JP5846489B2 - 杭頭処理工法および装薬ホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、場所打ちコンクリート杭についての杭頭処理工法およびその工法に用いる装薬ホルダに関する。
場所打ちコンクリート杭の杭頭処理に関する従来の工法として次のものが知られている。
(1)はつり工法
杭頭の余盛り部を手動式の破砕機を用いて人力によりはつり、発生したコンクリートガラを処理する工法で、作業時間に制限があるなどして時間を要するばかりでなく、騒音・振動が著しく、周辺環境に大きく影響する。また、作業中に、杭頭の鉄筋を傷めるなど、工法的な問題もある。
(2)静的破砕剤
あらかじめ杭頭に設置したシース管などに挿入した破砕剤の膨張作用により、杭頭のコンクリートを小割にし、処理する工法である(たとえば、特許文献1,2参照)が、後施工となるため、破砕剤が適度に作用することが難しく、また、水平面がうまく構成され難いため、結果的に人力による仕上げはつりの量が多くなる傾向にある。
(3)動的破砕剤による鉛直破砕工法
動的破砕剤を杭頭の鉛直方向に装着し、動的破砕により杭頭を鉛直方向に小割し、補助的に手動破砕機によるはつり作業を伴い、発生するコンクリートガラを処理する工法が提案されている(たとえば、特許文献3,4参照)。従来の動的破砕工法では、鉛直破断方式の破砕による縦割り後に水平面を形成するか、または、杭径と同寸法の水平円形板をあらかじめ設置しておく必要がある。
上述の従来の動的破砕による杭頭処理工法において設置される水平円形板について説明する。図10(a)、(b)のように、複数の杭主筋410と複数のせん断補強筋420とにより杭筋篭を組み立ててから、杭頭処理部310に相当する杭筋篭の上部に地組で杭径とほぼ同じ径の水平円形板340を設置し、複数の簡易装薬ホルダ210を設置し、コンクリートを打設する。その後、簡易装薬ホルダ210の内部に高エネルギー物質を装填し、爆轟または爆燃による衝撃波または膨張ガスが簡易装薬ホルダ210の突き合わせ部に作用して、鉛直方向の亀裂が進展し、破断面が形成されるとともに、衝撃波または膨張ガスが水平円形板340に達し、水平円形板340とその上部のコンクリートの境界に剥離が生じることにより、水平方向に沿って亀裂進展が制御される。このようにして、杭頭処理部310において杭本体を損傷させずにコンクリートを破砕することができる。
特開平9−280800号公報 特開2002−285550号公報 特公平8−12040号公報 特許第4245614号公報
市街地での杭頭処理工事は、発生する騒音や振動が規定値以内であることはもとより、近隣周辺へ不安や不快感を与えないよう極力低減する必要がある。そのためには、破砕機によるはつり作業を極力回避することが望ましく、したがって、静的破砕剤あるいは動的破砕剤の適用が前提条件となる。一方、前者は、上述のように、破砕剤挿入が後行作業となり、先行作業であるシース管取付けやコンクリート打設などの影響も大きいことなどから、破砕の確度が高いとは言えなく、環境面、工程面から動的破砕の方が有効性は高いと判断できる。
動的破砕工法では、現行の工法としては、鉛直方向に高エネルギー物質を装填し、杭頭部と杭本体の間に水平円形板を配置することが破砕施工手順であるが、破砕した後は出来型に合わせて仕上げはつりを増やすとしている。現行の動的破砕工法では、破砕効果の水平方向の制御は、専ら水平円形板によっているが、この水平円形板の設置工程が必要であり、そのための手間と期間が必要であった。