JP5846886B2 - Pto機構 - Google Patents
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Description
図20において、全体を符号201で示すPTO機構は、PTOギヤ8と、シフタ80と、アーム81およびロッド82と、PTO作動エアシリンダCと、切替弁Vと、エアタンクTと、エアラインLaとを備えている。
PTOギヤ8とシフタ80は一体に構成されており、PTOギヤ8はPTO作動時には、メインギヤ群10におけるカウンタギヤ15に、アイドラギヤ17を介して噛み合っている。
図20では、主変速部カウンタシャフト(メインギヤ群10のカウンタシャフト)2Mからエンジンの出力を取り出している。
図21で示す「副変速部カウンタシャフト取り出しタイプ」のPTO機構202は、PTOギヤ8と、シフタ80と、アーム81およびロッド82と、PTO作動エアシリンダC2と、切替弁V2と、エアタンクTと、エアラインLaとを備えている。
PTOギヤ8と、シフタ80とは一体に構成されており、PTOギヤ8はPTO作動時には、副変速部20におけるカウンタギヤ23に、アイドラギヤ25を介して噛み合っている。
図21では、サブトランスミッションカウンタシャフト(レンジ切替ギヤ群20のカウンタシャフト)2Rから、エンジンの出力を取り出している。
例えば、図22において、当初、レンジ切替レンジシフタ7が中立状態であると、作業者がPTOを稼動させようとする際には、切替弁V2を操作して、PTOギヤ8をアイドラギヤ25と噛み合わせる。
ところが、作業者が誤って、同時に操作盤のレンジ切替レンジシフタ7のスイッチを押してしまうと、レンジ切替レンジシフタ7は、例えばハイレンジのギヤ21に係合してしまう。その場合、トランスミッションの出力フランジ5を回転させてしまうこととなり、車両は作業者の意図に関らず発進してしまう。
メインギヤが何れかのポジションにシフトされている状態(図21で、メインギヤシフタ6がギヤ14あるいはギヤ16に噛み合っている状態)では、レンジ切替用シリンダC1のレンジHigh、レンジLow何れの系統にも、高圧エアが供給されない様に構成されている(図21では図示せず)。
そのため、図23で示すように、レンジ切替用シリンダC1のエア供給口Ciaから、シリンダC1のチャンバC1aに、高圧エアが十分には供給されない。
レンジシフタ7がHighレンジ側のギヤ21と係合すると、レンジシフタ7と共回りするトランスミッションの出力フランジ5が回転して、その回転が図示しないプロペラシャフトに伝達される。その結果、作業者の意図に拘わらず、車両が発進してしまう。
図25において、シリンダC1に連通するエア配管に損傷が発生していると、レンジシフタ7は移動せず、ギヤ24と係合したままの状態となる。エア配管に損傷が発生していることを作業者が知らずに、PTOを操作してしまうと、図25における太い点線で示すようにエンジンの動力が伝達され、トランスミッションの出力フランジ5は回転して、車両は作業者の意図に関らず発進してしまう。
さらに、上述した従来技術においては、メインギヤ群10のギヤを入れて使用するので、ドライバーが誤ってリバースギヤにシフトすると、PTO出力軸91が逆回転してしまうという問題が存在する。
しかし、係る従来技術(特許文献1)では、上述した問題点の解決は企図していない。
該副変速部(20)は副変速部メインシャフト(3R)と、高速ギヤ(21)と、低速ギヤ(24)と該高速ギヤ(21)と低速ギヤ(24)とを切替えるレンジ切替シフタ(7)と、副変速部カウンタシャフト(2R)と、該副変速部カウンタシャフト(2R)に設けられ、前記高速ギヤ(21)と噛み合う高速用カウンタギヤ(22)および前記低速ギヤ(24)と噛み合う低速用カウンタギヤ(23)と、該低速カウンタギヤ(23)に噛み合うアイドラギヤ(25)とを備え、そしてPTO作動時にシフタ(80)の移動により前記アイドラギヤ(25)と噛み合うPTOギヤ(8)と、前記PTOギヤ(8)にPTO出力軸(91)を介して接続されたPTO出力フランジ(9)とを有するPTO機構において、PTOを作動させるためのPTOスイッチ(SW1)と、メインギヤシフタ(6)が中立位置であることを検知するメインギヤニュートラルスイッチ(SW3)と、副変速部(20)の変速ギヤが低速であるか否かを検知するレンジ低スイッチ(SW4)と、パーキングブレーキが作動しているか否かを検知するパーキングブレーキスイッチ(SW5)とを備え、それらのPTOスイッチ(SW1)とメインギヤニュートラルスイッチ(SW3)とレンジ低スイッチ(SW4)とパーキングブレーキスイッチ(SW5)から信号を受けてPTOギヤ(8)を作動するPTOシリンダ(C2)を制御し、且つ前記レンジ切替シフタ(7)を作動するレンジニュートラルシリンダ(C1)を制御する制御装置(50)を有し、当該制御装置(50)はメインギヤシフタ(6)が中立位置でない場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能と、副変速部(20)の変速ギヤが高速である場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能と、パーキングブレーキが作動していない場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能を有している。
そのため、副変速部(20)の変速ギヤがHighである場合にPTOを作動させて、トランスミッションの出力がプロペラシャフトに伝達されて、車両が前進してしまうという事態が防止される。
従って、PTO作動時にはパーキングブレーキが作動しており、そのため、車両が移動してしまうことが確実に防止される。
そのため、レンジニュートラルシリンダ(C1)に作動流体(例えば、高圧エア)を供給する配管系が故障したとしても、PTO作動時に車両が動いてしまうことは確実に防止される。
先ず、図1〜図9に基づいて、第1実施形態のPTO機構を説明する。
図1は、第1実施形態の構成を包括的に示している。
図1において、第1実施形態に係るPTO機構は、全体が符号101で示されており、トランスミッションTMに適用されている。
トランスミッションTMは、主変速部(いわゆる「メイントランスミッション」)10と、副変速部(レンジ切替ギヤ群、いわゆる「サブトランスミッション」)20を備えている。
2枚のメインギヤ14、16は、何れも主変速部メインシャフト3Mに対する軸方向位置は変化しないが、主変速部メインシャフト3Mに対して常に遊転している構造になっている。
一方、ドリブンギヤ12と、2枚のカウンタギヤ13、15は、主変速部カウンタシャフト2Mに固着されている。
図1では図示は省略されているが、メインギヤが「シフト入り」の状態(メインギヤシフタ6がギヤ14あるいはギヤ16と係合した状態)では、レンジ切替用シリンダC1のレンジHigh、レンジLowの何れの系統にも、高圧エアが供給されない様に構成されている。
メインギヤシフタ6はメインシャフト3Mと同時に回転するが、メインシャフト3Mの軸方向に摺動が可能なように構成されている。
メインギヤシフタ6は、シフトヨーク61と係合している。シフトヨーク61はシフトロッド62に固着しており、シフトロッド62は図示しないリンク機構を介して、ドライバーが操作するシフトノブに係合している。
図示しないシフトノブを操作すれば、メインギヤシフタ6がメインシャフト3Mを摺動して、メインギヤ14(高速用)あるいはメインギヤ16(低速用)と係合する。以って、変速が行われる。
Low用カウンタギヤ23は、アイドラギヤ25と常時噛み合っている。
副変速部メインシャフト3Rの後端には、トランスミッションTMの出力フランジ5が固着している。
Highギヤ21は、主変速部10のメインシャフト3Mの後端(図1における右端)に固着している。Lowギヤ24は、副変速部メインシャフト3Rに対する軸方向位置は変動しないが、副変速部メインシャフト3Rに対しては常に遊転している。
アイドラギヤ25はLow用カウンタギヤ23と常時噛み合っており、PTO作動時には、PTO機構101におけるPTOギヤ8と噛み合っている。
レンジシフタ7は、シフトヨーク71と係合している。シフトヨーク71はシフトロッド72に固着しており、シフトロッド72はレンジ切替用シリンダC1の第1のピストンCp1に固着されている。
ピストンCp1にはシフトロッド72が固着している。ピストンCp1において、シフトロッド72が固着しているのとは反対側の端面(図1では右側の端面)には、柱状突起Crが固着している。
ピストンCp2は、ピストンCp1の柱状突起Crと対向する側(図1ではピストンCp1の右側)に配置されている。
