JP2011032926A - ガスタービンプラント及びこれを備えたガス化燃料発電設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料ガスを燃焼する燃焼器5aを備えるガスタービン5と、燃焼器5aに接続されて燃料ガスを希釈する希釈剤を供給する希釈剤供給装置31と、を備えているガスタービンプラント4において、希釈剤供給装置31は、希釈剤を圧縮する希釈剤圧縮機33と水分供給手段34とを備え、水分供給手段34は、希釈剤圧縮機33によって圧縮された希釈剤に水分を供給することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、発電設備において熱交換により発生する蒸気や高圧空気を用いて機器を冷却する方法が開示されているが、水分を投入して効果的に二酸化炭素やNOxを低減することについては開示されていない。
すなわち、本発明にかかるガスタービンプラントは、燃料ガスを燃焼する燃焼器を備えるガスタービンと、前記燃焼器に接続されて燃料ガスを希釈する希釈剤を供給する希釈剤供給装置と、を備えているガスタービンプラントにおいて、前記希釈剤供給装置は、希釈剤を圧縮する希釈剤圧縮機と水分供給手段とを備え、該水分供給手段は、前記希釈剤圧縮機によって圧縮された希釈剤に水分を供給することを特徴とする。
また、従来の一般的な設備構造に水分供給手段を追設することで済むため、設備設置コストを削減することができる。
なお、ガス化設備としては、典型的には、石炭をガス化する石炭ガス化設備が挙げられる。
以下、本発明に係る石炭ガス化複合発電設備(ガス化燃料発電設備)の第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示されているように、石炭を燃料とする石炭ガス化複合発電設備(IGCC;Integrated Coal Gasification Combined Cycle)1は、主として、石炭ガス化炉(ガス化設備)3と、ガスタービンプラント4と、蒸気タービン設備7とを備えている。
石炭ガス化炉3の上流側には、石炭ガス化炉3へと微粉炭を供給する石炭供給設備10が設けられている。この石炭供給設備10は、原料炭を粉砕して数μm〜数百μmの微粉炭とする粉砕機(図示せず)を備えており、この粉砕機によって粉砕された微粉炭が複数のホッパ11,11…に貯留されるようになっている。
石炭ガス化炉3は、下方から上方へとガスが流されるように形成された石炭ガス化部3aと、石炭ガス化部3aの下流側に接続されて、上方から下方へとガスが流されるように形成された熱交換部3bとを備えている。
石炭ガス化部3aには、下方から、コンバスタ13及びリダクタ14が設けられている。コンバスタ13は、微粉炭及びチャーの一部分を燃焼させ、残りは熱分解により揮発分(一酸化炭素,水素,低級炭化水素)として放出させる部分である。コンバスタ13には噴流床が採用されている。しかし、流動床式や固定床式であっても構わない。
コンバスタバーナー13aには、空気昇圧機17からの空気が、空気分離装置15において分離された酸素とともに供給されるようになっている。このようにコンバスタバーナー13aには酸素濃度が調整された空気が供給されるようになっている。
リダクタ14では、コンバスタ13からの高温ガスによって微粉炭がガス化される。これにより、石炭から一酸化炭素や水素等の可燃性ガス(燃料ガス)が生成される。石炭ガス化反応は、微粉炭及びチャー中の炭素が高温ガス中の二酸化炭素及び水分と反応して一酸化炭素や水素を生成する吸熱反応である。
熱交換部3bを通過した燃料ガスは、チャー回収装置20へと導かれる。このチャー回収装置20は、ポーラスフィルタを備えており、ポーラスフィルタを通過させることによって燃料ガスに混在するチャーを捕捉して回収する。このように回収されたチャーは、空気分離装置15において分離された窒素とともに石炭ガス化炉3のコンバスタバーナー13aへと返送されてリサイクルされる。
チャー回収装置20とガスタービン5の燃焼器5aとの間を接続している配管25には、分岐路22が設けられており、この分岐路22の下流には、開閉弁23を介してグランドフレア24が設けられている。グランドフレア24は、ガスタービン5に導入しない燃料ガスを完全燃焼し、無害なクリーンガスとして大気中に放出する設備である。
