JP5849377B2 - 裏返し法による形状測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、形状測定方法及び装置に関し、特に、裏返し法によって板状の被測定物の反り、板厚を測定する形状測定方法及びその方法の実施に用いられる装置に関する。
半導体デバイスの高性能化、高機能化に伴い、シリコンウェーハやガラス基板などの加工精度や形状測定精度の向上が望まれている。これらの基板の形状測定における重要な測定項目として反りと板厚が挙げられ、これらの測定にはμmオーダの測定精度が要求される。
このような要望のもとに、シリコンウェーハ等の板状の被測定物を3点で支持し、変位センサによる前記被測定物の変位量の測定を、被測定物を表裏反転しても平面座標における被測定物の同じ位置(部位)を支持し且つ同じ測定点で行い、前記被測定物の表面の測定値と裏面の測定値より反転法に従って自重による反りを含まない被測定物の反り、板厚を計測する3点支持裏返し法(裏返し反転法)による形状測定方法が考えられている(例えば、非特許文献1)。
三点支持裏返し法によるシリコンウェーハの反りと板厚の同時測定(精密工学会誌Vol.76,No11,2010,1305頁〜1309頁)
μmオーダの測定精度を得るために、変位センサとしてマイクロレーザ変位計等が用いられる。この種の変位計のダイナミックレンジと分解能とはトレードオフの関係にあり、μmオーダの測定精度を達成する分解能であると、ダイナミックレンジは数100μm程度の小さいものになる。
このことに対して、近年、シリコンウェーハは直径300mmから450mmへ大型化する傾向があり、大型化しても一枚のシリコンウェーハの板厚が増大するわけでないので、剛性が低下する。形状測定におけるシリコンウェーハの支持点は、非製品部であるシリコンウェーハの外縁部に限られるから、シリコンウェーハの口径が大きくなるほど、自重によるシリコンウェーハの反り(たわみ)が大きく増加する。このため、直径450mmのシリコンウェーハのような大面積の薄肉板状の被測定物では、自重による被測定物の反りが、所要の測定精度を得る分解能の変位センサのダイナミックレンジを超え、正しい形状測定を行えなくなる虞があり、分解能低下による測定精度の低下を余儀なくされる。
本発明が解決しようとする課題は、大面積化によって自重による被測定物の反りが増加しても、所要オーダの測定精度をもって裏返し反転法による形状測定方法を行えるようにすることである。
本発明による裏返し法による形状測定方法は、板状の被測定物(W)を3点(F1〜F3)で支持し、変位センサ(22)による前記被測定物(W)の変位量の測定を、被測定物(W)を表裏反転しても平面座標における同じ位置を支持し且つ同じ測定点で行い、前記被測定物(W)の表面の測定値と裏面の測定値より自重による反りを含まない前記被測定物(W)の形状を計測する裏返し反転法による形状測定方法であって、前記被測定物(W)の前記3点の支持点(F1〜F3)とは異なる少なくとも1点を押し上げるように追加支持し、この追加支持点(F4)を含む前記被測定物(W)のすべての支持点(F1〜F4)は前記被測定物(W)を表裏反転しても平面座標における当該被測定物(W)の同じ位置を支持する配置に設定し、前記追加支持点(F4)を含む前記被測定物(W)の支持点の少なくとも1つは支持荷重を変更可能に前記被測定物(W)を支持し、支持荷重の変更によって各支持点(F1〜F4)における前記被測定物(W)の支持荷重が前記被測定物(W)を表裏反転しても同一になる設定のもとに前記被測定物の変位量測定を行う。
このように被測定物(W)を支持することにより、形状測定時の被測定物(W)の自重による反りが低減し、大面積化によって自重による被測定物(W)の反りが大きくなるものでも、変位センサ(22)のダイナミックレンジを大きくする必要がなくなる。これにより、所要オーダの測定精度をもって従前の裏返し反転法による形状測定方法を行うことができる。
本発明による裏返し反転法による形状測定方法は、好ましくは、被測定物(W)の3点支持は、二等辺三角形の各頂点が支持点になる配置であり、二等辺三角形の1つの頂点を含んで当該二等辺三角形を2等分する直線上に少なくとも1つの追加支持点がある。
この支持点配置であれば、二等辺三角形を2等分する直線上にある追加支持点における支持荷重を計測するだけでよい。
