JP5848690B2 - 第四級塩溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩(以下第四級塩と記載することがある。)溶液の製造方法に関する。
低水分の第四級塩を特定の溶媒に溶解させた第四級塩溶液は、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解液、界面活性剤、柔軟剤、洗剤等の帯電防止剤、アスファルト、セメント等の分散剤、殺菌剤、防腐剤、肥料や粒状物の抗ブロッキング剤、抗凝集剤等として幅広い分野で使用されている。
第四級塩溶液の製造方法としては、第一工程でアミンまたはホスフィンをアルキルハライド、亜硫酸ジエステル、ジアルキルカーボネート等で第四級化し、次いで第二工程で無機酸や有機酸で酸交換処理することにより陰イオンを変化させ、減圧乾燥して第四級塩を固体として取り出し、所定の溶媒に溶解させる方法が従来から知られている。
例えば、第三級アミンと亜硫酸ジエステルの反応で得られた第四級アンモニウム塩と無機酸を反応させ、減圧乾燥して第四級アンモニウム塩を固体として取り出し、所定の溶媒に溶解させる方法(例えば、特許文献1)、非対称第四級アンモニウムハライドを陽イオン交換膜で電解して得られた第四級アンモニウム水酸化物の水溶液とカルボン酸を反応させ、減圧乾燥して第四級アンモニウム塩を固体として取り出し、所定の溶媒に溶解させる方法(例えば、特許文献2)等が開示されている。
特開2001−322970 特開平2−106915号
しかし、第四級塩の水溶液を工業的に蒸発させ、固体として取り出すには、水分を除去するのに長時間を要し、また水分の除去にはフィルムエバポレーター等の専用設備が必要である。また、第四級塩を溶解させるための専用の設備も必要となるため、多大な設備投資が必要である。
本発明の課題は、低水分の第四級塩を特定の溶媒に溶解させた溶液を製造する際に、専用設備を必要とせず工業的に効率的に製造できる製造方法を提供することである。
本発明は上記問題点を解決するもので、第四級塩水溶液を蒸発乾固させた後に溶媒に希釈するのではなく、第四級塩水溶液を濃度50〜90重量%の水溶液になるよう濃縮し、次工程で溶媒(b2)を加え、水を除去することを特徴とする第四級塩溶液(S)の製造方法に関する。
すなわち、本発明は、以下の工程1〜工程3を含む第四級塩溶液(S)の製造方法である。
工程1:アミンおよび/またはホスフィン(a0)を沸点が35〜260℃の溶媒(b1)中でアルキル化して第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩(a1)の溶液(S1)を得て、ついで無機酸(c1)水溶液又は有機酸(c2)水溶液で(S1)を酸交換処理することにより、第四級塩(a2)の溶液(S2)を得る工程
工程2:(S2)中の一部または全部の溶媒(b1)および水を除去し、濃度が50〜90重量%の第四級塩溶液(S3)を得る工程
工程3:第四級塩溶液(S3)に、沸点が101〜300℃でありかつ溶媒(b1)の沸点より高い沸点を有し第四級塩(a2)を溶解させる溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)および水を除去して第四級塩溶液(S)を得る工程
本発明の製造方法によると、低水分で高純度の第四級塩溶液を特に専用設備を必要とせずに工業的に高効率で得ることができる。本発明の製造方法で得られる第四級塩は、不純物である溶媒分解物の含有量が少ない点で高純度であるといえる。
本発明の製造方法、および本発明の製造方法により得られる第四級塩溶液は以下の特徴を有する。
(1)従来の方法に比べて、工程時間が短い。
(2)フィルムエバポレーター、溶解槽等の専用設備が不要である。
(3)水分500〜1000重量ppm程度の低水分である。必要により工程4を実施することにより、水分をさらに1〜300重量ppm程度にすることができる。
(4)従来の方法では、特に精製しなければ溶媒分解物の含有量が多かったが、本方法で得られる第四級塩は溶媒分解物の含有量が少ない。
本発明の製造方法は、工程1〜工程3を含む工程からなる。
以下に本発明を工程1〜工程3毎に詳細に説明する。
工程1:アミンおよび/またはホスフィン(a0)を沸点が35〜260℃の溶媒(b1)中でアルキル化して第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩(a1)の溶液(S1)を得て、ついで無機酸(c1)水溶液又は有機酸(c2)水溶液で(S1)を酸交換処理することにより、第四級塩(a2)の溶液(S2)を得る工程
アミンおよび/またはホスフィン(a0)の例として以下の化合物が挙げられる。
・脂肪族アミン類
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリ− n − プロピルアミン、トリ− n − ブチルアミン、トリ− n − オクチルアミン、ジエチル− i − プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなど。
・含窒素ヘテロ環式脂肪族アミン類
N − メチルピロリジン、N − エチルピロリジン、N − メチルピペリジン、N − エチルピペリジン、N − n − ブチルピペリジン、N − メチルヘキサメチレンイミン、N − エチルヘキサメチレンイミン、N − メチルモルホリン、N − ブチルモルホリン、N , N ’ − ジメチルピペラジン、N , N ’ − ジエチルピペラジン、1 − メチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 2 − ジメチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 5 −ジアザビシクロ〔4 . 3 . 0 〕− 5 − ノネン、1 , 8 − ジアザビシクロ〔5 . 4 . 0 〕−7 − ウンデセン、ピリジン、4 − ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、キノリン、2 ,2 ’ − ビピリジルなど。
・イミダゾリン類
1 , 2 − ジメチルイミダゾリン、2 , 4 − ジメチルイミダゾリン、1 , 2 , 4 − トリメチルイミダゾリン、1 , 2 , 5 − トリメチルイミダゾリン、1 , 4 − ジメチル− 2 − エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 −エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ヘプチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ( 4 ’− ヘプチル) イミダゾリン、1 − メチル− 2 − ドデシルイミダゾリンなど。
・イミダゾール類
1 − メチルイミダゾール、1 − エチルイミダゾール、1 − エチル− 2 − メチルイミダゾール、1 , 2 − ジメチルイミダゾール、1 − メチル− 2 − エチルイミダゾール、1 , 4 − ジメチルイミダゾール、1 , 5 − ジメチルイミダゾール、1 , 2 , 4 − トリメチルイミダゾール、1 , 4 − ジメチル− 2 − エチルイミダゾールなど。
・ホスフィン類
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジエチルメチルホスフィン、エチルジメチルホスフィン、トリ− n − プロピルホスフィン、トリ− n − ブチルホスフィン、トリ− n − オクチルホスフィン、ジエチル− i − プロピルホスフィンなど。
