JP5843293B2 - 覆工コンクリートの打設装置及び方法、並びに移動式セントル - Google Patents

覆工コンクリートの打設装置及び方法、並びに移動式セントル Download PDF

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Description

本発明は、トンネルの内壁に覆工コンクリートを打設する装置及び方法、並びに移動式セントルに関する。
一般に、トンネルの内面をコンクリートで二次覆工するには、トンネル縦断方向(前後方向)に移動可能なスライドセントル(移動式セントル)をトンネル内に進入させ、このスライドセントルに設けられたアーチ状の型枠とトンネル内周面との間に覆工コンクリートの打設空間を形成し、コンクリートポンプによって圧送された覆工コンクリートを打設空間に流し込む方法が採られている。
また、下記特許文献1には、コンクリートポンプに一端が接続された配管(ここでは、仮に「第1の配管」という)の他端を配管切替装置に接続し、さらに、この配管切替装置に、4本の配管(同「第2の配管」という)を接続し、この4本の第2の配管を、それぞれ型枠の前部側における幅方向(左右方向)両側、後部側における幅方向両側の計4箇所に向けて配設することが開示されている。そして、特許文献1記載の技術は、配管切替装置によって4本の第2の配管を切り替えることにより、コンクリートポンプによって圧送された覆工コンクリートを、型枠の前後左右の4箇所に順番に打設するように構成されている。なお、型枠の前後左右の各箇所においては、さらに、第2の配管の先端が別の配管切替装置に接続され、この配管切替装置に3本の配管(同「第3の配管」という)が接続されている。そして、当該配管切替装置によって3本の第3の配管を切り替えることにより、型枠の下段、中段、上段に順番に覆工コンクリートを打設するように構成されている。
また、下記特許文献2には、コンクリートポンプに一端が接続された圧送管を、型枠内の中央部へトンネル縦断方向に延設し、この圧送管の先端部にトンネル幅方向両側に延びる2本の第1分岐管を接続し、それぞれの第1分岐管の先端部に、トンネル縦断方向に分岐する3本の第2分岐管を接続することが開示されている。そして、特許文献2記載の技術は、コンクリートポンプによって圧送された覆工コンクリートを圧送管から第1分岐管、第2分岐管を介して型枠の左右両側における前部、中間部、後部の計6箇所に同時に打設するように構成されている。
特開2013−108243号公報 特開2001−280094号公報
特許文献1記載の技術では、型枠の前後左右の4箇所に順番に覆工コンクリートを打設しているので、左右方向の片側のみ、或いは前後方向の片側のみに覆工コンクリートが打設される状態が必ず生じる。このように左右方向の片側のみに覆工コンクリートが打設されると、打設済みの覆工コンクリートからの荷重が型枠に対して左右一方向に付与され、この荷重によって型枠が左右方向に関して偏心してしまう可能性がある。また、前後方向の片側のみに覆工コンクリートが打設されると、当該覆工コンクリートが前後方向に大きく拡がり、覆工コンクリートの材料である骨材とセメントペーストとが分離し易くなるという問題もある。また、型枠の前後左右の4箇所に分けて個別に覆工コンクリートを打設し、前後左右の各箇所においても下段、中段、上段に分けて個別にコンクリートを打設するため、各打設箇所への移行に必要な時間が長くなり、その結果、コールドジョイントが発生する可能性も高くなる。
そして、以上のいずれの問題も、覆工コンクリートの品質低下に繋がるため、これらを解消することが重要である。
一方、特許文献2記載の技術では、型枠の左右両側における前部、中間部、及び後部に同時に覆工コンクリートを打設することができるため、特許文献1記載の技術の問題を一気に解消できるかにみえる。しかしながら、実際のところは、一本の圧送管から最終的に6本の第2分岐管に分岐され、しかも各第2分岐管の形状が相互に異なるため、各第2分岐管における覆工コンクリートの流動抵抗も大きく異なり、前後左右の6箇所へ流し込まれる覆工コンクリートの量に偏りが生じる。特に、特許文献2の場合、曲がり管を含む前後両側の第2分岐管で流動抵抗が極めて高くなり、直管からなる前後中間部の第2分岐管からより多くの覆工コンクリートが流し込まれるため、打設された覆工コンクリートは型枠の前後中間部から前後両側に大きく拡がり、材料の分離が生じ易くなる。また、特許文献2には、3本の第2分岐管からの覆工コンクリートの流出量を、各第2分岐管に設けたバルブによって均等にすることが記載されているが、粘性を有する覆工コンクリートの流出量をバルブの調整のみによって均等にするのは極めて困難である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、覆工コンクリートの品質の向上を図ることを目的とする。
