JP5842223B2 - ドライバ回路 - Google Patents
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Description
特許文献1には、このドライバ回路の一例が示されている。この特許文献1のドライバ回路は、相補的にオン、オフするハイサイド出力用トランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)とローサイド出力用トランジスタ(Nチャネル電界効果トランジスタ)からなる出力バッファと、このハイサイド出力用トランジスタとローサイド出力用トランジスタが同時にオンするのを防止するためのデッドタイム生成回路とを備えている。
この構成によれば、例えばハイサイド出力用トランジスタのオフ後に、速やかにローサイド出力用トランジスタをオンさせること、つまり、デッドタイムの短縮化を図ることが可能である。
すなわち、例えば、ハイサイド出力用トランジスタがオフしたことを検出する場合、ハイサイド出力用トランジスタ及びローサイド出力用トランジスタのゲート耐圧が5V、それらのトランジスタの直列接続点(この部分の電位がハイサイド側の基準電位となる。)から出力される電圧の振幅が10Vであるとすると、ハイサイド出力用トランジスタのゲート電圧をローサイド側の回路に適したレベルにシフトして該ローサイド側の回路に伝達する必要がある。
このゲート電圧は、抵抗Rp3を介してツェナーダイオード(として使われるPチャネル電界効果トランジスタ)ZP1に加えられ、ツェナーダイオードZP1によりクランプされて、高耐圧PチャネルトランジスタHVPのゲートに加えられる。トランジスタHVPのソース、ドレインにはそれぞれ抵抗RP1、RP2が直列接続され、抵抗RP2にはツェナーダイオードZP2が並列接続されている。したがって、上記SOUT1端子に入力されたゲート電圧に基づいてトランジスタHVPがオンすると、抵抗RP2とツェナーダイオードZP2のカソードとの接続点からシフトダウンされた信号が出力される。この信号はツェナーダイオードZP2によりクランプされたものになる。
シフトアップ回路部は、シフトダウン回路部と対称な構成を有するので、構成要素に対応する符号を付してその説明を省略する。
(a)ドライバ回路のハイサイド出力用トランジスタがオンしている期間中、VDDHI端子からVDDLC端子に向かう大電流がトランジスタHVPに流れ続けるので、それによる電力ロスが問題となる。
(b)本来、上記ハイサイド出力用トランジスタがオンしていなければならない期間に、ノイズ等によりSOUT1端子のゲート電圧が一瞬Hレベルになって高耐圧PチャネルトランジスタHVPがオフすると、シフトダウン回路部の出力が直ちにLレベルになる。この場合、シフトダウン回路部の出力信号を受け入れるドライバ回路の制御回路がハイサイド出力用トランジスタのオン期間が終了したものと誤って判断することになるので、例えば、ローサイド出力用トランジスタがオンされて貫通電流が流れてしまうなどの誤動作を生じるおそれがある。
前記第1の論理回路としては、例えば前記制御用入力パルス信号の反転信号と前記第2の制御信号の論理和信号を出力する論理和回路が使用され、また、前記第2の論理回路としては、例えば前記制御用入力パルス信号と前記クランプ回路の出力信号の論理和の反転信号を出力する論理和回路が使用される。更に、前記制御用入力パルス信号としては、例えばPWM信号が使用される。
また、ハイサイド出力用トランジスタのオン期間において、ノイズ等によって該ハイサイド出力用トランジスタのゲート電圧が一瞬変化しても、ローサイド出力用トランジスタがオンするなどの誤動作を生じるおそれがない。
このドライバ回路は、主電源EM、ハイサイド用電源EH、ローサイド用電源EL、ハイサイド出力用トランジスタM1、ハイサイド前段ドライブ回路DRH、レベルシフト回路LS、ローサイド出力用トランジスタM2、ローサイド前段ドライブ回路DRL、ハイサイド出力用トランジスタM1のターンオフを検出するために設けられたハイサイド検出用トランジスタM11、同じくハイサイド出力用トランジスタM1のターンオフを検出するために設けられたローサイド検出用トランジスタM12、抵抗R、クランプ回路CL等を備えている。
