JP5844319B2 - 緊急時炉心冷却バックアップ設備 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電プラントに設置される非常用炉心冷却装置を有する工学的安全施設の緊急時炉心冷却バックアップ設備に関する。
原子力発電プラントにおいては、原子炉施設の破損や故障等によって、原子炉内の燃料の破損等が起こり、多量の放射性物質が放散される恐れがある。このような事態を抑制または防止するために原子力発電プラントでは工学的安全施設が配備されている。
工学的安全施設には非常用炉心冷却装置(ECCS)、原子炉格納容器(隔離弁を含む)及び原子炉格納容器雰囲気浄化系統が含まれる。これらの設備は、動的機器の単一故障または静的機器の単一故障のいずれを仮定しても、所定の安全機能を果せるよう多重性を有している。また、外部電源喪失時には非常用ディーゼル発電機が作動し、所定の安全機能が果せるようになっている。また、工学的安全施設の主要部分は試験および検査が定期的に行える設計となっている。
しかしながら、設計・検討レベルで起こり得るとされていた全交流電源喪失とECCS機能喪失が、福島第1原子力発電所事故で現実となった(バッテリーによる直流電源のみに頼らざるを得なくなった)。緊急事態となったこの事故において、炉心冷却のための原子炉圧力容器への注水は最重要課題であり、困難を極めた。その際、原子炉圧力容器への注水作業の一部として、ホウ酸水注入系(SLC)のラインからの注水が試みられたが、注水量が少なく、ほとんど効果がなかった。SLCラインは、中性子を吸収するホウ酸を水と一緒に原子炉圧力容器内(または原子炉格納容器内)に注入するためのラインである。これにより、原子炉内の核分裂反応を抑え、未臨界にするまたは再臨界を防止する。
上記SLCラインにおいて、原子炉圧力容器への注水の効果が上がらなかったのは、SLCラインでの送液のためのポンプがプランジャポンプであったという理由が挙げられる。SLCラインに備えられたプランジャポンプは、プランジャーの往復運動(ピストン運動)で液体を輸送する。この特性上、プランジャポンプは、緊急時において原子炉圧力容器への注水に用いるには、送液のスピードも量も必要十分ではなかった。
従来技術として、特許文献1には、沸騰水型原子炉設備において、制御棒駆動機構(CRD)を作動させる水圧制御ユニットへ駆動水を圧送するCRDポンプからの高圧水を直接、原子炉圧力容器内へ注入できる配管を備える構成が開示されている。沸騰水型原子炉設備において、制御棒駆動機構(CRD)は、原子炉圧力容器下方に備えられている。CRDは、原子炉内の核分裂反応を調整または停止させる制御棒を水圧駆動する。そのため、水源(復水貯蔵タンク)から制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)を介して駆動水が供給される。CRDポンプは高揚程及び高水圧が要求されるポンプであり、このCRDポンプから供給される高圧水を直接、原子炉圧力容器内へ注水できる独立したラインを設けることによって、緊急時の際の原子炉圧力容器への注水に有用となる。
特開2003−344576号公報
特許文献1のように、CRDポンプ下流側の配管を分岐し、原子炉圧力容器に注入配管を直接接続する構成では、原子炉圧力容器自体への新たな独立配管の接続を伴い信頼性の問題やコストが増大する。また、既設の圧力容器にノズル配管を溶接することは技術的には不可能に近い。
本発明の目的は、原子炉圧力容器自体への新たな独立配管の接続を伴うことなく、制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)から供給される高圧水を、非常用炉心冷却装置(ECCS)の系統に有効利用できるような、緊急時炉心冷却バックアップ設備を提供することである。
本発明は、CRDポンプ下流側とSLC(ホウ酸水注入系)とを結ぶラインを設け、沸騰水型原子炉設備における制御棒駆動機構(CRD)の系統を、非常用炉心冷却装置(ECCS)の系統に寄与させる。本発明は、次に記載する構成を備える。
