次に、本発明のすべてではなくいくつかの実施形態が示されている、添付図面を参照しつつ、本発明についてさらに詳しく以下で説明する。実際、これらの発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べられている実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が該当する法律的要件を満たすように実現される。全体を通して、類似の番号は、類似の要素を指す。
以下では、ブロック図および流れ図を参照しつつ本発明のシステムおよび方法について説明することを理解されたい。ブロック図および流れ図のブロック、およびブロック図および流れ図中のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されうることは理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置にロードしてメカニズムを生成し、これにより、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が1つまたは複数の流れ図ブロック内で指定された機能を実行するための手段を生成することができる。
コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の方法で機能させることができるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに格納することもでき、これにより、コンピュータ可読メモリ内に格納される命令で、本明細書で指定されている機能を実行する命令手段を収めた製造品を生産することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、さらに、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置上にロードされ、これにより、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で一連の動作ステップが実行され、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される命令が本明細書で指定されている機能を実装するためのステップを実現するようなコンピュータ実装プロセスを形成することができる。したがって、ブロック図および流れ図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するためのステップの組み合わせ、および指定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。ブロック図および流れ図のそれぞれのブロック、およびブロック図および流れ図内のブロックの組み合わせは、指定された機能またはステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装されうることも理解されるであろう。
本発明は、デジタル化された図面を表示するためのビューワアプリケーションとともに使用する計測ツールを実現する。計測ツールを使用することで、実縮尺による水平および垂直の長さ、距離、ならびに面積(規則正しい形状の面積と不規則形状の面積の両方)を計測することができる。本発明は、建築図面、機械製図、または地図などの縮尺された図面を有する紙のドキュメントのデジタル表現とともに使用することができるが、以下では、例示することを目的として建築図面の文脈において説明する。開示されている実施形態は、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでない。
このシステムでは、第1の場所にいるオペレータが第2の場所にいるユーザに情報を提供することができる。例えば、もう一度上記の消防士の例を使用すると、消防士は、ヘッドアップディスプレイを例えば消防士の防護服のバイザーに備え、建物の間取り図の画像をそのヘッドアップディスプレイに示すことができる。その間、通りにいる、または集中管理を行う場所にいる監督者は、ヘッドアップディスプレイを介して、または口頭の命令で、または同様の方法で構造物の正確なナビゲーション指令を消防士に与えることができる。
別の実施形態では、建物の縮尺平面図のすべてを1つのシステムに統合する。そのため、構造物、電気系統、水道、火災警報、動き検出、および他のクリティカルなシステムはすべて、緊急時対応要員から容易にアクセス可能である。緊急時対応要員は、本質的に異なるデータの統合されたビューを利用して、危険な状況、潜在的な犠牲者、犯罪者、またはテロリスト要素を効果的に識別し、特定する。
システムは、標準的なRF通信、光リンク、Bluetooth(登録商標)、IRリンク、または同様のものを使用することも可能である。さらに、3次元モデルを、侵入警報、火災警報、煙警報、電子ビル管理または電子ビル情報管理システムなどの他のビルシステムと統合し、進入ルートまたは退出ルートを決定したり、または他の建物中心の決定を下すときに存在する可能性のあるさまざまな障害物、つまり、火災警報、温度注意モニタ、危険物質の場所、特別なビルの幾何学的形状および障害物を考慮するようにできる。
さらに、橋およびトンネルなどの他の構造物に対する緊急事態計画も、開示されているシステムを使用して実行することができる。それに加えて、GPSロケータを使用して、個人の位置を追跡することができる。別の実施形態では、RF三角測量を使用して、個人の正確な位置を突き止める。RF三角測量は、建物内に設置されているアンテナを使用して実行されるか、または古い建物もしくはそのようなアンテナのない建物の場合には、携帯型三角測量ユニットが使用される。
別の実施形態では、三角測量機器は、緊急対応車両内にある。RF三角測量は、GPS技術を使用して三角測量点が知られ、三角測量を使用する補間によって正確な位置が決定されるようにGPSロケータと一緒に使用することができる。
システムでは、既存の電子CAD図面または紙の平面図を使用する。平面図は処理され、システムに入力され、1つまたは複数のサーバに格納される。システムは、ラスタ−ベクタ変換を使用して、紙の平面図またはレガシー平面図の使用を準備する。準備された平面図は、原寸に比例して描画されている。システムに入力した後、平面図は、離れた場所にいるユーザを含む、すべてのユーザから即座にアクセス可能である。一実施形態では、平面図はパスワードで保護される。
システムは、計画、装飾、および設計にも使用されうる。平面図が入力され、縮尺された後、家具、絨毯、および絵画などの他のオブジェクトを平面図に加えることができる。システムは、最終的レイアウトを複数の角度で見ることができるようにウォークスルーおよび平面図特徴を含む。詳細な計測は、図面が原寸に比例しているため開示されているシステムを使用して行うことができる。
システムの一実施形態では、キオスクが構造物の中および周囲で利用可能であり、これによりユーザは始点と終点とを選択することができる。次いで、システムは、完全に、原寸に比例したルートの3次元表現および2次元地図表示を生成する。生成された画像は、ユーザが容易に距離を判別できるように原寸に比例している。さらに、キオスクを使用すると、キオスクの位置が知られており、システムを使用して事前にマッピングまたはプロットすることが可能なので、エンドユーザは建物構造物に関する詳細を表示し、構造物の残り部分に相対的なユーザの現在位置に関する文脈的な実縮尺のインテリジェンス情報を取得することができる。または、システム図面および注釈ツールを使用することで、キオスクユーザは、拡張建物データセット、例えば、出口および/または消火器などの建物防火機器の配置を、すべて完全に原寸に比例して、基礎となる実縮尺デジタル建物間取り図の文脈において表示することができる。
図1を参照すると、本発明の一実施形態は、スキャナステーション12、データベース14、ワークステーション16、プリンタ18、ファイル入力デバイス10、送信機26、およびセキュリティシステム中央オフィス8を備えることがわかる。スキャナステーション12は、建物青写真、間取り図、ライザ図、または他の建築もしくは設計図面などの紙のドキュメントのデジタル画像を取り込むために必要なスキャナおよび関連付けられているソフトウェアを備える。好ましい一実施形態では、スキャナステーション12は、大きなデジタル画像を処理するのに十分な速度と十分な容量のRAMを有するデスクトップコンピュータに接続された高速大型フォーマットスキャナを備える。一実施形態では、スキャナは、ISISまたはTWAINインターフェースのいずれかを使用し、また使用される圧縮/復元アルゴリズムはTIFF CCITT Group 4であり、これは可逆圧縮アルゴリズムである。スキャナによって取り込まれたピクセルツーピクセルビットマップデータを保存するためにアルゴリズムは可逆圧縮アルゴリズムであることが重要である。データベースサーバ14は、スキャナとその関連するソフトウェアによって作成された画像ファイルを格納するための好適なデータベースを備える。別の実施形態では、画像ファイルは、デジタルファイル、例えば、CADファイルおよび同様のファイルとしてデータベースに入力される。データベースは、施設丸ごとの間取り図および構造詳細全体を格納し、データへのアクセスを即座に行えるようにする。そのため、緊急時対応要員は、構造に入るのに先だって建物レイアウト全体、および問題が発生するおそれのある箇所にもれなく気を配ることができる。
