JP5849722B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内への目標吹出温度に対するフェイス開口部およびフット開口部から吹き出す空気の検出温度の偏差に基づいてエアミックスドアをフィードバック制御する車両用空調装置に関する。
従来技術として、例えば下記特許文献1に開示された車両用空調装置がある。この車両用空調装置では、定常時には、実際の吹き出し空気温度を検出し、検出空気温度と目標吹出温度との偏差に応じてエアミックスダンパのダンパ開度をフィードバック制御(所謂クローズループ制御)するようになっている。そして、上部ダクトおよび下部ダクトの両者を介して車室内へ空気を吹き出すバイレベルモード時には、上部ダクトから吹き出される空気の検出温度と下部ダクトから吹き出される空気の検出温度の平均値を、実際の吹き出し空気温度としている。
特開平4−252720号公報
近年、エアミックスドアが開度を変更する冷風バイパス通路(第1冷風バイパス通路)とは別に形成されて、冷房用熱交換器(冷却用熱交換器)を通過した冷却空気をフェイス開口部へ直接導く補助冷風バイパス通路(第2冷風バイパス通路)と、この補助冷風バイパス通路の開度を調節する冷風バイパスドアとを設けた車両用空調装置がある。このような車両用空調装置は、特にバイレベルモードにおいて、冷風バイパスドアを作動させて補助冷風バイパス通路からの冷風をフェイス開口部に導くことでフェイス開口部からの吹出温度を低下させ、フェイス開口部からの吹出温度とフット開口部からの吹出温度とに差をつける所謂頭寒足熱の空調を可能にしている。
しかしながら、上記した冷却空気をフェイス開口部へ直接導く補助冷風バイパス通路を備える車両用空調装置において、前述した従来技術のようなエアミックスドアのフィードバック制御を行うと、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出すバイレベルモード時に、フット吹出温度が変動して乗員が不快を感じる場合があるという問題がある。
具体的には、バイレベルモード時に、冷風バイパスドアが補助冷風バイパス通路の開度を大きくしてフェイス吹出温度を低下させると、フェイス吹出温度とフット吹出温度との平均値を実際の吹き出し空気温度としてエアミックスドアをフィードバック制御するため、エアミックスドアが温風を増大させるように作動されて、フット吹出温度が上昇してしまうという不具合を発生する。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドアが第2冷風バイパス通路を流れフェイス開口部へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動を抑制することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
フェイス開口部(27)およびフット開口部(29)の両者から送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、フェイス吹出温度検出手段(97)が検出したフェイス吹出温度(TAV)およびフット吹出温度検出手段(99)が検出したフット吹出温度(TAH)のそれぞれに所定の重み付けをして代表実測温度(DAT)を算出し、算出した代表実測温度に補正値(CBMadj)を加えて比較温度を設定して、車室内への送風空気の目標吹出温度(TAO)に対する比較温度の偏差(DATerr)に応じてエアミックスドアをフィードバック制御する制御手段(100)を備え、
この制御手段は、フェイス開口部およびフット開口部の両者から送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、冷風バイパスドア(32)が調節する第2冷風通路(31)を流れる冷風量の増加に応じて、補正値(CBMadj)を大きくすることを特徴としている。
これによると、制御手段がエアミックスドアをフィードバック制御する際に目標吹出温度と比較する比較温度は、フェイス吹出温度検出手段が検出したフェイス吹出温度およびフット吹出温度検出手段が検出したフット吹出温度のそれぞれに所定の重み付けをして算出した代表実測温度に補正値を加えたものである。そして、制御手段は、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増加させるにしたがって、この補正値を大きくする。
したがって、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増大させてフェイス開口部からの吹出温度を低下させても、制御手段は代表実測温度に加える補正値を増大させた比較温度を用いてエアミックスドアをフィードバック制御する。
このようにして、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れフェイス開口部へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動を抑制することができる。
また、請求項1に記載の発明では、制御手段は、フェイス吹出温度(TAV)が第2冷風通路(31)を流れる冷風によって変化する温度変化分(−f1(CBM))と、代表実測温度(DAT)を算出する際のフェイス吹出温度(TAV)に乗される重み付け係数(1−Wfoot)とに基づいて、補正値(CBMadj)を算出すること特徴としている。
これによると、制御手段は、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増大させてフェイス開口部からの吹出温度を低下させた温度の変化分と、フェイス吹出温度およびフット吹出温度のそれぞれに所定の重み付けをして代表実測温度を算出する際のフェイス吹出温度に乗算される重み付け係数とから、補正値を算出する。
したがって、第2冷風通路を流れる冷風によって代表実測温度が低下してしまう分を、補正値を加えることにより補正することが可能である。これにより、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れフェイス開口部へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動を確実に抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明では、