レンジ切替用シリンダC1内には、ピストンCp2のピストンCp1側(図1の左側)への移動量を制限するため、ストッパCsが設けられている。ストッパCsは、シリンダC1の半径方向内方に突出している。
そして、ピストンCp2にピストンCp1の柱状突起Crが接触した状態では、ピストンCp1のピストンCp2に対向する側の面(図1では右側の端面)に、ストッパCsの左端面が当接している。
第1のエア供給口Ciaは、レンジ切替用シリンダC1のシフトヨーク72側の面(図1の左端面)に設けられている。
第2のエア供給口Cibは、シリンダ外周部において、ストッパCsにおけるシフトヨーク72側の端面に隣接して設けられている。
第3のエア供給口Cicは、レンジ切替用シリンダC1のシフトヨーク72側の面とは反対側の面(図1の右端面)に設けられている。
第1のエア供給口Ciaと第2のエア供給口Cibは、図示しないエア配管に介して、エアタンクTと連通している。
副変速部20では、レンジシフタ7が副変速部20のメインシャフト3Rを摺動して、Highギヤ21あるいは、Lowギヤ24と係合し、以って、変速(レンジ切り替え:High・Low切り替え)が行われる。
レンジ切替用シリンダC1の作動と、レンジシフタ7の作用については、後述する。
PTOギヤ8とシフタ80は、一体に構成されている。PTOギヤ8は、PTO作動時において、アイドラギヤ25を介して、副変速部20のカウンタギヤ23に噛み合う様に構成されている。
PTO出力フランジ9とPTO出力軸91は、一体に構成されている。
PTOギヤ8およびシフタ80は、PTO出力軸91と一体に構成されて回転する。PTOギヤ8およびシフタ80は、PTO出力軸91の軸方向には摺動可能に構成されている。
図1において、各種スイッチ類SW1〜SW6は、PTOスイッチSW1と、クラッチスイッチSW2と、メインギヤニュートラルスイッチSW3と、レンジLowスイッチSW4と、パーキングブレーキスイッチSW5と、リバーススイッチSW6とを備えている。
クラッチスイッチSW2はクラッチペダルの下に設けられ、クラッチが「断(クラッチスイッチがON)」の状態か、あるいは、「接(クラッチスイッチがOFF)」の状態かを検出している。
レンジLowスイッチSW4は副変速部20に設けられ、レンジシフタ7がLowギヤに係合している状態(スイッチSW4がONの状態)であるのか、あるいは、レンジシフタ7がLowギヤに係合していない状態(スイッチSW4がOFFの状態)であるのかを検出している。
リバーススイッチSW6は、ギヤがリバース位置になっている(スイッチSW6がON)か否かを検出している。ギヤがリバース位置になっている場合には、リバーススイッチSW6は「ON」の状態になる。
各種スイッチ類SW1〜SW6とコントロールユニット50とは、入力信号ラインSiによって接続されている。
コントロールユニット50は、制御信号ラインSo1を介して、第1の切替弁V1と接続されている。またコントロールユニット50は、制御信号ラインSo2を介して、第2の切替弁V2と接続されている。
エアラインLaは、ラインLa1、La2、La3、La4を有している。
ラインLa1は、エアタンクTと第1の切替弁V1とを連通している。
ラインLa2は、第1の切替弁V1と前記レンジ切替用シリンダC1とを連通している。
ラインLa3は、エアタンクTと第2の切替弁V2とを連通している。
ラインLa4は、第2の切替弁V2とPTO作動エアシリンダC2とを連通している。
図2において、PTOスイッチSW1、クラッチスイッチSW2、メインギヤニュートラルスイッチSW3、レンジLowSW4、パーキングブレーキスイッチSW5は、何れもON状態(作動している状態)である。
その場合、第1の切替弁V1は開放され、エアタンクTからレンジ切替用シリンダC1のチャンバC1cに高圧エアが流入する。チャンバC1cに高圧エアが流入することにより、ピストンCp2は図2の左方に移動し、ストッパCsの位置で停止する。
レンジシフタ7を駆動するピストンCp1は、ピストンCp2により図2の左方向に押圧されると共に、第1のエア供給口Ciaからも高圧エアが流入して、右方にも押圧される。
そのため、ピストンCp1の柱状突起CrはピストンCp2の左端面と当接するが、ピストンCp2は図2の右方に移動しない。この位置がレンジ切替用レンジシフタ7のニュートラル位置である。
