JP5849885B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、限定空間空調部とその他の複数個所を各空調部を使用して空調する冷凍サイクルにおいて、あたかも限定空間空調部のみが作動しているかのように見せかけることができる空調装置に関する。特には、限定空間空調部をなす車両用冷蔵庫とその他の複数個所となる前席と後席とを各空調部を使用して空調する車両に用いる空調装置に関する。
従来、特許文献1に記載の空調装置は、車両の前席蒸発器と後席蒸発器のデュアルサイクルにおいて、前席蒸発器の単独運転のときに、乗員に気づかせないで後席蒸発器を作動させオイル戻しを行うのが目的である。そのために、前席蒸発器と後席蒸発器とを使用したデュアル冷凍サイクルにおいて、前席単独運転の時に、後席蒸発器に風を流しつつ、その風を乗員がいる車室内に吹出さないでサイドトリム内(車両側面内装部材内)または、ドレインホースから排出させて、乗員に気づかせないで後席蒸発器を作動させることにより乗員の不快感を無くしている。
特開2009−241773号公報
ところで、限定空間空調部を使用したデュアル(トリプル以上も含む)サイクルにおいて限定空間空調部となる例えば車両用冷蔵庫(限定空間空調部とも言う)を単独運転で動かすことがニーズとしてある。冷凍サイクルを使用する限定空間空調部において、最大冷房性能を必要とする場合に、限定空間空調部を使用すると、空調能力が奪われるため、エジェクターサイクル方式や並列サイクル方式を採用する。このようなサイクル方式の場合、分岐して流れる各冷媒通路には冷媒の流れを開閉制御する(オンオフする)電磁弁等の制御弁をコストを考慮して設けないことがある。
このような状態で、限定空間空調部の単独運転を実施可能とすると、エジェクターサイクル方式は、前席の蒸発器と限定空間空調部の蒸発器とがパイプでつながっているので、前席だけの冷媒を止めることができない。並列サイクル方式の場合も、並列に流れる各冷媒通路に制御弁が無いため、限定空間空調部の単独運転ができない。例えば、圧縮機を止めてしまうと、限定空間空調部が冷やせなくなり、庫内のブロワモータのみが作動して、逆にモータ作動熱で、限定空間空調部の庫内が温まるといったことも発生した。なお、コストダウンのみでなく制御弁作動時のハンマー音対策のため、制御弁をなくしている。
この場合、特許文献1の考えを単純に適用すると、限定空間空調部を作動させ、その他の蒸発器(例えば、前席蒸発器、後席蒸発器)には風を流しつつ、その風は、サイドトリム、ドレインホースから車外に排出することになる。そのようにして、あたかも前席蒸発器または後席蒸発器を使用した空調を行っておらず、限定空間空調部だけが作動しているように見せかけることができる。しかし、この場合、前席蒸発器または後席蒸発器を通った風は、車室内に吹出されない。従って、車室内の窓が曇るという問題が発生する。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、室内の一方の場所に設けられて空調風を吹出す一方空調部と、室内の他方の場所に設けられて空調風を吹出す他方空調部と、局所的に限定された限定空間内を冷却する限定空間空調部とを使用した空調装置において、限定空間空調部の単独運転の場合に、車室内の窓が曇るという問題を解消ことにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項に記載の発明では、室内(2)の一方の場所に設けられて一方蒸発器(5)からの空調風を吹出す一方空調部(12)と、室内(2)の他方の場所に設けられて他方蒸発器(6)からの空調風を吹出す他方空調部(13)と、局所的に限定された限定空間(4a)内を専用蒸発器(7)にて冷却する限定空間空調部(4)と、一方と他方の蒸発器(5、6)および専用蒸発器(7)に冷媒を圧送する圧縮機(9)とを備え、限定空間空調部(4)の専用蒸発器(7)にて限定空間空調部(4)内のみを冷却する限定空間空調部(4)の単独運転が設定されたときに、一方蒸発器(5)または他方蒸発器()を通過した空調風を室内(2)に送風し、限定空間空調部(4)の単独運転における送風は、室外の温度である外気温度(Tam)以上の温度で送風することを特徴としている。
この発明によれば、限定空間空調部の単独運転に切換えた場合、限定空間空調部の単独運転であるにも係らず、一方蒸発器または他方蒸発器を通過した空調風を室内に送風するから、室内の窓曇りを抑制できる。
また、一方空調部(12)または他方空調部(13)の作動状態を表示する表示部(41)を備え、限定空間空調部(4)の単独運転において、表示部(41)における一方空調部(12)または他方空調部(13)の作動表示を、一方空調部(12)または他方空調部(13)が作動しているにも係らず非作動のように表示することを特徴としている。
この発明によれば、限定空間空調部の単独運転時において表示部における一方空調部または他方空調部の作動表示を、一方空調部または他方空調部が作動しているにも係らず非作動のように表示するから、限定空間空調部の単独運転であることを強調することができる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。 上記実施形態における主として冷媒の流れを示す概略構成図である。 上記実施形態における空調制御装置を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における主として冷媒の流れを示す概略構成図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態における車両用の空調装置の構造について、図1ないし図3を用いて説明する。車両1は、室内となる車室2内に、前席である運転席、助手席、および前席の後方側に配設される後席を有している。車室2は、車両1の前後方向に長い空間を形成している。車室2は、床面3を有している。また、乗員が飲料等を冷却する限定空間空調部4を成す車両用冷蔵庫4が設けられている。車両用冷蔵庫4は限定空間を成す庫内空間4aを有する。