ガスタービン5は、燃焼器5aと、燃料ガスによって駆動されるガスタービン5bと、燃焼器5aへと高圧空気を送り出すターボ圧縮機5cとを備えている。燃焼器5aでは、配管25によって導かれる燃料ガスと、希釈剤供給装置31から供給される希釈剤である窒素及びガス化した水分とが燃焼させられる。ガスタービン5bとターボ圧縮機5cとは同一の回転軸5dによって接続されている。ターボ圧縮機5cにおいて圧縮された空気は、燃焼器5aとは別に、空気昇圧機17へも導かれるようになっている。ガスタービン5bを通過した排ガスは、排ガスボイラ30へと導かれる。
ガスタービン5b及び蒸気タービン7bによって駆動される回転軸5dから電気を出力する発電機Gが、蒸気タービン7bを介してガスタービン5bの反対側に設けられている。なお、発電機Gの配置位置については、この位置に限られず、回転軸5dから電力が得られるようであればどの位置であっても構わない。
ガスタービンプラント4は、ガスタービン5と、希釈剤供給装置31とを備えている。
ガスタービン5は、燃焼器5aと、燃料ガスによって駆動されるガスタービン5bと、燃焼器5aへと高圧空気を送り出すターボ圧縮機5cとを備えている。燃焼器5aでは、配管25によって導かれる燃料ガスと、希釈剤供給装置31から配管35によって供給される希釈剤である窒素及びガス化した水分とが燃焼させられる。ガスタービン5bとターボ圧縮機5cとは同一の回転軸5dによって接続されている。ターボ圧縮機5cにおいて圧縮された空気は、燃焼器5aとは別に、空気昇圧機17(図1参照)へも導かれるようになっている。ガスタービン5bを通過した排ガスは、排ガスボイラ30(図1参照)へと導かれる。
希釈剤圧縮機32は、単段式圧縮機32aである。希釈剤圧縮機32は、圧縮機32aと、モーターMと、モーターMによって駆動される回転軸32bとを備えている。希釈剤圧縮機32には、空気分離装置15(図1参照)から希釈剤である窒素が供給される。モーターMによって回転軸32bが駆動されることによって、回転軸32bに設けられている圧縮機32aが回転駆動され、窒素を圧縮する。
水分供給手段34は、希釈剤圧縮機32の後流に接続されている配管35(希釈剤流路)上に設けられている。水分供給手段34は、配管35に導出された窒素に水分を供給する。
配管35は、希釈剤圧縮機32と配管25との間に設けられている。
原料炭は粉砕機で粉砕された後、ホッパ11へと導かれて貯留される。ホッパ11に貯留された微粉炭は、空気分離装置15において分離された窒素とともに、リダクタバーナー14a及びコンバスタバーナー13aへと供給される。さらに、コンバスタバーナー13aには、微粉炭だけでなく、チャー回収装置20において回収されたチャーが供給される。
コンバスタバーナー13aの燃焼用空気としては、ターボ圧縮機5cから抽気した圧縮空気をさらに空気昇圧機17によって昇圧した圧縮空気に、空気分離装置15により分離された酸素が添加された空気が使用される。コンバスタ13では、微粉炭及びチャーが燃焼用空気によって部分燃焼させられ、残部は揮発分(一酸化炭素,水素,低級炭化水素)へと熱分解させられる。
リダクタ14を通過した燃料ガスは、石炭ガス化炉3の熱交換部3bを通過しつつ各熱交換器にその顕熱を与え、蒸気を発生させる。熱交換部3bで発生させた蒸気は、主として、蒸気タービン7bの駆動のために用いられる。
熱交換部3bを通過した燃料ガスは、チャー回収装置20へと導かれ、チャーが回収される。回収されたチャーは、石炭ガス化炉3へと返送される。
チャー回収装置20を通過した燃料ガスは、流量調節弁23により流量が調節され、一部がグランドフレア24へと導かれグランドフレア24により完全燃焼される。チャー回収装置20を通過した燃料ガスの残りは、配管25からガスタービン5の燃焼器5aに供給される。
排ガスボイラ30を通過した排ガスは、煙突38から大気へと放出される。
圧縮された窒素に水分を供給することとしたので、希釈剤圧縮機32(32a)によって圧縮されて高温となった窒素の顕熱により水分がガス化される。燃焼器5aでは、圧縮窒素及びガス化した水分と、燃料ガスとが混合されて燃焼される。そのため、燃料ガスの直接加湿や燃焼器5aへ直接水噴射する場合と比較して、機器の耐食性、高温耐熱性、機能劣化を防止することができると共に、効果的にNOxの発生を抑制することができる。