そして、本実施形態では、ハイサイド検出用トランジスタM11としてPチャネルのMOSFETを使用するとともに、ローサイド検出用トランジスタM12としてNチャネルのMOSFETを使用している。なお、検出用トランジスタM11,M12には、出力用トランジスタM1,M2よりも小容量のものが使用される。
オア回路OR1は、一方の入力端子がOR2の他方の入力端子とインバータINVの入力端子に接続され、他方の入力端子がローサイド出力用トランジスタM2のゲートに接続されている。オア回路OR1の一方の入力端子には、制御用入力パルス信号として外部からPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号VIが入力される。なお、オア回路OR1の一方の入力端子およびオア回路OR2の出力端子は負論理となっている。すなわち、オア回路OR1は一方の入力信号の反転信号と他方の入力信号の論理和信号を出力する回路であり、オア回路OR2は2つの入力信号の論理和の反転信号を出力する回路である。
NチャネルトランジスタM3がゲートに印加される電圧V3に対するソースフォロワ回路となっていることから、トランジスタM3のソースからはV3にクランプされた電圧が出力され、この電圧は、次段のバッファ回路BUFを介して出力端子から出力される。
このように、クランプ回路CLは、ハイサイド検出用トランジスタM11のドレイン電圧の高電圧振幅変化を低電位側の電圧範囲V3でクランプした信号に変換する作用をなす。
PWM信号VIのレベルがHレベル(High level)→Lレベル(Low level)になると、オア回路OR1がHレベルの信号(ターンオフ信号)VH1を出力するとともに、ローサイド検出用トランジスタM12がオンする。ローサイド検出用トランジスタM12がターンオンするタイミングでは、上記オア回路OR1の出力信号は、レベルシフト回路LS及びハイサイド前段ドライブ回路DRH等による信号遅延のためにハイサイド出力用トランジスタM1とハイサイド検出用トランジスタM11に伝えられず、従って、該両トランジスタM1,M11はまだオン状態を保持している。
ハイサイド検出用トランジスタM11のドレインが高電位に保たれている状態では、クランプ回路CLが低電位回路の許容電圧V3にクランプされたHレベルの信号を出力している。従って、ローサイド出力用トランジスタM2はオフ状態を保持している。
ハイサイド出力用トランジスタM1及びハイサイド検出用トランジスタM11がターンオフされてからローサイド出力用トランジスタM2がターンオンされるまでの時間がデッドタイムであり、本実施形態ではこのデッドタイムが自動設定されることになる。
一方、オア回路OR1は、ローサイド出力用トランジスタM2がオン状態を保持している間、つまり、制御信号(ゲート信号)VGLがHレベルを維持している間、Hレベルの信号VH1を継続して出力している。したがって、ハイサイド出力用トランジスタM1とハイサイド検出用トランジスタM11もまだオフ状態を保持することになる。
一方、上記Lレベルの制御信号VGLは、オア回路OR1にフィードバックされ、この結果、該オア回路OR1からLレベルの信号(ターンオン信号)VH1が出力される。すなわち、ローサイド前段ドライブ回路DRLからローサイド出力用トランジスタM2がオフさせる信号が出力されると、オア回路OR1はPWM信号VIを通過させるのである。
信号VH1に基づいて、レベルシフト回路LSがLレベルの信号VH2を出力し、ついで、ハイサイド前段ドライブ回路DRHがLレベルの制御信号(ゲート信号)VGHを出力し、これによってハイサイド出力用トランジスタM1及びハイサイド検出用トランジスタM11が共にオンする。
ハイサイド出力用トランジスタM1及びハイサイド検出用トランジスタM11がオンする時点は、レベルシフト回路LS及びハイサイド前段ドライブ回路DRH等による信号遅延のため、ローサイド出力用トランジスタM2がオフする時点よりも遅れ、その遅れ時間がデッドタイムとなる。本実施形態では、このデッドタイムも自動設定されることになる。
(a)ハイサイド出力用トランジスタM1のオン期間においては、上述の説明および図3から明らかなように、該期間よりもはるかに短い期間だけローサイド検出用トランジスタM12がオンすることになる。
