それぞれにおける二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値[μA]と二次転写バイアスローラ23に流れた二次転写バイアスの実測電流値[μA]との差を示している。表6に示すように、補正制御例1〜5のいずれにおいても、従来例の定電流制御に比べて、二次転写部における漏れ電流の予測及び二次転写バイアスの補正制御の精度が上昇していることが確認できた。
Figure 0005850317
表7は、複数の用紙に対する連続印刷ジョブにおける第二面通紙時について、表6と同様のデータをまとめたものである。表7に示すように、補正制御例1〜5のいずれにおいても、従来例の定電流制御に比べて、上記二次転写バイアスの電源出力電流の制御目標値と二次転写バイアスローラ23に流れた二次転写バイアスの実測電流値との差が小さいことが確認できた。また、表7中の連続印刷ジョブにおいて前回の通紙時における漏れ電流の測定値のデータを用いることで、次回の通紙時における二次転写バイアスの制御目標値の補正に対する精度が高まるように修正されていることが確認できた。
Figure 0005850317
[実施形態4]
次に、本発明の更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態4についての以下の説明において、上記実施形態1〜3と同様な構成及び制御並びに同様に適用可能な補正制御例については説明を省略する。
本実施形態4は、三つ以上の転写部から漏れてくる可能性がある構成の場合の制御例である。
本実施形態4の画像形成装置は、図1に記載のような4連タンデム方式の画像形成装置であるが、作像順番が中間転写ベルト表面移動方向の上流から順にK(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)となっている点が上記実施形態1及び2と異なる。通常、作像順として、モノクロ印刷時のファーストプリントタイムの観点からはK(黒)が最下流とされることが好まれるが、装置構成の制約などから、K(黒)が最上流となる例が存在している。このとき、二次転写入口ローラ25への漏れ電流は、フルカラーモード時及びモノクロモード時のそれぞれにおいて次のようになる。フルカラーモード時は、C(シアン)の一次転写バイアスローラ22Cに印加された一次転写バイアスの漏れ電流と、二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23に印加された二次転写バイアスの漏れ電流とがそれぞれ、二次転写入口ローラ25に漏れて流れる。また、モノクロモード時は、K(黒)の一次転写バイアスローラに印加された一次転写バイアスの漏れ電流と、上記二次転写バイアスの漏れ電流とがそれぞれ、二次転写入口ローラ25に漏れて流れる。また、上記二つの一次転写バイアスローラ22C,22Kと二次転写入口ローラ25との距離が互いに異なるため、Cの一次転写バイアスの漏れ電流およびKの一次転写バイアスの漏れ電流は互いに異なる。そこで、本実施形態3では、三つの漏れ電流(Cの一次転写バイアスの漏れ電流、Kの一次転写バイアスの漏れ電流、二次転写バイアスの漏れ電流)について、それぞれ異なるタイミングで測定及び補正をすることにより、良好な画像品質が得られるようにしている。
本実施形態4において、まず、C,Kの一次転写バイアスの漏れ電流の測定をするか否かの判定については、上記実施形態1と同様とした。このときに、漏れ電流の測定が必要であるとなった場合に、まず上記Bk当接モードにて、Kの一次転写バイアスの漏れ電流を実施形態1と同様に測定し、Kの一次転写バイアスの電源出力電流について目標電流値I(K)を決定する。次に、フルカラーモードへ移行して、Cの一次転写バイアスの漏れ電流をやはり同様に測定し、Kの一次転写バイアスの電源出力電流について目標電流値I(C)を決定する。
そして、実際の画像形成動作時(作像時)は、上記実施形態1と同様に、二次転写バイアスの電源出力電流について目標電流値I2を上記(4)式及び(5)式に基づいて決定する。ただし、上記(4)式及び(5)式の中のJ1[I]の値として、モノクロモードではKの一次転写バイアスの漏れ電流値(測定値または計算値)を用い、フルカラーモードではCの一次転写バイアスの漏れ電流値(測定値または計算値)を用いて補正を行う。
以上のように、上記各漏れ電流の検知タイミングをそれぞれに適したタイミングに設定することにより、3箇所以上の転写部から一つの接地箇所(二次転写入口ローラ25の接地箇所)に漏れてくる場合でも、制御にて良好な画像が得られるようにすることができる。