(1) 本発明に係る実施態様は、沸騰水型原子炉設備の原子炉圧力容器への注水を行う非常用炉心冷却装置を有する工学的安全施設の緊急時炉心冷却バックアップ設備であって、前記原子炉圧力容器の底部から挿入または引き抜き動作される制御棒を駆動制御する制御棒駆動機構を作動させる水圧制御ユニットに駆動水を圧送する制御棒駆動水ポンプと、水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を前記水圧制御ユニットに供給する駆動水ラインと、前記工学的安全施設の一つとして備えられ、ホウ酸水注入ポンプを作動させてホウ酸水注入ラインにホウ酸水を供給し、前記原子炉圧力容器にホウ酸水を注入するホウ酸水注入系と、前記駆動水ラインにおける前記制御棒駆動水ポンプの下流側と前記ホウ酸水注入ラインにおける前記ホウ酸水注入ポンプの下流側との間をバイパスし、必要に応じて前記水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を冷却水として前記ホウ酸水注入ラインに供給することにより、前記原子炉圧力容器への注水を可能とするバックアップ用注水ラインと、を備える。
上記(1)に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備によれば、例えば原子炉施設の事故時に燃料被覆管の大破損やそれに伴う核分裂生成物の放散を防止もしくは抑制するための工学的安全施設として、バックアップ用注水ラインが追加される。これにより、工学的安全施設または非常用炉心冷却装置のいっそうの多重化に貢献する。このバックアップ用注水ラインは、制御棒駆動水ポンプから供給される高圧水を、ホウ酸水注入ラインを介して原子炉圧力容器内へ注水できるラインであり、ホウ酸水注入ポンプを作動させるよりも効率のよい注水ラインが確立できる。
(2)本発明に係る他の実施態様は、上記(1)による緊急時炉心冷却バックアップ設備において、前記工学的安全施設の一つとして備えられ、高圧炉心スプレイポンプを作動させて高圧炉心スプレイラインに冷却水を供給し、前記原子炉圧力容器の内部の炉心燃料集合体上に冷却水をスプレイして炉心を冷却する高圧炉心スプレイ系と、前記バックアップ用注水ラインより分岐して前記高圧炉心スプレイラインにおける前記高圧炉心スプレイポンプの下流側にバイパスし、必要に応じて前記水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を冷却水として前記高圧炉心スプレイラインに供給して前記原子炉圧力容器内におけるスプレイを可能とするバックアップ用スプレイラインと、をさらに備える。
上記(2)に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備によれば、バックアップ用注水ラインに加えてバックアップ用スプレイラインが配設される。これにより、上記(1)に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備に比べて、さらなる工学的安全施設または非常用炉心冷却装置の多重化に貢献する。このバックアップ用スプレイラインは、バックアップ用注水ラインから分岐する構成を有し、駆動水ラインでの分岐を避けた構成をとっている。これにより、駆動水ラインでの分岐に起因する配管劣化等の原因を最小限に抑える。
本発明によれば、原子炉圧力容器自体への新たな独立配管の接続を伴うことなく、制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)から供給される高圧水を、非常用炉心冷却装置(ECCS)の系統に有効利用できるような、緊急時炉心冷却バックアップ設備を提供することができる。これにより、工学的安全施設または非常用炉心冷却装置のいっそうの多重化に貢献できる。