本発明は、トンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する装置であって、
同時に駆動可能な複数のコンクリートポンプと、
各コンクリートポンプに個別に接続され、前記打設空間に覆工コンクリートを導く複数の圧送管とを備え、
前記各圧送管は、前記型枠内のトンネル幅方向中心においてトンネル縦断方向に延びる主配管と、前記主配管からトンネル幅方向両側へ、トンネル幅方向中心を基準に対称に分岐する枝配管とを含み
前記複数の圧送管は、互いに前記主配管が前記型枠内のトンネル幅方向の中心において上下に並べて配設され、
前記複数の圧送管は、それぞれの前記枝配管を介してトンネル縦断方向の異なる位置に覆工コンクリートを打設するべく互いに前記枝配管がトンネル縦断方向に関して異なる位置配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数のコンクリートポンプを同時に駆動することによって、トンネル縦断方向の複数箇所において、トンネル幅方向の両側に同時に覆工コンクリートを打設することができる。したがって、覆工コンクリートを短時間で打設することが可能となる。また、トンネル幅方向の片側のみに覆工コンクリートが打設されることがなく、型枠にトンネル幅方向の一方に向いた荷重のみが作用することもないので、型枠の偏心を防止することができる。特に、トンネル縦断方向の各箇所においては、同一のコンクリートポンプから圧送された覆工コンクリートがトンネル幅方向の両側に振り分けて打設されるので、トンネル幅方向両側に均等に覆工コンクリートを打設することができ、型枠の偏心をより確実に防止することができる。
また、トンネル縦断方向の複数箇所に同時に覆工コンクリートが打設されるので、覆工コンクリートのトンネル縦断方向の拡がりを抑制することができ、覆工コンクリートの材料分離を防止することができる。
本発明においては、トンネル幅方向の各側において、トンネル縦断方向の複数箇所には、上記特許文献2のように一つの配管から前後に分岐された複数の分岐管ではなく、互いに異なるコンクリートポンプに接続された複数の圧送管から覆工コンクリートが打設されるので、複数の圧送管の形状(直線形状や曲げ形状等)を同一に形成し易くなり、両配管からの覆工コンクリートの流出量を容易に均等にすることができる。
また、トンネル縦断方向及び幅方向の複数箇所に同時に覆工コンクリートが打設されるので、打設箇所の移行のための圧送管の繋ぎ替え等を少なくし、当該移行に必要な時間を短縮することができ、これによってコールドジョイントの発生を防止することができる。 以上により、より品質の高い覆工コンクリートを構築することが可能となる。
前記各圧送管は、前記型枠内のトンネル幅方向中心においてトンネル縦断方向に延びる主配管と、前記主配管からトンネル幅方向両側へ、トンネル幅方向中心を基準に対称に分岐する枝配管とを含む。
記主配管は、前記型枠内においてトンネル幅方向中心に配置されている。
このような構成によって、トンネル幅方向中心に配置された主配管から枝配管を介してトンネル幅方向の両側に均等にコンクリートを供給し易くなる。
また、前記複数の圧送管の主配管は、互いに上下に並べて配設されている
このような構成によって、複数の主配管を共にトンネル幅方向中心に配置することができる。
前記複数のコンクリートポンプは、トンネル幅方向中央から幅方向外側へ外れた位置に配置されていることが好ましい。
また、より上位に配置された前記主配管がより下位に配置された前記主配管よりもトンネル縦断方向に短く形成されていることが好ましい。
前記枝配管には、覆工コンクリートの流量を調整する流量調整装置が設けられていることが好ましい。
このような構成によって、トンネル幅方向の両側に均等に覆工コンクリートが打設されるよう、覆工コンクリートの流量を調整することが可能となる。
前記枝配管には、覆工コンクリートの圧力を計測する圧力計が設けられていることが好ましい。
このような構成によって、トンネル幅方向の両側に均等にコンクリートが打設されているか否かを検出することが可能となる。
