JP5840024B2 - 湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭等、含有水分の乾燥を必要とする湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法に関するものである。
たとえば含有水分の多い石炭のように、含有水分の乾燥を必要とする湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの一例として、石炭ガス化複合発電設備(以下、「IGCC」と呼ぶ)が知られている。
IGCCは、石炭をガス化した燃料でガスタービンを運転し、ガスタービンの出力で発電機を駆動して発電する。さらに、ガスタービンから排出される高温の排ガス(ガスタービンの排熱)を排熱回収ボイラ(以下、「HRSG」と呼ぶ)に導入して蒸気を生成し、この蒸気で運転される蒸気タービンの出力でも発電機を駆動して発電するので、効率のよい発電設備と言われている。
このようなIGCCにおいては、たとえば下記の特許文献1に開示されているように、HRSGの上流側及び下流側からそれぞれ燃焼排ガスの一部を取り出して適切に混合し、この熱ガスを微粉炭機へ送って使用することにより、サイクル内の熱を有効利用してガス化効率を高める技術が知られている。
また、下記の特許文献2には、脱硝出口ガスとHRSG出口ガスとを混合して乾燥するシステムが開示されており、乾燥ガスの酸素濃度が所定値以上に増加した場合に乾燥用助燃バーナを運転して酸素濃度を調整することが記載されている。
特公平1−41815号公報 特開2010−106722号公報
従来のIGCCにおいて、微粉炭機からガス化炉へ供給される燃料の乾燥及び搬送は、HRSG内の比較的上流部、すなわち脱硝装置出口側から抽気したガスタービン燃焼排ガス(以下、「高温排ガス」と呼ぶ)の一部と、HRSG内の下流側から抽気した燃焼排ガス(以下、「低温排ガス」と呼ぶ)の一部とを混合したガスにて実施している。
このため、設計燃料性状からの燃料含有水分量のズレについては、乾燥に供する燃焼排ガス流量を調整して対応することはできるが、設計燃料性状から大きく超過逸脱する水分を有する燃料を取り扱うような場合には、流量調整量の限界により十分に乾燥できない場合がある。
燃料を十分に乾燥できない場合には、燃料を搬送する配管内で結露が発生するなどして燃料の搬送特性を悪化させる可能性があり、安定したプラント運転の妨げとなる。
また、従来のIGCCにおいては、微粉炭機停止時に微粉炭機の残炭パージ及び冷却を大気にて実施している。このため、微粉炭機停止時に酸化昇温する可能性があり、微粉炭の酸化昇温が発生した場合には、微粉炭系統機器の損傷に繋がるという問題も指摘されている。
このように、従来のIGCCにおいては、取り扱う石炭の水分量差に伴う微粉炭乾燥の問題や、微粉炭機停止時の残炭パージ及び冷却に関する問題を有しており、これらの問題を解決することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、たとえば微粉炭乾燥の強化及び微粉炭機停止時のような湿潤燃料乾燥の問題を解決し、水分に関する湿潤燃料適合性を向上させることができる湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントは、湿潤燃料を粉砕して粉砕湿潤燃料とする粉砕装置と、前記粉砕湿潤燃料をガス化してガスタービン燃料を生成するガス化炉と、前記ガスタービン燃料を用いて運転されるガスタービンと、前記ガスタービンから排出される燃焼排ガスを導入して蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記蒸気で駆動される蒸気タービンと、前記ガスタービン及び/または前記蒸気タービンで駆動される発電機と、前記排熱回収ボイラから脱硝後の高温排ガスを抽気し、前記湿潤燃料の乾燥ガスとして前記粉砕装置へ導くガス流路に高温排ガス流量調整弁及び高温排ガス遮断弁を設けた高温排ガス系統と、前記排熱回収ボイラの下流出口側から脱硝後の低温排ガスを抽気し、前記湿潤燃料の乾燥ガスとして前記粉砕装置へ導くガス流路に低温排ガス流量調整弁及び低温排ガス遮断弁を設けた低温排ガス系統と、前記高温排ガス及び前記低温排ガスの混合割合を調整して前記乾燥ガスの温度調整を行う通常運転モードと、前記排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を、前記通常運転モードに比べ上げて運転して高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードと、を備えていることを特徴とするものである。
このような湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントによれば、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して乾燥ガスの温度調整を行う通常運転モードと、排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を、通常運転モードに比べ上げた運転をして高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードと、を備えているので、蒸気タービンの入口蒸気設定圧力の増加に連動して高圧蒸発器圧力、ひいては高圧蒸発器温度が増加、さらに高圧蒸発器出口排ガス温度が上昇し、この結果、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して温度調整される乾燥ガスの温度は、高温排ガス温度の上昇に伴って高温の設定が可能となる。
