JP2008098920A - ドライバ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッドタイムを適切に設定し、貫通電流を防止する。
【解決手段】出力バッファ10は、電源端子102と接地端子GNDの間に直列に接続された、ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2を含む。遅延回路12は、信号レベルが、ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2のオン、オフに対応づけられて切り替わるパルス信号S0を受ける。遅延回路12は、パルス信号S0に遅延を与えることにより、異なる遅延を有する第1パルス信号S1、第2パルス信号S2を生成する。NAND回路14は、第1パルス信号S1、第2パルス信号S2の否定論理積に応じた信号をハイサイドトランジスタM1のゲートに与える。NOR回路16は、第1パルス信号S1、第2パルス信号S2の否定論理和に応じた信号をローサイドトランジスタM2の他方のゲートに与える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイレベルまたはローレベルの電圧信号を出力するドライバ回路に関する。
オーディオ信号を増幅するD級アンプや、スイッチングレギュレータなどの電源回路において、駆動対象となる負荷に、電源電圧すなわちハイレベルと、接地電圧(負の電源電圧を含む)すなわちローレベルとの間でスイングするスイッチング電圧を供給するドライバ回路が利用される。ドライバ回路の出力段には、PチャンネルのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、以下MOSFETと略す)のハイサイドトランジスタと、NチャンネルMOSFETのローサイドトランジスタを含むインバータ型のバッファ回路が設けられる(たとえば特許文献1参照)。
特開昭63−250911号公報
インバータを構成するハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタが同時にオンすると、電源電圧が印加される電源端子から接地電圧に固定される接地端子に向かって、貫通電流が流れるという問題がある。貫通電流は、不要な電力消費を助長するのみでなく、その貫通電流が流れることにより発熱などの副次的な問題が発生する。
突入電流の発生を抑制するために、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタのゲートに与える信号に遅延を与え、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタがともにオフとなるデッドタイムを設ける技術が利用される。
本発明は状況に鑑みてなされたものであり、その目的のひとつは、デッドタイムを適切に設定し、貫通電流を防止可能なドライバ回路の提供にある。
本発明のある態様によれば、ドライバ回路が提供される。このドライバ回路は、電源端子と接地端子の間に直列に接続された、相補的にオン、オフするPチャンネル電界効果トランジスタであるハイサイドトランジスタおよびNチャンネル電界効果トランジスタであるローサイドトランジスタとを含む出力バッファと、信号レベルがハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタのオン、オフに対応づけられて切り替わるパルス信号を受け、パルス信号に遅延を与えることにより、異なる遅延を有する第1、第2パルス信号を生成する遅延回路と、第1、第2パルス信号の否定論理積に応じた信号をハイサイドトランジスタまたはローサイドトランジスタのいずれか一方のゲートに与える第1論理ゲートと、第1、第2パルス信号の否定論理和に応じた信号をハイサイドトランジスタまたはローサイドトランジスタの他方のゲートに与える第2論理ゲートと、を備える。
この態様によると、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタが同時にオンするのを防止し、突入電流の発生を好適に抑制することができる。
ある態様において、遅延回路は、パルス信号に遅延を与え、異なる遅延を有する2つのパルス信号を生成する単位遅延回路を多段接続して構成されており、各単位遅延回路は、遅延を与えるか否かを切り替えるイネーブル機能を有してもよい。
この場合、単位遅延回路の段数を切り替えることにより、遅延時間を切り替えることができるため、デッドタイムを調節することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、突入電流を防止することができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係るドライバ回路100の構成を示す回路図である。
