JP5840095B2 - 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5840095B2
JP5840095B2 JP2012202923A JP2012202923A JP5840095B2 JP 5840095 B2 JP5840095 B2 JP 5840095B2 JP 2012202923 A JP2012202923 A JP 2012202923A JP 2012202923 A JP2012202923 A JP 2012202923A JP 5840095 B2 JP5840095 B2 JP 5840095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main surface
substrate
anode electrode
substrate holder
deposition chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012202923A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013118351A (ja
Inventor
恵右 仲村
恵右 仲村
晋作 山口
晋作 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012202923A priority Critical patent/JP5840095B2/ja
Priority to TW101139433A priority patent/TWI499071B/zh
Priority to CN201210422640.2A priority patent/CN103094413B/zh
Publication of JP2013118351A publication Critical patent/JP2013118351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5840095B2 publication Critical patent/JP5840095B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、太陽電池の製造装置、太陽電池、及び太陽電池の製造方法に関する。
太陽光発電システムは、化石エネルギーの燃焼による二酸化炭素(CO)ガスの増加から21世紀の地球環境を守るクリーンエネルギーとして期待されており、その生産量は世界中で爆発的に増加している。
現在の一般的な結晶シリコン太陽電池は、厚さが200μm程度のp型結晶シリコン基板を用い、光吸収率を高める表面テクスチャ、n型不純物拡散層、反射防止膜および表面電極(例えば、櫛型Ag電極)を当該基板の表面側に順次形成し、また、裏面電極(例えば、Al電極)をスクリーン印刷によって当該基板の裏面側に形成した後、これらを焼成することによって製造されている。
かかる焼成では、表面電極および裏面電極の溶媒分が揮発すると共に、当該基板の受光面側において櫛型Ag電極が反射防止膜を突き破ってn型不純物拡散層に接続され、また、当該基板の裏面側においてAl電極の一部のAlが当該基板に拡散して裏面電界層(BSF:Back Surface Field)を形成する。このBSF層は、当該シリコン基板との接合面で内部電界を形成してBSF層近傍で発生した少数キャリアをシリコン基板内部へ押し戻し、Al電極近傍でのキャリア再結合を抑制する効果を有する。しかし、この拡散による接合やBSF層の膜厚は、適度なドーパント濃度を持つ熱プロセスを用いて形成すると数百nm〜数μmの厚い膜厚となり、層内での再結合による開放電圧低下や光吸収よる短絡電流の低下を生じる。
そこで、結晶シリコン基板の裏面に薄い真性半導体薄膜(i層)を介して不純物ドープシリコン層からなる接合或いはBSF層を形成するヘテロ接合太陽電池が開発されている。
ヘテロ接合太陽電池では、裏面側の不純物ドープシリコン層を薄膜で形成することにより不純物ドープシリコン層の不純物濃度分布を自由に設定でき、また不純物層が薄いため膜中でのキャリアの再結合や光吸収を抑制することができ、大きい短絡電流が得られる。また、間に挿入した真性半導体層は接合間の不純物拡散を抑制し、急峻な不純物プロファイルをもつ接合を形成することができるため、良好な接合界面形成により高い開放電圧を得ることができる。
さらに、ヘテロ接合太陽電池では、裏面側の真性半導体薄膜および不純物ドープシリコン層は200℃程度の低温で形成できるため、基板の厚みが薄くても熱により基板に生じるストレスや、基板の反りを低減することができる。また、熱により劣化しやすい結晶シリコン基板に対しても基板品質の低下を抑制できることが期待できる。
ヘテロ接合太陽電池の製造に当たっては、例えばn型結晶シリコン基板を用いる場合は、表面側には、真性半導体薄膜(i層)とp型不純物ドープシリコン層とが、裏面側には真性半導体薄膜(i層)とn型不純物ドープシリコン層とが成膜される。
一方、特許文献1には、光起電力装置におけるPIN接合を備えた半導体活性層の製造において、シランとメタンの混合ガスにジボランを添加してP型の不純物層を形成し、シリコン化合物ガスに窒素源ガスと酸素源ガスを強制的に混入させて真性層を形成し、シランにホスフィンを添加してN型の不純物層を形成することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、真性層中に強制的に窒素及び酸素を同時に含有せしめることによって、強い光の長時間照射による光電変換効率の劣化割合を抑圧することができるとされている。
また、複数種の膜が積層された半導体薄膜の積層体を成膜する装置として、複数の反応室を直列に接続したインライン型のCVD装置が知られている。
特許文献2には、pin構造を形成するための連続分離プラズマ装置において、仕込み室、第1反応室、第2反応室、第3反応室、及び取出室を直列に備え、ガラス基板を各室に順次に搬送していく過程でp型、i型、n型非晶質半導体膜の成膜を順次に行って光起電力装置を形成することが記載されている。この連続分離プラズマ装置の第2反応室では、上側放電電極と下側放電電極との間隔が、ガラス基板の進行方向に沿って次第に広がった後に次第に狭まるように設定されるものとされている。これにより、特許文献2によれば、基板の進行方向に沿って放電電力密度を正確に変化させることができるので、反応室を移動していく複数のガラス基板の1つ1つに所望のバンドギャップ構造を持つi層を形成することができるとされている。
特開昭61−222277号公報 特開平6−151917号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、いずれも、ガラス基板(絶縁性基板)における2つの主面のうち一方のみに成膜することを前提としている。そのため、特許文献1及び特許文献2には、ヘテロ接合太陽電池を製造するための半導体基板(例えば、シリコン基板)における2つの主面への異なる膜の成膜処理をどのようにして効率化するのかに関して一切記載がない。
仮に、ヘテロ接合太陽電池を製造するために特許文献2に記載の連続分離プラズマ装置を用いた場合、半導体基板の2つの主面(表面及び裏面)のそれぞれに異なる半導体薄膜の積層体を成膜するためには、半導体基板の一方の主面に半導体薄膜を成膜した後に、半導体基板を反転させる工程が必要になる。そのため、表面側、裏面側の半導体薄膜層を成膜する複数のCVD装置と、それぞれのCVD装置間にシリコン基板を反転させる装置が必要となる。これにより、装置コストの増大と製造工程の複雑化とを招き、製造コストの高騰をもたす可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヘテロ接合太陽電池の製造コストを低減できる太陽電池の製造装置、太陽電池、及び太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる太陽電池の製造装置は、第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダと、前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する前成膜室と、前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する後成膜室と、前記前成膜室から前記後成膜室へ大気開放せずに前記基板ホルダを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する搬送機構とを備える。前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっている。前記搬送機構は、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記前成膜室から前記前成膜室及び前記後成膜室を接続する移動室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送し、前記移動室内で前記前成膜室の前記アノード電極に対応した位置から前記後成膜室の前記アノード電極に対応した位置まで前記基板ホルダを前記第1の主面に交差する方向に移動させ、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記移動室から前記後成膜室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送する
本発明によれば、基板ホルダを反転させるための工程が不要であり、かつ反転を行う場合に比べて前成膜室及び後製膜室を接続する移動室の大きさを小さくすることができる。これにより、製造工程を短縮できるとともに製造装置の大型化を抑制できるので、ヘテロ接合太陽電池の製造コストを低減できる。