上記の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントにおいて、前記乾燥能力増加運転モードは、前記粉砕装置の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合に選択される。すなわち、設計燃料性状から大きく超過逸脱する水分を有する燃料を取り扱う場合には乾燥に多くの熱量を必要とするので、粉砕装置の出口流体温度は所定の温度まで上昇しておらず、従って、このような場合に乾燥能力増加運転モードを適用すれば、乾燥ガスの温度上昇分だけ乾燥に使用できる熱量が増加する。
上記の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントにおいて、前記高温排ガス系統は、前記乾燥能力増加運転モードで選択使用するダクトバーナを備えていることが好ましく、これにより、高温排ガスの温度をさらに上昇させることが可能になる。すなわち、蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を運転負荷に関係なく通常運転モードに比べ上げた運転をして高温排ガス温度を上昇させることに加えて、ダクトバーナの運転により高温の燃焼ガスが高温排ガス中に加わるので、高温排ガスの温度をさらに上昇させることができ、この結果、乾燥ガスの温度をより一層高温にすることが可能になる。
上記の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントにおいて、前記高温排ガス系統に前記粉砕装置の下流側で検出した前記乾燥ガスの温度に応じて燃料供給量を制御する前記ダクトバーナを設け、前記ダクトバーナから供給される高温燃焼ガス量を調整して前記高温排ガス温度を上昇させる前記乾燥能力増加運転モードと、を備えていてもよい。
このような湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントによれば、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して乾燥ガスの温度調整を行う通常運転モードと、高温排ガス系統に粉砕装置の下流側で検出した乾燥ガスの温度に応じて燃料供給量を制御するダクトバーナを設け、該ダクトバーナから供給される高温排ガス量を調整して高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードと、を備えているので、粉砕装置の下流側で乾燥ガスの温度が低下するとダクトバーナへの燃料供給量を増し、高温排ガス量の供給量を増加させて高温排ガスの温度を上昇させることが可能になる。すなわち、ダクトバーナの運転により高温の燃焼ガスが高温排ガス中に加わるので、高温ガスの投入量に応じて高温排ガスの温度をさらに上昇させることができ、この結果、乾燥ガスの温度をより一層高温にすることが可能になる。
上記の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントにおいて、設備の運転停止時に使用され、前記高温排ガス遮断弁を閉じるとともに前記低温排ガス遮断弁を開いて、前記粉砕装置に前記低温排ガスをパージする運転停止時モードを設けることが好ましく、これにより、運転停止時の大気吸引による酸化昇温を防止できる。すなわち、粉砕装置の停止時においては、粉砕装置の大気による残炭パージをやめて、酸素濃度が低い低温排ガスのみを用いて残炭パージを実施するので、酸化昇温の防止が可能になる。
本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法は、排熱回収ボイラから抽気したガスタービンの燃焼排ガスを乾燥ガスに用いて粉砕装置からガス化炉へ供給する石炭の乾燥及び搬送を行う湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法であって、前記燃焼排ガスを抽気して前記乾燥ガスを前記粉砕装置へ導く乾燥ガス供給系統が、前記排熱回収ボイラから脱硝後の高温排ガスを抽気するガス流路に高温排ガス流量調整弁及び高温排ガス遮断弁を設けた高温排ガス系統と、前記排熱回収ボイラの下流出口側から脱硝後の低温排ガスを抽気するガス流路に低温排ガス流量調整弁及び低温排ガス遮断弁を設けた低温排ガス系統と、を備え、通常運転モードの際に前記高温排ガス及び前記低温排ガスの混合割合を調整して前記乾燥ガスの温度調整を行うとともに、前記粉砕装置の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合、前記排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を前記通常運転モードに比べ上げ、高温排ガス温度を上昇させて乾燥能力を増すことを特徴とするものである。