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、杭径と略同寸法の水平円形板をあらかじめ設置する従来の杭頭処理工法よりも施工に要する手間と期間を低減することが可能な杭頭処理工法および装薬ホルダを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態による杭頭処理工法は、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、内部に形成された装薬スペースと底部側に設けられた水平破砕部とを有するとともに長手方向に延びる装薬ホルダを複数用意し、前記水平破砕部は、水平方向に拡がる第1板部と、前記第1板部と重なり合って前記装薬スペースと連通する水平合わせ部を形成する第2板部と、を有し、前記装薬ホルダを前記水平破砕部で支持するための支持部材を杭天端に相当する箇所に水平方向に設け、前記装薬ホルダを前記水平破砕部が前記支持部材に載るようにして杭の縦方向に設置し、コンクリート打設後、前記装薬スペースに装填した動的破砕剤に点火することで、前記水平合わせ部から噴出する燃焼ガスによる膨張圧の作用により前記杭天端から上部の杭頭部分のコンクリートに水平破砕面を形成して前記杭頭部分を破砕させることを特徴とする。
この杭頭処理工法によれば、水平破砕部を底部側に有する装薬ホルダを杭天端に設けた支持部材に設置すると、水平破砕部が杭天端近くに位置し、また、水平破砕部の第1板部と第2板部との間の水平合わせ部から噴出する燃焼ガスによって生じる膨張圧による破砕力により杭天端から上部の杭頭部分に水平破砕面を形成することができるので、従来の杭径と略同寸法の水平円形板を省略できるとともに、装薬ホルダの設置が従来の水平円形板を配置する場合よりも容易となる。
上記杭頭処理工法において前記装薬ホルダは、長手方向に延びた垂直破砕部を有し、前記垂直破砕部が杭の縦方向に位置するように設置され、前記破砕剤の点火時に前記垂直破砕部から噴出する燃焼ガスによる膨張圧の作用により前記杭頭部分のコンクリートに破砕面を形成して前記杭頭部分を破砕させることが好ましい。これにより、杭頭部分を垂直方向に破砕することができる。
また、前記装薬ホルダを、前記水平合わせ部からの燃焼ガスの噴出方向と、前記垂直破砕部からの燃焼ガスの噴出方向とが略同一方向になるように構成することが好ましい。水平方向の破砕と垂直方向の破砕とを合わせることで杭頭部分の破砕を効率的に行うことができる。
また、前記第1板部と前記第2板部とはそれら全体の平面形状が矩形状に構成され、前記装薬ホルダは前記水平破砕部において前記装薬スペースと連通する開口部を有することが好ましい。
また、前記第2板部は、平板に構成されるか、または、前記開口部に対向する部分が折り曲げられていることが好ましい。
また、前記杭の中心部にコンクリート打設のためのトレミー管が垂直方向に配置され、複数の杭主筋が前記杭の垂直方向に延びるように配置され、前記複数の杭主筋を包囲するようにリング状のせん断補強筋が配置され、前記せん断補強筋を利用して前記支持部材を前記トレミー管の周囲に前記複数の装薬ホルダを設置できるように配置することが好ましい。これにより、複数の装薬ホルダを杭頭部分に簡単に設置することができる。
本実施形態による装薬ホルダは、上述の杭頭処理工法に用いられることを特徴とする。
この装薬ホルダによれば、支持部材に設置すると、底部側の水平破砕部が杭天端近くに位置し、また、水平破砕部の第1板部と第2板部との間の水平合わせ部から噴出する燃焼ガスによって生じる膨張圧による破砕力により杭天端から上部の杭頭部分に水平破砕面を形成することができるので、従来の杭径と略同寸法の円形板を省略することができるとともに、装薬ホルダの設置が従来の円形板を配置する場合よりも容易となる。
本発明の杭頭処理工法および装薬ホルダによれば、杭径と略同寸法の水平円形板をあらかじめ設置する従来の杭頭処理工法よりも施工に要する手間と期間を低減することが可能である。