上記各実施形態における制御は、根本的な発想として、漏れ電流量の動的変化量について着目した制御である。この点を具体例を挙げて再度説明する。
4連タンデム間接一次転写方式と斥力二次転写方式とを組み合わせた画像形成装置において、中間転写ベルト表面移動方向における最下流のK(黒)の作像ユニット11Kと二次転写バイアスローラ(斥力ローラ)23との間に、接地されている二次転写入口ローラ25があるとする。このとき、K(黒)の一次転写ローラ22Kから二次転写入口ローラ25へ、二次転写バイアスローラ23斥力ローラから入口ローラへ、中間転写ベルト21の裏面(内周面)を伝わって漏れ電流を流れる。
上記漏れ電流量は、制御方式、各転写バイアスローラ22K,23に対向している対向部材、及び中間転写ベルト21の抵抗(ベルト抵抗)で決まる。簡単に言えば、各転写バイアスローラ22K,23から中間転写ベルト21を伝って二次転写入口ローラ25まで流れる経路の抵抗と、各転写バイアスローラ22K,23からそれぞれ対応する対向部材に流れる経路の抵抗との比で、転写バイアスの電流の分配が決まる。また、電流総量は、各転写バイアスローラ22K,23に印加される転写バイアスの電源出力電流で決まる。従って、一次転写バイアスの漏れ電流量は、「ベルト体積方向の抵抗と像担持体(感光体1)の抵抗の合成」と「ベルト裏面の抵抗」とによって決定される。また、二次転写は「ベルト体積方向の抵抗、紙抵抗および二次転写バイアスローラ抵抗の合成」と「ベルト裏面の抵抗」とによって決定される。ここで、上記「ベルト体積方向の抵抗」は中間転写ベルト21の厚さ方向の電気抵抗(体積抵抗)であり、上記「ベルト裏面の抵抗」は中間転写ベルト21の裏面(内周面)の電気抵抗(表面抵抗)である。
上記ベルト体積方向の抵抗及びベルト裏面の抵抗は、個々の中間転写ベルトで決まるものであり、温湿度による変動も小さいため、画像形成装置(中間転写ユニット20)に固有の値と言える。また、像担持体(感光体1)の抵抗は温湿度や像担持体の帯電電位によって決まる。ただし、帯電電位による変動は帯電させることを前提とする場合、それほど大きな影響を持たず、温湿度の方が支配的となる。従って、像担持体の抵抗は大まかには温湿度でほぼ決まり、プロセス条件で僅かに変動する。また、二次転写バイアスローラ23の抵抗は、個々の二次転写バイアスの元々の抵抗と温湿度でほぼ決まる。そして、紙は様々な抵抗を有しており、紙面内での抵抗ばらつきも大きい。
これら抵抗変動の違いを考慮すると、一次転写側の漏れ電流というのは、中間転写ユニット20及び温湿度でほぼ決まり、プロセス条件を変えると若干の変化がある。一方、二次転写側の漏れ電流は、通紙する紙によって変わるため、毎回の画像形成ごとに細かく変動する。また、両面通紙時は定着装置で温められた用紙が第二面印刷時に転写部を通過するため、二次転写バイアスローラ23も徐々に温められるなどがある。
これらのことから、一次転写側の漏れ電流については、ユニット交換時や温湿度変化時にさえ値を測定しておけば、以後細かく測定しなくてもさしたる変動はない。精度良く測定するのであれば、これに加えてプロセス条件を変更した際に測定を行えばよい。一方、二次転写側の漏れ電流については、画像形成動作時(作像時)にリアルタイムで測定することが望ましい。従って、事前に一次転写の漏れ電流を測っておき、画像形成動作時(作像時)にリアルタイムで合成の漏れ電流を測定すれば、二次転写バイアスの漏れ電流を検知することができる。これにより、各々の転写バイアスの漏れを推定して補正することができるので、複数個所の転写部から漏れてくるような場合でも、上記制御によって安定した画像品質を提供することができる。
また、上記画像形成動作中における二次転写バイアスのリアルタイムでの補正が難しい場合に、例えば次のような補正を行う。まず、用紙の第一面は、その用紙が通紙される前のクリーニングバイアス印加時の漏れ電流から二次転写バイアスの補正量を決定する。また、第一面通紙時の漏れ電流量から、その用紙の第二面通紙時の漏れ電流補正量を決定するように制御する。このような制御で画像安定性が得られる理由は、例えば以下のような特性によるものである。
(1)中間転写ベルトの抵抗及び二次転写ローラといった漏れ電流に大きく関わる部品情報は空転(クリーニングバイアス印加)時の漏れ電流からほぼわかる。