本発明は、トンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する装置であって、
同時に駆動可能な複数のコンクリートポンプと、
各コンクリートポンプに個別に接続され、前記打設空間に覆工コンクリートを導く複数の圧送管とを備え、
前記複数の圧送管は、互いにトンネル縦断方向に関して異なる位置で、かつトンネル幅方向の両側に向けて配設され、
前記複数のコンクリートポンプが、トンネル幅方向中央から幅方向に外れた位置に配置されていることを特徴とする
本発明は、上記の打設装置を用いてトンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する方法であって、
複数のコンクリートポンプを同時に駆動して、トンネル縦断方向の複数位置においてトンネル幅方向の両側に同時に覆工コンクリートを打設することを特徴とする。
本発明の移動式セントルは、トンネルの内周面との間に覆工コンクリートの打設空間を形成する型枠と、上記の打設装置における圧送管とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、覆工コンクリートの品質の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る覆工コンクリートの打設装置を示す正面図である。 打設装置の全体側面図である。 打設装置の全体平面図である。 主配管と枝配管との接続部分の拡大図である。 (a)は従来の打設状態を示す説明図、(b)は本発明の打設状態を示す説明図である。 移動式セントルの一部を示す正面図である。 変形例に係る覆工コンクリートの打設装置を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る覆工コンクリートの打設装置を示す正面図、図2は、同打設装置の全体側面図、図3は、同打設装置の全体平面図である。
図1において、この打設装置は、一次覆工されたトンネルTの内周面t1に対して、二次覆工コンクリート(以下、単に「覆工コンクリート」という)Cを打設するものであり、トンネルTの内周面t1との間に覆工コンクリートCの打設空間Dを形成するスライドセントル(移動式セントル)1と、覆工コンクリートC(生コンクリート)を圧送するコンクリートポンプPA,PBと、このコンクリートポンプPA,PBによって送られた覆工コンクリートCを打設空間Dに導く圧送管10A,10Bとを備えている。
図1に示されるように、スライドセントル1は、トンネルT内の床面に敷設されたレールR上を走行可能である。スライドセントル1は、坑口側(図2の左側)から切羽側(図2の右側)に向かって所定のスパンで順次セットされ、覆工コンクリートCの打設空間D(図3参照)を形成するようになっている。なお、本明細書においては、トンネル縦断方向(延長方向)を前後方向ということがあり、トンネル幅方向を左右方向ということがある。また、トンネル縦断方向の坑口側を前側、切羽側を後側ということがある。
図1に示されるように、スライドセントル1は、トンネルT内を走行可能な門型台車2と、覆工コンクリートCの内周面を成型するための堰板となる型枠3とを備えている。
門型台車2は、基台部2aと、基台部2aを支持する支柱2bとを備えている。支柱2bの下端には、トンネルTの床面に敷設されたレールR上に係合する車輪2cが設けられており、この車輪2cがレールRに沿って転動することで、門型台車2がトンネルT内を走行する。
型枠3は、トンネルTの内周面t1にほぼ沿う断面円弧状に形成され、所定のスパンの範囲で内周面t1に対して間隔をあけて覆うようにセットされ、これにより、型枠3の外周面3bとトンネルTの内周面t1との間に覆工コンクリートCが充填される打設空間Dが形成される。
型枠3は、覆工コンクリートCの内周面を成型する型枠パネル3fと、この型枠パネル3fの内周側を補強する多数本の補強部材3gとを備えている。型枠パネル3fは、厚さ数ミリの板材により形成されている。補強部材3gは、溝型鋼等の鋼材により構成され、トンネルTの縦断方向に沿って配置されている。
また、型枠3は、覆工コンクリートCの天端部分を成型する上部3cと、上部3cの両端に回動可能に連結され、覆工コンクリートCの側壁部分を成型する側部3dと、側部3dの下端に回動可能に連結され、覆工コンクリートCの側壁部分の下端部を成型する下端部3eとを備えている。
上部3cは、門型台車2の基台部2a上に設けられた複数のジャッキ4により上下方向に昇降可能に支持されている。
