JP3172652U - X線検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線検査装置10は、筐体11と、搬送部30と、第1群の電装品と、X線検出部と、第2群の電装品と、を備える。搬送部は、物品を所定の方向へ搬送する。第1群の電装品は、筐体内の搬送部より上方に形成された上部空間Suに配置され、X線を物品に照射するX線源20を含む。X線検出部40は、物品を透過したX線を検出する。第2群の電装品は、搬送部より下方に形成された筐体内の下部空間Sdに配置され、X線検出部の検出結果を使用して画像解析を行うCPU基板を含む。
【選択図】図4
Description
X線検査装置10は、食品等の商品Gの生産ラインに組み込まれ、商品GにX線を照射し、商品Gを透過したX線の透過量を計測し、その計測結果を解析することで、商品Gの異物検査を行う装置である。
(2−1)筐体
筐体11は、伸縮自在の脚部により支持される略直方体形状のケーシングである。筐体11のサイズは、後述する前面部材11a側から見た時に、幅450mm、奥行き450mm、高さ1080mm(脚部を含めない)である。
上部空間Suは、図3および図4のように、筐体11内上部に形成される空間である。上部空間Suには、主に、X線源20、基板部材25などの第1群の電装品が配置される。
検査空間Siは、上部空間Suの下方に配される空間である。検査空間Siでは、後述するコンベア30が配置され、コンベア30により搬送される商品Gに対して、後述するX線源20内のX線管21から発生するX線が照射され、検査が行われる。
メンテナンス空間Smは、検査空間Siの下方に位置する空間である。メンテナンス空間Smは、商品Gに由来してコンベア30に付着した汚れやごみ等が床面に落ちるのを防止する。また、図示しない外付けコンベアの設置等にも利用される。
下部空間Sdは、筐体11内の下方に形成される空間である。下部空間Sdには、主に、CPU51を含む制御コンピュータ50などの第2群の電装品が配置される。制御コンピュータ50の上側には、上方に向けて排気するコンピュータ排熱ファン57が配置されている。
X線源20は、上部空間Suに配置され、内部に設けられたX線管21が、下方に向かってX線を照射する。X線源20のサイズは、おおむね幅310mm、奥行き200mm、高さ200mmの略直方体形状である。
コンベア30は、商品Gを搬送する搬送部であり、図4に示すように、検査空間Siの右側面部材11bおよび左側面部材11cに形成された検査空間開口15を貫通するように配置されている。コンベア30は、コンベアモータ31によって駆動される駆動ローラによって無端状の搬送ベルト32を回転させながら、搬送ベルト32上に載置された商品Gを搬送する。コンベア30による物品の搬送速度は、作業者の設定した速度になるように、制御コンピュータ50により制御される。具体的には、コンベアモータ31に設けられたロータリーエンコーダ31aにより計測された搬送速度が制御コンピュータ50に送信され、制御コンピュータ50の指示により、コンベアモータ31のインバータ制御によって搬送速度が細かく制御される。なお、商品Gの搬送方向は、作業者の指示に基づいた制御コンピュータ50の制御により、右側面部材11bから左側面部材11cの方向へ、もしくは、その反対方向へ自在に切り替え可能である。
X線検出部であるX線ラインセンサ40は、図4に示すように、コンベア30の搬送ベルト32の下方にある第2仕切り部材14内の空間に設けられている。つまり、第2仕切り部材14は、X線ラインセンサ40を支持するラインセンサフレームとして利用されている。
制御コンピュータ50は、図9に示すように、CPU51とともに、このCPU51によって制御される記憶部としてROM52、RAM53、およびメモリカード54を有している。
商品Gが、図8のように扇状の照射空間SSを通過する際に、X線ラインセンサ40によりX線透視像信号が細かい時間間隔で取得され、制御コンピュータ50に送信される。制御コンピュータ50のCPU51は、それらのX線透視像信号を基にして商品Gの2次元画像を作成する。なお、商品Gが扇状の照射空間SSを通過するタイミングは、光電センサ42からの信号により判断される。