フェイス開口部(27)およびフット開口部(29)の両者から送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、フェイス吹出温度検出手段(97)が検出したフェイス吹出温度(TAV)およびフット吹出温度検出手段(99)が検出したフット吹出温度(TAH)のそれぞれに所定の重み付けをして代表実測温度(DAT)を算出し、算出した代表実測温度に補正値(CBMadj)を加えて比較温度を設定して、車室内への送風空気の目標吹出温度(TAO)に対する比較温度の偏差(DATerr)に応じてエアミックスドアをフィードバック制御する制御手段(100)を備え、
この制御手段は、フェイス開口部およびフット開口部の両者から送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、冷風バイパスドア(32)が調節する第2冷風通路(31)を流れる冷風量の増加に応じて、補正値(CBMadj)を大きくするものであり、
制御手段は、フェイス開口部およびフット開口部からの吹出風量割合が異なる複数の吹出モードを設定可能であり、フット開口部からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど補正値が大きくなるように、複数の吹出モードのそれぞれに対応して補正値を変更することを特徴としている。
これによると、制御手段がエアミックスドアをフィードバック制御する際に目標吹出温度と比較する比較温度は、フェイス吹出温度検出手段が検出したフェイス吹出温度およびフット吹出温度検出手段が検出したフット吹出温度のそれぞれに所定の重み付けをして算出した代表実測温度に補正値を加えたものである。そして、制御手段は、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増加させるにしたがって、この補正値を大きくする。
したがって、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増大させてフェイス開口部からの吹出温度を低下させても、制御手段は代表実測温度に加える補正値を増大させた比較温度を用いてエアミックスドアをフィードバック制御する。
このようにして、フェイス開口部およびフット開口部の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れフェイス開口部へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動を抑制することができる。
また、フット開口部からの吹出風量割合が大きい場合ほど、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増大させたときのフェイス吹出温度の低下量は大きくなる。本請求項に記載の発明によれば、フット開口部からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど、代表実測温度に加える補正値は大きくなる。したがって、フェイス開口部とフット開口部との吹出風量割合が変動したとしても、これを反映して補正値を変更し、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動をより一層確実に抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明では、冷却用熱交換器(17)による送風空気の冷却温度(TE)を検出する冷却温度検出手段(94)を備え、制御手段は、冷却温度検出手段が検出する冷却温度(TE)が高くなるにしたがって、補正値(CBMadj)を減少させることを特徴としている。
これによると、冷風バイパスドアが調節する第2冷風通路を流れる冷風の温度が高くなるほど、代表実測温度に加える補正値は小さくなる。したがって、冷却用熱交換器による送風空気の冷却温度が変動したとしても、これを反映して補正値を変更し、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動を一層確実に抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明では、制御手段は、フェイス開口部およびフット開口部からの吹出風量割合が異なる複数の吹出モードを設定可能であり、フット開口部からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど補正値が大きくなるように、複数の吹出モードのそれぞれに対応して補正値を変更することを特徴としている。
フット開口部からの吹出風量割合が大きい場合ほど、冷風バイパスドアが第2冷風通路を流れる冷風量を増大させたときのフェイス吹出温度の低下量は大きくなる。本請求項に記載の発明によれば、フット開口部からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど、代表実測温度に加える補正値は大きくなる。したがって、フェイス開口部とフット開口部との吹出風量割合が変動したとしても、これを反映して補正値を変更し、フット開口部から吹き出す空気の温度の変動をより一層確実に抑制することができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明を適用した第1の実施形態における車両用空調装置1の概略構成図である。 第1の実施形態の空調用ECU100の概略制御動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のCBM開度に対応する補正項f1(CBM)の関係を示す特性図である。 第1の実施形態の空調用ECU100による制御の一例を説明するためのグラフである。 第2の実施形態の空調用ECU100の概略制御動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態の蒸発器温度TEに対応する補正項f2(TE)の関係を示す特性図である。 第3の実施形態のCBM開度に対応する補正項f1(CBM)の関係を示す特性図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態における車両用空調装置1の概略構成図(空調ユニット3は断面図)である。