溶媒(b1)はアミンおよび/またはホスフィン(a0)を溶解させることができ、沸点(以下、特に圧力を記載する時を除いて大気圧1013hPaにおける沸点を表すものとする。)35〜260℃、好ましくは35〜100℃である溶媒である。
溶媒(b1)の例としては、以下の溶媒が挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。
・アルコール
1価アルコール(メタノール、エタノール、n−およびi−プロピルアルコール、n−、i−、sec−およびt−ブチルアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール等;2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等;3価またはそれ以上の多価アルコール(グリセリン等)。
・フェノール
1価フェノール(フェノール等);アルキルフェノール(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、nおよびイソ−プロピルフェノール、nおよびイソアミルフェノール等);メトキシフェノール(オイゲノール、グアヤコール等)
・アミド
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等。
・ケトン
鎖状ケトン[炭素数2〜6(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、炭素数7〜16(ジ−n−ブチルケトン、ジベンジルケトン等)];環状ケトン(シクロヘキサノン等)。
・エーテル
鎖状エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等);環状エーテル(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等)。
・ニトリル
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
溶媒として好ましいものは、アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−およびi−プロピルアルコール、ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン、エーテルとしてはテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ニトリルとしてはアセトニトリル、ベンゾニトリルである。
溶媒(b1)の沸点が35℃未満の場合は、残存する水分が多いため、溶媒(b2)の分解が起こりやすくなり、260℃を超える場合は反応後の溶媒除去が困難である。
アミンおよび/またはホスフィン(a0)をアルキル化する際に使用されるアルキル化剤(e)としては、メチルクロライド、エチルクロライド、ブチルクロライド等のアルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジブチル硫酸等のジアルキル硫酸、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート等が挙げられる。
アミンおよび/またはホスフィン(a0)とアルキル化剤(e)のモル比は、通常(a0):(e)=1.0:1.0〜1.0:3.0である。
アミンおよび/またはホスフィン(a0)のアルキル化反応の温度は、アミンおよび溶媒、アルキル化剤の種類により異なるが、通常50 〜 200℃ 、好ましくは80 〜 180 ℃ の範囲である。反応時間は、通常1〜 40 時間程度の範囲であり、好ましくは10 〜 30時間程度の範囲である。
アルキル化反応時のアミンおよび/またはホスフィン(a0)と溶媒(b1)の混合比率は、通常1:0.5〜1:5(重量比)である。
無機酸(c1)水溶液としては、 下記の水溶液が挙げられる。四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、六フッ化ヒ素酸、六フッ化アンチモン酸、過塩素酸、リン酸など。これらのうち、四フッ化ホウ素酸が好ましい。
有機酸(c2)水溶液としては、下記の水溶液が挙げられる。
・カルボン酸
ポリカルボン酸(2〜4価のポリカルボン酸):脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など);不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)];芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など];S含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸]など
オキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒石酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など]
モノカルボン酸:炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など]など
・モノアルキル燐酸エステル
モノメチル燐酸エステル、モノエチル燐酸エステル、モノイソプロピル燐酸エステル、モノブチル燐酸エステル、モノ−(2−エチルヘキシル)燐酸エステル、モノイソデシル燐酸エステルなど
・ジアルキル燐酸エステル
ジメチル燐酸エステル、ジエチル燐酸エステル、ジイソプロピル燐酸エステル、ジブチル燐酸エステル、ジ−(2−エチルヘキシル)燐酸エステル、ジイソデシル燐酸エステルなど
・スルホン酸
p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸、五フッ化エタンスルホン酸、七フッ化プロパンスルホン酸など
これらのうち好ましいものは、カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、トリメリット酸、サリチル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、モノアルキル燐酸エステルとしては、モノメチル燐酸エステル、モノエチル燐酸エステル、モノイソプロピル燐酸エステル、モノブチル燐酸エステル、ジアルキル燐酸エステルとしては、ジメチル燐酸エステル、ジエチル燐酸エステル、ジイソプロピル燐酸エステル、ジブチル燐酸エステル、スルホン酸としてはp−トルエンスルホン酸である。
酸交換処理は、攪拌下、無機酸(c1)水溶液または有機酸(c2)水溶液に溶液(S1)を加えることが好ましい。
酸交換処理の温度は、通常0 〜 100℃ 、好ましくは10 〜 50 ℃ の範囲である。反応時間は、通常0.1 〜 20 時間程度の範囲であり、好ましくは0.5 〜10時間程度の範囲である。
本発明における第四級塩(a2)は、アミンおよび/またはホスフィン(a0)がアルキル化されたカチオンとアニオンから成る。
カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウム系化合物、エチレンジアンモニウム系化合物、ピロリジニウム系化合物、ピペリジニウム系化合物、ヘキサメチレンイミニウム系化合物、モルホリニウム系化合物、ピペラジニウム系化合物、テトラヒドロピリミジニウム系化合物、ピリジニウム系化合物、ピコリニウム系化合物、イミダゾリニウム系化合物、イミダゾリウム系化合物、キノリニウム系化合物、ビピリジニウム系化合物、その他の脂環式アンモニウム類、テトラアルキルホスホニウム系化合物及び上記2種以上の混合物があげられる。これらの中でテトラアルキルアンモニウム系化合物、イミダゾリニウム系化合物、イミダゾリウム系化合物、テトラアルキルホスホニウム系化合物が好ましい。
主な例として以下の化合物が挙げられる。
・テトラアルキルアンモニウム系化合物