このような湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法によれば、粉砕装置の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合、排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を通常運転モードに比べ上げ、高温排ガス温度を上昇させて乾燥能力を増すので、同設定圧力に応じて上昇するHRSG高圧蒸発器蒸気温度の上昇に伴って、排熱回収ボイラから脱硝後に抽気する高温排ガス温度が上昇する。この結果、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して温度調整される乾燥ガスの温度は、高温排ガス温度の上昇に伴って高温の設定が可能となり、水分量の多い湿潤燃料を取り扱う場合の乾燥熱量を増すことができる。
この場合、必要に応じて、高温排ガス系統上にダクトバーナを設けておき、ダクトバーナから排出される燃焼排ガスによりさらに高温排ガス温度を上昇させてもよい。
上記の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法は、設備の運転停止時に、前記高温排ガス遮断弁を閉じるとともに前記低温排ガス遮断弁を開いて、前記粉砕装置に前記低温排ガスをパージしてもよい。
このような湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法によれば、設備の運転停止時に、高温排ガス遮断弁を閉じるとともに低温排ガス遮断弁を開いて、粉砕装置に低温排ガスをパージするので、運転停止時の大気吸引による酸化昇温を防止できる。すなわち、粉砕装置の停止時においては粉砕装置に大気を吸引して残炭パージすることをやめ、酸素濃度が低い低温排ガスのみを用いて残炭パージを実施するので、酸化昇温の防止が可能となる。
上述した本発明によれば、取り扱う湿潤燃料の水分量が大きく異なっても、高温排ガス温度を調整して乾燥ガス温度を上昇させることができるので、新たな機器類を追加することなく湿潤燃料の乾燥能力を強化し、たとえばIGCCにおいては、原料炭として高水分の石炭(湿潤燃料)を含む広範囲の石炭を使用することが可能になる。
また、微粉炭機等の粉砕装置が停止した場合においては、粉砕装置のパージ及び冷却を低温排ガスで実施するようにしたので、粉砕装置停止時の酸化昇温を防止し、酸化昇温による湿潤燃料系統機器の損傷を防止することが可能になる。
本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法の第1変形例を示す概略構成図である。 本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法の第2変形例を示す概略構成図である。 石炭ガス化複合発電設備のプラント出力を横軸にして、制御弁前圧設定変更時及び蒸気タービン(ST)入口制御弁全開運用時について、脱硝装置出口ガス温度の変化を縦軸に示す説明図である。
以下、本発明に係る湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント及びその燃料乾燥方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
また、以下の説明においては、湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの一例として空気吹きの石炭ガス化複合発電設備を示して説明するが、これに限定されることはなく、酸素吹きの石炭ガス化複合発電設備についても適用可能である。さらに、湿潤燃料が石炭に限定されないだけでなく、たとえば複合発電と化学プロセス等のように、何らかの別用途を組み合わせるプラントでも適用できる。
図1に示す実施形態の石炭ガス化複合発電設備1は、空気を酸化剤としてガス化炉10で石炭ガスを生成する空気燃焼方式を採用し、ガス精製装置20で精製した後の石炭ガスを燃料ガスとしてガスタービン30へ供給している。すなわち、図1に示す石炭ガス化複合発電設備1は、空気燃焼方式(空気吹き)の石炭ガス化複合発電設備(以下、「IGCCシステム」と呼ぶ)である。
このIGCCシステム1は、後述するガスタービン30や排熱回収ボイラ(以下、「HRSG」と呼ぶ)40で仕事をした排ガスの一部を乾燥ガスとして導入し、この乾燥ガスとともに原料となる石炭(原料炭/湿潤燃料)を微粉炭機(粉砕装置)50に供給する。微粉炭機50では、乾燥ガスにより供給された石炭を加熱し、石炭中の水分を除去しながら細かい粒子状に粉砕して微粉炭を製造する。
こうして製造された微粉炭は、乾燥ガスにより微粉炭集塵機51へ搬送される。微粉炭集塵機51の内部では、乾燥用ガス等のガス成分と微粉炭(粒子成分)とが分離され、ガス成分は微粉炭集塵機51から排気される。一方、粒子成分の微粉炭は、重力により落下してホッパ52,53に回収される。
ホッパ52,53内に回収された微粉炭は、加圧搬送用として空気分離装置(不図示)から導入した窒素ガス(搬送用ガス)により、ガス化炉10内へ搬送される。