本発明の第1実施形態に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。 本発明の第2実施形態に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。 図2の実施形態に係る、より詳細な緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。原子炉圧力容器10は、沸騰水型原子炉設備に配設される。原子炉圧力容器10内の水は、炉心燃料集合体11の核分裂反応で発生する熱により沸騰し、高圧の蒸気Sを発生させる。原子力発電の正常運転については系統100として簡略化して示した。すなわち、蒸気Sは、発電タービンを回すために使用され、蒸気が冷却された復水は、最終的に給水系のラインを介して戻され、原子炉圧力容器10内へ給水される。また、過剰な復水はスピルオーバーとして、制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)14を有する駆動水ラインL1に供給される。
炉心燃料集合体11に対する制御棒の挿入や引き抜きは、原子炉圧力容器10の下方における制御棒駆動機構(CRD)12の水圧駆動で達成され、核分裂の反応度の制御に大きな役割を果たす。水圧制御ユニット13は、CRD12を作動させる。駆動水ラインL1に備えられたCRDポンプ14は、復水貯蔵タンクCSTやスピルオーバーによる水源を用い、高圧の駆動水を水圧制御ユニット13に供給する。一般に、水圧制御ユニット13は、CRD12とともに制御棒の数だけ備えられ、CRDポンプ14は、複数の水圧制御ユニット13に駆動水を圧送する。
ホウ酸水注入系(SLC)は、工学的安全施設の一つとして備えられ、原子炉圧力容器10内の核分裂反応を抑え、未臨界にするまたは再臨界を防止する機能を有する。ホウ酸水貯蔵タンク20からのホウ酸水は、ホウ酸水注入ポンプ21を作動させることによりホウ酸水注入ラインL2に供給され、複数の弁を介して原子炉圧力容器10内の炉心燃料集合体11の下部側に注入される。上記複数の弁については、ここではバルブV1を代表的に示している。バルブV1は、例えば圧力制御逆止弁等で構成される。
また、高圧炉心スプレイ系(HPCS)は、工学的安全施設の一つとして備えられ、特に非常用炉心冷却装置(ECCS)の一つであって、原子炉圧力容器10内部の炉心燃料集合体11上に冷却水をスプレイして炉心を冷却する機能を有する。冷却水の水源30は、復水貯蔵タンク及びまたは圧力抑制プール(後述の図3の71参照)から得られる。水源30からの冷却水は、高圧炉心スプレイポンプ31の作動により高圧炉心スプレイラインL3に供給され、複数の弁を介して原子炉圧力容器10内部に供給される。すなわち、炉心燃料集合体11上に冷却水がスプレイされ、炉心冷却に寄与する。上記複数の弁については、ここではバルブV2を代表的に示している。バルブV2は、例えば圧力制御逆止弁等で構成される。
さらに、自動減圧系のラインADSは、工学的安全施設の一つとして備えられ、特にECCSの一つであって、蒸気逃がし弁SRVを有し、原子炉圧力容器10内の蒸気Sを圧力抑制プール中へ逃がす。これにより、原子炉圧力を速やかに低下させる機能を有する(後述の図3のADS参照)。
蒸気逃がし弁SRVは、複数設けられ、起動圧力設定値と作動保持時間設定値に従って自動作動するように構成されているが、各々手動で開けることも可能である。また、このような蒸気逃がし弁SRVは、遠隔操作弁の機能を有していてもよい。蒸気逃がし弁SRVは、非常時において原子炉圧力を低下させることによって、高圧炉心スプレイ系(HPCS)を健全に機能させることができる。また、ECCSの一つである低圧炉心スプレイ系あるいは低圧注水系(後述の図3のLPCSあるいはLPCI参照)による注水が、早期に可能となるよう寄与する。
本発明では、ECCSの多重化をさらに進めるバックアップ用注水ラインBL1が配設されている。バックアップ用注水ラインBL1は、上述の、制御棒の駆動に関係する駆動水ラインL1におけるCRDポンプ14の下流側での分岐部P1と、ホウ酸水注入ラインL2におけるホウ酸水注入ポンプ21の下流側での分岐部P2との間をバイパスするバイパス配管である。ここで、ホウ酸水注入ポンプ21の下流側での分岐部P2は、少なくともバルブV1よりも下流側に設けられ、より好ましくは、ホウ酸水注入ラインL2の、可能な限り原子炉圧力容器10に近い側に設けられる。
