以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る原稿読取装置3(図1では不図示)を備えた画像形成装置1の全体を示す斜視図である。図2は、図1に示す画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリーの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は、装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された自動原稿送り部300及び装置本体100の上部前面に配置された操作部400を備える。
自動原稿送り部300は、原稿給紙トレイ301に置かれた一枚の原稿を原稿読取部200に送り、又は、原稿給紙トレイ301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
原稿読取部200は、露光ランプ等を搭載したキャリッジ、ガラス等の透明部材により構成された原稿台、CCD(Charge Coupled Device)センサー及び原稿読取スリット(いずれも不図示)を備え、原稿を読み取って画像データを生成する。
装置本体100は、用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は、装置本体100の最下部に配置されており、画像形成部103へ搬送される用紙を貯留する。
画像形成部103は、感光体ドラム113、露光部115、現像部117及び転写部119を備える。露光部115は、画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリー受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射する。これにより、感光体ドラム113の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム113の周面に現像部117からトナーを供給することにより、周面には画像データに対応するトナー画像が形成される。このトナー画像は、転写部119によって先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
トナー画像が転写された用紙は、定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー画像は用紙に定着される。用紙は、原稿排紙トレイ309に排紙される。
操作部400は、操作キー部401と表示部403を備える。表示部403は、タッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
操作キー部401には、ハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的には、スタートキー、テンキー、ストップキー、リセットキー、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリーを切り換えるための機能切換キー等が設けられている。
スタートキーは、コピー、ファクシミリー送信等の動作を開始させるキーである。テンキーは、コピー部数、ファクシミリー番号等の数字を入力するキーである。ストップキーは、コピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキーは、設定された内容を初期設定状態に戻すキーである。
機能切換キーは、コピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリー送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
画像形成装置1は、図2に示すように、さらに、制御部500及び通信部600を備える。制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1の上記構成要素に対して実行する。ROMは、画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMは、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
通信部600は、ファクシミリー通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリー通信部601は、相手先ファクシミリーとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリー通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリー通信部601は、電話回線605に接続される。
ネットワークI/F部603は、LAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603は、LAN607に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
自動原稿送り部300について詳細に説明する。図3は、上部カバー303が開けられた自動原稿送り部300の斜視図である。図1及び図3を参照して、自動原稿送り部300は、本体ハウジング305、原稿給紙トレイ301、原稿搬送部307及び原稿排紙トレイ309を備える。本体ハウジング305は、自動原稿送り部300に備えられている各種の機構を収容する筐体である。
原稿給紙トレイ301は、原稿読取部200へ給送される原稿が載置されるトレイであって、本体ハウジング305の原稿給送口311から延出するように、本体ハウジング305に付設されている。原稿給紙トレイ301には、載置された原稿の幅合わせを行うための一対のカーソル313が備えられている。
原稿搬送部307は、原稿給紙トレイ301上の原稿を、画像読取位置351(図4)を経由して原稿排紙トレイ309まで搬送する搬送路及び搬送機構を備える。原稿搬送部307は、本体ハウジング305の前壁部315及び後壁部317の間の開口に嵌め込まれる上部カバー303を含む。
原稿排紙トレイ309は、自動原稿送り部300によって搬送された原稿が、原稿読取部200によって読み取られた後、排出されるトレイである。
次に、図4を用いて、原稿搬送部307の内部構造について詳述する。図4は、原稿搬送部307の断面模式図である。原稿搬送部307は、搬送路321、ピックアップローラー324、分離機構325、レジストローラー対326、搬送ローラー対327、328、329及び排紙ローラー対330を備える。
搬送路321は、原稿が搬送される方向の上流から順に配置された、第1の搬送路321a、第2の搬送路321b及び第3の搬送路321cを備える。原稿給紙トレイ301に載置された原稿は、第1の搬送路321a、第2の搬送路321b、第3の搬送路321cを通り、原稿排紙トレイ309に排紙される。
原稿給紙トレイ301に載置された原稿の先端部が、ピックアップローラー324と接触させた状態で、ピックアップローラー324が回転すると、原稿給紙トレイ301に載置された原稿(複数枚の原稿の場合は一番上の原稿)がピックアップされて、第1の搬送路321aへ送り出される。
第1の搬送路321aは、直線形状を有している。第1の搬送路321aには、上流から順に、分離機構325、レジストローラー対326が配置されている。
分離機構325は、第1の搬送路321aのセンターライン上であって、ピックアップローラー324の近傍に配置されている。分離機構325は、駆動ローラー325a、従動ローラー325b、無端ベルト325c及び分離ローラー325dを備える。駆動ローラー325aは、従動ローラー325bよりも下流側に位置している。駆動ローラー325aと従動ローラー325bには、無端ベルト325cが掛け渡されており、これらのローラーは、給紙ローラーとして機能する。駆動ローラー325aと従動ローラー325bの下方には、無端ベルト325cを押圧するように分離ローラー325dが配置されている。