ガス化炉10には、石炭ガスの原料として微粉炭及び後述するチャーが供給される。ガス化炉10では、ガスタービン30の圧縮機31から供給される圧縮空気及び空気分離装置から供給される酸素を酸化剤として、微粉炭及びチャーをガス化した石炭ガスが製造される。なお、図中の符号13は、圧縮機31から供給される圧縮空気をさらに昇圧するための空気昇圧機である。
こうしてガス化炉10でガス化された石炭ガスは、ガス化炉10の上部から複数の熱交換器を配置したガス冷却器11へ導かれて冷却される。この石炭ガスは、ガス冷却器11で冷却された後にチャー回収装置12へ供給される。
チャー回収装置12では、微粉炭をガス化した石炭ガスとともに生成されたチャーが分離される。一方の石炭ガスは、チャー回収装置12の上部から流出し、ガス精製装置20を通ってガスタービン30へ供給される。ガス精製装置20では、石炭ガスを精製してガスタービン30で使用する燃料ガスが製造される。なお、チャー回収装置12は、チャーと石炭ガスとを分離する分離器12aやチャーを回収するホッパ12b,12cを備えている。
チャー回収装置12で回収されたチャーは、重力によりホッパ12b,12cに落下して回収される。ホッパ12b,12c内のチャーは、空気分離装置(不図示)から供給される窒素を搬送用ガスとして使用し、この窒素に搬送されてガス化炉10へ戻される。ガス化炉10に戻されたチャーは、微粉炭とともにガス化の原料として使用される。
このように、石炭を粉砕して得られる微粉炭は、空気及び酸素を酸化剤とするガス化炉10でガス化することにより石炭ガス及びチャーが生成される。一方の石炭ガスは、ガスタービン30の燃料ガスとして使用され、石炭ガスから分離したチャーは、再度ガス化炉10に供給されてガス化される。
こうして製造された燃料ガス(石炭ガス)は、ガスタービン30の燃焼器32に供給されて燃焼し、高温高圧の燃焼排ガスが生成される。
この燃焼排ガスは、ガスタービン30のタービン33を駆動した後、高温の排ガスとして排出される。また、タービン33の駆動力は、同軸の圧縮機31も駆動して導入した空気(外気)を圧縮し、圧縮空気を燃焼器31及びガス化炉10へ供給する。
こうして駆動されたガスタービン30は、タービン33とともに回転する主軸がガスタービン発電機34と連結されているので、ガスタービン発電機34を駆動して発電を行うことができる。なお、図中の符号35は、燃料ガスの流量制御弁である。
ガスタービン30から排出された高温の排ガスは、HRSG40に供給され、蒸気を生成する熱源として使用される。HRSG40の内部には、高圧過熱器41、高圧蒸発器42及び低圧節炭器43等のように、複数の熱交換器が配列されている。さらに、HRSG40の内部には、たとえば高圧蒸発器42の下流側等に脱硝装置44が配置されている。なお、HRSG40で蒸気生成に使用された排ガスは、脱硝装置44等により必要な処理を施した後、煙突80から大気へ排気される。
また、HRSG40で蒸気生成に使用された排ガスは、一部が微粉炭機50の乾燥ガスとして抽気される。この乾燥ガスには、脱硝装置44を通過して脱硝等の処理を施した後の排ガスが用いられる。
具体的に説明すると、上述した乾燥ガスは、比較的高温となる脱硝装置44の出口ガス(高温排ガス)と、脱硝装置44の出口ガスよりも温度の低いHRSG40の出口ガス(低温排ガス)とが適宜混合されている。すなわち、HRSG40の排ガスは、高温排ガスと低温排ガスとを混合して所望の温度に調節されている。図示の構成例では、脱硝装置44を通過した後の出口ガスが高温排ガスとして使用され、高温排ガス配管60を通って導入されている。また、低温排ガスとしては、最も下流側に配置された熱交換器である低圧節炭器43を通過した後の出口ガスが使用され、低温排ガス配管61を通って導入されている。
上述した高温排ガス配管60及び低温排ガス配管61は、微粉炭器50の上流側で合流して乾燥ガス供給管62となる。
乾燥ガス供給管62に供給される乾燥ガスの温度は、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して温度調節される。この温度調節は、高温排ガス流量調整弁63及び低温排ガス流量調整弁64の開度調整によりガス流量を制御して行われる。また、高温排ガス流量調整弁63及び低温排ガス流量調整弁64の下流側(微粉炭器50側)には、それぞれ高温排ガス遮断弁65及び低温排ガス遮断弁66が設けられている。
こうして温度調節された乾燥ガスは、乾燥ガス供給管62を通って微粉炭機50に供給される。
HRSG40で生成された蒸気は、発電用の蒸気タービン90に供給される。図示の構成例では、ガスタービン30、蒸気タービン90及び発電機34が同軸に連結されているが、蒸気タービン90が独立して発電機を駆動するなど、図示の構成に限定されることはない。
蒸気タービン90は、HRSG40内で最も上流側に設置された高圧過熱器41から生成した蒸気を導入して運転される。高圧過熱器41から蒸気タービン90に蒸気を供給する蒸気配管91には、蒸気タービン90に供給する蒸気の流量や圧力を制御する蒸気タービン入口制御弁(以下、「蒸気制御弁」と呼ぶ)92と、蒸気圧力を検出する圧力計93とが設けられている。
このように、上述した本実施形態のIGCC1は、HRSG40から抽気したガスタービン30の燃焼排ガスを乾燥ガスに用いて微粉炭機50からガス化炉10へ供給する石炭(微粉炭)の乾燥及び搬送を行うように構成されている。そして、燃焼排ガスを抽気して乾燥ガスを微粉炭機50へ導く乾燥ガス供給系統には、高温排ガス系統と低温排ガス系統とが設けられている。