図1は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1における太陽電池基板ホルダの構成を示す平面図である。 図3は、実施の形態1における太陽電池基板ホルダの構成を示す断面図である。 図4は、実施の形態1における成膜室の構成を示す図である。 図5は、実施の形態1における搬送機構の構成及び動作を示す図である。 図6は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造装置の構成及び動作を示す図である。 図7は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造装置の構成及び動作を示す図である。 図8は、実施の形態2における成膜室の構成を示す図である。 図9は、実施の形態3における太陽電池基板トレーの構成を示す一部上面図である。 図10は、実施の形態3における太陽電池基板トレーの構成を示す一部断面図である。 図11は、実施の形態3における太陽電池基板トレー、基板、および太陽電池基板押さえを載置した状態を示す一部上面図である。 図12は、図11におけるC−C方向の一部断面図である。 図13は、図11におけるD−D方向の一部断面図である。 図14は、実施の形態3における非晶質半導体層が成膜された基板の示す断面図である。 図15は、実施の形態3における太陽電池基板トレー、基板、および太陽電池基板押さえを載置した状態の一例を示す一部上面図である。 図16は、実施の形態3における太陽電池基板トレー、基板、および太陽電池基板押さえを載置した状態の一例を示す一部上面図である。 図17は、実施の形態3における太陽電池基板トレー、基板、および太陽電池基板押さえを載置した状態の一例を示す一部上面図である。 図18は、実施の形態3における集電電極が形成された太陽電池基板を示す上面図である。 図19は、図18におけるE−E方向の一部断面図である。 図20は、実施の形態3における太陽電池基板トレーの構成の一例を示す一部上面図である。 図21は、実施の形態3における太陽電池基板トレー、基板、および太陽電池基板押さえを載置した状態の一例を示す一部上面図である。 図22は、図21におけるH−H方向の一部断面図である。 図23は、図21におけるI−I方向の一部断面図である。 図24は、実施の形態4における成膜室内の構成の一例を示す一部断面図である。 図25は、実施の形態4における成膜室内の構成の一例を示す一部断面図である。 図26は、実施の形態4における成膜室内の構成の一例を示す一部断面図である。 図27は、実施の形態4における成膜室内の構成の一例を示す一部断面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池の製造装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる太陽電池製造装置図は模式的なものであり、長さ、奥行き、高さの関係やそれぞれの比率などは現実のものとは異なる。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置100について図1を用いて説明する。図1は、太陽電池の製造装置100の構成の一例を模式的に示す上面図である。
太陽電池の製造装置100は、例えば、ヘテロ接合太陽電池を製造するためのインライン型プラズマCVD装置であり、複数の成膜室が複数のゲートバルブを介して直列に接続されている。具体的には、太陽電池の製造装置100は、太陽電池基板ホルダ6、ロード室1、第1成膜室21、第2成膜室22、移動室3、第3成膜室23、第4成膜室24、アンロード室4、複数のゲートバルブ5−1〜5−6、及び搬送機構30を備える。
太陽電池基板ホルダ6は、複数の基板9−1〜9−16(図2参照)を各基板9における表面9a及び裏面9bの両方(図3参照)が露出されるように平面的に保持する。各基板9は、例えば、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されており、ヘテロ接合太陽電池が形成されるように表面9a及び裏面9bの両方に互いに異なる膜が堆積されるべき基板である。ロード室1、第1成膜室21、第2成膜室22、移動室3、第3成膜室23、第4成膜室24、アンロード室4は、複数のゲートバルブ5−1〜5−6を介して直列に接続されている。
例えば略鉛直にセットされた太陽電池基板ホルダ6は、ゲートバルブ5−1が閉じた状態で、大気中からロード室1に投入される。ロード室1の真空引きが行われた後、ゲートバルブ5−1が開かれ、搬送機構30は、基板9の表面9aに沿って、太陽電池基板ホルダ6をロード室1から第1成膜室21へ搬送する。ゲートバルブ5−1,5−2が閉じられ、第1成膜室21の真空引きが行われた後、第1の成膜ガスが第1成膜室21に導入され、太陽電池基板ホルダ6に保持された各基板9の表面9aに第1の膜が成膜される。同様にして、太陽電池基板ホルダ6が搬送機構30により順次次の成膜室へと移動されていく。各成膜室(第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、第4成膜室24)における成膜が終了した後に、太陽電池基板ホルダ6が搬送機構30によりアンロード室4へと導かれる。アンロード室4が大気解放された後に、太陽電池基板ホルダ6は、太陽電池の製造装置100の外部へと取り出される。
各成膜室(第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、第4成膜室24)には、カソード電極7とアノード電極8とが設置されている。カソード電極7とアノード電極8との位置関係は、移動室3をはさんだ、第1成膜室21および第2成膜室22と、第3成膜室23および第4成膜室24とでは逆転している。すなわち、第1成膜室21及び第2成膜室22のそれぞれでは、カソード電極7が図1中下側に位置し、アノード電極8が図1中上側に位置する。それに対して、第3成膜室23及び第4成膜室24のそれぞれでは、カソード電極7が図1中上側に位置し、アノード電極8が図1中下側に位置する。太陽電池基板ホルダ6は、移動室3内で基板9の表面9a(図3参照)に対して交差する方向(例えば、略垂直な方向)に沿って平行に移動することで、どの成膜室においてもアノード電極8上に近接された状態で成膜が行われる。
搬送機構30は、第1成膜室21から第4成膜室24へ大気開放せずに太陽電池基板ホルダ6を搬送経路の大部分において基板9の表面9aに沿った方向に搬送する。具体的には、搬送機構30は、第1搬送機構31、第2搬送機構32、及び第3搬送機構33を有する。
第1搬送機構31は、基板9の表面9a(図3参照)に沿って搬送可能な機構である。例えば、第1搬送機構31は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6をロード室1から、第1成膜室21、第2成膜室22、及び移動室3へ順次に搬送していく。例えば、第1搬送機構31は、固定子31a、移動子31b、及び保持部31cを有する(図5(a)参照)。固定子31aは、基板9の表面9aに沿った方向に延びている。移動子31bは、固定子31aの長手方向に沿って移動可能に構成されている。例えば、固定子31a及び移動子31bは、一方が永久磁石を有し他方が電磁石を有するようなリニアモータを構成していてもよい。保持部31cは、移動子31bに結合されており太陽電池基板ホルダ6を保持しながら移動子31bとともに移動する。保持部31cは、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち製造装置100の長手方向に沿った側の側面6a,6b近傍を保持しても良い(図2、図5(a)参照)。
第2搬送機構32は、基板9の表面9a(図3参照)に交差する方向(例えば、略垂直な方向)に沿って搬送可能な機構である。例えば、第2搬送機構32は、移動室3内で太陽電池基板ホルダ6を第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置から第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置へ移動させる。例えば、第2搬送機構32は、固定子32a、移動子32b、及び保持部32cを有する(図5(b)参照)。固定子32aは、基板9の表面9aに交差する方向(例えば、略垂直な方向)に延びている。固定子32aは、例えば、太陽電池基板ホルダ6に関して固定子31aの反対側に配されている。移動子32bは、固定子32aの長手方向に沿って移動可能に構成されている。例えば、固定子32a及び移動子32bは、一方が永久磁石を有し他方が電磁石を有するようなリニアモータを構成していてもよい。保持部32cは、移動子32bに結合されており太陽電池基板ホルダ6を保持しながら移動子32bとともに移動する。保持部32cは、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち製造装置100の長手方向に交差する側の側面6c近傍を保持しても良い(図2、図5(b)参照)。
第3搬送機構33は、基板9の表面9a(図3参照)に沿って搬送可能な機構である。例えば、第3搬送機構33は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6を移動室3から、第3成膜室23、第4成膜室24、アンロード室4へ順次に搬送していく。例えば、第3搬送機構33は、固定子33a、移動子33b、及び保持部33cを有する(図5(c)参照)。固定子33aは、基板9の表面9aに沿った方向に延びている。移動子33bは、固定子33aの長手方向に沿って移動可能に構成されている。例えば、固定子33a及び移動子33bは、一方が永久磁石を有し他方が電磁石を有するようなリニアモータを構成していてもよい。保持部33cは、移動子33bに結合されており太陽電池基板ホルダ6を保持しながら移動子33bとともに移動する。保持部33cは、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち進行方向に沿った側の側面6a,6b近傍を保持しても良い(図2、図5(c)参照)。
このように、搬送機構30は、第1成膜室21から第4成膜室24へ大気開放せずに太陽電池基板ホルダ6を搬送経路の大部分において基板9の表面9aに沿った方向に搬送するので、太陽電池基板ホルダ6を大きく反転させることなく、基板9の両面(表面9a及び裏面9b)に成膜することが可能になる。これにより、太陽電池基板ホルダ6を反転させるための工程(回転させるための大気開放や真空引きの工程など)が不要であり、かつ反転を行う場合に比べて移動室3の大きさを小さくすることができる。例えば、移動室3の大きさは、第2搬送機構32による横方向(基板9の表面9aに略垂直な方向)の移動に対して最小限にとどめることができる。
次に、太陽電池基板ホルダ6の構成について図2及び図3を用いて説明する。図2は、太陽電池基板ホルダ6の構成を示す平面図であり、例えば図1中下方から太陽電池基板ホルダ6を見た場合の構成を示す図である。図3は、太陽電池基板ホルダ6の構成を示す断面図であり、図2のA−A線で切った場合の断面を示す図である。
図2に示すように、太陽電池基板ホルダ6には、複数枚の基板9−1〜9−16が載置され、複数枚の基板9−1〜9−16へ同時に成膜することが可能である。各基板9は、例えば、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料(例えば、結晶)で形成されており、ヘテロ接合太陽電池が形成されるように表面9a及び裏面9bの両方に互いに異なる膜が堆積されるべき基板である。