図3のステップS1では、PTOスイッチSW1、クラッチスイッチSW2、メインギヤニュートラルスイッチSW3、レンジLowSW4、パーキングブレーキスイッチSW5からの入力を受信する。
ステップS2では、コントロールユニット50は、PTOスイッチSW1、クラッチスイッチSW2、メインギヤニュートラルスイッチSW3、レンジLowSW4、パーキングブレーキスイッチSW5の全てがON状態であるか否かを判断する。
全てのスイッチがON状態であれば(ステップS2がYES)、ステップS3に進み、コントロールユニット50は、PTOスイッチSW1、クラッチスイッチSW2、メインギヤニュートラルスイッチSW3、レンジLowSW4、パーキングブレーキスイッチSW5の何れか一つのスイッチがOFF状態であれば(ステップS2がNO)、ステップS4に進む。
ステップS4(SW1〜SW5の何れかがOFF)では、第1の切替バルブV1および第2の切替バルブV2に「OFF」信号、すなわち、第1の切替バルブV1および第2の切替バルブV2が高圧エアを遮断するポジションに位置せしめる信号を送信する。そして、ステップS5に進む。
図3の制御を終了するのであれば(ステップS5がYES)、そのまま制御を終了し(図3の「エンド」)、制御を続行するのであれば(ステップS5がNO)、ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
PTOを作動するに際しては、図4のステップS11で、第1の切替バルブV1および第2の切替バルブV2に、「ON」信号、すなわち高圧エアを流すポジションに位置せしめる信号を送信する。ここで、レンジシフタ7はニュートラル位置に留まり、PTOギヤ8はアイドラギヤ25と噛み合っている(図2参照)。
ステップS12では、図示しないシリンダを操作して、主変速部10のメインギヤシフタ6をメインギヤ14あるいはメインギヤ16の何れかに係合させる。そしてステップS13において、図2の太い点線の矢印Rで示す動力伝達経路に従って、エンジン回転力によりPTOフランジ9を回転駆動させる。そして、制御を終了する(図4の「エンド」)。
PTO作動を解除するには、先ず、図5のステップS21で、メインギヤニュートラルスイッチSW3をONにして、メインギヤ14あるいはメインギヤ16と係合していたメインギヤシフタ6を、ニュートラル位置に戻す。メインギヤ14あるいはメインギヤ16と係合していたメインギヤシフタ6をニュートラル位置に戻した状態であれば、主変速部10から副変速部20にエンジン回転力は伝達されない。そして、ステップS22に進む。
ステップS23では、高圧エアがPTO作動エアシリンダC2へ供給されていないので、PTO作動エアシリンダC2に内蔵のリターンスプリング(図示を省略)に付勢されて、ピストンCpが図2の右方に移動する。そして、PTOギヤ8はアイドラギヤ25から離脱する。これによりPTO作動が解除される(図5の「エンド」)。
図6は、PTOの作動が解除されている状態を示しており、第1の切替弁V1、第2の切替弁V2は、高圧エアの供給を停止するポジションに位置させる。
メインギヤニュートラルスイッチSW3がOFF状態の場合には、図示を省略した主変速部10を経由して、エンジンの回転駆動力が、ギヤ21、ギヤ22、ギヤ23、ギヤ24を経由して、トランスミッションの出力フランジ5を回転させて、車両を発進させてしまう恐れが存在する。係る事態を回避するために、第1実施形態では、図7で示す制御が行われる様に構成されている。
図7において、ステップS31では、コントロールユニット50は、PTOスイッチSW1がOFF状態で、且つ、メインギヤニュートラルスイッチSW3がON状態であるか否かを判断する。
PTOスイッチSW1がOFF状態で、且つ、メインギヤニュートラルスイッチSW3がON状態であれば(ステップS31がYES)、ステップS32に進む。
一方、PTOスイッチSW1がON状態であるか、あるいは、メインギヤニュートラルスイッチSW3がOFF状態であれば(ステップS31の条件が整わなければ)(ステップS31がNO)、ステップS33に進む。
ステップS33(PTOスイッチSW1がONか、あるいは、メインギヤニュートラルスイッチSW3がOFF)では、そのままPTOの作動を継続する。換言すれば、PTOスイッチSW1がON状態であるか、あるいは、メインギヤニュートラルスイッチSW3がOFF状態であれば(ステップS31の条件が整わなければ)(ステップS31がNO)、ステップS31が「NO」のループを繰り返す。