また、本実施形態において、石炭ガス化複合発電設備1を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料ガスとして一酸化炭素や水素を燃焼する燃焼器5aを有するガスタービン5を用いて発電を行う設備であれば良い。
以下、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。本実施形態の石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの構成は、希釈剤圧縮機として2段式圧縮機が用いられ、水分供給手段が2段式圧縮機の中間段に設けられている点において第1実施形態と相違し、その他は同様である。
また、石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの運転方法は、希釈剤圧縮機が窒素を2段階にわたって圧縮する点において相違し、その他は同様である。
したがって、同一の構成及び運転方法については、同一の符号を付してその説明を省略する。
水分供給手段34は、希釈剤圧縮機33の前段の圧縮機33aと後段の圧縮機33bとの間の中間段に設けられている。
水分供給手段34と前段の圧縮機33aとの間には、配管36が接続されている。また、水分供給手段34と後段の圧縮機33bとの間には、水分をガス化させるために十分な配管長を有している配管37が接続されている。希釈剤圧縮機33と配管25との間には、配管35が設けられている。
希釈剤圧縮機33の中間段に水分が供給されるので、水分供給手段34の後段に設けられている圧縮機33bに導かれる窒素の温度を下げることができる。そのため、後段の圧縮機33bの動力を減らすことができる。従って、NOxの発生を抑制することができると共に、消費される動力を削減することができる。
また、希釈剤供給手段34の後流に設けられている配管37は、水分をガス化させるために十分な管路長を有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、配管37上に気水分離器を設け配管37の配管長を短くしても良い。
以下、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。本実施形態の石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの構成は、希釈剤圧縮機として2段式圧縮機が用いられ、窒素を冷却する熱交換器が2段式圧縮機の中間段に設けられている点において第1実施形態と相違し、その他は同様である。
また、石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの運転方法は、希釈剤圧縮機が窒素を2段階にわたって圧縮し、圧縮されて高温になった窒素が熱交換器により冷却される点において相違し、その他は同様である。
したがって、同一の構成及び運転方法については、同一の符号を付してその説明を省略する。
熱交換器38は、冷媒として水が用いられ導入される窒素を冷却する。熱交換器38は、希釈剤圧縮機33の前段の圧縮機33aと後段の圧縮機33bとの間の中間段に設けられている。
熱交換器38と前段の圧縮機33aとの間には、配管36が接続されている。また、熱交換器38と後段の圧縮機33bとの間には、配管39が接続されている。希釈剤圧縮機33と配管25との間には、配管35が設けられている。
希釈剤圧縮機33の中間段に窒素を冷却する熱交換器38が設けられることによって、後段の圧縮機33bを駆動する動力を低減することができる。また、燃料ガスを移送する管25や燃焼器5aなどは、水分が直接接触した場合には高温表面が熱衝撃で損傷することがある。希釈剤圧縮機33の後流に設けられている配管(希釈剤流路)35に水分供給手段34を設けて燃料ガスと水分とが直接混合されないようにしたので、燃料ガスに水分を混合させる場合や燃焼器5a内に燃料ガスと水分とを噴射させる場合と比較して、より安全に燃料ガスと水分を含んだ窒素とを燃焼させ、NOxの発生を抑制することができる。