ピックアップローラー324及び駆動ローラー325aは、原稿給紙トレイ301に載置された原稿を原稿給紙トレイ301から送り出す方向に回転する。これに対して、分離ローラー325dは、原稿給紙トレイ301に載置された原稿を原稿給紙トレイ301へ戻す方向に回転する。これらによって、ピックアップローラー324により一枚ずつ取り込まれた原稿が複数枚重ねて搬送されるのを防止している。
分離機構325の近傍には、レジストローラー対326が配置されている。レジストローラー対326は、原稿を挟むように配置された駆動ローラー326aと従動ローラー326bから構成される。分離機構325から搬送されてきた原稿は、レジストローラー対326により先端の傾きが補正されて、下流へ搬送される。詳細に説明すると、レジストローラー対326の回転が停止された状態で、分離機構325により搬送されてきた原稿は、その先端がレジストローラー対326に当たることで、その先端をレジストローラー対326と平行にすることにより、原稿の傾きを補正するのである。
レジストローラー対326より下流側において、第1の搬送路321aには、重送検知センサー341及び重送検知センサー343(図3)が配置されている。重送検知センサー341,343は、原稿の重送を検知するセンサーである。図3に示すように、重送検知センサー341,343は、主走査方向に互いに間を設けて配置されている。重送検知センサー341は、上部カバー303の内側に配置された送信部341aと本体ハウジング305側に配置された受信部341bとで構成される。同様に、重送検知センサー343は、上部カバー303の内側に配置された送信部343aと本体ハウジング305側に配置された受信部343bとで構成される。
重送検知センサー341,343は、超音波方式の重送検知センサーである。重送検知センサー341を例に説明すると、原稿の搬送中に送信部341aから受信部341bに向けて超音波を送信し、原稿が重送されてきた場合、原稿間の空気層(空間)を検知することにより、原稿の重送を検知する。
第1の搬送路321aと第2の搬送路321bとの境界には、搬送ローラー対327が配置されている。搬送ローラー対327は、原稿を挟むように配置された駆動ローラー327aと従動ローラー327bから構成される。レジストローラー対326から搬送されてきた原稿は、搬送ローラー対327により、第2の搬送路321bへ搬送される。
第2の搬送路321bは、原稿の搬送方向を180度変える曲線形状を有する。第2の搬送路321bには、上流から順に、CIS350、タイミングセンサー345、搬送ローラー対328が配置されている。
CIS(Contact Image Sensor)350は、原稿に密着して原稿の片面(裏面)の画像を読み取る。
タイミングセンサー345は、第2の搬送路321bを搬送される原稿の先端を検知し、原稿読取部200のCCD(不図示)により原稿の片面(表面)を読み取るタイミングの判定に用いられる。タイミングセンサー345は、例えば、光センサーであり、その受光面が第2の搬送路321bの表面に位置している。
画像読取位置351は、第2の搬送路321bを搬送される原稿の片面(表面)の画像を、原稿読取部200のCCDを用いて読み取る場合に画像が読み取られる位置となる。
タイミングセンサー345と画像読取位置351との間に、搬送ローラー対328が配置されている。搬送ローラー対328は、原稿を挟むように配置された駆動ローラー328aと従動ローラー328bから構成される。原稿は、搬送ローラー対328により、第2の搬送路321bを搬送される。
第2の搬送路321bと第3の搬送路321cとの境界には、搬送ローラー対329が配置されている。搬送ローラー対329は、原稿を挟むように配置された駆動ローラー329aと従動ローラー329bから構成される。第2の搬送路321bを搬送されてきた原稿は、搬送ローラー対329により、第3の搬送路321cを搬送される。
第3の搬送路321cは、直線状に延びて、途中から斜め上に延びる形状を有する。第3の搬送路321cの終端に、排紙ローラー対330が配置されている。排紙ローラー対330は、原稿を挟むように配置された駆動ローラー330aと従動ローラー330bから構成される。第3の搬送路321cを搬送されてきた原稿は、排紙ローラー対330により、原稿排紙トレイ309に送られる。
次に、本実施形態に係る原稿読取装置3について説明する。図2に示すように、原稿読取装置3は、原稿読取部200、自動原稿送り部300、傾き検出部11、第1の割当部13、第2の割当部15、第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21、第4の記憶部23、第1のシフト部25、第1の補正部27、第2のシフト部29、第2の補正部31、変倍部33、及び、画像データ記憶部35を備える。
原稿読取装置3は、自動原稿送り部300によって原稿が傾いた状態で原稿読取部200に搬送され、原稿読取部200が傾いた原稿を読み取ることによって得られた画像の傾きを補正する。原稿読取部200及び自動原稿送り部300に関しては既に説明したので、説明を省略する。
第1の割当部13、第2の割当部15、第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21、第4の記憶部23、第1のシフト部25、第1の補正部27、第2のシフト部29、第2の補正部31、変倍部33、及び、画像データ記憶部35は、制御部500の機能ブロックであり、これらは、制御部500を構成するCPU、RAM、ROM及びASIC等により実現される。
傾き検出部11は、原稿の傾きを検出する。本実施形態では、自動原稿送り部300によって原稿が原稿読取部200に搬送される途中において、原稿の傾きを検出する。図4で説明したように、原稿読取部200へ搬送される原稿の傾きは、レジストローラー対326によって補正されるが、何らかの原因で原稿の傾きが補正されず、又は補正が不十分で原稿が原稿読取部200に搬送される可能性がある。そこで、本実施形態では、レジストローラー対326より下流で原稿の傾きを検出する。なお、自動原稿送り部300にレジストローラー対326が設けられていないタイプの原稿読取装置に、本発明を適用することもできる。
傾き検出部11は、二つの重送検知センサー341,343、タイミングセンサー345及び傾き演算部37を備える。傾き演算部37は、制御部500の機能ブロックである。図3及び図4で説明したように、重送検知センサー341(第1の重送検知センサーの一例)は、搬送路321に配置されている。重送検知センサー343(第2の重送検知センサーの一例)は、主走査方向に沿って重送検知センサー341と間隔を空けて、搬送路321に配置されている。タイミングセンサー345は、重送検知センサー341,343より下流の搬送路321に配置され、原稿読取部200によって原稿を読み取るタイミングを検知する。
原稿の傾きを検出するセンサーとして、二つの重送検知センサー341,343とタイミングセンサー345とを用いる。従って、本実施形態によれば、原稿の傾きを検出する専用のセンサーを用いることなく、原稿の傾きを検出することができる。原稿の傾きを検出するセンサーは、これらのセンサーに限定されず、自動原稿送り部300の搬送路321(図4)に設けられた他のセンサーを用いてもよい。また、原稿の傾きを検出する専用のセンサーを、搬送路321に設けてもよい。また、原稿給紙トレイ301に原稿がセットされた際に、原稿のサイズを検知する複数のセンサーを、原稿の傾きを検出するセンサーとして用いることもできる。
図5は、原稿読取部200へ搬送中の原稿Sの傾きを、二つの重送検知センサー341,343とタイミングセンサー345とを用いて検出できる原理を説明する図である。図5の(A)は、原稿Sが傾いて搬送されておらず、正しく搬送されている場合を示している。図5の(B)は、原稿Sが少し傾いて搬送されている場合を示している。図5の(C)は、原稿Sが大きく傾いて搬送されている場合を示している。