本発明による裏返し法による形状測定装置は、板状の被測定物(W)を支持部によって3点(F1〜F3)で支持し、変位センサ(22)による前記被測定物(W)の変位量の測定を、被測定物(W)を表裏反転しても平面座標における同じ位置を支持し且つ同じ測定点で行い、前記被測定物(W)の表面の測定値と裏面の測定値より自重による反りを含まない前記被測定物(W)の形状を計測する裏返し法による形状測定装置であって、前記被測定物(W)の前記3点の支持点(F1〜F3)とは異なる少なくとも1点(F4)を押し上げるように追加支持する支持部(32)を有し、前記追加支持部(32)を含む前記被測定物(W)のすべての支持部は前記被測定物(W)を表裏反転しても当該被測定物(W)の同じ位置を支持する配置に設定され、前記追加支持部(32)を含む前記被測定物(W)の支持部の少なくとも1つは、支持荷重を変更可能に前記被測定物(W)を支持する支持荷重可変設定部(34)と、支持荷重を測定する荷重センサ(36)とを有し、前記荷重センサ(36)によって測定される支持荷重に基づいて前記支持部(32)の高さを調整すること等によって支持荷重を変更し、各支持点における前記被測定物(W)の支持荷重が前記被測定物(W)を表裏反転しても同一になるように前記支持荷重可変設定部(34)の動作を制御する支持荷重制御部(38)を有する。
この構成によれば、被測定物(W)を3点の支持点(F1〜F3)以外に追加支持部(32)によって支持することにより、形状測定時の被測定物(W)の自重による反りが低減し、大面積化によって自重による被測定物(W)の反りが大きくなるものでも、変位センサ(22)のダイナミックレンジを大きくする必要がなくなる。これにより、所要オーダの測定精度をもって従前の裏返し反転法による形状測定方法を行うことができる。
本発明による裏返し法による形状測定方法および装置によれば、被測定物を支持することにより、形状測定時の被測定物の自重による反りが低減し、大面積化によって自重による被測定物の反りが大きくなるものでも、変位センサのダイナミックレンジを大きくする必要がなくなり、所要オーダの測定精度をもって従前の裏返し反転法による形状測定方法を行うことができる。
本発明による裏返し法による形状測定方法の実施に使用される形状測定装置の1つの実施形態を示す斜視図。 本実施形態による形状測定方法および装置における被測定物の支持点配置を示す平面図。 本実施形態による形状測定方法および装置を模式的に示す説明図。 他の実施形態による形状測定方法および装置における被測定物の支持点配置を示す平面図。 他の実施形態による形状測定方法および装置における被測定物の支持点配置を示す平面図。 他の実施形態による形状測定方法および装置における被測定物の支持点配置を示す平面図。 他の実施形態による形状測定方法および装置における被測定物の支持点配置を示す平面図。
以下に、本発明による裏返し法による形状測定方法および装置の1つの実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。
形状測定装置は、図1に示されているように、直交2軸走査式のものであり、固定台10上に案内レール12に案内されてY軸方向に走査移動可能な水平配置のテーブル14と、固定台10上にテーブル14を跨ぐようにX軸方向に水平に延在するクロスレール16を含む門形部18と、クロスレール16に案内されてX軸方向に走査移動可能な可動ヘッド20とを有する。可動ヘッド20に三角測量式のマイクロレーザ変位センサ22がテーブル14の上面に向けて取り付けられている。
テーブル14の上面には3個の支持部30によって円盤状のシリコンウェーハ、つまり被測定物Wが水平に載置されている。3個の支持部30は、被測定物Wの円周周り120度の回転角をおいてテーブル14上に突出して配置され、被測定物Wの外縁近傍を下側から3点支持する。3個の支持部30による被測定物Wの3個の支持点を結ぶ線は正三角形を描き、正三角形は1つの水平面を画定する。被測定物Wは、この水平面上に、テーブル14の上面より支持部30の突出高さ分だけ上方に浮いた状態で配置される。