図1に示すように、車両用空調装置1は、ブロワ12以外の図示を省略した送風ユニット2と空調ユニット3とを備えている。送風ユニット2の空気流れ下流側に配置される空調ユニット3は、通常、車室内前部の計器盤内側において、車両幅方向の略中央位置に配置され、送風ユニット2は空調ユニット3に対して助手席側にオフセットして配置されている。送風ユニットは空調ユニットの上方や前方に配置されるものであってもよい。
車両用空調装置1は、空気を流通させる空気通路11を形成する空調ケース10を有している。空調ケース10は、車室内前部の計器盤内側に配置されており、ある程度の弾性を有して強度的に優れた樹脂の成形品でなっている。
空調ケース10には、車室内に向かう空気流れを空気通路11内に発生させる遠心式のブロワ12が設けられている。ブロワ12は空調用ECU100(空調制御装置、制御手段に相当)により作動制御され、駆動用モータに印加されるブロワ電圧に基づいて所定の回転数で回転するようになっている。
ブロワ12の空気流れ上流側には、内外気切替箱が設けられている。内外気切替箱には、車室外の空気(外気)を導入する外気導入口と、車室内の空気(内気)を導入する内気導入口とが形成されている。また内外気切替箱には、吸込口モードに基づいて外気又は内気を切替導入するために、外気導入口及び内気導入口を開閉する内外気切替ドアが設けられている。内外気切替ドアは、空調用ECU100により作動制御されるようになっている。
空調ユニット3は、1つの共通の空調ケース10内に蒸発器17(冷房用熱交換器、冷却用熱交換器に相当)とヒータコア18(暖房用熱交換器、加熱用熱交換器に相当)の両方を一体的に内蔵するタイプのものである。また、空調ユニット3は、車両の前後方向および上下方向に対して、図1に示す形態で配置されている。空調ケース10の、最も車両前方側の部位のうち、例えば側面もしくは上面に空気入口19が形成されている。この空気入口19には、先の送風ユニット2から送風される空気が流入する。
そして、空調ケース10内において空気入口19の直後の部位(ブロワ12よりも下流側)に、内部を流通する冷媒との熱交換により空調空気を冷却する上記蒸発器17が配置されている。蒸発器17は、車両前後方向には薄型の形態で、空調ケース10内通路を横断するように上下方向に配置されている。したがって、蒸発器17の車両上下方向に延びる全面に空気入口19からの送風空気が流入する。また、蒸発器17は、冷媒が循環する冷凍サイクル(圧縮機、凝縮器、膨張弁等で構成される冷凍サイクル)の一部を構成する。
蒸発器17の空気流れ下流側には、所定の間隔を開けてヒータコア18が配置されている。このヒータコア18は、空調ケース10内の下方側において、車両後方側に傾斜して配置されている。尚、図示しないが、蒸発器17とヒータコア18との車両左右方向の幅寸法は、空調ケース10の幅寸法と略同等に設計されている。
ヒータコア18は、蒸発器17を通過した冷風を再加熱するものであり、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。空調ケース10内の空気通路において、ヒータコア18の上方部位には、このヒータコア18をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路21(第1冷風通路に相当)が形成されている。
また、ヒータコア18と蒸発器17との間の部位には、平板状のエアミックスドア20が配置されている。このエアミックスドア20は、ヒータコア18を通過して温風になる風量と、冷風バイパス通路21を通ってヒータコア18をバイパスする冷風の風量とを調節するものであり、この冷風と温風の風量割合の調節により、車室内への吹出空気温度の調節が行われる。
エアミックスドア20は、水平方向(車両幅方向)に配置された回転軸と一体に結合されており、この回転軸を中心として車両上下方向に回動可能になっている。また、この回転軸は、空調ケース10に回転自在に支持され、かつ回転軸の一端部は空調ケース10の外部に突出しており、図示を省略したリンク機構を介してサーボモータなどを用いたアクチュエータ機構に連結されている。この図示を省略したアクチュエータ機構は、空調用ECU100によって制御されてエアミックスドア20の回動位置を調節するようになっている。
一方、空調ケース10において、ヒータコア18の空気流れ下流側(車両後方側)の部位には、ヒータコア18との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる壁部10aが空調ケース10の一部として形成されている。この壁部10aにより、ヒータコア18の直後(空気流出部)から上方へ向かう温風通路23が形成されている。この温風通路23の下流側には、ヒータコア18の上方部において冷風バイパス通路21の下流側と合流し、冷風と温風の混合を行う空気混合部24が形成されている。
空調ケース10の上面部において、車両前方寄りの部位に、空気混合部24にて温度調節された空調空気が流入するデフロスタ開口部25が開口している。このデフロスタ開口部25は、デフロスタダクト251を介して車室内のデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から、車両前方窓ガラスの内面に向けて風を吹き出す。
デフロスタ開口部25は、吹出モード切替ドアの1つである平板状のデフロスタドア26により開閉される。このデフロスタドア26は、空調ケース10の上面部近傍にて水平方向に配置された回転軸により回動するようになっている。デフロスタドア26は、デフロスタ開口部25と連通口34との開口比率を調節するようになっている。そして、連通口34は、空気混合部24からの空調空気を、フェイス開口部27およびフット開口部29へ流すための通路(共通の開口)となっている。
空調ケース10の上面部において、デフロスタ開口部25よりも車両後方側(乗員寄り)の部位にフェイス開口部27が設けられており、このフェイス開口部27は、フェイスダクト271を介して計器盤上方側に配置されているフェイス吹出口に接続され、このフェイス吹出口から車室内の乗員頭胸部(乗員上半身)に向けて風を吹き出す。
空調ケース10において、フェイス開口部27の下方側にはフット開口部29が設けられている。このフット開口部29は、空調ケース10の下方側で左右両側に向けて開口しており、左右両側にフットダクト291が接続される。このフットダクト291は、他端側が運転席および助手席の乗員足元に向けたフット吹出口となっており、このフット吹出口から運転席および助手席の乗員足元に風を吹き出す。