図5の(C)に示すように、原稿Sの傾きが大きくなると、二つの重送検知センサー341,343が原稿Sを検知したタイミングが同じになることがある。従って、二つの重送検知センサー341,343が原稿Sを検知したタイミングの差だけでは、原稿の傾きを、正しく検出できないことがある。
そこで、傾き演算部37は、二つの重送検知センサー341,343が原稿を検知したタイミングの差と、タイミングセンサー345が原稿Sを検知(原稿Sの通過開始の検知や通過終了の検知)したタイミングとを用いて、原稿Sの傾きを演算する。例えば、傾き演算部37は、二つの重送検知センサー341,343が原稿Sを検知したタイミングの差及びタイミングセンサー345が原稿Sを検知したタイミングに対して、原稿Sの傾きの値を対応づけたルックアップテーブルを予め記憶し、このテーブルを利用して原稿Sの傾きを演算する。
次に、図2に示す第1の割当部13を説明する。自動原稿送り部300によって搬送された原稿を、原稿読取部200が読み取って生成した画像データに対して、主走査方向に沿って分割した各データを、それぞれ第1の分割データとする。第1の割当部13は、その画像データで示される画像の傾きを補正するために、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きの値に応じて、複数の第1の分割データの数を決定すると共に、複数の第1の分割データのそれぞれに副走査方向のシフト量を割り当てる。
図6を用いて具体的に説明する。図6は、傾いた原稿を読み取って生成された画像データについて、三つの第1の分割データA1,A2,A3に分割した状態を説明する図である。図6には、その画像データで表される画像の一例が示されている。原稿の傾きがθの状態で原稿が読み取られたので、画像の傾きはθである。画像は、主走査方向に沿って三つの画像領域a1,a2,a3に分割されている。
画像データがRAWデータの場合、副走査方向の軸に一番近い画像領域a1、画像領域a1の隣の画像領域a2、画像領域a2の隣の画像領域a3は、それぞれ、副走査方向の軸に一番近い第1の分割データA1、その隣の第1の分割データA2、その隣の第1の分割データA3に対応する。例えば、第1の分割データA1で示される画像が、画像領域a1となる。以下、第1の分割データを区別しない場合は、第1の分割データAと記載する。
原稿の傾きがθの場合、第1の割当部13は、第1の分割データAの数を例えば、「3」と決定し、副走査方向の軸に一番近い第1の分割データA1の副走査方向のシフト量を例えば「3画素」、その隣の第1の分割データA2の副走査方向のシフト量を例えば「5画素」、その隣の第1の分割データA3の副走査方向のシフト量を例えば「7画素」と割り当てる。
複数の第1の分割データAの数と複数の第1の分割データAのそれぞれの副走査方向のシフト量とは、原稿の傾きの値に応じて決まる。複数の第1の分割データAの数は、原稿の傾きの値が大きくなるにしたがって増加し(言い換えれば、画像データが主走査方向に沿って細かく分割され)、原稿の傾きの値が小さくなるにしたがって減少する。これらの第1の分割データAに割り当てられた最大のシフト量と最小のシフト量との差は、原稿の傾きの値が大きくなるにしたがって大きくなり、原稿の傾きの値が小さくなるにしたがって小さくなる。
第1の割当部13は、例えば、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きに対して、複数の第1の分割データAの数と、複数の第1の分割データAのそれぞれの副走査方向のシフト量とを対応づけたルックアップテーブルを予め記憶している。第1の割当部13は、このテーブルを利用して、複数の第1の分割データAの数を決定すると共に、複数の第1の分割データAのそれぞれに副走査方向のシフト量を割り当てる。
第2の割当部15を説明する。自動原稿送り部300によって搬送された原稿を、原稿読取部200が読み取って生成した画像データに対して、副走査方向に沿って分割した各データを、それぞれ第2の分割データとする。第2の割当部15は、その画像データで示される画像の傾きを補正するために、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きの値に応じて、複数の第2の分割データの数を決定すると共に、複数の第2の分割データのそれぞれに主走査方向のシフト量を割り当てる。
図7を用いて具体的に説明する。図7は、傾いた原稿を読み取って生成された画像データについて、四つの第2の分割データB1,B2,B3,B4に分割した状態を説明する図である。図7には、その画像データで表される画像の一例が示されている。この画像は、図6に示す画像と同じである。原稿の傾きがθの状態で、原稿が読み取られたので画像の傾きはθである。画像は、副走査方向に沿って四つの画像領域b1,b2,b3,b4に分割されている。
画像データがRAWデータの場合、主走査方向の軸に一番近い画像領域b1、画像領域b1の隣の画像領域b2、画像領域b2の隣の画像領域b3、画像領域b3の隣の画像領域b4は、それぞれ、主走査方向の軸に一番近い第2の分割データB1、その隣の第2の分割データB2、その隣の第2の分割データB3、その隣の第2の分割データB4に対応する。例えば、第2の分割データB1で示される画像が、画像領域b1となる。以下、第2の分割データを区別しない場合は、第2の分割データBと記載する。
原稿の傾きがθの場合、第2の割当部15は、第2の分割データBの数を例えば、「4」と決定し、主走査方向の軸に一番近い第2の分割データB1の主走査方向のシフト量を例えば「8画素」、その隣の第2の分割データB2の主走査方向のシフト量を例えば「6画素」、その隣の第2の分割データB3の主走査方向のシフト量を例えば「4画素」、その隣の第2の分割データB4の主走査方向のシフト量を例えば「2画素」と割り当てる。
複数の第2の分割データBの数と複数の第2の分割データBのそれぞれの主走査方向のシフト量とは、原稿の傾きの値に応じて決まる。複数の第2の分割データBの数は、原稿の傾きの値が大きくなるにしたがって増加し(言い換えれば、画像データが副走査方向に沿って細かく分割され)、原稿の傾きの値が小さくなるにしたがって減少する。これらの第2の分割データBに割り当てられた最大のシフト量と最小のシフト量との差は、原稿の傾きの値が大きくなるにしたがって大きくなり、原稿の傾きの値が小さくなるにしたがって小さくなる。
第2の割当部15は、例えば、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きに対して、複数の第2の分割データBの数と、複数の第2の分割データBのそれぞれの主走査方向のシフト量とを対応づけたルックアップテーブルを予め記憶している。第2の割当部15は、このテーブルを利用して、複数の第2の分割データBの数を決定すると共に、複数の第2の分割データBのそれぞれに主走査方向のシフト量を割り当てる。
図2に示す第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21及び第4の記憶部23について説明する。これらの記憶部は同じ構成を有するので、原稿読取部200によって生成された画像データが最初に書き込まれる第3の記憶部21を例に説明する。画像データを副走査方向の一定間隔で複数のブロックに分割したうちの1ブロックに相当するデータをバンドデータDと称する。図6及び図7に示す画像を副走査方向の一定間隔で分割した画像領域dは、バンドデータDと対応する。第3の記憶部21は、複数のブロックの数より少ない二以上の予め定められた数のバンドデータDを記憶することができる。本実施形態では三つのバンドデータDを記憶することができる。