ここで、3点支持(3個の支持部30のみの支持)裏返し反転法による形状測定方法について説明する。可動ヘッド20をX軸方向に走査移動させ、テーブル14をY軸方向に走査移動させることにより、図1に符号Rによって示されている測定経路をもって変位センサ22を移動させ、測定経路上に数μm間隔をおいて設定された各測定点において、変位センサ22によってテーブル14上に3点支持されている被測定物Wの上面までの距離から変位量を測定する。この変位センサ22による被測定物Wの変位量の測定は、被測定物Wを表裏反転してもXY直交平面座標における被測定物Wの同じ位置(部位)を3点支持し、且つ同じ測定点で行い、被測定物Wの表面の測定値と裏面の測定値より自重による反りを含まない被測定物Wの形状(反り・板厚)を計測する。
この裏返し反転法による形状測定方法は、測定装置の幾何学的な誤差を自己補償する反転法を利用した測定方法であり、まず、被測定物Wの表面を上面とした時の表面形状f(x,y)を測定する。この時の被測定物W自体の反り形状をw(x,y)、自重による被測定物Wのたわみ(反り)をg(x,y)とする。なお、(x,y)はXY直交平面座標における座標位置を示す。
ここで、反り形状とは、被測定物Wが吸着固定されていない自重によるたわみを補正した被測定物Wの表面(おもて面)と裏面(うら面)から等距離にある中立面の形状である。w(x,y)とg(x,y)の基準面は、3個の支持点上における被測定物Wの板厚の1/2中間点を結んで得られる平面である。このときの表面形状f(x,y)は、板厚分布t(x,y)およびオフセット量st(x,y)を用いた式(1)で表される。
f(x,y)=w(x,y)+g(x,y)+[t(x,y)]/2+[st(x,y)]/2 …(1)
ここで、[st(x,y)]/2は、支持点上の被測定物Wの板厚が支持点相互で異なることから、3つ支持点上の被測定物Wの板厚の1/2点を結んで得られる平面の傾きを線形的に補間する補正値である。
次に、一つの支持点を通り、他の2つの支持点を結ぶ線分を2等分する直線を反転軸線として被測定物Wを裏返し、同様に、裏面形状b(x,y)を測定する。図1に示されている実施形態に適用した場合、反転軸線はテーブル14のY軸と平行な軸線になる。このとき、反転軸線上にない2つの支持点を結ぶ直線はX軸と平行である。そして被測定物Wは表裏反転されても3個の支持部30によって表裏反転前後で同じ部位を支持されることになる。
被測定物Wを裏返しても自重によるたわみは常に重力方向に生じるが、反り形状は上下反転する。また、反り形状、自重によるたわみ及び板厚のx座標の正負が反転する。従って、裏面形状b(x,y)は、式(2)で表される。
b(x,y)=−w(−x,y)+g(−x,y)+[t(−x,y)]/2+[st(−x,y)]/2 …(2)
式(1)と式(2)から、反り形状w(x,y)は、以下の式(3)により得られる。
w(x,y)={f(x,y)−b(x,y)}/2 …(3)
以上の測定原理により、3点支持裏返し反転法では、表面と裏面の表面形状結果を用いて自重によるたわみを含まない被測定物Wの真の反り形状を得ることができる。
本実施形態では、図2に示されているように、前述の3個の支持部30による支持点F1、F2、F3に加えて、この3個の支持点(F1、F2、F3)とは異なった位置にある支持点F4で被測定物Wを下側から押し上げるように追加支持し、被測定物Wの自重によるたわみを軽減する。この追加の支持点F4は、被測定物Wを表裏反転しても1つのXY直交平面座標において被測定物Wの同じ位置(部位)を支持する位置に設定される。
被測定物Wの3点支持が、各支持点(F1、F2、F3)を直線によって結んで得られる幾何学的図形が正三角形であり、つまり正三角形の各頂点が支持点(F1、F2、F3)になる支持点配置である場合には、追加の支持点F4は、正三角形の1つの頂点(支持点F1)を含んで当該正三角形を2等分する直線、つまり反転軸線A上、より好ましくは、反転軸線A上であって正三角形の内心と同じ位置(被測定物Wの中心位置)に設定される。
この場合、被測定物Wの反転前後で、支持点F2で支持されていた被測定物Wの部位は支持点F3で支持され、支持点F3で支持されていた被測定物Wの部位は支持点F2で支持され、反転軸線A上にある支持点F1、F4で支持されていた被測定物Wの部位は、引き続き同じ支持点F1、F4で支持される。
外縁部を3点支持された円盤状の被測定物Wは、中心位置(重心位置)において自重によるたわみが最大になるから、この自重によるたわみが最大になる位置を支持点F4として被測定物Wを下側から押し上げるように追加支持することは、被測定物Wの自重によるたわみを軽減することについて最も効果的である。