(2)用紙の電気抵抗の影響による漏れ電流は用紙の第一面と第二面で大きくは変わらない。
(3)用紙の第一面通紙時であれば、二次転写電流設定可能幅(=画像が安定して出力できる二次転写電流設定の幅)が広いので、二次転写バイアスの補正の精度は粗くてもよい。これに対し、第二面通紙時は、二次転写電流設定可能幅が狭いので、第二面通紙時における二次転写バイアスについては、第一面通紙時よりも精度の良い補正が求められる。
このような特性から、第一面通紙時における二次転写バイアスの補正量は用紙の影響を無視した漏れ電流の測定値から大雑把に見積もり、第二面通紙時における二次転写バイアスの補正量は第一面通紙時の補正量から見積もるように補正すれば、画像の安定性を図ることができる。また、このような補正の制御を行った場合は、必要となる計算量も減るので、複数個所から漏れてくるような場合でも効率良く制御することによって、安価なハードウェアを用いて安定した画像品質を提供することができる。
以上、本発明の複数の実施形態を具体例を用いて説明したが、漏れ電流を決定する因子が異なる場合は、その因子の変動要因に応じて事前に決定できるもの、またその決定タイミングを適当に選ぶことで、複数の漏れに対して同時に補正することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体1Y,M,C,Kなどの像担持体に形成されたトナー像の用紙Pなどの記録媒体への直接転写又は中間転写ベルと21などの中間転写体を介した転写に用いられる複数の転写部(一次転写部、二次転写部)と、前記複数の転写部それぞれにバイアスを印加する電源40Y,M,C,K,42などのバイアス印加手段と、前記複数の転写部それぞれにおいて前記バイアスの電流の一部が直接または中間転写ベルト21などの抵抗体を介して二次転写入口ローラ(アースローラ)25などの接地箇所に漏れ電流として流れる漏れ電流経路と、前記接地箇所に流れる漏れ電流を検知する電流計42などの検知手段と、前記複数の転写部それぞれに印加される画像形成用の転写バイアスを制御する制御部200などの制御手段と、を備えた画像形成装置10であって、画像形成動作を実行していないタイミングに、前記複数の転写部のうち一部の転写部にバイアスを印加し他の転写部にバイアスを印加しない状態で前記接地箇所に流れる第1の漏れ電流を検知し、その第1の漏れ電流の検知結果に基づいて、前記一部の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正し、画像形成動作を実行していないタイミング又は画像形成動作中に、前記複数の転写部のすべてにバイアスを印加した状態で前記接地箇所に流れる第2の漏れ電流を検知し、前記第1の漏れ電流の検知結果と第2の漏れ電流の検知結果とに基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の転写部のうち一部の転写部(例えば、Kの一次転写部)については、画像形成動作を実行していないタイミングに第1の漏れ電流を検知し、その第1の漏れ電流の検知結果に基づいて画像形成用の転写バイアスを補正する。一方、複数の転写部の他の転写部(例えば、二次転写部)については、画像形成動作を実行していないタイミング又は画像形成動作中に、前記複数の転写部のすべてにバイアスを印加した状態で前記接地箇所に流れる第2の漏れ電流を検知し、前記第1の漏れ電流の検知結果と第2の漏れ電流の検知結果とに基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正する。このように複数の転写部それぞれについて前記漏れ電流について補正された適切な画像形成用の転写バイアスを印加するように制御できる。しかも、この転写バイアスの制御にあたって、前記複数の転写部それぞれから接地箇所に重ね合わされて流れる漏れ電流を検知すればよいので、複数の転写部それぞれの漏れ電流をそれぞれ個別に検知する場合に比してコストアップを抑えることができる。また、複数の転写部のいずれか一つについてのみ漏れ電流が発生し他の転写部については漏れ電流が発生しにくくなるように装置内のレイアウトを設定する必要がないので、レイアウト上の自由度が制約を受けないとともに、転写部における転写方式についても引力ローラ方式及び斥力ローラ方式のいずれも自由に使うことができ制約がない。