図8は、第3の記憶部21の構成を示す図である。原稿は、原稿読取部200によって主走査方向のライン単位で読み取られるので、画像データは副走査方向に並ぶ多数のラインデータによって構成される。よって、バンドデータDはラインデータ群ということになる。バンドデータDは、例えば、128個のラインデータにより構成されるが、本実施形態では、図示の便宜上、バンドデータDを構成するラインデータの数が8個を例に説明する。このラインデータは、上記多数のラインデータにおけるラインデータを意味する他に、後で説明する複数の第1の分割データAのそれぞれに属する画素群データC(図11)で構成され、画素群データCの単位で副走査方向に所定量シフトしているデータであるラインデータや、複数の第2の分割データBのそれぞれに属する複数のラインデータ(図17)におけるラインデータを意味する。
本実施形態において、第3の記憶部21は、三つのバンドメモリーBM1,BM2,BM3によって構成される。一つのバンドメモリーは、一つのバンドデータDを記憶することができる。1ページの画像データをメモリーに展開して画像の傾きを補正すると、メモリー容量が増大するので、本実施形態ではバンドデータDの単位で処理をする。画像の傾きを補正する場合、画像形成装置1のメインメモリーの一部が、第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21及び第4の記憶部23として使用される。
図2に示す第1のシフト部25は、原稿読取部200によって生成された画像データを構成する複数のバンドデータDを第3の記憶部21に順次書き込む。第1のシフト部25は、バンドデータDが順次書き込まれている第3の記憶部21からバンドデータDを所定の規則にしたがって順次読み出して、第1の記憶部17に順次書き込む。これによって、第1の分割データAのそれぞれに割り当てられたシフト量だけ第1の分割データAのそれぞれを副走査方向にシフト処理(副走査方向シフト処理)させて、バンドデータDを書き込む。例えば、図6に示すように、第1の分割データA1を副走査方向に3画素シフトさせ、第1の分割データA2を副走査方向に5画素シフトさせ、第1の分割データA3を副走査方向に7画素シフトさせる。第1のシフト部25の詳細は後で説明する。
第1の補正部27は、第1の記憶部17に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、バンドデータDに補正処理をして、第4の記憶部23に順次書き込む。ここでの補正処理は、副走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間して得られた値を、当該二つの画素データの一方の値にする処理をして、副走査方向に並ぶ各画素データを補正する処理である。第1の補正部27の詳細は後で説明する。
第2のシフト部29は、第4の記憶部23からバンドデータDを所定の規則にしたがって順次読み出して、第2の記憶部19に順次書き込む。これによって、第2の分割データBのそれぞれに割り当てられたシフト量だけ第2の分割データBのそれぞれを主走査方向にシフト処理(主走査方向シフト処理)させて、バンドデータDを書き込む。例えば、図7に示すように、第2の分割データB1を主走査方向に8画素シフトさせ、第2の分割データB2を主走査方向に6画素シフトさせ、第2の分割データB3を主走査方向に4画素シフトさせ、第2の分割データB4を主走査方向に2画素シフトさせる。第2のシフト部29の詳細は後で説明する。
第2の補正部31は、第2の記憶部19に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、バンドデータDに補正処理をする。ここでの補正処理は、主走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間して得られた値を、当該二つの画素データの一方の値にする処理をして、主走査方向に並ぶ各画素データを補正する処理である。第2の補正部31の詳細は後で説明する。
上記副走査方向シフト処理及び主走査方向シフト処理によって画像の傾きが補正されるので、傾き補正後の画像データで示される画像の縦横サイズは、傾き補正前の画像データで示される画像の縦横サイズに対して歪みが生じる。図2に示す変倍部33は、この歪みを補正する。変倍部33の詳細は後で説明する。
画像の傾きの補正処理、変倍部33での処理及び所定の画像処理(シェーディング補正等)がされた画像データは、制御部500の圧縮符号化部(不図示)によって圧縮符号化されて、図2に示す画像データ記憶部35に記憶される。
本実施形態に係る原稿読取装置3の動作を説明する。図9は、その動作を説明するフローチャートである。ユーザーが、自動原稿送り部300の原稿給紙トレイ301(図1)に原稿をセットし、操作部400(図1)を操作してスキャナーモードを選択し、制御部500(図2)がその選択を受け付けることにより、制御部500は画像形成装置1のモードをスキャナーモードにする(ステップS1)。
ユーザーが、操作部400のスタートキーを押下し、制御部500がその押下を受け付けることにより、制御部500は自動原稿送り部300に原稿の搬送を開始させる(ステップS2)。
傾き検出部11は、自動原稿送り部300によって原稿読取部200へ搬送される原稿の傾きを検出する(ステップS3)。
原稿読取部200は、自動原稿送り部300によって搬送されてきた原稿の読み取りを実行して、その原稿の画像データを生成する(ステップS4)。
傾き検出部11は、ステップS3で検出された傾きの値が、画像の傾きを補正する必要がある予め定められた値以上であるか判断する(ステップS5)。
傾き検出部11が、検出された傾きの値が予め定められた値以上と判断しない場合(ステップS5でNo)、言い換えれば、検出された傾きの値が予め定められた値より小さいと判断した場合、傾き検出部11は、画像の傾きの補正を実行しないことを決定する(ステップS6)。傾きの値が予め定められた値より小さいとは、傾きの値が、ゼロ又は画像の傾きの補正が不要な僅かな値(例えば、0.1度より小さい値)を意味する。
ステップS6後、原稿読取装置3は、ステップS4で得られた画像データに所定の画像処理(シェーディング補正等)をし、この所定の画像処理がされた画像データを圧縮符号化して画像データ記憶部35に記憶させる(ステップS7)。以上により、画像の傾きを補正しない場合のスキャンが完了する。
傾き検出部11が、検出された傾きの値が予め定められた値以上と判断した場合(ステップS5でYes)、傾き検出部11は、画像の傾きの補正を実行する決定をする(ステップS8)。
ステップS8後、第1の割当部13は、ステップS4で得られた画像データで示される画像の傾きを補正するために、ステップS3で検出された原稿の傾きの値に応じて、複数の第1の分割データAの数を決定すると共に、副走査方向のシフト量を複数の第1の分割データAのそれぞれに割り当てる(ステップS9)。
図6で説明した例では、第1の割当部13は、複数の第1の分割データAの数を、「3」と決定し、第1の分割データA1の副走査方向のシフト量を「3画素」、第1の分割データA2の副走査方向のシフト量を「5画素」、第1の分割データA3の副走査方向のシフト量を「7画素」と割り当てる。
第2の割当部15は、ステップS4で得られた画像データで示される画像の傾きを補正するために、ステップS3で検出された原稿の傾きの値に応じて、複数の第2の分割データBの数を決定すると共に、主走査方向のシフト量を複数の第2の分割データBのそれぞれに割り当てる(ステップS10)。
図7で説明した例では、第2の割当部15は、複数の第2の分割データBの数を、「4」と決定し、第2の分割データB1の主走査方向のシフト量を「8画素」、第2の分割データB2の主走査方向のシフト量を「6画素」、第2の分割データB3の主走査方向のシフト量を「4画素」、第2の分割データB4の主走査方向のシフト量を「2画素」と割り当てる。
第1のシフト部25は、原稿読取部200によって生成された画像データをバンドデータDの単位で、第3の記憶部21に順次書き込む処理を開始する。この処理について説明する。図8を参照して、第1のシフト部25は、1番目のバンドデータDをバンドメモリーBM1に書き込み、2番目のバンドデータDをバンドメモリーBM2に書き込み、3番目のバンドデータDをバンドメモリーBM3に書き込む。画像形成装置1のメインメモリーの一部が、これらのバンドメモリーとして使用される。