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−ブチルアンモニウム、トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−オクチルアンモニウム、ジエチルメチル−i−プロピルアンモニウムなど。
これらの中でエチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・エチレンジアンモニウム系化合物
N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチルエチレンジアンモニウム、N,N’−ジエチル−N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアンモニウムなど。
・ピロリジニウム系化合物
N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムなど。
・ピペリジニウム系化合物
N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N−n−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−エチル−N−n−ブチルピペリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムなど。
・ヘキサメチレンイミニウム系化合物
N,N−ジメチルヘキサメチレンイミニウム、N−エチル−N−メチルヘキサメチルンイミニウム、N,N−ジエチルヘキサメチレンイミニウムなど。
・モルホリニウム系化合物
N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、N−エチル−N−ブチルモルホリニウムなど。
・ピペラジニウム系化合物
N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウム、N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウム、N,N’−ジエチル−N,N’−ジメチルピペラジニウム、N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウム、N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウムなど。
・テトラヒドロピリミジニウム系化合物
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムなど。
・ピリジニウム系化合物
N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム、N−エチル−4−ジメチルアミノピリジニウムなど。
・ピコリニウム系化合物
N−メチルピコリニウム、N−エチルピコリニウムなど。
・イミダゾリニウム系化合物
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウムなど。
これらの中で1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・イミダゾリウム系化合物
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムなど。
これらの中で1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・キノリニウム系化合物
N−メチルキノリニウム、N−エチルキノリニウムなど。
・ビピリジニウム系化合物
N−メチル−2,2’−ビピリジニウム、N−エチル−2,2’−ビピリジニウムなど。
・その他の脂環式アンモニウム類
1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウムなど。
・テトラアルキルホスホニウム系化合物
テトラメチルホスホニウム、エチルトリメチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、ジエチルジメチルホスホニウム、メチルトリ−n−プロピルホスホニウム、トリ−n−ブチルメチルホスホニウム、エチルトリ−n−ブチルホスホニウム、トリ−n−オクチルメチルホスホニウム、エチルトリ−n−オクチルホスホニウム、ジエチルメチル−i−プロピルホスホニウムなど。
これらの中でエチルトリメチルホスホニウム塩、ジエチルジメチルホスホニウム塩、トリエチルメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アニオンは対応する無機酸(c1)水溶液および有機酸(c2)水溶液を第四級化後の第四級塩と酸交換処理することより、合成できる。無機酸(c1)水溶液は濃度が30〜60重量%であることが好ましい。有機酸(c2)水溶液は濃度が30重量%〜有機酸が析出しない程度であることが好ましい。
無機酸(c1)または有機酸(c2)は、アミンおよび/またはホスフィン(a0)または第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩(a1)に対してモル比で0.8〜1.2程度加える。
無機酸水溶液から合成されるものとして、例えば四フッ化ホウ素酸塩、六フッ化リン酸塩、六フッ化ヒ素酸塩、六フッ化アンチモン酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等を挙げることができる。
有機酸水溶液から合成されるものとして、以下のようなものを例示することができる。
・カルボン酸塩
ポリカルボン酸塩(2〜4価のポリカルボン酸塩):脂肪族ポリカルボン酸塩[飽和ポリカルボン酸塩(シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、ピメリン酸塩、スベリン酸塩、アゼライン酸塩、セバチン酸塩など);不飽和ポリカルボン酸塩(マレイン酸塩、フマール酸塩、イタコン酸塩など)];芳香族ポリカルボン酸塩[フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリット酸塩、ピロメリット酸塩など];S含有ポリカルボン酸塩[チオジプロピオン酸塩]など。
オキシカルボン酸塩:脂肪族オキシカルボン酸塩[グリコール酸塩、乳酸塩、酒石酸塩など];芳香族オキシカルボン酸塩[サリチル酸塩、マンデル酸塩など]など。
モノカルボン酸塩:炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸塩[飽和モノカルボン酸塩(ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、ペラルゴン酸塩、ラウリル酸塩、ミリスチン酸塩、ステアリン酸塩、ベヘン酸塩など)、不飽和モノカルボン酸塩(アクリル酸塩、メタクリル酸塩、オレイン酸塩など)];芳香族モノカルボン酸塩[安息香酸塩、ケイ皮酸塩、ナフトエ酸塩など]など。
・モノアルキル燐酸エステル塩
モノメチル燐酸エステル塩、モノイソプロピル燐酸エステル塩、モノブチル燐酸エステル塩、モノ−(2−エチルヘキシル)燐酸エステル塩、モノイソデシル燐酸エステル塩など。
・ジアルキル燐酸エステル塩
ジメチル燐酸エステル塩、ジイソプロピル燐酸エステル塩、ジブチル燐酸エステル塩、ジ−(2−エチルヘキシル)燐酸エステル塩、ジイソデシル燐酸エステル塩など。
・スルホン酸塩
p−トルエンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、スルホサリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、三フッ化メタンスルホン酸塩、五フッ化エタンスルホン酸塩、七フッ化プロパンスルホン酸塩など。