高温排ガス系統は、HRSG40から脱硝後の高温排ガスを、すなわち脱硝装置44の下流から高温排ガスを抽気する高温排ガス配管(ガス流路)60に高温排ガス流量調整弁63及び高温排ガス遮断弁65を設けたものである。
低温排ガス系統は、HRSG40の下流出口側から脱硝後の低温排ガスを、すなわち、図示の構成例においては低圧節炭器43の下流から低温排ガスを抽気する低温排ガス配管(ガス流路)61に低温排ガス流量調整弁64及び低温排ガス遮断弁66を設けたものである。なお、HRSG40において最下流にある伝熱面は、図示の低圧節炭器43に限定されることはない。
この場合、HRSG40内の温度は、最も上流側の高圧過熱器41から最も下流側の低圧節炭器43へ順次温度が低下していくので、脱硝装置44の下流側から抽気した排ガス温度は低圧節炭器43の下流側から抽気したものより高温となる。
従って、高温排ガス流量調整弁63及び低温排ガス流量調整弁65の開度を制御することにより、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整すれば、乾燥ガス供給管62を通って乾燥ガスの温度調整を行うことができ、このような乾燥ガス温度の温度調整を行う運転を通常運転モードと呼ぶ。この通常運転モードでは、微粉炭機50の出口流体温度を検出する温度センサ54の検出値に応じて、主に高温排ガス流量調整弁63の開度調整をして高温排ガスの混合割合を変化させ、最終的な乾燥ガスの温度を調整している。
すなわち、温度センサ54の検出値が所望の温度より低下した場合には、高温排ガス流量調整弁63の開度を増して高温排ガスの混合割合を増加させ、乾燥ガス温度を上昇させる制御が行われる。
一方、温度センサ54の検出値が所望の温度より上昇した場合には、高温排ガス流量調整弁63の開度を絞って高温排ガスの混合割合を減少させ、乾燥ガス温度を低下させる制御が行われる。この場合の温度調整は、比較的狭い温度範囲の微調整となる。
なお、この通常制御モードにおいては、蒸気配管91を流れる蒸気の圧力損失を抑えるため、蒸気制御弁92は全開とされる。
ところで、脱硝装置44は、概ね300〜400℃程度の排ガス温度が好適な処理温度とされ、排ガス温度がこれ以上の高温になると性能は低下する。このため、環境を考慮して脱硝後の燃焼排ガスを乾燥ガスに使用する場合には、脱硝性能を確保する観点からHRSG中での脱硝装置の設置温度域には温度の上限に制約を受け、すなわち脱硝装置出口から抽気する高温排ガス温度を通常運転時に高く設定するには限界がある。
そこで、本実施形態では、上述した通常運転モードに加えて、HRSG40から供給される蒸気で運転される蒸気タービン90の入口蒸気設定圧力を、通常運転モードに比べ上げた運転をして、高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードを備えている。
この乾燥能力増加運転モードは、IGCC1の運転が部分負荷の際に、通常運転モードに比べ蒸気圧力を上げた設定として蒸気タービン90に供給するものである。
図4に示すように、脱硝装置44を通過して脱硝された後の燃焼排ガス温度(脱硝装置出口ガス温度)は、蒸気制御弁92を全開にする通常運転モードの場合、プラント出力の増加に比例して上昇する。すなわち、ガスタービン30の出力が増すことで、HRSG40に供給される燃焼排ガスはガス量を増すとともに高温となるため、脱硝装置出口ガス温度についても、プラント出力に比例して上昇する。このため、部分負荷の運転状態では、高温排ガスとして抽気できるガス温度は最大値より低くなり、その分乾燥ガスとしての温度(乾燥能力)は低くなる。
以上、通常運転モードで部分負荷運転時に確保できる脱硝後の高温排ガスには温度の制約があるため、乾燥ガスの乾燥能力を増すためには、乾燥能力増加運転モードに移行することが必要になる。
そこで、プラントが部分負荷の状態で、蒸気制御弁92の入口圧力である前圧を強制的に変更して通常運転時から定格運転時の蒸気圧力に近づける乾燥能力増加運転モードに移行すれば、脱硝装置出口ガス温度は増加する。
すなわち、蒸気タービン90の入口蒸気圧力設定を定格運転側に増加させる変更をすれば、同設定圧力に応じて上昇するHRSG高圧蒸発器蒸気温度の上昇に伴って、HRSG40から脱硝後に抽気する高温排ガス温度が上昇し、脱硝装置出口ガス温度を最大値に維持することができるので、部分負荷時であっても、より高いガス温度を有する高温排ガスを抽気できるようになる。
このような乾燥能力増加運転モードは、温度センサ54で検出した微粉炭機50の出口流体温度Teを所定値以上増加させたい場合に選択される。すなわち、微粉炭機50で処理する石炭の水分量が多い場合には乾燥に多くの熱量を必要とするので、微粉炭機50の出口流体温度Teは所定の温度まで上昇しておらず、従って、このような場合に乾燥能力増加運転モードを適用すれば、乾燥ガスの温度上昇分だけ乾燥に使用できる熱量の増加により、石炭の乾燥能力が向上する。