このドライバ回路100は、たとえばD級アンプの出力段や、スイッチングレギュレータなどに利用される。
ドライバ回路100は、出力バッファ10、遅延回路12、第1論理ゲートであるNAND回路14、第2論理ゲートであるNOR回路16を備える。
出力バッファ10は、PチャンネルMOSFETであるハイサイドトランジスタM1と、NチャンネルMOSFETであるであるローサイドトランジスタM2を含む。ハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2は、電源電圧Vddが印加される電源端子102と接地電位に固定される接地端子GNDの間に直列に接続されている。ハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2それぞれのゲートには、ハイサイド駆動信号SH、ローサイド駆動信号SLが入力され、相補的にオンオフ状態が切り替えられる。
ドライバ回路100の入力端子P1には、ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2のオン、オフに対応づけられて切り替わるパルス信号S0が入力される。パルス信号S0は、パルス幅変調、パルス周波数変調、パルス密度変調などが施されている。遅延回路12は、入力端子P1を介してパルス信号S0を受け、パルス信号S0に遅延を与えることにより、異なる遅延を有する第1パルス信号S1、第2パルス信号S2を生成する。
図2は、遅延回路12の構成例を示す回路図である。遅延回路12は、複数の単位遅延回路20a〜20dを含む。図2には、4つの単位遅延回路20が示されているが、この個数は任意である。単位遅延回路20は、第1入力端子40、第2入力端子42、第1出力端子44、第2出力端子46、イネーブル端子48を備えている。第1入力端子40、第1出力端子44は、入出力のペアを構成し、第1入力端子40に入力された信号Si1に第1の遅延時間τ1が付加され、第1出力端子44から出力される。同様に、第2入力端子42、第2出力端子46は入出力のペアを構成し、この経路ではn第2の遅延時間τ2が付加される。イネーブル端子48にはイネーブル信号ENが入力される。
第1入力端子40から第1出力端子44に至る第1の経路について説明する。入力信号Si1は、NANDゲート22およびNANDゲート28に分岐して入力される。NANDゲート22、28にはそれぞれ、イネーブル信号Senとその反転信号が入力される。このイネーブル信号Senによって、NANDゲート22、NANDゲート28のいずれかの経路が選択され、他方の経路が無効化される。NANDゲート22の出力は、抵抗R1およびキャパシタC1を含むRC回路を経てNANDゲート24に入力され、NANDゲート28の出力は、そのままNANDゲート24に入力される。
第2入力端子42から第2出力端子46に至る第2の経路には、インバータ30、32が設けられる。
NANDゲート22、24、28の遅延をD1、RC回路の遅延をD2、インバータ30、32の遅延をD3とする。単位遅延回路20は、イネーブル信号Senがハイレベルのとき、入力信号Si1に、2×D1+D2の遅延を与え、イネーブル信号Senがローレベルのとき、2×D1の遅延を与える。
また、単位遅延回路20は、入力信号Si2に、2×D3の遅延を与える。D3=D1とすると、第1の経路と、第2の経路の遅延時間差は、イネーブル信号SenがハイレベルのときD2となり、イネーブル信号Senがローレベルのとき0となる。
遅延回路12は、この単位遅延回路20が直列に接続されて遅延回路を構成する。したがって、単位遅延回路20が1段イネーブル化されるごとに、第1パルス信号S1は第2パルス信号S2に対してD2だけ遅延し、n段の単位遅延回路20がイネーブル化されると、D2×nの遅延が発生する。
図1に戻る。NAND回路14は、第1パルス信号S1、第2パルス信号S2の否定論理積の信号を生成し、これをハイサイド駆動信号SHとして、ハイサイドトランジスタM1のゲートに供給する。NOR回路16は、第1パルス信号S1、第2パルス信号S2の否定論理和の信号を生成し、これをローサイド駆動信号SLとして、ローサイドトランジスタM2のゲートに供給する。
ハイサイド駆動信号SH、ローサイド駆動信号SLによってハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2のオン、オフ状態が切り替えられ、ハイサイドトランジスタM1がオンの期間、出力信号Soutはハイレベル(=Vdd)となり、ローサイドトランジスタM2がオンの期間、出力信号Soutはローレベル(0V)となる。
以上のように構成にドライバ回路100の動作について説明する。図3は、図1のドライバ回路100の動作を示すタイムチャートである。図3のタイムチャートでは、図2のインバータ30、32の遅延が無視できる場合、すなわちτ2=0の場合を示している。このとき、S2=S0である。