太陽電池基板ホルダ6は、図3に示すように、太陽電池基板トレー61及び太陽電池基板押さえ62を有する。基板9は、その縁部が太陽電池基板トレー61と太陽電池基板押さえ62とに挟み込まれるように固定される。また、太陽電池基板トレー61及び太陽電池基板押さえ62は、ともに開口部61a,62aが設けられており、基板9は表面9a及び裏面9bがそれぞれプラズマに暴露可能なように露出されている。すなわち、太陽電池基板ホルダ6は、複数の基板9−1〜9−16(図2参照)を各基板9における表面9a及び裏面9bの両方(図3参照)が露出されるように保持する。これにより、各基板9における表面9a及び裏面9bの両面に成膜を行うことが可能である。太陽電池基板トレー61、および太陽電池基板押さえ62には、その材料としては表面をアルマイト加工したアルミニウム、アルミナ等のセラミックス系材料、カーボンコンポジット材料等を使用することができる。
次に、各成膜室(第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、第4成膜室24)の構成について図4を用いて説明する。図4は、図1に示す第1成膜室21を右回りに90°回転させた場合の上面図を例示的に示すものである。
第1成膜室21は、チャンバー壁CHにより囲まれた真空引き可能な空間である。チャンバー壁CHには、排気口CHa及び供給口CHbが形成されている。第1成膜室21内には、アノード電極8とカソード電極7とが、互いに対向するように配置されている。カソード電極7には、例えばシャワー状に複数の開口部7aが設けられている。カソード電極7は、例えば、高周波電源10に電気的に接続されている。アノード電極8は、例えば、グランド電位に電気的に接続されている。
排気口CHaを介して真空ポンプにより第1成膜室21内が真空引きされたあと、図4に示すように、太陽電池基板ホルダ6が第1搬送機構31によりアノード電極8側へ搬入されアノード電極8近傍に配置される。太陽電池基板ホルダ6は、例えば、アノード電極8に接触するように載置される。このとき、太陽電池基板ホルダ6に保持された各基板9における2つの主面(表面9a及び裏面9b)のうち例えば表面9aがカソード電極7側に向いている。そして、アノード電極8とカソード電極7との間の空間SPに、ガス供給源(図示せず)からプロセスガス制御系11を経て供給口CHb及びカソード電極7のシャワー状の開口部7aを介してプロセスガスが供給される。また、高周波電源10より供給される高周波電力(高周波バイアス)がカソード電極7に印加され、カソード電極7とアノード電極8との間の空間SPにプラズマPLが生成される。プラズマPL中で生成される化学活性種が成膜前駆体となり、基板9の主面(この場合は表面9a)で反応し所望の膜が成膜される。なお、太陽電池基板ホルダ6は例えばアノード電極8に接触するように載置された場合、基板9の2つの主面のうちプラズマPLに暴露される主面(この場合は表面9a)にのみ成膜が行われ、アノード電極8と接触する反対側の主面(この場合は裏面9b)には成膜は行われない。また、図示はされないが、アノード電極8はヒータにより加熱され太陽電池基板ホルダ6および基板9の温度を制御する。反応に寄与しないプロセスガスや反応生成物は真空ポンプにより排気口CHaを介して成膜室外へと排出される。
なお、第2成膜室22についても太陽電池基板ホルダ6に保持された各基板9における2つの主面(表面9a及び裏面9b)のうち表面9aがカソード電極7側に向いており、各基板9の表面9a側に成膜が行われる点は上記と同様である。それに対して、第3成膜室23及び第4成膜室24については、太陽電池基板ホルダ6に保持された各基板9における2つの主面(表面9a及び裏面9b)のうち裏面9bがカソード電極7側に向いており、各基板9の裏面9b側に成膜が行われる点が上記と異なる。その他の点は、上記と同様である。
次に、成膜工程について図1及び図5を用いて説明する。図5(a),(b),(c)は、それぞれ図1中下方から第1搬送機構31、第2搬送機構32、及び第3搬送機構33を見た場合の動作を示す図である。
基板9としてはn型単結晶シリコン基板を用いて、太陽電池基板押さえ62の開口部62a側を太陽電池として作用させる場合に太陽光が入射する側となる受光面(表面9a)とし、太陽電池基板トレー61の開口部61a側を裏面9bとするように、n型単結晶シリコン基板(基板9)を太陽電池基板ホルダ6に設置する。ゲートバルブ5−1を閉じた状態でロード室1へ太陽電池基板ホルダ6を投入し、ロード室1を真空引きする。その後、ゲートバルブ5−1を開いた状態で第1搬送機構31は、太陽電池基板ホルダ6を第1成膜室21へと移動させる。太陽電池基板押さえ62の開口部62a側がプラズマPLに暴露するように太陽電池基板ホルダ6をアノード電極8近傍に配置する。そして、ゲートバルブ5−1,5−2を閉じて第1成膜室21内を真空引きした後、i型非晶質シリコン層を成膜するためプロセスガスとしてシランガスと水素ガスとが第1成膜室21内に導入される。このとき、例えば、プロセスガス制御系11等により、シランガス流量に対する水素ガスの流量を0〜20倍の範囲になるように設定し、圧力が50〜500Paの範囲の一定の値となるように制御し、基板温度は100〜200℃の一定の値となるように制御する。例えば、電力密度1平方cm当たり10〜100mWの高周波電力(高周波バイアス)をカソード電極7及びアノード電極8の間に印加して上記のプロセスガスを放電させる。これにより、例えば膜厚2〜10nmのi型非晶質シリコン層を各基板9の表面9a側に成膜する。
次に、ゲートバルブ5−2を開いた状態で、第1搬送機構31は、太陽電池基板ホルダ6を第2成膜室22へと移動させる。そして、ゲートバルブ5−2,5−3を閉じて第2成膜室22内を真空引きした後、p型非晶質シリコン層を成膜するためプロセスガスとしてシランガス、ジボランガスおよび水素ガスとが第2成膜室22内に導入される。このとき、例えば、プロセスガス制御系11等により、シランガス流量に対するジボランガス流量が0.4〜5.0%になるように、シランガス流量に対する水素ガスの流量を0〜20倍の範囲になるようにそれぞれ設定し、50〜500Paの範囲の一定の値となるように制御し、基板温度は100〜200℃の一定の値となるように制御する。例えば、電力密度1平方cm当たり10〜100mWの高周波電力(高周波バイアス)をカソード電極7及びアノード電極8の間に印加して上記のプロセスガスを放電させる。これにより、例えば膜厚2〜10nmのp型非晶質シリコン層を各基板9の表面9a側に成膜する。
なお、p型非晶質シリコン層よりもバンドギャップが広く光透過率の高いp型非晶質炭化シリコン層を成膜するためにメタンガスやモノメチルシランガスをプロセスガスとして用いてもよい。
次に、ゲートバルブ5−3を開いた状態で、第1搬送機構31は、太陽電池基板ホルダ6を移動室3へと移動させる。具体的には、図5(a)に示すように、第1搬送機構31は、各基板9の表面9aに沿って、太陽電池基板ホルダ6を移動させる。すなわち、第1搬送機構31は、太陽電池基板ホルダ6を、第2成膜室22におけるアノード電極8近傍の位置から、移動室3における第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置へ移動させる。
そして、第2搬送機構32は、図5(b)に示すように、移動室3における第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置にある太陽電池基板ホルダ6を保持する。その後、第1搬送機構31は、太陽電池基板ホルダ6の保持を解除する。第2搬送機構32は、太陽電池基板ホルダ6を移動室3内で横方向に移動させる。具体的には、第2搬送機構32は、各基板9の表面9aに略垂直な方向に(例えば、図5(b)紙面に対して手前に近づく方向に)太陽電池基板ホルダ6を移動させる。すなわち、第2搬送機構32は、太陽電池基板ホルダ6を、移動室3における第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置から、移動室3における第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置へ移動させる。なお、このとき、ゲートバルブ5−3,5−4は、閉じていても良い。
さらに、第3搬送機構33は、図5(c)に示すように、移動室3における第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置にある太陽電池基板ホルダ6を保持する。その後、第2搬送機構32は、太陽電池基板ホルダ6の保持を解除する。ゲートバルブ5−4を開いた状態で、第3搬送機構33は、太陽電池基板ホルダ6を第2成膜室23へと移動させる。具体的には、図5(c)に示すように、第3搬送機構33は、各基板9の表面9aに沿って、太陽電池基板ホルダ6を移動させる。すなわち、第3搬送機構33は、太陽電池基板ホルダ6を、移動室3における第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置から、第3成膜室23におけるアノード電極8近傍の位置へ移動させる。
太陽電池基板ホルダ6は、移動室3内で横方向(各基板9の表面9aに略垂直な方向)に移動したことにより、太陽電池基板トレー61の開口部61a側がプラズマに暴露するように、太陽電池基板ホルダ6はアノード電極8近傍に配置される。そして、ゲートバルブ5−4,5−5を閉じて第3成膜室23内を真空引きした後、i型非晶質シリコン層を成膜するためプロセスガスとしてシランガスと水素ガスとが第3成膜室23内に導入される。このとき、例えば、プロセスガス制御系11等により、シランガス流量に対する水素ガスの流量を0〜20倍の範囲になるように設定し、圧力が50〜500Paの範囲の一定の値となるように制御し、基板温度は100〜200℃の一定の値となるように制御する。例えば、電力密度1平方cm当たり10〜100mWの高周波電力(高周波バイアス)をカソード電極7及びアノード電極8の間に印加して上記のプロセスガスを放電させる。これにより、例えば膜厚2〜10nmのi型非晶質シリコン層を各基板9の裏面9b側に成膜する。
次に、ゲートバルブ5−5を開いた状態で、第3搬送機構33は、太陽電池基板ホルダ6を第4成膜室24へと移動させる。そして、ゲートバルブ5−5,5−6を閉じて第4成膜室24内を真空引きした後、n型非晶質シリコン層を成膜するためプロセスガスとしてシランガス、ホスフィンガスおよび水素ガスとが第4成膜室24内に導入される。このとき、例えば、プロセスガス制御系11等により、シランガス流量に対するホスフィンガス流量が0.4〜5.0%になるように、シランガス流量に対する水素ガスの流量を0〜20倍の範囲になるようにそれぞれ設定し、圧力が50〜500Paの範囲の一定の値となるように制御し、基板温度は100〜200℃の一定の値となるように制御する。例えば、電力密度1平方cm当たり10〜100mWの高周波電力(高周波バイアス)をカソード電極7及びアノード電極8の間に印加して上記のプロセスガスを放電させる。これにより、例えば膜厚2〜20nmのn型非晶質シリコン層を各基板9の裏面9b側に成膜する。