図3において仮想線は支持点F4において被測定物Wの押し上げを行わない時の被測定物Wの自重によるたわみの状態を示しており、支持点F4において被測定物Wの押し上げが行われることにより、実線によって示されているように、被測定物Wの自重によるたわみが減少することは分かる。
これにより、形状測定時の被測定物Wの自重による反りが低減し、大面積化によって自重による被測定物Wの反りが大きくなるものでも、変位センサ22のダイナミックレンジを大きくする必要がなくなり、所要オーダの測定精度をもって従前の裏返し反転法による形状測定を行うことができる。
この押し上げ量は、変位センサ22が必要とするダイナミックレンジが最も小さくなるように設定することが最も好ましい。また、支持点F4は、被測定物Wを表裏反転してもXY直交平面座標において被測定物Wの同じ位置を支持する水平位置に設定されることにより、表面と裏面の表面形状が前述の基準面についておおよそ対称になる。
裏返し反転法による形状測定では、被測定物Wを裏返す前後で自重によるたわみが同じあることが要件であるから、各支持点での抗力、つまり支持荷重が被測定物Wを裏返す前後で同じでなくてはならない。
3個の支持点(F1、F2、F3)と支持点F4における抗力は、被測定物Wを裏返すことによって被測定物W自体の反り形状が反転することに起因して変化するから、抗力を同じにする補償を行う必要がある。このため、支持点F4における支持点の高さを、被測定物Wを裏返す前後で変更し、被測定物Wを表裏反転しても支持点F4における支持荷重が同一になる設定を行う。
図3に模式的に示されているように、支持点F4に設けられる支持部32は、上下位置変更装置34に取り付けられ、上下位置変更装置34によって上下位置を変更することにより、被測定物Wの押し上げ量を定量的に可変設定する。被測定物Wの押し上げ量は被測定物Wの支持荷重に相関し、押し上げ量の増大に応じて支持荷重が増大するから、上下位置変更装置34は支持荷重可変設定部をなす。好適な上下位置変更装置34としては、精密ボールねじによるリニアアクチュエータやリニアモータ等がある。
支持部32には、支持点F4における支持荷重を測定する荷重センサとしてロードセル36が取り付けられている。ロードセル36によって測定された支持荷重を示す信号は支持荷重制御装置38に送られる。
支持荷重制御装置38は、マイクロコンピュータを含む電子制御式のものであり、ロードセル36によって測定される支持荷重に基づいて支持部32における被測定物Wの支持荷重が被測定物Wを表裏反転しても同一になるように上下位置変更装置34の動作を制御する。
追加の支持点F4が各支持点(F1、F2、F3)を直線によって結んで得られる正三角形の1つの頂点(支持点F1)を含んで当該正三角形を2等分する反転軸線A上に追加の支持点F4がある場合は、被測定物Wを表裏反転して支持点F4による被測定物WのXY直交平面座標での支持位置が変わらないから、支持荷重の測定は支持点F4だけですみ、ロードセル36の必要個数が最小で、被測定物Wを反転軸線Aをもって表裏反転しても支持荷重を同一する制御手順も簡単になる。
なお、正三角形は二等辺三角形の1つであるから、支持点(F1、F2、F3)を直線によって結んで得られる幾何学的図形が二等辺三角形で、二等辺三角形の1つの頂点を含んで当該二等辺三角形を2等分する直線上に追加の支持点F4が設定されても正三角形の場合と同様の効果が得られる。
この実施形態の場合、支持荷重制御装置38は、まず、変位センサ22が必要とするダイナミックレンジが最も小さくなるように、上下位置変更装置34によって支持部32による被測定物Wの押し上げ量を調整する。この調整は、他の例として、ロードセル36によって測定される支持荷重が、規定値、例えば、(被測定物重量)/(支持点数)、本実施形態では、被測定物重量の1/4によるようにしてもよい。
このように上下位置変更装置34によって支持部32による被測定物Wの押し上げ量を調整する。この押し上げ量の調整が完了すれば、完了時のロードセル36による支持荷重の測定値を記憶する。この支持状態で被測定物Wの表面の形状測定が行われる。
被測定物Wの表面の形状測定が完了すれば、上下位置変更装置34によって支持部32を支持部30と同じ高さまで降下させたのち、被測定物Wを反転軸線A廻りの反転によって裏返し、被測定物Wの反転前後でXY直交平面座標における被測定物Wの同じ位置(部位)を各支持点F1〜F4によって支持する。