図8において、PTOは作動解除状態である。第1の切替弁V1、第2の切替弁V2は、高圧エアの供給を停止する位置(閉鎖位置)にする。
図示は省略しているが、コントロールユニット50は、リバーススイッチSW6によってトランスミッションTM(図1参照)がリバースにシフトされていることを検知した場合には、第1の切替弁V1、第2の切替弁V2を、高圧エアの供給を停止する位置にせしめる制御信号を発信するように構成されている。
図9において、ステップS41では、コントロールユニット50は、リバーススイッチSW6がON状態となっているか否かを判断する。リバーススイッチSW6がON状態になっていれば(ステップS41がYES)、ステップS42に進む。一方、リバーススイッチSW6がOFF状態であれば(ON状態でなければ)(ステップS41がNO)、ステップS43に進む。
ステップS42(リバーススイッチSW6がON)では、第1の切替弁V1および第2の切替弁V2を、高圧エアを遮断する位置(閉鎖位置)にして、PTOが作動しない状態にする。そして、制御を終了する(図9の「エンド」)。
ステップS43(リバーススイッチSW6がOFF)では、第1の切替弁V1および第2の切替弁V2を、高圧エアを供給する位置(開放位置:PTOが作動する位置)に保持する。
図1〜図9の第1実施形態では、図1で示すように、主変速部(メインギヤ)10が「シフト入り」の状態では、レンジ切替シリンダC1のレンジHigh、レンジLowの何れの系統にも、高圧エアが供給されない様に構成されている。
それに対して、第2実施形態では、主変速部(メインギヤ)の状態とは無関係に、レンジ切替シリンダC1のレンジHigh、レンジLowの何れかの系統に対して、高圧エアが供給されている。そのため第2実施形態では、PTOが作動中に、ドライバーが誤ってリバースギヤにシフトしても、レンジ切替シリンダC1がニュートラルの状態が解除されない。
従って、第2実施形態では、ドライバー(作業者)が誤ってリバースギヤにシフトした際には、PTOの作動を解除する制御(第1段階の制御)と、第1の切替バルブV1の開閉制御(第2段階の制御)に分けて、別個の2つの制御を順番に行なっている。
図10において、第1の切替弁V1は開放されているが(高圧エアを供給している状態)、第2の切替弁V2は閉鎖している(高圧エアの供給を遮断している状態)。
レンジ切替シリンダC1のチャンバC1aには、エア供給口Ciaから高圧エアが供給されている。また、チャンバC1cにも、エア供給口Cicから高圧エアが供給されている。そのため、レンジシフタ7はニュートラルの状態に維持されている。
図10の状態では第2の切替弁V2は閉鎖しているので、PTOは解除状態となっている。
図11において、ステップS51では、コントロールユニット50は、リバーススイッチSW6がON状態であるかOFF状態であるかを判断する。
リバーススイッチSW6がON状態であれば(ステップS51がYES)、ステップS52に進む。
リバーススイッチSW6がOFF状態であれば(ステップS51がNO)、ステップS53に進む。
ステップS53(リバーススイッチSW6がOFF)では、第1の切替弁V1を開放位置にする共に、第2の切替弁V2も開放位置(高圧エアをPTO作動シリンダC2へ供給する位置)にする。第2の切替弁V2が開放位置となることにより、PTOの作動が維持される。そして、ステップS51まで戻り、再びステップS51以降を繰り返す。
ここで、PTO作動確認スイッチSW7は、アイドラギヤ25とPTOギヤ8とが噛み合うと、ONとなり、アイドラギヤ25とPTOギヤ8との噛み合いが解除されるとOFFになるように構成されている。
図13において、ステップS61では、コントロールユニット50は、レンジLowスイッチSW4がOFF状態で、PTO作動確認スイッチSW7がOFF状態で、メインギヤニュートラルスイッチSW3がON状態であるか否かを判断する。
LowスイッチSW4がOFF状態で、PTO作動確認スイッチSW7がOFF状態で、メインギヤニュートラルスイッチSW3がON状態であれば(ステップS61がYES)、ステップS62に進む。