カチオンとアニオンから成る第四級塩(a2)としては、アルキルアンモニウムのBF塩、PF塩、フタル酸塩、モノエチル燐酸エステル塩、ジエチル燐酸エステル塩及びp−トルエンスルホン酸塩、イミダゾリニウムのBF塩、PF塩、フタル酸塩、モノエチル燐酸エステル塩、ジエチル燐酸エステル塩及びp−トルエンスルホン酸塩、イミダゾリウムのBF塩、PF塩、フタル酸塩、モノエチル燐酸エステル塩、ジエチル燐酸エステル塩及びp−トルエンスルホン酸塩、テトラアルキルホスホニウムのBF塩、PF塩、フタル酸塩、モノエチル燐酸エステル塩、ジエチル燐酸エステル塩及びp−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
(a2)の具体例としては、エチルトリメチルアンモニウム・BF塩、エチルトリメチルアンモニウム・PF塩、エチルトリメチルアンモニウム・フタル酸塩、エチルトリメチルアンモニウム・モノエチル燐酸エステル塩、エチルトリメチルアンモニウム・ジエチル燐酸エステル塩、エチルトリメチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、ジエチルジメチルアンモニウム・BF塩、ジエチルジメチルアンモニウム・PF塩、ジエチルジメチルアンモニウム・フタル酸塩、ジエチルジメチルアンモニウム・モノエチル燐酸エステル塩、ジエチルジメチルアンモニウム・ジエチル燐酸エステル塩、ジエチルジメチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩、トリエチルメチルアンモニウム・PF塩、トリエチルメチルアンモニウム・フタル酸塩、トリエチルメチルアンモニウム・モノエチル燐酸エステル塩、トリエチルメチルアンモニウム・ジエチル燐酸エステル塩、トリエチルメチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・BF塩、テトラエチルアンモニウム・PF塩、テトラエチルアンモニウム・フタル酸塩、テトラエチルアンモニウム・モノエチル燐酸エステル塩、テトラエチルアンモニウム・ジエチル燐酸エステル塩、テトラエチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・BF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・PF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・モノエチル燐酸エステル塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・ジエチル燐酸エステル塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム・p−トルエンスルホン酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・BF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・PF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・モノエチル燐酸エステル塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチル燐酸エステル塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・p−トルエンスルホン酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・BF塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・PF塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・モノエチル燐酸エステル塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・ジエチル燐酸エステル塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・p−トルエンスルホン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・BF塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・PF塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・フタル酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・モノエチル燐酸エステル塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ジエチル燐酸エステル塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・p−トルエンスルホン酸塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・BF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・PF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・フタル酸塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・モノエチル燐酸エステル塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・ジエチル燐酸エステル塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・p−トルエンスルホン酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・BF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・PF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・フタル酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・モノエチル燐酸エステル塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・ジエチル燐酸エステル塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム・p−トルエンスルホン酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・BF塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・PF塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・フタル酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・モノエチル燐酸エステル塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・ジエチル燐酸エステル塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・p−トルエンスルホン酸塩、エチルトリメチルホスホニウム・BF塩、エチルトリメチルホスホニウム・PF塩、エチルトリメチルホスホニウム・フタル酸塩、エチルトリメチルホスホニウム・モノエチル燐酸エステル塩、エチルトリメチルホスホニウム・ジエチル燐酸エステル塩、エチルトリメチルホスホニウム・p−トルエンスルホン酸塩、ジエチルジメチルホスホニウム・BF塩、ジエチルジメチルホスホニウム・PF塩、ジエチルジメチルホスホニウム・フタル酸塩、ジエチルジメチルホスホニウム・モノエチル燐酸エステル塩、ジエチルジメチルホスホニウム・ジエチル燐酸エステル塩、ジエチルジメチルホスホニウム・p−トルエンスルホン酸塩、トリエチルメチルホスホニウム・BF塩、トリエチルメチルホスホニウム・PF塩、トリエチルメチルホスホニウム・フタル酸塩、トリエチルメチルホスホニウム・モノエチル燐酸エステル塩、トリエチルメチルホスホニウム・ジエチル燐酸エステル塩、トリエチルメチルホスホニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルホスホニウム・BF塩、テトラエチルホスホニウム・PF塩、テトラエチルホスホニウム・フタル酸塩、テトラエチルホスホニウム・モノエチル燐酸エステル塩、テトラエチルホスホニウム・ジエチル燐酸エステル塩、テトラエチルホスホニウム・p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
工程2:(S2)中の溶媒(b1)および水を除去し、濃度が50〜90重量%の第四級アンモニウム塩溶液(S3)を得る工程
第四級塩(a2)の溶液(S2)から、(a2)の濃度が50〜90重量%となるように溶媒(b1)および水を除去する。
濃度が90重量%を超える場合は第四級塩の固体が析出する。一方濃縮後の濃度が50重量%未満の場合は次工程で溶媒(b2)を加え、溶媒(b1)および水を除去する際に、多量に存在する水によって溶媒(b2)が分解される。
溶媒(b1)および水を留去する条件は、温度50〜260℃、好ましくは50〜100℃、圧力は常圧〜0KPaであることが好ましい。
(a2)の濃度の分析方法としては、1H−NMR(例えば機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)の積分値から算出する方法や、(S3)を加熱減圧し、蒸発残留分の重量から算出する方法などがある。
工程3:第四級塩溶液(S3)に、沸点が101〜300℃でありかつ溶媒(b1)の沸点より高い沸点を有し第四級塩(a2)を溶解させる溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)および水を除去して第四級塩溶液(S)を得る工程
溶媒(b2)を加える温度は、通常10℃〜溶媒(b2)の沸点であり、好ましくは20〜100℃である。
溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)および水を除去して溶液(S)を得る。このときの温度は50〜260℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。圧力は、その温度での溶媒(b1)の蒸気圧以下がよい。
溶媒(b2)の具体例としては、沸点が101℃〜300℃である、以下のものが挙げられる。これらのうち2種類以上を併用することも可能である。
・エーテル類:鎖状エーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)、環状エーテル(1,4−ジオキサン、4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・環状炭酸エステル類:プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2、3−ブチレンカーボネートなど
・鎖状炭酸エステル類:メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホン類:エチルプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ類:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式類:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:2,5ヘキサンジオンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
これらのうち好ましくは、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、ラクトン類、及びスルホン類であり、特に好ましくはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、及びγ−ブチロラクトンである。
第四級塩溶液(S)の濃度は、0.5〜2.5mol/Lが好ましく、0.7〜2.3mol/Lがより好ましく、0.8〜2.0mol/Lが最も好ましい。濃度が0.5mol/L以上では、電解液の電導度が十分であり、また、2.5mol/L以下では、低温特性が良好であるとともに、経済性に優れる。
得られた第四級塩溶液(S)を電解液等の用途に使用するときは、電気化学的安定性の観点から、電解液中の含水量は、電解液の重量に基づいて300重量ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100重量ppm以下、特に好ましくは50重量ppm以下である。電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JISK0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。このような水分が300重量ppm以下の第四級塩溶液(S4)は、第四級塩溶液(S)にプロトン性極性溶媒(d)を添加し、溶媒(d)を留去することに伴い水分を除去する工程4を含む方法で得ることができる。
第四級塩溶液(S)に溶媒(d)を加えた後、溶媒(d)を留去することを繰り返すことにより、300重量ppm以下、好ましくは100重量ppm以下、さらに好ましくは50重量ppm以下の水分量に調整された第四級塩溶液(S4)を得る。
溶媒(d)を第四級塩溶液(S)に添加する場合、第四級塩溶液(S)と溶媒(d)の比率(wt%)は、97:3〜40:60であることが好ましい。
溶媒(d)を留去する条件は、温度50〜260℃、好ましくは50〜100℃、圧力は常圧〜0KPaであることが好ましい。
プロトン性極性溶媒(d)としては、アルコール、フェノールおよびアミドが挙げられ、具体的には上記溶媒(b1)の具体例として記載したものが挙げられる。これらの中で好ましいものは、メタノール、およびメタノールとエタノールの混合溶媒である。メタノールとエタノールの混合溶媒の混合比率(wt%)は、メタノール:エタノール=95:5〜5:95であることが好ましい。
工程1〜3は、無機酸(c1)水溶液による設備の腐食を抑制する為、内壁がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂でコーティングされた設備を使用して、実施することが好ましい。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
<第四級塩の化学構造>
H−NMR、19F−NMRおよび13C−NMRを使用して行った。
H−NMR 機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、周波数:300MHz、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、
19F−NMR 機器:XL−300(バリアン製)、周波数:300MHz、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、