空調装置は、複数の蒸発器5、6、7(一方蒸発器5、他方蒸発器6、車両用冷蔵庫4の専用蒸発器7)を備える冷凍サイクルを有する。この冷凍サイクルは、図示しない車両エンジンにより電磁クラッチ8を介して駆動される圧縮機9を備えている。圧縮機9により気相冷媒は高温高圧に圧縮される。
冷凍サイクルは、圧縮機9から吐出された気相冷媒を、図示しない冷却ファンにより送風される外気と熱交換させて液化凝縮させる凝縮器10を備えている。冷凍サイクルは、凝縮器10を通過した冷媒を、液相冷媒と気相冷媒とに分離し液相冷媒を内部に滞留する受液器11を備えている。
この第1実施形態の車両用空調装置は、複数の空調部12、13(一方空調部12、他方空調部13)および車両用冷蔵庫4(限定区間空調部4)を有する。つまり、車両用冷蔵庫4を有するデュアルエアコンタイプの車両用空調装置である。車両用冷蔵庫4は内部に庫内(限定空間)4aを冷却する専用蒸発器7を有している。
まず、一方空調部12としての前席空調部12について説明する。一方空調部12は、本実施形態では、前席空調部12であるが、圧縮機9に対して後席蒸発器6より近い位置に設けられた蒸発器5を有する空調部として定義することができる。
前席空調部12は、車室2内の最前部の図示しない計器盤の内側部に配設されている。前席空調部12は、車室2内の前席の領域を空調するものである。前席空調部12は、空気通路を形成する前席ケース14を備えている。前席ケース14の上流側には、図示しない内気導入口、および外気導入口が形成されている。また、両導入口を開閉する図示しない内外気切換ドアである前席切換ドアが備えられている。
前席空調部12は、受液器11から流出した液相冷媒を、低温低圧に膨張させる前席膨張弁15を備えている。前席空調部12は、前席膨張弁15から流出した低温低圧冷媒を、空調空気から吸熱させて蒸発させる第1蒸発器としての前席蒸発器5を備えている。
前席膨張弁15は、前席蒸発器5出口の冷媒過熱度を所定値に維持するように弁開度を自動調整する温度式膨張弁である。また、前席空調部12は、前席蒸発器(一方蒸発器)5に対して、内気または外気を送風する前席送風機16を備えている。
圧縮機9、凝縮器10、および受液器11は、車室(室内)2より前方側のエンジンルーム17内に搭載されている。一方、前席送風機16、前席蒸発器5、および前席膨張弁15は、前席ケース14の内側に設けられている。
前席蒸発器5は、前席ケース14における前席送風機16の下流側に配設されている。前席空調部12は、前席ケース14における前席蒸発器5の下流側すぐに蒸発器温度センサ18を備えている。また、前席空調部12は、前席ケース14における前席蒸発器5の下流側に、加熱用熱交換器として、車両エンジンからの温水により空調空気を加熱する前席ヒータコア19を備えている。
更に、前席ケース14における前席ヒータコア19の側方には、空気通路からなるバイパス路20が形成されている。前席空調部12は、前席ヒータコア19を通過して加熱される温風と、バイパス路20を通過する冷風との風量割合を、回動位置によって調整して、吹出空気温度を調整する板状の前席エアミックスドア21を備えている。前席エアミックスドア21は、前席ヒータコア19に隣接して備えられている。
次に、前席ケース14の下流端には、前席デフロスタ開口部13a、前席フェイス開口部13b、および前席フット開口部13cが周知のように形成されている。前席に空調空気を吹き出すために設けられた開口部は、これら3つの開口部13a、13b、13cのみである。前席デフロスタ開口部13aは、デフモード(デフロスタモードとも言う)のときに、車両1の窓1w(ウインドシールド)の内面に向けて外気温度以上の温度の空調空気を吹出す。前席フェイス開口部13bは、前席乗員の頭部に向けて空調空気を吹出す。前席フット開口部13cは、足元部に向けて空調空気を吹出す。
これら3つの開口部13a、13b、13cには、開口部を開閉する前席モードドアが備えられている。前席モードドアとは、前席デフロスタドアと前席フェイスドアと前席フットドアとである。これら3つのモードドアは、前席の吹出しモードに合わせて開閉制御されるものである。前席デフロスタドアは、前席デフロスタ開口部13aを開閉する。前席フェイスドアは、前席フェイス開口部13bを開閉する。前席フットドアは、前席フット開口部13cを開閉する。
次に、他方空調部13としての後席空調部13について説明する。他方空調部13は、本実施形態では、後席空調部13であるが、圧縮機9に対して前席蒸発器5より遠い位置に設けられた蒸発器6を有する空調部と定義することもできる。
他方空調部13を成す後席空調部13は、車室2内の後部に配置されている。後席空調部13は、車室2内の後席の領域を空調するものである。後席空調部13は、後席空気通路を形成する後席ケース22を備えている。後席ケース22の上流側には、図示しない内気導入口、および外気導入口が形成されている。また、両導入口を開閉する図示しない後席切換ドアが設けられている。
後席空調部13は、受液器11から流出した液相冷媒を、低温低圧に膨張させる後席膨張弁23を備えている。後席空調部13は、低温低圧冷媒を空調空気から吸熱させて蒸発させる他方蒸発器としての後席蒸発器6を備えている。後席膨張弁23は、後席蒸発器6の出口の冷媒過熱度を所定値に維持するように弁開度を自動調整する温度式膨張弁である。後席空調部13は、内気または外気を後席蒸発器6に対して送風する後席送風機24を備えている。
後席送風機24、後席蒸発器6および後席膨張弁23は、後席ケース22の内側に設けられている。後席蒸発器6は、後席ケース22における後席送風機24の下流側に配設されている。また、後席膨張弁23の入口側は、床下高圧配管25を介して前席膨張弁15の入口側に接続されている。一方、後席蒸発器6の出口側は、床下低圧配管26を介して前席蒸発器5の出口側に接続されている。
床下高圧配管25および床下低圧配管26は、車室2の床面3の下側に形成される床下空間27に設けられている。さらに、これら床下高圧配管25および床下低圧配管26は、圧縮機9の吸入配管28より所定寸法Lだけ低い部位に配置される。本実施形態では、上記所定寸法Lは600mm程度である。
後席空調部13は、後席ケース22における後席蒸発器6の下流側に、車両エンジンからの温水により空調空気を加熱する後席ヒータコア29を備えている。後席ケース22における後席ヒータコア29の側方は、バイパス路30が形成されている。
後席空調部13は、後席ヒータコア29を通過して加熱される温風と、バイパス路30を通過する冷風との風量割合を、回動位置によって調整して、吹出空気温度を調整する板状の後席エアミックスドア31を備えている。後席エアミックスドア31は、後席ヒータコア29に隣接して備えられている。
後席ケース22の後席蒸発器6の下流直後には、後席フェイス開口部31aが設けられている。後席フェイス開口部31aは、後席フェイスダクト31を備えている。後席フェイスダクト31は、後席蒸発器6で冷却された冷風を導入する後席フェイス導入口(後席フェイス開口部31aと同じ)と、導入された冷風を後席乗員の頭部に向けて吹き出す天井吹出口31bを有する。
一方、後席ケース22の後席ヒータコア29の下流側には、後席フット開口部が設けられている。後席フット開口部は、後席フットダクトを備えている。後席フットダクトは、後席ヒータコア29で加熱された温風を導入する後席フット導入口と、導入された温風を後席乗員の足元部に向けて吹き出す後席足元吹出口31cを有している。
後席に空調空気を吹出すために設けられた開口部は、これら2つの後席足元吹出口31cと天井吹出口31bのみである。これらの後席足元吹出口31cと天井吹出口31bには、後席モードドアが設けられている。後席モードドアは、後席フェイスドアと後席フットドアとである。これら2つのモードドア(後席フェイスドアと後席フットドア)は、後席の吹出しモードに合わせて開閉制御されるものである。後席フェイスドアは、後席フェイス導入口を開閉する。後席フットドアは、後席フット導入口を開閉する。
限定空間4aを成す庫内に飲料等を保管して冷却する限定空間空調部4を成す車両用冷蔵庫4内には、専用蒸発器7が設けられている。車両用冷蔵庫4は、受液器11から流出した液相冷媒を、低温低圧に膨張させる限定空間膨張弁32を備えている。限定空間膨張弁32は、専用蒸発器7の出口の冷媒過熱度を所定値に維持するように弁開度を自動調整する温度式膨張弁である。車両用冷蔵庫4内には、専用蒸発器7に対して送風する限定空間送風機33を備えている。
限定空間送風機33、専用蒸発器7、および限定空間膨張弁32は、車両用冷蔵庫4の断熱ケースの内側に設けられている。また、限定空間膨張弁32の入口側は、床下高圧配管25を介して前席膨張弁15の入口側に接続されている。一方、専用蒸発器7の出口側は、床下低圧配管26を介して前席蒸発器5の出口側に接続されている。
次に、図2において、圧縮機9から吐出された冷媒が凝縮器10を介して一方蒸発器5と他方蒸発器6と専用蒸発器7とに向かって分岐して流れ、専用蒸発器7のみの単独運転が求められるときにも、一方蒸発器5と他方蒸発器6とを通過して冷媒が流れるように成っている。これにより、並列の冷媒流路に個別に冷媒流れを遮断できる制御弁が無くても、見せ掛けの専用蒸発器7のみの単独運転を可能とする必要がある。このときに、車室内2に一方蒸発器5または他方蒸発器6を通過した空調風を吹出すようにして、窓曇りが無く、制御弁の省略によりコストを安くできる車両用空調装置を構成している。
この図2においては、全空調部の蒸発器5、6、7の運転および限定空間膨張弁32の電磁弁部を閉じることによる専用蒸発器7の停止は容易である。しかし、上記制御弁が無いため、全空調部の蒸発器5、6、7のいずれかによる単独運転は困難になる。
また、空調装置は、図2および図3の空調制御装置40を備えている。空調制御装置40は、マイクロコンピュータおよび周辺回路から構成されている。空調制御装置40は、予め設定されたプログラムに従い、所定の演算処理を行って、制御信号を出力し、空調機器を制御するものである。
空調制御装置40には、各種センサ、表示部41が設けられた前席操作パネル42、後席操作パネル43、並びに前席機器、後席機器、および限定空間空調部関連機器が接続されている。前席蒸発器温度センサ18(図1、図3)は、前席蒸発器吹出し空気温度Teを検出し、空調制御装置40に出力するものである。