以下、本発明の第4実施形態について図5に基づいて説明する。本実施形態の石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの構成は、希釈剤圧縮機として2段式圧縮機が用いられ、2段式圧縮機の中間段には窒素を冷却する熱交換器と水分供給手段とが設けられている点において第1実施形態と相違し、その他は同様である。
また、石炭ガス化複合発電設備及びガスタービンプラントの運転方法は、希釈剤圧縮機が窒素を2段階にわたって圧縮し、圧縮されて高温になった窒素が熱交換器によって冷却され、熱交換器から導出された窒素に水分供給装置から水分が供給される点において相違し、その他は同様である。
したがって、同一の構成及び運転方法については、同一の符号を付してその説明を省略する。
熱交換器38は、冷媒として水が用いられ、導入される窒素を冷却する。熱交換器38は、希釈剤圧縮機33の前段の圧縮機33aと後段の圧縮機33bとの間の中間段に設けられている。
水分供給手段34は、希釈剤圧縮機33の前段の圧縮機33aと後段の圧縮機33bとの間の中間段であり、かつ、熱交換器38の後流に設けられている。
前段の圧縮機33aと熱交換器38との間には、配管36が接続されている。また、熱交換器38と後段の圧縮機33bとの間には、水分をガス化させるために十分な管路長を有している配管37が接続されている。水分供給手段34は、配管37の上流に設けられている。希釈剤圧縮機33と配管25との間には、配管35が設けられている。
希釈剤圧縮機33の中間段には、窒素を冷却する熱交換器38と水分供給手段34とが設けられている。そのため、熱交換器38によって温度を十分に下げることできなかった窒素の温度を下げることができる。また、希釈剤圧縮機33により圧縮されて温度が高くなった窒素の顕熱により、供給された水分をガス化することができる。従って、水分供給手段34を設けなかった場合と比べて、熱交換器38の容量を小さくすることができ、かつ、NOxの発生を抑制することができる。
また、従来の一般的な設備構造に水分供給手段34を追設することで済むため、設備設置コストを削減することができる。
5 ガスタービン
5a 燃焼器
31 希釈剤供給装置
32,33 希釈剤圧縮機
34 水分供給手段
Claims (5)
- 燃料ガスを燃焼する燃焼器を備えているガスタービンと、
前記燃焼器に接続されて燃料ガスを希釈する希釈剤を供給する希釈剤供給装置と、を備えるガスタービンプラントにおいて、
前記希釈剤供給装置は、希釈剤を圧縮する希釈剤圧縮機と水分供給手段とを備え、
該水分供給手段は、前記希釈剤圧縮機によって圧縮された希釈剤に水分を供給することを特徴とするガスタービンプラント。 - 前記希釈剤圧縮機は、多段式圧縮機であって、
前記希釈剤圧縮機の中間段には、前記水分供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンプラント。 - 前記希釈剤圧縮機は、多段式圧縮機であって、
前記希釈剤圧縮機の中間段には、希釈剤を冷却する熱交換器を備え、
前記水分供給手段は、前記希釈剤圧縮機の後流に設けられている希釈剤流路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンプラント。 - 前記希釈剤圧縮機は、多段式圧縮機であって、
前記希釈剤圧縮機の中間段には、希釈剤を冷却する熱交換器を備え、
前記水分供給手段は、前記熱交換器の希釈剤の後流でかつ前記希釈剤圧縮機の後段の圧縮機の上流に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンプラント。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービンプラントと、
前記ガスタービンの前記燃焼器に供給される燃料ガスを生成するガス化設備と、
前記ガスタービンプラントから排出された排ガスが導入される排ガスボイラにより生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記ガスタービンと前記蒸気タービンとによって発電を行う発電機と、を備えたことを特徴とするガス化燃料発電設備。
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