本実施形態による装薬ホルダの正面図である。 図1の装薬ホルダの垂直破砕部の上面図である。 図1の装薬ホルダの上面図(a)および要部正面図(b)である。 本実施形態による杭頭処理工法を説明するためにコンクリート打設前の杭筋篭の杭天端における鉄筋および装薬ホルダの配置例を示す上面図である。 図4の1つの装薬ホルダを方向Vから見た図である。 図4の鉄筋および装薬ホルダの全体を方向VIから見た図である。 本実施形態によるコンクリート杭の施工工程を説明するためのフローチャートである。 本実施形態においてコンクリート打設後に装薬ホルダ内に動的破砕剤などを装填した状態を説明するために装薬ホルダ内を透視した図である。 本実施形態による装薬ホルダ10の別の例を示す、図3(b)と同様の要部正面図である。 従来の杭頭処理工法における杭鉄筋、装薬ホルダ、水平円形板の配置を示す上面図(a)および断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
〈装薬ホルダ〉
まず、本実施形態の杭頭処理工法に使用可能な装薬ホルダについて図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態による装薬ホルダの正面図である。図2は図1の装薬ホルダの垂直破砕部の上面図である。図3は図1の装薬ホルダの上面図(a)および要部正面図(b)である。
図1に示すように、装薬ホルダ10は、長手方向に延びて細長く構成された垂直破砕部11と、垂直破砕部11の底部に水平方向に拡がるように設けられた水平破砕部12と、を備える。垂直破砕部11は、図2のように、鋼板を折り曲げた一対の折り曲げ鋼板11a,11bから構成される。
図2のように、折り曲げ鋼板11a,11bは、頂部がたとえば120°にかつ等辺に折り曲げられて、各端部11c,11d同士が突き合わされて平面的に略菱形形状になって垂直破砕部11を構成する。具体的には、たとえば、ガムテープ等の粘着テープを用いて折り曲げ鋼板11a,11bに巻き付けて、折り曲げ鋼板11a,11bを筒状にする。このとき、折り曲げ鋼板11a,11bの端部11dに縦方向に延びる突き合わせ部SL1が形成され、端部11cに縦方向に延びる突き合わせ部SL2が形成される。
図3(a)のように、垂直破砕部11の略菱形状の内面には、装薬スペースSPが形成され、この装薬スペースSPに円柱状の動的破砕剤HAを挿入し装填することができる。動的破砕剤に点火すると、垂直破砕部11の垂直方向に延びる突き合わせ部SL1,SL2に燃焼ガスの膨張圧が作用し、亀裂を進展させる。
水平破砕部12は、図3(a)(b)に示すように、垂直破砕部11に対し水平方向に拡がるように長方形状に構成された第1鋼板部13と、第1鋼板部13と重なり合う第2鋼板部14と、を備える。
図3(a)(b)のように、垂直破砕部11の折り曲げ鋼板11bの下端部は、その頂部11f上の点aと、その端部11cの底端bとを結ぶ傾斜した辺に沿って切断され、同じく頂部11f上の点aと、別の端部11dの底端cとを結ぶ傾斜した辺に沿って切断され、両辺によるたとえば角度120°の開口部APを形成する。また、垂直破砕部11の折り曲げ鋼板11aの下端部においても同様にして切断により開口部を形成する。
水平破砕部12の第1鋼板部13は、図3(b)のように、開口部APの切断された辺に沿うように折り曲げられる。このとき、開口部APと装薬スペースSPとが連通するように第1鋼板部13に開口(図示省略)が形成されている。折り曲げ鋼板11a,11bと第1鋼板部13とは、たとえば、溶接により接合される。
第1鋼板部13の平面形状に合わせて構成された平板状の第2鋼板部14を第1鋼板部13の底面に重ね合わせて配置し、両面の間に隙間のある水平合わせ部15を形成する。これにより、装薬スペースSP、開口部AP、水平合わせ部15が連通する。具体的には、第1鋼板部13と第2鋼板部14とは、たとえばガムテープ等の粘着テープを巻き付けて一体化する。このとき、図3(a)の第1鋼板部13と第2鋼板部14との長辺d,eとの間の隙間および開口部AP(折り曲げ鋼板11a側の開口部も)を、たとえばガムテープ等の粘着テープを重ね合わせて用いて閉塞し、短辺f、gも同様にして閉塞する。このように水平合わせ部15の周囲および開口部APをガムテープ等で塞ぐことで、コンクリート打設時にコンクリート中の水分が装薬ホルダ10の内部に浸入することを防止する。なお、ガムテープ等は杭頭処理時に燃焼ガスの膨張圧によって破断する。