13C−NMR 機器:AL−300(日本電子製)、周波数:300MHz、溶媒:重
水素化ジメチルスルホキシド。
<第四級塩溶液(S4)の水分>
水分はカールフィシャー電量滴定法により測定した。機器:AQ−2200(平沼産業製)
<溶媒分解物>
溶媒分解物はガスクロマトグラフィー(機器:GC−17A(株式会社島津製作所製)、カラム温度:50〜220℃まで5℃/min、検出器FID、カラム:DBWAX(LENGTH:30m、ID:0.53mm、FILM:1.5μm J&W Scientific製))により定量した。
<第2工程における濃度>
(a2)の濃度の分析方法としては、(S3)を240℃、45分、1KPaで加熱減圧し、蒸発残留分の重量から、濃度を算出した。
実施例1
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにトリエチルアミン(東京化成社製)を352部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)314部、及びメタノール(東京化成社製)334部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、トリエチルメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物132部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度42重量%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)104部を室温下約1時間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−1)の水分は28重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、70℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度70重量%の第四級塩溶液(S3−1)を得た。
工程3:(S3−1)を30部とり、そこへプロピレンカーボネート64部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−1)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、メタノール21部を加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−1)である淡黄色透明溶液が85部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は31ppmであった。溶媒分解物は70ppmであった。
実施例2
実施例1と同様にして調製した第四級塩溶液(S2−1)を、エバポレーターにて1kPa、70℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度70重量%の第四級塩溶液(S3−2)を得た。
(S3−2)を30部とり、そこへγ−ブチロラクトン51.2部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−2)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノールとエタノールの混合溶媒(混合比率 メタノール:エタノール=50:50(wt%比))21部を加え、1kPa、130℃、1時間でメタノールとエタノールの混合溶媒を除去することを5回繰り返し、メタノールとエタノールの混合溶媒と共に残存していた水分を除去した。
フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−2)である淡黄色透明溶液が72.2部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とγ−ブチロラクトンであった。また、水分量は85ppmであった。溶媒分解物は120ppmであった。
実施例3
実施例1と同様にして調製した第四級塩溶液(S3−1)を30部とり、そこへプロピレンカーボネート64部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−3)である淡黄色透明溶液を85部得た。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は650ppmであった。溶媒分解物は20ppmであった。
実施例4
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにジエチルメチルアミン(東京化成社製)を319部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)330部、及びホルムアミド(東京化成社製)352部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、ジエチルジメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物109部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度60重量%のヘキサフルオロリン酸水溶液(和光純薬社製)100部を室温下約2時間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−2)の水分は22重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、200℃、2時間で水とホルムアミドを除去し、濃度50重量%の第四級塩溶液(S3−3)を得た。
工程3:(S3−3)を40部とり、そこへプロピレンカーボネート64部を加え、エバポレーターにて1kPa、200℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−4)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、ホルムアミド20部を加え、1kPa、200℃、1時間でホルムアミドを除去することを5回繰り返し、ホルムアミドと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−3)である淡黄色透明溶液が84部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ジエチルジメチルアンモニウム・PF塩(DEDMA・PF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は85ppmであった。溶媒分解物は52ppmであった。
実施例5
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1−エチルイミダゾール(東京化成社製)を341部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)319部、及びメタノール(東京化成社製)340部を仕込み均一に溶解させた。次いで、140℃まで昇温した。圧力0.8MPaで30時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物135部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度42重量%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)106部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−3)の水分は30重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、70℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度70重量%の第四級塩溶液(S3−4)を得た。