第4成膜室24での成膜が終了した後、ゲートバルブ5−6を開いた状態で、第3搬送機構33は、太陽電池基板ホルダ6をアンロード室4へ移動させる。そして、ゲートバルブ5−6を閉じた状態で、アンロード室4が大気解放された後に、太陽電池基板ホルダ6は取り出される。このようしてn型単結晶シリコン基板の受光面側にはi型非晶質シリコン層とp型非晶質シリコン層との積層体が裏面側にはi型非晶質シリコン層とn型非晶質シリコン層との積層体がそれぞれ形成される。
以上により対向するカソード電極7とアノード電極8との間に印加される高周波電界により生成されたプラズマを用いた容量結合型プラズマCVD方式の成膜装置において、基板9あるいは太陽電池基板ホルダ6を装置外に取り出したり、あるいは基板9あるいは太陽電池基板ホルダ6を反転させる機構を必要とせず、連続的に基板9両面にヘテロ接合太陽電池を構成する非晶質シリコン層を成膜することができる。
容量結合型プラズマCVD法は、誘導結合型プラズマCVD法に比べて、プラズマ中での電離が穏やかなため、シランガス等の反応生成種を過剰に分解する傾向が弱いので、ヘテロ接合型太陽電池に適した、膜中欠陥が少ない高品質の非晶質膜シリコン層を成膜する点で有利である。
なお、本実施の形態においては各層を独立した成膜室にて成膜を行っているが、同一成膜室内で連続する膜の成膜を行ってもよく、例えば第1成膜室21においてi型非晶質シリコン層とp型非晶質シリコン層とを連続して成膜を行うことで、第2成膜室22を省略してもよい。また受光面側と裏面側の成膜順序を逆にしてもよい。さらにロード室1と第1成膜室21との間に予備加熱室を設けてもよい。
また、太陽電池用結晶基板としてp型単結晶シリコン基板、n型多結晶シリコン基板、p型多結晶シリコン基板を用いてもよい。
以上のように、実施の形態1では、太陽電池基板ホルダ6が、複数の基板9−1〜9−16(図2参照)を各基板9における表面9a及び裏面9bの両方(図3参照)が露出されるように平面的に保持する。そして、搬送機構30は、第1成膜室21から第4成膜室24へ大気開放せずに太陽電池基板ホルダ6を搬送経路の大部分において基板9の表面9aに沿った方向に搬送する。これにより、太陽電池基板ホルダ6を大きく反転させることなく、基板9の両面(表面9a及び裏面9b)に成膜することが可能になるので、太陽電池基板ホルダ6を反転させるための工程(回転させるための大気開放や真空引きの工程など)が不要であり、かつ反転を行う場合に比べて移動室3の大きさを小さくすることができる。したがって、製造工程を短縮できるとともに製造装置の大型化を抑制できるので、ヘテロ接合太陽電池の製造コストを低減できる。
また、実施の形態1では、第1成膜室21及び第2成膜室22のそれぞれにおけるカソード電極7とアノード電極8との位置関係は、第3成膜室23及び第4成膜室24のそれぞれにおけるカソード電極7とアノード電極8との位置関係と逆になっている。これにより、基板9を反転させること無く、搬送機構30が太陽電池基板ホルダ6を第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、及び第4成膜室24へ順次に搬送することにより、各基板9における表面9a及び裏面9bの両面への成膜が可能になる。これにより、太陽電池基板ホルダ6を反転させるための工程(回転させるための大気開放や真空引きの工程など)が不要であり、かつ反転を行う場合に比べて移動室3の大きさを小さくすることができる。例えば、移動室3の大きさは、第2搬送機構32による横方向(基板9の表面9aに略垂直な方向)の移動に対して最小限にとどめることができる。したがって、製造工程を短縮できるとともに製造装置の大型化を抑制できるので、ヘテロ接合結晶太陽電池の製造コストを低減することができる。
また、実施の形態1では、搬送機構30において、第1搬送機構31が、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6をロード室1から、第1成膜室21、第2成膜室22、及び移動室3へ順次に搬送していく。第2搬送機構32は、移動室3内で太陽電池基板ホルダ6を第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置から第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置へ移動させる。第3搬送機構33は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6を移動室3から、第3成膜室23、第4成膜室24、アンロード室4へ順次に搬送していく。これにより、基板9を反転させること無く基板9における表面9a及び裏面9bの両面への成膜を行うことのできる装置を簡易な構成で実現できる。
また、実施の形態1では、第1搬送機構31が、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち製造装置100の長手方向に沿った側の側面6a,6b近傍を保持し、第2搬送機構32が、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち製造装置100の長手方向に交差する側の側面6c近傍を保持し、第3搬送機構33が、例えば、太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち進行方向に沿った側の側面6a,6b近傍を保持する。すなわち、第1搬送機構31と第2搬送機構32とが太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち異なる側面近傍を保持するとともに、第2搬送機構32と第3搬送機構33とが太陽電池基板ホルダ6の4側面6a〜6dのうち異なる側面近傍を保持する。これにより、第1搬送機構31と第2搬送機構32との太陽電池基板ホルダ6の受け渡しをスムーズに行うことができるとともに受け渡しのためのスペースをコンパクトなものに抑えることができる。また、第2搬送機構32と第3搬送機構33との太陽電池基板ホルダ6の受け渡しをスムーズに行うことができるとともに受け渡しのためのスペースをコンパクトなものに抑えることができる。
また、実施の形態1では、移動室3は、基板9の表面9aに沿った方向に、第1成膜室21及び第2成膜室22と第3成膜室23及び第4成膜室24とを連結する。これにより、搬送機構30の第2搬送機構32が、移動室3内で太陽電池基板ホルダ6を第2成膜室22のアノード電極8に対応した位置から第3成膜室23のアノード電極8に対応した位置へ移動させる際のストロークを短く抑えることが容易である。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる太陽電池の製造装置200について図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7は、太陽電池の製造装置200の構成及び動作の一例を模式的に示す上面図である。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態2にかかる太陽電池の製造装置200は、例えば、複数の成膜室が複数のゲートバルブを介して直列に接続された系列L1,L2が2列並列に並べられたインライン型CVD装置である。系列L1では、ロード室201−1、第1成膜室221−1、第2成膜室222−1、第3成膜室223−1、第4成膜室224−1、アンロード室204−1が複数のゲートバルブ5−11〜5−16を介して直列に接続されている。同様に、系列L2では、ロード室201−2、第1成膜室221−2、第2成膜室222−2、第3成膜室223−2、第4成膜室224−2、アンロード室204−2が複数のゲートバルブ5−21〜5−26を介して直列に接続されている。
第2成膜室222−1,222−2と第3成膜室223−1,223−2との間に両列共通の移動室203がゲートバルブ5−13,5−23,5−14,5−24を介して接続されている。移動室203は、基板9の表面9aと交差する方向に、系列L1の第2成膜室222−1と系列L2の第3成膜室223−2とを連結している。また、移動室203は、基板9の表面9aと反対側に交差する方向に、系列L2の第2成膜室222−2と系列L1の第3成膜室223−1とを連結している。
搬送機構230は、第1搬送機構231、第2搬送機構232、第3搬送機構233、第4搬送機構234、及び第5搬送機構235を有する。
図6に示すように、第1搬送機構231は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6−1を系列L1におけるロード室201−1から、第1成膜室221−1、第2成膜室222−1、及び移動室203へ順次に搬送していく。第2搬送機構232は、移動室203内で太陽電池基板ホルダ6−1を系列L1の第2成膜室222−1のアノード電極8に対応した位置から系列L2の第3成膜室223−2のアノード電極8に対応した位置へ平行に移動させる。第3搬送機構233は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6−1を移動室203から、系列L2における第3成膜室223−2、第4成膜室224−2、アンロード室204−2へ順次に搬送していく。
このとき、系列L1の第1成膜室221−1及び第2成膜室222−1のそれぞれにおけるカソード電極7及びアノード電極8の位置関係は、系列L2の第3成膜室223−2、第4成膜室224−2のそれぞれにおけるカソード電極7及びアノード電極8の位置関係と逆になっている。
また、図7に示すように、第4搬送機構234は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6−2を系列L2におけるロード室201−2から、第1成膜室221−2、第2成膜室222−2、及び移動室203へ順次に搬送していく。第2搬送機構232は、移動室203内で太陽電池基板ホルダ6−2を系列L2の第2成膜室222−2のアノード電極8に対応した位置から系列L1の第3成膜室223−1のアノード電極8に対応した位置へ平行に移動させる。第5搬送機構235は、基板9の表面9aに沿って太陽電池基板ホルダ6−2を移動室203から、系列L1における第3成膜室223−1、第4成膜室224−1、アンロード室204−1へ順次に搬送していく。
このとき、系列L2の第1成膜室221−2及び第2成膜室222−2のそれぞれにおけるカソード電極7及びアノード電極8の位置関係は、系列L1の第3成膜室223−1、第4成膜室224−1のそれぞれにおけるカソード電極7及びアノード電極8の位置関係と逆になっている。