装薬スペースSPに装填された動的破砕剤に点火すると、主として、水平破砕部12の第1鋼板部13と第2鋼板部14との間の水平方向に延びる水平合わせ部15の短辺f、gから燃焼ガスの膨張圧が作用し、水平方向に亀裂を進展させる。すなわち、装薬ホルダ10の水平破砕部12は、図3(a)のように、平面的には長方形状に構成されているが、この長方形の長手方向の隙間(短辺f、g)における亀裂進展作用は、短手方向の隙間(長辺d,e)における亀裂進展作用に対して非常に大きく、短辺方向に水平亀裂を進展させる。また、膨張ガス圧が短辺f,g側の水平合わせ部15に作用することも重なって、長辺d,e側に対しても効果的な水平破断面形成が可能となる。
装薬ホルダ10の底部の開口部APを図3(b)、後述の図8のように、くさび形の空洞断面にすることによって、膨張圧の作用方向を集中させる効果を得ることができる。これにより、水平破砕部12の水平合わせ部15には開口部AP内の燃焼ガスの膨張圧が集中して作用し、開口部APから突き出た水平合わせ部15の隙間にガスが侵入して、水平方向への破断面が効率的に形成される。また、装薬ホルダ10の底部の開口部APのある空間は、水平方向破断面を生じさせるための空間となり、充満した燃焼ガスが水平合わせ部15の隙間に侵入し、その隙間を開く作用を作り出し、予定方向に亀裂を進展させることができる。
また、図3(a)のように、垂直破砕部11の垂直方向に延びる突き合わせ部SL1の向きと、水平破砕部12の水平方向に延びる水平合わせ部15の短辺fの向きとは互いに同一方向を向いている。同様に突き合わせ部SL2の向きと短辺gの向きとは、互いに同一方向を向いている。これにより、水平破砕部12の水平合わせ部15からの燃焼ガスの噴出方向と、垂直破砕部11からの燃焼ガスの噴出方向とが略同一方向になる。
なお、装薬ホルダ10の折り曲げ鋼板11a,11bおよび第1鋼板部13,14は、たとえば、厚さ1.6mmの亜鉛鋼板を用いることができるが、これに限定されるものではない。
〈杭頭処理工法〉
次に、図1〜図3の装薬ホルダ10を用いた本実施形態による杭頭処理工法について図4〜図6を参照して説明する。
図4は、本実施形態による杭頭処理工法を説明するためにコンクリート打設前の杭筋篭の杭天端における鉄筋および装薬ホルダの配置例を示す上面図である。図5は、図4の1つの装薬ホルダを方向Vから見た図である。図6は図4の鉄筋および装薬ホルダの全体を方向VIから見た図である。
図4のように、破線で示す場所打ちのコンクリート杭Pを打設するために、杭Pの長手方向に延びる複数の杭主筋21が平面的に円周上に略等間隔に配置され、複数の杭主筋21を包囲するようにリング状のせん断補強筋22が配置されることで、杭筋篭が組み立てられる。複数のせん断補強筋22が杭Pの長手方向に略等間隔に配置される。また、杭筋篭の上面の略中心にコンクリート打設のためにトレミー管TMが配置される。
図6のように、複数の杭主筋21は、コンクリート杭Pの杭天端UPから突き出て配置され、コンクリート打設時に杭天端UPを超えて余盛部YM(一点鎖線で示す)が形成されるが、この余盛天端YUからも突き出るように配置される。
図4〜図6のように、装薬ホルダ10を設置するための支持部材24は、杭天端UP近傍のせん断補強筋22に掛け渡されて水平に固定される2本の鉄筋25,26と、鉄筋25,26の上に配置されて水平に固定されるL形鋼27,27と、L形鋼27,27の間に掛け渡されて水平に固定される平板鋼28,28と、を備える。鉄筋25,26は、たとえば、杭主筋21と同径のものを使用できる。