型枠3の側部3dは、支柱2bの外側面に設けられた複数のジャッキ5aによって門型台車2に連結されており、このジャッキ5aを伸縮させることによって幅方向への回動が可能となっている。また、側部3dは、地面に支持されたジャッキ5bにも連結されている。このジャッキ5bは、下端部が地面に形成された凹部にはめ込まれた状態で支持されている。
型枠3の下端部3eも、側部3dと同様に、支柱2bの外側面に設けられたジャッキ6によって門型台車2に連結されており、このジャッキ6の伸縮によって内外方向への回動が可能である。
このように、型枠3は、基台部2aの上面及び支柱2bの外側面等に設けられた複数のジャッキ(支持部材)4,5a,5b,6によって門型台車2等に連結・支持されており、各ジャッキ4,5a,5b,6を伸縮させることにより、型枠3全体を門型台車2に対して昇降可能でかつ幅寸法の調整が可能となっている。
型枠パネル3fにおける上部3c及び側部3dには、複数の開口部3hが前後方向及び左右方向に並べて形成されている。また、各開口部3hは、蓋体3jによって開閉可能に構成されている。そして、この開口部3hは、覆工コンクリートCを打設空間Dに流し込むため、或いは、打設状態を点検するため、或いは、打設空間Dに締固め用バイブレータ(図示省略)を挿入するため等の目的で用いられる。
本実施形態の打設装置は、複数台(図示例では2台)のコンクリートポンプPA,PBを備えている。各コンクリートポンプPA,PBは、それぞれ車両(コンクリートポンプ車)に搭載されている。2台のコンクリートポンプPA,PBは、スライドセントル1よりも坑口側において左右に並べて設置され、それぞれコンクリートミキサー車20から覆工コンクリート(生コンクリート)が供給される。そして、各コンクリートポンプPA,PBは、供給された覆工コンクリートCを、圧送管10A,10Bを介してスライドセントル1側へ圧送し、トンネルTの内周面t1と型枠3との間の打設空間Dに流し込む。
圧送管10A,10Bは、主配管11A,11Bと、この主配管11A,11Bから分岐する枝配管12A,12Bと、各枝配管12A,12Bの終端部に接続される端部配管13A,13Bとを有している。
主配管11A,11Bは、一端がコンクリートポンプPA,PBに接続され、他端側がスライドセントル1の型枠3の内側に配設されている。具体的に、主配管11A,11Bは、コンクリートポンプPA,PBから前後方向に延びる第1部分11A1,11B1と、この第1部分11A1,11B1の後端から左右内側(トンネル幅方向の中央側)へ延びる第2部分11A2,11B2と、トンネルの左右中央において第2部分11A2,11B2から後方(切羽側)に延びる第3部分11A3,11B3とを有している。
一方のコンクリートポンプPAに接続された圧送管10Aの第3部分11A3と、他方のコンクリートポンプPBに接続された圧送管10Bの第3部分11B3とは、図2に示されるように、互いに平行な状態で上下に並べて配置されている。そして、上下の第3部分11A3,11B3は、互いに長さが異なり、上位に配置された一方の第3部分11A3の後端は、型枠3の前部側に配置され、下位に配置された他方の第3部分11B3の後端は、型枠3の後部側に配置されている。
図3に示されるように、各第3部分11A3,11B3の後端には、それぞれ分岐管14を介して複数(図示例では2本)の枝配管12A,12Bが接続されている。分岐管14は、図4に拡大して示すように、Y字形状に形成され、1つの合流部分14aに主配管11A,11Bが接続され、2つの分岐部分14bに枝配管12A,12Bが接続されている。枝配管12A,12Bは、分岐管14から約90度湾曲してトンネル幅方向の両側に延びている。
図1に示されるように、各枝配管12A,12Bには、内部を流れる覆工コンクリートCの圧力を計測する圧力計16と、流量を調整する流量調整バルブ17とが設けられている。
各枝配管12A,12Bの左右方向の外端部には、3本の端部配管13A,13Bが順次切り換えて接続される。この3本の端部配管13A,13Bのうち2本は、型枠3の側部3dに設けられた下部側及び上部側の開口部3hを介して打設空間Dに挿入されている。残りの1本は、型枠3の上部3cの幅方向端部に形成された開口部3hに接続されている。そして、打設空間Dに覆工コンクリートCを打設する際には、枝配管12A,12Bが下段、中段、上段の順で各端部配管13A,13Bに切り換えて接続される。