支持荷重制御装置38は、この後に、ロードセル36によって測定される支持荷重が記憶値になるように、フィードバック補償のもとに上下位置変更装置34の動作を制御する。この制御が完了した後に被測定物Wの裏面の形状測定を行う。
これにより、支持部32による被測定物Wの押し上げが、被測定物Wを表裏反転しても同一の支持荷重をもって行われるから、3点支持の裏返し法による形状測定と同じ測定原理をもって自重によるたわみを含まない被測定物Wの真の反り形状を測定することができる。
被測定物Wは、シリコンウェーハの場合、支持部32による中央部支持は、ウェーハ表面にダメージを与えないよう、空気軸受等による非接触式支持であることが好ましい。この支持部32は、被測定物Wに向けて上向きに空気を噴出するノズルあるいは多孔質エアパッドが用いられればよい。この場合、空気噴出圧によって支持荷重を変更することもできる。
図4は被測定物Wがガラス基板のような矩形である場合の支持点配置の一実施形態を示している。被測定物Wが矩形である場合、支持点F1〜F4は被測定物Wの4個の角部に近く設定される。この場合、F1とF2、F3とF4が反転軸線Aに対して軸対称の位置にあれば十分であり、反転軸線Aは矩形のガラス基板の対称軸と一致してなくてもよい。この場合、支持点F4が上下動可能な支持荷重可変式になっていて、支持点F3とF4とに荷重センサが設けられる。
この実施形態では以下の手順で測定が行われる。
(1)支持点F4の高さを他の3点(支持点F1〜F3)とほぼ同じ高さにする。
(2)被測定物Wを支持点F1〜F4上に載せる。
(3)支持点F3とF4の支持荷重の測定値がほぼ同値(例えば、被測定物Wの重量の約1/4)となるように支持点F4の高さを変更する。
(4)変更完了後の支持点F3の支持荷重の測定値を記憶する。
(5)表面の形状測定を行う。
(6)被測定物Wを取り外す。
(7)被測定物Wを反転軸線Aをもって反転して裏返した状態で支持点F1〜F4上に載せる。これにより、被測定物Wは、反転前後でXY直交平面座標における同じ位置を支持される。
(8)F4の支持荷重の測定値が、記憶しておいた支持点F3の支持荷重の測定値に一致するように支持点F4の高さを変更する。
(9)裏面の形状測定を行う。
(10)裏返し反転法の計算を行い、自重によるたわみを含まない被測定物Wの反りを算出する。
(11)被測定物Wを取り外す。
これにより、この実施形態においても、3点+1点の支持で、従前の裏返し反転法によって自重によるたわみを含まない被測定物Wの反りを算出することができる。
図5は被測定物Wがガラス基板のような矩形である場合の支持点配置の他の実施形態を示している。この実施形態では、支持点F1とF2、支持点F3とF4とが互いに反転軸線Aに対して軸対称の位置にある。更に、もう一つの支持点F5が反転軸線A上に設けられている。この場合、支持点F4とF5とが上下動可能な支持荷重可変式になっていて、支持点F3とF4とF5とに荷重センサが設けられる。
この実施形態では以下の手順で測定が行われる。
(1)支持点F1〜F5をほぼ同じ高さにする。
(2)被測定物Wを支持点F1〜F5上に載せる。
(3)支持点F4とF5の高さを、変位センサ22に必要とされるダイナミックレンジがなるべく小さくなるように設定する。
(4)変更完了後の支持点F3とF5の支持荷重の測定値を記憶する。
(5)表面の形状測定を行う。
(6)被測定物Wを取り外し、支持点F4、F5の高さを他の3点(支持点F1〜F3)とほぼ同じ高さにする。
(7)被測定物Wを反転軸線Aをもって反転して裏返した状態で支持点F1〜F5上に載せる。これにより、被測定物Wは、反転前後でXY直交平面座標における同じ位置を支持される。
(8)支持点F4の支持荷重の測定値が、記憶しておいた支持点F3の支持荷重の測定値に一致するように、且つ支持点F5の支持荷重の測定値が、記憶しておいた支持点F5の支持荷重の測定値に一致するように支持点F4及び5の高さを変更する。
(10)裏面の形状測定を行う。
(11)裏返し反転法の計算を行い、自重によるたわみを含まない被測定物Wの反りを算出する。
(12)被測定物Wを取り外す。
これにより、この実施形態においても、3点+2点の支持で、従前の裏返し反転法によって自重によるたわみを含まない被測定物Wの反りを算出することができる。