フェイス開口部27とフット開口部29との間には、平板状のフェイスフット切替ドア(吹出モード切替ドア)28が回転軸により回動可能に配置され、このフェイスフット切替ドア28によってフェイス開口部27とフット開口部29のフット入口部29aとの開口比率が調節されるようになっている。
吹出モード切替ドアのデフロスタドア26およびフェイスフット切替ドア28は、それらの回転軸が図示しないリンク機構を介して互いに連動するようになっており、そのリンク機構はサーボモータ等からなる吹出モード切替用のアクチュエータ機構(図示略)に連結されている。そして、このアクチュエータ機構は、空調用ECU100によって制御されてリンク機構を介して各ドアの回動位置を調節するようになっている。
空調ケース10内の空気通路11において、蒸発器17の空気流れ下流側でエアミックスドア20の上方部位には、冷風バイパス通路21と並設して(ヒータコア18および冷風バイパス通路21をバイパスする)補助冷風バイパス通路31(第2冷風通路に相当)が開口している。この補助冷風バイパス通路31の空気流れ上流側には、この通路を開閉するための平板状の冷風バイパスドア32が配置されている。この補助冷風バイパス通路31からの冷風は、図中に矢印で示すように、主にフェイス開口部27へ流れることとなる。
冷風バイパスドア32は、水平方向に配置された回転軸と一体に結合されており、この回転軸とともに略車両前後方向に回動可能となっている。冷風バイパスドア32は、その回転軸が図示しないリンク機構を介してサーボモータ等からなるアクチュエータ機構(図示略)に連結されている。そして、このアクチュエータ機構は、空調用ECU100によって制御されてリンク機構を介して冷風バイパスドア32の回動位置を調節するようになっている。
吹出モード切替ドアのデフロスタドア26およびフェイスフット切替ドア28と冷風バイパスドア32とは、共通のアクチュエータ機構により連動するものであってもよい。
空調用ECU100には、計器盤近傍に設けられたコントロールパネル90の各種スイッチからのスイッチ信号、及び各種センサからの検出信号が入力される。また空調用ECU100は、スイッチ信号及び検出信号に基づいて、デフロスタドア26,フェイスフット切替ドア28、内外気切替ドア、エアミックスドア20、冷風バイパスドア32、ブロワ12等の制御機器を作動制御するようになっている。
コントロールパネル90のスイッチには、冷凍サイクルを運転/停止させるためのエアコンスイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口モード切替スイッチ、車室内の温度を設定するための温度設定スイッチ、送風量を切り替えるための風量切替スイッチ、及び吹出口モードを切り替えるための吹出口モード切替スイッチ等がある。
各種センサには、車室内の空気温度(内気温度)Trを検出する内気温度センサ91、車室外の空気温度(外気温度)Tamを検出する外気温度センサ92、車室内に照射される日射量Tsを検出する日射量センサ93、蒸発器17の外表面温度(具体的には冷媒管に熱的に接続されたアウタフィンの温度、冷却用熱交換器による送風空気の冷却温度に相当)TEを検出する蒸発器温度センサ94(冷却温度検出手段に相当)、ヒータコア18に流入するエンジン冷却水の温度Twを検出する冷却水温度センサ95等がある。
また、各種センサには、フェイスダクト271に設けられてフェイス開口部27から車室内へ吹き出される送風空気の温度TAVを検出するフェイスダクト温度センサ97(フェイス吹出温度検出手段に相当)、および、フットダクト291に設けられてフット開口部29から車室内へ吹き出される送風空気の温度TAHを検出するフットダクト温度センサ99(フット吹出温度検出手段に相当)も含まれる。
なお、冷却温度検出手段は、蒸発器17の外表面温度を検出する蒸発器温度センサ94ではなく、蒸発器17を通過した直後の空気温度を検出する温度センサであってもかまわない。
空調用ECU100は、CPU、ROM、RAM等を備え、種々の演算処理を行うマイクロコンピュータ、各種センサから入力された検出信号をA/D変換してマイクロコンピュータに出力する入力回路、マイクロコンピュータからの制御信号を出力信号仕様に変換して前述したブロワ12や各アクチュエータ機構等の各制御機器に出力する出力回路等を有している。
次に、上記構成に基づき車両用空調装置1の作動について説明する。図2は、本実施形態における空調用ECU100が実行する車両用空調装置1の概略制御動作を示すフローチャートである。図2に示すように、イグニッションスイッチが投入されて空調用ECU100に電力が供給されると、まず、空調用ECU100は、各パラメータ等を初期化(イニシャライズ)する(ステップ110)。
次に、コントロールパネル90の温度設定スイッチや内気温度センサ91、外気温度センサ92、日射量センサ93、蒸発器吹出温度センサ94、冷却水温度センサ95、フェイスダクト温度センサ97およびフットダクト温度センサ99等からの入力信号を読み込む(ステップ120)。
そして、内気温度Tr、外気温度Tamおよび日射量Ts等の車室内の熱負荷と、乗員により設定された設定温度Tsetとに基づいて、車室内への目標吹出温度TAOを下記の数式1から算出する(ステップ130)。
(数1)
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
ここで、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは定数である。
次に、ROMに記憶された特性から、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを決定する(ステップ140)。具体的には、目標吹出温度TAOが高いときにはフットモードが選択され、目標吹出温度TAOが低くなるに伴って、バイレベルモード、更にはフェイスモードの順に選択される。また、乗員の手動操作によってコントロールパネル90の吹出口モード切替スイッチから吹出口モードが設定されている場合には、その設定されたモードが選択される。
フェイスモード(フェイス吹出モード)では、例えば、デフロスタドア26は、デフロスタ開口部25を0%開度(全閉)とし、連通口34を100%開度(全開)とする。フェイスフット切替ドア28は、フェイス開口部27を100%開度(全開)とし、フット開口部29を0%開度(全閉)とする。