図4〜図6のように、互いに平行に配置された鉄筋25,26に沿ったL形鋼27,27と、L形鋼27,27の間に互いに平行に掛け渡された平板鋼28,28とは、トレミー管TMをかわす位置に水平に取り付けられ、平面的に略正四角形状となっている。L形鋼27,27,平板鋼28,28の長手方向の略中央に装薬ホルダ10をそれぞれ配置することで、4本の装薬ホルダ10を設置する。
装薬ホルダ10を、図4の円形状平面において、同じ方向を向く垂直破砕部11の突き合わせ部SL1と水平破砕部12の水平合わせ部15の短辺fとを、半径方向外方rを向くように位置決めて配置する。これにより、突き合わせ部SL2と短辺gとが半径方向内方r’を向いて配置される。
次に、図4〜図6の杭筋篭を用いて行われる場所打ちのコンクリート杭の施工工程S01〜S11について図7,図8を参照して説明する。図7は、本実施形態によるコンクリート杭の施工工程を説明するためのフローチャートである。図8は、本実施形態においてコンクリート打設後に装薬ホルダ内に動的破砕剤などを装填した状態を説明するために装薬ホルダ内を透視した図である。
図4〜図6のように杭鉄筋を組み立て杭筋篭をつくる(S01)。次に、図4〜図6のように4本の装薬ホルダ10を杭筋篭の杭天端UPから垂直方向上方に延びるように取り付ける(S02)。この後、装薬ホルダ10の水平方向の取付け位置や水平を調整する。次に、杭筋篭(杭鉄筋)を杭施工位置に建て込んでから(S03)、トレミー管TMを通してコンクリートを打設する。コンクリートが硬化した後、掘削工事(S05)によりコンクリートの杭頭面を露出させ、各装薬ホルダ10の上端から図3(a)の装薬スペースSPに円柱状の動的破砕剤HAを挿入し装填する(S06)。なお、コンクリート打設の際は、トレミー管TMを杭径の中央に据え、装薬ホルダ10の水平方向の位置や水平をずらさないよう注意して作業を行う。また、コンクリート打設後、トレミー管TMを引抜く際にも、装薬ホルダ10の水平破砕部12に接触しないよう注意して作業を行う。
図8のように、装薬ホルダ10の上部から装薬スペースSPへ動的破砕剤HAが挿入され、その下部に紙筒34を装着して、紙筒34の先端はホルダ底部の水平破砕部12の第2鋼板部14の上に位置する。これによって、動的破砕剤HAの下部は体積デカップリング(空隙を設けること)の状態となり、点火によって生じた燃焼ガスが水平破砕部12に膨張圧を作用させることができる。また、動的破砕剤HAの上部は発砲スチロール材31および砂(またはくり粉)32が配置され、その上部はセメント系早強材33が配置されることで、装薬スペースSPはタンピングされた密閉状態となり、動的破砕剤HAの燃焼ガスの装薬スペースSPの上端からの燃焼ガスの噴出を防止する。また、動的破砕剤HAを点火するための脚線35が装薬ホルダ10の上部から外部に導出されている。
次に、動的破砕剤HAに脚線35を通して電流を流し点火することで、杭頭部分に相当する余盛部YMを破砕する(S07)。これにより、コンクリート打設の終了直前のため不純物などが混入しやすい余盛部YMを除去することができる。次に、破砕されたコンクリートガラを撤去し(S08)、仕上げはつりを行い(S09)、杭鉄筋の必要な手直しを行い(S10)、はつり後の杭天端や杭鉄筋の状態を検査し(S11)、異常がなければ施工を終了し、必要であれば手直しを行う。
なお、動的破砕剤HAは、公知の各種破砕剤を使用でき、たとえば、酸化第2銅、アルミニウム、硫酸マグネシウム7水和物を主成分としこれらを円筒状のカートリッジ内に入れたものを使用でき、点火すると、テルミット反応により激しい酸化還元反応とともに高温・高圧の水蒸気が発生し、この発生した膨張圧を利用する。また、臭素酸塩等のガス発生剤を主剤とした薬筒と点火具が一体となったものも使用でき、密閉状態で点火すると、高温・高圧ガスを発生する。
