JP5840442B2 - エア混合式噴出器 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンジにピストンを押し込んで空気を混合させた内容液を、外界に噴出させることができるエア混合式噴出器に関するものである。
従来のエア混合式噴出器としては、シリンジの先端に噴霧ノズルを装着することで、ピストンを押し込んだときに、シリンジの内容液に空気を混合させることで内容液を噴霧できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−137344号公報
しかしながら、従来のエア混合式噴出器は、操作器具としてのシリンジに内容液を充填し、このシリンジ内のピストンで押し出された内容液を、当該シリンジの先端に装着した噴霧ノズルを通して霧状にするものである。このため、少量噴霧を目的にシリンジの小型化を図ると、使い勝手が悪くなることから、少量の内容液を噴霧させるのには不向きであった。
そこで、本願発明者は、第1シリンジの空気をピストンシャフトに設けた第1ピストンで圧送し、この空気が弾性部材の付勢力に抗して逆止弁を開くことで、第2シリンジ内に圧送された空気により、第2ピストンを駆動させるとともに内容液に空気を混合させる噴出器を発明するに至った。
しかしながら、本願発明者は、ピストンシャフトを押し込んで空気を圧送した後は、弾性部材の付勢力により弁体が閉じられるため、第1シリンジ内に生じる負圧によって、ピストンシャフトの引き戻しが困難になることを見出した。
本発明の目的とするところは、少量の内容液であっても空気を混合させた状態で取り出すことができるとともに、第1ピストンを引き戻して再使用が容易な、新規のエア混合式噴出器を提供することにある。
本発明のエア混合式噴出器は、第1シリンジの先端に、内容液の充填空間を形成する第2ピストンが摺動可能に配置される第2シリンジを直列かつ着脱可能に連結し、第1シリンジの空気をピストンシャフトに設けた第1ピストンで圧送し、この空気が弾性部材の付勢力に抗して逆止弁を開くことで、第2シリンジ内に圧送された空気により、当該第2シリンジに収納された第2ピストンをエア流路が形成される位置にまで駆動させるとともに当該エア流路を通して内容液に空気を混合させるエア混合式噴出器であって、
第1ピストンは、ピストンシャフトを押し込んだときに当該ピストンシャフトに着座して第1シリンジ内を密封する一方、ピストンシャフトを引き戻したときに当該ピストンシャフトから離間して第1シリンジ内に空気を導入する弁体を有し、ピストンシャフトとともに外気導入弁を構成することを特徴とするものである。
外気導入弁としては、第1ピストンが、ピストンシャフトの先端部に嵌合保持される中空の摺動部を有し、当該摺動部の開口部に配置された弁体を変形及び復元の可能な連結片で一体に設けたものであり、ピストンシャフトの上端に形成した貫通孔を開放可能に密封するものが挙げられる。また、この場合、ピストンシャフトには、弁体を着座させる環状凸部を設けることが好ましい。
本発明では、ピストンシャフトを押し込んで第1シリンジ内の第1ピストンを作動させれば、当該第1ピストンが第1シリンジ内の空気を、第1シリンジと逆止弁との間に形成した充填空間に押し出すことで、当該充填空間の内圧を高めることができる。この内圧の上昇に伴い逆止弁が開くと、第1シリンジに対して着脱可能な第2シリンジには圧縮された空気が押し出される。これにより、当該第2シリンジ内の第2ピストンを移動させることができるとともにこの圧縮空気は、第2ピストンと第2シリンジの間に形成された充填空間の内容液に混合させることができる。従って、本発明によれば、ピストンシャフトを押し込むだけの簡単な操作で、空気を混合させた内容液を第2シリンジに応じた容量だけ取り出すことができる。
