JP5848941B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
X線検査装置10は、食品等の商品Gの生産ラインに組み込まれ、商品GにX線を照射し、商品Gを透過したX線の透過量を計測し、その計測結果を解析することで、商品Gの異物検査を行う装置である。
(2−1)筐体
筐体11は、伸縮自在の脚部により支持される略直方体形状のケーシングである。筐体11のサイズは、後述する前面部材11a側から見た時に、幅450mm、奥行き450mm、高さ1080mm(脚部を含めない)である。
第1空間S1は、図3および図4のように、筐体11内上部に形成される空間である。第1空間S1には、主に、X線源ユニット20、基板部材25などの第1群の電装品が配置される。
検査空間Siは、第1空間S1の下方に配される空間である。検査空間Siでは、後述するコンベア30により搬送される商品Gに対して、後述するX線源ユニット20内のX線源21から発生するX線が照射され、検査が行われる。
メンテナンス空間Smは、検査空間Siの下方に位置する空間である。メンテナンス空間Smは、商品Gに由来してコンベア30に付着した汚れやごみ等が床面に落ちるのを防止する。また、図示しない外付けコンベアの設置等にも利用される。
下部空間Sdは、筐体11内の下方に形成される空間である。下部空間Sdには、主に、CPU51を含む制御コンピュータ50などの第2群の電装品が配置される。制御コンピュータ50の上側には、上方に向けて排気するコンピュータ排熱ファン57が配置されている。
第2空間S2は、図4に二点破線線で示すように、第2仕切り部材14の上面と、筐体11の底面部材11fの上面との間に位置する、筐体11の全ての内部空間を指す。筐体11の内部空間には、第2仕切り部材14の内部に形成される空間を含む。
X線源ユニット20は、第1空間S1に配置され、下方に向かってX線を照射する。X線源ユニット20のサイズは、おおむね幅310mm、奥行き200mm、高さ200mmの略直方体形状である。
コンベア30は、商品Gを搬送する搬送部であり、図4に示すように、検査空間Siの右側面部材11bおよび左側面部材11cに形成された検査空間開口15を貫通するように配置されている。コンベア30は、コンベアモータ31によって駆動される駆動ローラによって無端状の搬送ベルト32を回転させながら、搬送ベルト32上に載置された商品Gを搬送する。コンベア30による物品の搬送速度は、作業者の設定した速度になるように、制御コンピュータ50により制御される。具体的には、コンベアモータ31に設けられたロータリーエンコーダ31aにより計測された搬送速度が制御コンピュータ50に送信され、制御コンピュータ50の指示により、コンベアモータ31のインバータ制御によって搬送速度が細かく制御される。なお、商品Gの搬送方向は、作業者の指示に基づいた制御コンピュータ50の制御により、右側面部材11bから左側面部材11cの方向へ、もしくは、その反対方向へ自在に切り替え可能である。
X線検出部であるX線ラインセンサ40は、図4に示すように、コンベア30の搬送ベルト32の下方にある第2仕切り部材14内の空間に設けられている。つまり、第2仕切り部材14は、X線ラインセンサ40を支持するラインセンサフレームとして利用されている。
制御コンピュータ50は、図9に示すように、CPU51とともに、このCPU51によって制御される記憶部としてROM52、RAM53、およびメモリカード54を有している。
商品Gが、図8のように扇状の照射空間SSを通過する際に、X線ラインセンサ40によりX線透視像信号が細かい時間間隔で取得され、制御コンピュータ50に送信される。制御コンピュータ50のCPU51は、それらのX線透視像信号を基にして商品Gの2次元画像を作成する。なお、商品Gが扇状の照射空間SSを通過するタイミングは、光電センサ42からの信号により判断される。
制御コンピュータ50のCPU51は、上記のようにして得られたX線画像を画像処理して、複数の判断方式によって商品の良・不良(異物が混入していないかどうか)を判断する。判断方式には、例えば、トレース検出方式、2値化検出方式、マスク2値化検出方式がある。例えば、2値化検出方式では、X線画像に対して2値化処理を施すことにより実行される。透過するX線を大きく減衰させる異物は、X線画像上に暗く写るため、X線画像上に予め設定した閾値よりも暗く現れる領域が存在する場合に、異物の混入を検出できる。
モニタ60は、液晶ディスプレイであり、X線画像等の各種データの表示を行う。また、モニタ60は、タッチパネル機能を有しており、コンベアの駆動方向の切り替え等の指示や、検査パラメータ等の各種データの入力を受け付ける。
熱交換部としての冷却ユニット70は、図3のように、筐体11の後面部材11dに設けられており、第3ファン72により給気口71から筐体11外部の空気を取り入れ、排気口73から空気を排出する。冷却ユニット70の内部には、図10のように間接冷却式の熱交換器74が配置されており、外部から筐体11内に空気を取り入れることなく、筐体11内部の冷却が行われる。熱交換器74は、筐体11の外部の空気が通過する空間と筐体11の内部の空気が通過する空間とを隔てる隔壁を有し、隔壁の両表面には伝熱面積を増大させるための複数のフィンが設けられている。
以下に、筐体11内部の空気の流れおよび冷却について図10を用いて説明する。
(4−1)