また、車両室内に対して外部となる空気の温度である外気温度Tamを検出する外気センサ44、室内温度Trを検出する内気センサ45、日射センサ46、および水温センサ47は、それぞれ外気温度Tam、内気温度Tr、日射量Ts、および温水温度Twを検出し、空調制御装置40に出力するものである。
また、車両用冷蔵庫4の庫内温度を検出する限定空間温度Tcを検出する限定空間温度センサ48が空調制御装置40に接続されている。
前席操作パネル42は、車室2内の温度の設定、風量の調整、内外気モードの切換え、および吹出しモードの切換えの操作を行う前席操作手段を備えている。この前席操作手段の一部には、図示しないエアコンスイッチ、一方空調部(前席空調部)作動スイッチ、他方空調部(後席空調部)作動スイッチ等が設けられている。車両用冷蔵庫4の操作手段は、車両用冷蔵庫4の扉にあるが、前席操作パネル42または後席操作パネル43内に有ってもよい。
前席空調部12、車両用冷蔵庫4、および後席空調部13の作動状態は、運転している状態である運転状態と、停止している状態である停止状態との2つの状態がある。運転状態とは、例えば除霜運転している状態も含まれる。
前席操作パネル42は、前席操作手段およびエアコンスイッチ等により入力された前席操作信号を、空調制御装置40に出力するものである。一方、後席操作パネル43は、後席の風量の調整、後席の内外気モードの切換え、および後席の吹出しモードの切換えの操作を行う図示しない後席操作手段を備えている。後席操作パネル43は、後席操作手段により入力された後席操作信号を空調制御装置40に出力するものである。
前席空調部12、車両用冷蔵庫4、および後席空調部13の各空調機器としては、車両用冷蔵庫4内の専用蒸発器7に対して送風する限定空間送風機33、電磁クラッチ8、前席送風機16、図示しない内外気切換ドアである前席切換ドア、前席エアミックスドア21、前席モードドア、後席送風機24、図示しない内気導入口および外気導入口を開閉する図示しない後席切換ドア、後席エアミックスドア31、および後席モードドア等のモータ使用機器を備える。
空調制御装置40は、これら空調機器のモータ使用機器Mに対して、所定の演算処理を行って図3のように制御信号を出力し、これら空調機器を制御するものである。さらに、空調制御装置40は、滞留した潤滑オイルを回収するオイル戻し制御手段50を備えている。
オイル戻し制御手段50は、特許文献1に詳しいため概要のみ記載する。オイル戻し制御手段50は、タイマーTと検出手段51と判定手段52と第1制御手段53と第2制御手段54とを有している。検出手段51は、圧縮機9の作動状態と、前席送風機16の作動状態と、後席送風機24の作動状態と、タイマーTの作動状態およびそのカウント値とを検出する手段である。
判定手段52は、検出手段51にて検出されたこれら作動状態およびカウント値がオイル戻し制御を必要とする場合か否かを判定する手段である。第1制御手段53は、後席フェイスドアと後席フットドアとを閉状態に制御する手段である。
ここでいう閉状態は、後席フェイスドアおよび後席フットドアが隙間なく閉じている状態、または、これら後席吹出しモードドアの隙間から送風空気が漏れても、後席に着座する乗員が不快に感じ得ない程度をいう。第2制御手段54は、後席送風機24をメモリ内に記憶された所定時間Tnだけ運転状態に制御する手段である。
この空調装置は、前述した図1および図2のように、空調空気を室内に提供する開口部が形成されたケースを備える第1空調部12、車両用冷蔵庫4、および第2空調部13と、第1空調部12が備える第1蒸発器5と車両用冷蔵庫4内の専用蒸発器7と第2空調部13が備える第2蒸発器6とが圧縮機9に対して並列配管されている冷凍サイクルを備える。
また、車室内に空調風を送る開口部13a、13b、13c、31b、31cの全てを閉状態にさせ、第1蒸発器5に断続的熱負荷を与えて冷媒の流れを許容させる空調制御装置40を備える。これにより、停止中の第1空調部12が備える第1蒸発器5には熱負荷が与えられ、冷媒の流れは許容される。その結果、第1蒸発器19内、および第2蒸発器6をバイパスする配管内に滞留した圧縮機用潤滑オイルを圧縮機9側に戻すことが可能となる。
そして、空調制御装置40は、車室内に空調風を送る開口部13a、13b、13c、31b、31cの全てを閉状態にさせているので、オイル戻し運転において断続的に第1蒸発器5に与える熱負荷の影響が室内2に及ぶことはない。よって、空調空間にいる乗員の不快感を抑制することが可能となる。
なお、オイル戻し運転時において、空調制御装置40は、第1蒸発器5に空気を送風する送風機16により第1蒸発器5に熱負荷を与え、温度式膨張弁15により、冷媒の流れを断続的に許容させる。これにより、第1蒸発器5には、送風機16からの送風空気によって熱負荷が与えられる。その熱負荷により温度が上昇した冷媒は、温度式膨張弁15を開弁させる。その結果、第1空調部12は運転状態となり、空調制御装置40はオイル戻し制御を実行することが可能となる。更に、空調制御装置40は、第1空調部12の停止状態、および第2空調部13の運転状態が所定時間継続した後、開口部13a、13b、13c、31b、31cの全てを閉状態にさせ、第1蒸発器5に熱負荷を与えて冷媒の流れを許容させる。
なお、第2空調部13の単独運転を所定時間継続すると、圧縮機用潤滑オイルは第1蒸発器5内、および第2蒸発器6をバイパスする配管内に滞留し易い。これにより、滞留した潤滑オイルを圧縮機9側に有効に戻す制御が必要となる。
