JP5849740B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両制御装置に関する。
従来の車両制御装置として、特許文献1には、車両の左右の車輪にそれぞれ装着された左右のブレーキ装置で発生する制動力を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置が開示されている。この車両用ブレーキ液圧制御装置は、左右の車輪のスリップ率の差に基づいてブレーキ装置の制動力を制御することにより、車両の垂直軸回りの姿勢変化を抑制するヨーコントロールを実行する。
特開2008−087496号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載されている車両用ブレーキ液圧制御装置は、例えば、車両の姿勢を安定化させるヨーコントロールを実行する際の制御精度の点でさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両の姿勢を安定化させる際の制御精度を向上することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両制御装置は、車両の左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節可能である調節装置と、前記左右の車輪がそれぞれ接地する各路面の摩擦係数の偏差に応じて、前記調節装置を制御し、前記左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節して、前記車両の偏向を抑制する制御を実行する制御装置とを備えることを特徴とする。
また、上記車両制御装置では、前記制御装置は、前記各路面の摩擦係数が異なる場合に、前記調節装置を制御し、当該摩擦係数が小さい路面側の前記車輪のスリップ率速度を調節し、当該車輪の摩擦係数を大きくする制御を実行するものとすることができる。
また、上記車両制御装置では、前記制御装置は、前記左右の車輪の各荷重が異なる場合に、前記調節装置を制御し、前記左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節し、前記左右の車輪の摩擦係数の偏差を小さくする制御を実行するものとすることができる。
また、上記車両制御装置では、前記調節装置は、さらに、前記左右の車輪のスリップ率を個別に調節可能であり、前記制御装置は、前記調節装置を制御し、前記左右の車輪のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節して、前記左右の車輪の摩擦係数を同等とする制御を実行するものとすることができる。
本発明に係る車両制御装置は、車両の姿勢を安定化させる際の制御精度を向上することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車両制御装置が適用された車両の概略構成図である。 図2は、実施形態に係る車両制御装置のスリップ率、スリップ率速度、及び、タイヤμの関係の一例を説明する線図である。 図3は、実施形態に係る車両制御装置のECUによる制御の一例を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る車両制御装置が適用された車両の概略構成図、図2は、実施形態に係る車両制御装置のスリップ率、スリップ率速度、及び、タイヤμの関係の一例を説明する線図、図3は、実施形態に係る車両制御装置のECUによる制御の一例を説明するフローチャートである。
図1に例示する本実施形態の車両制御装置1は、車両2の各車輪3の制動力を独立して個別に制御することで、車両2の偏向を抑制する制御を実行可能な制動力制御装置である。これにより、この車両制御装置1は、例えば、左右の車輪3(以下、「左右輪」という場合がある。)がそれぞれ接地する各路面の摩擦係数(以下、「路面μ」という場合がある。)が相違する走行路、いわゆるまたぎ路を車両2が走行している場合や左右の車輪3に作用する荷重が相違する場合等の車両2の姿勢を安定化させ、直進安定性の向上を図っている。
そして、本実施形態の車両制御装置1は、左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節して、車両2の偏向を抑制する制御を実行することで、車両2の姿勢を安定化させる際の制御精度を向上させている。
本実施形態の車両制御装置1は、図1に示すように車両2に搭載され、この車両2を制動するための制動制御システムである。車両2は、車輪3として、左前輪(左前側の車輪3)3FL、右前輪(右前側の車輪3)3FR、左後輪(左後側の車輪3)3RL、右後輪(右後側の車輪3)3RRを備えるが、これらを特に分ける必要がない場合には単に車輪3という。また、左右輪という場合、特に断りのない限り、左前輪3FLと右前輪3FRとの組み合わせ、又は、左後輪3RLと右後輪3RRとの組み合わせをいうものとする。