工程3:(S3−4)を30部とり、そこへプロピレンカーボネート100部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−5)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、メタノール21部を加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−4)である淡黄色透明溶液が121部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・BF塩(EMI・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は25ppmであった。溶媒分解物は101ppmであった。
実施例6
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにトリエチルアミン(東京化成社製)を352部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)314部、及びメチルエチルケトン(東京化成社製)334部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、トリエチルメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物93部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度70重量%のp−トルエンスルホン酸水溶液(明友産業社製)87部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−4)の水分は17重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、90℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度90重量%の第四級塩溶液(S3−5)を得た。
工程3:(S3−5)を30部とり、そこへスルホラン(キシダ化学社製)100部を加え、エバポレーターにて1kPa、100℃、3時間で水とメチルエチルケトンを除去し、第四級塩溶液(S−6)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、メタノール27部を加え、1kPa、100℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−5)である淡黄色透明溶液が127部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、エチルトリメチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩(TEMA・PTSA)とスルホランであった。また、水分量は15ppmであった。溶媒分解物は114ppmであった。
実施例7
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに2,4−ジメチルイミダゾリンを262部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)482部、及びメタノール(東京化成社製)257部を仕込み均一に溶解させた。次いで、140℃まで昇温した。圧力0.8MPaで30時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物97部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度50重量%のフタル酸水溶液(ナカライテスク社製)123部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−5)の水分は30重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、70℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度70重量%の第四級塩溶液(S3−6)を得た。
工程3:(S3−6)を30部とり、そこへプロピレンカーボネート100部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−7)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、メタノール21部を加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−6)である淡黄色透明溶液が121部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩(TMI・PA)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は50ppmであった。溶媒分解物は90ppmであった。
実施例8
工程1:還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにトリエチルホスフィン(東京化成社製)を291部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)344部、及びメタノール(東京化成社製)366部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、トリエチルメチルホスホニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物151部をフッ素樹脂でコーティングされたフラスコにとり、撹拌下において濃度42重量%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)118部を室温下約1時間かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この第四級塩溶液(S2−6)の水分は28重量%であった。
工程2:エバポレーターにて1kPa、70℃、2時間で水とメタノールを除去し、濃度70重量%の第四級塩溶液(S3−7)を得た。
工程3:(S3−7)を30部とり、そこへプロピレンカーボネート64部を加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、3時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−8)を得た。
工程4:その後、室温まで放冷し、メタノール21部を加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−7)である淡黄色透明溶液が85部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルホスホニウム・BF塩(TEMP・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は45ppmであった。溶媒分解物は88ppmであった。
比較例1