また、第2ピストンは、第1ピストンで押し出された空気によって作動するものであるため、内容液を充填・圧送する機構として、第2シリンジ及び第2ピストンを採用できるとともに、この第2ピストンを駆動させる機構として、第1シリンジ及び第1ピストンを採用できる。この場合、第2ピストンを駆動させる機構を小型化させることなく、内容液を充填・圧送する機構のみ、即ち、第2シリンジ及び第2ピストンのみを小型化することができる。従って、本発明は、操作性を損なうことなく、空気を混合させた内容液を少量だけ取り出したい場合に有効である。
加えて、第1ピストンは、ピストンシャフトを押し込んだときに当該ピストンシャフトに着座して第1シリンジ内を密封する一方、ピストンシャフトを引き戻したときに当該ピストンシャフトから離間して第1シリンジ内に空気を導入する弁体を有し、ピストンシャフトとともに外気導入弁を構成するため、第1シリンジ1内の空気を第1ピストン2で押し出したのちの、ピストンシャフトの引き戻しをスムースに行うことができる。
本発明の第1の形態である、カートリッジ式噴霧注射器を、カートリッジ及び操作器具に分解した状態を一部断面で示す分解図である。 同形態に係る固定部材であって、(a)〜(c)はそれぞれ、その平面図、背面図及び斜視図である。 同形態に係る逆止弁であって、(a)〜(d)はそれぞれ、その平面図、背面図、一部断面で示す側面図及び斜視図である。 図1の一部拡大断面図である。 同形態に係るピストンシャフトを押し込むことで第2ピストンを動作させて内容液を噴霧する直後の状態を示す拡大断面図である。 同形態に係るピストンシャフトを押し込むことで第2ピストンを動作させて内容液を噴霧する状態を示す拡大断面図である。 (a)は、同形態に係る第ピストンをOリングとともに示す斜視図であり、(b)は、第2ピストンを第2シリンジに組み付ける際に、第2シリンジ内に押し込んだ状態のOリングの状態を第2ピストンとともに示す斜視図である。 同形態に係るピストンシャフトを押し込むことで内容液を噴霧している状態を一部断面で示す図である。 同形態を使用後、カートリッジを取り除いてピストンシャフトを引き戻した状態を一部断面で示す図である。 同形態に係る、第1ピストンであって、(a),(b)はそれぞれ、その平面図及び、(a)のX−X断面図である。 同形態に係る、ピストンシャフトであって、(a)は、同ピストンシャフトを一部断面で示す図、(b)は、(a)のD矢視図、(c)は、Y−Y断面図であり、(d)は、同ピストンシャフトの変形例を(a)のY−Y断面で示す図である。 図9の一部拡大断面図である。 本発明の第2の形態である、カートリッジ式噴霧注射器を一部断面で示す図である。
以下、図面を参照して、本発明である、エア混合式噴出器の様々な形態を詳細に説明する。
図1は、点鼻薬の噴霧に用いられる、本発明の第1の形態である、カートリッジ式噴霧注射器I1を、カートリッジA及び操作器具Bに分解した状態で示す。
符号1は、第1シリンジである。第1シリンジ1は、中空の胴部1aの一端に形成された環状の肩部1bを介して当該胴部1aよりも小径の筒体部1cが一体に設けられている。筒体部1cの内側には、胴部1aの内側に形成された空間に通じる内部通路r1が形成されている。また、第1シリンジ1には、指掛け部1dが設けられている。
符号2は、第1ピストンである。第1ピストン2は、第1シリンジ1の胴部1aの内側に摺動可能に保持されることで、第1シリンジ1内の空気を圧送する。符号3は、ピストンシャフトである。第1ピストン2は、ピストンシャフト3に固定されている。これにより、ピストンシャフト3に設けたフランジ3fを押圧することで、第1ピストン2が第1シリンジ1内の空気を筒体部1cの内部通路r1に押し出すことができる。
符号4は、第1シリンジ1内に固定される固定部材である。固定部材4は、胴部1aの内側を2分する仕切壁4aを有する。仕切壁4aには、図2に示すように、軸部4bとともに周壁4cが一体に起立する。また、仕切壁4aには、周壁4cの内側に、4つの貫通孔4d(図中は、一箇所のみ例示的に指示)が形成されている。なお、固定部材4を第1シリンジ1内に固定する手段としては、例えば、固定部材4の外周に環状突起4eを形成し、この環状突起4eを図4に示すように、第1シリンジ1の内周面に形成した環状凹部nに嵌合させるものがある。