具体的には、車両制御装置1は、アクセルペダル4、動力源5、ブレーキペダル6、調節装置としての制動装置7、制御装置としてのECU8などを備える。車両2は、運転者によるアクセルペダル4の操作に応じて動力源5が動力(トルク)を発生させ、この動力が動力伝達装置(不図示)を介して車輪3に伝達され、この車輪3に駆動力を発生させる。また、車両2は、運転者によるブレーキペダル6の操作に応じて制動装置7が作動することで車輪3に制動力を発生させる。
動力源5は、内燃機関や電動機などの走行用の動力源である。制動装置7は、車両2の各車輪3に生じる制動力を個別に調節可能である。制動装置7は、マスタシリンダ9から油圧制御装置(油圧アクチュエータ)10を介して各車輪3のホイールシリンダ11に接続する油圧経路に、作動流体であるブレーキオイルが充填された種々の油圧ブレーキ装置である。制動装置7は、ホイールシリンダ11に供給される制動圧力に応じて油圧制動部12が作動し車輪3に圧力制動力を発生させる。制動装置7は、基本的には運転者がブレーキペダル6を操作することで、ブレーキペダル6に作用するペダル踏力(操作力)に応じてマスタシリンダ9によりブレーキオイルにマスタシリンダ圧(操作圧力)が付与される。そして、制動装置7は、このマスタシリンダ圧に応じた圧力が各ホイールシリンダ11にてホイールシリンダ圧(制動圧力)として作用することで油圧制動部12が作動する。各油圧制動部12は、ホイールシリンダ圧によってブレーキパッドがディスクロータに当接し押し付けられることで、車輪3と共に回転するディスクロータに対して、ホイールシリンダ圧に応じた所定の回転抵抗力が作用し、このディスクロータ及びこれと一体で回転する車輪3に制動力を付与することができる。この間、制動装置7は、油圧制御装置10によってホイールシリンダ圧が運転状態に応じて適宜調圧される。
ここで、油圧制御装置10は、ホイールシリンダ圧を四輪独立に個別に増圧、減圧、保持を行うことで、各車輪3に生じる制動力を個別に調節するものである。油圧制御装置10は、マスタシリンダ9とホイールシリンダ11とを接続するブレーキオイルの油圧経路上に設けられ、ブレーキペダル6のブレーキ操作とは別にECU8による制御によって各ホイールシリンダ11内の液圧を増減し、各車輪3に付与する制動力を制御する。油圧制御装置10は、例えば、複数の配管、オイルリザーバ、オイルポンプ、各車輪3にそれぞれ設けられた各ホイールシリンダ11に接続する各油圧配管、各油圧配管の油圧を各々に増圧、減圧、保持するための複数の電磁弁などを含んで構成され、ECU8により制御される。油圧制御装置10は、ECU8の制御指令にしたがって油圧配管内の油圧(マスタシリンダ圧)をそのまま、又は、加圧、減圧して後述する各ホイールシリンダ11に伝える作動流体圧力調節部として機能する。
油圧制御装置10は、例えば、ECU8の制御指令にしたがってオイルポンプや所定の電磁弁が駆動することで、運転者によるブレーキペダル6の操作量(踏み込み量)に応じてホイールシリンダ11に作用するホイールシリンダ圧を調圧することができる。また、油圧制御装置10は、種々の自動制御等を実行する場合には、例えば、ECU8の制御指令にしたがってオイルポンプや所定の電磁弁が駆動することで、ホイールシリンダ11に作用するホイールシリンダ圧を増圧する増圧モード、ほぼ一定に保持する保持モード、減圧する減圧モードなどで作動可能である。油圧制御装置10は、ECU8による制御によって、車両2の走行状態に応じて各車輪3のホイールシリンダ11ごとに個別に上記モードを設定することができる。すなわち、油圧制御装置10は、運転者によるブレーキペダル6の操作とは無関係に車両2の走行状態に応じて各車輪3に作用する制動力を個別に調節することができる。
ECU8は、車両2の各部の駆動を制御するものであり、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。ECU8は、車両2の各所に取り付けられた種々のセンサ、検出装置が電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。ECU8は、各種センサから入力された各種入力信号や各種マップに基づいて、格納されている制御プログラムを実行することにより、動力源5や制動装置7の油圧制御装置10などの車両2の各部に駆動信号を出力しこれらの駆動を制御する。ECU8は、車両2の走行状態に応じて油圧制御装置10を制御し、各車輪3にそれぞれ設けられたホイールシリンダ11のホイールシリンダ圧を個別に増減し、各車輪3における制動力を個別に制御することで制動力制御機能等を実現することができる。
ところで、車両2は、例えば、左右の車輪3がそれぞれ接地する各路面の路面μが相違する走行路、いわゆるまたぎ路を走行している場合に制動をかけると、車体にヨー方向(車両2の垂直軸周りの方向)の回転モーメントが発生し、車両2の姿勢を安定が損なわれ、直進安定性が損なわれるおそれがある。これは、左右輪で発生する制動力が異なることに起因しており、これを抑えるためには左右差を抑制するように左右輪の制動力を発生させればよい。なお、上記のような現象は、左右の車輪3に作用する荷重が相違する場合にも同様に生じるおそれがある。
ここで、車輪3に生じる制動力は、車輪3の摩擦係数(車輪3と路面との間の摩擦係数、以下、「タイヤμ」という場合がある。)に応じて変動し、典型的には、タイヤμが大きくなるほど大きくなる傾向にある。そして、このタイヤμは、図2のμ−S特性(タイヤμ−スリップ率特性)に示すように、車輪3のスリップ率だけでなく、スリップ率速度によっても変動するという知見が得られた。ここで、スリップ率とは、車輪3のタイヤと路面とのスリップ(滑り)をあらわす指標であり、スリップ率速度とは、単位時間当たりのスリップ率の変化量をあらわす指標である。概略的にいうと、タイヤμは、図2に示すように、所定のスリップ率速度まではスリップ率速度が大きくなると、最大値(以下、「ピークμ」という場合がある。)、及び、ピークμとなるスリップ率(以下、「ピークμスリップ率」という場合がある。)が相対的に大きくなる傾向にある。
したがって、車両制御装置1は、車両2がまたぎ路を走行している場合等に、例えば、左右輪のスリップ率を同等にして左右輪のタイヤμを同等にしようとしても、実際にはスリップ率速度が異なることで、左右輪のタイヤμに差が生じてしまうおそれがあり、これにより、車両2の姿勢が不安定になるおそれがある。
これに対して、本実施形態の車両制御装置1は、各車輪3のタイヤμが各車輪3のスリップ率及びスリップ率速度に応じて変動することを踏まえて、車輪3の制動力に左右差が生じないように、各車輪3のスリップ率速度等を制御し、各車輪3のタイヤμを調節する。
ここで、ECU8は、例えば、各車輪3の回転速度を検出する各車輪速度センサ13、左右の車輪3がそれぞれ接地する各路面の路面μをそれぞれ検出する路面μ検出装置14、各車輪3に作用する荷重Wをそれぞれ検出する各荷重センサ15等が電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。路面μ検出装置14は、例えば、車載カメラ等による路面判定(例えば、アスファルト、ダート、ウェット、アイス等)、各車輪3のタイヤに組み込まれたセンサ類による検出結果等に基づいて、種々の手法により路面μを検出、推定することができる。なお、車両制御装置1は、以下で説明する制御では左右輪の輪重差を取得できればよいので、各荷重センサ15にかえていわゆるハイトセンサを備え、ECU8は、ハイトセンサによる検出結果に基づいて左右輪の輪重差を推定するようにしてもよい。
また、ECU8は、種々の公知の手法を用いて車輪3のスリップ率を求める。ECU8は、例えば、各車輪速度センサ13が検出した各車輪3の車輪速度Vwと、各車輪3の車輪速度Vwから推定される車両2の車速Vrとに基づき、下記の数式(1)を用いてスリップ率Sを求めることができる。スリップ率Sは、各車輪速度センサ13による各検出値に基づいて各車輪3に対応してそれぞれ演算される。なお、上記車速は、各車輪速度センサ13とは別個に設けられた車速センサによって検出されてもよい。

S=(Vr−Vw)/Vr ・・・ (1)
また、ECU8は、種々の公知の手法を用いて車輪3のスリップ率速度を求める。ECU8は、例えば、スリップ率の時間微分値を演算することで、車輪3のスリップ率速度(言い換えればスリップ率の変化速度)S・ドット(dS/dt)を求めることができる。なお、このスリップ率速度は、例えば、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み速度に応じて変動し、当該踏み込み操作が速くなると、相対的に速くなる傾向にある。
また、本実施形態の制動装置7は、ホイールシリンダ圧の大きさを変えることでスリップ率を、ホイールシリンダ圧の変化速度(増圧速度、減圧速度)を変えることで、スリップ率速度を変更することができる。つまり、制動装置7は、車両2の各車輪3のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節可能である。ECU8は、制動装置7の油圧制御装置10を制御して、各車輪3のホイールシリンダ圧の大きさ、変化速度を個別に独立して調節することで、各車輪3のスリップ率、スリップ率速度を個別に独立して制御することができる。
そして、本実施形態のECU8は、左右の車輪3がそれぞれ接地する各路面の路面μの偏差に応じて、制動装置7を制御し、左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節して、車両2の偏向を抑制する制御(ヨーコントロール制御)を実行する。つまり、ECU8は、左右輪における路面μに関する情報をそれぞれ取得し、左右の路面μの差に応じて車両2の偏向を防ぐようにスリップ率速度を制御する。ここでは、ECU8は、例えば、各車輪3のスリップ率、スリップ率速度からその時点での各車輪3のタイヤμを推定し、これに応じて車輪3の制動力に左右差が生じないように、制動装置7を制御し、左右の車輪3のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節して、左右の車輪3のタイヤμを同等とする制御を実行する。
典型的には、ECU8は、左右輪の各路面の路面μが異なる場合に、制動装置7を制御し、路面μが小さい路面側の車輪3のスリップ率速度を調節し、当該路面μが小さい路面側の車輪3のタイヤμを大きくする制御を実行する。これにより、ECU8は、車両2がまたぎ路を走行している場合等に、左右輪に生じる制動力が同等になるように制御を実行する。
また、ECU8は、左右輪の各荷重が異なる場合に、制動装置7を制御し、左右輪のスリップ率速度を個別に調節し、左右輪のタイヤμの偏差を小さくする制御を実行するようにしてもよい。これにより、ECU8は、左右輪に作用する荷重が相違する場合等に、左右輪に生じる制動力が同等になるように制御を実行する。
以下、図3のフローチャートを参照してECU8による制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ECU8は、路面μ検出装置14による検出結果等に基づいて、左右輪の路面μが大きく異なるか否かを判定する(ST1)。ECU8は、例えば、右側の車輪3の路面μroad,rと左側の車輪3の路面μroad,lとの差分(偏差)の絶対値がほぼ0であるか否かを判定することで、左右輪の路面μが大きく異なるか否かを判定する。
ECU8は、左右輪の路面μが大きく異なると判定した場合(ST1:Yes)、すなわち、右路面μroad,rと左路面μroad,lとの差分の絶対値が0近傍ではないと判定した場合、後述するような左右輪に作用する荷重の相違よりも左右輪の路面μの相違の影響の方が大きくなるので、左右輪の路面μの偏差に応じて制動装置7を制御し、左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節する制御に移行する。
この場合、ECU8は、低μ路面側でタイヤμを大きくした方が良いか否か、例えば、高μ路面側のタイヤμが低μ路面側のタイヤμのピークμを大きく超えているか否かを判定する(ST2)。ECU8は、例えば、制動後t秒後の右側の車輪3のタイヤμr(t)と制動後t秒後の左側の車輪3のタイヤμ(t)との差分(偏差)の絶対値がほぼ0であるか否かを判定することで、低μ路面側でタイヤμを大きくした方が良いか否かを判定する。ECU8は、例えば、車輪速度センサ13による検出結果等に基づいた車輪3のスリップ率及びスリップ率速度と、図2に例示したようなスリップ率速度を踏まえたμ−S特性マップとに基づいて、タイヤμr(t)、タイヤμ(t)を算出することができる。このμ−S特性マップは、車両2の仕様や車輪3のタイヤのμ特性等に応じて予め作成されECU8の記憶部に格納されている。ECU8は、このμ−S特性マップに基づいて、現在の車輪3のスリップ率及びスリップ率速度からタイヤμr(t)、タイヤμ(t)を算出する。
ECU8は、低μ路面側でタイヤμを大きくした方が良いと判定した場合(ST2:Yes)、すなわち、タイヤμr(t)とタイヤμ(t)との差分の絶対値が0近傍ではなくタイヤμr(t)とタイヤμ(t)とが大きく異なると判定した場合、下記のように制御する。すなわち、ECU8は、図2に例示したようなμ−S特性マップ等に基づいて、左右輪でタイヤμが同等となるように、制動装置7の油圧制御装置10を制御して、各車輪3のスリップ率、スリップ率速度を個別に独立して制御して(ST3)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
このとき、ECU8は、制動装置7を制御し、低μ路面側の車輪3のホイールシリンダ圧の変化速度を増加しスリップ率速度を上げて、この低μ路面側の車輪3のタイヤμのピークμ(最大μ)を大きくしながら、高μ路面側の車輪3のタイヤμにあわせこむように制御する。これにより、車両制御装置1は、単純に左右輪のタイヤμをあわせこむだけでなく、低μ路面側のタイヤμのピークμを大きくした上で、左右輪のタイヤμをあわせこみ左右差を少なくすることができるので、制動装置7の制動性能を最大限活用することができ、車両2全体で相対的に大きな制動力を発生させることができる。
なお、ECU8は、低μ路面側の車輪3に対する制御とあわせて、制動装置7を制御し、高μ路面側の車輪3のホイールシリンダ圧の変化速度を低減しスリップ率速度を下げて、この高μ路面側の車輪3のタイヤμのピークμを小さくしながら、左右輪のタイヤμをあわせこむように制御してもよい。この場合、車両制御装置1は、より迅速に左右輪のタイヤμをあわせこみ左右差を少なくすることができる。
ECU8は、ST2にて、低μ路面側でタイヤμを大きくしなくとも良いと判定した場合(ST2:No)、すなわち、タイヤμr(t)とタイヤμ(t)との差分の絶対値がほぼ0でありタイヤμr(t)とタイヤμ(t)とが同等であると判定した場合、下記のように制御する。すなわち、ECU8は、この状態で左右輪でタイヤμがほぼ同等でありスリップ率、スリップ率速度もほぼ同等であるので、制動装置7の油圧制御装置10を制御して、そのまま左右輪でスリップ率、スリップ率速度が同等になるように制御して(ST4)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
ECU8は、ST1にて、左右輪の路面μがほぼ同等であると判定した場合(ST1:No)、すなわち、右路面μroad,rと左路面μroad,lとの差分の絶対値がほぼ0であると判定した場合、基本的にはスリップ率速度を制御しなくてもよいが、ここでは、左右輪に作用する荷重が相違する場合のスリップ率速度制御も組み合わせて実行することとする。
この場合、ECU8は、荷重センサ15による検出結果等に基づいて、左右輪の荷重差が大きいか否かを判定する(ST5)。ECU8は、例えば、右側の車輪3の荷重Wrと左側の車輪3の荷重Wとの差分(偏差)の絶対値がほぼ0であるか否かを判定することで、左右輪の荷重差が大きいか否かを判定する。
ECU8は、左右輪の荷重差が小さいと判定した場合(ST5:No)、すなわち、荷重Wrと荷重Wとの差分の絶対値がほぼ0であると判定した場合、下記のように制御する。すなわち、ECU8は、左右輪の荷重差が小さい状態では、同等の制動トルクに対して左右輪のスリップ率速度の差がほとんど発生しないので、制動装置7の油圧制御装置10を制御して、左右輪でスリップ率が同等になるように制御して(ST6)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。これにより、車両制御装置1は、より詳細に左右輪のタイヤμをあわせこみ、左右差を少なくすることができる。
ECU8は、左右輪の荷重差が大きいと判定した場合(ST5:Yes)、すなわち、荷重Wrと荷重Wとの差分の絶対値が0近傍でないと判定した場合、左右輪の荷重差が大きい状態では、同等の制動トルクに対して左右輪のスリップ率速度に差が発生することがあるので、車輪速度センサ13による検出結果等に基づいて、左右輪でスリップ率速度が同等であるか否かを判定する(ST7)。ECU8は、例えば、右側の車輪3のスリップ率速度Sr・ドットと左側の車輪3のスリップ率速度S・ドットとの差分(偏差)の絶対値がほぼ0であるか否かを判定することで、左右輪でスリップ率速度が同等であるか否かを判定する。
ECU8は、左右輪でスリップ率速度が同等であると判定した場合(ST7:Yes)、すなわち、スリップ率速度Sr・ドットとスリップ率速度S・ドットとの差分の絶対値がほぼ0であると判定した場合、ST6に移行する。これにより、車両制御装置1は、より詳細に左右輪のタイヤμをあわせこみ、左右差を少なくすることができる。
ECU8は、左右輪でスリップ率速度が同等でないと判定した場合(ST7:No)、すなわち、スリップ率速度Sr・ドットとスリップ率速度S・ドットとの差分の絶対値が0近傍でないと判定した場合、左右輪のスリップ率速度が相違する状態では、左右輪で同じスリップ率にしても、左右輪のタイヤμが相違してしまうので、下記のように制御する。すなわち、ECU8は、図2に例示したようなμ−S特性マップ等に基づいて、左右輪でタイヤμが同等となるように、制動装置7の油圧制御装置10を制御して、各車輪3のスリップ率、スリップ率速度を個別に独立して制御して(ST8)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。これにより、車両制御装置1は、左右輪に作用する荷重が相違する場合であっても、確実に左右輪のタイヤμをあわせこみ、左右差を少なくすることができる。
したがって、車両制御装置1は、左右の車輪3のスリップ率速度等を個別に調節して、車両2の偏向を抑制する制御を実行することで、スリップ率速度を踏まえたμ−S特性に対応したヨーコントロール制御とすることができるので、車両2の偏向を抑制し車両2の姿勢を安定化させる際の制御精度を向上させることができる。この結果、車両制御装置1は、車輪3のタイヤμに左右差が生じることを確実に抑制することができるので、車両2がまたぎ路を走行している場合や左右輪に作用する荷重が相違する場合等に制動をかけても、車体にヨー方向の回転モーメントが発生することを精度よく抑制することができる。これにより、車両制御装置1は、確実に車両2の姿勢を安定化させ、直進安定性を向上することができる。
以上で説明した実施形態に係る車両制御装置1によれば、車両2の左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節可能である制動装置7と、左右の車輪3がそれぞれ接地する各路面の摩擦係数の偏差に応じて、制動装置7を制御し、左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節して、車両2の偏向を抑制する制御を実行するECU8とを備える。したがって、車両制御装置1は、左右の車輪3のスリップ率速度を個別に調節して、車両2の偏向を抑制する制御を実行することで、車両2の姿勢を安定化させる際の制御精度を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両制御装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、車両制御装置の制御装置は、車両の各部を制御するECUであるものとして説明したが、これに限らず、例えば、ECUとは別個に構成され、このECUと相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の授受を行う構成であってもよい。
以上の説明では、制御装置は、左右輪の路面μが相違する場合の制御と、左右輪に作用する荷重が相違する場合の制御とを組み合わせて実行するものとして説明したがこれに限らず、それぞれ別個に並行して実行するようにしてもよい。
以上の説明では、調節装置は、左右の車輪の制動力を個別に調節することで左右の車輪のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節可能である制動装置であるものとして説明したがこれに限らない。調節装置は、左右の車輪の駆動力を個別に調節することで左右の車輪のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節可能である駆動装置であってもよい。
以上の説明では、調節装置は、車両の左右の車輪のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節可能であるものとして説明したがこれに限らない。調節装置は、車両の左右の車輪のスリップ率を個別に調節可能でない構成であってもよく、制御装置は、上記で説明した制御において、調節装置を制御し左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節する一方、スリップ率を個別に調節しない構成であってもよい。
1 車両制御装置
2 車両
3 車輪
3RR 右後輪
3FR 右前輪
3RL 左後輪
3FL 左前輪
7 制動装置(調節装置)
8 ECU(制御装置)

Claims (3)

  1. 車両の左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節可能である調節装置と、
    前記左右の車輪がそれぞれ接地する各路面の摩擦係数が異なる場合に、前記調節装置を制御し、前記路面の摩擦係数が小さい路面側の前記車輪のスリップ率速度を調節し、当該車輪の摩擦係数を大きくして当該車輪に対する他の車輪の摩擦係数にあわせこんで前記車両の偏向を抑制する制御を実行する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記左右の車輪がそれぞれ接地する各路面の摩擦係数を、予め作成された、車輪と路面との間の摩擦係数であるタイヤμとスリップ率Sとスリップ率速度dS/dtとの関係を示すスリップ率速度dS/dtを踏まえたμ−S特性マップに基づいて算出することを特徴とする、
    車両制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記左右の車輪の各荷重が異なる場合に、前記調節装置を制御し、前記左右の車輪のスリップ率速度を個別に調節し、前記左右の車輪の摩擦係数の偏差を小さくする制御を実行する、
    請求項1記載の車両制御装置。
  3. 前記調節装置は、さらに、前記左右の車輪のスリップ率を個別に調節可能であり、
    前記制御装置は、前記調節装置を制御し、前記左右の車輪のスリップ率及びスリップ率速度を個別に調節して、前記左右の車輪の摩擦係数を同等とする制御を実行する、
    請求項1又は請求項に記載の車両制御装置。
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