バイレベル(B/L)モード(バイレベル吹出モード)では、例えば、デフロスタドア26は、デフロスタ開口部25を0%開度(全閉)とし、連通口34を100%開度(全開)とする。フェイスフット切替ドア28は略中間開度とされる。
フットモード(フット吹出モード)では、例えば、デフロスタドア26は、例えばデフロスタ開口部25を20%開度とし、連通口34を80%開度とする。フェイスフット切替ドア28はフェイス開口部27を0%開度(全閉)とし、フット開口部29を100%開度(全開)とする。
本実施形態のフェイスフット切替ドア28には、ドア板部に切欠き部が設けられており、フェイスフット切替ドア28がフェイス開口部27もしくはフット開口部29を0%開度(全閉)としたときにも、閉じた開口部を介して少量の風を吹き出すことができるようになっている。したがって、本実施形態の車両用空調装置1では、フェイスモード、バイレベルモードおよびフットモードのいずれも、フェイス開口部27およびフット開口部29の両者から車室内へ送風空気を吹き出す吹出モードである。
ステップ140を実行したら、次に、ROMに記憶された特性から、日射量Ts等に対応して冷風バイパスドア32の開度SWRB(以下、CBM開度という場合がある)を決定する(ステップ150)。例えば、吹出口モードがフェイスモードであるときに、車室内上部の熱負荷である日射量Tsが所定値以上である場合には、補助冷風バイパス通路32を全開とする位置に冷風バイパスドア32を制御する。一方、日射量Tsが所定値未満である場合には、補助冷風バイパス通路32を全閉とする位置に冷風バイパスドア32を制御する。
また、吹出口モードがバイレベルモードもしくはフットモードであるときには、車室内上部の熱負荷である日射量Tsの値が増大するにしたがって補助冷風バイパス通路32の開度を大きくするように冷風バイパスドア32を制御する。なお、フェイスモード時においても、日射量Tsの値が増大するにしたがって補助冷風バイパス通路32の開度を大きくするように冷風バイパスドア32を制御するものであってもよい。
ステップ150を実行したら、次に、エアミックスドア20の開度SWを決定する(ステップ160〜190)。本実施形態の車両用空調装置1では、エアミックスドア20を目標吹出温度TAOと吹出温度検出値DAT(実質的には、吹出温度検出値DATを後述するように必要に応じて補正した比較温度)との偏差によりPID制御するようになっている。
まず、ROMに記憶された図3に例示する特性から、ステップ150で決定したCBM開度に応じた補正項f1(CBM)を算出する(ステップ160)。図3に示す特性図は、冷風バイパスドア32の開度が上昇することに応じてフェイス開口部27からのフェイス吹出温度が低下する分を正値としたものである。例えば、吹出モードがバイレベルモードであるときにCBM開度を全閉から全開へ移行すると、フェイス吹出温度が16℃低下することを示している。この温度低下分を正値としたものを補正項f1(CBM)とする。
次に、補正項f1(CBM)を用いて吹出温度検出値DATを補正する補正量CBMadjを算出する(ステップ170)。本実施形態の車両用空調装置1では、吹出温度検出値DATは下記の数式2により算出している。
(数2)
DAT=TAV(1−Wfoot)+TAH×Wfoot
ここで、Wfootは、2つのダクト温度センサ97、99の検出値TAV、TAHの代表実測温度として吹出温度検出値DATを算出する際のフット吹出温度TAHの重み付け係数である。
Wfootは、例えば0.5とすることができる。この場合には、フェイス吹出温度TAVおよびフット吹出温度TAHのそれぞれに、0.5の重み付けをして代表実測温度である吹出温度検出値DATが得られることになる。Wfootは、0.5に限定されるものではなく、例えば、0.6としてもかまわない。
ステップ170では、下記の数式3により補正量CBMadjを算出する。
(数3)
CBMadj=f1(CBM)×(1−Wfoot)
すなわち、ステップ160で算出した補助冷風バイパス通路31からの冷風によるフェイス吹出温度TAVの低下分と吹出温度検出値DATを算出する際にフェイス吹出温度TAVに乗される重み付け係数とから補正量CBMadjが算出される。
ここで、ステップ160で算出した補正項f1(CBM)とフェイス吹出温度TAVに乗される重み付け係数(1−Wfoot)とを乗算して補正量CBMadjとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、補正量CBMadjとしてf1(CBM)を用いてもかまわない。
補正量CBMadjを算出したら、エアミックスドア20をPID制御する際に用いる吹出温度偏差DATerrを下記の数式4から算出する(ステップ180)。
(数4)
DATerr=TAO−(DAT+CBMadj)
ステップ180までを実行したら、算出した吹出温度偏差DATerrにより、エアミックスドア20の開度をPID演算にて算出する(ステップ190)。具体的には、吹出温度偏差DATerrに基づいてエアミックドア20の移動量を決定してフィードバック制御する。エアミックスドア20の移動量P1は、所定のサンプリング周期θ(図2に示すフローの繰り返し周期に相当)毎に得られる吹出温度偏差DATerrについて、今回の偏差をDATerr(n)、前回の偏差をDATerr(n−1)とすると、下記の数式5により算出される。
(数5)
Figure 0005849722
ここで、Kpは比例ゲイン、Tiは積分時間、Tdは微分時間、θはサンプリング周期である。
以上のように、ステップ160〜190を実行してエアミックドア20の開度を決定したら、次に、目標吹出温度TAOに基づいて、ブロワ12の駆動用モータに印加されるブロワ電圧を算出する(ステップ200)。基本的には、ブロワ電圧は、高い冷暖房能力が必要なときほど高くなるようになっている。例えば冷房時には、目標吹出温度TAOが低いほどブロワ電圧が高くなる。また、暖房時には、目標吹出温度TAOが高いほどブロワ電圧が高くなる。
図2において図示を省略しているが、ROMに記憶された特性から、目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定するステップ、および、蒸発器温度センサ94が検出する蒸発器温度TEが目標蒸発器温度TEOとなるように冷凍サイクルの圧縮機の駆動状態を決定するステップ等も実行される。