被測定物Wの支持点配置は、被測定物Wがシリコンウェーハのような円盤状である場合には、図6に示されているように、被測定物Wの3点支持を、二等辺三角形(正三角形)の各頂点が支持点F1〜F3になる配置とし、二等辺三角形の1つの頂点(支持点F1)を含んで当該二等辺三角形を2等分する反転軸線Aを対称線する対称位置に各々1つずつ追加の支持点F4、F5が設定されたものでもよい。この場合、支持点F4とF5とが上下動可能な支持荷重可変式になっていて、支持点F4とF5とに荷重センサが設けられる。
また、被測定物Wの支持点配置は、被測定物Wがガラス基板のような矩形である場合には、図7に示されているように、支持点F1とF2、支持点F3とF4、支持点F5とF6とが各々反転軸線Aに対して軸対称の位置であればよい。このとき、反転軸線Aは矩形の対称軸でなくてもよい。この場合、支持点F4とF5とF6が上下動可能な支持荷重可変式になっていて、支持点F3とF4とF5とF6とに荷重センサが設けられる。
以上、本発明を、その好適形態実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、被測定物Wは、円形や矩形に限られることはなく、楕円形、長円形、多角形、その他の不定形であってもよく、支持点が被測定物Wの反転軸線A上か反転軸線Aに軸対称に位置にあればよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 固定台
12 案内レール
14 テーブル
16 クロスレール
18 門形部
20 可動ヘッド
22 マイクロレーザ変位センサ
30 支持部
32 支持部
34 上下位置変更装置
36 ロードセル
38 支持荷重制御装置
F1〜6 支持点
W 被測定物
A 反転軸線

Claims (4)

  1. 板状の被測定物を3点で支持し、変位センサによる前記被測定物の上下方向の変位量の測定を、被測定物を表裏反転しても平面座標における同じ位置を支持し且つ同じ測定点で行い、前記被測定物の表面の測定値と裏面の測定値より自重による反りを含まない前記被測定物の形状を計測する裏返し反転法による形状測定方法であって、
    前記被測定物の前記3点の支持点とは異なる少なくとも1点を押し上げるように追加支持し、この追加支持点を含む前記被測定物のすべての支持点は前記被測定物を表裏反転しても同じ位置を支持する配置に設定し、前記追加支持点を含む前記被測定物の支持点の少なくとも1つは支持荷重を変更可能に前記被測定物を支持し、支持荷重の変更によって各支持点における前記被測定物の支持荷重が前記被測定物を表裏反転しても同一になる設定のもとに前記被測定物の変位量測定を行う形状測定方法。
  2. 被測定物の3点支持は、二等辺三角形の各頂点が支持点になる配置であり、前記二等辺三角形の1つの頂点を含んで当該二等辺三角形を2等分する直線上に少なくとも1つの前記追加支持点がある請求項1に記載の形状測定方法。
  3. 板状の被測定物を支持部によって3点で支持し、変位センサによる前記被測定物の上下方向の変位量の測定を、被測定物を表裏反転しても平面座標における同じ位置を支持し且つ同じ測定点で行い、前記被測定物の表面の測定値と裏面の測定値より自重による反りを含まない前記被測定物の形状を計測する裏返し反転法による形状測定装置であって、
    前記被測定物の前記3点の支持点とは異なる少なくとも1点を押し上げるように追加支持する追加支持部を有し、
    前記追加支持部を含む前記被測定物のすべての支持部は前記被測定物を表裏反転しても同じ位置を支持する配置に設定され、
    前記追加支持部を含む前記被測定物の支持部の少なくとも1つは、支持荷重を変更可能に前記被測定物を支持する支持荷重可変設定部と、支持荷重を測定する荷重センサとを有し、
    前記荷重センサによって測定される支持荷重に基づいて対応する前記支持部における前記被測定物の支持荷重が当該被測定物を表裏反転しても同一になるように前記支持荷重可変設定部の動作を制御する支持荷重制御部を有する形状測定装置。
  4. 前記3点の支持点は、二等辺三角形の各頂点が支持点になる位置に設定され、前記二等辺三角形の1つの頂点を含んで当該二等辺三角形を2等分する直線上に少なくとも1つの前記追加支持部が設定されている請求項3に記載の形状測定装置。
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