これにより、実施の形態1とは異なり、各系列L1,L2において、成膜室内のカソード電極7とアノード電極8との位置関係は移動室203を挟んで反転させなくとも、基板9の両面それぞれに成膜することが可能となるので、全ての成膜室においてカソード電極7を製造装置200の内側に、アノード電極8をカソード電極7より製造装置200の外側になるように配置している。すなわち、系列L1における各成膜室のカソード電極7が系列L2側に配され、系列L2における各成膜室のカソード電極7が系列L1側に配されている。
このとき、図8に示すように、系列L1と系列L2とで対応する成膜室(例えば、第1成膜室221−1及び第1成膜室221−2)におけるカソード電極7を製造装置200の内側にしたことでプロセスガス制御系211等や高周波電源等の設備を製造装置200の内側に集約して配置することができ、製造装置200を小型化させることができる。また、高周波電源やプロセスガス系統が接続されておらず、その構造が単純なアノード電極8をカソード電極7より外側に配置できたことで、成膜室を大気開放し清掃等する際のメンテナンス作業が容易となる。
このように、実施の形態2では、単純な構造で基板を反転させる工程なしに基板両面への連続的な成膜が可能で、かつ成膜室を並列に配置することにより処理能力が増大し、製造コストを低減することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる太陽電池の製造装置について説明する。以下では、実施の形態1及び実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1及び実施の形態2では、太陽電池基板ホルダ6における開口部61a,62aの形状について具体的に限定していないが、実施の形態3では、太陽電池基板ホルダ306が開口部61a,62aの形状に以下のような工夫を加える。
太陽電池基板ホルダ306は、例えば、図9〜図13に示すような構成を有する。
図9は、太陽電池基板トレー61が準備され、基板9及び太陽電池基板押さえ362がまだ載置されていない状態における太陽電池基板ホルダ306の構成を示す平面図である。太陽電池基板トレー61上には、図2のように、複数の基板9−1〜9−16がマトリクス状に配置されるが、そのうち図9は、1つの基板9に対応した部分を示している。図10は、図9に示す太陽電池基板トレー61をB−B線に沿って切った場合の断面を示す図である。図10に示すように、太陽電池基板トレー61における開口部61aの周縁部61a1近傍には、額縁状にザグリ部61bが形成されている。
図11は、太陽電池基板トレー61上に基板9を載置し、さらに太陽電池基板押さえ362を載置して基板9を固定した状態における太陽電池基板ホルダ306の構成を示す平面図である。図11は、図9に対応した平面図であり、1つの基板9に対応した部分を示している。図12は、図9に示す太陽電池基板押さえ362及び太陽電池基板トレー61をC−C線に沿って切った場合の断面を示す図であり、図13は、図9に示す太陽電池基板押さえ362及び太陽電池基板トレー61をD−D線に沿って切った場合の断面を示す図である。
図12に示されるように、太陽電池基板押さえ362の開口部362aのC−C線に沿った方向の幅は基板9よりも狭くなっているため、基板9はC−C線に沿った方向と直交する一対の辺縁部で太陽電池基板トレー61と太陽電池基板押さえ362に挟まれて固定されている。一方、図13に示されるように、D−D線に沿った方向の太陽電池基板押さえ362の開口部362aの幅は基板9と同じか0.5〜2.0mm程度広くなっているため、基板9の表面9aは全幅にわたってプラズマに暴露されるようになっている。
この状態で実施の形態1と同じく、第1成膜室21、第2成膜室22において基板9の表面9aに成膜がなされ、次に第3成膜室23、第4成膜室24において基板9の裏面9bに成膜がなされる(図1参照)。図14に成膜後の基板9のD−D断面を示す。基板9の表面9aにはi型非晶質シリコン層14とp型非晶質シリコン層15とが順に積層されて成膜されており、基板9の裏面9bにはi型非晶質シリコン層14とn型非晶質シリコン層16とが順に積層されて成膜されている。
図14に示されるように、表面9aには基板9の略全幅にわたって成膜がなされているが、裏面9bの辺縁部9b1には、太陽電池基板押さえ362によって被覆されて成膜されない領域が存在する。このため、基板9の端面近傍に至るまで表面9aに成膜されたp型非晶質シリコン層15と、裏面9bに成膜されたn型非晶質シリコン層16とが接触することはなく、これにより端面部での漏れ電流を抑制することができる。また基板9の表面9aにおける略全幅にi型非晶質シリコン層14とp型非晶質シリコン層15とが積層されており、n型のシリコン基板とでp−i−n型のダイオード構造が形成されているため、裏面9bにi型非晶質シリコン層14とn型非晶質シリコン層16とが成膜されていない辺縁部も太陽電池として機能し、太陽電池としての有効面積を広く確保できるので、セル変換効率を向上させることができる。例えば、裏面9bの辺縁部9b1の非成膜領域の幅は0.5〜5mmとすることが望ましい。
以上のように、実施の形態3では、基板9の表面9a(受光面)の成膜の際に、基板9の表面9aに沿った第1の方向(C−C線に沿った方向)における太陽電池基板ホルダ306の開口部362aの幅を基板9の幅より狭くし、基板9の表面9aに沿った第2の方向(D−D線に沿った方向)における太陽電池基板ホルダ306の開口部362aの幅を基板9の幅と同等もしくは基板9より広くする。これにより、太陽電池基板ホルダ306が基板9を保持しながら、成膜面積を広く確保できる。その結果、太陽電池としての有効面積を広く確保できるので、セル変換効率を向上させることができる。
なお、太陽電池基板ホルダ306iにおける太陽電池基板押さえ362iの開口部362aiの形状を図15に示すようにして、基板9の角部のみで固定するようにしてもよい。すなわち、開口部362aiは、基板9の輪郭辺に対応して延びた主要辺部362ai1と、隣接する2つの主要辺部362ai1をつなぐとともに基板9の角部近傍で基板9の輪郭辺に交差するように延びた傾斜辺部362ai2とを有する。この場合、太陽電池基板押さえ362iに被覆される表面9aの非成膜領域の面積をさらに小さくすることができ、セル変換効率をさらに向上させることができる。
あるいは、図16に示すように太陽電池基板ホルダ306jにおける太陽電池基板押さえ362jの開口部362ajをツメ状の突起を設けた形状としてもよい。すなわち、開口部362ajは、基板9の輪郭辺に対応して延びた主要辺部362aj1と、主要辺部362aj1から開口部362ajの内側へ突出した突起362aj2とを有する。この場合、太陽電池基板押さえ362iに被覆される表面9aの非成膜領域の面積をさらに小さくすることができ、セル変換効率をさらに向上させることができる。
あるいは、図17に示すように太陽電池基板ホルダ306kにおける太陽電池基板押さえ362kの開口部362akをはしご状の形状として、基板9を固定してもよい。すなわち、開口部362akは、基板9の輪郭辺に対応して延びた主要辺部362ak1と、対向する2つの主要辺部362ak1をつなぐはしご部36ak2とを有する。この場合、はしご部36ak2を基板9に形成されるべき集電電極17に対応するように設けてもよい。例えば、図18及び図19に示すように基板9の表面9aにおけるはしご部36ak2(図17参照)に被覆される領域(非成膜領域19)に集電電極17を形成する。図18は、集電電極17が形成された状態の基板9を表面9a側から見た平面図であり、図19は、図18の基板9をE−E線に沿って切った場合の断面を示す図である。図19に示すように、基板9の表面9a側のi型非晶質シリコン層14とp型非晶質シリコン層15とが成膜されない非成膜領域19の上方に集電電極17が形成される。すなわち、太陽電池としてほとんど機能しない非成膜領域19下の基板部は集電電極17の影部となるため、太陽光がほとんど入射しないため太陽電池としての有効面積が減少することがない。言い換えると、太陽電池としての有効面積を確保できるとともに、i型非晶質シリコン層14及びp型非晶質シリコン層15の成膜に用いる材料を節約することができる。
なお、i型非晶質シリコン層14とp型非晶質シリコン層15の上には酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物導電体からなる透明導電層18が形成されるため、基板9で生成された電荷は透明導電層18を介して集電電極17へと輸送されるため、非成膜領域19と集電電極17とが接していても、接続抵抗の増大により太陽電池の変換効率は低下することはない。
また、基板9の端面部でp型非晶質シリコン層15とn型非晶質シリコン層16とが接触しなければ漏れ電流は発生しないので、基板9の裏面9bの全周に非成膜領域を設ける必要は必ずしもない。例えば、図20に示すように太陽電池基板ホルダ306pにおける太陽電池基板トレー361pのザグリ部361bpを、G−G線と直交する一対の辺縁部に設け、F−F線と直交する一対の辺縁部に設けないように構成し、図21に示すように太陽電池基板ホルダ306pにおける太陽電池基板押さえ362の開口部362apを、H−H方向の幅が基板9よりも狭くなりI−I方向の幅が基板9と同様もしくは基板9より広くなるように構成してもよい。図20は、太陽電池基板トレー361pが準備され、基板9及び太陽電池基板押さえ362pがまだ載置されていない状態における太陽電池基板ホルダ306pの構成を示す平面図である。図21は、太陽電池基板トレー61上に基板9を載置し、さらに太陽電池基板押さえ362pを載置して基板9を固定した状態における太陽電池基板ホルダ306pの構成を示す平面図である。
この場合、図21に示す太陽電池基板押さえ362p及び太陽電池基板トレー361pをH−H線に沿って切った場合の断面を示す図は、図22のようになり、図21に示す太陽電池基板押さえ362p及び太陽電池基板トレー361pをI−I線に沿って切った場合の断面を示す図は、図23のようになる。図22及び図23に示されるように、基板9の表面9aはH−H線と直交する一対の辺縁部で太陽電池基板押さえ362pと接し、基板9の裏面9bはI−I線と直交する一対の辺縁部で太陽電池基板トレー361pと接するかたちで基板9が固定されるので、基板9の表面9aに垂直な方向から透視した場合に、基板9の表面9aにおける非成膜領域と基板9の裏面9bにおける非成膜領域とが互いに相補的に基板9の周縁を囲むように延びている。これにより、端面部でp型非晶質シリコン層15とn型非晶質シリコン層16とが接触しにくくなっている。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置について図24を用いて説明する。図24は、実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置を構成する成膜室の一部断面図である。以下では、実施の形態1及び実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