従って、上述したIGCC1によれば、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して乾燥ガスの温度調整を行う通常運転モードに加えて、HRSG40から供給される蒸気で運転される蒸気タービン90の入口蒸気設定圧力を、通常運転モードに比べ上げて運転して高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードを設けたので、同設定圧力に応じて上昇するHRSG高圧蒸発器蒸気温度の上昇に伴って、HRSG40から脱硝後に抽気する高温排ガス温度が上昇する。この結果、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して温度調整される乾燥ガスの温度は、高温排ガス温度の上昇に伴って高温の設定が可能となる。
また、本実施形態のIGCC1は、上述した構成に限定されることはなく、たとえば図2及び図3に示すような変形例も可能である。以下、本実施形態の第1変形例を図2に基づいて説明するが、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2に示す第1変形例のIGCC1Aでは、高温排ガス系統の高温排ガス配管60に、乾燥能力増加運転モードで選択使用するダクトバーナ70を備えている。このダクトバーナ70は、高温排ガス流量調整弁63の上流側(HRSG40側)に設けられ、バーナ燃料及び燃焼用ガスの供給を受けるように構成されている。
この場合に使用するバーナ燃料は、たとえば液化天然ガス(LNG)、灯油及び軽油、さらにはガス精製装置20で精製した後の石炭ガス等のように、微粉炭機50で製造される微粉炭以外の燃料を外部の供給系統から導入して使用する。また、燃焼用ガスは、たとえば外気等を導入して使用する。このダクトバーナ70でバーナ燃料を燃焼させると、高温の燃焼ガスが生成されて高温排ガス配管60内に供給される。
このようなダクトバーナ70を設けることにより、HRSG40から導入した高温排ガスの温度をさらに上昇させることが可能になる。
すなわち、蒸気タービン90の入口蒸気設定圧力を通常運転モードに比べて上げて高温排ガス温度を上昇させることに加えて、ダクトバーナ70の運転により高温の燃焼ガスが高温排ガス中に加わるので、高温排ガスの温度をさらに上昇させることができる。
この結果、乾燥ガスの温度をより一層高温にして、乾燥能力をより一層向上させた運転が可能になる。従って、温度センサ54で検出した微粉炭機50の出口流体温度Teを所定値以上増加させたい場合、第1段階として乾燥能力増加運転モードを選択し、高温排ガス温度を最大値まで上昇させるが、それでも出口流体温度Teの温度上昇が不十分な場合には、ダクトバーナ70の運転を開始することにより、第2段階の乾燥能力増強が実施可能となる。
また、上述した実施形態及び第1変形例の石炭ガス化複合発電設備1,1Aにおいては、設備の運転停止時に使用される運転停止時モードを備えている。
この運転停止時モードは、微粉炭機50の運転停止時に、高温排ガス遮断弁65を閉じて全閉にするとともに、低温排ガス遮断弁66を開いた状態にして、微粉炭機50に低温排ガスをパージするものである。
このような運転停止時モードを設けることにより、運転停止時に酸素濃度の高い大気を吸引してパージすることに代えて、酸素濃度の低い低温排ガスをパージするようにしたので、微粉炭機50の内部に残っている残炭が酸化して昇温することを防止できる。この結果、微粉炭機50や微粉炭集塵機51等のように、微粉炭系統に配置された機器類が酸化昇温に起因して損傷することを防止でき、設備の信頼性や耐久性の向上に有効である。
なお、このような運転停止時モードを設ける場合、微粉炭機50、微粉炭集塵機51及び微粉炭配管等の微粉炭系統においては、HRSG40から抽気する低温排ガスの温度にあわせて設計温度を設定する必要がある。
以下、本実施形態の第2変形例を図3に基づいて説明するが、上述した実施形態及び変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3に示す第2変形例のIGCC1Bでは、高温排ガス系統の高温排ガス配管60に、乾燥能力増加運転モードで使用するダクトバーナ70を備えている。このダクトバーナ70は、高温排ガス流量調整弁63の上流側(HRSG40側)に設けられ、バーナ燃料及び燃焼用ガス(外気等)の供給を受ける。従って、ダクトバーナ70は、バーナ燃料を燃焼させた高温ガスを生成し、この高温ガスが高温排ガス配管60内に供給される。
この場合に使用するバーナ燃料は、上述した第1変形例と同様に、たとえば液化天然ガス(LNG)、灯油及び軽油、さらにはガス精製装置20で精製した後の石炭ガス等が使用される。バーナ燃料の供給量は、微粉炭機50の出口流体温度Teを検出する温度センサ54の検出値に応じた燃料流量制御弁71の開度調整により制御される。
すなわち、温度センサ54の検出値が所望の温度より低下した場合には、燃料流量制御弁71の開度を増して高温排ガスの混合割合を増加させ、乾燥ガス温度を上昇させる制御が行われる。一方、温度センサ54の検出値が所望の温度より上昇した場合には、燃料流量制御弁71の開度を絞って高温排ガスの混合割合を減少させ、乾燥ガス温度を低下させる制御が行われる。従って、この場合の乾燥能力増加運転モードは、燃料供給量の増減に応じて変化する高温排ガスの追加量により、乾燥ガス温度の温度調整が行われる。