オイル戻し制御中における後席送風機24に印加する設定電圧Vnは、後席送風機24が駆動でき得る起動電圧と通常運転時におけるミニマム設定電圧との間の値で設定される。後席送風機24によって送風された空気は、後席蒸発器22を通過後、図示しないトリム(シートの生地やカーペット、内張りなどの内装)内へ排気、または図示しないドレインホースから車外へ排気される。
次に、第1実施形態における車両用の空調装置の作動について説明する。運転時の前席空調部12(図1)では、前席切換ドアにより内気あるいは外気を選択した後、前席送風機16によって送風された空気を前席蒸発器5により冷却、かつ除湿させる。
その後、前席ヒータコア19により再加熱する。ここで、前席エアミックスドア21により冷風と温風の風量割合を任意に調整して前席への吹出し温度を調整する。そして、吹出しモードに応じて、車室内への各開口部から前席へ空調空気を吹き出す。
一方、運転時の後席空調部13では、後席切換ドアにより内気あるいは外気を選択した後、後席送風機24によって送風された空気を後席蒸発器6により冷却かつ除湿させる。その後、後席ヒータコア29により再加熱する。また、後席空調部13は、後席モードドアにより、吹出しモードをフェイスモード、またはフットモードに切換える。
フェイスモード時には、後席蒸発器6により冷却され除湿された冷風を、後席フェイスダクト31を通して、後席天井吹出口31bから後席乗員の頭部へ吹き出す。また、フットモード時には、送風空気が後席蒸発器6を通過した後、後席ヒータコア29により加熱された温風を、後席フットダクトを通して、後席足元吹出口31cから後席乗員の足元部へ吹き出す。
上記のように前席空調部12、および後席空調部13を同時に運転している時は、前席膨張弁15により、その前席膨張弁15の弁開度は、前席蒸発器5の熱負荷に対応した開度に調整される。また、後席膨張弁23により、その後席膨張弁23の弁開度は、後席蒸発器6の熱負荷に対応した開度に調整される。つまりこれら膨張弁15、23は、各蒸発器5、6に流入する冷媒の流量を、その熱負荷に対応した流量に調整することができる。
各空調部12、13が運転状態にある場合、常に冷媒は流れている状態である。しかし、前席のみに乗員が搭乗し、後席には乗員が搭乗していない時は、後席操作パネル43でのスイッチ操作により、後席送風機24は停止状態となる。これにより、後席蒸発器6には空気が送風されず、後席空調部13の空調作用が停止状態となるので、前席空調部12のみの単独運転状態となる。
この前席単独運転時において、後席膨張弁23は、微小な開閉を繰り返す。これにより、液相の潤滑オイルは、後席蒸発器6内、床下高圧配管25内、および床下低圧配管26内に溜まっていく。そこで、停止時の後席空調部13に対し、オイル戻し制御が行われ、圧縮機9へ潤滑オイルが回収される。
オイル戻し制御においては、後席蒸発器6に空気を送風することで、停止中の後席蒸発器6に熱負荷が与えられることになる。そして、後席膨張弁23が開かれ、冷媒が後席蒸発器6内を流れるようになる。よって、後席空調部13の停止中に滞留する後席蒸発器6内、床下高圧配管25内、および床下低圧配管26内の、圧縮機用潤滑オイルを圧縮機9側に戻すことが可能となる。
また、空調制御装置40は、必ず後席モードドアの全てを閉状態にさせてから後席送風機24を運転状態に制御している。これにより、後席送風機24からの送風空気は、車室内2には漏れることはない。よって、乗客の不快感を抑制する制御を行うことが可能となる。
(車両用冷蔵庫の単独運転)
次に、図2のように冷媒が並列に蒸発器5、6、7に流れ込む冷媒回路において、各並列流路における制御弁を省略すると、車両用冷蔵庫4の単独運転時においても、蒸発器5、6に冷媒が流れてしまう。よって、限定空間空調部4となる車両用冷蔵庫4の単独運転においては、車両用冷蔵庫4内の専用蒸発器7以外の蒸発器5、6(あるいは蒸発器5のみ)にも微量送風し(乗員が車両用冷蔵庫の単独運転に違和感を抱かない程度の微量となる予め定めた限定空間空調部単独運転時風量Vnに基づく風量だけ送風し)、当該風を車室2内に吹出す。なお、限定空間空調部単独運転時風量Vnは、空調制御装置40内のメモリに予め設定され記憶されている。また、限定空間空調部単独運転時風量Vnは、オイル戻し制御時の風量Vnとは異ならせても良い。
それも、窓1wに向けて吹出す事により、窓曇りの問題点喪同時に解決するものである。また、窓1wに吹出す際に、その吹出温度を高めて吹出すことにより、一層外曇りが解消する。これにより、あたかも限定空間空調部4のみ作動しているかのように見せかける制御を行いながら窓曇りを防止できる。
この限定空間空調部4の単独運転制御は、限定空間空調部4のみの単独運転とした場合、前席エアコンを成す一方空調部12はデフモードの最低風量(ブロワ電圧Vnの風量であり、単に風量Vnとも言う)とし、吹出温度も外気温度以下にならないように目標吹出温度に制限をかける。
このときに、前席操作パネル42内の表示部41における一方空調部12と他方空調部13の作動表示は全てオフする(表示を消して作動していないように見せかける)。この表示消しにより、乗員が一方空調部12と他方空調部13の作動に気付き難くして限定空間空調部4のみの単独運転をしているように見せかけることができる。これにより、乗員が一方空調部12と他方空調部13との作動に気付き難くなって、車両用冷蔵庫4を成す限定空間空調部4内は冷蔵のまま作動し続けることが可能である。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、室内2の一方の場所に設けられて一方蒸発器5からの空調風を吹出す一方空調部12と、室内の他方の場所に設けられて他方蒸発器6からの空調風を吹出す他方空調部13と、局所的に限定された限定空間4a内を専用蒸発器7にて冷却する限定空間空調部4と、一方と他方の蒸発器5、6および専用蒸発器7に冷媒を圧送する圧縮機9とを備えている。そして、限定空間空調部4の専用蒸発器7にて限定空間空調部4内のみを冷却する限定空間空調部単独運転が設定されたときに、一方蒸発器5または他方蒸発器7を通過した空調風を室内2に送風する。
これによれば、限定空間空調部4の単独運転に切換えた場合、限定空間空調部4の単独運転であるにも係らず、一方蒸発器5または他方蒸発器6を通過した空調風を室内2に送風するから、室内2の窓1wの曇りを抑制できる。
また、一方蒸発器5または他方蒸発器6を通過した空調風を室内2に送風する場合に、予め設定された限定空間空調部4の単独運転時風量Vnに基づく風量で送風する。これによれば、あたかも限定空間空調部4の単独運転であり、一方空調部12および他方空調部13が作動していないと感じる程度の低減された風量で室内の窓曇りを抑制できる。
更に、一方蒸発器5を通過した空調風を室内2に予め設定された限定空間空調部4の単独運転時風量に基づく風量での送風は、デフモードで窓1wに向けて送風される。これによれば、デフモードで窓1wに向けて送風されるから、確実に窓曇りを抑制できる。
加えて、予め設定された限定空間空調部4の単独運転時風量に基づく風量での送風は、室外の温度である外気温度Tam以上の温度で送風される。これによれば、デフモードで窓1wに向けて送風され、かつ吹出温度も外気温度Tamより低い温度にならないように制御されるから、より確実に窓曇りを抑制できる。
次に、一方空調部12または他方空調部13の作動状態を表示する表示部41を備え、限定空間空調部4の単独運転時において表示部41における一方空調部12または他方空調部13の作動表示を、一方空調部12または他方空調部13が作動しているにも係らず非作動のように表示する。具体的には、送風機の作動状態表示や吹出口の開閉状況の表示等を消す。
これによれば、限定空間空調部4の単独運転時において、一方空調部12または他方空調部13が作動しているにも係らず非作動のように表示するから、限定空間空調部4の単独運転であることを強調することができる。
また、圧縮機9から吐出された冷媒が分岐して一方蒸発器5と他方蒸発器6と専用蒸発器7とを流れ、専用蒸発器7のみの単独運転が求められるときにも、一方蒸発器5と他方蒸発器6とを通過して冷媒が流れる。そして、一方蒸発器5または他方蒸発器7を通過した空調風を室内2に乗員の違和感が無い程度に送風する。これによれば、並列の冷媒流路5p、6p、7pに個別に冷媒流れを遮断できる制御弁が無くても、専用蒸発器7のみの見せ掛け単独運転が可能であり、かつ、車室2内に一方蒸発器5または他方蒸発器6を通過した空調風を吹出すため窓曇りが無く、制御弁の省略によりコストを安くできる空調装置を提供できる。
更に、一方空調部12は車両内の前席空調部から成り、他方空調部13は車両内の後席空調部から成り、限定空間空調部4は車両用冷蔵庫から成る。これによれば、車両用冷蔵庫4の単独運転に切換えた場合、車両用冷蔵庫4の単独運転であるにも係らず、前席蒸発器5または後席蒸発器6を通過した空調風を室内2に送風するから、車両室内2の窓1wの曇りを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。図4は、本発明の第2実施形態としてのエジェクタ付きサイクルを持つ車両用空調装置を示す。本実施形態のエジェクタ付きサイクルでは、圧縮機9の吐出側→放熱器を成す凝縮器10→流量調節弁15→エジェクタ15x→第1蒸発器5→圧縮機9の吸入側に至る主冷媒循環経路が備えられている。
凝縮器10は圧縮機9から吐出された高圧冷媒と図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する。なお、本実施形態では、凝縮器10として凝縮部と、この凝縮部で凝縮した冷媒の気液を分離する気液分離器と、この気液分離器で分離された液相冷媒を過冷却する過冷却部とを一体化した凝縮器を用いている。
エジェクタ15xは流体を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプである。エジェクタ15xには、流量調節弁15から流入する冷媒の通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部15xnと、ノズル部15xnの冷媒噴出口と同一空間に配置され、車両用冷蔵庫4内の専用蒸発器7からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引口15sが備えられている。
さらに、ノズル部15xnおよび吸引口15sの冷媒流れ下流側部位には、昇圧部を成すディフューザ部15xdが配置されている。このディフューザ部15xdは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
エジェクタ15xのディフューザ部15xdから流出した冷媒は、第1蒸発器5に流入する。第1蒸発器5は、前席空調部の通風路内に設置され、前席領域の冷房作用を果たす。