実施の形態1及び実施の形態2では、アノード電極8がヒータにより加熱されることで基板9の温度を制御するが、実施の形態4では、所定の温度を有するプロセスガスを基板9の非成膜面側へ供給することで基板9の温度を制御する。
具体的には、各成膜室(第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、第4成膜室24)は、プロセスガス制御系(第1のプロセスガス制御系)11に加えて、プロセス制御系(第2のプロセスガス制御系)412、プロセス制御系(第3のプロセスガス制御系)413及び切り替え部414を有する。プロセスガス制御系11は、実施の形態1と同様に、カソード電極7の開口部7aを介して成膜室にプロセスガス(第1のガス又は第2のガス)を供給する。
一方、プロセス制御系412は、アノード電極8の開口部8aを介してプロセスガス(第3のガス)を供給する。プロセス制御系413は、アノード電極8の開口部8bを介してプロセスガス(第4のガス)を供給する。プロセスガス制御系412および413から供給されるプロセスガスには、例えば、シランガス等のシリコンを含有するガスやPH、Bガス等のリン(P)ホウ素(B)といったドーパントとなる元素を含有するガスは含まず、水素、二酸化炭素、希ガス等の単独、あるいはそれらの組み合わせからなるガスを用いる。すなわち、プロセスガス制御系412および413から供給されるプロセスガスには、膜を形成することができないガス種のいずれかの単独ガス、あるいはそれらの混合ガスが用いられる。これらプロセスガスは、基板9の非成膜面側から、太陽電池基板トレー61、太陽電池基板押さえ62、基板9の空隙部を通して成膜室内部へ供給されるため、これにより成膜室で生成されるSiHラジカル等の成膜反応種やPHやBといったドーパントガスの非成膜面側への回り込みを抑制することができる。
また、プロセスガス制御系412および413から供給されるプロセスガスは、互いに温度が異なるものが用いられる。例えば、プロセスガス制御系412から供給されるプロセスガスの温度は、プロセスガス制御系413から供給されるプロセスガスの温度より低い。
そして、切り替え部414は、制御すべき基板9の温度に応じて、第2のプロセスガス制御系412及び第3のプロセスガス制御系413のいずれか一方が動作するよう切り替える。例えば、切り替え部414は、制御すべき基板9の温度がプロセスガス制御系412から供給されるプロセスガスの温度に近い場合、第2のプロセスガス制御系412が動作するよう切り替え、制御すべき基板9の温度がプロセスガス制御系413から供給されるプロセスガスの温度に近い場合、第3のプロセスガス制御系413が動作するよう切り替える。
次に、成膜手順について説明する。まず、プロセスガス制御系412より低温の水素ガスを供給し、基板9の温度を100〜150℃の範囲になるように制御する。この状態で、カソード電極7を介してプロセスガス制御系11からシランと水素の混合ガスを供給する。プロセスガス制御系11および412から供給される水素ガスの総量はシランガス流量の1〜20倍の範囲となるように設定する。そして、カソード電極7に高周波電力を供給することでプロセスガスを放電させ、i型非晶質シリコン層の成膜を開始する。そして、成膜途中にプロセスガス制御系を412から413に切り替えて、基板9の非成膜面側により高温の水素ガスを供給することで、基板9の温度を150〜200℃の範囲に加熱してi型非晶質シリコン層の成膜を継続して行い、総膜厚2〜10nmのi型非晶質シリコン層を成膜する。
これによりエピタキシャル成長する傾向の強いシリコン基板界面部では比較的低温で成膜を行うことにより、エピタキシャル成長が十分に抑制されたi型非晶質シリコン層を成膜し、直後に成膜温度を高めることでより膜中欠陥の少ない、より高品質のi型非晶質シリコン層の成膜を連続的に行うことができる。なお、ここで高品質のi型非晶質シリコン層とはフーリエ変換赤外線吸収分光(FTIR)法から算出される、膜中の水素原子密度が10〜20%の範囲にあり、SiH結合に対するSiH2結合の比1/10以下であることと定義する。
なお、図24には記載されていないが、アノード電極8内にヒータ電極等を備えることにより、アノード電極8自体にも温度制御機構を設けてもよい。
また、成膜中の基板9の非成膜面側に供給されるプロセスガス温度の制御方法については、温度の異なるプロセスガスの供給を切り替える代わりに、図25に示すように、プロセスガスを加熱する加熱機構を設けてその加熱温度を変えることで行ってもよい。すなわち、各成膜室(第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、第4成膜室24)は、プロセスガス制御系412、プロセスガス制御系413、及び切り替え部414に代えて、プロセスガス制御系415iを有していてもよい。プロセスガス制御系415iは、制御系本体415i1及び加熱機構415i2を有する。プロセスガス制御系415iは、制御系本体415i1から加熱機構415i2へプロセスガスを供給させ加熱機構415i2で所定の温度に加熱して、加熱されたプロセスガスを、アノード電極8の開口部8aを介して基板9の非成膜面側から成膜室に供給する。例えば、シリコン基板界面部の成膜時には、加熱機構415i2を停止することで加熱されていない比較的低温のプロセスガスを供給し、エピタキシャル成長が十分に抑制されたi型非晶質シリコン層を成膜した後では、加熱機構415i2を動作させ加熱を行わせることで高温のプロセスガスを供給してシリコン基板の温度を高めることができる。
また、図26に示すように、図24に示す構成に対して、アノード電極8の開口部8cを介して基板9の非成膜面側からプロセスガスを排気させるプロセスガス排気系416jを備えることにより、基板9の非成膜面側に供給されるプロセスガスを循環させる構造としてもよい。この構造を適用することで、基板9の温度を制御するため、非成膜面側に成膜に必要とする以上の大流量のガスを供給することが可能となるので、基板9の温度制御をより容易に行うことができる。
あるいは、図27に示すように、図25に示す構成に対して、アノード電極8の開口部8cを介して基板9の非成膜面側からプロセスガスを排気させるプロセスガス排気系416jを備えることにより、基板9の非成膜面側に供給されるプロセスガスを循環させる構造としてもよい。この構造を適用することで、基板9の温度を制御するため、非成膜面側に成膜に必要とする以上の大流量のガスを供給することが可能となるので、基板9の温度制御をより容易に行うことができる。
なお、上記の実施の形態4では、i型非晶質シリコン層の成膜について説明したが、p型およびn型の非晶質シリコン層やp型およびn型の微結晶シリコン層に適用してもよく、例えば成膜中にプロセスガス制御系412から基板9の裏面9bに低温のガスを供給して基板9の温度を低下させ、膜中の水素原子密度を高めることでバンドギャップを制御して電極材料等との接合特性の改善に用いてもよい。
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法は、ヘテロ接合太陽電池の製造に有用である。
1,201−1,201−2 ロード室、 3,203 移動室、 4 アンロード室、 5−1〜5−6,5−11〜5−16,5−21〜5−26 ゲートバルブ、 6,6−1,6−2 太陽電池基板ホルダ、 7 カソード電極、 8 アノード電極、 9 基板、 10 高周波電源、 11,412,413,415i プロセスガス制御系、 14 i型非晶質シリコン層、 15 p型非晶質シリコン層、 16 n型非晶質シリコン層、 17 集電電極、 18 透明導電層、 19 非成膜領域、 21,221−1,221−2 第1成膜室、 22,222−1,222−2 第2成膜室、 23,223−1,223−2 第3成膜室、 24,224−1,224−2 第4成膜室、 30,230 搬送機構、 31,231 第1搬送機構、 32,232 第2搬送機構、 33,233 第3搬送機構、 61 太陽電池基板トレー、 62 太陽電池基板押さえ、 100,200 製造装置、 234 第4搬送機構、 235 第5搬送機構、 414 切り替え部、 415i1 制御系本体、 415i2 加熱機構、 416j 排気系。

Claims (12)

  1. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する前成膜室と、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する後成膜室と、
    前記前成膜室から前記後成膜室へ大気開放せずに前記基板ホルダを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する搬送機構と、
    を備え
    前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、
    前記搬送機構は、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記前成膜室から前記前成膜室及び前記後成膜室を接続する移動室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送し、前記移動室内で前記前成膜室の前記アノード電極に対応した位置から前記後成膜室の前記アノード電極に対応した位置まで前記基板ホルダを前記第1の主面に交差する方向に移動させ、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記移動室から前記後成膜室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送する
    ことを特徴とする太陽電池の製造装置。
  2. 前記移動室は、前記基板の前記第1の主面に沿った方向に前記前成膜室と前記後成膜室とを連結する
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  3. 前記移動室は、前記基板の前記第1の主面と交差する方向に前記前成膜室と前記後成膜室とを連結する
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  4. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する第2の基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように前記第2の基板を保持する第2の基板ホルダと、