これは、ハイサイド検出用トランジスタM11、抵抗R及びローサイド検出用トランジスタM12を含む直列回路における電流(主電源EMの高出力電圧V1に基づく電流)の流通時間が短いことを意味し、さらに抵抗Rにより貫通電流が抑制される。これによって、ハイサイド出力用トランジスタM1のオン期間における電力ロスが低減される。
(b)ハイサイド出力用トランジスタM1のオン期間において、ノイズ等により制御電圧VGHが一瞬Hレベルになったとしても、ローサイド出力用トランジスタM2が誤動作(オンする)ことはない。なぜなら、上記オン期間にはHレベルのPWM信号VIがオア回路OR2に入力されて、制御信号VGLがLレベルになっているからである。
また、ハイサイド出力用トランジスタM1およびハイサイド検出用トランジスタM11をNチャネルMOSFETとしてもよい。この場合、各論理回路の正負を見直すとともに、ハイサイド前段ドライブ回路DRHに別電源を供給するようにすればよい。
EH ハイサイド用電源
EL ローサイド用電源
M1 ハイサイド出力用トランジスタ
DRH ハイサイド前段ドライブ回路
LS レベルシフト回路
M2 ローサイド出力用トランジスタ
DRL ローサイド前段ドライブ回路
M11 ハイサイド検出用トランジスタ
M12 ローサイド検出用トランジスタ
CL クランプ回路
OR1 オア回路
OR2 オア回路
R 抵抗
M3 Nチャネルトランジスタ
BUF バッファ
Claims (4)
- それぞれが制御用入力パルス信号に基づきオンオフ駆動される直列接続されたハイサイド出力用トランジスタとローサイド出力用トランジスタを備え、これらのトランジスタの直列接続点からパワー半導体デバイスを駆動する信号を出力するドライバ回路であって、
第1のオンオフ信号を入力して前記ハイサイド出力用トランジスタをオンオフ駆動する第1の制御信号を出力するハイサイド前段ドライブ回路と、
第2のオンオフ信号を入力して前記ローサイド出力用トランジスタをオンオフ駆動する第2の制御信号を出力するローサイド前段ドライブ回路と、
前記ハイサイド出力用トランジスタと前記ローサイド出力用トランジスタの直列回路に並列接続した検出回路であって、直列接続したハイサイド検出用トランジスタ、抵抗、及びローサイド検出用トランジスタを含む検出回路と、
前記検出回路における前記ハイサイド検出用トランジスタと前記抵抗との接続点に表れる高電圧振幅変化信号をローサイドで適用される電圧範囲でクランプした信号に変換するクランプ回路と、
前記第2の制御信号が前記ローサイド出力用トランジスタをオフさせる信号であるときに前記制御用入力パルス信号を通過させる第1の論理回路と、
前記第1の論理回路の出力信号をレベルシフトして、前記第1のオンオフ信号として出力するレベルシフト回路と、
前記クランプ回路の出力信号がLレベルのときに前記制御用入力パルス信号を通過させて前記第2のオンオフ信号として出力する第2の論理回路と、を備え、
前記ハイサイド検出用トランジスタを前記第1の制御信号によって前記ハイサイド出力用トランジスタと同時にオンオフ駆動するとともに、
前記制御用入力パルス信号が前記ローサイド出力用トランジスタのオンを指示する信号もしくは前記ハイサイド出力用トランジスタのオフを指示する信号のとき前記ローサイド検出用トランジスタをオンさせ、前記制御用入力パルス信号が前記ローサイド出力用トランジスタのオフを指示する信号もしくは前記ハイサイド出力用トランジスタのオンを指示する信号のとき前記ローサイド検出用トランジスタをオフさせるよう駆動することを特徴とするドライバ回路。 - 前記ハイサイド出力用トランジスタ及び前記ハイサイド検出用トランジスタとしてPチャネルMOSFETを使用し、前記ローサイド出力用トランジスタ及び前記ローサイド検出用トランジスタとしてNチャネルMOSFETを使用したことを特徴とする請求項1に記載のドライバ回路。
- 前記第1の論理回路は前記制御用入力パルス信号の反転信号と前記第2の制御信号の論理和信号を出力する論理和回路であり、
前記第2の論理回路は前記制御用入力パルス信号と前記クランプ回路の出力信号の論理和の反転信号を出力する論理和回路であることを特徴とする請求項2に記載のドライバ回路。 - 前記制御用入力パルス信号がPWM信号であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のドライバ回路。
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