このようなダクトバーナ70を設けることにより、HRSG40から導入した高温排ガスの温度は、温度センサ54の検出値に応じた高温排ガスの供給量制御により、所望の値まで上昇させることが可能になる。
すなわち、この第2変形例では、ダクトバーナ70の運転により生成される高温排ガスを高温排ガス中に追加する供給量制御を行うことで、高温排ガスの温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードの運転制御が可能となる。この結果、乾燥ガスの温度を所望の高温に上昇させて、乾燥能力を向上させた運転が可能になる。
そして、上述した構成のIGCC1,1Aでは、以下に説明する石炭乾燥方法が可能になる。
すなわち、燃焼排ガスを抽気して乾燥ガスを微粉炭機50へ導く乾燥ガス供給系統が、HRSG40から脱硝後の高温排ガスを抽気する高温排ガス配管60に高温排ガス流量調整弁63及び高温排ガス遮断弁65を設けた高温排ガス系統と、HRSG40の下流出口側から脱硝後の低温排ガスを抽気する低温排ガス配管61に低温排ガス流量調整弁64及び低温排ガス遮断弁66を設けた低温排ガス系統と、を備えているIGCC1,1Aでは、通常運転時に高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して乾燥ガスの温度調整を行うとともに、微粉炭機50の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合、HRSG40から供給される蒸気で運転される蒸気タービン90の入口蒸気設定圧力を通常運転モードに比べ上げ、高温排ガス温度を上昇させて乾燥能力を増す乾燥方法が可能である。
このようなIGCC1,1Aの石炭乾燥方法によれば、微粉炭機50の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合、HRSG40から供給される蒸気で運転される蒸気タービン90の入口蒸気設定圧力を通常運転モードよりも上げて高く設定し、高温排ガス温度を上昇させて乾燥能力を増す。このため、蒸気タービンの入口蒸気設定圧力の増加に連動して高圧蒸発器圧力、ひいては高圧蒸発器温度が増加、さらに高圧蒸発器出口排ガス温度が上昇するので、高温排ガス及び低温排ガスの混合割合を調整して温度調整される乾燥ガスの温度は、高温排ガス温度の上昇分だけ高温の設定が可能となる。従って、水分量の多い石炭を取り扱う場合においても、乾燥ガス温度が高い分だけ乾燥熱量を増して乾燥能力を上げることができる。
この場合、必要に応じて、高温排ガス系統上にダクトバーナを設けておき、ダクトバーナから排出される燃焼排ガスによりさらに高温排ガス温度を上昇させてもよい。
また、上述したIGCC1,1Aでは、設備の運転停止時に、高温排ガス遮断弁63を閉じるとともに低温排ガス遮断弁64を開いて、微粉炭機50に低酸素濃度の低温排ガスをパージすることができる。
このようなIGCC1,1Aの石炭乾燥方法によれば、運転停止時に酸素濃度の高い大気吸引による酸化昇温を防止でき、酸素濃度が低い低温排ガスのみを用いて残炭パージを実施するので、酸化昇温の防止が可能になる。
このように、上述した本発明の実施形態及びその変形例によれば、取り扱う石炭の水分量が大きく異なっても、高温排ガス温度を調整して乾燥ガス温度を上昇させて石炭乾燥に必要な温度を確保することができるので、新たな機器類を追加することなく微粉炭の乾燥能力を強化し、原料炭として高水分の石炭を含む広範囲の石炭を使用することが可能になる。すなわち、石炭の乾燥能力が強化されると、高水分の石炭に対応することが可能になり、より多くの石炭を適用することが可能となる。
また、水分が所定値以内の通常運転時においては、通常運転モードを採用して蒸気タービン90の入口圧力設定を上げずにプラント熱効率の低下を最小限とする運用を実施し、水分量が多い石炭の取り扱い時においてのみ、乾燥能力増加運転モードを採用して蒸気タービン90の入口圧力設定を上げることも可能であるから、水分量に合わせて蒸気タービン90の入口圧力設定値を変更することにより、IGCC1,1Aの効率的な運用が可能となる。
なお、ガスタービン30のタービン出口及び高圧蒸発器42の間から燃焼排ガスを抽気することで、より高温のガス温度を得ることもできるが、脱硝装置44を通過して脱硝した後の燃焼排ガスを用いることにより、環境への負荷を増加させることはない。
また、石炭の水分量が多い場合には、ダクトバーナ70を運転することにより高温排ガス温度をより一層上昇させることができ、しかも、このダクトバーナ70は、石炭の水分量が通常の場合には使用しないという運用により、効率的に高温排ガスを調整して必要な乾燥ガス温度を得ることができる。
また、微粉炭機50の停止時においては、微粉炭機50の残炭パージ及び冷却を低温排ガスで実施するため、微粉炭機停止時の酸化昇温を防止し、酸化昇温による微粉炭系統機器の損傷も防止できる。
さらに、上述した本発明の実施形態及び変形例によれば、設備容量低減や予備機の削減が可能になる。すなわち、乾燥ガスのガス温度が上げられない場合には、微粉炭機50の乾燥風量を増加させて乾燥熱量を確保することになるため、微粉炭機50を大型化して乾燥ガスの許容容量を増す対応や、微粉炭機50の使用台数を増す対応が必要となるが、上述した実施形態の採用により、乾燥ガス温度を定格運転時の温度までコントロールできるため、大型化や台数増加は不要になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1,1A,1B 石炭ガス化複合発電設備(IGCC)