制御コンピュータ50のCPU51は、上記のようにして得られたX線画像を画像処理して、複数の判断方式によって商品の良・不良(異物が混入していないかどうか)を判断する。判断方式には、例えば、トレース検出方式、2値化検出方式、マスク2値化検出方式がある。例えば、2値化検出方式では、X線画像に対して2値化処理を施すことにより実行される。透過するX線を大きく減衰させる異物は、X線画像上に暗く写るため、X線画像上に予め設定した閾値よりも暗く現れる領域が存在する場合に、異物の混入を検出できる。
モニタ60は、液晶ディスプレイであり、X線画像等の各種データの表示を行う。また、モニタ60は、タッチパネル機能を有しており、コンベアの駆動方向の切り替え等の指示や、検査パラメータ等の各種データの入力を受け付ける。
熱交換部としての冷却ユニット70は、図3のように、筐体11の後面部材11dに設けられており、第3ファン72により給気口71から筐体11外部の空気を取り入れ、排気口73から空気を排出する。冷却ユニット70の内部には、図10のように間接冷却式の熱交換器74が配置されており、外部から筐体11内に空気を取り入れることなく、筐体11内部の冷却が行われる。熱交換器74は、筐体11の外部の空気が通過する空間と筐体11の内部の空気が通過する空間とを隔てる隔壁を有し、隔壁の両表面には伝熱面積を増大させるための複数のフィンが設けられている。
以下に、筐体11内部の空気の流れおよび冷却について図10を用いて説明する。
(4−1)
本実施形態に係るX線検査装置10では、X線源20を含む第1群の電装品とCPU51を含む第2群の電装品とが、検査対象である物品Gを搬送するコンベア30の上方および下方に形成される上部空間Suと下部空間Sdとに、分離して配置される。発熱量の大きなX線源20とCPU51とが分離して配置されるため、電装品の過熱を避けることが容易になる。電装品の過熱による装置の異常停止などが抑制される。また、電装品が過熱されにくいため、装置をコンパクトにすることができる。
本実施形態に係るX線検査装置10では、第2群の電装品のひとつである、熱に弱いCPU51を含む制御コンピュータ50が、筐体11の底面部材11f近傍、すなわち筐体11の下方に配置される。電装品等の排熱は対流により上方に移動するため、CPU51を含む制御コンピュータ50は熱の影響を受けにくい。
本実施形態に係るX線検査装置10では、X線源20は上方向に排気する排熱ファン22を有し、X線源20は天面部材11eの近傍に配置される。熱せられた空気は熱対流により上昇するため、X線源20の排熱ファン22を天板付近に配置し、上方に向かって排気することで、X線源20の冷却が効率よく行われる。その結果、X線源20の過熱を抑制することが容易になる。
本実施形態に係るX線検査装置10は、上部空間Suおよび下部空間Sdと筐体11の外部との間で熱交換を行う冷却ユニット70を有する。さらに、上部空間Suと下部空間Sdとに、空間内の空気を循環させる第1ファン26と第2ファン55とをそれぞれ有する。冷却ユニット70に加え、両空間ともにファンを設けることで、各々の空間が効率よく冷却される。その結果、電装品等の機器の過熱を抑制することが容易である。
本実施形態に係るX線検査装置10は、冷却ユニット70が配置された後面部材11dに対向する前面部材11aの上端近傍に、後面部材11dに向かって傾斜する第1傾斜部11gを有する。上方に向かって移動する熱せられた空気は、第1傾斜部11gによりその移動方向を変えられ、冷却ユニット70に向かって移動しやすくなる。その結果、筐体内外の熱交換がスムースに行われ、第1群の電装品の冷却が効率よく行われる。さらに、第1傾斜部11gはX線源20の真上にその一部がかかるように配置されるため、X線源20の排熱により熱せられた空気が、第1傾斜部11gにより効率よく冷却ユニット70方向に移動する。
本実施形態に係るX線検査装置10は、冷却ユニット70が配置された後面部材11dに対向する前面部材11aの下端近傍に、後面部材11dに向かって傾斜する第2傾斜部11jを有する。冷却ユニット70により冷やされた後、第2ファン55に吸引されて筐体11の底面部材11f近傍に移動した空気は、第2傾斜部11jによりその移動方向が水平方向から垂直方向に変えられ、制御コンピュータ50を含む第2群の電装品を効率よく冷却する。さらに、第2傾斜部11jは、制御コンピュータ50の真下にその一部がかかるように配置されるため、制御コンピュータ50に沿って空気が移動し、効率よく電装品の冷却が行われる。また、第2傾斜部11jは、第2ファン55の吹き出し方向前方に配置されるため、第2ファン55から吹き出した空気が上方へ導かれ、下部空間内の空気を効率よく循環させる。
(5−1)変形例A