なお、図1においては、理解を容易にするために、上下3本の端部配管13A,13Bに対して上段側から順に(U),(M),(L)の符号を付記している。
圧送管10A,10Bを流れる覆工コンクリートCの流動抵抗は、圧送管10A,10Bの太さや曲げ形状、また覆工コンクリートCの圧送高さ等に大きく影響される。本実施形態では、図1に示されるように、各主配管11A,11Bから分岐する左右の枝配管12A,12B同士、及びこれらに接続される左右の端部配管13A,13B同士は、トンネル幅方向中心を基準に左右対称形状に形成され、左右対称の高さに配設されている。そのため、左右の枝配管12A,12Aや左右の端部配管13A,13Bを流れる覆工コンクリートの流動抵抗を略同一とすることができる。
また、型枠3の左右各側において、前後に並ぶ枝配管12A,12B同士は、基端部側の高さが若干異なるものの、略同一形状で、略同一高さに配設されている。また、前後に並ぶ端部配管13A,13B同士も、略同一形状で略同一の高さに配設されている。したがって、これらの枝配管12A,12Bや、端部配管13A,13Bを流れる覆工コンクリートの流動抵抗も略同一とすることができる。
また、主配管11A,11Bにおける第3部分11A3,11B3は、上位に配置されたもの11A3が、下位に配置されたもの11B3よりも前後方向に短く形成されている。覆工コンクリートCは、より高い位置に圧送するほど流動抵抗(又は流動させるのに必要な圧力)も大きくなるので、上位に配置された第3部分11A3を短くし、その主配管11Aによる圧送距離を短くすることによって、下位に配置された第3部分11B3を含む主配管11Bとの間で覆工コンクリートCの流動抵抗の差を小さくすることができる。
覆工コンクリートCの天端部は、主配管11A,11Bの第3部分11A3,11B3を、型枠3の頂部(左右中央部)の開口部3hに接続された複数本(図2に示す例では4本)の吹き上げ管15に繋ぎ替えることによって打設することができる。
以上の構成において、トンネルTの内周面t1に覆工コンクリートCを打設するには、まず、各圧送管10A,10Bの枝配管12A,12Bの終端部を最下段の端部配管13A,13B(L)に接続しておく。そして、2台のコンクリートポンプPA,PBを同時に駆動し、各コンクリートポンプPA,PBから圧送管10A,10Bを介して型枠3の前後2箇所において、左右両側の打設空間Dの最下部に覆工コンクリートCを流し込む。
打設空間Dに流し込まれた覆工コンクリートCが最下段の端部配管13A,13B(L)の近傍まで上昇すると、コンクリートポンプPA,PBを停止するとともに、全ての枝配管12A,12Bから最下段の端部配管13A,13B(L)を取り外し、中段の端部配管13A,13B(M)に繋ぎ替える。また、最下段の端部配管13A,13B(L)を開口部3hから抜き取って当該開口部3hを蓋体3jによって閉鎖する。その後、再び、2台のコンクリートポンプPA,PBを同時に駆動して打設空間Dに覆工コンクリートCを流し込む。
打設空間Dに流し込まれた覆工コンクリートCが中段の端部配管13A,13B(M)の近傍まで上昇すると、コンクリートポンプPA,PBを停止するとともに、全ての枝配管12A,12Bから中段の端部配管13A,13B(M)を取り外し、上段の端部配管13A,13B(U)に繋ぎ替える。また、中段の端部配管13A,13B(M)を開口部3hから抜き取って当該開口部3hを蓋体3jによって閉鎖する。その後、再び、コンクリートポンプPA,PBを駆動して打設空間Dに覆工コンクリートCを流し込む。
打設空間Dに流し込まれた覆工コンクリートCが上段の端部配管13A,13B(U)の高さにまで上昇しても、そのまま続けて覆工コンクリートCを流し込み、端部配管13A,13B(U)よりも上側に覆工コンクリートを圧入する。そして、図6に示されるように、覆工コンクリートCが型枠3の頂点付近にまで上昇すると、コンクリートポンプPA,PBを停止して主配管11A,11Bを吹き上げ管15に接続し、型枠3の頂点部分からトンネルTの天端部に覆工コンクリートCを打設する。
以上説明したように、本実施形態の打設装置においては、型枠3の前後左右の4箇所において、同時に覆工コンクリートCを打設することができる。そのため、打設された覆工コンクリートCによって型枠3には左右方向の両側から荷重F(図1参照)が付与される。そのため、型枠3が左右方向に関して偏心してしまうのを防止することができ、安定した状態で覆工コンクリートCの打設を行うことができる。