上記破砕工程(S07)において、装薬ホルダ10に装填された動的破砕剤HAが点火されることで、その膨張圧により破砕力を生じさせる燃焼ガスが主に水平破砕部12の水平方向に延びる水平合わせ部15の短辺f、gから噴出することで、余盛部YM(杭頭部分)のコンクリートに水平方向に亀裂が生じて伝搬し、これにより、水平方向の破砕面を破砕と同時に形成することができ、余盛部YMを主に水平方向に破砕する。
また、動的破砕剤HAの点火で、その膨張圧により破砕力を生じさせる燃焼ガスが垂直破砕部11の縦方向に延びる突き合わせ部SL1,SL2から噴出することで、杭頭部分のコンクリートを主に垂直方向に破砕する。すなわち、本出願人が先に特許文献4で明らかにしたように、略菱形状の装薬スペースSPの内壁において衝撃波または膨張波が反射し、反射衝撃波または反射膨張波が、図3(a)のように縮小する突き合わせ部SL1,SL2に向かって進む程、強くなる集中効果が生じ、さらに突き合わせ部SL1,SL2に接近して集中効果がさらに増大するといった動的効果により余盛部YM内で亀裂が進み、全体として亀裂が縦方向に進む。
以上のように、本実施形態の杭頭処理工法によれば、動的破砕剤を装着する装薬ホルダ10が底部側に水平破砕部12を備え、装薬ホルダ10を杭天端に設けた支持部材24に設置すると、水平破砕部12が杭天端近くに位置するので、装薬ホルダ10の配置が容易となる。
また、装薬ホルダ10の水平破砕部12に、第1鋼板部13と第2鋼板部14とによる水平方向に延びる水平合わせ部15を設けることで、破砕方向を水平方向に制御するとともに、第1鋼板部13と第2鋼板部14の長辺が水平方向に延びることで、破砕の際の水平方向の指向性を高めることができる。これにより、破砕剤による水平方向の動的破砕効果の最大化・最適化を実現できるとともに、水平方向の動的破砕効果をより効率化することができる。また、従来のような杭径と同寸法の水平円形板(図10)を省略することができる。
したがって、施工に手間・期間を要する場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工事において、本実施形態による水平破砕部12を有する装薬ホルダ10を適用することで、水平方向の破砕面を破砕と同時に形成できるので、従来の鉛直破断方式の破砕による縦割り後に水平面を形成したり、また、図10(a)(b)の杭径と同寸法の水平円形板340をあらかじめ設置しておく従来の動的破砕工法と比較し、大幅に施工に要する手間と期間を低減することが可能となる。
次に、本実施形態による装薬ホルダ10の別の例について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態による装薬ホルダ10の別の例を示す、図3(b)と同様の要部正面図である。
図9の装薬ホルダ10Aは、水平破砕部12の第2の鋼板部14Aが垂直破砕部11の下端部において開口部AP(図3(b))を形成する二辺と水平方向に対称な形状の山形部16を有する点が、図3(b)と相違し、これ以外は、図1〜図3の装薬ホルダ10と同様の構成である。装薬ホルダ10Aの底部側では、図3(b)の開口部APよりも断面積が約二倍の開口部AP’が形成される。
なお、図9の装薬ホルダ10Aを設置するために、図4の支持部材24の鉄筋25,26、L形鋼27,27、平板鋼28,28を二分割にし、装薬ホルダ10Aを両端支持で設置するようにできる。図9の開口部AP’のある空間は、水平方向破断面を生じさせるための空間となり、充満した燃焼ガスが水平合わせ部15の隙間に侵入し、その隙間を開く作用を作り出し、予定方向に亀裂を進展させることができる。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、動的破砕剤や破砕器は、例示した以外のものも使用可能であることはもちろんである。
また、本実施形態の装薬ホルダの垂直破砕部11は、二枚の折り曲げ鋼板を組み合わせて構成したが、これに限定されず、他の構成としてもよい。