「LowスイッチSW4がOFF状態で、PTO作動確認スイッチSW7がOFF状態で、メインギヤニュートラルスイッチSW3がON状態」という条件(ステップS61の条件)が充足されていない場合には(ステップS61がNO)、ステップS63に進む。
ステップS63(ステップS61の条件が充足されていない場合)では、第1の切替弁V1を開放して、レンジ切替用シリンダC1へ高圧エアを供給する。そして、ステップS61に戻る。
図14、図15の第3実施形態では、PTO作動時にパーキングブレーキを掛け忘れた場合に、警報を発する制御を実行する様に構成されている。
図14において、全体を符号103で示す第3実施形態のPTO機構は、状態検出手段として、パーキングブレーキスイッチSW5と、PTOスイッチSW1を有している。
そして、パーキングブレーキスイッチSW5がOFF状態で、PTOスイッチSW1がON状態である場合に、警報装置(ワーニングブザー)300を作動させるように構成されている。
次に、図15に基づいて、PTO作動時にパーキングブレーキ(駐車ブレーキ)を掛け忘れた場合に、警報を発する制御について説明する。
パーキングブレーキスイッチSW5がOFF状態で、且つ、PTOスイッチSW1がON状態であれば(ステップS71がYES)、ステップS72に進む。
一方、パーキングブレーキスイッチSW5がON状態であるか、あるいは、PTOスイッチSW1がOFF状態であれば(ステップS71の条件が満たされていない状態:ステップS71がNO)、ステップS73に進む。
ステップS72(パーキングブレーキスイッチSW5がOFFで、PTOスイッチSW1がON)では、コントロールユニット50は、警告ブザー300に制御信号を送って、警告ブザーを作動して、作業者に対して、PTO作動時にパーキングブレーキが掛かっていない旨を警告する。
ステップS73(ステップS71の条件が満たされていない状態)では、「PTO作動時にパーキングブレーキが掛かっていない状態」には該当しないので、警告ブザー300に作動信号を送信すること無く、ステップS71まで戻る。
図14、図15の第3実施形態は、図1〜図9の第1実施形態、あるいは、図10〜図13の第2実施形態の何れか一方と組み合わせることが可能である。
図16、図17の第4実施形態では、レンジシフタ7がニュートラルでない場合に、PTOを作動した時に、メインギヤシフタ6を強制的にニュートラル位置に維持させる様に構成されている。
ソレノイド400は、凹部62aに係合する可動ピン401を有している。
ソレノイド400に「ON」信号が入力されると、可動ピン401が突出して、凹部62a内に挿入される。そして、ソレノイド400に「OFF」信号が入力されると、可動ピン401はソレノイド400側に引っ込み、可動ピン401が凹部62aから外れる様に構成されている。
レンジニュートラルポジションスイッチSW8は、レンジシフタ7がニュートラル位置にあることを検出する様に構成されている。
図17において、ステップS81では、コントロールユニット50は、PTOスイッチSW1がON状態、PTO作動確認スイッチSW7がON状態、レンジニュートラルスイッチSW8がOFF状態であるか否かを判断する。
PTOスイッチSW1がON状態、PTO作動確認スイッチSW7がON状態、レンジニュートラルスイッチSW8がOFF状態であれば(ステップS81がYES)、ステップS82に進む。
一方、ステップS81の条件が満たされなければ(PTOスイッチSW1がON、PTO作動確認スイッチSW7がON、レンジニュートラルスイッチSW8がOFFという条件を充足しない場合:ステップS81がNO)、ステップS83に進む。
ステップS83(ステップS81の条件が満たされない場合)は、ソレノイド400を作動せず、凹部62に可動ピン401を挿入しない。その場合には、シフトロッド62の移動は制限されず、シフタ6の位置は固定されない。そして、ステップS81まで戻る。
図16、図17の第4実施形態は、図1〜図15の実施形態と適宜組み合わせることが可能である。
図18、図19の第5実施形態は、PTOの作動を解除している状態で、ドライバー(作業者)がレンジシフタ7をニュートラル位置に戻したい場合に適用することが出来る。
図18において、全体を符号105で示すPTO機構には、レンジニュートラル開始スイッチSW9が設けられている。
図18、図19において、PTOは作動解除されており、第2の切替弁V2は、PTO作動シリンダC2への高圧エア供給を遮断する位置(閉鎖位置)になっている。