従って、転写バイアスが印加されたときに接地箇所へ漏れる漏れ電流が発生し得る複数の転写部(一次転写部、二次転写部)を備える場合でも、コストアップを抑えるとともに装置内のレイアウト及び転写方式についての制約を回避しつつ、安定した転写特性を確保して良好な画像品質を得ることができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記他の転写部は、用紙Pなどの記録媒体にトナー像を転写する二次転写部であり、前記画像形成動作を実行していないタイミングにおける他の転写部を記録媒体が通過していないときに、第2の漏れ電流の検知及びその検知結果に基づく他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記第2の漏れ電流の検知及び転写バイアスの補正を画像形成動作中にリアルタイムに場合に比して、前記第2の漏れ電流の検知及び転写バイアスの補正のためのソフトウェア及びハードウェアの負荷を低減できるとともに、コストの増加を抑制できる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、前記補正された転写バイアスを他の転写部に印加した状態で用紙Pなどの記録媒体の第一面にトナー像を転写し、その転写の際に前記接地箇所に流れる第3の漏れ電流を検知し、その第3の漏れ電流の検知結果に基づいて、前記記録媒体の第二面にトナー像を転写するときの他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正する。これによれば、上記実施形態について説明したように、記録媒体の第二面に対する他の転写部の転写バイアスの補正の際に、その第二面にトナー像を転写するときの漏れ電流の測定が不要になるので、第二面に対する他の転写部の転写バイアスの補正が簡易になる。
(態様D)
上記態様B又は態様Cにおいて、他の転写部に複数の用紙Pなどの記録媒体を順次通過させて各記録媒体にトナー像を転写する場合、他の転写部に第2番目以降の記録媒体を通過させてトナー像を転写するときの転写バイアスを、少なくとも一つ前の記録媒体が他の転写部に通過したときに検知された漏れ電流の検知結果に基づいて補正する。これによれば、上記実施形態について説明したように、第2番目以降の記録媒体に対する他の転写部の転写バイアスの補正の際に、その記録媒体にトナー像を転写するときの漏れ電流の測定が不要になるので、第2番目以降の記録媒体に対する他の転写部の転写バイアスの補正が簡易になる。
(態様E)
上記態様B乃至態様Dのいずれかの態様において、他の転写部でトナー像が転写される転写対象の用紙Pなどの記録媒体の厚さを測定する測定手段を備え、前記記録媒体の厚さの測定結果に基づいて、他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を調整する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数種類の厚さの記録媒体にトナー像を転写する場合に、その厚さに応じて他の転写部の転写バイアスの補正を調整できるので、各記録媒体における画質が安定する。
(態様F)
上記態様B乃至態様Eのいずれかの態様において、前記第2の漏れ電流を検知するときに他の転写部に印加されるバイアスとして、他の転写部をクリーニングするために印加されるクリーニング用のバイアスを兼用する。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作を行っているタイミングにクリーニング用のバイアスを印加して他の転写部をクリーニングしているときに、そのクリーニング用のバイアスの漏れ電流を検知し、その検知結果を利用して他の転写部の転写バイアスの補正を行うことができる。したがって、記録媒体にトナー像を転写するときの漏れ電流の測定が不要になり、他の転写部の転写バイアスの補正が簡易になる。
(態様G)
上記態様において、前記第2の漏れ電流を検知するときに前記他の転写部に印加されるバイアスとして、前記他の転写部をクリーニングするために印加されるクリーニング用のバイアスを兼用し、前記クリーニング用のバイアスとして、画像形成用の転写バイアスと同極性であって互いに異なる少なくとも2水準以上のバイアスをそれぞれ印加し、各水準のバイアスが印加されたときに検知される前記複数の第3の漏れ電流に基づいて、用紙Pなどの記録媒体にトナー像を転写するときの他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正する。これによれば、上記実施形態について説明したように、クリーニング用のバイアスを用いた他の転写部の漏れ電流の予測精度をさらに向上させることができる。