更に、固定部材4は、図4に示すように、軸部4bと周壁4cとの間で、弾性部材5を筒体部1cに向かって支持する。弾性部材5は、変形及び復元の可能な弾性部材であって、例えば、図示のようなスプリングが挙げられる。
符号6は、第1ピストン2によって押し出された空気を圧縮空気として、筒体部1cの内部通路r1に通じさせる逆止弁である。逆止弁6は、内部通路r1を開閉する弁体6aを有し、この弁体6aは、環状壁6bを介して外筒部6cが一体に設けられている。これにより、逆止弁6は、第1シリンジ1の胴部1aの内側に摺動可能に保持される。
また、逆止弁6は、環状壁6bから筒状部6dが一体に垂下する。弾性部材5は、筒状部6dの内側に配置されることで、逆止弁6を固定部材4に対して弾性支持する。また、逆止弁6には、図3に示すように、4つの貫通孔6e(図中は、一箇所のみ例示的に指示)が形成されている。筒状部6dは、図4に示すように、周壁4cの内側に摺動可能に保持されることで、貫通孔4dからの空気を貫通孔6eに導く通路を形成する。
加えて、逆止弁6には、弁体6aとともに第1シリンジ1との間に第1ピストン2で押し出された空気の充填空間S1を形成するとともに、当該充填空間S1の内圧を受ける受圧面fが設けられている。逆止弁6は、通常、図4に示すように、弾性部材5の付勢力によって内部通路r1を閉じる(図3(a)には、弁体6aが密閉するシール部分6fを示す)。これにより、充填空間S1内に押し出された空気は、逃げ場を失い圧縮された状態になる。また、貫通孔6eを通して導かれた空気によって充填空間S1の内圧が上昇すると、その内圧上昇を受けて、図5に示すように、弾性部材5の付勢力に抗して弁体6aを開かせることができる。これにより、逆止弁6を介して高い圧縮空気を送り出すことができる。
操作器具Bは、上述のように構成される一方、カートリッジAは、以下のように構成される。
符号7は、内容液を充填する第2シリンジである。第2シリンジ7は、第1シリンジ1に固定されるフランジ部7aを有する。第1シリンジ1には、筒体部1cを取り囲む先端外筒1eが設けられている。フランジ部7aは、ねじ部として機能し、先端外筒1eの内側に形成されたねじ部1sに取り外し可能に螺合する。これにより、第2シリンジ7は、第1シリンジ1に螺合させることで、図示のように、操作器具Bに対してカートリッジAを装着させることができる。
符号8は、第2シリンジ7内に摺動可能に配置される第2ピストンである。第2ピストン8は、図7に示すように、軸線O8周りを周回する環状凹部8aを有する。環状凹部8aは、第2ピストン8の胴部を上側胴部8bと下側胴部8cに区画する。また、環状凹部8aには、Oリング等の環状のシール部材9が抜け止め保持されている。
第2ピストン8は、図1に示すように、第2シリンジ7との間に、内容液を充填する空間(充填空間)S2を形成する。充填空間S2は、ピストンシャフト3を押し込まない初期状態、更には、ピストンシャフト3を押し込んだ初期段階であって、内部通路r1が逆止弁6によって閉鎖された状態(押込み初期段階)では、図4に示すように、シール部材9が第2シリンジ7の内周面との間を密封することで、内部通路r1から遮断された状態にある。このため、第2ピストン8は、ピストンシャフト3の更なる押し込みにより、図5に示すように、弁体6aが開かれると、内部通路r1を通して押し出された圧縮空気を付勢力として、後述の噴出口7c(図8参照)に向かって移動する。
ここで、第2ピストン8の下側胴部8cは、その外径寸法が第2シリンジ7の内径寸法よりも小さく設定されている。このため、第2ピストン8の下側胴部8cは、第2シリンジ7の内周面に対して環状の隙間C1を形成する。
更に、第2シリンジ7の内側には、エア流路r2が形成されている。エア流路r2は、逆止弁6が開かれることで押し出された圧縮空気を流通させるものである。圧縮空気は、内部通路r1からエア流路r2を経て、内容液の充填空間S2に圧送される。このため、エア流路r2は、第2シリンジ7の内周面に対して、軸線O方向に沿って全体、例えば、図4等に示す第2シリンジ7の内周面が縮径(傾斜)する部分を含むように形成しても、或いは、軸線O方向に沿った全体のうちの、局所的な位置に形成することもできる。同様に、軸線Oの周りに全周に亘って形成しても、周方向に一箇所又は周方向に間隔を置いて複数個所に形成することができる。本形態では、エア流路r2として、軸線Oに沿って延在する複数の溝部7bが形成されている。
第2ピストン8は当初、図4に示すように、隙間C1と溝部7bとの間がシール部材9で遮断されているところ、図5に示すように、弁体6aが開かれると、内部通路r1からの圧縮空気によって噴出口7cに向かって移動する。この移動により、シール部材9が、同図に示すように、溝部7b上に位置すると、第1ピストン2から内部通路r1を通して押し出された圧縮空気は、隙間C1から溝部7bを通して充填空間S2に押し出されることで、充填空間S2内の内容液と混合される。これにより、充填空間S2に充填された内容液は、第2ピストン8に付勢力を与える圧縮空気を混合させた状態になるとともに、噴出口7cから外界に向けて一気に、霧状に噴出させることができる。
なお、第2ピストン8の移動が更に大きいときには、その下側胴部8cが、図6に示すように、溝部7bを通過すると、第1ピストン2から内部通路r1を通して押し出された圧縮空気は、溝部7bのみを通して直接充填空間S2に押し出される。
また、第2ピストン8は、第2シリンジ7の内側に固定された環状部材10によって、第2シリンジ7からの抜け止めがなされている。また、第2ピストン8は、図7に示すように、環状凹部8aに縦溝8dが形成されているとともに、下側胴部8cの段差面8eは、縦溝8dの位置にて、軸線O8方向に沿って第2ピストン8の受圧面8fに向かう凹形状を形作る。この場合、第2ピストン8を第2シリンジ7に組み付けるとき、シール部材9が第2シリンジ7との摺動抵抗により、図7(a)の二点鎖線に示す状態から同図(b)の二点鎖線に示すように捲れても、組み付け後は、シール部材9の復元力により、同図(a)の二点鎖線に示す状態に戻ることで、縦溝8dがアンダーパスの役目を果たすことで、隙間C1からの空気の導入が可能となる。
本発明では、ピストンシャフト3を押し込んで第1シリンジ1内の第1ピストン2を作動させれば、当該第1ピストン2が第1シリンジ1内の空気を、第2シリンジ7と逆止弁6との間に形成した充填空間S1に押し出すことで、当該充填空間S1の内圧を高めることができる。この内圧の上昇に伴い逆止弁6が開くと、内部通路r1を通して、第2シリンジ7には圧縮された空気が押し出される。この圧縮空気は、当該第2シリンジ7内の第2ピストン8を移動させるとともに、第2シリンジ7に形成したエア流路r2を通して、第2ピストン8との間に形成された充填空間S2に押し出される。これにより、充填空間S2に充填された内容液は、図8に示すように、逆止弁6からの圧縮空気と混合させた状態になるとともに、噴出口7cから外界に向けて一気に、霧状に噴出させることができる。従って、本発明によれば、ピストンシャフト3を押し込むだけの簡単な操作で、空気を混合させた内容液を第2シリンジ7に応じた容量だけ取り出すことができる。
また、第2ピストン8は、第1ピストン2で押し出された空気によって作動するものであるため、内容液を充填・圧送する機構として、第2シリンジ7及び第2ピストン8を採用できるとともに、この第2ピストン8を駆動させる機構として、第1シリンジ1及び第1ピストン2を採用できる。この場合、第2ピストン8を駆動させる機構を小型化させることなく、内容液を充填・圧送する機構のみ、即ち、第2シリンジ7及び第2ピストン8のみを小型化することができる。従って、本発明は、操作性を損なうことなく、空気を混合させた内容液を少量だけ取り出したい場合に有効である。