また、一方のコンクリートポンプPAから圧送された覆工コンクリートCは、型枠3の前部側における左右方向両側に同時に打設され、他方のコンクリートポンプPBから圧送された覆工コンクリートCは、型枠3の後部側における左右方向両側に同時に打設される。そのため、型枠3の前部側及び後部側のそれぞれにおいて、左右略均等に覆工コンクリートCを打設することができる。
各主配管11A,11Bから左右両側に分岐した各枝配管12A,12Bには、圧力計16と流量調整バルブ17とが設けられているので、左右の枝配管12A,12Bを流れる覆工コンクリートCの圧力を圧力計16により計測し、両計測値が同じとなるように流量調整バルブ17を調整することができる。これにより、型枠3の左右両側に、より均等に覆工コンクリートCを打設することが可能となる。
本実施形態においては、地面によって支持されたジャッキ5b(図1参照)が型枠3の側部3dに連結されているので、型枠3に左右両側から同時に荷重Fが付与された場合であっても、当該荷重Fを地面によっても好適に受けることができる。
また、本実施形態においては、図6に示されるように、最上段の端部配管13A,13B(U)が、型枠3への接続部分よりも下側だけでなく上側にも覆工コンクリートC(図6に2点差線のハッチングで示す)を吹き上げて打設するように構成されているので、当該端部配管13A,13B(U)から広範囲に覆工コンクリートCを打設することができ、覆工コンクリートCが型枠3の頂点に到るまでは、当該頂点部分に設けられた開口部3hから打設状態の点検やバイブレータによる締固めを行うことができ、施工性を高めることができる。また、本実施形態では、枝配管12A,12Bに圧力計16と流量調整バルブ17とが設けられているので、左右の端部配管13A,13Bから供給された覆工コンクリートCのレベルが型枠3の頂点において同一となるように適切に流量を調整することができる。
従来(例えば、特許文献1参照)のように、型枠3の前後方向の一箇所から覆工コンクリートCが打設される場合、図5(a)に示されるように覆工コンクリートCが前後方向に大きく拡がって流れ、特に覆工コンクリートCの材料のうちのセメントペーストC2が前後方向に拡がって流れ、骨材C1と分離し易くなる。これに対して本実施形態では、図5(b)に示されるように、型枠3の前後2箇所に同時に覆工コンクリートCが打設されるので、当該覆工コンクリートCの前後方向の広がりを抑制することができ、材料の分離も少なくすることができる。
特に、本実施形態では、型枠3の左右各側において、型枠3の前後2箇所には、異なるコンクリートポンプPA,PBから圧送された覆工コンクリートCが打設され、図1に示されるように、前後に並ぶ枝配管12A,12B同士、及び端部配管13A,13B同士は、略同一形状で略同一高さに配設されているため、覆工コンクリートCの流動抵抗も略同一となっている。そのため、型枠3の前後2箇所に対して略均等に覆工コンクリートCを打設することができ、上記のような材料の分離を好適に防止することができる。
本実施形態では、2台のコンクリートポンプPA,PBを同時に駆動して覆工コンクリートCを打設しているので、従来のように1台のコンクリートポンプを用いる場合に比べて覆工コンクリートの圧送量(供給量)を増大させることができる。そのため、覆工コンクリートCの打設に要する時間を短縮することができる。実際の作業現場においては、覆工コンクリートCが打設されると、通常、その翌日における特定時間に型枠3が脱型されるので、覆工コンクリートCの打設に要する時間を短縮することによって、脱型までの養生時間(硬化時間)をより長くすることができ、覆工コンクリートCの圧縮強度を高めることが可能となる。
図7は、変形例に係る覆工コンクリートの打設装置を示す正面図である。
この変形例では、型枠3の側部3dに連結されるジャッキ5bが、レールRに支持されており、覆工コンクリートCからの左右方向の荷重FをレールRで受けるようにしたものである。さらに、レールRに付与される左右方向内方への荷重を支持するために、左右のレールRの間には、棒状の内梁部材19が架設されている。その他の構成は、上記実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本発明は、上記各実施形態に限定されることものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で適宜変更することができる。