3番目のバンドデータDがバンドメモリーBM3に書き込みが完了する前に、第1のシフト部25よって、バンドメモリーBM1に書き込まれたバンドデータDから順次、バンドデータDが読み出される。従って、三つのバンドメモリーBMは、バンドメモリーBM1から順に空くので、第1のシフト部25は、4番目のバンドデータDをバンドメモリーBM1に書き込み、5番目のバンドデータDをバンドメモリーBM2に書き込み、6番目のバンドデータDをバンドメモリーBM3に書き込み、これを繰り返して、画像データを構成する全バンドデータDを第3の記憶部21に順次書き込む。
第1のシフト部25は、複数の第1の分割データAのそれぞれを副走査方向にシフトさせる(ステップS11)。これについて説明する。第1のシフト部25は、ステップS4で得られた画像データを構成する複数のバンドデータDに対して、先ほど説明したように、1番目のバンドデータDから第3の記憶部21に順次書き込む。図10は、第3の記憶部21において、1番目のバンドデータDがバンドメモリーBM1に書き込みを完了し、2番目のバンドデータDがバンドメモリーBM2に書き込み中であり、3番目のバンドデータDがバンドメモリーBM3に書き込み開始前である状態を示している。
画像データが三つの第1の分割データA1,A2,A3に分割されているので、ラインデータは三つの画素群データCに分けられる。すなわち、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれは、主走査方向に並ぶ画素群データCを副走査方向に並べた構造を有する。
第1のシフト部25が、2番目のバンドデータDをバンドメモリーBM2に書き込むことを完了したとき、第1のシフト部25は、第3の記憶部21に書き込まれたバンドデータDを1番目のバンドデータDから順次読み出して、第1の記憶部17に順次書き込む。
図11は、バンドデータDが第3の記憶部21から読み出されている状態を示す図である。図12は、第3の記憶部21から読み出されたバンドデータDが第1の記憶部17に書き込まれている状態を示す図である。
ステップS9において、図6に示す第1の分割データA1の副走査方向のシフト量として「3画素」、第1の分割データA2の副走査方向のシフト量として「5画素」、第1の分割データA3の副走査方向のシフト量として「7画素」が割り当てられている。
図11を参照して、第1のシフト部25は、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA1において、4番目の画素群データC1を読み出し、次に、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA2において、6番目の画素群データC2を読み出し、次に、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA3において、8番目の画素群データC3を読み出す。
図12を参照して、第1のシフト部25は、画素群データC1、画素群データC2及び画素群データC3によって構成されるデータを、1番目に読み出されたラインデータとして第1の記憶部17のバンドメモリーBM1に書き込む。
図11を参照して、第1のシフト部25は、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA1において、5番目の画素群データC4を読み出し、次に、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA2において、7番目の画素群データC5を読み出し、次に、バンドメモリーBM2に書き込まれている第1の分割データA3において、1番目の画素群データC6を読み出す。
第1の分割データA3において、バンドメモリーBM1からバンドメモリーBM2に切り替えられているのは、一つのバンドメモリーには、この例では8個のラインデータが書き込まれ、従って、バンドメモリーBM1に書き込まれている第1の分割データA3において、画素群データC3より後の画素群データCが存在しないからである。
図12を参照して、第1のシフト部25は、画素群データC4、画素群データC5及び画素群データC6によって構成されるデータを、2番目に読み出されたラインデータとして第1の記憶部17のバンドメモリーBM1に書き込む。
第1のシフト部25は、以上のことを繰り返す。すなわち、第1のシフト部25は、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに割り当てられたシフト量だけ副走査方向にシフトさせた位置の画素群データCを、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれの読み出し開始の画素群データC1,C2,C3とし、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに属する一つの画素群データCを第3の記憶部21から読み出したデータを、ラインデータとして第1の記憶部17に書き込むことを繰り返す。
以下のように言い換えることができる。第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに属する画素群データCで構成され、画素群データCの単位で副走査方向に所定量シフトしているデータをラインデータとする。第1のシフト部25は、画像データを構成する複数のバンドデータDを上記ラインデータの単位で第1の記憶部17に順次書き込むことによって、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに対して、割り当てられた副走査方向のシフト量だけ副走査方向シフト処理をする。
図13は、第1のシフト部25での副走査方向シフト処理がされた画像データで表される画像を示す図である。図6と比較すれば分かるように、図13に示す画像は、主走査方向の軸に対する傾きが0になっている。
第1の補正部27は、第1のシフト部25で副走査方向シフト処理がされた画像データを構成するバンドデータDを、図12に示す第1の記憶部17から順次読み出して補正処理をする(ステップS12)。この補正処理について説明する。
第1の補正部27は、第1の記憶部17から読み出された隣り合う二つのラインデータを一次補間する。隣り合う二つのラインデータとは、具体的に説明すると、図12に示す画素群データC1,C2,C3で構成されるラインデータ及び画素群データC4,C5,C6で構成されるラインデータである。また、隣り合う二つのラインデータとは、画素群データC4,C5,C6で構成されるラインデータ及び画素群データC7,C8,C9で構成されるラインデータである。
図14は、この一次補間を説明する図である。図15は、一次補間に用いられる重みデータを示す表である。この重みデータは、第1の重みデータの一例である。第1の重みデータとは、第1の分割データAのそれぞれにおいて、副走査方向で隣り合う二つの画素データの一次補間に用いられる重みであり、主走査方向に沿って第1の分割データAを分割した各データを、それぞれ第1の細分割データとした場合、第1の細分割データ毎に異なる値の重みが割り当てられた重みデータである。第1の重みデータは、図2に示す第1の補正部27に備えられる第1の重みデータ記憶部39に予め記憶されている。
第1の重みデータは、複数の第1の分割データAの数に応じて割り当てられる。例えば、第1の分割データAの分割数が3の場合に適用される第1の重みデータ、分割数が4の場合に適用される第1の重みデータが、第1の重みデータ記憶部39に予め記憶されている。
第1の分割データAのそれぞれの行方向の画素データ数が、例えば、89個とする。画像データの主走査方向の画素数÷89が、第1の分割データAの数になる。図面での表現の便宜上、第1の分割データAの数が3個を例にしているが、第1の分割データAのそれぞれの行方向の画素データ数が89個の場合、第1の分割データAの数は3個より多くなる。