また、本形態では、図1に示すように、第2シリンジ7に密封栓11が設けられている。密封栓11は、切断可能な連結部11aを介して繋がる。これにより、充填空間S2は完全に密封された状態となる。そして密封栓11は、図8に示すように、第2シリンジ7から分離することで、第2シリンジ7の先端に噴出口7cを形成する。なお、密封栓は、本形態のような「もぎり栓」はなく、キャップ等に置き換えることもできる。
ところで、本形態では、図9に示すように、使用済みのカートリッジAを操作器具Bから取り外して、新品のカートリッジAに交換することができる。
しかしながら、ピストンシャフト3を押し込んで充填空間S1からの圧縮空気を圧送した後は、充填空間S1内の圧力が減少することから、逆止弁6は、弾性部材5の付勢力により内部通路r1を閉じる。このため、図9の矢印に示すように、ピストンシャフト3を引き戻そうとしても、第1シリンジ1内に生じる負圧によって、その引き戻しが困難である。
そこで、本形態では、第1ピストン2及びピストンシャフト3で外気導入弁を構成する。
第1ピストン2は、第1シリンジ1の内側に摺動可能に保持される中空の摺動部2aを有し、この摺動部2aの内側に形成された開口部2hに、弁体2bが配置されている。弁体2bは、図10に示すように、連結片2cを介して摺動部2aに一体に設けられている。連結片2cは、変形及び復元が可能で弁体2bの開閉に寄与する。なお、本発明に従えば、弁体2bは、本形態のような1点弁に限定されることなく、例えば、連結片2cを3箇所に設けた3点弁とすることもできる。
ピストンシャフト3は、図11に示すように、十字断面形状のシャフト部3aを有する。シャフト部3aの一端には、第1フランジ3bが一体に設けられている。第1フランジ3bは、その外径寸法が第1シリンジ1の内径寸法よりも小さく設定されている。このため、第1フランジ3bは、図12に示すように、第1シリンジ1の内周面に対して環状の隙間C2を形成する。
また、第1フランジ3bには、十字断面形状の連結部3cを介して、第2フランジ3dが一体に設けられている。第2フランジ3dには、ピストンシャフト3の先端部として、第1ピストン2が固定される。第1ピストン2は、その摺動部2aの内側に、環状突起2dが形成されている。これにより、第1ピストン2は、その環状突起2dを第2フランジ3dの外周縁に引っ掛けることで、第2フランジ3dの周りに固定される。
また、第2フランジ3dには、環状凸部3eが一体に起立する。環状凸部3eの内側には、貫通孔3hが形成されている。これにより、貫通孔3hは、連結部3cによって4つの貫通孔に区画される(図11(b)参照;図中は、一箇所のみ例示的に指示)。環状凸部3eは、弁体2bが着座する弁座として機能することで、貫通孔3hは密封状態に保持される。
かかる構成によれば、ピストンシャフト3を押し込んだときには、第1ピストン2の弁体2bは、図1に示すように、ピストンシャフト3に着座して第1シリンジ1内を密封する。これにより、第1シリンジ1内の空気を第1ピストン2で押し出すことができる。
その一方、ピストンシャフト3を引き戻したときには、第1ピストン2の弁体2bは、第1シリンジ1内に生じた負圧により、図12に示すように、ピストンシャフト3の環状凸部3eから離間する。これにより、第1シリンジ1内には、外界からの空気が、第1シリンジ1と第1フランジ3bとの間の隙間C2から貫通孔3hを通して導入されるため、ピストンシャフト3の引き戻しをスムースに行うことができる。なお、本発明に従えば、図11(d)に示すように、第2フランジ3dの外縁部に凹部3d1に形成することで、隙間C2を拡大し、或いは、凹部3d1のみで隙間C2を形成するができる。
