JP2005307091A - ポリアミド酸およびこれを用いたポリイミドフィルム、並びにその利用 - Google Patents

ポリアミド酸およびこれを用いたポリイミドフィルム、並びにその利用 Download PDF

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寛 藤原
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Abstract

【課題】 原料として高純度のモノマー成分を用いた場合でも、諸物性の低下を有効に回避または抑制することができるポリアミド酸およびポリイミドフィルムと、その代表的な利用の一例を提供する。
【解決手段】 ポリアミド酸のモノマー成分のうち、酸二無水物成分として、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を含むものを用いる。この高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量は、全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、40モル%以上となっている。得られるポリアミド酸から製造されるポリイミドフィルムは優れた諸物性を有しており、FPC等に好適に用いることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸と、これを用いて得られるポリイミドフィルムと、その代表的な利用とに関するものであり、特に、原料として高純度のモノマー成分を用いた場合に発生する諸物性の低下を有効に回避または抑制することができるポリアミド酸と、これを用いたポリイミドフィルムと、その代表的な利用とに関するものである。
ポリイミド樹脂は、耐熱性や電気絶縁性等の諸物性に優れているため、従来から、エレクトロニクス分野において広く用いられている。具体的には、例えば、フレキシブルプリント配線(FPC)、TAB用テープ、高密度記録媒体用ベースフィルム等に用いられている。
ポリイミド樹脂の使用形態としては、フィルム体、シート体、コーティング剤等様々な形態が挙げられるが、中でも、フィルム体の場合は、ポリイミドフィルム単体のみならず、各種の材料からなる層を積層した積層体としても広く用いられている。このような積層体の例としては、ポリイミドフィルムに銅箔等の金属層を積層したポリイミドフィルム/金属層の構造を挙げることができる。このときの金属層の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、銅箔の場合には、ポリイミドフィルムの表面に銅箔を接着剤で接着したり、銅のスパッタイリング−銅電解メッキを施したり、あるいは、銅箔上にポリイミド樹脂をキャストまたはコーティングすることにより形成することができる。
このように、ポリイミドフィルムは単体としても積層体としても使用されるので、その用途に応じて様々な形態のものが数多く市販されている。例えば、ポリイミドフィルム単体の代表例としては、アピカル(商品名、鐘淵化学工業株式会社製)、ユーピレックスR(商品名、宇部興産株式会社製)、カプトン(商品名、米国デュポン社製)等が挙げられる。また、積層体の代表例としては、ポリイミド/金属積層板であるエスパネックス(新日鐵化学株式会社の商品名)等が挙げられる。この積層体は、銅箔の表面に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の有機溶媒溶液(ポリアミド酸溶液)を積層して製造されている。
ところで、上記フィルム体やシート体、積層体等を製造するために用いられるポリアミド酸溶液は、イミド化反応を経てポリイミド樹脂の成形体(ポリイミド成形体)として成形されるときに、十分な大きさの分子量を有していることが要求される。ポリアミド酸をイミド化する場合には、当該イミド化反応と並行してポリイミド鎖の切断反応が生じる。そのため、分子量が十分大きくないと、ポリイミド成形体となった後に、当該成形体の柔軟性や剛直性、耐熱性等の諸物性が低下するという問題が生じることがある。
そこで、上記問題を回避または抑制するために、高分子量のポリアミド酸溶液を得るための技術が種々提案されている。具体的には、例えば、特許文献1には、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを重合させて芳香族ポリアミド酸を製造する方法において、混在するビフェニルトリカルボン酸とその無水物の総含有量が0.2重量%未満であるビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いる技術が開示されている(例えば、同文献の段落番号〔0005〕〜〔0007〕等参照)。
また、特許文献2には、純度99.5%以上に精製されたノルボルナン骨格を有する特定構造の脂肪族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを重合させてポリアミド酸を製造する技術が開示されている(例えば、同文献の特許請求の範囲や、段落番号〔0026〕他参照)。この技術では、上記脂肪族ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の全量をモル比で規定することにより、得られるポリイミド樹脂の分子量を制御している(例えば、同文献の段落番号〔0042〕〜〔0046〕参照)。
特開平7−300525(平成7(1995)年11月14日公開) 特開2000−319390(平成12(2000)年11月21日公開)
しかしながら、上記従来の技術のように、ポリイミド樹脂の原料である酸二無水物成分やジアミン成分の純度を高めることだけでは、得られるポリイミドフィルムの物性の低下を十分に回避または抑制できないという問題を生じる。
具体的には、上記特許文献1や2に開示されているように、ポリアミド酸の原料(すなわちポリイミド樹脂の原料)として、高純度の酸二無水物成分やジアミン成分を用いることが重要であることはすでに知られている。ところが、近年、ポリイミド樹脂の原料として98.5重量%以上の高い純度を有する原料を用いると、重合粘度が上昇して高分子量のポリアミド酸溶液が得られるにもかかわらず、最終的に製造されるポリイミドフィルムにおいて、その耐環境安定性が低下したり、銅箔とポリイミドフィルムとを接着剤で接着した場合も、その接着力が低下したりする等の問題が発生することが明らかとなった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、原料として高純度のモノマー成分を用いた場合でも、諸物性の低下を有効に回避または抑制することができるポリアミド酸およびポリイミドフィルムと、その代表的な利用の一例を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、1H−NMRスペクトルのピークが1本のみ観測されるような、高純度の芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いてポリアミド酸を合成するとともに、当該ポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドフィルムは、原料として高純度のモノマー成分を用いた場合に発生する諸物性の低下を有効に回避または抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかるポリアミド酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分と芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを重合して得られるポリアミド酸であって、上記酸二無水物成分には、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が含まれているとともに、全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量が40モル%以上となっていることを特徴としている。
上記ポリアミド酸は、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が、1H−NMRスペクトルのピークが1本のみ観測されるものとなっている。また、上記ポリアミド酸においては、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として、次に示す一般式(1)
Figure 2005307091
(ただし、式中、R1は、次に示す群(3)
Figure 2005307091
から選択される4価の芳香族残基を示す。)
で表される構造の化合物が用いられることが好ましい。このとき、 上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物について 1H−NMRにて分析したときに、芳香族テトラカルボン酸二無水物のピーク面積の積分値をIT とし、当該芳香族テトラカルボン酸二無水物の分子量をMT とするとともに、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物のピーク面積の積分値をID とし、当該芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の分子量をMD とし、さらに、芳香族テトラカルボン酸のピーク面積の積分値をIN とし、当該芳香族テトラカルボン酸の分子量をMN とし、さらに、上記芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を次に示す式(i)
D =(ID×MD)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(i)
で算出するとともに、上記芳香族テトラカルボン酸の含有率CN を次に示す式(ii)
N =(IN×MN)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(ii)
で算出したときに、上記酸純度Nが、次の式(iii)
N=100−(CD+CN)…(iii)
により算出すればよい。
また、上記ポリアミド酸においては、上記ジアミン成分に含まれる芳香族ジアミンとして、次に示す一般式(2)
Figure 2005307091
(ただし、式中、R2は、次に示す群(4)
Figure 2005307091
(ただし、上記群中、R3で示される基は、CH3−、Cl−、Br−、F−、およびCH3O−からなる群より選択される何れかの基である。)から選択される2価の芳香族残基である。)
で表される構造の化合物が用いられることが好ましい。
上記ポリアミド酸においては、平均分子量が、GPCのポリエチレングリコール換算で10000以上となっていることが好ましい。
さらに、上記ポリアミド酸においては、有機溶媒に溶解したポリアミド酸溶液となっていることが好ましく、このとき、ポリアミド酸溶媒中のポリアミド酸の濃度が5〜40重量%の範囲内となっていることが好ましい。
本発明には、上記ポリアミド酸の製造方法も含まれる。すなわち、本発明にかかるポリアミド酸の製造方法は、酸二無水物成分として、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも用いるとともに、全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量を40モル%以上とすることを特徴とすればよい。
さらに、本発明には、上記ポリアミド酸から得られるポリイミドフィルムが含まれる。すなわち、本発明にかかるポリイミドフィルムは、上記ポリアミド酸をイミド化して得られることを特徴としている。このポリイミドフィルムは、特に、フレキシブルプリント配線板の絶縁基板、TAB用テープ、高密度記録媒体用ベースフィルムの少なくとも何れかに好ましく用いられる。また、本発明には、上記ポリイミドフィルムを含む積層体も含まれる。
本発明では、以上のように、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有量が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を一定量以上用いてポリアミド酸を製造する。このポリアミド酸をイミド化することにより得られるポリイミドフィルムは、その耐環境安定性や、銅箔との接着性が十分良好となっており、原料として高純度のモノマー成分を用いた場合に発生する諸物性の低下を有効に回避または抑制することができる。
したがって、本発明は、FPC、TAB用テープ基板または高密度記録媒体用ベースフィルム用途のポリイミドフィルムとして好適に用いることができ、広くエレクトロニクス分野に好適に用いることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。本実施の形態では、本発明にかかるポリアミド酸およびその製造方法、本発明にかかるポリイミドフィルム、並びに、本発明の利用の順で、本発明を詳細に説明する。
(I)本発明にかかるポリアミド酸およびその製造方法
本発明にかかるポリアミド酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分と芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを重合して得られるものであるが、原料として高純度のモノマー成分を用いる場合に、上記酸二無水物成分の純度をより詳細に特定している。
<高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物>
具体的には、上記酸二無水物成分には、全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が40モル%以上含まれているが、この高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下のものを示す。
このような高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が、1H−NMRスペクトルのピークが1本のみ観測される。したがって、本発明では、1H−NMRスペクトルのピークが1本のみ観測される純度を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物を、酸二無水物成分の40モル%以上用いてポリアミド酸を製造するということもできる。
上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、次に示す一般式(1)
Figure 2005307091
で表される構造の化合物を挙げることができる。なお、上記一般式(1)においては、式中、R1は、次に示す群(3)
Figure 2005307091
から選択される4価の芳香族残基を示す。すなわち、R1で示される芳香族残基としては、ベンゼン環またはナフタレン環構造が好適となっている。上記一般式(1)の構造中では、4つのカルボニル基はR1で示される芳香族残基の異なった炭素原子に直接結合しており、4つのカルボニル基は2つの対を成し、R1で示される芳香族残基の隣接する炭素原子に連結している。
上記一般式(1)に示す構造を有する高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これら化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
<高純度の特定>
上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物においては、その純度を、酸純度および芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率という2つの指数で特定している。ここで、これら指数の算出方法は特に限定されるものではなく、酸純度については、芳香族テトラカルボン酸二無水物の純度を有効に算出できる方法であればよく、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率についても、芳香族テトラカルボン酸二無水物中の含有率を有効に算出できる方法であればよいが、本発明では、特に、1H−NMR分析による結果を利用して算出することが好ましい。
具体的には、純度管理対象となる高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物について 1H−NMRにて分析したときに、芳香族テトラカルボン酸二無水物のピーク面積の積分値をIT とし、当該芳香族テトラカルボン酸二無水物の分子量をMT とする。また、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物のピーク面積の積分値をID とし、当該芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の分子量をMD とする。さらに、芳香族テトラカルボン酸のピーク面積の積分値をIN とし、当該芳香族テトラカルボン酸の分子量をMN とする。
これらピーク面積の積分値と分子量とから、純度管理対象となる芳香族テトラカルボン酸二無水物中の上記芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD (単位:重量%)を次に示す式(i)により算出する。
D =(ID×MD)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(i)
また、純度管理対象となる芳香族テトラカルボン酸二無水物中の上記芳香族テトラカルボン酸の含有率CN (単位:重量%)を次に示す式(ii)により算出する。
N =(IN×MN)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(ii)
このようにして算出した上記含有率CD およびCN から、純度管理対象となる芳香族テトラカルボン酸二無水物の酸純度N(単位:重量%)を、次の式(iii)により算出する。
N=100−(CD+CN)…(iii)
本発明者らは、ポリイミドフィルムの耐環境安定性および金属層との接着性が低下する等のように、諸物性の低下の原因について検討を行った。その結果、特に、上記のように、1H−NMR分析による結果を利用して上記算出式(i)〜(iii)を用いて酸純度および芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率を規定することで、諸物性の低下を有効に回避または抑制できることが始めて明らかになった。
上記酸純度Nは、98.5重量%以上であればよいが、99.0重量%以上であることが好ましい。酸純度Nが98.5重量%未満であると、最終的に得られるポリイミドフィルムにおいて耐環境性や金属層との接着性が低下するため好ましくない。また、上記芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD は、1.00重量%以下であればよいが、0.85重量%以下であることがより好ましい。上記含有率CD が1.00重量%を超えると、最終的に得られるポリイミドフィルムにおいて耐環境性や金属層の接着性が低下するため好ましくない。
上記 1H−NMR分析の具体的な方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を好適に用いることができる。例えば、後述する実施例・比較例では、純度管理対象となる芳香族テトラカルボン酸二無水物を、アセトン溶液に溶解して測定サンプルとし、市販のNMR装置を用いて測定すればよい。ただし、NMR装置は270MHz以上であることが好ましい。測定サンプルの調製方法も特に限定されるものではなく、例えば、後述する実施例・比較例では、純度管理対象となる芳香族テトラカルボン酸二無水物0.002gをアセトン−d6(純度99.8%以上)0.6mlに溶解して調製している。
<その他の酸二無水物>
本発明にかかるポリアミド酸は、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分と、ジアミン成分とを重合させることにより製造することができる。このとき、モノマー成分として用いられる上記酸二無水物成分には、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が少なくとも40モル%含まれていればよいが、50モル%以上含まれていることがより好ましい。言い換えれば、本発明で用いられる酸二無水物成分には、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物のみが用いられてもよいが、それ以外の酸二無水物が含まれていてもよい。
上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物以外の酸二無水物(便宜上、その他の酸二無水物と称する)としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等のエステル酸無水物類、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−無水ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−無水ジカルボキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3−無水ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3,4−無水ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−無水ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−無水ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−無水ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−無水ジカルボキシフェニル)スルホン、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,2−ビス[(2,3−無水ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物等の酸二無水物類を挙げることができる。これら酸二無水物は単独で高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物と併用してもよいし、2種類以上を組み合わせて併用してもよい。
これらその他の酸二無水物を適宜選択して併用すれば、最終的に得られるポリイミドフィルムにおいて、耐環境性や金属層との接着性以外の物性についても向上を図ることが可能となるため好ましい。
上記その他の酸二無水物の中でも、本発明においては、特に、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられる。これら化合物を併用すれば、得られるポリイミドフィルムの耐熱性をより向上させることができる。
上述したように、酸二無水物成分中に含まれる高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物は、40モル%以上であればよく、50モル%以上であることが好ましい。言い換えれば、上記その他の酸二無水物は、酸二無水物成分中60モル%未満であればよく、50モル%未満であることが好ましい。高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物とその他の酸二無水物との含有量がこの範囲内であれば、得られるポリイミドフィルムにおいて、十分な耐環境性および金属層との接着性を付与することができる。
<ジアミン成分>
本発明で用いられるジアミン成分としては、芳香族ジアミンであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、次に示す一般式(2)
Figure 2005307091
で表される構造の化合物を挙げることができる。なお、上記一般式(2)においては、式中、R2は、次に示す群(4)
Figure 2005307091
から選択される4価の芳香族残基を示す。ただし、上記群(4)中において、R3で示される基は、CH3−、Cl−、Br−、F−、およびCH3O−からなる群より選択される何れかの基である。
上記一般式(2)に示す構造を有する芳香族ジアミンとしては、具体的には、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル等を挙げることができる。これら化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、本発明では、上記一般式(2)に示す構造を有する芳香族ジアミン以外のジアミン(便宜上、その他のジアミンと称する)を用いてもよい。このようなその他のジアミンとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシジベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェニル)]スルホン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェニル)]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、ジアミノポリシロキサン等を挙げることができる。これらジアミンは単独で一般式(2)の芳香族ジアミンと併用してもよいし、2種類以上を組み合わせて併用してもよい。
上記ジアミン成分中に含まれる一般式(2)の芳香族ジアミンは、全てのジアミン成分を100モル%としたときに、40モル%以上であればよく、50モル%以上であることが好ましい。言い換えれば、上記その他のジアミンは、ジアミン成分中60モル%以下であればよく、50モル%以下であることが好ましい。一般式(2)の芳香族ジアミンとその他のジアミンとの含有量がこの範囲内であれば、得られるポリイミドフィルムにおいて、十分な耐環境性および金属層との接着性を付与することができる。
<モノマー原料の好ましい組合せ>
本発明では、上述した各モノマー原料を適宜選択して用いることができるが、最終的に得られるポリイミドフィルムにおいて、耐環境性および金属層との接着性を向上させる点から、特に好ましいモノマー原料の組合せを挙げることができる。
具体的には、(i) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物およびp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を用いるとともに、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを用いる組合せ、(ii) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(iii) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(iv) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(v) 酸二無水成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(vi) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(vii) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いる組合せ、(viii) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およびp−フェニレンジアミンを用いる組合せ、(ix) 酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物を用いるとともに、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およびp−フェニレンジアミンを用いる組合せ、(x) さらに、上記 (i) 〜 (ix) の各組合せにおいて、ピロメリット酸二無水物の代わりに、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を用いる組合せ等を挙げることができる。
<ポリアミド酸の製造>
本発明にかかるポリアミド酸は、上記酸二無水物成分とジアミン成分とをほぼ等モル反応させて共重合することにより製造することができる。ポリアミド酸の具体的な製造方法(重合方法)は特に限定されるものではないが、通常は、有機溶媒中で上記各モノマー原料(酸二無水物成分およびジアミン成分)を加えて、任意の条件で攪拌・混合することにより反応させることができる。
上記ポリアミド酸の重合に用いられる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、非プロトン性溶媒やハロゲン化アルキル類、芳香族系溶媒、エーテル類等を好ましく用いることができる。
上記非プロトン性溶媒としては、具体的には、例えば、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレア等のウレア類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォン等のスルホキシドまたはスルホン類;N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチル−N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類またはホスホリルアミド類;等を挙げることができる。
また、上記ハロゲン化アルキル類としては、具体的には、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等を挙げることができる。また、上記芳香族系溶媒としては、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;フェノール、クレゾールなどのフェノール類;等を挙げることができる。また、エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテル等を挙げることができる。
上記各有機溶媒は、単独で用いてもよいが2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。上記各有機溶媒の中でも、特に、DMF、DMAc、NMP等のアミド類をより好ましく用いることができる。上記有機溶媒中でポリアミド酸を合成することにより、上記有機溶媒にポリアミド酸が溶解されたポリアミド酸溶液を得ることができる。本発明では、このポリアミド酸溶液をそのまま用いてポリイミドフィルムを製造することが好ましい。
上記ポリアミド酸溶液の製造方法は特に限定されるものではなく、上記有機溶媒中で酸二無水物成分とジアミン成分とを混合して重合させればよく、酸二無水物成分やジアミン成分の添加の手順や重合の手順等は、公知効用の如何なるポリアミド酸溶液の製造方法を用いてもよい。例えば、有機溶媒中に酸二無水物成分を添加し混合してからジアミン成分を添加してもよいし、その逆であってもよい。酸二無水物成分やジアミン成分の添加方法も特に限定されるものではなく、粉末として添加してもよいし、有機溶媒に溶解させた溶液として添加してもよい。さらに、酸二無水物成分およびジアミン成分の少なくとも一方として、複数種類の化合物が用いられる場合には、化合物別にそれぞれ添加してもよい。
また、ポリアミド酸の重合反応は1段階で行ってもよいし、2段階以上の段階を経て行ってもよい。例えば、2段階で重合反応を行う場合には、1段階目にプレポリマーを呼ばれる低粘度のポリアミド酸を重合し、得られたプレポリマー溶液を2段階目の反応装置に移し、酸二無水物成分をそのまま、または溶液で添加しながら高粘度のポリアミド酸を重合する方法を挙げることができる。
さらに、上記1段階目から2段階目に移行する際に、プレポリマー溶液に含まれる不溶解原料や混入異物を取り除く工程(異物除去工程)を設けてもよい。これにより、最終的に得られるポリイミドフィルム中の異物や欠陥構造を減少させることが可能となる。不溶解原料や混入異物が存在すると、これらに起因する欠陥がポリイミドフィルムに生じる。特に、当該欠陥がポリイミドフィルム表面に存在するとポリイミドフィルム表面に金属層を形成した場合に、当該金属層との密着性が低下するため好ましくない。それゆえ、異物除去工程を行うことにより、ポリイミドフィルムの品質を向上させることが可能となる。
異物除去工程で行われる具体的な手法は特に限定されるものではないが、一般的には、フィルター等を用いる手法を挙げることができる。このとき用いられるフィルターの目開きは、最終的に得られるポリイミドフィルムの厚みに応じて適宜設定すればよい。具体的には、目開きの大きさがフィルム厚みの1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがより好ましく、1/10以下であることがさらに好ましい。フィルターの目開きが上記上限以下であれば、当該目開きを超える大きさの異物が除去されるので、ポリイミドフィルムの品質に大きな影響を及ぼすような欠陥の発生を有効に抑制することが可能となる。
<ポリアミド酸溶液>
本発明にかかるポリアミド酸は、上記のように、有機溶媒に溶解したポリアミド酸溶液として製造することができる。このポリアミド酸溶液においては、溶解しているポリアミド酸の平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定したポリエチレングリコール(PEG)換算で10000以上となっていることが好ましく、50000以上となっていることがより好ましい。平均分子量が10000以上であれば、得られるポリイミド樹脂の分子量を十分なものとすることが可能となり、ポリイミドフィルムの耐環境安定性および金属層との接着性を向上させることができるため、ポリイミドフィルムをより高品質のものにすることができる。
また、得られるポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は特に限定されるものではないが、5〜40重量%の範囲内であればよく、10〜30重量%の範囲内であることが好ましく、13〜25重量%の範囲内であることがより好ましい。ポリアミド酸の濃度が上記の範囲内であれば、粘度が過剰に上昇するようなことがなく、取扱性の低下を回避することができる。
(II)本発明にかかるポリイミドフィルム
上記のように、本発明にかかるポリアミド酸は、酸二無水物成分として、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも用いるとともに、全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量を40モル%以上としている。本発明では、このポリアミド酸をイミド化することにより、ポリイミドフィルムを製造する。
本発明にかかるポリイミドフィルムの製造方法のより具体的な一例について、上記ポリアミド酸の製造方法も含めて説明すると、(i) 有機溶媒中にて上記酸二無水物成分およびジアミン成分とをほぼ等モル反応させることにより、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を製造するポリアミド酸重合工程(前述)、(ii) 当該ポリアミド酸溶液を支持体上に流延塗布する流延塗布工程、(iii) 支持体上で自己支持性を有するゲルフィルムを形成するゲルフィルム形成工程、(iv) 得られたゲルフィルムを剥離して、両端部を固定して加熱・乾燥することによりポリイミドフィルムとする加熱乾燥工程の4工程からなる方法を挙げることができる。
上記各工程のうち、イミド化を行う工程はゲルフィルム形成工程および加熱乾燥工程である。もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、他の工程を含んでいてもよいし、上記各工程の何れかが他の工程に代替されてもよい。例えば、上記ポリアミド酸重合工程により得られるポリアミド酸溶液は、そのまま流延塗布工程に用いてもよいが、必要に応じて種々の添加剤を加えてもよい。すなわち、流延塗布工程の前段で、ポリアミド酸溶液に添加剤を加える添加剤添加工程が含まれてもよい。
上記工程で添加される添加剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、あるいは、無機のフィラー類、金属微粉末類、あるいは各種の強化剤等を挙げることができる。また、後述する化学的なイミド化手法では、脱水剤・触媒をポリアミド酸溶液に添加してからゲルフィルムを形成することになるが、この工程も添加剤添加工程と見なすことができる。
<イミド化>
本発明では、上記のように、ポリアミド酸をイミド化してポリイミドフィルムを製造するようになっているが、このイミド化について、より具体的に説明する。イミド化の具体的な方法としては、(1)熱的に脱水閉環する熱的方法と、(2)脱水剤を用いる化学的方法との2種類を挙げることができる。これらのうち、化学的方法を用いた場合、得られるポリイミドフィルムにおいて、その伸び率や引張強度等の機械的特性が優れるため好ましい。また、化学的方法によるイミド化の方が、短時間でイミド化することができる等の利点もある。なお、イミド化については、熱的方法および化学的方法を併用することもできる。
上記熱的方法を用いたポリイミドフィルムの製造方法について説明する。まず、ポリアミド酸重合工程で得られたポリアミド酸溶液をスリット付き口金から支持体上に流延塗布し、フィルム状に成形する(流延塗布工程)。このとき用いられる支持体としては特に限定されるものではないが、ドラムやエンドレスベルト等を挙げることができる。その後、支持体上で、200℃以下の加熱温度で、1〜20分間加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムを形成する(ゲルフィルム形成工程)。得られたゲルフィルムを支持体から引き剥がし、その両端部を固定する。その後、テンター炉内で100℃から600℃のまで徐々にもしくは段階的に加熱・乾燥することによりイミド化を進行させる(加熱乾燥工程)。イミド化が完了すれば、徐々に冷却し、両端部の固定を取り外して最終的にポリイミドフィルムを得る。
次に、上記化学的方法を用いたポリイミドフィルムの製造方法について説明する。まず、ポリアミド酸重合工程で得られたポリアミド酸溶液に、化学量論以上の脱水剤および触媒を加えた混合溶液を調製する(添加剤添加工程)。この混合溶液をスリット付き口金から支持体上に流延塗布し、フィルム状に成形する(流延塗布工程)。その後、支持体上で、200℃以下の加熱温度で、1〜20分間加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムを形成する(ゲルフィルム形成工程)。得られたゲルフィルムを支持体から引き剥がし、その両端部を固定する。その後、100℃から600℃まで徐々にもしくは段階的に加熱・乾燥することによりイミド化を進行させる(加熱乾燥工程)。イミド化が完了すれば、徐々に冷却し、両端部の固定を取り外して最終的にポリイミドフィルムを得る。
<ゲルフィルム>
ここで、上記製造方法において、ポリイミドフィルムの前駆体として得られるゲルフィルムとは、自己支持性を有する程度に一部イミド化したポリアミド酸フィルムのことを指し、フィルム本体中に多量の有機溶媒が残存した状態となっている。当該ゲルフィルム中の有機溶媒の残存量(残存溶媒量WM )は次に示す計算式(iv)により算出される。なお、式(iv)では、ゲルフィルムの重量をWG とし、ゲルフィルムを完全に乾燥させたときの重量をWD とする。また、ゲルフィルムを完全に乾燥させたときの重量とは、450℃で20分乾燥させた後の乾燥固形分重量を意味する。
M ={(WG −WD )/WD }×100 …(iv)
ゲルフィルムにおける上記残存溶媒量WM は20%以上300%以下となっていることが好ましく、25%以上200%以下となっていることが好ましい。溶媒残存量WM がこの範囲内であれば、ポリイミドフィルムの製造を安定させることができるため好ましい。
上記ゲルフィルムのサイズは特に限定されるものではなく、ポリイミドフィルムの用途等に応じて適切な大きさとすればよい。例えば、後述する実施例・比較例では、10cm×10cmの大きさのサンプルとして用いている。
<化学的手法の条件>
上記化学的手法の条件は特に限定されるものではなく、アミド基を脱水閉環できるように公知の条件で公知の脱水剤等を用いることができる。具体的には、まず、脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。また、触媒としては、例えば、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類等が挙げられるが特に限定されるものではない。
化学的手法において、ポリアミド酸に対する脱水剤および触媒の使用量は、ポリアミド酸を構成する構造式に依存し、特に限定されるものではないが、一般的には、モル比で次のような範囲内を挙げることができる。すなわち、脱水剤については、脱水剤の量(モル)/ポリアミド酸中アミド基(モル)=10〜0.01の範囲内が好ましく、5〜0.5の範囲内がより好ましい。また、触媒については、触媒(モル)/ポリアミド酸中アミド基(モル)=10〜0.01の範囲内が好ましく、5〜0.5の範囲内がより好ましい。なお、この場合には、アセチルアセトン等の反応遅延剤を併用してもよい。
また、ポリアミド酸に対する脱水剤および触媒の使用量は、上記の範囲以外にも、0℃にてポリアミド酸と脱水剤および触媒の混合物とが混合されてから粘度上昇が始まるまでの時間(ポットライフ)で規定してもよい。一般的には、ポットライフが0.1分〜60分の範囲内であればよく、0.5分〜20分の範囲内がより好ましい。
上記脱水剤および触媒をポリアミド酸溶液と添加して混合する前には、ポリイミド酸の製造方法にて説明した異物除去工程と同様の工程を行ってもよい。上記と同様に、異物除去工程を行うことにより、ポリイミドフィルムの品質を向上させることが可能となる。
異物除去工程で行われる具体的な手法は特に限定されるものではなく、前記と同様に、フィルター等を用いる手法を挙げることができる。このとき用いられるフィルターの目開きは、最終的に得られるポリイミドフィルムの厚みに応じて適宜設定すればよい。具体的には、目開きの大きさがフィルム厚みの1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがより好ましく、1/10以下であることがさらに好ましい。
(III)本発明の利用
本発明の用途(利用方法)は特に限定されるものではないが、前述したように、フレキシブルプリント配線板(FPC)、TABテープ、高密度記録媒体用ベースフィルム等のエレクトロニクス分野に好適に用いることができる。さらに、表面に接着剤を塗布した耐熱性の接着テープ、電線被覆用の絶縁テープ等にも用いることができる。すなわち、本発明には、上記ポリアミド酸やポリイミドフィルムを用いたFPCの絶縁基板、TAB用テープ、高密度記録媒体用ベースフィルム、耐熱性接着テープ、絶縁テープやその製造に用いられ、上記ポリイミドフィルムからなる層を含む積層体等を挙げることができる。
本発明にかかる積層体は、上記ポリイミドフィルムを含む多層構造を有しているものであれば特に限定されるものではない。特に、金属層を積層した積層体を挙げることができる。このときの金属の積層方法は特に限定されるものではなく、めっきや真空蒸着法、ラミネート法等によりポリイミドフィルムの表面に直接積層してもよいし、接着剤を介して積層してもよい。
したがって、本発明にかかる積層体としては、ポリイミドフィルム/金属層からなる2層構造の積層体や、ポリイミドフィルム/接着剤層/金属層からなる3層構造の積層体、金属層/ポリイミドフィルム/金属層からなる3層構造の積層体、金属層/接着剤層/ポリイミドフィルム/接着剤層/金属層からなる5層構造の積層体等を挙げることができる。さらに、上記積層体同士を接着剤で重ね合わせた高密度実装基板等も挙げることができる。
なお、積層される金属層や接着剤層の材質は特に限定されるものではなく、例えば、FPCに用いる場合には、パターン配線となる銅箔等の金属箔を挙げることができる。もちろん、本発明にかかる積層体には、上記以外の他の層が含まれていてもよいことは言うまでもない。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例・比較例における物性等の測定・評価は次に示すようにして行った。
〔化合物名〕
以下の実施例および比較例においては、下記の化合物については略号で記載した。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
TMHQ:p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
p−PDA:パラフェニレンジアミン
DMF:N,N’−ジメチルフォルムアミド
DMAc:N,N’−ジメチルアセトアミド
AA:無水酢酸
IQ:イソキノリン
〔PMDAの酸純度、PMMAの含有率〕
以下の実施例および比較例では、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物としてPMDAを用いたが、このPDMAの酸純度と、当該PDMAに含有される芳香族テトラカルボン酸モノ無水物(PMMA)の含有率とは、1H−NMRの測定値から算出した。1H−NMRの測定には、日本電子製、商品名:JNM−EX270(270MHz)を用いた。PMDA0.002gをアセトン−d6(純度99.8%以上)0.6mlに溶解し、1H−NMRにて分析を行い、ピーク面積を算出した。このピーク面積とPMDA等の分子量とから、前記式(i)により芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を算出するとともに、さらに前記式(ii)・(iii)により酸純度を算出した。
〔ODAおよびp−PDAの純度〕
ODAおよびp−PDAの純度は、酸滴定純度管理法を用いて測定した。具体的には、3gのODAまたはp-PDAを1Lの氷酢酸に溶解し、得られた溶液について0.1モル/l(0.1N)の過塩素酸溶液を用いて終点まで滴定を行い、その滴定量から純度を求めた。ODA・p−PDAの何れも純度99.0%以上のものを用いた。
〔PCT保持率〕
実施例または比較例で得られたポリイミドフィルムから、横35mm×縦70mmの試験片を2片切り出し、一方の試験片については、ASTM D1938に準拠して引裂き伝播抵抗値測定した。 他方の試験片については、温度150℃、湿度100%Rh、4気圧の環境試験機にて12時間耐環境試験(プレッシャークッカー試験、以下、PCT試験と略す)を行い、ASTM D1938に準拠して引裂き伝播抵抗を測定した。これらPCT試験前後の引裂き伝播抵抗値をそれぞれRpreおよびRpostとして、次の計算式(v)よりPCT保持率MR(%)を算出した。
PCT保持率MR(%)=(Rpost/Rpre)×100 …(v)
〔接着強度の測定1〕
実施例1〜5、7または8あるいは比較例1〜4、6または7で得られたポリイミドフィルムに、ナイロン・エポキシ系接着剤を用いて電解銅箔(三井金属鉱業社製、商品名3ECVLP、厚み35μm)を貼り合わせた。これによって得られた銅箔/接着剤/ポリイミドフィルムの3層銅張積層板について、銅箔接着直後と、PCT処理後(121℃、100%RHの環境に96時間曝露した後)とでピール強度を測定した。ピール強度は、JIS C−6481に従って、銅配線のパターン幅1mmで90°方向に同配線を引き剥がす方法で測定した。
上記銅箔接着直後のピール強度をPpreとし、PCT処理後のピール強度をPpostとして、次の計算式(v)により環境試験後の接着強度保持率MP(%)を算出した。
接着強度保持率MP(%)=(Ppost/Ppre)×100 …(v)
〔接着強度の測定2〕
一方、実施例6または比較例5で得られたポリイミドフィルムについては、当該ポリイミドフィルムの表面に、表面プラズマ処理を行った。この表面プラズマ処理は、Ar:He:N2 =8:2:0.2(体積比率)の割合で混合したガス気流中で出力280W/m2 でプラズマ放電を行う条件とした。この表面プラズマ処理以外は、上記〔接着強度の測定1〕と同様にして環境試験後の接着強度保持率(%)を算出した。
〔実施例1〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が99.5重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 0.10重量%のPMDAを用いた。
<ポリアミド酸溶液の製造>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコにDMFおよびODA0.1当量をとり、ODAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、当該セパラブルフラスコ内のODAのDMF溶液に、粉末のPMDA0.097当量を徐々に加えて20分間攪拌した。その後、さらに、DMFに溶解したPMDA0.003当量を徐々に加えて30分間攪拌して反応させることによりポリアミド酸溶液を得た。なお、DMFに投入するジアミン成分および酸二無水物成分のモノマー量は、仕込み濃度が15重量%になるようにした。
<ポリイミドフィルムの製造>
得られたポリアミド酸溶液に対して、当該ポリアミド酸溶液100g当り、AA10g、IQ5gを混合し、得られた混合液をアルミ板(支持体)上に流延塗布して、100℃にて5分間乾燥させた。その後、得られたポリアミド酸塗膜をアルミ板より剥がし、当該ポリアミド酸塗膜を支持枠に固定して、100℃にて2分間、350℃にて20秒間、450℃にて20秒間、500℃で20秒間の順で加熱し、脱水閉環および乾燥を行った。これにより、厚み25μmのポリイミドフィルムを得た。
<物性の測定・算出>
得られたポリイミドフィルムについて、上記のようにして、PCT保持率MR 、銅箔接着直後のピール強度Ppre、および接着強度保持率MP (接着強度の測定1に従う)を測定または算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率MR ・MP と高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例2〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が99.4重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 0.20重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例3〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が99.1重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 0.40重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例4〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が99.0重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 0.73重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例5〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が98.5重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 0.60重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例6〕
表1に示すように、実施例5と同じ酸純度、および、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を有するPMDAを用いた。
<ポリアミド酸溶液の製造>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコにDMFおよびODA0.1当量およびPDA0.1当量をとり、ODA、PDAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、当該セパラブルフラスコ内のODAおよびPDAのDMF溶液に、粉末のTMHQ0.10当量およびPMDA0.097当量を徐々に加えて20分間攪拌した。その後、さらに、DMFに溶解したPMDA0.003当量を徐々に加えて30分間攪拌して反応させることによりポリアミド酸溶液を得た。なお、DMFに投入するジアミン成分および酸二無水物成分のモノマー量は、仕込み濃度が15重量%になるようにした。
<ポリイミドフィルムの製造、物性の測定・算出>
得られたポリアミド酸を用いて実施例5と同様にしてポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。ただし、接着強度保持率MP については、接着強度の測定2に従った。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例7〕
ポリアミド酸溶液の製造において、粉末のTMHQ0.10当量に代えて粉末のBPDA0.10当量を添加した以外は、実施例6と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。ただし、接着強度保持率MP については、実施例1〜5と同様に、接着強度の測定1に従った。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例8〕
ポリアミド酸溶液の製造において、粉末のTMHQ0.10当量に代えて粉末のBTDA0.10当量を添加した以外は、実施例6と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。ただし、接着強度保持率MP については、実施例1〜5および7と同様に、接着強度の測定1に従った。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔実施例9〕
ポリアミド酸溶液の製造において、粉末のTMHQを0.12当量、およびPMDAを0.077当量添加した以外は、実施例6と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。ただし、接着強度保持率MP については、実施例6と同様に、接着強度の測定2に従った。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例1〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が98.2重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 1.30重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1〜5と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例2〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が97.2重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 1.50重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1〜5と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例3〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が96.2重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 2.50重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1〜5と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例4〕
表1に示すように、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として酸純度が97.2重量%、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD 2.30重量%のPMDAを用いた以外は、実施例1〜5と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例5〕
表1に示すように、比較例1と同じ酸純度、および、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を有するPMDAを用いた以外は、実施例6と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例6〕
表1に示すように、比較例1と同じ酸純度、および、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を有するPMDAを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例7〕
表1に示すように、比較例1と同じ酸純度、および、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を有するPMDAを用いた以外は、実施例8と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
〔比較例8〕