具体的には、前席空調部12の電動送風機(第1送風機)16により前席の空調空気が第1蒸発器5に送風され、エジェクタ15xにて減圧後の低圧冷媒が第1蒸発器5において前席の空調空気から吸熱して蒸発することにより前席の空調空気が冷却されて冷房能力を発揮する。第1蒸発器5で蒸発した気相冷媒は圧縮機9に吸入され、再び主冷媒循環経路を循環する。
そして、主冷媒循環経路のうち、凝縮器10の出口部で3つに分岐した分岐通路5p、6p、7pを設けている。通路7pは凝縮器10の出口部からエジェクタ15xの冷媒吸引口15sに至る冷媒通路であって、この通路7pには、冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、電磁弁部と、絞り機構とから成る限定空間膨張弁32と専用蒸発器7が直列に配置されている。限定空間膨張弁32の電磁弁部は通路7pの冷媒流れを遮断する開閉弁を成す。絞り機構は凝縮器10の出口部の高圧液冷媒を低温低圧の気液2相冷媒に減圧するとともに、専用蒸発器7の冷媒流量を調節する役割を果たす。
専用蒸発器7は車両用冷蔵庫4内に配置され、冷蔵庫用の電動送風機33の送風空気(庫内空気)を冷却する。冷蔵庫の熱負荷変動が小さいため、本例では絞り機構20として固定絞りを用いている。もちろん、絞り機構20として適宜の可変絞りを用いても良い。なお、限定空間膨張弁32の電磁弁と絞り機構は1つの一体部品として構成しているが、別体でも良い。
通路6pは凝縮器10の出口部から圧縮機9の吸入側に至る冷媒通路であって、通路6pには、冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、絞り機構23と、第2蒸発器6が直列に配置されている。ここで、第2蒸発器6は、後席空調部13の通風路内に設置され、後席領域の冷房を行う。
具体的には、後席空調部13の電動送風機24により後席の空調空気が第2蒸発器6に送風され、絞り機構23にて減圧後の低圧冷媒が第2蒸発器6において後席の空調空気から吸熱して蒸発することにより後席の空調空気が冷却されて冷房能力を発揮する。絞り機構23として、本例では第2蒸発器6の出口冷媒の過熱度が所定値となるように弁開度を調節して冷媒流量を調節する温度式膨張弁23を用いている。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、一方蒸発器5の冷媒流れ上流側にエジェクタ15xが設けられ、専用蒸発器7を通過した冷媒がエジェクタ15xの冷媒吸入口15sを介して一方蒸発器5を流れる。これによれば、エジェクタ15xを使用した冷凍サイクルにおいても、分流して流れる冷媒流路5p、6p、7pの全てに個別に冷媒流れを遮断できる制御弁が無くても、見せ掛けの専用蒸発器7のみの単独運転が可能であり、かつ、車室内に一方蒸発器5または他方蒸発器6を通過した空調風を吹出すため窓曇りが無く、制御弁の省略によりコストを安くできる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、オイル戻し運転時に後席送風機27に印加する設定電圧Vnは、後席送風機27が駆動できうる起動電圧と通常運転時におけるミニマム設定電圧との間の値で設定している。しかし、第1制御手段40cにより後席吹出しモードが全閉モードとなっている。よって、送風量Vnは、後席吹出しモードドアの隙間から送風空気が漏れても、後席に着座する乗員が不快に感じ得ない程度の送風量であればよい。
また、車両用冷蔵庫の単独運転時における蒸発器5または6を通過する空調風の風量である限定空間空調部単独運転時風量も風量Vnとしたが、このVnの値も、送風機16,24が駆動できうる起動電圧と通常運転時におけるミニマム設定電圧との間の値で設定する必要は無く、乗員に違和感の無い風量であればよい。また、オイル戻し制御時の送風量Vnと同じにする必要はない。
また、上記実施形態では、後席空調部13には、後席蒸発器28、およびヒータコア29が配設されている。しかし、後席空調部13は、ヒータコア29が配設されていないクーラ機能のみを有するものであってもよい。
更に、上記実施形態では、前席空調部12、および後席空調部13の2つの空調部を備えている。しかし、空調部を3つ以上有するものであってもよい。更に、上記実施形態において、本発明は車両用空調装置に用いられている。しかし、家庭用空調装置または業務用空調装置に用いてもよい。
家庭用空調装置においては、室内の一方の場所である一室に設けられて一方蒸発器からの空調風を吹出す一方空調部と、室内の他方の場所である他室に設けられて他方蒸発器からの空調風を吹出す他方空調部と、局所的に限定された限定空間である風呂場の乾燥室内を専用蒸発器にて冷却する限定空間空調部とを備える。また、一方と他方の蒸発器および専用蒸発器に冷媒を圧送する圧縮機を備え、乾燥室内の専用蒸発器にて限定空間空調部内のみを冷却する限定空間空調部単独運転が設定されたときに、一方蒸発器または他方蒸発器を通過した空調風を室内に若干送風する。
これによれば、乾燥室の単独運転に切換えた場合、限定空間空調部の単独運転であるにも係らず、一方蒸発器または他方蒸発器を通過した空調風を室内に若干送風するから、室内の窓曇りや露の発生を抑制できる。
1w 窓
4 限定空間空調部(車両用冷蔵庫)
5 一方蒸発器(前席蒸発器)
6 他方蒸発器(後席蒸発器)
7 専用蒸発器
9 圧縮機
12 一方空調部(前席空調部)
13 他方空調部(後席空調部)
41 表示部
Vn 限定空間空調部の単独運転時風量

Claims (9)

  1. 室内(2)の一方の場所に設けられて一方蒸発器(5)からの空調風を吹出す一方空調部(12)と、
    前記室内(2)の他方の場所に設けられて他方蒸発器(6)からの空調風を吹出す他方空調部(13)と、
    局所的に限定された限定空間(4a)内を専用蒸発器(7)にて冷却する限定空間空調部(4)と、
    前記一方と他方の蒸発器(5、6)および前記専用蒸発器(7)に冷媒を圧送する圧縮機(9)と、を備え、
    前記専用蒸発器(7)にて前記限定空間空調部(4)内のみを冷却する限定空間空調部(4)の単独運転が設定されたときに、前記一方蒸発器(5)または前記他方蒸発器()を通過した空調風を前記室内(2)に送風し、
    前記限定空間空調部(4)の前記単独運転における送風は、室外の温度である外気温度(Tam)以上の温度で送風することを特徴とする空調装置。
  2. 室内(2)の一方の場所に設けられて一方蒸発器(5)からの空調風を吹出す一方空調部(12)と、
    前記室内(2)の他方の場所に設けられて他方蒸発器(6)からの空調風を吹出す他方空調部(13)と、
    局所的に限定された限定空間(4a)内を専用蒸発器(7)にて冷却する限定空間空調部(4)と、
    前記一方と他方の蒸発器(5、6)および前記専用蒸発器(7)に冷媒を圧送する圧縮機(9)と、を備え、
    前記専用蒸発器(7)にて前記限定空間空調部(4)内のみを冷却する限定空間空調部(4)の単独運転が設定されたときに、前記一方蒸発器(5)または前記他方蒸発器(6)を通過した空調風を前記室内(2)に送風し、
    更に、前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)の作動状態を表示する表示部(41)を備え、
    前記限定空間空調部(4)の前記単独運転において、前記表示部(41)における前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)の作動表示を、前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)が作動しているにも係らず非作動のように表示することを特徴とする空調装置。
  3. 室内(2)の一方の場所に設けられて一方蒸発器(5)からの空調風を吹出す一方空調部(12)と、
    前記室内(2)の他方の場所に設けられて他方蒸発器(6)からの空調風を吹出す他方空調部(13)と、
    局所的に限定された限定空間(4a)内を専用蒸発器(7)にて冷却する限定空間空調部(4)と、
    前記一方と他方の蒸発器(5、6)および前記専用蒸発器(7)に冷媒を圧送する圧縮機(9)と、を備え、
    前記専用蒸発器(7)にて前記限定空間空調部(4)内のみを冷却する限定空間空調部(4)の単独運転が設定されたときに、前記一方蒸発器(5)または前記他方蒸発器(6)を通過した空調風を前記室内(2)に送風し、
    前記圧縮機(9)から吐出された冷媒が前記一方蒸発器(5)と前記他方蒸発器(6)と前記専用蒸発器(7)とに向かって分岐して流れ、
    前記専用蒸発器(7)のみの単独運転が求められるときにも、前記一方蒸発器(5)と前記他方蒸発器(6)とを通過して冷媒が流れることを特徴とする空調装置。
  4. 前記一方蒸発器(5)または前記他方蒸発器(6)を通過した空調風を前記室内(2)に送風する場合に、予め設定された限定空間空調部単独運転時風量(Vn)に基づく風量で送風することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の空調装置。
  5. 前記限定空間空調部(4)の前記単独運転においては、デフモードで窓(1w)に向けて送風することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の空調装置。
  6. 前記限定空間空調部(4)の前記単独運転における送風は、室外の温度である外気温度(Tam)以上の温度で送風することを特徴とする請求項2又は3に記載の空調装置。
  7. 前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)の作動状態を表示する表示部(41)を備え、
    前記限定空間空調部(4)の前記単独運転において、前記表示部(41)における前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)の作動表示を、前記一方空調部(12)または前記他方空調部(13)が作動しているにも係らず非作動のように表示することを特徴とする請求項1又は3に記載の空調装置。
  8. 前記一方空調部(12)は車両内の前席空調部(12)から成り、前記他方空調部(13)は前記車両内の後席空調部(13)から成り、前記限定空間空調部(4)は車両用冷蔵庫(4)から成ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の空調装置。
  9. 前記一方蒸発器(5)の冷媒流れ上流側にエジェクタ(15x)が設けられ、
    前記専用蒸発器(7)を通過した冷媒が前記エジェクタ(15x)の冷媒吸入口(15s)を介して前記一方蒸発器(5)を流れることを特徴とする請求項3に記載の空調装置。
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