図19のステップS91では、コントロールユニット50は、レンジニュートラル開始スイッチSW9がON状態で、MGニュートラルスイッチSW3がON状態であるか否かを判断する。
レンジニュートラル開始スイッチSW9がON状態で、且つ、MGニュートラルスイッチSW3がON状態であれば(ステップS91がYES)、ステップS92に進む。
一方、レンジニュートラル開始スイッチSW9がOFF状態で、あるいは、MGニュートラルスイッチSW3がOFF状態であれば(ステップS91の条件が満たされていない状態:ステップS91がNO)、ステップS93に進む。
上述した様に、図18、図19において、第2の切替弁V2は、PTO作動シリンダC2への高圧エア供給を遮断する位置(閉鎖位置)になっているが、ステップS92により、第1の切替弁V1はレンジ切替用シリンダC1に高圧エアが供給される位置(開放位置)となり、レンジシフタ7がニュートラル位置となる。
ステップS93(ステップS91の条件が満たされていない状態)では、第2の切替弁V2が閉鎖位置の状態で、レンジシフタ7をニュートラル位置とする必要はないと判断して、第1の切替弁V1は閉鎖される。
図18、図19の第5実施形態は、図1〜図17の各実施形態と適宜組み合わせることが可能である。
2M・・・主変速部のカウンタシャフト
2R・・・副変速部のカウンタシャフト
3M・・・主変速部のメインシャフト
3R・・・副変速部のメインシャフト
5・・・トランスミッションの出力フランジ
6・・・メインギヤシフタ
7・・・レンジ切替シフタ
8・・・PTOギヤ
9・・・PTOフランジ
10・・・主変速部
20・・・副変速部
50・・・コントロールユニット
C1・・・レンジ切替用シリンダ
C2・・・PTO作動シリンダ
V1・・・第1の切替弁
V2・・・第2の切替弁
Claims (2)
- 主変速部(10)と副変速部(20)とを有し、該副変速部(20)は副変速部メインシャフト(3R)と、高速ギヤ(21)と、低速ギヤ(24)と該高速ギヤ(21)と低速ギヤ(24)とを切替えるレンジ切替シフタ(7)と、副変速部カウンタシャフト(2R)と、該副変速部カウンタシャフト(2R)に設けられ、前記高速ギヤ(21)と噛み合う高速用カウンタギヤ(22)および前記低速ギヤ(24)と噛み合う低速用カウンタギヤ(23)と、該低速カウンタギヤ(23)に噛み合うアイドラギヤ(25)とを備え、そしてPTO作動時にシフタ(80)の移動により前記アイドラギヤ(25)と噛み合うPTOギヤ(8)と、前記PTOギヤ(8)にPTO出力軸(91)を介して接続されたPTO出力フランジ(9)とを有するPTO機構において、PTOを作動させるためのPTOスイッチ(SW1)と、メインギヤシフタ(6)が中立位置であることを検知するメインギヤニュートラルスイッチ(SW3)と、副変速部(20)の変速ギヤが低速であるか否かを検知するレンジ低スイッチ(SW4)と、パーキングブレーキが作動しているか否かを検知するパーキングブレーキスイッチ(SW5)とを備え、それらのPTOスイッチ(SW1)とメインギヤニュートラルスイッチ(SW3)とレンジ低スイッチ(SW4)とパーキングブレーキスイッチ(SW5)から信号を受けてPTOギヤ(8)を作動するPTOシリンダ(C2)を制御し、且つ前記レンジ切替シフタ(7)を作動するレンジニュートラルシリンダ(C1)を制御する制御装置(50)を有し、当該制御装置(50)はメインギヤシフタ(6)が中立位置でない場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能と、副変速部(20)の変速ギヤが高速である場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能と、パーキングブレーキが作動していない場合にはPTOシリンダ(C2)をPTO作動側に移動させない機能を有していることを特徴とするPTO機構。
- リバースギヤにシフトされたか否かを検知するリバーススイッチ(SW6)を備え、前記制御装置(50)は、PTO作動時に、該リバーススイッチ(SW6)によりリバースギヤにシフトされた旨が検知された場合に、PTOシリンダ(C2)をPTO非作動側に移動させる機能を有する請求項1記載のPTO機構。
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