実施例1と同様にして作製した(S2−1)を50部取り、工程2を実施せず、プロピレンカーボネートを71.6部加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、30時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−9)である淡黄色透明溶液が95.1部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は930ppmであった。溶媒分解物は18,000ppmであった。
比較例2
比較例1と同様に、工程2を実施せず作製した(S−9)95.1部にメタノールを25部加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−8)である淡黄色透明溶液が95.1部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は245ppmであった。溶媒分解物は44,000ppmであった。
比較例3
実施例5と同様にして作製した(S2−3)を50部取り、工程2を実施せず、プロピレンカーボネートを98部加え、エバポレーターにて1kPa、80℃、30時間で水とメタノールを除去し、第四級塩溶液(S−10)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール21部を加え、1kPa、80℃、1時間でメタノールを除去することを5回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、第四級塩溶液(S4−9)である淡黄色透明溶液が118.5部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・BF塩(EMI・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は282ppmであった。溶媒分解物は14,000ppmであった。
比較例4
実施例1と同様にして作製した(S2−1)を50部取り、工程2、工程3を実施せず、エバポレーターにて1kPa、170℃、30時間で水とメタノールを除去し、固体状の第四級塩を得た。
固体状の第四級塩25部をプロピレンカーボネート75部に溶解させ、第四級塩溶液である淡黄色透明溶液100部を得た。この液をH−NMR分析したところ、主成分はトリエチルメチルアンモニウム・BF塩(TEMA・BF)とプロピレンカーボネートであった。また、水分量は1,245ppmであった。溶媒分解物はなかった。
実施例1〜8,比較例1〜4について表1にまとめた。
表1において、水分、溶媒分解物含有量は、各実施例、比較例の最終生成物(第四級塩溶液)での測定値を記載した。工程時間は、各工程の合計時間を記載した。
Figure 0005848690
本発明の実施例1〜8の第四級塩溶液の製造方法は、溶媒の分解を抑えながら、水分量の低い第四級塩溶液を工業的に効率的に得ることができる。
表1において、実施例1と比較例2、実施例3と比較例1、実施例5と比較例3を比較すると、比較例では、工程2を実施していない為、水分値が高く、溶媒分解物も多い。また、水分値を低下させる為に工程時間も長くなる。比較例4のように固体状の第四級アンモニウム塩を、溶媒(b2)に溶解させた場合も水分値が高く、水分値を低下させる為に工程時間が長くなる。
本発明の製造方法により、高純度の第四級塩溶液を工業的に高効率で得ることができるため、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解液などに適用できる。

Claims (13)

  1. 以下の工程1〜工程3を含む第四級アンモニウム塩溶液および/または第四級ホスホニウム塩溶液の製造方法。
    工程1:アミンおよび/またはホスフィン(a0)を沸点が35〜260℃の溶媒(b1)中でアルキル化して第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩(a1)の溶液(S1)を得て、ついで無機酸(c1)水溶液又は有機酸(c2)水溶液で(S1)を酸交換処理することにより、第四級塩(a2)の溶液(S2)を得る工程
    工程2:(S2)中の溶媒(b1)および水を除去し、(a2)の濃度が50〜90重量%の第四級塩溶液(S3)を得る工程
    工程3:第四級塩溶液(S3)に、沸点が101〜300℃でありかつ溶媒(b1)の沸点より高い沸点を有し第四級塩(a2)を溶解させる溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)および水を除去して第四級塩溶液(S)を得る工程
  2. 第四級塩溶液(S)に、さらにプロトン性極性溶媒(d)を添加し、(d)を留去することに伴い水分を除去することにより、1〜300重量ppmの水分量に調整された第四級塩溶液(S4)を得る請求項1に記載の製造方法。
  3. プロトン性極性溶媒(d)が、アルコール、フェノールおよびアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の製造方法。
  4. 無機酸(c1)が、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、六フッ化ヒ素酸、六フッ化アンチモン酸、過塩素酸およびリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 有機酸(c2)が、カルボン酸、モノアルキル燐酸エステル、ジアルキル燐酸エステル、およびスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 溶媒(b1)が、アルコール、フェノール、アミド、ケトン、エーテルおよびニトリルからなる群から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 溶媒(b2)が、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、ラクトン、及びスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 溶媒(b2)が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 第四級塩(a2)が、テトラアルキルアンモニウム塩(a21)、イミダゾリニウム塩(a22)、イミダゾリウム塩(a23)およびテトラアルキルホスホニウム塩(a24)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. テトラアルキルアンモニウム塩(a21)が、エチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、およびテトラエチルアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の製造方法。
  11. イミダゾリニウム塩(a22)が、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、および1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の製造方法。
  12. イミダゾリウム塩(a23)が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム塩、および1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の製造方法。
  13. テトラアルキルホスホニウム塩(a24)が、エチルトリメチルホスホニウム塩、ジエチルジメチルホスホニウム塩、トリエチルメチルホスホニウム塩、およびテトラエチルホスホニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の製造方法。
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