例えば、圧送管10A,10Bにおける複数本の端部配管13A,13Bは、従来技術(特許文献1)に開示されているような配管切替装置を介して枝配管12A,12Bに接続されていてもよい。このような配管切替装置を用いることで、複数本の端部配管13A,13Bの繋ぎ替えを省略し、短時間で端部配管13A,13Bを切り換えることができる。
また、上記実施形態では、2台のコンクリートポンプPA,PBを用いていたが、3台以上のコンクリートポンプを用いてもよい。この場合、各コンクリートポンプから型枠3の前後方向の3箇所以上に向けて圧送管(第3配管)を配設すればよい。
主配管11A,11Bにおける第3部分11A3,11B3は、必ずしも型枠3の左右方向中央に配置されていなくてもよく、2本の第3部分11A3,11B3は左右に並べて配置されていてもよい。
1 :スライドセントル(移動式セントル)
3 :型枠
10A :圧送管
10B :圧送管
11A :主配管
11A3 :第3部分
11B :主配管
11B3 :第3部分
12A :枝配管
12B :枝配管
16 :圧力計
17 :流量調整バルブ(流量調整装置)
C :覆工コンクリート
D :打設空間
PA :コンクリートポンプ
PB :コンクリートポンプ
T :トンネル
t1 :内周面

Claims (8)

  1. トンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する装置であって、
    同時に駆動可能な複数のコンクリートポンプと、
    各コンクリートポンプに個別に接続され、前記打設空間に覆工コンクリートを導く複数の圧送管とを備え、
    前記各圧送管は、前記型枠内のトンネル幅方向中心においてトンネル縦断方向に延びる主配管と、前記主配管からトンネル幅方向両側へ、トンネル幅方向中心を基準に対称に分岐する枝配管とを含み
    前記複数の圧送管は、互いに前記主配管が前記型枠内のトンネル幅方向の中心において上下に並べて配設され、
    前記複数の圧送管は、それぞれの前記枝配管を介してトンネル縦断方向の異なる位置に覆工コンクリートを打設するべく互いに前記枝配管がトンネル縦断方向に関して異なる位置配設されていることを特徴とする覆工コンクリートの打設装置。
  2. 前記複数のコンクリートポンプが、トンネル幅方向中央から幅方向外側へ外れた位置に配置されている、請求項1に記載の覆工コンクリートの打設装置。
  3. より上位に配置された前記主配管がより下位に配置された前記主配管よりもトンネル縦断方向に短く形成されている、請求項1又は2に記載の覆工コンクリートの打設装置。
  4. 前記枝配管に、覆工コンクリートの流量を調整する流量調整装置が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の覆工コンクリートの打設装置。
  5. 前記枝配管に、覆工コンクリートの圧力を計測する圧力計が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の覆工コンクリートの打設装置。
  6. トンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する装置であって、
    同時に駆動可能な複数のコンクリートポンプと、
    各コンクリートポンプに個別に接続され、前記打設空間に覆工コンクリートを導く複数の圧送管とを備え、
    前記複数の圧送管は、互いにトンネル縦断方向に関して異なる位置で、かつトンネル幅方向の両側に向けて配設され、
    前記複数のコンクリートポンプが、トンネル幅方向中央から幅方向外側に外れた位置に配置されていることを特徴とする覆工コンクリートの打設装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の打設装置を用いてトンネルの内周面と型枠との間に形成された打設空間に覆工コンクリートを打設する方法であって、
    複数のコンクリートポンプを同時に駆動して、トンネル縦断方向の複数位置においてトンネル幅方向の両側に同時に覆工コンクリートを打設することを特徴とする覆工コンクリートの打設方法。
  8. トンネルの内周面との間に覆工コンクリートの打設空間を形成する型枠と、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の打設装置における圧送管とを備えていることを特徴とする、移動式セントル。
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