また、本実施形態では装薬ホルダを4本配置したが、本発明はこれに限定されず、5本以上であってもよく、また3本であってもよい。
また、本実施形態の杭筋篭は、図6のように、杭主筋が上方に定着分伸びている杭頭固定タイプであるが、本発明は、これに限定されず、たとえば、杭主筋が上方に伸びていない杭頭半固定タイプ(図10(b)参照)にも適用できる。
また、本実施形態の装薬ホルダ10では、図3(b)、図8のように、開口部APの頂角を120°、底角を30°としたが、これに限定されず、変えてもよい。
10,10A 装薬ホルダ 11 垂直破砕部 12 水平破砕部 13 第1鋼板部 14,14A 第2鋼板部 15 水平合わせ部 21 杭主筋 22 せん断断補強筋 24 支持部材 25,26 鉄筋 27 L形鋼 28 平板鋼 HA 破砕剤 P コンクリート杭 SP 装薬スペース SL1,SL2 突き合わせ部 TM トレミー管 UP 杭天端 YM 余盛部(杭頭部分)

Claims (7)

  1. 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、
    内部に形成された装薬スペースと底部側に設けられた水平破砕部とを有するとともに長手方向に延びる装薬ホルダを複数用意し、
    前記水平破砕部は、水平方向に拡がる第1板部と、前記第1板部と重なり合って前記装薬スペースと連通する水平合わせ部を形成する第2板部と、を有し、
    前記装薬ホルダを前記水平破砕部で支持するための支持部材を杭天端に相当する箇所に水平方向に設け、
    前記装薬ホルダを前記水平破砕部が前記支持部材に載るようにして杭の縦方向に設置し、
    コンクリート打設後、前記装薬スペースに装填した動的破砕剤に点火することで、前記水平合わせ部から噴出する燃焼ガスによる膨張圧の作用により前記杭天端から上部の杭頭部分のコンクリートに破砕面を形成して前記杭頭部分を破砕させることを特徴とする杭頭処理工法。
  2. 前記装薬ホルダは、長手方向に延びた垂直破砕部を有し、前記垂直破砕部が杭の縦方向に位置するように設置され、
    前記破砕剤の点火時に前記垂直破砕部から噴出する燃焼ガスによる膨張圧の作用により前記杭頭部分のコンクリートに破砕面を形成して前記杭頭部分を破砕させることを特徴とする請求項1に記載の杭頭処理工法。
  3. 前記装薬ホルダを、前記水平合わせ部からの燃焼ガスの噴出方向と、前記垂直破砕部からの燃焼ガスの噴出方向とが略同一方向になるように構成することを特徴とする請求項2に記載の杭頭処理工法。
  4. 前記第1板部と前記第2板部とはそれら全体の平面形状が矩形状に構成され、
    前記装薬ホルダは前記水平破砕部において前記装薬スペースと連通する開口部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の杭頭処理工法。
  5. 前記第2板部は、平板に構成されるか、または、前記開口部に対向する部分が折り曲げられていることを特徴とする請求項4に記載の杭頭処理工法。
  6. 前記杭の中心部にコンクリート打設のためのトレミー管が垂直方向に配置され、
    複数の杭主筋が前記杭の垂直方向に延びるように配置され、前記複数の杭主筋を包囲するようにリング状のせん断補強筋が配置され、
    前記せん断補強筋を利用して前記支持部材を前記トレミー管の周囲に前記複数の装薬ホルダを設置できるように配置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の杭頭処理工法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の杭頭処理工法に用いられることを特徴とする装薬ホルダ。
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