(態様H)
上記態様A乃至態様Gのいずれかの態様において、制御部200などの制御手段は、他の転写部に印加される画像形成用の転写バイアスを制御目標値に基づいて制御し、前回の転写バイアスが印加されたときに検知された第2の漏れ電流の検知結果に基づいて補正された前記他の転写部に対する転写バイアスの制御目標値と、電源42などのバイアス印加手段から実際に出力された前回の転写バイアスの制御目標値との比較結果に基づいて、前記他の転写部に対して次に印加される転写バイアスを補正する。これによれば、上記実施形態について説明したように、前回の転写バイアスの制御目標値を考慮して他の転写部の転写バイアスの補正を修正することができるため、転写バイアスの急激な変化を抑制できる。
(態様I)
上記態様A乃至態様Hのいずれかの態様において、温度及び湿度の少なくとも一方を含む環境情報を検知する環境検知手段を備え、前記環境検知手段の検知結果に基づいて、他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を調整する。これによれば、上記実施形態について説明したように、使用環境が変化する場合でも、その使用環境に応じて他の転写部に対する転写バイアスの補正を調整できるので、記録媒体における画質が安定する。
(態様J)
上記態様A乃至態様Iのいずれかの態様において、前記画像形成動作を実行していないタイミングは、画像形成装置10の立ち上げ時、待機時、調整時、又は、画像形成動作の指示を受けてから画像形成動作を開始するまでのタイミングである。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作に影響を与えることなく、上記漏れ電流の検知及び画像形成用の転写バイアスの補正量の決定を行うことができる。
(態様K)
上記態様A乃至態様Jのいずれかの態様において、前記複数の転写部に印加する転写バイアスの制御は定電流制御である。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記漏れ電流を補正した転写電流が転写部に流れるように所定の電源出力電流からなる転写バイアスを安定に印加できる。
(態様L)
上記態様A乃至態様Jのいずれかの態様において、前記複数の転写部に印加する転写バイアスの制御は定電圧制御である。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記漏れ電流を補正した転写電流が転写部に流れるように所定の電源出力電圧からなる転写バイアスを安定に印加できる。
(態様M)
上記態様A乃至態様Lのいずれかの態様において、前記漏れ電流の検知及び画像形成用の転写バイアスの補正量の決定は、前記複数の転写部のうち、画像形成動作時に転写バイアスが同時に印加され接地箇所に漏れ電流が重ね合わされて流れる少なくとも二つの転写部について実行する。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作時に転写バイアスが同時に印加され接地箇所に漏れ電流が重ね合わされて流れる少なくとも二つの転写部について、上記漏れ電流の検知及び画像形成用の転写バイアスの補正量の決定を行う制御を実行するので、漏れ電流が発生している転写部について安定した転写特性を確保できるとともに、前記複数の転写部のすべてについて上記制御を実行する場合に比して制御を簡易にすることができる。
(態様N)
上記態様A乃至態様Mのいずれかの態様において、前記接地箇所に重ね合わされて複数の漏れ電流の極性は、正極性及び負極性の両方を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、転写部に印加される転写バイアスの極性や漏れ電流の極性にかかわらず、当該転写部について安定した転写特性を確保できる。
(態様O)
上記態様A乃至態様Nのいずれかの態様において、前記漏れ電流の検知タイミングとして、予め設定されている複数の検知タイミングの候補のいずれを使用するかを判断するときの判断基準、及び、前記漏れ電流の再検知を行うか否かの判断基準が、前記複数の転写部ごとに設定されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、各転写部ごとに適したタイミングで上記漏れ電流の検知及び画像形成用の転写バイアスの補正量の決定を行うことができるとともに、各転写部ごとに適した画像形成用の転写バイアスの補正量を決定できる。