本実施形態に係るX線検査装置10では、第1仕切り部材13の開口部13aの検査空間Si側に、商品Gの搬送方向に直交する方向に延びるスリットAを形成するスリット形成部材24が配される。これにより、スリット形成部材24だけで、X線の照射範囲の調整と、検査空間Si外へのX線の散乱の防止とが実現される。別途X線の散乱規制部材を設ける必要がなくなり、X線検査装置10を構成する部品点数が削減される。さらに、X線検査装置10の組立工数も削減される。
本実施形態に係るX線検査装置10では、切り欠きを有する一対のスリット形成部材24を、互いの切り欠きが対向するように配置することで、スリットAが形成される。そのため、X線の遮蔽能力の観点から厚みのあるスリット形成部材24が用いられる場合や、幅の狭いスリットAを形成する必要がある場合にも、容易にスリット形成が可能である。この結果、容易に検査空間Si内にスリットAを配することが可能となる。
本実施形態に係るX線検査装置10では、X線源21から照射されるX線の通過経路となる管部27と、第1仕切り部材13の開口部13aを閉塞するX線が透過可能なカーボンプレート23と、第1仕切り部材13と、スリット形成部材24とが、この順番で上方から下方に互いに隣接して配置される。このような配置をとることで、構成部材を削減し、簡易な構成によりX線の照射範囲の調整が可能となる。
本実施形態に係るX線検査装置10では、X線源21と第1仕切り部材13との距離が200mm以下である。X線源21と第1仕切り部材13とを200mm以下に近づけて配置することで、X線の照射範囲の調整のために、スリットAの位置調節を行うことが不要となる。そのため、定位置にスリット形成部材24を配置することが可能となる。よって第1空間S1内にスリットAを配し、組立時にその位置を調整する必要がなくなる。その結果、X線検査装置10の構成が簡易化され、組立工数も削減される。
(5−1)変形例A
上記実施形態において、スリット形成部材24は断面視がL字状になるように切り欠かれているが、このような形状の切り欠きである必要はない。例えば、断面視がコの字状になるよう切り欠かれていてもよい。
上記実施形態において、X線を用いた検査の内容は、異物検査に限られない。例えば、X線を用いて、商品Gの欠品検査や重量検査等の品質検査が行われてもよい。また、一種類の検査ではなく、複数の種類の検査を併せて実行されてもよい。
上記実施形態において、商品Gは筐体11内に配されるコンベアモータ31により駆動されるコンベア30により搬送されるが、他のコンベアが例えばメンテナンス空間Sm内に設けられてもよい。
上記実施形態において、メンテナンス空間Smは必ずしも必要ではなく、検査空間Siの上方および下方に、X線源の収納される第1空間S1およびX線ラインセンサの収納される第2空間S2が形成されればよい。ただし、メンテナンス空間Smを配することで、下部空間Sdの冷却がラインセンサフレームを兼ねる第2仕切り部材14に制御コンピュータ50等の排熱が伝わりにくく、X線ラインセンサ40に悪影響を与えにくい。
上記実施形態において、第1仕切り部材13の開口部13aはカーボンプレート23
により塞がれる必要はなく、X線が透過可能なその他の材質の部材により閉塞されていてもよい。
11 筐体
13 第1仕切り部材(仕切り板部材)
13a 開口部
21 X線源
23 カーボンプレート(カバー部材)
24 スリット形成部材
24a 第1スリット形成部材
24b 第2スリット形成部材
27 管部
30 コンベア(搬送部)
40 X線ラインセンサ
A スリット
G 商品(物品)
S1 第1空間
S2 第2空間
Si 検査空間
Claims (3)
- 物品を搬送させながらX線を用いて前記物品の検査を行うX線検査装置であって、
前記X線により前記物品の検査が行われる検査空間の上に配される第1空間および前記検査空間の下方に配される第2空間が内部に形成され、開口部を有し前記第1空間と前記検査空間を仕切る仕切り板部材、を有する筐体と、
前記第1空間に配置され、前記物品にX線を照射するX線源と、
前記検査空間に配置され、前記物品を所定の方向へ搬送する搬送部と、
前記仕切り板部材の前記開口部の前記検査空間側に配置され、前記物品の搬送方向に交差する方向に延びるスリットを形成するスリット形成部材と、
前記第2空間に配置され、前記スリットを通って前記物品を透過した前記X線を検出するX線ラインセンサと、
を備え、
前記スリット形成部材は、矩形状の部材の一方の長辺を切り欠いた第1スリット形成部材と第2スリット形成部材とを有し、X線の照射範囲を調整可能に構成され、
前記スリットは、前記第1スリット形成部材の切り欠きと、前記第2スリット形成部材の切り欠きと、を対向するように配置して形成される、
X線検査装置。 - 前記X線源から照射されるX線の通過経路となる管部と、
前記仕切り板の前記開口部を閉塞する、X線が透過可能なカバー部材と、
をさらに備え、
前記管部と、前記カバー部材と、前記仕切り板部材と、前記スリット形成部材とが、この順番で上方から下方に互いに隣接して配置される、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記X線源と前記仕切り板部材との距離が200mm以下である、
請求項1又は2に記載のX線検査装置。
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