    前記第2の基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して前記第1のガスを放電させることにより前記第2の基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する第2の前成膜室と、
    前記第2の基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して前記第2のガスを放電させることにより前記第2の基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する第2の後成膜室と、
    前記第2の前成膜室から前記第2の後成膜室へ大気開放せずに前記第2の基板ホルダを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する第2の搬送機構と、
    をさらに備え、
    前記第2の前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記第2の後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、
    前記移動室は、前記基板の前記第1の主面と交差する方向に前記前成膜室と前記後成膜室とを連結するとともに、前記基板の前記第1の主面と反対側に交差する方向に前記第2の前成膜室と前記第2の後成膜室とを連結する
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  5. 前記第2の搬送機構は、前記基板の前記第1の主面に沿って前記第2の基板ホルダを前記第2の前成膜室から前記移動室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送し、前記移動室内で前記第2の前成膜室の前記アノード電極に対応した位置から前記第2の後成膜室の前記アノード電極に対応した位置まで前記第2の基板ホルダを前記第1の主面に交差する方向に移動させ、前記基板の前記第1の主面に沿って前記第2の基板ホルダを前記移動室から前記第2の後成膜室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送する
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  6. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する前成膜室と、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する後成膜室と、
    前記前成膜室から前記後成膜室へ大気開放せずに前記基板ホルダを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する搬送機構と、
    前記前成膜室及び前記後成膜室のそれぞれに対して、前記カソード電極を介して前記第1のガス又は前記第2のガスを供給する第1のプロセスガス制御系と、
    前記前成膜室及び前記後成膜室のそれぞれに対して、前記アノード電極を介して第3のガスを前記基板の非成膜面側から供給する第2のプロセスガス制御系と、
    前記前成膜室及び前記後成膜室のそれぞれに対して、前記アノード電極を介して前記第3のガスと温度の異なる第4のガスを前記基板の非成膜面側から供給する第3のプロセスガス制御系と、
    制御すべき前記基板の温度に応じて、前記第2のプロセスガス制御系及び前記第3のプロセスガス制御系のいずれか一方が動作するよう切り替える切り替え部と、
    を備えた、
    ことを特徴とする太陽電池の製造装置。
  7. 前記アノード電極を介して前記第3のガス及び前記第4のガスを排気する排気系をさらに備えた、
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  8. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する前成膜室と、
    前記基板ホルダがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する後成膜室と、
    前記前成膜室から前記後成膜室へ大気開放せずに前記基板ホルダを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する搬送機構と、
    前記カソード電極を介して前記前成膜室に前記第1のガスを供給するとともに前記カソード電極を介して前記後成膜室に前記第2のガスを供給する第1のプロセスガス制御系と、
    加熱機構を有し、前記前成膜室及び前記後成膜室のそれぞれに対して、前記加熱機構により加熱した第3のガスを、前記アノード電極を介して前記基板の非成膜面側から供給する第4のプロセスガス制御系と、
    を備えた、
    ことを特徴とする太陽電池の製造装置。
  9. 前記アノード電極を介して前記第3のガス及び前記第4のガスを排気する排気系をさらに備えた、
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造装置。
  10. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダを用いて前記基板を含む太陽電池を製造する太陽電池の製造方法であって、
    前記基板ホルダを前成膜室におけるアノード電極側に搬入する搬入工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記前成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記搬入された基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する第1の成膜工程と、
    大気開放せずに前記基板ホルダを前記前成膜室における前記アノード電極側から後成膜室におけるアノード電極側へ搬送する搬送工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記後成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間にバイアスを印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する第2の成膜工程と、
    を備え、
    前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、
    前記搬送工程は、
    前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記前成膜室から前記第1の主面に沿った方向に搬出する搬出工程と、
    前記搬出工程の後に、前記基板の前記第1の主面に略垂直な方向に沿って前記前成膜室の前記アノード電極に対応した位置から前記後成膜室の前記アノード電極に対応した位置まで前記基板ホルダを移動させる移動工程と、
    前記移動工程の後に、前記基板の第1の主面に沿って前記基板ホルダを前記後成膜室へ前記第1の主面に沿った方向に搬入する搬入工程と、
    を含む
    ことを特徴とす太陽電池の製造方法。
  11. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダを用いて前記基板を含む太陽電池を製造する太陽電池の製造方法であって、
    前記基板ホルダを前成膜室におけるアノード電極側に搬入する搬入工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記前成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記搬入された基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する第1の成膜工程と、
    大気開放せずに前記基板ホルダを前記前成膜室における前記アノード電極側から後成膜室におけるアノード電極側へ搬送する搬送工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記後成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間にバイアスを印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する第2の成膜工程と、
    を備え、
    前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、
    前記第1の成膜工程では、前記カソード電極を介して前記前成膜室に前記第1のガスを供給し、
    前記第2の成膜工程では、前記カソード電極を介して前記後成膜室に前記第2のガスを供給し、
    前記第1の成膜工程及び前記第2の成膜工程のそれぞれでは、
    前記アノード電極を介して第3のガスを前記基板の非成膜面側から供給する第1の動作と前記アノード電極を介して前記第3のガスと温度の異なる第4のガスを前記基板の非成膜面側から供給する第2の動作とのいずれか一方を、制御すべき前記基板の温度に応じて切り替えて行う
    ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  12. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダを用いて前記基板を含む太陽電池を製造する太陽電池の製造方法であって、
    前記基板ホルダを前成膜室におけるアノード電極側に搬入する搬入工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記前成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記搬入された基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する第1の成膜工程と、
    大気開放せずに前記基板ホルダを前記前成膜室における前記アノード電極側から後成膜室におけるアノード電極側へ搬送する搬送工程と、
    前記基板ホルダが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダが載置されて、前記後成膜室内でカソード電極及び前記アノード電極の間にバイアスを印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する第2の成膜工程と、