第1の分割データAにおいて、第1列〜第6列の画素データ、第7列〜第12列の画素データ、第13列〜第17列の画素データ、・・・、第85列〜第89列の画素データを、それぞれ、第1の細分割データとする。第1列〜第6列の画素データで構成される第1の細分割データにおいて、副走査方向で隣り合う一方の画素データに割り当てられた重みが「0」であり、他方の画素データに割り当てられた重みが「16」である。したがって、一方の画素データと他方の画素データとを一次補間する式は、(0×一方の画素データの輝度+16×他方の画素データの輝度)/16、となる。
同様に、例えば、第7列〜第12列の画素データで構成される第1の細分割データにおいて、副走査方向で隣り合う一方の画素データに割り当てられた重みが「1」であり、他方の画素データに割り当てられた重みが「15」である。したがって、一方の画素データと他方の画素データとを一次補間する式は、(1×一方の画素データの輝度+15×他方の画素データの輝度)/16、となる。
以上のようにして、第1の補正部27は、第1の重みデータを用いて、第1の分割データAのそれぞれについて、副走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間して得られた値を、この二つの画素データの一方の値にする処理をして、副走査方向に並ぶ各画素データを補正する処理をする(補正処理)。
補正処理について、図12に示す画素群データC1〜C9で説明する。画素群データC1の各画素を一方の画素とし、画素群データC4の各画素を他方の画素として、図15に示す第1の重みデータを用いて一次補間し、画素群データC1の各画素データにする。画素群データC2と画素群データC5、画素群データC3と画素群データC6についても、同様に、図15に示す第1の重みデータを用いて一次補間し、画素群データC2の各画素データ、画素群データC3の各画素データにする。
画素群データC4の各画素を一方の画素とし、画素群データC7の各画素を他方の画素とし、図15に示す第1の重みデータを用いて一次補間し、画素群データC4の各画素データにする。画素群データC5と画素群データC8、画素群データC6と画素群データC9についても、同様に、図15に示す第1の重みデータを用いて一次補間し、画素群データC5の各画素データ、画素群データC6の各画素データにする。
第1の補正部27は、第1の補正部27によって補正処理された画像データをバンドデータDの単位で、第4の記憶部に23に順次書き込む。
図16は、第4の記憶部23において、1番目のバンドデータDがバンドメモリーBM1に書き込みを完了し、2番目のバンドデータDがバンドメモリーBM2に書き込み中であり、3番目のバンドデータDがバンドメモリーBM3に書き込み開始前の状態を示している。
第2のシフト部29は、第1の補正部27によって補正処理された画像データを、第2の分割データBの単位で主走査方向シフト処理をする(ステップS13)。これについて説明する。図17は、第4の記憶部23からバンドデータDが順次読み出されている状態を示す図である。バンドメモリーBM1に書き込まれたバンドデータDを構成するラインデータの全てが、第2の分割データB1(図7)に属しているとする。バンドメモリーBM2に書き込まれたバンドデータDを構成するラインデータのうち、1番目〜5番目のラインデータが、第2の分割データB1に属し、残りのラインデータが、第2の分割データB2(図7)に属しているとする。バンドメモリーBM3に書き込まれたバンドデータDを構成するラインデータの全てが、第2の分割データB2に属しているとする。第2の分割データBのそれぞれは、複数のラインデータを副走査方向に並べた構造を有する。
ステップS10において、図7に示すように、第2の分割データB1の主走査方向のシフト量として「8画素」、第2の分割データB2の主走査方向のシフト量として「6画素」が割り当てられている。
従って、バンドメモリーBM1に書き込まれたラインデータの全部及びバンドメモリーBM2に書き込まれた1番目〜5番目のラインデータについて、主走査方向のシフト量は「8画素」となる。バンドメモリーBM2に書き込まれた残りのラインデータ及びバンドメモリーBM3に書き込まれたラインデータの全部について、主走査方向のシフト量は「6画素」となる。
第2のシフト部29は、第2の分割データBのそれぞれに割り当てられたシフト量だけ主走査方向にシフトさせた位置を、第2の分割データBのそれぞれに属するラインデータの読み出し開始の位置として、第4の記憶部23からバンドデータDを順次読み出して、第2の記憶部19に順次書き込む。バンドメモリーBM1に書き込まれたラインデータの全部及びバンドメモリーBM2に書き込まれた1番目〜5番目のラインデータの主走査方向のシフト量は「8画素」である。従って、これらのラインデータの読み出し開始位置は、9番目の画素データである。よって、これらのラインデータにおいて、1番目〜8番目の画素データは読み出されない。
バンドメモリーBM2に書き込まれた残りのラインデータ及びバンドメモリーBM3に書き込まれたラインデータの全部について、主走査方向のシフト量は「6画素」である。従って、これらのラインデータの読み出し開始位置は、7番目の画素データである。よって、これらのラインデータにおいて、1番目〜6番目の画素データは読み出されない。
図18は、第4の記憶部23から読み出されたバンドデータDが第2の記憶部19に書き込まれている状態を示す図である。図17のバンドメモリーBM1に書き込まれたラインデータの全部及びバンドメモリーBM2に書き込まれた1番目〜5番目のラインデータは、図18に示すように、9番目の画素データから書き込まれる。図17のバンドメモリーBM2に書き込まれた残りのラインデータ及びバンドメモリーBM3に書き込まれたラインデータの全部は、図18に示すように、7番目の画素データから書き込まれる。
図19は、第2のシフト部29で主走査方向シフト処理がされた画像データで表される画像を示す図である。図13に示す第2のシフト部29で主走査方向シフト処理される前の画像データで表される画像と比較すれば分かるように、図19に示す画像は、副走査方向の軸に対する傾きが0になっている。
以上の通り、第2のシフト部29は、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに割り当てられた主走査方向のシフト量だけ、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに属する複数のラインデータを主走査方向にシフトさせて、画像データを構成する複数のバンドデータDを第2の記憶部19に順次書き込む。これにより、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに対して、割り当てられた主走査方向のシフト量だけ主走査方向シフト処理をする。
第2の補正部31は、第2のシフト部29で主走査方向シフト処理がされた画像データを構成するバンドデータDを、図18に示す第2の記憶部19から順次読み出して補正処理をする(ステップS14)。この補正処理について説明する。
第2の補正部31は、バンドデータDを第2の記憶部19から順次読み出して、主走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間する。図20は、この一次補間を説明する図である。図21は、一次補間に用いられる重みデータを示す表である。この重みデータは、第2の重みデータの一例である。第2の重みデータとは、第2の分割データBのそれぞれにおいて、主走査方向で隣り合う二つの画素データの一次補間に用いられる重みであり、副走査方向に沿って第2の分割データBを分割した各データを、それぞれ第2の細分割データとした場合、第2の細分割データ毎に異なる値の重みが割り当てられた重みデータである。第2の重みデータは、図2に示す第2の補正部31に備えられる第2の重みデータ記憶部41に予め記憶されている。
第2の重みデータは、複数の第2の分割データBの数に応じて割り当てられる。例えば、第2の分割データBの分割数が3の場合に適用される第2の重みデータ、分割数が4の場合に適用される第2の重みデータが、第2の重みデータ記憶部41に予め記憶されている。
第2の分割データBのぞれぞれは、ラインデータを副走査方向に並べた構造を有する。第2の分割データBのそれぞれが、例えば、96個のラインデータで構成される場合で説明する。画像データの副走査方向の画素数÷96が、第2の分割データBの数になる。図面での表現の便宜上、第2の分割データBの数が4を例にしているが、第2の分割データBのそれぞれが、96個のラインデータで構成される場合、第2の分割データBの数は4より多くなる。
第2の分割データBにおいて、第1行〜第6行の画素データ、第7行〜第12行の画素データ、・・・、第91行〜第96行の画素データを、それぞれ、第2の細分割データとする。第1行〜第6行の画素データで構成される第2の細分割データにおいて、主走査方向で隣り合う一方の画素データに割り当てられた重みが「0」であり、他方の画素データに割り当てられた重みが「16」である。したがって、一方の画素データと他方の画素データとを一次補間する式は、(0×一方の画素データの輝度+16×他方の画素データの輝度)/16、となる。以上のように、第2の補正部31は、第2の重みデータを用いて、第2の分割データBのそれぞれについて、主走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間して得られた値を、当該二つの画素データの一方の値にする処理をして、主走査方向に並ぶ各画素データを補正する処理をする(補正処理)。
図22は補正処理前と補正処理後とを比較した図である。主走査方向で隣り合う一方の画素データAと他方の画素データBとを一次補間した画素データABを求め、画素データABを画素データAの換わりにする。主走査方向で隣り合う一方の画素データBと他方の画素データCとを一次補間した画素データBCを求め、画素データBCを画素データBの換わりにする。残りの主走査方向で隣り合う一方の画素データと他方の画素データについても同様の処理をする。なお、図14及び図15で説明した第1の補正部27での補正処理は、副走査方向で隣り合う一方の画素データと他方の画素データについて、図22に示すような処理をする。
本実施形態によれば、ステップS12において、副走査方向で隣り合う二つの画素データを第1の補正部27によって一次補間し、ステップS14において、主走査方向で隣り合う二つの画素データを第2の補正部31によって一次補間している。この結果、バイリニア補間を実行していることになる。
ステップS14が終了すると、すなわち、第2の補正部31での画像データの補正処理が終了すると、図2に示す変倍部33によって、画像データに対して変倍処理がされる(ステップS15)。詳細に説明すると、上述したように、ステップS11での副走査方向シフト処理及びステップS13での主走査方向シフト処理によって、図6に示す画像から図19に示す画像に変化する。これらのシフト処理によって、画像の縦横に歪みが生じる。
具体的に説明すると、図6に示す画像の縦寸法がY、横寸法がXとすると、図19に示す画像の縦寸法がYcosθ、横寸法がX/cosθとなる。そこで、変倍部33によって、図19に示す画像の縦寸法が、Ycosθ/cosθ、横寸法が、(X/cosθ)×cosθとする処理がされる。このように、変倍処理によって、傾き補正後の画像データで示される画像のサイズが、傾き補正前の画像データで示される画像のサイズと同じにされる。その後、制御部500は、画像データを圧縮符号化して画像データ記憶部35に記憶させる(ステップS7)。以上により、画像の傾きを補正した場合のスキャンが完了する。
本実施形態の主な効果を説明する。ステップS11で説明したように、第1のシフト部25は、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに属する画素群データCで構成され、画素群データCの単位で副走査方向に所定量シフトしているデータをラインデータとし、画像データを構成する複数のバンドデータDをラインデータの単位で、第3の記憶部21から順次読み出して、第1の記憶部17に順次書き込む(図11、図12)。これにより、第1のシフト部25は、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに対して、割り当てられた副走査方向のシフト量だけ副走査方向シフト処理をして、図13に示すように、主走査方向の軸に対する画像の傾きを補正する。
ステップS13で説明したように、第2のシフト部29は、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに割り当てられた主走査方向のシフト量だけ、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに属する複数のラインデータを主走査方向にシフトさせて、画像データを構成する複数のバンドデータDを、第4の記憶部23から順次読み出して、第2の記憶部19に順次書き込む(図17、図18)。これにより、第2のシフト部29は、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに対して、割り当てられた主走査方向のシフト量だけ主走査方向シフト処理をして、図19に示すように、副走査方向の軸に対する画像の傾きを補正する。
以上のように、本実施形態に係る原稿読取装置3では、第1のシフト部25での上記副走査方向シフト処理及び第2のシフト部29での上記主走査方向シフト処理によって、画像の傾きを補正する。
バンドデータDは、画像データを副走査方向の一定間隔で複数のブロックに分割したうちの1ブロックに相当するデータである。第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21及び第4の記憶部23は、上記複数のブロックの数より少ない二以上の予め定められた数(本実施形態では、三つ)のバンドデータDを記憶することができる。本実施形態に係る原稿読取装置3によれば、そのような記憶部を用いて、第1のシフト部25での副走査方向シフト処理及び第2のシフト部29での主走査方向シフト処理が実行される。従って、第1のシフト部25での副走査方向シフト処理及び第2のシフト部29での主走査方向シフト処理を、それぞれ、1ページの画像データが展開される記憶部を用いて実行する場合に比べて、画像の傾きの補正に必要となるメモリー容量を少なくすることができる。
ステップS12及びステップS14で実行する補正処理の効果を説明する。図23は、主走査方向に延びる線状の画像を表した図であり、図24は、その画像を画素単位で表した図である。画像E1は、副走査方向シフト処理される前の画像である。画像E2は、副走査方向シフト処理された後の画像である。画像E3は、副走査方向シフト処理がされ、さらに、第1の補正部27によって画像データが補正処理された後の画像である。
画像の傾きを補正するために、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに割り当てられたシフト量だけ各第1の分割データA1,A2,A3を副走査方向にシフトさせる処理をする(副走査方向シフト処理)。この処理によって、隣り合う第1の分割データA間では副走査方向に沿ってズレが生じる。このズレの影響は、画像において、画像E2で示すように、隣り合う第1の分割データAの境界に対応する部分にジャギーとして現れる。この影響をなくし、又は軽減するために、副走査方向シフト処理後、第1の補正部27は、副走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間する。したがって、画像E3で示すように、ジャギーをなくし、又は軽減することができる。