ワークステーション16は、モニタ、キーボード、マウス、スタイラスなどのユーザインターフェース手段を備える好適なコンピューティングデバイスとすることができる。ワークステーションは、2次元および3次元の画像を表示することができるデスクトップコンピュータまたはラップトップ28a、PDA 28b、もしくは携帯電話28cなどの携帯型コンピューティングデバイスとすることができる。ワークステーションは、ビューワ240を備える。例示されている実施形態において、ビューワ240は、TIFF画像を読み取り(つまり、復元し)、ユーザに対して表示することができるTIFFビューワである。ビューワ240は、例えば、LEAD Technologies, Inc.社が提供するビューワコンポーネントおよびツールを使用して、構成することができる。特に、LEAD Technologies, Inc.社では、TIFFビューワに組み込むことができる復元ツール、ラバーバンドツール、表示ツール、オーバーレイ表示ツール、オーバーレイストレージツール、およびタグ読み取りツールを提供している。ビューワ240の重要な態様は、ビューワ240で線および形の描画の実縮尺計測を計算するために、本発明による、計測計算機22を備えていることである。
プリンタ18は、ワークステーション16から印刷することができる好適なプリンタであり、ネットワーク24が前述のデバイスを相互接続する。ネットワーク24は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネット、インターネットおよび/またはそれらの任意の組み合わせなどの、パブリックまたはプライベートの、電気通信および/またはデータネットワークを含んでいてもよく、また有線および/または無線であってもよい。ネットワークの接続性により、分散コンピューティング環境を前提として本明細書で説明されているようなさまざまな方法を実施することができる。
本発明の一実施形態では、ワークステーション16には、1つまたは複数のドッキングステーションが随伴する。これらのドッキングステーションは、タブレットPC 28a、PDA 28b、携帯電話28c、および同様のものなどのデバイスに間取り図および構造詳細をダウンロードするために使用される。そのため、データをプリントアウトできることに加えて、電子コピーも使用することができる。別の実施形態では、データは、送信機26を使用してPDA、携帯電話、または同様のものに送信される。一実施形態では、データは、Bluetooth技術、または同様の技術を使用してヘッドアップディスプレイに送信される。
実際、データファイルを携帯電話、PDA、または同様のものに送信することは、既存の携帯電話、Wi−Fi、およびポケベルのインフラを使用して行われる。さらに別の実施形態では、データは、標準的なFM信号で、またはデータパケットを送信することができる有線もしくは無線ネットワークで送信することができる。
図2を参照すると、本発明による方法が図示されている。初期ステップとして、ブロック58によって示されているように、紙のドキュメントをデジタル化する。このステップは、スキャナステーション12を使用して紙のドキュメントをスキャンし、ビットマップ化されたラスタ画像を作成するか、または入力デバイスを使用してデジタルファイルをロードすることを含む。例示されている実施形態では、紙のドキュメントは図面である。スキャンされる紙の図面の縮尺データおよび物理的パラメータが取り込まれ、ビットマップ化された画像に関連付けられる。特に、紙の図面の元の縮尺情報、スキャンのDPI、および紙の元のサイズは、記録され、デジタル画像内に埋め込まれる。別の実施形態では、入力は、デジタルファイルを入力する、ファイル入力デバイス10からの入力である。
この情報を記録するための例示的なユーザインターフェースが図3に示されており、これはスキャンされる紙の図面の縮尺および物理的パラメータデータを入力するためのMaster File Infoウィンドウ32を示している。特に興味深いのは、X−DPIフィールド34およびY−DPIフィールド36は、スキャンに使用されるスキャナの直接的光学読み取り特性が記録される場所であることである。これらの値を較正して精度を保証しなければならない。SCN Widthフィールド38およびSCN Heightフィールド40は、スキャンされた画像の実ピクセル寸法である。Scaleフィールド42は、図面の実際の縮尺が整数として記録される場所である。入力された値は、Scale Finderボタン46を選択することで与えられる、Scale Finder 44を使用して計算することができる。ユーザは、正しい単位で図面から縮尺を入力するだけであり、Scale Finderが正しい縮尺値をScaleフィールド42に書き込む。例えば、縮尺が「1インチ(2.54cm)は3フィート(91.44cm)に相当する」というものであった場合、Scale Finderは36をScaleフィールド42に書き込む。同様に、縮尺が「1センチメートルは1メートルに相当する」というものであった場合、Scale Finderは100をScaleフィールド42に書き込む。
記録され、デジタル画像ファイルに関連付けられる情報は、画像がスキャンされるか、または他の方法で取得される時点に必ずしも記録されなければならないわけではないことに留意されたい。また、図4のユーザインターフェース50に示されているような建物の名称、建物の所有者、図面作成日、正確な地理空間的位置、つまり、緯度と経度などの紙のドキュメントを識別する追加の情報も記録することができる。
例示されている実施形態において、紙の図面は、光学的にスキャンされて、TIFFファイルとして保存され、取り込まれたデータは、TIFFヘッダタグを使用してTIFFヘッダ内に格納される。TIFFタグ50271は、縮尺および物理的パラメータデータを格納するために適した場所である。そのような情報に適したデータ構造体は以下のとおりである。
タグ50271=DBSWWWWHHHHAABBSSSSSSSDB
DBS=デジタル建物平面図タグ(文字「DBP」)
W=幅(ピクセル単位で表される元の画像スキャン幅)
H=高さ(ピクセル単位で表される元の画像スキャン高さ)
A=HDPI(スキャンの水平DPI)
B=VDPI(スキャンの垂直DPI)
S=縮尺(インチからインチへのドキュメントの縮尺、つまり、1(2.54cm)“=36(91.44cm)”)
DB=デジタル建物識別子タグ(「DB」)
Adobeタグ50271は、いずれかの「DBS」で始まり、デジタル建物識別タグ「DB」で終わる可変長24文字のASCIIデータ型として格納される。幅Wは、ピクセル単位の画像のスキャン幅である。高さHは、ピクセル単位の画像の高さである。AおよびBは、それぞれ、スキャナの水平および垂直の直接的光学DPIである。これは、スキャナの直接的光学解像度である。縮尺Sは、紙の図面からとった縮尺である。ASCII値が#48から#90までの範囲内にある英数字のASCII文字をデータフィールドにおいて使用し、データと圧縮のコンフリクトを回避することができる。例示されている実施形態では、これらの値は、基数34の数に変換される。
再び図2を参照すると、デジタル画像ファイルが作成された後、これは、ブロック60で示されているように、好ましくはRAIDサーバまたはSAN内にデータベースサーバ14の付随するエントリとともに格納することができる。しかし、デジタル画像ファイルは、スキャンステーション12、ワークステーション16、または携帯電話28c、PDA 28b、もしくは同様のものを含む、事実上あらゆるコンピューティングデバイスのメモリに格納することができる。好ましい一実施形態では、複数のデジタル画像ファイルを中央データリポジトリに一緒に格納する。
次いで、ブロック62で示されているように、ユーザが、好ましくはワークステーション16で、デジタル画像を見ることができる。デジタル画像ファイルは、ネットワーク24を介してワークステーションに送信される。デジタル画像表示/ビューワ240を使用して、デジタル画像を開き、表示することができる。デジタルビューワアプリケーションは、最低限、いくつかの描画ツールを備え、少なくとも線を引き、それらの線を相互接続して形状を形成することができなければならない。
次いで、ユーザは、表示/ビューワを使用して線もしくは形(例えば、多角形または逆多角形などの規則正しい形状または不規則な形状)を描画するか、または進入および退出ルートをマッピングし、またはブロック64で示されているような距離を計算する。線の実縮尺計測またはルートの距離の長さを計算し、ブロック66で示されているようにユーザに掲示する。例えば、図5に示されているように、ユーザは、マウスをクリックしてドラッグするか、またはスタイラスをドラッグすることなどによって線70を引いている。その線の実縮尺計測を、ブロック66で示されているように、計算し、ツールバーフィールド72でユーザに提示する。別の例が図6に提示されており、そこでは、ユーザが多角形74を描画し、多角形の実縮尺エリアがツールバーフィールド76でユーザに提示される。そのため、本発明によれば、デジタル画像ビューワ240は、デジタル画像内に埋め込まれている縮尺および物理的パラメータ情報にアクセスするように修正されており、線または形状のエリアの実縮尺計測を計算する。
例示されている実施形態では、デジタル画像ビューワ240は、TIFFヘッダタグ50271を読み取り、縮尺および物理的パラメータデータを取り出す。次いで、デジタル画像ビューワ240は、ユーザの描画(例えば、線もしくは形)を定義するピクセルデータおよびデジタル画像ヘッダタグから読み取った縮尺情報を計測計算機22に送る。次いで、計測計算機22は、その情報および線もしくは形のピクセル配置データを使用して実縮尺計測を計算する。計算された計測は、好適なフォーマットもしくは配置で画面上においてユーザに提示されうるが、例示されている実施形態では、計測はウィンドウの底部にあるツールバー内に提示される。
例示することを目的として、デジタル画像ビューワ240の描画ツールを使用して、また特にマウス入力デバイスを使用して、ユーザによって描画された注釈の長さおよび面積に対するいくつかの計算が提示される。
線80の長さは、図7を全体として参照しつつ計算される。ユーザは、最初に、マウスダウンイベントで計算をトリガする(線注釈が描画ツールバーから選択される)。このイベントは、図7に例示されているように、ピクセル単位で第1の参照点(X1,Y1)を与える。ユーザが、マウスボタンを放すと、マウスアップイベントがトリガされる。このイベントは、ピクセル単位で第2の(そして最後の)参照点(X2,Y2)を与える。これら2つの点((X1,Y1)および(X2,Y2))において、計測計算機22は、ピタゴラスの定理を使用してそれらの間の長さ(ピクセル単位)を計算することができ、これは式(1)
長さ(ピクセル単位)=((x2−x1)2+(y2−y1)2)(1/2) (1)
によって与えられる。
次いで、この長さを画像の解像度で除算し、元の平面図、または図面上に代表的な長さ(インチ単位)を生成するが、これは式(2)
長さ(インチ単位)=(長さ(ピクセル単位))/(画像解像度(dpi)) (2)
によって与えられる。
次いで、この長さ(インチ単位)に青写真縮尺(TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている)を乗算して、線の実際の長さ(インチ単位)を生成するが、これは、式(3)
実際の長さ=平面図長さ(インチ単位)×平面図縮尺 (3)
によって与えられる。
計測計算機22は、次いで、この実縮尺計測をビューワ240に送り、ユーザに対して表示する。必要ならば、さらなる計測変換を実行して、必要な計測単位を計算することができる。例えば、単純に単位換算係数を乗算することで計測単位をインチからフィートまたはメートルに変換することができる。
次に、矩形82の面積を図8を参照しつつ計算する。最初に、ユーザは、マウスダウンイベントで計算をトリガする(矩形注釈が描画ツールバーから選択される)。このイベントは、ピクセル単位で第1の参照点(X1,Y1)を与える。ユーザが、マウスボタンを放すと、マウスアップイベントがトリガされる。このイベントは、ピクセル単位で第2の(そして最後の)参照点(X2,Y2)を与える。これら2つの点((X1,Y1)および(X2,Y2))において、計測計算機22は、ピタゴラスの定理を使用してそれらの間の面積(ピクセル単位)を計算することができ、これは式(4)
面積(ピクセル単位)=(x2−x1)2+(y2−y1)2 (4)
によって与えられる。
次いで、この面積を画像の解像度の平方で除算し、元の平面図、または図面上に代表的な面積(インチ単位)を生成するが、これは式(5)
面積(インチ単位)=(面積(ピクセル単位))/(画像解像度(dpi))2 (5)
によって与えられる。
次いで、この面積(インチ単位)を平方して青写真縮尺(TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている)の平方根を乗算し、選択された矩形の実際の面積(インチ単位)を生成するが、これは、式(6)
実際の面積=(平面図面積(インチ単位))2(平面図縮尺)(1/2) (6)
によって与えられる。
計測計算機22は、次いで、この実縮尺計測をビューワ240に送り、ユーザに対して表示する。必要ならば、さらなる計測変換を実行して、必要な計測単位を計算することができる。例えば、単純に単位換算係数を乗算することで計測単位をインチからフィートまたはメートルに変換することができる。
楕円84の面積は、次に図9を全体として参照して例示されている。ユーザは、最初に、マウスダウンイベントで計算をトリガする(楕円注釈が描画ツールバーから選択される)。このイベントは、ピクセル単位で第1の参照点(X1,Y1)を与える。次いで、ユーザがマウスボタンを放すと、マウスアップイベントがトリガされる。このイベントは、ピクセル単位で第2の(そして最後の)参照点(X2,Y2)を与える。これら2つの点((X1,Y1)および(X2,Y2))において、計測計算機22は、ピタゴラスの定理を使用してそれらの間の面積(ピクセル単位)を計算することができ、これは式(7)
面積(ピクセル単位)=Π[((x2−x1)/2)+((y2−y1)/2)] (7)
によって与えられる。
次いで、この面積を画像の解像度の平方で除算し、元の平面図、または図面上に代表的な面積(インチ単位)を生成するが、これは式(8)
面積(インチ単位)=(面積(ピクセル単位))/(画像解像度(dpi))2 (8)
によって与えられる。
次いで、この面積(インチ単位)を平方して青写真縮尺(TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている)の平方根を乗算し、選択された楕円の実際の面積(インチ単位)を生成するが、これは、式(9)
実際の面積=(平面図面積(インチ単位))2(平面図縮尺)(1/2) (9)
によって与えられる。
計測計算機22は、次いで、この実縮尺計測をビューワ240に送り、ユーザに対して表示する。必要ならば、さらなる計測変換を実行して、必要な計測単位を計算することができる。例えば、単純に単位換算係数を乗算することで計測単位をインチからフィートまたはメートルに変換することができる。
ポリライン86の長さは、次に図10を全体として参照しつつ計算される。ユーザは、最初に、マウスダウンイベントでこの計算をトリガする(ポリライン注釈が描画ツールバーから選択される)。このイベントは、ピクセル単位で第1の参照点(X1,Y1)を与える。次いで、ユーザは、マウスを動かしてクリックし(左ボタン)、追加のノード[(X2,Y2),(X3,Y3),...,(Xn+1,Yn+1)]を加える。ユーザがポリラインを完成した後、左マウスボタンをダブルクリックするか、または右マウスボタンをシングルクリックしてポリラインの終点を決定し、長さの計算をトリガする。これにより、長さの計算に使用するために、(n+1)個のノードと(n)個の線分とを与え、ここで「n」は、任意の絶対数である。この点の集合により、計測計算機22は、それぞれのノードを巡回し、ピタゴラスの定理を(それぞれの線分上でそれぞれ)使用してそれぞれの線分の長さの総和を計算することができるが、これは式(10)
によって与えられる。
次いで、この長さを画像の解像度で除算し、元の平面図、または図面上に代表的な長さ(インチ単位)を生成するが、これは式(11)
長さ(インチ単位)=(長さ(ピクセル単位))/(画像解像度(dpi)) (11)
によって与えられる。
次いで、この長さ(インチ単位)に青写真縮尺(TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている)を乗算して、ポリラインの実際の長さ(インチ単位)を生成するが、これは、式(12)
実際の長さ=平面図長さ(インチ単位)×平面図縮尺 (12)
によって与えられる。
計測計算機22は、次いで、この実縮尺計測をビューワ240に送り、ユーザに対して表示する。必要ならば、さらなる計測変換を実行して、必要な計測単位を計算することができる。例えば、単純に単位換算係数を乗算することで計測単位をインチからフィートまたはメートルに変換することができる。
多角形88の面積は、図11を参照しつつ次に例示される。ユーザは、最初に、マウスダウンイベントでこれらの計算をトリガする(多角形注釈が描画ツールバーから選択される)。このイベントは、ピクセル単位で第1の参照点(X1,Y1)を与える。次いで、エンドユーザは、マウスを動かしてクリックし(例えば、左ボタン)、追加のノード[(X2,Y2),(X3,Y3),...,(Xn+1,Yn+1)]を加える。ユーザが多角形を完成した後、左マウスボタンをダブルクリックするか、または右マウスボタンをシングルクリックして多角形の終点を決定し、長さの計算をトリガする。これは、長さの計算に使用するために、(n+1)個のノードと(n)個の線分とを備え、「n」は任意の絶対数である。この点の集合により、反復でそれらの線分を辿り、面積に対する現在までの合計を求めることができる。この面積は、最初に多角形の下の基線を識別し、次いで、辺が(1)多角形上の単一の線分、(2)多角形線分内の一番右の点から基線に垂直な基線までの直線、(3)基線の線分、および(4)基線から線分(基線に垂直に引かれた)内の一番左の点までの直線からなる台形を識別することによって計算される。台形の面積は、式(13)
で計算される。
次いで、この面積を画像の解像度の平方で除算し、元の平面図、または図面上に代表的な面積(インチ単位)を生成するが、これは式(14)
面積(インチ単位)=(面積(ピクセル単位))/(画像解像度(dpi))2 (14)
によって与えられる。
次いで、この面積(インチ単位)を平方して青写真縮尺(TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている)の平方根を乗算し、選択された矩形の実際の面積(インチ単位)を生成するが、これは、式(15)
実際の面積=(平面図面積(インチ単位))2(平面図縮尺)(1/2) (15)
によって与えられる。
計測計算機22は、次いで、この実縮尺計測をビューワ240に送り、ユーザに対して表示する。必要ならば、さらなる計測変換を実行して、必要な計測単位を計算することができる。例えば、単純に単位換算係数を乗算することで計測単位をインチからフィートまたはメートルに変換することができる。
本発明により、ユーザは緊急事態の際にファイルを表示することができる。例えば、消防士が燃えている構造物へ派遣された場合、消防士は、建物の構造レイアウト全体を見られるようにデジタルファイルをPDAまたは同様のものにダウンロードする。一実施形態では、ワークステーションにいる第1のユーザは、ルート指定または他の情報を構造物内にいる第2のユーザに送る。第2のユーザは、PDA、携帯電話、タブレットコンピュータ、ヘッドアップディスプレイ、または同様のものでこの情報を受信する。
一実施形態では、ユーザは、コンピュータ、ラップトップ28a、PDA 28b、または同様のものなどのビューワ240上で図面を確認する。PDA上に提示される青写真から、ユーザ(緊急時対応要員)は、入口、出口、およびターゲットの場所の間の床面積および距離の正確な計測を得られる。それに加えて、このシステムは完全な拡大縮小機能を備える。この拡大縮小機能を利用することで、ユーザは、特定のエリアをズームイン、ズームアウトし、必要な詳細を加減することができる。一実施形態では、ズームする場合、ユーザはズームツールを使用してズームすべきエリアを選択する。あるいは、システムは、所望のズームエリア内をスタイラスで単にタップするだけで特定のエリアの周囲をプリセットされた増分、つまり、10%、20%、30%だけズームインする。ユーザが表示をどれだけ拡大しようと、縮尺の精度は保たれることに留意されたい。
システムは、計測結果とともに、階段吹き抜け、エレベータ、入口、出口、立坑路、建物管理システム、冷却ユニット、予備電力、緊急指揮所、避難エリア、および同様のものなどの他の構造要素に関する詳細を表示し、可視化し、計算することができる。さらに、スプリンクラ、消火器、ホースフックアップ、ライザ、HVACシステム、および電気系統点検用パネルの場所も、レイアウトに示すことができる。さらに別の実施形態では、危険物質も表示することができる。
本発明の一実施形態では、建物セキュリティシステムはネットワークに結ばれている。セキュリティシステムは、火災警報、煙警報、一酸化炭素警報、煙警報、および同様のものなどの能動的警報などのデータを提供することができる。この方法で、緊急時対応作業員は、問題エリアと潜在的救助状況を判別することができる。それに加えて、建物の動きセンサをネットワークに接続して、建物内の人々を追跡し、それにより救助の試みを強化することができる。例えば、GPSロケータを使用して、人と機器とを追跡することができる。あるいは、人質状況が存在する場合、警官はこのデータを使用してテロ軽減またはアセット回収任務を計画することができる。
図12は、本発明の一実施形態によるデータ表示の図である。図示されているように、ユーザが所望のレベルの細部を認識できるように表示をズームインすることができる。好ましい一実施形態では、カーソルを使用して、入口通路116などの始点および終点110を選択する。システムは、116から110へのルートを計算するようにプログラムされる。2つのルートが、図12に示されている。第1のルート102は、入口通路116からバックオフィス内のある地点110まで示されている。第2のルート104は、入口点116からPBXおよびハブを収容するユーティリティクローゼットまで示されている。一実施形態では、コンセント114、スイッチ118、および電話差し込み口などの要素が示されている。電線用導管、HVACシステム、および配管系統などの他の要素も示されている。表示には、動きセンサ100、熱および煙警報、ならびにドアおよび窓センサからのデータが示され、これらの警報およびセンサは表示に結び付けられている。
一実施形態では、キオスク120が存在する。建物の訪問者は、キオスク120を案内として使用する。一実施形態では、客はキオスクをディレクトリとして利用する。客は、グラフィックで目的の場所を、例えば、所望のオフィス110を選択するか、またはディレクトリリスティングから選択する。いずれにせよ、そのルート、および必要ならば、建物の配置または危険などの注目しているエリアに隣接するルートが表示される。
ユーザは、ズームツール108を使用して、特定のエリアをズームイン、ズームアウトし、必要な詳細を加減することができる。一実施形態では、ズームする場合、ズームツール108が拡大すべき特定のエリアを選択する。あるいは、システムは、選択エリアを拡大すべきエリアの中心として使用して、プリセットされた増分、つまり、5%、10%、15%などだけ拡大する。別の実施形態では、プリセットされた増分は、ユーザによって選択可能である。画像の正確な拡大縮小およびすべての計測結果の正確な拡大縮小がそれぞれの拡大点において維持されることに留意されたい。
上述のように、本発明によるシステムおよび方法では、紙ベースの元の図面を受け取り、正確な2地点間計測およびルート指定を行うことを可能にする拡大縮小されるデジタル化画像を構成することができる。前記の実施形態は、例えば、本発明の方法およびシステムを教示することを目的として与えられる。本発明は、これらの実施形態に限定されず、当業者であれば、付属の請求項において定められているように本発明の精神の範囲内でさまざまな変更および修正を加えることができる。
また上で述べているように、本発明は、限定はしないが、消防士、緊急時対応、指揮統制担当者、警察官、EMT、電気ガス水道などの作業員、軍隊、および建物の運営、管理テナント、および所有、さらには設備技師を含むものによって使用されうる。一実施形態では、本発明は、地方、連邦、および州の消防、警察、および救急サービスユーザにアクセスできる都市緊急対策拠点施設向けに実装することができる。
本発明による別の方法は、図13に示されている。ブロック200で、ドキュメントをスキャンするか、または他の方法でデジタル化し、元のドキュメントの画像縮尺情報、スキャンのDPI、および元の用紙サイズを取り込み、2次元デジタルラスタ画像のデジタルファイルヘッダ内に埋め込む。スキャンされたドキュメントは、単一の建物、またはより可能性が高いものとして、建物の集合体からの間取り図を含みうる。
実縮尺3次元仮想デジタルモデルレンダリング(3Dデジタル画像または3Dデジタルレンダリングとも称する)は、2次元デジタルラスタ画像に基づいて作成される。特に、ビューワおよび関連するツールセットを手動で使用するか、またはプログラムステップを通じて使用して2Dデジタルラスタ画像に注釈を入れ、これにより、関連する3Dデジタル画像を生成するためにその後使用されるシーングラフを作成するように2D注釈の特性および位置をプログラムにより変換する。ブロック205を参照のこと。シーングラフは、3Dデジタル画像を記述するオブジェクト、特性、および変換をリストしたものである。シーングラフは、オブジェクトの特定の順序ではなく類似のオブジェクトタイプの緩いグループによって編成される。
2Dデジタルラスタ画像ファイルおよび3D仮想モデルファイルを作成した後、データベースサーバ14内のファイルシステム、コンピューティングデバイスのメモリ、または中央データリポジトリを使用して、それぞれのファイルを整理し、個別のまだ関連付けられているファイルとして格納することができる。ブロック210を参照のこと。個別のドキュメントが、ファイルサーバに格納され、データベースレコードに関連付けられる。ドキュメントは、好ましくは、建物および階別に、または一部の世界共通の基準によってデータベース内で整理される。
ユーザは、コンピュータまたはラップトップ28aまたは同様のものを使用してワークステーション16で表示するデジタル画像ファイルをデータベース内で探索することができる。ブロック220を参照のこと。データベースのユーザは、個別のデジタル平面図またはデジタル平面図グループを特定し、表示することができる。データベースは、閉じたネットワーク、ウェブアクセス可能ネットワーク、またはネットワーク接続性を有しない局部的コンピューティングデバイス上に配置することができる。
ユーザは、3D建物全体、デジタル化された間取り図ドキュメント、または個別のフロア3Dシーンなどの特定のデジタル画像またはデジタル画像のグループを特定するためにデータベースにクエリを実行することができる(ブロック230)。次いで、ネットワーク24を介して選択されたデジタル画像ファイルをワークステーションに配給し、デュアル3D/2Dデジタル画像表示/ビューワ240上に原寸に比例して表示する。デジタルビューワ240は、限定はしないが、同期したグラフィックレンダリングデバイス、同期したユーザインタラクティブグラフィックディスプレイ、リンクされたグラフィック表現、リアルタイムイベントリンク表示メカニズム、同期した水平表示面、同期したホログラフィックディスプレイ、同期したグラフィック画面、デュアルモニタヘッドアップディスプレイ、自動立体表示、および没入型グラフィック環境を含むことができる。一実施形態では、3D対応ビデオグラフィックハードウェアおよびソフトウェアによりデジタル画像ファイルをモバイルコンピュータシステム上に事前にロードしておく。
デジタル画像表示/ビューワ240は、デジタル画像ファイルを開き、レンダリングし、2Dデジタル画像ヘッダ内に埋め込まれている元の画像/ドキュメント縮尺情報を取り出すことができる。デジタル画像表示/ビューワ240は、リンクされ調整される表示手段、ウィンドウ、またはビューポートを有するマルチドキュメントインターフェースを有し、同時に見ることができる。
図14には表示/ビューワ240の例示的なユーザインターフェースが示されており、これは、アプリケーションシェル243、2つのドキュメントビューポート(3Dグラフィックスが有効化されている3Dウィンドウ342および2Dグラフィックスが有効化されている2Dウィンドウ244)、基本描画ツールセット、ならびに機能をアクティベートし3Dおよび2D表示をインタラクティブに操作するためのメニューインターフェースを備える。3Dウィンドウ242および2Dウィンドウ244は両方とも、ユーザの選好に合わせてサイズ変更し、位置を決めることができる。一例では、3Dウィンドウ242は表示/ビューワ240の左側(LVP)の40%を占有し、2Dウィンドウ244は画面の右側(RVP)の40%を占有する。
3D表示242で表示される画像は、地面平面図として最初に見られる実縮尺の3次元デジタルレンダリングであり、ユーザパースペクティブはドキュメントの表面の平坦な部分に平行である。視野角は手動で変更することができ、X、Y、またはZ軸上で回転させて、ユーザが所望の角度もしくは高さのビューパースペクティブを得られるようにできる。図14を参照のこと。2Dウィンドウ244上に表示される画像は、ドキュメントの表面に垂直に表示される。例えば、2Dの拡大縮小されるデジタル間取り図または建築図面ビューは、ドキュメントがズームされるか、または回転されるか、または他の何らかの方法で操作されるときに維持される平面図内に表示される。2Dデジタルラスタ画像は、マスターファイル、実データであり、縮尺データが埋め込まれ、3Dおよび2Dの両方のウィンドウについてこの場所にレンダリングされるデジタル画像から読み取られるときにデータに対する起点となる。
同時ビューワ240は、状況または環境の高められた認識性および図面内に示されている構造物の全体的なインテリジェンス情報をユーザに提供するツールとして働く。ユーザは、ビューワ240と一緒に使用されるツールを使用する同時ビューワ240を使用してデジタル画像を操作することができる。例えば、ユーザは、選択ウィンドウ内に表示される画像上の始点と終点とを識別し(ブロック250)、最短経路ツールを使用して、建物画像を背景とする状況において終点と始点に制約または制限のない、2つのグラフィックでマークされている/ユーザ選択の点の間の最速ルートを発見し(ブロック260)、階段吹き抜けを選択し、それを次にその階段吹き抜けを建物の階から下へ構造物を通る計算されたルートに使用することだけが可能な避難用階段吹き抜けとして、および/またはその階段吹き抜けを建物配置から上へ構造物を通る計算されたルートに使用することだけが可能な攻撃階段吹き抜けとして設定し、Shortest Pathツールがその階段吹き抜けをルート計算における第1のノードとして使用することを強制し(ブロック265)、最短経路アルゴリズムおよび埋め込まれている縮尺情報を使用して点と点との間の最短経路を計算し、全距離を表示し(ブロック270)、3Dウィンドウ242(ブロック280)および2Dウィンドウ244(ブロック285)において図式的に示されている最短経路をグラフィックで表示し、最短の計算された経路の実縮尺計測結果も表示する(ブロック290)ことができる。それに加えて、計算された経路データ、つまり、グラフィック表示データおよび実縮尺経路計測データは、3Dウィンドウ内で、マウスコマンドにより選択することができ、後で取り出して使用するために計算された経路に名前を付け保存することを可能にするアプリケーションダイアログが表示される(ブロック295)。
2次元デジタルラスタ間取り図画像の作成
再びブロック220を参照すると、スキャンされたドキュメントは、2Dウィンドウ244内に表示される、実縮尺2Dデジタル画像を生成することがわかる。取り込まれた縮尺データは、2Dデジタル画像のTIFFヘッダ内に埋め込まれる。2Dウィンドウ244の2Dデジタル画像内に表されるそれぞれのオブジェクトは、2Dプリミティブ、通常は、壁に対しては線、またはドア、窓、もしくは他のオブジェクトに対しては矩形によって表される。2Dウィンドウ244内のデジタル画像によって表される形状は、2Dのみのデータ(3D関連表現を有しないデータである)または3D関係オブジェクトとも称される、3D関連表現を含むデータのいずれかとすることができる。3D関係オブジェクトは、2Dウィンドウ内にリアリスティックに表示可能でないタイプ、配向、地面から離れた位置、およびオブジェクトの高さに関係する追加情報を有する。
実縮尺3次元仮想デジタルモデル画像の作成
上で述べたように、元のラスタ2D間取り図に埋め込まれている縮尺情報も、実縮尺3次元デジタルモデル画像を構築するために使用され、特に、縮尺情報は、シーングラフを介して関連付けられている3D仮想モデルに変換される。2Dウィンドウ244に表示される元の2Dデジタル画像上に図形的に重ね合わされた3D関係オブジェクトデータを使用して、3Dウィンドウ242に表示される3Dデジタル画像/3Dデジタルレンダリングを作成する。2Dデータセット内のそれぞれのオブジェクトを評価して、3D関係オブジェクト内に含まれる情報を抽出し、そのオブジェクトに関連付けられている事前定義されたモデルをシーングラフに付け加える。(壁を表す2Dデータ注釈オブジェクトは、独立し、関連付けられているモデルを有しない。2D壁注釈は、実縮尺3D幾何学的形状要素内に直接押し出される。)次いで、位置座標情報を使用して3Dオブジェクトを配列し、3Dオブジェクトデータ構造体を作成し、3D構造体へのポインタを関連付けられている2Dオブジェクトデータセットに加える。
ユーザは、3Dデジタル画像を使用し、コンピュータマウスを使って、建物の3D仮想モデルを手動でナビゲートし、3Dウィンドウ242上に表示されているモデルの部屋および廊下を仮想的に歩いて通り抜けることができる。3Dウィンドウカメラを3Dウィンドウ242とともに使用することで、3D仮想モデル内に取られた経路の表示を補助する。3Dウィンドウカメラは、3Dウィンドウ242内に提示される構造のビューを定義し、カメラの視点からシーンをレンダリングするように場所にセッティングすることができる。3D仮想モデル内に取られた経路を、仮想移動カメラが人の頭部に位置しているかのように見ることができる。
表示/ビューワ240、3Dウィンドウ242、および2Dウィンドウ224は、協調して作業するように設計される。例えば、3Dウィンドウ242および2Dウィンドウ224は、アプリケーションシェル(親アプリケーション)243の子アプリケーションであるものとしてよいか、または2つの別々のアプリケーションを第3のアプリケーションに結び付けることができるか、または3つすべてのアプリケーションを一緒に結び付ける。その結果、表示/ビューワ240を使用することで、ユーザは、2Dウィンドウ244内の間取り図の2Dデジタル画像および間取り図242の構造物およびオブジェクトの関連付けられている3Dデジタルモデル画像を同時に表示できるだけでなく、一方のウィンドウ内で実行するアクションをリアルタイムで同期させ、それを他方のウィンドウに表示することもできる。さらに、表示/ビューワ240と一緒に使用されるツールを使用することで、ユーザは、デジタル画像からの情報を操作するか、または導出することができる。オプションとして、本発明を利用することで、ユーザは、一方のウィンドウ242(図15を参照)または244(図16を参照)を開き、開いているウィンドウのみを使用してデジタル画像を操作することができる。開いているウィンドウ内で行われたすべての変更または他の入力は、例えば、3Dウィンドウ242および2Dウィンドウ242内で行われたすべての変更を管理するために親アプリケーションが使用される場合に親アプリケーション243(図17を参照)によって追跡され、閉じているウィンドウに再び開いたときに中継される。
表示/ビューワ240の3Dウィンドウ242および2Dウィンドウ244は縮尺に忠実であり、座標に関してマッチし、リアルタイムでリンクされ、それぞれの3Dおよび2Dウィンドウ242、244内の画像間の相互作用をもたらす。オブジェクトの正確な同期状態を維持するメカニズムは、一方のウィンドウ242、244からの縮尺、選択イベント、および座標を他方のウィンドウ244、242にそれぞれ関連付けることによって実現される。
縮尺を使用した同期化
上述のように、元の画像/ドキュメントの縮尺情報は、デジタル画像ヘッダ内に埋め込まれている。このデータは、デジタル画像ビューワ240によって取り出され、使用される。3Dデジタル画像は、2Dデジタル画像に関連付けられ、またそれに基づいているので、実縮尺値は2つのウィンドウ242、244において同じである。いくつかの実施形態では、ウィンドウ242、244の間の縮尺は、異なっている可能性がある。そのような場合、縮尺を一方のウィンドウから他方のウィンドウに変換するためのアルゴリズムを使用するとよい。
選択イベントを使用する同期化
選択イベント同期化は、それぞれのオブジェクトの移動または位置変更(ユーザ入力)がソフトウェアの選択/変換イベントを発生させるという事実を利用する。これらの選択イベントからは、オブジェクトに対する識別および更新された位置が得られる。ユーザがどのウィンドウを使用するかに応じて、一方のウィンドウ内でユーザによって引き起こされる選択イベントまたはアクションは、他方のウィンドウ内で同時に繰り返される(再描画を引き起こす)。一般に、オブジェクトが移動されると、選択されたオブジェクトにフラグが立てられ、2D選択イベントリストは、フラグを立てられた/選択されたそれぞれのオブジェクト(ログに記録される選択イベント)をカタログ化したものであり、対応するウィンドウ内の2D選択イベントリストを使用して更新に影響を及ぼす。選択イベントを生成するためにどのウィンドウを使用するかに応じてこのプロセス内に変更形態が存在する。
2Dウィンドウ内のオブジェクトに加えられる変更
ユーザが2Dウィンドウ244内で1つまたは複数のオブジェクトに変更を加えた場合、選択されたオブジェクトによってフラグが立てられ、フラグを立てられたオブジェクトは、2D選択イベントリストに入れられる。Idle State Processing Programは、親アプリケーションの一部であり、その後、3Dデジタル画像を更新するために使用される。例えば、2Dウィンドウからオブジェクトを削除する場合、Idle State Processing Programは2D選択イベントリスト内を順に見て、フラグを立てられたオブジェクトをチェックし、シーングラフ内のフラグを立てられている2Dオブジェクトの対応する3D表現を削除する。3Dデータは、3Dデジタルモデル画像の更新時に実2Dデータから変換されるときに削除される。
次いで、更新された情報を含む2D選択イベントリストを繰り返し参照し、新しい3Dオブジェクトを生成して、シーングラフ内に配置する。したがって、オブジェクトの3D表現への変更を有効にするために、これをシーングラフ内に配置し、それのデータを更新し、シーングラフを再レンダリングしなければならない。シーングラフが類似のオブジェクトタイプの緩いグループとして編成された場合、オブジェクトの置換は直接的であり効率的である。シーングラフは、更新が行われても選択イベントが記録される影響を受けたオブジェクトのみをシーン全体で再レンダリングしないように操作することができる。
スラッシング(オブジェクト移動毎に再レンダリングを過剰に行う)を防ぐために、Idle State Processing Programは、ユーザからの選択イベント、変更、または入力がないときなど、アプリケーションにおけるアイドル状態がシステムによって検出されたときのみ起動される。ここで、Idle State Processing Programが開かれると、3Dデジタル画像を更新するためにシーングラフに変更が加えられる。不要な変更は、どのオブジェクトが選択されているかを追跡することによってさらに制御される。3Dと2Dの両方のデータセットが現在選択されているオブジェクトのリストを含み、変更されるのはより小さなリスト内にあるオブジェクトのみである。したがって、3Dデジタル画像が更新された後、3D側変更選択イベントが2D側の変更をトリガするのを防ぐためにフラグを立てる。
3Dウィンドウ内のオブジェクトに加えられる変更
ユーザが、3Dウィンドウ242内のオブジェクトを移動または回転すると、選択イベントがトリガされ、シーングラフ内の3D選択済みオブジェクトによってフラグが立てられ、3D選択イベントリストが作成される。3Dウィンドウ242内で生じる選択イベントはオブジェクトの識別を有し、実行されるアクションのために情報を変換する。変換は、3Dオブジェクトに適用された新しいX、Y、およびZ位置および回転角度情報である。変換は、3D選択イベントリスト内の選択された2Dオブジェクト(複数可)のみに適用される。ここで、2Dウィンドウ244で開始した変更とは異なり、選択された2Dオブジェクトデータは削除されず、むしろ、2Dデータが実またはソースデータとして処理されるので直接修正される。
選択された2Dデータは、2Dウィンドウ244内で2Dデジタル画像または表現を正しく示すために必要な知られている倍率ならびに位置および配向情報を使用して更新される。z軸の回転または垂直位置情報などの追加の情報は、2Dウィンドウ内に示すことはできず、オブジェクトのデータセット内に保存される。
ここでもまた、Idle State Processing Programが活動がないことを検出した後に更新を実行するように2Dデジタル画像背景内で変更を実行し、すでに更新されている2Dデジタル画像構成要素の新しい位置がさらなる3D選択イベントをトリガするのを防ぐフラグを立てる。
座標を使用した同期化
デュアル3次元/2次元画像表示/ビューワ240の座標に関するマッチ機能は、レンダリングされない数学的に正確なグリッドシステムに基づく。3Dおよび2Dデジタル画像のそれぞれは、その上に位置するレンダリングされないグリッドを有し、これはドキュメントの正確なピクセル寸法を反映する。表示/ビューワ240におけるそれぞれのウィンドウの座標系は、0,0点として通常は間取り図の左上隅である共通の参照点または相互参照点にリンクされる。
そのため、2000W×1500Hピクセルのドキュメントは、その上に対応する2000×1500の空間グリッドを有する。このグリッドは、描画されないまたは見られない計算された仮想エンティティであり、任意の軸上で無限に延在できる。ドキュメントの全体を0%ズームで表示する場合、ドキュメントの左上隅は、0Y(縦軸)、0X(横軸)であり、該当する場合には、0Z(3次元軸)である。
表示/ビューワ240のそれぞれの2Dウィンドウ244および3Dウィンドウ242内に表示されるデータオブジェクトの座標位置のリンクは、レンダリングされないグリッドに依存する。座標系のリンクは、双方向の関係を構成する。そのため、3Dウィンドウ242内で、手動でもしくはプログラムにより、オブジェクトが移動されるか、または注釈が付けられる場合、2Dウィンドウ244内の対応する2Dグラフィック表現は同時に近づき、またその逆もある。
表示/ビューワ240に固有の座標系において、ピクセルの個別の集合に図形的に着色することによるリンクで、選択された形、線、または点にマークを付けることができる。実際、点マーカは、1ピクセルW×1ピクセルHと小さいものとしてよい。ピクセルは、分割できない決定的なサイズを有するので、線および形のグラフィック表現は常に推定である。
座標系により、相対的位置を定義し、他の相対的または任意の位置に対応させることができる。本発明の座標系は、緯度と経度を含む測地系、例えば、GISシステムなどの外部システムの座標によって定義された現実世界の位置に対応することすらありうる。表示/ビューワ240は、ウィンドウ242、244によって共有される座標系によって外部座標グリッドおよび縮尺が変換できる限り第3の、つまり外部座標系から座標入力を受け取ることができる。そのような変換は、本質的に異なる座標系の縮尺を変換し、少なくとも1つの共通基準点を定義することによってなされる。好ましくは、複数の共通基準点を設定する。
外部座標系を使用することによって、本発明を利用するユーザは、測地系に基づきアセットもしくはオブジェクトの位置を記述する座標データを受け取り、それらの座標を構造物を表す3Dウィンドウ242および2Dウィンドウ244上の正確な位置に変換することができる。
実際、2Dウィンドウ244内に図形的に定義されている点は、グリッドと相対的な実縮尺計測サイズがデジタル画像ヘッダに埋め込まれている縮尺データから結果として得られるため特定の座標位置を有するように計算されうる。
本発明では、文脈的および構造的に連結されている画像情報を組み合わせることで、ユーザが構造物に対する高い状況認識を持ち、インテリジェンス情報に基づき構造物内をナビゲートできるようにする。例えば、ユーザは、3Dウィンドウ242内で目前の実縮尺空間環境(部屋がどのように見えるかということとともに)ならびに2Dウィンドウ244上に表示される2D画像に示されているような正確な実縮尺配向(終点/目標に関して)および建物内の現在位置を同時に確認することができる。
ビューワ240のツールと組み合わせたときの3D/2D表示/ビューワ240の座標にリンクした二重性および同時性により、ユーザはそれぞれのウィンドウ242、244内のデジタル画像をインタラクティブに操作し、それにより環境をより的確に把握できる。ユーザは、ルートを手描きし、そのルートを体験し(仮想ウォークスルー)、仮想ウォークスルーにおいてそのルートの環境を記述し、2Dビューポートにおけるアセット配置に対するリアルタイムの位置指標を確認し、オブジェクトと場所との間の、または表示され保存されたナビゲート経路の実縮尺計測結果を得ることができる。また、いったん構造物の3D画像ナビゲーションを記録することができれば、これは、標準的なビデオファイル出力を使用して配布可能にすることができる。
ツール
表示/ビューワ240とともに使用されるツールとしては、限定はしないが、基本縮尺計測計算機22、正確な彩色された注釈をデジタル画像に入れることができる基本図形描画ツールセット、Find Shortest Path Tool 300、Path Barrier Tool 360、Door Detection Tool 330、およびEvacuation Simulation Toolが挙げられる。これらのツールは、親アプリケーション243によって管理され、いずれかのウィンドウ242、244内で使用することができる。
描画ツール
上述のように、描画ツール410を使用することで、ユーザはベクトルまたはラスタグラフィック描画で線、形、および点を構成することができる。次いで、これらの描画を元の描画、デジタルドキュメントの上のレイヤに提示する。本発明の表示/ビューワ240を使用することで、ユーザは、基本描画ツールを使用して2Dウィンドウ244上に経路を描き、その同じ経路を正確に、プログラムにより、3Dウィンドウ242内にレンダリングさせることができる。3Dウィンドウ内に示される経路は、文脈的に正しく、縮尺に忠実であり、構造物の正確な計測結果を反映する。3Dウィンドウ242内で仮想的に歩いて辿るルートは、以下で説明するように、ユーザ生成アニメーションとして画像に記録し、保存し、再生することができる。
Find Shortest Path Tool
図18Aを参照すると、Find Shortest Path Tool 300は、アルゴリズムを使用し、3Dウィンドウまたは2Dウィンドウのいずれかの中の選択された点の間の最短経路を自動的に計算し、その経路を画像としてプロットすることを可能にする。このFind Shortest Path Toolは、デジタルドキュメントの間取り図画像内に存在するマップマトリックスおよび距離/面積データを変換するという形で動作し、その最短経路を自動的に計算する。計算された最短経路および関連付けられている経路の実縮尺計測は知られており、TIFF画像のヘッダ内に埋め込まれている縮尺の結果として計算することができる。
実際、ユーザは、Find Shortest Pathツール300を選択し、次いで、選択されたウィンドウ内の1つのデジタル画像上の始点および終点を図形的にマークする。例えば、緊急時対応要員は、始点302を建物内の戸口であるものとしてマークし、終点304を犠牲者または人質がいると言われているコンピュータ講義室であるものとしてマークし、Find Shortest Pathツール300を使用して、それら2地点間の最短経路306を計算することができる。図18Aおよび18Bを参照のこと。ツール300は、図18Aおよび18Bに示されているように、単一の階で、または複数の階にわたって使用することができるが、これについては図18Cに示されているようにFind Shortest Pathツール301を参照されたい。ツール301を複数の階にわたって使用する場合、これはルートの計算時に建物固有の非常階段吹き抜けの集まり、入口および出口を識別し、トラバースする。始点312、終点314、およびルート316を示す図18Cを参照のこと。
ツール300、301は、建物の階が視覚的に、または物理的に遮られているときであっても緊急時対応要員または他の要員が戸口から階段吹き抜けへナビゲートするのを補助することができる。このFind Shortest Pathツールは、緊急時対応要員が現地到着前または建物の内部構造の事前の知識がないときであっても建物内部の避難場所への最速ルートを決定するために使用することができ、貴重な時間を節約できる。
好ましい一実施形態では、最短経路は、構造図面を通る正確な計算された経路を辿る着色された線306によって2Dウィンドウ244内に、また赤色の3Dフローティングポリライン形状308によって3Dウィンドウ242内に表される。図18Bを参照のこと。実縮尺計測経路の画像表示も示されている。経路が計算され、3Dウィンドウ244と2Dウィンドウ242の両方に画像としてプロットされた後、ユーザは、3Dウィンドウカメラを好ましい構造入口点に位置決めし、最短経路の開始位置を容易に可視化し、識別することができる。最短経路のマーカおよび経路指示が、消防隊に伝達されるか、または現場で消防隊自身によって取得されうる。それに加えて、計算されたルートは、ウォークスルーアニメーションとして自動的に再生され、これにより、緊急時対応要員はルート全体およびすべての建物の構造要素、注目するオブジェクト、および通り道にある危険物を確認することができる。
Path Barrier Tool
図19は、特定のエリアを通過するのを妨げる通路の障害物および危険物を図形的にマークするため、または一般的危険マーカとして使用される、Path Barrier Tool 360を示している。ユーザは、Barrierツールを選択し、次いで、いずれかのウィンドウ内で影響のあるエリアを図形的にマークし、ウィンドウデータセット内への拡大縮小される視覚的な「Do Not Enter」マーカのプログラムによる配置をトリガする。このアクションは、それぞれ、3Dシーン364および2Dシーン362の視覚的幾何学的形状を正確に変え、Find Path Toolによって使用されるマップマトリックスの構成を数学的に改変する。
遮られているエリアが画像もしくはレンダリングの少なくとも1つにおいてマークされた後、本発明により、縮小されたルートオプションを完全に考慮して最短経路オプションを自動的に、または手動で、再計算し、視覚的にレンダリングすることができる。このツール360は、リアルタイムイベントおよび本発明のユーザインタラクションを利用して戦術的対応計画および命令を瞬時に正確に更新し、マップおよび計測データを現場特有のリアルタイムの文脈的なインテリジェンス情報に変換するために緊急時対応要員によって使用されうる。
Door Detection Tool
Door Detection Tool 330は、例えば、3Dウィンドウ242とともに使用することができ、また選択された経路内のドアを自動的に、またプログラムによりカウントするために使用されるか、または本発明のユーザによって仮想的に受け渡される。図20を参照のこと。現在までのカウントを3Dウィンドウ内に表示しこのツールのユーザに見せることができる。例えば、ダイアログボックスが現れ、左ドアのカウント332および右ドアのカウント334のそれぞれを示すことができる。ドアカウントの合計が、消防隊に伝達されるか、または現場で消防隊自身によって取得されうる。消防隊は、Door Detection Toolを使用して、ドアの数をカウントするか、または選択された経路内のドアの配置を判別し、それらが右の経路にあることを確認することもできる。したがって、Door Detection Toolは、視認性の低い環境を通るナビゲーションを緩和するのにも役立つ。
3D Record Path Tool
表示/ビューワ240は、3D Record Path Tool 350を使用することもできる。図21を参照のこと。このツール350は、3Dウィンドウ242で使用するのが最良であるが、いくつか修正すると、このツールを2Dウィンドウ244で使用することも可能である。
3D Record Path Tool 350を使用すると、アプリケーションユーザは、3Dウィンドウ242に表示されるすべての仮想的移動およびシーンを画像に記録することができる。3D Record Pathツールをオンにすると、3Dデジタル画像内の3Dカメラの実縮尺始点352、取られた正確な経路354、および現在位置356が、2Dウィンドウ244内に示されている2Dデジタル画像間取り図上に同時に、リアルタイムで図形的に表示される。3Dウィンドウ242は、2Dウィンドウ内に示されている経路354の3Dビューを示す。参照番号358は、2Dウィンドウ244内に示されている経路354の現在位置356で取った3Dビューを示す。したがって、ユーザが3D間取り図モデル内を仮想的に歩いて通り抜けるときに、ユーザの仮想的位置は、元の2D間取り図上の正確な座標に直接関連付けられる。また、経路の長さの正確な実縮尺計測を計測ボックス400内に示すことができる。
2Dウィンドウ244で使用されている視覚的マーカは、2D画像の上の視覚的レイヤ内に描画される赤線としてよい。赤線は、本質的に、ユーザが3Dビュー内で歩く経路を辿るものであり、道にそってマーカ点またはルートノードをプロットする。本発明とともに計測ダイアログを使用することで、埋め込まれている縮尺データを使用してリアルタイムで記録されている経路の正確な測定された長さを表示することができる。
3D Record Pathツールが停止した後、ユーザは、始点および終点とともに取った正確な経路を見るだけでなく、3Dウィンドウ242内で歩いた仮想的3D経路を再生するか、または3D画像シーケンス全体、つまり、動画を標準の.avi、mp4、または各種の他の標準動画形式で保存して配布することができる。
3D Record Path機能は、さまざまな状況および文脈において使用することができる。例えば、ユーザは、博物館のある区画の紙の図面をスキャンすることによって博物館の間取り図の正確な、原寸に比例した仮想モデルを作成することができる。3Dデジタル画像を作成するときに、家具、彫刻、および壁掛けの美術品を正確にモデル化し、3D博物館間取り図内に表すことができる。次いで、アプリケーションユーザは、仮想3D博物館内を歩き、3D Record Pathツールを起動して、取られた経路の正確な画像表現(または動画)を表示することが可能である。これは、博物館の客を博物館展示に案内するか、または遠隔地の博物館学芸員が表示されている博物館のところに物理的に存在していなくても別の国の正確な博物館レイアウトおよび美術品レイアウトを見ることができるようにするために使用することができる。このツールは、資料および仮想美術展のマーケティングを行うだけでなく、現地訪問する費用をかけることなく離れた場所から美術展全体の主事を務めるために使用することも可能である。
別の例では、緊急時対応要員が、非常事態の際に建物の内部レイアウトに対するきわめて有益な洞察を得るために3D Record Path Toolを使用することが可能である。3D Record Path Toolを使用することで、現地で集められた戦術的情報を3D間取り図モデルと併せて使用し、ユーザが避難場所の詳細な完全に、原寸に比例した画像による案内を得られるようにすることができる。また、このツールを使用することで、ユーザは、構造物内の入口または出口ルートをプロットし、経路の全長を実縮尺3Dアニメーションで自動的に表示し、本発明を使用してのみ可視化され、デジタル画像内に組み込まれうる建築および危険要素に基づきナビゲーション経路をインテリジェンス情報に従って調整することができる。これらの記録された3D間取り図の可視化は、レンダリングされる情報および指揮統制下にあるプレゼンテーションの新規性のある方法に基づきさらなる戦術的決定を下すために使用されるか、または現地の緊急時対応要員向けの事前計画案内として現場に送出することができる。これらの使用はすべて、縮尺がTIFFヘッダ内に埋め込まれているので正確な縮尺および計測データを全体にわたって保持する。本発明のツールを使用して作成されたラスタ画像は、プロセス全体およびエンドユーザの活動全体を通して実縮尺を維持しながら一方のソースから別のソースに伝送されることにも留意されたい。
Evacuation Simulation Tool
Evacuation Simulation Toolを使用することで、3D/2D同期ビューワ240のユーザは最短経路ツール300によって計算されたデータをより大規模なシミュレーションに拡張することができる。本質的に、最短経路がShortest Path Tool 300によって計算され、経路が3Dおよび2Dビューポートに図形的に表示された後、エンドユーザは、3Dまたは2Dウィンドウ内の経路を選択し、右クリックメニューを通じて新規機能をアクティベートすることができる。
このEvacuation Simulationツールは、建物の3D/2Dデータセット内に符号化されている人口密度データを利用して、最短経路始点の付近にいる人の数を記述する。次いで、Evacuation Simulationツールは、tiffヘッダ内に埋め込まれている実縮尺寸法情報を使用して、周辺エリアおよび推定人口がいるエリアの寸法を計算する。次いで、Evacuation Simulationツールを、仮想群衆シミュレーション、点粒子法、または群れアルゴリズムと併用して、すべての構造的障害を通り最終経路位置に至る計算された実縮尺最短経路にそって人口密度データ内に符号化されている推定総数の人々を移動するのに要する時間を計算する。ユーザは、建物の3Dおよび2Dデータセット内の推定人口密度データを変えることになる時刻または出来事の記述のいずれかをシミュレート/選択する。次いで、シミュレータは、経路がトラバースする建物のさまざまな部分に対する準備された密度情報を考慮する。最終使用に対する、さらには、仮想的な人々のグループが避難ルートにそって移動する状況を示す動画再生を実行する機能に対する時間推定値が返され表示される。
上述のツールのそれぞれは、単独で、または組み合わせて使用することができる。例えば、ユーザは、Find Shortest Path Tool 300、301と3D Record Path Tool 360とを併用し、対応するウィンドウ内に同時にプロットされている一方のウィンドウ内の最短経路を辿るだけでなく、3Dデジタルレンダリングから取った選択された経路の記録されている動画を表示することもできる。
本発明を使用することで、ユーザは、現地で指摘されている追加の危険物、障害物、または他のデータの存在をデジタル画像に手動で記録するか、または3D Record Path Toolからの記録された3D仮想経路の再生を見ながら記録することもできる。次いで、この追加の情報を、現実世界の建物の場所の内側または内部にいる、さもなければ建物の出入りを素早く行える場所にいる他の緊急時対応要員に配布/中継することができる。この機能により、緊急救助隊のリーダーおよび指揮統制担当者は、その対応計画を、本発明を使用して新しい情報が得られるのに合わせて継続的に更新することができる。情報は、一部は、本発明を使用しないと、エンドユーザには利用できない。
現実世界の緊急時対応要員の追跡
実縮尺の、座標に関してマッチし、リアルタイムでリンクされた、3次元/2次元画像デュアル表示/ビューワ240を使用して、現実世界のオブジェクト(アセット)を追跡し、それと同時に、その位置を、2D間取り図上に、3Dウィンドウ242内の対応するオブジェクトとして図形的にマークすることができる。文脈的に関係する可視化環境のこのような組み合わせによって、データの2つの独立したストリームを1つの首尾一貫した情報に変換することができる。
実際、緊急時対応要員は、送信機/受信機デバイスを装備することができる。これらのデバイスは、測位方法を使用して、何らかの拡大縮小される座標ベースのシステムに関してアセットがどこにあるかを識別する。例えば、上述のように、アセット座標は、GPS測地系に関して、またはグリッドエンティティを作成しアセット位置を局所的グリッド内の座標に結びつける局所的配置グリッドに関して得ることができる。
例えば、緊急時対応要員は、建物の外部にある受信機位置または防災信号反復および増幅ユニットを装備することができる構造物内にすでに存在している受信機に対して位置または識別信号を受信/送信することができるGPSデバイスを装備することができる。これらの信号反復および増幅ユニットは、低強度/低出力の個人用GPSデバイス信号を拾い、それらの信号を外部受信機に再送して、位置データを計算できるように設計されている。
別の例では、緊急時対応要員は、無線送信機および受信機を装備することもでき、これはアセットタグと称することができる。当技術分野で知られているシステムでは、コンピュータに接続された局所的なモバイルトランシーバセットは、無線信号を送出し、アセットタグから返される信号を受信する。本発明では、アセットまたは緊急時対応要員の座標を検出する際に、当技術分野で知られている三角測量法または多角測量法を使用することができる。実装されるシステムのタイプに応じて、アセットタグ位置は、アセットタグおよび受信機ステーションのタイプ、強度、およびブロードキャスト到達範囲に応じてさまざまな方法により局所的グリッドに関して決定することができる。
オブジェクトの位置(緊急時対応要員の位置など)が上で説明されている方法を使用して計算された後、本発明の座標系に揃えて座標グリッドおよび縮尺を変換することができる。すべての座標系で共通の基準点を、この点に関して位置をプロットできるように設定する。
緊急時対応要員のアセット座標データは、本発明の3D/2D画像デュアル表示/ビューワ240を使用して同時に図形的にレンダリングすることができる。アセット位置座標データが更新されると、オブジェクトまたは緊急時対応要員の位置も、3Dおよび2Dデジタル画像内で更新される。
表示/ビューワ240および本発明のツールを使用すれば、ユーザは、従来技術では実現されない方法によりレンダリングされたオブジェクトの(またはアセットの)位置を見ることができるようにすることによって文脈的な3D/2D可視化環境を把握することができる。本発明は、解析ツールとしても有用である。例えば、アセットが、障害が生じている、危険な、または視覚的に損なわれている状況で構造内をナビゲートする場合、直接的な危険、ルート完結の割合、および現地で条件が変わったことに対する代替的ルートを、本発明によって変換された情報により、評価し、それに対応することができる。
以下の非限定的な例を使用して本発明を説明する。
4階建て構造物の3階に火災発生の報告がある。緊急時対応要員は、ラップトップ28aを使用して、現地でまたはその建物に向かう途上で火災発生の建物の間取り図データにアクセスする。階が特定された後、緊急時対応要員は、表示/ビューワ240を使用して所望のデジタル画像を開き、すべて同時に実行されうるいくつかの異なる方法でデータを操作することができる。
ユーザは、デジタル画像表示/ビューワ240の2Dウィンドウ244を使用して構造物のすべての入口および出口点を識別し、Find Shortest Path Toolを選択して、階のある地点から出口点までの最短最速経路を決定することができる。経路が計算され、3Dウィンドウ242と2Dウィンドウ244の両方に画像としてプロットされた後、ユーザは、3Dウィンドウカメラを好ましい構造物入口点または建物内のその現在位置に置き、計算された経路を表示させることができる。3D Record Pathツールをこの時点で使用し、建物の3Dデジタル画像(3D仮想モデル)内で取られた経路を記録することができる。このビデオを再生するか、または有線もしくは無線方式で他の緊急時対応要員に配布することができる。作成される標準動画形式に固有のものであるが、このタイプのシステムによって変換されたユーザ生成コンテンツのエンドユーザは、画像によるインテリジェンス情報を共有するためにシステムユーザ自身である必要はない。
緊急時対応要員が受け取るリアルタイムの現地デートが、Find Shortest Pathツールによって示される経路に障害物があるか、または取ることができないことを示している場合、ユーザは、Find Shortest Pathツールを使用して出口点への別の経路を計算することで経路のルート変更を行うことができる。対となるBarrier Tool 360を使用することで、ユーザは、3Dまたは2Dウィンドウで現地緊急時対応要員によって識別された危険/障害物をマークし、障害物の、原寸に比例した画像表現の同時挿入をトリガすることができる。この画像表現は、世界標準の緊急事態シンボルを使ってマップされた実際の障害物またはテクスチャ化された幾何学的形状とすることができる。ユーザは、マップされた環境のデータパラメータを変更し、最終的に、インテリジェンス情報および基礎となるドキュメント画像データから計算される計測済みルートオプションに影響を及ぼす複数の、原寸に比例した障壁をマークすることができる。最後に、煙の充満している階を探す途中の緊急時対応要員を支援するために、Door Detection Toolを使用して、所望の終点にたどり着くまで戸口または入口通路の数をカウントすることができる。このデータは、戦術的検証がナビゲーションに必要になる視覚的に損なわれている環境にとって不可欠である。このデータは、ほとんどどのような典型的な建築間取り図にも見られるが、データが意味のあるものとなるように、または有用なインテリジェンス情報が得られるように所望のルートにそって手作業で表にしなければならない。本発明を使用すれば、従来技術のこのような重大な欠点を克服できる。
建物が内部に受信機/増幅器を装備しており、また内部攻撃に関わる、または火災発生ホットゾーン内のレスキュー会社の一部として関わっている緊急時対応要員がGPSデバイスまたは無線送信機を装備している場合、外部の要員は、建物の3階の中にいる緊急時対応要員の正確な座標を視覚的に追跡し、緊急事態の新たな発生または変更を口頭で指令するか、またはシステムの画像表示に基づく追加情報を用いて、建物の内部で発見し外部の要員に報告する状態に緊急時対応要員が対処するのを支援することができるものとしてよい。
本明細書に記載されている本発明の多くの修正形態および他の実施形態は、本発明が関係する当業者であれば前記の説明および関連する図面に提示されている教示を利用して思い付くものである。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されず、また修正形態および他の実施形態は、付属の請求項の範囲内に含まれることを意図されていることは理解されるであろう。本明細書では特定の用語が使用されているけれども、これらの用語は、一般的で説明的な意味でのみ使用され、制限することを目的としていない。