そして、次に、デフロスタドア26、フェイスフット切替ドア28、内外気切替ドア、エアミックスドア20、冷風バイパスドア32、ブロワ12、圧縮機等の制御機器に対し、各ステップで算出または決定された制御状態が得られるように制御信号を出力し、所定時間(例えば1秒)を経過したらステップ120へリターンする。
上述の構成および作動によれば、空調用ECU100は、バイレベル吹出モード等のフェイス開口部27およびフット開口部29の両者から送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、フェイスダクト温度センサ97が検出するフェイス吹出温度TAVおよびフットダクト温度センサ99が検出するフット吹出温度TAHのそれぞれに所定の重み付け(本例ではいずれも0.5)をして代表実測温度である吹出温度検出値DATを算出し、算出した吹出温度検出値DATに補正値CBMadjを加えて比較温度(DAT+CBMadj)を設定して、車室内への送風空気の目標吹出温度TAOに対する比較温度の偏差DATerrに応じてエアミックスドア20をフィードバック制御する。
そして、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を大きくする(冷風バイパスドア32が調節する補助冷風バイパス通路31を流れる冷風量が増大する)に応じて、補正値CBMadjを増大させる。換言すれば、冷風バイパスドア32による補助冷風バイパス通路31の開度が小さいときよりも大きいときの方が補正値CBMadjが大きくなるように、補正値CBMadjを変更する。
したがって、フェイス開口部27およびフット開口部29の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31を流れる冷風量を増大させてフェイス開口部27からのフェイス吹出温度TAVを低下させても、空調用ECU100は吹出温度検出値DATに加える補正値CBMadjを増大させた比較温度(DAT+CBMadj)を用いてエアミックスドアをフィードバック制御する。
このようにして、フェイス開口部27およびフット開口部29の両者から車室内へ空気を吹き出す吹出モード時に、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31を流れフェイス開口部27へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部29から吹き出す空気の温度の変動を抑制することができる。
また、空調用ECU100は、数式3に示したように、補助冷風バイパス通路31を介してフェイス開口部27へ流れ込む冷風によってフェイス吹出温度TAVが変化した温度分(−f1(CBM)、図3に示す値を負の値とした温度に相当)と、吹出温度検出値DATを算出する際のフェイス吹出温度TAVに乗される重み付け係数(1−Wfoot)とを乗算して、補正値CBMadjを算出している。
したがって、補助冷風バイパス通路32を流れる冷風によって代表実測温度である吹出温度検出値DATが低下してしまう分を、補正値CBMadjを加えることにより上昇させる補正をすることができる。これにより、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を変更してフェイス開口部27へ送る冷風量を変更したとしても、フット開口部29から吹き出す空気の温度の変動を確実に抑制することができる。
例えば図4左側に示すように、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31を全閉しているときには、フェイス吹出温度TAVとフット吹出温度TAHとから算出される代表実測温度である吹出温度検出値DATは、補正されることなく(加算される補正値CBMadj=0として)比較温度とされ、目標吹出温度TAOと比較温度の偏差(乖離の度合い)が小さくなるようにエアミックスドア20がフィードバック制御される。
これに対して、図4右側に示すように、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31を全開としたときには、補助冷風バイパス通路31を介してフェイス開口部27へ送られる冷風により、フェイス吹出温度TAVが低下する(図3に示す例では16℃低下する)。このときのフェイス吹出温度TAVとフット吹出温度TAHとから算出される吹出温度検出値DATをそのまま比較温度とし、目標吹出温度TAOと比較温度の偏差が小さくなるようにエアミックスドア20がフィードバック制御すると、エアミックスドア20はヒータコア18側の開度を大きくし冷風バイパス通路21側の開度を小さくするように変位される。これに伴い、フット吹出温度TAHが不要に上昇してしまう。
本実施形態では、フェイス吹出温度TAVとフット吹出温度TAHとから算出される吹出温度検出値DATに補正値CBMadj(図3の例では8℃)を加算して比較温度とし、目標吹出温度TAOと比較温度の偏差が小さくなるようにエアミックスドア20がフィードバック制御する。したがって、補助冷風バイパス通路31を介してフェイス開口部27へ流れ込む冷風によってフェイス吹出温度が低下され、温度差が大きな頭寒足熱の空調が可能となる。これに加えて、フェイス吹出温度が低下してもフット吹出温度が無用に上昇せず、乗員が不快を感じることを防止できる。
なお、フェイス吹出温度TAVとフット吹出温度TAHとから算出される吹出温度検出値DATに補正値CBMadj(図3の例では冷風バイパスドア32全開時に8℃)を加えて比較温度としていたが、フェイス吹出温度TAVを補正(図3の例では冷風バイパスドア32全開時に+16℃)して吹出温度検出値DATを算出し、吹出温度検出値DATを比較温度としてもかまわない。このようにフェイス吹出温度TAVに補正値を加算しても、実質的には吹出温度検出値DATに補正値を加えたことと同等となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図5および図6に基づいて説明する。
本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、補正値CBMadjの算出に蒸発器17の冷却能力を加味した点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態では、ステップ160において補正項f1(CBM)を算出したら、次に、蒸発器17による送風空気の冷却温度に応じた補正項f2(TE)を算出する(ステップ165)。図6に示す特性図は、蒸発器温度センサ94が検出する蒸発器温度TEが高くなるにしたがって増大する補正項f2(TE)の一例を示している。
そして、次に、補正項f1(CBM)および補正項f2(TE)を用いて吹出温度検出値DATを補正する補正量CBMadjを算出する(ステップ170A)。ステップ170Aでは、下記の数式6により補正量CBMadjを算出する。
(数6)
CBMadj={f1(CBM)−f2(TE)}×(1−Wfoot)
ステップ170Aを実行したら、ステップ180へ進む。
本実施形態によれば、空調用ECU100は、蒸発器温度センサ94が検出する冷却温度TEが高くなるにしたがって、補正値CBMadjを減少させる(補正値CBMadjの増大の度合いを小さくする)。
これによると、補助冷風バイパス通路31を流れてフェイス開口部27に流入する冷風の温度が高くなるほど、吹出温度検出値DATに加える補正値CBMadjは小さくなる。換言すれば、補助冷風バイパス通路31を流れてフェイス開口部27に流入する冷風の温度が低くなるほど、吹出温度検出値DATに加える補正値CBMadjは大きくなる。
したがって、蒸発器17による送風空気の冷却温度が変動したとしても、これを反映して補正値CBMadjを変更し、フット開口部29から吹き出す空気の温度の変動を一層確実に抑制することができる。
ここで、本実施形態においても、補正量CBMadjを算出する際の演算式は数式6に限定されるものではない。例えば、補正量CBMadjとしてf1(CBM)−f2(TE)を用いてもかまわない。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図7に基づいて説明する。
本第3の実施形態は、前述の第1、第2の実施形態と比較して、吹出モード毎に補正値CBMadjを変更する点が異なる。なお、第1、第2の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態では、ステップ140(図2、図5参照)で決定した吹出口モードに対応して、ステップ160で算出する補正項f1(CBM)を変更する。
すなわち、空調用ECU100は、フェイス開口部27およびフット開口部29からの吹出風量割合が異なる複数の吹出モードとして、フットモード、バイレベルモードおよびフェイスモードを設定可能であり、フット開口部29からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど補正値CBMadjが大きくなるように、複数の吹出モードのそれぞれに対応して補正値CBMadjを変更する。
フェイス開口部27およびフット開口部29のうちフット開口部29からの吹出風量比率が大きい吹出口モードの場合ほど、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を大きくして補助冷風バイパス通路31を流れる冷風量を増大させたときのフェイス吹出温度TAVの低下量は大きくなる。
本実施形態によれば、フット開口部29からの吹出風量割合が大きい吹出モードを設定したときほど、補正値CBMadjは大きくなる。すなわち、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を大きくしてフェイス吹出温度TAVの低下量が大きくなるときほど、フェイス吹出温度TAVの低下によって低下する吹出温度検出値DATを補正する補正値CBMadjは大きくなる。
したがって、フェイス開口部27とフット開口部29との吹出風量割合が変動したとしても、これを反映して補正値CBMadjを変更し、フット開口部29から吹き出す空気の温度の変動をより一層確実に抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記各実施形態では、吹出温度検出値DATを算出する際の重み付け係数Wfoot、(1−Wfoot)をそれぞれ一定値としていたが、これに限定されるものではない。例えば吹出口モード毎に変更するものであってもよい。例えば、フェイスモード時にはWfoot=0、バイレベルモード時にはWfoot=0.5、フットモード時にはWfoot=1とすることができる。これによれば、特にフットモード時の無用なフット吹出温度の変動を防止することができる。
また、上記各実施形態では、吹出温度検出値DATを必要に応じて補正した(加算する補正値が0の場合もある)比較温度と、目標吹出温度TAOとの偏差に応じて、PID制御によりエアミックスドア20をフィードバック制御していたが、これに限定されるものではない。PID制御以外のフィードバック制御(クローズループ制御)を行うものであってもよい。
また、上記各実施形態では、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を大きくするにしたがって、補正値CBMadjを連続的に増大させていたが、これに限定されるものではない。例えば、冷風バイパスドア32が補助冷風バイパス通路31の開度を大きくするにしたがって、補正値CBMadjを段階的に増大するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、エアミックスドア20、冷風バイパスドア32等のドア手段は、いずれも回転軸と平板状のドア板部とからなる回動ドアであったが、これに限定されるものではない。例えば、エアミックスドア20、冷風バイパスドア32等のドア手段に、スライドドアを採用してもかまわない。
1 車両用空調装置
17 蒸発器(冷却用熱交換器)
18 ヒータコア(加熱用熱交換器)
20 エアミックスドア
21 冷風バイパス通路(第1冷風通路)
27 フェイス開口部
29 フット開口部
31 補助冷風バイパス通路(第2冷風通路)
32 冷風バイパスドア
97 フェイスダクト温度センサ(フェイス吹出温度検出手段)
99 フットダクト温度センサ(フット吹出温度検出手段)
100 空調用ECU(制御手段)

Claims (4)

  1. 車室内へ向けて流れる送風空気を冷却する冷却用熱交換器(17)と、
    前記冷却用熱交換器の空気流れ下流側に設けられ、前記冷却用熱交換器を通過した冷風を加熱する加熱用熱交換器(18)と、
    前記冷風が前記加熱用熱交換器を迂回して流れる第1冷風通路(21)と、
    前記加熱用熱交換器を通過する温風と前記第1冷風通路を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(20)と、
    前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路よりも空気流れ下流側に設けられ、前記送風空気を前記車室内の乗員上半身に向けて吹き出すフェイス開口部(27)と、
    前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路よりも空気流れ下流側に設けられ、前記送風空気を前記車室内の乗員足元に向けて吹き出すフット開口部(29)と、
    前記冷風が前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路を迂回して前記フェイス開口部に流れる第2冷風通路(31)と、
    前記第2冷風通路を流れる冷風量を調節する冷風バイパスドア(32)と、
    前記フェイス開口部から前記車室内へ吹き出される前記送風空気の温度を検出するフェイス吹出温度検出手段(97)と、
    前記フット開口部から前記車室内へ吹き出される前記送風空気の温度を検出するフット吹出温度検出手段(99)と、
    前記フェイス開口部および前記フット開口部の両者から前記送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、前記フェイス吹出温度検出手段が検出したフェイス吹出温度(TAV)および前記フット吹出温度検出手段が検出したフット吹出温度(TAH)のそれぞれに所定の重み付けをして代表実測温度(DAT)を算出し、算出した前記代表実測温度に補正値(CBMadj)を加えて比較温度を設定して、前記車室内への前記送風空気の目標吹出温度(TAO)に対する前記比較温度の偏差(DATerr)に応じて前記エアミックスドアをフィードバック制御する制御手段(100)と、を備え、
    前記制御手段は、前記フェイス開口部および前記フット開口部の両者から前記送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、前記冷風バイパスドアが調節する前記第2冷風通路を流れる冷風量の増加に応じて、前記補正値(CBMadj)を大きくするものであり、
    前記制御手段は、前記フェイス吹出温度が前記第2冷風通路を流れる冷風によって変化する温度変化分(−f1(CBM))と、前記代表実測温度(DAT)を算出する際の前記フェイス吹出温度(TAV)に乗される重み付け係数(1−Wfoot)とに基づいて、前記補正値(CBMadj)を算出することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車室内へ向けて流れる送風空気を冷却する冷却用熱交換器(17)と、
    前記冷却用熱交換器の空気流れ下流側に設けられ、前記冷却用熱交換器を通過した冷風を加熱する加熱用熱交換器(18)と、
    前記冷風が前記加熱用熱交換器を迂回して流れる第1冷風通路(21)と、
    前記加熱用熱交換器を通過する温風と前記第1冷風通路を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(20)と、
    前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路よりも空気流れ下流側に設けられ、前記送風空気を前記車室内の乗員上半身に向けて吹き出すフェイス開口部(27)と、
    前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路よりも空気流れ下流側に設けられ、前記送風空気を前記車室内の乗員足元に向けて吹き出すフット開口部(29)と、
    前記冷風が前記加熱用熱交換器および前記第1冷風通路を迂回して前記フェイス開口部に流れる第2冷風通路(31)と、
    前記第2冷風通路を流れる冷風量を調節する冷風バイパスドア(32)と、
    前記フェイス開口部から前記車室内へ吹き出される前記送風空気の温度を検出するフェイス吹出温度検出手段(97)と、
    前記フット開口部から前記車室内へ吹き出される前記送風空気の温度を検出するフット吹出温度検出手段(99)と、
    前記フェイス開口部および前記フット開口部の両者から前記送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、前記フェイス吹出温度検出手段が検出したフェイス吹出温度(TAV)および前記フット吹出温度検出手段が検出したフット吹出温度(TAH)のそれぞれに所定の重み付けをして代表実測温度(DAT)を算出し、算出した前記代表実測温度に補正値(CBMadj)を加えて比較温度を設定して、前記車室内への前記送風空気の目標吹出温度(TAO)に対する前記比較温度の偏差(DATerr)に応じて前記エアミックスドアをフィードバック制御する制御手段(100)と、を備え、
    前記制御手段は、前記フェイス開口部および前記フット開口部の両者から前記送風空気を吹き出す吹出モードを設定したときに、前記冷風バイパスドアが調節する前記第2冷風通路を流れる冷風量の増加に応じて、前記補正値(CBMadj)を大きくするものであり、
    前記制御手段は、前記フェイス開口部および前記フット開口部からの吹出風量割合が異なる複数の吹出モードを設定可能であり、前記フット開口部からの吹出風量割合が大きい前記吹出モードを設定したときほど前記補正値が大きくなるように、前記複数の吹出モードのそれぞれに対応して前記補正値を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記冷却用熱交換器による前記送風空気の冷却温度(TE)を検出する冷却温度検出手段(94)を備え、
    前記制御手段は、前記冷却温度検出手段が検出する前記冷却温度(TE)が高くなるにしたがって、前記補正値(CBMadj)を減少させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御手段は、前記フェイス開口部および前記フット開口部からの吹出風量割合が異なる複数の吹出モードを設定可能であり、前記フット開口部からの吹出風量割合が大きい前記吹出モードを設定したときほど前記補正値が大きくなるように、前記複数の吹出モードのそれぞれに対応して前記補正値を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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