時刻t0にパルス信号S0がローレベルからハイレベルに遷移すると、第2パルス信号S2がほぼ同時にハイレベルに遷移する。これを受けて、ローサイド駆動信号SLはハイレベルからローレベルに遷移し、ハイサイドトランジスタM1がオン状態からオフ状態に切り替わる。
遅延時間τ1経過後の時刻t1に、第1パルス信号S1がハイレベルに遷移する。これを受けて、ハイサイド駆動信号SHがハイレベルからローレベルに遷移し、ハイサイドトランジスタM1がオフ状態からオン状態に切り替わる。したがって、時刻t0〜t1の間はハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2がともにオフとなるデッドタイムに設定される。
時刻t1から、パルス信号S0がローレベルに遷移する時刻t2までの期間、ハイサイドトランジスタM1がオン、ローサイドトランジスタM2がオフとなり、出力信号Soutはハイレベルとなる。時刻t2にパルス信号S0がローレベルに遷移すると、第2パルス信号S2もローレベルに遷移し、これを受けてハイサイド駆動信号SHがハイレベルに遷移する。その結果、時刻t2にハイサイドトランジスタM1がオフとなる。
時刻t2から遅延時間τ2経過後の時刻t3に、第1パルス信号S1がローレベルに遷移し、これを受けてローサイド駆動信号SLがハイレベルに遷移する。その結果、ローサイドトランジスタM2がオフ状態からオン状態に切り替わる。したがって、時刻t2〜t3の期間も、ハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2がともにオフとなるデッドタイムに設定される。
その後、時刻t4にパルス信号S0がハイレベルに切り替わる。ドライバ回路100は、時刻t0〜t4の動作を繰り返す。
本実施の形態に係るドライバ回路100によれば、遅延回路12により遅延を生成し、NAND回路14、NOR回路16を用いてハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2を駆動することにより、突入電流を防止しつつ負荷を駆動することができる。
また、遅延回路12を図2の構成とし、単位遅延回路20ごとにイネーブル信号を与えることにより、遅延時間を調節することができ、デッドタイムの期間を調節することができる。
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
実施の形態で説明した各信号のハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
実施の形態に係るドライバ回路の構成を示す回路図である。 遅延回路の構成例を示す回路図である。 図1のドライバ回路の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 出力バッファ、 12 遅延回路、 14 NAND回路、 16 NOR回路、 20 単位遅延回路、 22 NANDゲート、 24 NANDゲート、 26 インバータ、 28 NANDゲート、 30 インバータ、 32 インバータ、 40 第1入力端子、 42 第2入力端子、 44 第1出力端子、 46 第2出力端子、 48 イネーブル端子、 M1 ハイサイドトランジスタ、 M2 ローサイドトランジスタ、 SH ハイサイド駆動信号、 SL ローサイド駆動信号、 S0 パルス信号、 S1 第1パルス信号、 S2 第2パルス信号、 100 ドライバ回路。

Claims (2)

  1. 電源端子と接地端子の間に直列に接続された、相補的にオン、オフするPチャンネル電界効果トランジスタであるハイサイドトランジスタおよびNチャンネル電界効果トランジスタであるローサイドトランジスタを含む出力バッファと、
    信号レベルが、前記ハイサイドトランジスタおよび前記ローサイドトランジスタのオン、オフに対応づけられて切り替わるパルス信号を受け、前記パルス信号に遅延を与えることにより、異なる遅延を有する第1、第2パルス信号を生成する遅延回路と、
    前記第1、第2パルス信号の否定論理積に応じた信号を前記ハイサイドトランジスタまたは前記ローサイドトランジスタのいずれか一方のゲートに与える第1論理ゲートと、
    前記第1、第2パルス信号の否定論理和に応じた信号を前記ハイサイドトランジスタまたは前記ローサイドトランジスタの他方のゲートに与える第2論理ゲートと、
    を備えることを特徴とするドライバ回路。
  2. 前記遅延回路は、前記パルス信号に遅延を与え、異なる遅延を有する2つのパルス信号を生成する単位遅延回路を多段接続して構成されており、各単位遅延回路は、遅延を与えるか否かを切り替えるイネーブル機能を有することを特徴とする請求項1に記載のドライバ回路。
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