10 ガス化炉
11 ガス冷却器
12 チャー回収装置
20 ガス精製装置
30 ガスタービン
40 排熱回収ボイラ(HRSG)
41 高圧過熱器
43 低圧節炭器
44 脱硝装置
50 微粉炭機(粉砕装置)
60 高温排ガス配管
61 低温排ガス配管
62 乾燥ガス供給管
63 高温排ガス流量調整弁
64 低温排ガス流量調整弁
65 高温排ガス遮断弁
66 低温排ガス遮断弁
70 ダクトバーナ
71 燃料流量制御弁
90 蒸気タービン

Claims (7)

  1. 湿潤燃料を粉砕して粉砕湿潤燃料とする粉砕装置と、
    前記粉砕湿潤燃料をガス化してガスタービン燃料を生成するガス化炉と、
    前記ガスタービン燃料を用いて運転されるガスタービンと、
    前記ガスタービンから排出される燃焼排ガスを導入して蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
    前記蒸気で駆動される蒸気タービンと、
    前記ガスタービン及び/または前記蒸気タービンで駆動される発電機と、
    前記排熱回収ボイラから脱硝後の高温排ガスを抽気し、前記湿潤燃料の乾燥ガスとして前記粉砕装置へ導くガス流路に高温排ガス流量調整弁及び高温排ガス遮断弁を設けた高温排ガス系統と、
    前記排熱回収ボイラの下流出口側から脱硝後の低温排ガスを抽気し、前記湿潤燃料の乾燥ガスとして前記粉砕装置へ導くガス流路に低温排ガス流量調整弁及び低温排ガス遮断弁を設けた低温排ガス系統と、
    前記高温排ガス及び前記低温排ガスの混合割合を調整して前記乾燥ガスの温度調整を行う通常運転モードと、
    前記排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を、前記通常運転モードに比べ上げて運転して高温排ガス温度を上昇させる乾燥能力増加運転モードと、
    を備えていることを特徴とする湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント。
  2. 前記乾燥能力増加運転モードは、前記粉砕装置の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合に選択されることを特徴とする請求項1に記載の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント。
  3. 前記高温排ガス系統は、前記乾燥能力増加運転モードで選択使用するダクトバーナを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント。
  4. 記高温排ガス系統に前記粉砕装置の下流側で検出した前記乾燥ガスの温度に応じて燃料供給量を制御する前記ダクトバーナを設け、前記ダクトバーナから供給される高温燃焼ガス量を調整して前記高温排ガス温度を上昇させる前記乾燥能力増加運転モードと、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント。
  5. 設備の運転停止時に使用され、前記高温排ガス遮断弁を閉じるとともに前記低温排ガス遮断弁を開いて、前記粉砕装置に前記低温排ガスをパージする運転停止時モードを設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラント。
  6. 排熱回収ボイラから抽気したガスタービンの燃焼排ガスを乾燥ガスに用いて粉砕装置からガス化炉へ供給する石炭の乾燥及び搬送を行う湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法であって、
    前記燃焼排ガスを抽気して前記乾燥ガスを前記粉砕装置へ導く乾燥ガス供給系統が、
    前記排熱回収ボイラから脱硝後の高温排ガスを抽気するガス流路に高温排ガス流量調整弁及び高温排ガス遮断弁を設けた高温排ガス系統と、
    前記排熱回収ボイラの下流出口側から脱硝後の低温排ガスを抽気するガス流路に低温排ガス流量調整弁及び低温排ガス遮断弁を設けた低温排ガス系統と、を備え、
    通常運転モードの際に前記高温排ガス及び前記低温排ガスの混合割合を調整して前記乾燥ガスの温度調整を行うとともに、前記粉砕装置の出口流体温度を所定値以上増加させたい場合、前記排熱回収ボイラから供給される蒸気で運転される蒸気タービンの入口蒸気設定圧力を前記通常運転モードに比べ上げ、高温排ガス温度を上昇させて乾燥能力を増すことを特徴とする湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法。
  7. 備の運転停止時に、前記高温排ガス遮断弁を閉じるとともに前記低温排ガス遮断弁を開いて、前記粉砕装置に前記低温排ガスをパージすることを特徴とする請求項6に記載の湿潤燃料を用いて複合発電を行うプラントの燃料乾燥方法。
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