バックアップ用注水ラインBL1は、必要に応じてバルブV3を開き、水源(復水貯蔵タンク)CSTからCRDポンプ14を介して高圧の駆動水を冷却水としてホウ酸水注入ラインL2に供給することにより、原子炉圧力容器10への注水が可能となっている。なお、バルブV3は、圧力制御逆止弁等で構成され、バックアップ注水機能の起動信号等で閉状態から開状態に移行する。また、バルブV3は、遠隔操作弁の機能を有していてもよい。
バックアップ用注水ラインBL1を機能させるときは、水圧制御ユニット13が隔離モードになり、CRD12に水圧が加わらないように遮断される。これにより、CRDポンプ14の高圧水が効率的にバックアップ用注水ラインBL1に供給される。バックアップ用注水ラインBL1は、高水圧に耐えられる配管の材質、構造が選択される。
バックアップ用注水ラインBL1は、例えば、緊急事態に陥った高圧状態の原子炉圧力容器10を冷却し続ける過程において、限られた時間、バッテリー電源(あるいは非常用ディーゼル発電機による電源等)に頼らざるを得ない場合など特に有用である。バックアップ用注水ラインBL1は、CRDポンプ14が作動可能な状態になっていなければならない。したがって、CRDポンプ14の非常用電源として、バッテリー電源や、移動型のものも含む非常用ディーゼル発電機による電源等、CRDポンプ14への電源供給方法のいっそうの多様化が望ましい。
バックアップ用注水ラインBL1は、CRDポンプ14から供給される高圧水を、ホウ酸水注入ラインL2を介して原子炉圧力容器10内へ注水でき、ホウ酸水注入ポンプ21を作動させるよりも効率のよい注水が可能である。しかも、注水箇所は、原子炉圧力容器10内の炉心燃料集合体11下部側である。このため、炉心燃料集合体11下部側からの冷却経路の冗長性が確保される。
図2は、本発明の第2実施形態に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。図1の構成に比べて異なる点は、バックアップ用スプレイラインBL2が付加された点である。すなわち、図1のバックアップ用注水ラインBL1に加えて、上記高圧炉心スプレイラインL3に関係させたバックアップ用スプレイラインBL2がさらに配設されている。その他の構成は図1の構成と同様であるため、図1中と同一の符号を付して説明は省略する。
第2実施形態に係るバックアップ用スプレイラインBL2は、上述のバックアップ用注水ラインBL1から分岐する所定の分岐部B1と、高圧炉心スプレイラインL3における高圧炉心スプレイポンプ31の下流側での分岐部P3との間をバイパスするバイパス配管である。ここで、分岐部B1は、少なくともバルブV3の上流側に設けられる。また、高圧炉心スプレイポンプ31の下流側での分岐部P3は、少なくともバルブV2よりも下流側に設けられ、より好ましくは、高圧炉心スプレイラインL3の、可能な限り原子炉圧力容器10に近い側に設けられる。
バックアップ用スプレイラインBL2は、分岐部B1により、駆動水ラインL1での分岐を避けた構成をとっている。これにより、駆動水ラインL1での分岐に起因する配管劣化等の原因を最小限に抑える構成となっている。
バックアップ用スプレイラインBL2は、必要に応じてバルブV4を開き、水源(復水貯蔵タンク)CSTからCRDポンプ14を介して高圧の駆動水を冷却水として高圧炉心スプレイラインL3に供給することにより、原子炉圧力容器10内におけるスプレイが可能となっている。なお、バルブV4は、圧力制御逆止弁等で構成され、バックアップスプレイ機能の起動信号等で閉状態から開状態に移行する。また、バルブV4は、遠隔操作弁の機能を有していてもよい。
バックアップ用スプレイラインBL2を機能させるときは、水圧制御ユニット13が隔離モードになり、CRD12に水圧が加わらないように遮断される。これにより、CRDポンプ14の高圧水が効率的にバックアップ用スプレイラインBL2に供給される。バックアップ用スプレイラインBL2は、高圧水に耐えられる配管の材質、構造が選択される。
バックアップ用スプレイラインBL2は、第1実施形態と同様に、例えば、緊急事態に陥った高圧状態の原子炉圧力容器10を冷却し続ける過程において、限られた時間、バッテリー電源(あるいは非常用ディーゼル発電機による電源等)に頼らざるを得ない場合など特に有用である。
例えば、HPCSの高圧炉心スプレイポンプ31が健全に機能せず、かつ高圧炉心スプレイラインL3からの冷却を必要とする場合、バックアップ用スプレイラインBL2は、CRDポンプ14から供給される高圧水を、高圧炉心スプレイラインL3を介して原子炉圧力容器10内の炉心燃料集合体11上部にスプレイできる。すなわち、炉心燃料集合体11上部への冷却経路において、さらなる冗長性が確保される。
上記第2実施形態に係る緊急時炉心冷却バックアップ設備によれば、バックアップ用注水ラインBL1及びバックアップ用スプレイラインB2が配設される。SLCの系統による注水の代替及びまたはHPCSの系統によるスプレイの代替が、CRDポンプ14を作動させることで実現可能となる。これにより、非常用炉心冷却装置のいっそうの多重化に寄与する。
図3は、図2の実施形態に係る、より詳細な緊急時炉心冷却バックアップ設備を示す系統概要図である。図2の構成と同様の箇所には図2中と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
原子炉圧力容器10は、原子炉格納容器70に収容されている。原子炉格納容器70には、原子炉圧力容器10の他、図示しない加圧器、循環ポンプ、冷却装置などが収容されている。原子炉格納容器70は、その内部に水を有し、原子炉圧力容器10から放出された蒸気を水で凝縮して圧力の上昇を防ぐ圧力抑制プール71が配設されている。
正常運転については、前記図2と同様に、系統100として簡略化して示してある。なお、ECCSの一つでもある自動減圧系のラインADSは、原子炉圧力容器10内の蒸気Sを圧力抑制プール71中へ逃がす経路が示されている。
さらに、低圧炉心スプレイ系(LPCS)及び低圧注水系(LPCI)が示されている。工学的安全施設であるLPCS及びLPCIは、両者ともに非常用炉心冷却装置(ECCS)として知られている。前述したように、例えば自動減圧系のラインADSの働きによって原子炉圧力が低下すれば、このLPCSやLPCIが効率的に機能する。
LPCSにおいて、低圧炉心スプレイポンプ41は、水源の圧力抑制プール71のプール水を汲み上げる。汲み上げられたプール水は、冷却水として低圧炉心スプレイラインL4に供給され、複数の弁を介して原子炉圧力容器10内部に供給される。すなわち、炉心燃料集合体11上に冷却水がスプレイされ、炉心冷却に寄与する。上記複数の弁については、ここではバルブV5を代表的に示している。バルブV5は、例えば圧力制御逆止弁等で構成される。原子炉圧力容器10から冷却水が漏れ出していた場合、その冷却水は圧力抑制プール71に再び戻り、スプレイ水として循環される。
LPCIにおいて、低圧注水ポンプ51は、水源の圧力抑制プール71のプール水を汲み上げる。汲み上げられたプール水は、冷却水として低圧注水ラインL5に供給され、複数の弁を介して原子炉圧力容器10内部に注水され、炉心冷却に寄与する。上記複数の弁については、ここではバルブV6を代表的に示している。バルブV6は、例えば圧力制御逆止弁等で構成される。上述同様、原子炉圧力容器10から冷却水が漏れ出していた場合、その冷却水は圧力抑制プール71に再び戻り、冷却用注水として循環される。
また、高圧炉心スプレイ系HPCSの水源30は、前記図2においては復水貯蔵タンク及びまたは圧力抑制プールから冷却水を得ると説明したが、より具体的には、優先的に復水貯蔵タンクCSTの水を使用し、復水貯蔵タンクCSTの水位が所定水位に低下すると自動的に圧力抑制プール71内のプール水に切替わる。
また、この実施形態では、駆動水ラインL1におけるCRDポンプ14について、例えば141,142というように、複数設けられている。このような構成により、緊急時炉心冷却バックアップ設備を機能させる場合に、一つのCRDポンプに不具合があった場合でも対処可能である。
CRDポンプ141と142のうちいずれか一方が正常に機能しなくなった場合、他方の正常に機能するCRDポンプを用いて、駆動水を駆動水ラインL1に圧送し、バックアップ用注水ラインBL1またはバックアップ用スプレイラインBL2を介して原子炉圧力容器10内に冷却水を注水またはスプレイ可能である。
その他、CRDポンプ141と142の一方を予備としてメンテナンスをし、常に万全の状態を保つことも考えられる。あるいは、CRDポンプ141と142の一方を、予め非常用として、バッテリー電源あるいは非常用ディーゼル発電機による電源等に繋げられるように準備されていてもよい。
さらには、緊急時炉心冷却バックアップ設備として、バックアップ用注水ラインBL1及びバックアップ用スプレイラインBL2の両者を機能させる場合、CRDポンプ141と142の両方を作動させることにより、駆動水を駆動水ラインL1に圧送してもよい。これにより、バックアップ用注水ラインBL1及びバックアップ用スプレイラインBL2を介して冷却用の注水かつスプレイ水として、原子炉圧力容器10内にそれぞれ冷却水を注水かつスプレイ可能である。
上記構成によれば、緊急時炉心冷却バックアップ設備として、バックアップ用注水ラインBL1及びバックアップ用スプレイラインB2が配設される。SLCの系統による注水の代替及びまたはHPCSの系統によるスプレイの代替が、CRDポンプ14を作動させることで実現可能となる。これにより、工学的安全施設または非常用炉心冷却装置のいっそうの多重化に寄与する。
以上各実施形態の構成によれば、原子炉圧力容器自体への新たな独立配管の接続を伴うことなく、制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)から供給される高圧水を、非常用炉心冷却装置(ECCS)の系統に有効利用できる、緊急時炉心冷却バックアップ設備を提供することができる。
10 原子炉圧力容器
11 炉心燃料集合体
12 制御棒駆動機構(CRD)
13 水圧制御ユニット
14 制御棒駆動水ポンプ(CRDポンプ)
L1 駆動水ライン
L2 ホウ酸水注入ライン
L3 高圧炉心スプレイライン
BL1 バックアップ用注水ライン
BL2 バックアップ用スプレイライン

Claims (2)

  1. 沸騰水型原子炉設備の原子炉圧力容器への注水を行う非常用炉心冷却装置を有する工学的安全施設の緊急時炉心冷却バックアップ設備であって、
    前記原子炉圧力容器の底部から挿入または引き抜き動作される制御棒を駆動制御する制御棒駆動機構を作動させる水圧制御ユニットに駆動水を圧送する制御棒駆動水ポンプと、
    水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を前記水圧制御ユニットに供給する駆動水ラインと、
    前記工学的安全施設の一つとして備えられるホウ酸水注入系より供給されるホウ酸水を前記原子炉圧力容器に注入するホウ酸水注入ラインと、
    前記駆動水ラインにおける前記制御棒駆動水ポンプの下流側と前記ホウ酸水注入ラインにおける前記ホウ酸水注入ポンプの下流側との間をバイパスするバックアップ用注水ラインと、を備え、
    緊急時に、前記水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を冷却水として前記バックアップ用注水ラインから前記ホウ酸水注入ラインを経て前記原子炉圧力容器へ注水可能とした緊急時炉心冷却バックアップ設備。
  2. 前記工学的安全施設の一つとして備えられ、高圧炉心スプレイポンプを作動させて高圧炉心スプレイラインに冷却水を供給し、前記原子炉圧力容器の内部の炉心燃料上に冷却水をスプレイして炉心を冷却する高圧炉心スプレイ系と、
    前記バックアップ用注水ラインより分岐して前記高圧炉心スプレイラインにおける前記高圧炉心スプレイポンプの下流側にバイパスするバックアップ用スプレイラインをさらに備え、
    緊急時に、前記水源から前記制御棒駆動水ポンプを介して前記駆動水を冷却水として前記高圧炉心スプレイラインに供給して前記原子炉圧力容器へのスプレイを可能とする請求項1記載の緊急時炉心冷却バックアップ設備。
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