(態様P)
上記態様A乃至態様Oのいずれかの態様において、前記複数の転写部の少なくとも一つは、非画像形成時に前記漏れ電流を検知する。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作に影響を与えることなく、上記漏れ電流の検知及び画像形成用の転写バイアスの補正量の決定を行うことができる。
(態様Q)
上記態様A乃至態様Pのいずれかの態様において、前記複数の転写部の少なくとも一つは、画像形成動作中に検知した漏れ電流に基づいて転写バイアスを制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作中に漏れ電流が変化しやすい転写部についても安定した転写特性を確保できる。
(態様R)
上記態様A乃至態様Qのいずれかの態様において、前記漏れ電流の検知結果を記憶する記憶手段を備え、前記複数種類の条件それぞれのもとで検知した複数の漏れ電流の検知結果を前記記憶手段に保存しておき、前記複数の転写部の少なくとも一つは、前記記憶手段に保存されている複数の漏れ電流の検知結果の組み合わせに基づいて、前記画像形成用の転写バイアスの補正量を決定する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数種類の条件それぞれのもとで検知した複数の漏れ電流の検知結果を予め保存しておくことにより、画像形成動作中に漏れ電流を検知することなく、画像形成用の転写バイアスの補正量を適切に決定することができる。
(態様S)
上記態様A乃至態様Rのいずれかの態様において、複数種類の転写バイアスをそれぞれ前記転写部に印加して検知した複数の漏れ電流の検知結果に基づいて、該転写バイアスと該漏れ電流との関係を一次関数で近似し、その一次関数に基づいて、漏れ電流について補正された目標の転写バイアスを決定する。これによれば、上記実施形態について説明したように、漏れ電流を検知する転写バイアスの条件を増やすことなく、様々な転写バイアスの条件について、漏れ電流に基づく画像形成用の転写バイアスの補正量の決定を行うことができる。
(態様T)
上記態様A乃至態様Sのいずれかの態様において、互いに異なる色のトナー像が形成されるように並設された複数の感光体1Y,M,C,Kなどの像担持体と、各像担持体のトナー像が順次重ね合わせるように転写される中間転写ベルト21などの中間転写体とを備え、前記複数の転写部は、複数の像担持体それぞれから前記中間転写体にトナー像を転写する複数の一次転写部と、中間転写体から用紙Pなどの記憶媒体にトナー像を転写する二次転写部とを含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の像担持体から中間転写体への一次転写部及び中間転写体から記録媒体への二次転写部それぞれにおいて安定した転写特性を確保することができる。
(態様U)
上記態様Tにおいて、中間転写体は、無端状の中間転写ベルト21であり、複数の一次転写部それぞれにおいて転写バイアスが印加される一次転写バイアスローラ22Y,M,C,Kなどの一次転写部材は金属のローラである。これによれば、上記実施形態について説明したように、一次転写バイアスが印加される複数の金属ローラがそれぞれ対向している複数の像担持体から中間転写体への一次転写部において安定した転写特性を確保することができる。
(態様V)
上記態様T又は態様Uにおいて、前記二次転写部は、中間転写ベルト21などの中間転写体のトナー像が担持される面とは反対側の面が接するように配設された二次転写バイアスローラ23を有し、その二次転写バイアスローラ23は、トナー像に対して二次転写バイアスローラ23から遠ざける向きの静電気力(斥力)を発生させる二次転写バイアスが印加される。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成動作中に一次転写バイアスと同様に漏れ電流が接地箇所に流れる二次転写バイアスの漏れ電流を、一次転写バイアスの漏れ電流と区別して検知し、その検知結果に基づいて二次転写バイアスの補正量を決定することができる。
1Y,M,C,K 感光体
10 画像形成装置
11Y,M,C,K 作像ユニット
20 中間転写ユニット
21 中間転写ベルト
22Y,M,C,K 一次転写バイアスローラ
23 二次転写バイアスローラ
24 クリーニングバックアップローラ(テンションローラ)