また、本形態では、第2フランジ3dから起立させた環状凸部3eを弁座として機能させることで、弁体2bとの間の密封性を向上させているが、本発明に従えば、環状凸部3eを省略することで、第2フランジ3dの表面そのものを弁座として機能させることも可能である。
このように本発明によれば、少量の内容液であっても空気を混合させた状態で取り出すことができるとともに、第1ピストン2を引き戻して再使用が容易な、新規のエア混合式噴出器を提供することができる。
図13は、本発明の第2の形態である、カートリッジ式噴霧注射器I2である。上述した第1の形態は、第2シリンジ7を第1シリンジ1に対して螺合させることで、交換可能なカートリッジ式として構成されているが、本形態では、先端外筒1eは、ねじ部1sに換えて、軸線O周りを周回する環状凹部1nとして構成している。第1シリンジ1のフランジ部7aは、環状凹部1nに取り外し可能に嵌合する。これにより、カートリッジAを操作器具Bに対して交換することができる。なお、本形態において、第1の形態と同一の部分は同一符号をもってその説明を省略する。
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、本発明によれば、内容液は霧状又は泡状に噴出させることが可能であるが、噴出口7cに、メッシュや焼結体を設けることで、空気を混合させた内容液を、更に泡状に噴出させることができる。更に、本発明に従えば、各形態の構成要素は、各形態の相互間で転用することができる。
本発明は、空気を混合させた内容液の噴出を目的とした噴出器であれば、様々なものに適用することができる。また、内容物の種類についても、限定されない。
1 第1シリンジ
1a 胴部
1b 肩部
1c 筒体部
1d 指掛け部
1e 先端外筒
1s ねじ部
2 第1ピストン
2a 摺動部
2b 弁体
2c 連結片
2h 開口部
3 ピストンシャフト
3a シャフト部
3b 第1フランジ
3c 連結部
3d 第2フランジ
3e 環状凸部
3h 貫通孔
4 固定部材
5 弾性部材
6 逆止弁
6a 弁体
7 第2シリンジ
7a フランジ部
7b 溝部(エア流路)
7c 噴出口
8 第2ピストン
9 シール部材
10 抜け止め部材
11 封止栓
A カートリッジ
B 操作器具
C1 隙間
C2 隙間
f 受圧面
r1 内部通路
r2 エア流路
S1 充填空間(空気)
S2 充填空間(内容液)

Claims (3)

  1. 第1シリンジの先端に、内容液の充填空間を形成する第2ピストンが摺動可能に配置される第2シリンジを直列かつ着脱可能に連結し、第1シリンジの空気をピストンシャフトに設けた第1ピストンで圧送し、この空気が弾性部材の付勢力に抗して逆止弁を開くことで、第2シリンジ内に圧送された空気により、当該第2シリンジに収納された第2ピストンをエア流路が形成される位置にまで駆動させるとともに当該エア流路を通して内容液に空気を混合させるエア混合式噴出器であって、
    第1ピストンは、ピストンシャフトを押し込んだときに当該ピストンシャフトに着座して第1シリンジ内を密封する一方、ピストンシャフトを引き戻したときに当該ピストンシャフトから離間して第1シリンジ内に空気を導入する弁体を有し、ピストンシャフトとともに外気導入弁を構成することを特徴とする、エア混合式噴出器。
  2. 請求項1において、外気導入弁は、第1ピストンが、ピストンシャフトの先端部に嵌合保持される中空の摺動部を有し、当該摺動部の開口部に配置された弁体を変形及び復元の可能な連結片で一体に設けたものであり、
    ピストンシャフトの上端に形成した貫通孔を開放可能に密封するものであることを特徴とする、エア混合式噴出器。
  3. 請求項2において、ピストンシャフトに、弁体を着座させる環状凸部を設けたことを特徴とする、エア混合式噴出器。
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