上記実施形態において、冷却ユニット70は、後面部材11dに設けられているが、これに限られない。例えば、右側面部材11bに冷却ユニット70が設けられてもよい。
上記実施形態において、X線を用いた検査の内容は、異物検査に限られない。例えば、X線を用いて、商品Gの欠品検査や重量検査等の品質検査が行われてもよい。また、一種類の検査ではなく、複数の種類の検査が併せて実行されてもよい。
上記実施形態において、商品Gは筐体11内に配されるコンベアモータ31により駆動されるコンベア30により搬送されるが、他のコンベアが例えばメンテナンス空間Sm内に設けられてもよい。
上記実施形態において、下部空間Sdの上方にメンテナンス空間Smが配されるが、メンテナンス空間Smは必ずしも必要ではない。ただし、筐体外部と連通するメンテナンス空間Smを下部空間Sdの上方に配することで、下部空間Sdの熱が外部に放熱されやすく、下部空間の冷却が促進されやすい。
上記実施形態において、冷却ユニット70は第3ファン72を有し、第3ファン72により冷却ユニット70内部に外気の取り込みが行われるが、第3ファン72は必ずしも使用されなくともよい。筐体外部に外気の給気口71と排気口73が形成されていれば、外気は冷却ユニット70内を熱対流により移動し、熱交換器74を介して筐体11の内部と外部とで熱交換が行われる。ただし、冷却ユニット70の効率を高めるために、第3ファン72を有することが望ましい。
上記実施形態において、間接冷却式の冷却ユニット70を使用しているが、筐体11内部に外気を直接取り込んで筐体11内部の冷却を行ってもよい。ただし、筐体11外部の埃等が筐体11内部の電装品等に悪影響を与えるおそれがあるため、間接冷却式の冷却ユニット70を使用するのが望ましい。
11 筐体
11a 前面部材(第2側板)
11d 後面部材(第1側板)
11e 天面部材(天板)
11f 底面部材(底板)
11g 第1傾斜部
11j 第2傾斜部
20 X線源
22 排熱ファン
26 第1ファン
30 コンベア(搬送部)
40 X線ラインセンサ(X線検出部)
50 制御コンピュータ
51 CPU(CPU基板)
55 第2ファン
70 冷却ユニット(熱交換部)
G 商品(物品)
Su 上部空間
Sd 下部空間
Si 検査空間
Claims (9)
- 物品を搬送させながらX線を用いて前記物品の検査を行うX線検査装置であって、
筐体と、
前記物品を所定の方向へ搬送する搬送部と、
前記筐体内の前記搬送部より上方に形成された上部空間に配置される、X線を前記物品に照射するX線源を含む第1群の電装品と、
前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出部と、
前記搬送部より下方に形成された前記筐体内の下部空間に配置され、前記X線検出部の検出結果を使用して画像解析を行うCPU基板を含む第2群の電装品と、
を備えるX線検査装置。 - 前記第2群の電装品は、前記筐体の底板近傍に配置される、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記X線源は上方向に排気する排熱ファンを含み、
前記排熱ファンは前記筐体の天板近傍に配置される、
請求項1または2に記載のX線検査装置。 - 前記上部空間および前記下部空間と、前記筐体の外部との間で熱交換を行う熱交換部と、
前記上部空間の空気を循環させる第1ファンと、
前記下部空間の空気を循環させる第2ファンと、
を更に備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記筐体は、前記熱交換部が配置された第1側板と、前記第1側板に対向する第2側板とを有し、
前記第2側板は、その上端近傍に前記第1側板に向かって傾いた第1傾斜部を有する、
請求項4に記載のX線検査装置。 - 前記第1傾斜部の一部は、前記X線源の直上に配置される、
請求項5に記載のX線検査装置。 - 前記筐体は、前記熱交換部が配置された第1側板と、前記第1側板に対向する第2側板とを有し、
前記第2側板は、その下端近傍に前記第1側板に向かって傾いた第2傾斜部を有する、
請求項4に記載のX線検査装置。 - 前記第2傾斜部の一部は、前記第2群の電装品の直下に配置される、
請求項7に記載のX線検査装置。 - 前記第2傾斜部は、前記第2ファンの吹き出し方向前方に配置される、
請求項7または8に記載のX線検査装置。
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