図示はしないが、第2の補正部31での補正処理についても同様のことが言える。すなわち、主走査方向シフト処理(第2の分割データBのそれぞれに割り当てられたシフト量だけ第2の分割データBのそれぞれを主走査方向にシフトさせる処理)によって、隣り合う第2の分割データB間では主走査方向に沿ってズレが生じる。このズレの影響は、画像において、隣り合う第2の分割データBの境界に対応する部分にジャギーとして現れる。この影響をなくし、又は軽減するために、主走査方向シフト処理後、第2の補正部31は、主走査方向で隣り合う二つの画素データを一次補間する。
以上のように、本実施形態に係る原稿読取装置3によれば、副走査方向で隣り合う二つの画素データを第1の補正部27によって一次補間し、主走査方向で隣り合う二つの画素データを第2の補正部31によって一次補間しているので、バイリニア補間を実行していることになる。これにより、ジャギーをなくし、又は軽減できるので、傾き補正後の画像の画質を向上させることができる。
本実施形態では、図14及び図15に示すように、第1の重みデータとして、主走査方向に沿って第1の分割データAを分割した各データを、それぞれ第1の細分割データとした場合、第1の細分割データ毎に異なる値の重みが割り当てられた重みデータを用いる。従って、本実施形態によれば、比較的細かいデータの単位で重みを変えて一次補間するので、比較的大きい単位(例えば、第1の分割データAの単位)で重みを変えて一次補間する場合と比べて、隣り合う第1の分割データA間のズレの影響を軽減する効果を大きくできる。
同様に、図20及び図21に示すように、第2の重みデータとして、副走査方向に沿って第2の分割データBを分割した各データを、それぞれ第2の細分割データとした場合、第2の細分割データ毎に異なる値の重みが割り当てられた重みデータを用いる。従って、本実施形態によれば、比較的細かいデータの単位で重みを変えて一次補間するので、比較的大きいデータの単位(例えば、第2の分割データBの単位)で重みを変えて、一次補間する場合と比べて、隣り合う第2の分割データB間のズレの影響を軽減する効果を大きくできる。
本実施形態において、図14及び図15に示すように、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに割り当てられた各第1の重みデータは、互いに同じであり、図20及び図21に示すように、第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに割り当てられた各第2の重みデータは、互いに同じである。これにより、例えば、第1の分割データA1,A2,A3のそれぞれに異なる第1の重みデータを用い、かつ第2の分割データB1,B2,B3,B4のそれぞれに異なる第2の重みデータを用いる場合に比べて、第1の重みデータ及び第2の重みデータのデータ量を少なくできる。
原稿読取装置3では、第1のシフト部25での副走査方向シフト処理、第2のシフト部29での主走査方向シフト処理、第1の補正部27での一次補間を用いた補正処理、及び、第2の補正部31での一次補間を用いた補正処理によって、画像の傾きを補正している。このように、本実施形態に係る原稿読取装置3によれば、複雑な計算を用いることなく画像の傾きを補正できる。よって、原稿読取装置3を備えた画像形成装置1によれば、ファーストコピー時間を長くすることなく、傾きが補正された画像を用紙に形成して出力することができる。
なお、本実施形態では、第1のシフト部25での副走査方向シフト処理が第2のシフト部29での主走査方向シフト処理より先に実行されている。しかし、この処理が逆である変形例も可能である。変形例について簡単に説明する。
変形例において、第2のシフト部29は、原稿読取部200によって生成された画像データを構成する複数のバンドデータDを第3の記憶部21に順次書き込む。第2のシフト部29は、第3の記憶部21に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、第2の記憶部19に順次書き込むことによって、主走査方向シフト処理をする。第2の補正部31は、第2の記憶部19に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、主走査方向に並ぶ各画素データを補正処理して、第4の記憶部23に順次書き込む。第1のシフト部25は、第4の記憶部23に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、第1の記憶部17に順次書き込むことによって、副走査方向シフト処理をする。第1の補正部27は、第1の記憶部17に順次書き込まれているバンドデータDを順次読み出して、副走査方向に並ぶ各画素データを補正処理する。変形例も本実施形態と同様の作用効果を有する。
本発明の他の実施形態について説明する。図25は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置2の特徴部分のブロック図である。画像形成装置2は、図2に示す画像形成装置1に備えられる構成に加えて、図25に示す構成が付加されている。すなわち、画像形成装置2に備えられる原稿読取装置3は、図2に示す原稿読取装置3に、さらに、メモリー空間部43、回転補正部45、第1の判定部47、第2の判定部49及び決定部51が付加されている。
メモリー空間部43は、原稿読取部200によって生成された画像データが展開される。メモリー空間部43は、制御部500を構成するメインメモリーによって実現される。
回転補正部45は、メモリー空間部43に画像データを展開させて、展開された画像データを回転させて、画像データで示される画像の傾きを補正する回転補正を実行する。回転補正には、例えば、アフィン変換が利用される。
第1の判定部47は、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きが、予め定められた第1の値以下であるか、第1の値より大きいかを判定する。
第2の判定部49は、傾き検出部11によって検出された原稿の傾きが、第1の値より小さい予め定められた第2の値より小さいか、第2の値以上であるかを判定する。
決定部51は、以下の決定をする。傾き検出部11によって検出された原稿の傾きが第2の値より小さいと判定された場合、画像データで示される画像の傾きを補正しない決定をする。傾き検出部11によって検出された原稿の傾きが第2の値以上かつ第1の値以下と判定された場合、本実施形態に係る副走査方向シフト処理及び主走査方向シフト処理の実行を決定する。傾き検出部11によって検出された原稿の傾きが第1の値より大きいと判定された場合、回転補正部45を用いた回転補正の実行を決定する。
他の実施形態に係る画像形成装置2は、画像形成装置1の効果に加えて、さらに、以下の効果を有する。
画像の傾きが僅かであれば、画像の外観に影響を与えない。他の実施形態によれば、原稿の傾きが第2の値(例えば、0.1度)より小さいと判定された場合、すなわち、画像の傾きが僅かと判定された場合、画像の傾きを補正しない決定をする。これにより、画像の傾きを補正する処理を省略することができる。
副走査方向シフト処理及び主走査方向シフト処理によって画像の傾きを補正する場合において、大きい傾きを補正するには、図2の第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21及び第4の記憶部23のメモリー容量を大きくする必要がある。
他の実施形態によれば、原稿の傾きに応じて、画像の傾きの補正処理を異ならせている。すなわち、原稿の傾きが第2の値以上かつ第1の値(例えば、5.0度)以下と判定された場合、副走査方向シフト処理及び主走査方向シフト処理の実行を決定し、原稿の傾きが第1の値より大きいと判定された場合、回転補正の実行を決定する。
これにより、原稿の傾きが比較的小さいときに(原稿の傾きが第2の値以上かつ第1の値以下)、副走査方向シフト処理及び主走査方向シフト処理によって画像の傾きを補正し、原稿の傾きが比較的大きいときに(原稿の傾きが第1の値より大きい)、回転補正によって画像の傾きを補正する。
従って、他の実施形態によれば、第1の記憶部17、第2の記憶部19、第3の記憶部21及び第4の記憶部23のメモリー容量を低くしつつ、画像の傾きが大きくても、画像の傾きを補正することができる。