    を備え、
    前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、
    前記第1の成膜工程では、前記カソード電極を介して前記前成膜室に前記第1のガスを供給し、
    前記第2の成膜工程では、前記カソード電極を介して前記後成膜室に前記第2のガスを供給し、
    前記第1の成膜工程及び前記第2の成膜工程のそれぞれでは、
    前記アノード電極を介して第3のガスを加熱機構により加熱して前記基板の非成膜面側から供給する
    ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
JP2012202923A 2011-10-31 2012-09-14 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法 Expired - Fee Related JP5840095B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012202923A JP5840095B2 (ja) 2011-10-31 2012-09-14 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法
TW101139433A TWI499071B (zh) 2011-10-31 2012-10-25 太陽電池的製造裝置、太陽電池及太陽電池的製造方法
CN201210422640.2A CN103094413B (zh) 2011-10-31 2012-10-30 太阳能电池的制造装置、太阳能电池及其制造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011239364 2011-10-31
JP2011239364 2011-10-31
JP2012202923A JP5840095B2 (ja) 2011-10-31 2012-09-14 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013118351A JP2013118351A (ja) 2013-06-13
JP5840095B2 true JP5840095B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=48712697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012202923A Expired - Fee Related JP5840095B2 (ja) 2011-10-31 2012-09-14 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5840095B2 (ja)
TW (1) TWI499071B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015025510A1 (ja) * 2013-08-21 2015-02-26 三洋電機株式会社 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法
EP2854155B1 (en) * 2013-09-27 2017-11-08 INDEOtec SA Plasma reactor vessel and assembly, and a method of performing plasma processing
KR102173644B1 (ko) * 2014-01-29 2020-11-03 엘지전자 주식회사 태양 전지 및 이의 제조 방법
WO2015145944A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法
CN106165120B (zh) * 2014-03-31 2018-01-30 国立研究开发法人科学技术振兴机构 太阳能电池及太阳能电池的制造方法
JP6401084B2 (ja) * 2014-05-28 2018-10-03 キヤノンアネルバ株式会社 基板処理装置
JP6650407B2 (ja) * 2014-09-30 2020-02-19 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法、および太陽電池モジュールの製造方法
US11133430B2 (en) 2017-08-09 2021-09-28 Kaneka Corporation Photoelectric conversion element production method
WO2020137582A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法および太陽電池の製造装置
CN110527988A (zh) * 2019-09-23 2019-12-03 苏州迈正科技有限公司 异质结太阳能电池在线连续镀膜设备及进行镀膜的方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3268965B2 (ja) * 1995-10-13 2002-03-25 三洋電機株式会社 基板上に半導体膜を形成するための装置および方法
JP4770029B2 (ja) * 2001-01-22 2011-09-07 株式会社Ihi プラズマcvd装置及び太陽電池の製造方法
JP5089906B2 (ja) * 2006-04-05 2012-12-05 株式会社アルバック 縦型化学気相成長装置
KR101003515B1 (ko) * 2006-04-19 2010-12-30 가부시키가이샤 알박 종형 기판반송장치 및 성막장치
DE102008019427A1 (de) * 2008-04-17 2009-10-29 Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Diffusionsbehandlung von Werkstücken
TWI436831B (zh) * 2009-12-10 2014-05-11 Orbotech Lt Solar Llc 真空處理裝置之噴灑頭總成
US20110263065A1 (en) * 2010-04-22 2011-10-27 Primestar Solar, Inc. Modular system for high-rate deposition of thin film layers on photovoltaic module substrates

Also Published As

Publication number Publication date
TWI499071B (zh) 2015-09-01
TW201327899A (zh) 2013-07-01
JP2013118351A (ja) 2013-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5840095B2 (ja) 太陽電池の製造装置、及び太陽電池の製造方法
KR101492946B1 (ko) 결정질 실리콘 태양전지와 그 제조방법 및 제조시스템
KR101359401B1 (ko) 고효율 박막 태양전지와 그 제조방법 및 제조장치
Werner et al. Learning from existing photovoltaic technologies to identify alternative perovskite module designs
CN103959484B (zh) 制造硅异质结太阳能电池的方法与设备
US20130171757A1 (en) Advanced platform for passivating crystalline silicon solar cells
EP2077584A2 (en) Passivation layer structure of solar cell and fabricating method thereof
KR20080033955A (ko) 반도체 구조물, 광기전력 디바이스 및 제조 방법과 솔러모듈
US9972740B2 (en) Chemical vapor deposition tool and process for fabrication of photovoltaic structures
US7588957B2 (en) CVD process gas flow, pumping and/or boosting
CN103094413B (zh) 太阳能电池的制造装置、太阳能电池及其制造方法
KR101777598B1 (ko) 태양전지 제조방법
JP4712127B2 (ja) 太陽電池の製造方法及び製造装置
Shiratori et al. Characterization of sputtered nanocrystalline gallium nitride for electron selective contact of crystalline silicon solar cell
CN114005775A (zh) 基片的处理系统及方法
CN113410342A (zh) 用于异质结太阳能电池的镀膜方法及镀膜设备
JP5334664B2 (ja) 光電変換デバイスの製造方法および光電変換デバイス
Kim et al. Silicon Heterojunction Solar Cells with Cu 2 O: N as p-type Layer
KR101332667B1 (ko) 태양전지 및 태양전지의 제조방법
Menchini et al. Transparent WO x window layers for silicon based heterojunction solar cells
CN117651427A (zh) 一种钙钛矿光伏组件及其制备方法
KR20230108862A (ko) 태양 전지 전극 형성 장치, 이를 이용하여 생성되는 태양 전지 및 이의 제조 방법
Madan Reel-to-reel cassette cluster tool system for thin film transistor and four terminal solar cell fabrication
JP2010147307A (ja) 太陽電池モジュール、及びその製造方法並びに製造装置
KR101364236B1 (ko) 화합물 반도체를 이용한 박막 태양전지와 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5840095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees