JP5839900B2 - 多層ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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前記ポットライフは、ポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の5倍のモル数の化学脱水剤、ポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の0.6倍のモル数のイミド化触媒、及びポリイミド前駆体溶液100gに対して化学イミド化剤溶液が35gとなる量の溶媒を含む化学イミド化剤溶液を0℃に冷却したものを、0℃に冷却したポリイミド前駆体溶液に、ポリイミド前駆体溶液/化学イミド化剤溶液の重量比が100/35となるように配合して0℃以下で混合し、粘度の経時変化を測定した場合の変曲点となるポイントの時間である。
前記多層ポリイミドフィルムが、耐熱性ポリイミド層の両面に熱可塑性ポリイミド層を設けてなる三層構造であることが好ましい。
ポットライフ比=最長のポットライフ/最短のポットライフ (式1)
更には上記ポットライフ比が1以上3.1以下であることが好ましい。各ポリイミド前駆体溶液のポットライフにおけるポットライフ比が4以上となると、多層ゲルフィルムの層間が剥離しやすくなるという問題が生じる傾向にある。各ポリイミド前駆体溶液に含まれるモノマーの種類と比率が近づく程、ポットライフ比は小さくなる傾向にある。各ポリイミド前駆体溶液に含まれる芳香族ジアミンに同種のモノマーが含まれていてもよく、芳香族テトラカルボン酸二無水物に同種のモノマーが含まれていてもよく、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物どちらにも同種のモノマーが含まれていてもよい。また、同種のモノマーでなくとも、構造が似たモノマーが同様の効果を与えることもある。具体的には、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体及びジアミン単量体の合計モル数の30%以上が耐熱性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体である場合、ポットライフ比は小さくなる。15%以下であると、ポットライフ比は大きくなる。更には40%以上が好ましく、更には50%以上が好ましく、更には55%以上が好ましい。ここで、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体及びジアミン単量体の合計モル数の30%以上が耐熱性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体であるとは、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体及びジアミン単量体の合計モル数(総モル数)を基準にし、熱可塑性ポリイミドで用いる酸二無水物及びジアミンであって、耐熱性ポリイミドで用いる酸二無水物及びジミアンと同じ、酸二無水物単量体とジアミン単量体のモル数(同種モル数)の割合が30%以上ということであり、(同種モル数)/(総モル数)の算出式で算出する。酸二無水物及びジアミンのどちらに同種のモノマーあるいは構造の似たモノマーが含まれていてもよく、両方に含まれていてもよい。酸二無水物については、ピロメリット酸二無水物が共通して含まれていることが好ましい。ジアミンについては、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが共通して含まれていることが好ましい。
a.ポリイミド前駆体溶液を0℃に冷却する。
b.各ポリイミド前駆体溶液の組成に合わせて以下の化学脱水剤及びイミド化触媒及び溶媒を含有する溶液(以後、化学イミド化剤溶液と呼ぶ)を作製し、0℃に冷却する。
化学脱水剤:無水酢酸をポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の5倍のモル数
イミド化触媒:ジエチルピリジンをポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の0.6倍のモル数
溶媒:ポリイミド前駆体溶液100gに対して化学イミド化剤溶液が35gとなる量のN,N−ジメチルホルムアミド
c.aで用意したポリイミド前駆体溶液/bで用意した化学イミド化剤溶液の重量比が100/35となるように配合し、0℃以下でミキサーで混合する。
d.cでaで用意したポリイミド前駆体溶液とbで用意した化学イミド化剤溶液を接触させて5分経過後から、c工程で得られた溶液をB型粘度計H−7号ローターを用い、回転数40rpmにて0℃雰囲気下で粘度測定開始する。
e.時間と粘度をプロットし、変曲点となるポイントの時間(cでaで用意したポリイミド前駆体溶液とbで用意した化学イミド化剤溶液を接触させてからの経過時間)をポットライフとする。
本発明にかかる耐熱性ポリイミドフィルムは、ポリアミド酸を前駆体として用いて製造される。ポリアミド酸の製造方法としては公知のあらゆる方法を用いることができ、通常、芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンを、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。これらのポリアミド酸溶液は通常5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法、
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法、
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法、
などのような方法である。これら方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
(熱可塑性ポリイミドブロック成分含有量) = a/b×100 計算式(1)
a:熱可塑性ポリイミドブロック成分に含まれるジアミン量(mol)
b:全ジアミン量(mol)
(熱可塑性ポリイミドブロック成分含有量) = a/b×100 計算式(2)
a:熱可塑性ポリイミドブロック成分に含まれる酸成分量(mol)
b:全酸成分量(mol)
本発明の熱可塑性ポリイミドブロック成分を構成するジアミン主成分として好ましく用い得る例としては4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらを単独または複数併用することができる。これらの例は主成分として好適に用いられる例であり、副成分としていかなるジアミンを用いることもできる。これらの中で特に好ましく用い得るジアミンの例として、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンが挙げられる。
熱可塑性ポリイミドとは、一般的にDSC(示差走査熱量測定)で、ガラス転移温度を有するポリイミドをいう。本発明での熱可塑性ポリイミドは、前記ガラス転移温度が、150℃〜350℃であるものをいう。
<フレキシブル金属張積層板>
本発明にかかるフレキシブル金属張積層板の製造方法について説明すると、以下の通りであるが、これに限定されるものでない。本発明にかかるフレキシブル金属張積層板の製造方法は、上記多層ポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせる工程を含むことが好ましい。フレキシブル金属積層板で用いられる銅箔は、厚みは1〜25μmを用いることができ、圧延銅箔、電解銅箔のどちらを用いても良い。多層ポリイミドフィルムと金属箔の貼り合わせ方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置、またはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。なお、多層ポリイミドフィルムと金属箔とを熱ラミネートにより貼り合わせる工程を、以下、「熱ラミネート工程」と称する。上記熱ラミネートを実施する手段(以下、「熱ラミネート手段」ともいう)の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。上記保護材料としては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えうる材料、例えば、非熱可塑性ポリイミドフィルム等の耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等が挙げられる。中でも、耐熱性、再使用性等のバランスが優れる点から、非熱可塑性ポリイミドフィルム、もしくは、ガラス転移温度(Tg)がラミネート温度よりも50℃以上高い熱可塑性ポリイミドからなるフィルムが好ましく用いられる。熱可塑性ポリイミドを使用する場合、上記の条件を満たすものを選択することによって、熱可塑性ポリイミドのロールへの付着を防ぐことができる。また、保護材料の厚みが薄いと、ラミネート時の緩衝並びに保護の役目を十分に果たさなくなるため、非熱可塑性ポリイミドフィルムの厚みは75μm以上であることが好ましい。また、この保護材料は、必ずしも1層である必要はなく、異なる特性を有する2層以上の三層構造でもよい。また、ラミネート温度が高温の場合、保護材料をそのままラミネートに用いると、急激な熱膨張により、得られるフレキシブル金属張積層板の外観や寸法安定性が充分でない場合がある。従って、ラミネート前に、保護材料に予備加熱を施すことが好ましい。このように、保護材料の予備加熱を行った後、ラミネートする場合、保護材料の熱膨張が終了しているため、フレキシブル金属張積層板の外観や寸法特性に影響を与えることが抑制される。
ポットライフは、下記a工程からe工程の手順で測定した。
a.ポリイミド前駆体溶液を0℃に冷却する。
b.各ポリイミド前駆体溶液の組成に合わせて以下の化学脱水剤及びイミド化触媒及び溶媒を含有する溶液(以後、化学イミド化剤溶液と呼ぶ)を作製し、0℃に冷却する。
化学脱水剤:無水酢酸をポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の5倍のモル数
イミド化触媒:ジエチルピリジンをポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の0.6倍のモル数
溶媒:ポリイミド前駆体溶液100gに対して化学イミド化剤溶液が35gとなる量のN,N−ジメチルホルムアミド
c.aで用意したポリイミド前駆体溶液/bで用意した化学イミド化剤溶液の重量比が100/35となるように配合し、0℃以下でミキサーで混合する。
d.cでaで用意したポリイミド前駆体溶液とbで用意した化学イミド化剤溶液を接触させて5分経過後から、c工程で得られた溶液をB型粘度計H−7号ローターを用い、回転数40rpmにて0℃雰囲気下で粘度測定開始する。
e.時間と粘度をプロットし、変曲点となるポイントの時間(cでaで用意したポリイミド前駆体溶液とbで用意した化学イミド化剤溶液を接触させてからの経過時間)をポットライフとする。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
ODA:4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
PDA:p−フェニレンジアミン
BPDA:3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
以下に、ポリイミド前駆体の合成例を示す。
容量3000mlのガラス製フラスコにDMFを1587.6g投入し、BAPP131.2g、ODA42.7g、BTDA68.7g、PMDA58.1g、を溶解した。均一撹拌後にPDA57.6g、PMDA123.2を溶解し、別途調製しておいたPMDAのDMF溶液(PMDA:DMF=7.0g:90.0g)を上記反応液に徐々に添加し、粘度が2900ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度18重量%、23℃での回転粘度が2900poiseのポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液のポットライフは11分であった。粘度の経時変化を図1に示す。
容量3000mlのガラス製フラスコにDMFを1615.2g投入し、BAPP218.1g、BPDA23.4g、PMDA95.0g、を溶解した。均一撹拌後、別途調製しておいたPMDAのDMF溶液(PMDA:DMF=7.0g:90.0g)を上記反応液に徐々に添加し、粘度が1000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度17重量%、23℃での回転粘度が1000poiseのポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液のポットライフは22分であった。粘度の経時変化を図1に示す。
容量3000mlのガラス製フラスコにDMFを1616.0g投入し、BAPP214.3g、BPDA46.1g、PMDA76.3g、を溶解した。均一撹拌後、別途調製しておいたPMDAのDMF溶液(PMDA:DMF=7.0g:90.0g)を上記反応液に徐々に添加し、粘度が1000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度17重量%、23℃での回転粘度が1000poiseのポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液のポットライフは34分であった。粘度の経時変化を図1に示す。
容量3000mlのガラス製フラスコにDMFを1121.6g投入し、BPDA142.0g、BAPP192.0g、を溶解した。均一撹拌後、別途調製しておいたBAPPのDMF溶液(PMDA:DMF=7.9g:102.1g)を上記反応液に徐々に添加し、粘度が1000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度17重量%、23℃での回転粘度が1000poiseのポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液のポットライフは、粘度上昇が確認されなかったため、計測不可であった。粘度の経時変化を図1に示す。
リップ幅200mmのマルチマニホールド式の三層共押出ダイを用い、合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液/合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液/合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液の順の3層構造でアルミ箔上に押出し流延した。このとき、共押出されるポリイミド前駆体溶液のポットライフ比(最長のポットライフ/最短のポットライフ)は2である。次いで、この三層膜を140℃×100秒で加熱した後、自己支持性を有する三層ゲルフィルムを引き剥がして、金属枠に固定し、250℃×40秒、300℃×60秒、350℃×60秒、370℃×30秒で乾燥・イミド化した。熱可塑性ポリイミド層/耐熱性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚み構成比、20/60/20となるよう各ポリイミド前駆体溶液の吐出量を調整した。アルミ箔の移動速度を変更することで、ポリイミド前駆体溶液がダイス中に滞留する時間を変化させることなく、20μm〜125μmの様々な厚みの三層ポリイミドフィルムを得た。流延された多層ゲルフィルム及び得られた多層ポリイミドフィルムには層間の剥離は見られず、外観良好な多層ポリイミドフィルムが得られた。結果を表1に示す。なお、表1中の多層ポリイミドフィルム厚み20μmのときは、参考例である。
化学脱水剤:無水酢酸を耐熱性ポリイミド前駆体のアミド酸ユニット1モルに対して2.0モル
イミド化触媒:イソキノリンを耐熱性ポリイミド前駆体のアミド酸ユニット1モルに対して0.5モル
上記化学イミド化剤溶液を含有せしめ、ミキサーで混合した。
合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液の代わりに合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液を使用することを除き、実施例1と同様に実施した。このとき、共押出されるポリイミド前駆体溶液のポットライフ比(最長のポットライフ/最短のポットライフ)は3.1である。流延された多層ゲルフィルム及び得られた多層ポリイミドフィルムには層間の剥離は見られず、外観良好な多層ポリイミドフィルムが得られた。結果を表1に示す。なお、表1中の多層ポリイミドフィルム厚み20μmのときは、参考例である。
合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液の代わりに合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液を使用することを除き、実施例1と同様に実施した。流延された多層ゲルフィルムにおいて白化し、得られた多層ポリイミドフィルムには層間での剥離が確認され、良好な多層ポリイミドフィルムは得られなかった。結果を表1に示す。なお、表1中の多層ポリイミドフィルム厚み20μmのときは、参考例である。
Claims (4)
- 少なくとも1層の耐熱性ポリイミド層と少なくとも1層の最外層としての熱可塑性ポリイミド層とを有する多層ポリイミドフィルムを製造する方法であって、該多層ポリイミドフィルムの厚みが25μm以上であり、
前記耐熱性ポリイミド層は、その高分子量体のフィルムを350℃〜500℃に加熱した際にフィルムの形状を保持するものであり、
前記熱可塑性ポリイミド層は、示差走査熱量測定により求められるガラス転移温度が150℃〜350℃であり、
耐熱性ポリイミド層形成用ポリイミド前駆体溶液、及び熱可塑性ポリイミド層形成用ポリイミド前駆体溶液を、共押出で支持体上に流延する工程を含み、
前記流延する工程の前に、前記ポリイミド前駆体溶液の少なくとも1つに、化学脱水剤及びイミド化触媒を含有させる工程を有し、1つの前駆体溶液に、前記化学脱水剤を含有させる量がポリアミド酸のアミド酸ユニット1モルに対して1.0〜4.5モルであり、前記イミド化触媒を含有させる量がポリアミド酸のアミド酸ユニット1モルに対して0.05〜2.0モルであり、
化学脱水剤及びイミド化触媒を含有させる前の各前駆体溶液のポットライフの中で、最短のポットライフに対する最長のポットライフの比が1以上4以下であることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法。
ただし、前記ポットライフは、ポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の5倍のモル数の化学脱水剤、ポリイミド前駆体の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンのモル数の少ない方のモル数の0.6倍のモル数のイミド化触媒、及びポリイミド前駆体溶液100gに対して化学イミド化剤溶液が35gとなる量の溶媒を含む化学イミド化剤溶液を0℃に冷却したものを、0℃に冷却したポリイミド前駆体溶液に、ポリイミド前駆体溶液/化学イミド化剤溶液の重量比が100/35となるように配合して0℃以下で混合し、粘度の経時変化を測定した場合の変曲点となるポイントの時間である。 - 前記多層ポリイミドフィルムが、耐熱性ポリイミド層の両面に熱可塑性ポリイミド層を設けてなる三層構造であることを特徴とする請求項1に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
- 前記化学脱水剤及びイミド化触媒を含有させる工程において、少なくとも1つの耐熱性ポリイミド層形成用のポリイミド前駆体溶液に、前記化学脱水剤及び前記イミド化触媒を含有させることを特徴とする請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法を一工程として含み、
当該製造方法によって得られた多層ポリイミドフィルムの熱可塑性ポリイミド層に、他の接着剤を介さずに前記熱可塑性ポリイミド層を接着層として金属箔を貼り合わせる工程を含むフレキシブル金属張積層板の製造方法。
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