25 二次転写入口ローラ
26 二次転写対向ローラ
40Y,M,C,K 一次転写バイアス電源
41 二次転写バイアス電源
42 電流計
200 制御部
特開2001−331046号公報

Claims (18)

  1. 像担持体に形成されたトナー像の記録媒体への直接転写又は中間転写体を介した転写に用いられる複数の転写部と、前記複数の転写部それぞれにバイアスを印加するバイアス印加手段と、前記複数の転写部それぞれにおいて前記バイアスの電流の一部が直接または抵抗体を介して接地箇所に漏れ電流として流れる漏れ電流経路と、前記接地箇所に流れる漏れ電流を検知する検知手段と、前記複数の転写部それぞれに印加される画像形成用の転写バイアスを制御する制御手段と、を備えた画像形成装置であって、
    画像形成動作を実行していないタイミングに、前記複数の転写部のうち一部の転写部にバイアスを印加し他の転写部にバイアスを印加しない状態で前記接地箇所に流れる第1の漏れ電流を検知し、その第1の漏れ電流の検知結果に基づいて、前記一部の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正し、
    画像形成動作を実行していないタイミング又は画像形成動作中に、前記複数の転写部のすべてにバイアスを印加した状態で前記接地箇所に流れる第2の漏れ電流を検知し、前記第1の漏れ電流の検知結果と第2の漏れ電流の検知結果とに基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記他の転写部は、記録媒体にトナー像を転写する転写部であり、
    前記画像形成動作を実行していないタイミングにおける前記他の転写部を記録媒体が通過していないときに、前記第2の漏れ電流の検知及びその検知結果に基づく前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    前記補正された転写バイアスを前記他の転写部に印加した状態で記録媒体の第一面にトナー像を転写し、その転写の際に前記接地箇所に流れる第3の漏れ電流を検知し、その第3の漏れ電流の検知結果に基づいて、前記記録媒体の第二面にトナー像を転写するときの前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3の画像形成装置において、
    前記他の転写部に複数の記録媒体を順次通過させて各記録媒体にトナー像を転写する場合、前記他の転写部に第2番目以降の記録媒体を通過させてトナー像を転写するときの前記転写バイアスを、少なくとも一つ前の記録媒体が前記他の転写部に通過したときに検知された漏れ電流の検知結果に基づいて補正することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかの画像形成装置において、
    前記他の転写部でトナー像が転写される転写対象の記録媒体の厚さを測定する測定手段を備え、
    前記記録媒体の厚さの測定結果に基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を調整することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれかの画像形成装置において、
    前記第2の漏れ電流を検知するときに前記他の転写部に印加されるバイアスとして、前記他の転写部をクリーニングするために印加されるクリーニング用のバイアスを兼用することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項の画像形成装置において、
    前記第2の漏れ電流を検知するときに前記他の転写部に印加されるバイアスとして、前記他の転写部をクリーニングするために印加されるクリーニング用のバイアスを兼用し、
    前記クリーニング用のバイアスとして、前記画像形成用の転写バイアスと同極性であって互いに異なる少なくとも2水準以上のバイアスをそれぞれ印加し、各水準のバイアスが印加されたときに検知される複数の前記第3の漏れ電流に基づいて、前記記録媒体にトナー像を転写するときの前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスを補正することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記他の転写部に印加される画像形成用の転写バイアスを制御目標値に基づいて制御し、
    前回の転写バイアスが印加されたときに検知された前記第2の漏れ電流の検知結果に基づいて補正された前記他の転写部に対する転写バイアスの制御目標値と、前記バイアス印加手段から実際に出力された前回の転写バイアスの制御目標値との比較結果に基づいて、前記他の転写部に対して次に印加される転写バイアスを補正することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかの画像形成装置において、
    温度及び湿度の少なくとも一方を含む環境情報を検知する環境検知手段を備え、
    前記環境検知手段の検知結果に基づいて、前記他の転写部に対する画像形成用の転写バイアスの補正を調整することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかの画像形成装置において、
    前記画像形成動作を実行していないタイミングは、前記画像形成装置の立ち上げ時、待機時、調整時、又は、画像形成動作の指示を受けてから該画像形成動作を開始するまでのタイミングであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかの画像形成装置において、
    前記複数の転写部に印加する転写バイアスの制御は定電流制御であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの画像形成装置において、
    前記漏れ電流の検知及び前記画像形成用の転写バイアスの補正は、前記複数の転写部のうち、画像形成動作時に転写バイアスが同時に印加され前記接地箇所に漏れ電流が重ね合わされて流れる少なくとも二つの転写部について実行することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかの画像形成装置において、
    前記接地箇所に重ね合わされて複数の漏れ電流の極性は、正極性及び負極性の両方を含むことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかの画像形成装置において、
    前記漏れ電流の検知タイミングとして、予め設定されている複数の検知タイミングの候補のいずれを使用するかを判断するときの判断基準、及び、前記漏れ電流の再検知を行うか否かの判断基準が、前記複数の転写部ごとに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかの画像形成装置において、
    前記漏れ電流の検知結果を記憶する記憶手段を備え、
    前記複数種類の条件それぞれのもとで検知した複数の漏れ電流の検知結果を前記記憶手段に保存しておき、前記複数の転写部の少なくとも一つは、前記記憶手段に保存されている複数の漏れ電流の検知結果の組み合わせに基づいて、前記画像形成用の転写バイアスを補正することを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれかの画像形成装置において、
    複数種類のバイアスをそれぞれ前記転写部に印加して検知した複数の漏れ電流の検知結果に基づいて、該バイアスと該漏れ電流との関係を一次関数で近似し、その一次関数に基づいて、前記画像形成用の転写バイアスを補正することを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれかの画像形成装置において、
    互いに異なる色のトナー像が形成されるように並設された複数の像担持体と、各像担持体のトナー像が順次重ね合わせるように転写される中間転写体とを備え、
    前記複数の転写部は、前記複数の像担持体それぞれから前記中間転写体にトナー像を転写する複数の一次転写部と、前記中間転写体から記憶媒体にトナー像を転写する二次転写部とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17の画像形成装置において、
    前記二次転写部は、前記中間転写体のトナー像が担持される面とは反対側の面が接するように配設された二次転写バイアスローラを有し、
    前記二次転写バイアスローラは、前記トナー像に対して該二次転写バイアスローラから遠ざける向きの静電気力を発生させる転写バイアスが印加されることを特徴とする画像形成装置。
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