表1に示すように、比較例1と同じ酸純度、および、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を有するPMDAを用いるとともに、ポリアミド酸溶液の製造において、粉末のTMHQを0.14当量、およびPMDAを0.057当量添加した以外は、実施例6と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドフィルムを製造し、その物性を測定および算出した。ただし、接着強度保持率MP については、実施例6と同様に、接着強度の測定2に従った。その結果を表1に示すとともに、環境試験後の上記各保持率と酸純度との関係を図1に、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を図2に示す。
Figure 2005307091
表1および図1・図2の結果から明らかなように、本発明にかかるポリアミド酸から製造された本発明にかかるポリイミドフィルムでは、PCT保持率は全て60%以上を保持していることがわかる(図1・図2中、楕円で囲んだプロット)。FPC、TAB用テープ基板または高密度記録媒体用ベースフィルム等の用途に好適なポリイミドフィルムにおいては、そのPCT保持率は50〜100%の範囲内であればよく、60〜100%の範囲内が好ましい。それゆえ、本発明にかかるポリアミド酸およびポリイミドフィルムは、FPC、TAB用テープ基板または高密度記録媒体用ベースフィルム等のエレクトロニクス分野に好適に用いることができる。
同じく、表1および図1・図2の結果から明らかなように、本発明にかかるポリアミド酸から製造された本発明にかかるポリイミドフィルムでは、接着強度(ピール強度)および接着強度保持率の何れも十分に高い値を実現することができており(図1・図2中、楕円で囲んだプロット)、接着性の低下という問題の発生を有効に回避または抑制することが可能であることがわかる。
一方、比較例のポリイミドフィルムは、PCT保持率は全て50%以下となっており、エレクトロニクス分野に用いることは好ましくないことがわかる。さらに、比較例のポリイミドフィルムは、接着強度および接着強度保持率も低く、接着性の低下という問題が生じていることがわかる。
また、上記実施例・比較例の結果から、ポリアミド酸の製造に用いる酸二無水物成分に、50モル%以上のPMDAが含まれている場合には、得られるポリイミドフィルムの物性に大きく影響することがわかった。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明にかかるポリアミド酸およびポリイミドフィルムは、優れた諸物性を実現することができるため、本発明は、例えば、FPCやTAB用テープの製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、ポリアミド酸やポリイミドフィルムの製造といった化学・樹脂産業や素材加工産業だけでなく、FPCやTAB用テープ等の各種電子部品の産業分野や、広くエレクトロニクス分野にも好適に用いることができる。
本発明の実施例および比較例において、環境試験後のPCT保持率または接着強度保持率と、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の酸純度との関係を示すプロット図である。 本発明の実施例および比較例において、環境試験後のPCT保持率および接着強度保持率と、高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物に含有される芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率との関係を示すプロット図である。

Claims (12)

  1. 芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分と芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを重合して得られるポリアミド酸であって、
    上記酸二無水物成分には、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が含まれているとともに、
    全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量が40モル%以上となっていることを特徴とするポリアミド酸。
  2. 上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物が、1H−NMRスペクトルのピークが1本のみ観測されるものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド酸。
  3. 上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物として、次に示す一般式(1)
    Figure 2005307091
    (ただし、式中、R1は、次に示す群(3)
    Figure 2005307091
    から選択される4価の芳香族残基を示す。)
    で表される構造の化合物が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド酸。
  4. 上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物について 1H−NMRにて分析したときに、芳香族テトラカルボン酸二無水物のピーク面積の積分値をIT とし、当該芳香族テトラカルボン酸二無水物の分子量をMT とするとともに、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物のピーク面積の積分値をID とし、当該芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の分子量をMD とし、さらに、芳香族テトラカルボン酸のピーク面積の積分値をIN とし、当該芳香族テトラカルボン酸の分子量をMN とし、
    さらに、上記芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率CD を次に示す式(i)
    D =(ID×MD)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(i)
    で算出するとともに、上記芳香族テトラカルボン酸の含有率CN を次に示す式(ii)
    N =(IN×MN)/{(ID×MD)+(IN×MN)+(IT×MT)}×100…(ii)
    で算出したときに、上記酸純度Nが、次の式(iii)
    N=100−(CD+CN)…(iii)
    により算出されることを特徴とする請求項1、2または3に記載のポリアミド酸。
  5. 上記ジアミン成分に含まれる芳香族ジアミンとして、次に示す一般式(2)
    Figure 2005307091
    (ただし、式中、R2は、次に示す群(4)
    Figure 2005307091
    (ただし、上記群中、R3で示される基は、CH3−、Cl−、Br−、F−、およびCH3O−からなる群より選択される何れかの基である。)から選択される2価の芳香族残基である。)
    で表される構造の化合物が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド酸。
  6. 平均分子量が、GPCのポリエチレングリコール換算で10000以上となっていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のポリアミド酸。
  7. 有機溶媒に溶解したポリアミド酸溶液となっていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載のポリアミド酸。
  8. ポリアミド酸溶媒中のポリアミド酸の濃度が5〜40重量%の範囲内となっていることを特徴とする請求項7に記載のポリアミド酸。
  9. 芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分と芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを重合するポリアミド酸の製造方法であって、
    上記酸二無水物成分として、酸純度が98.5重量%以上であり、かつ、芳香族テトラカルボン酸モノ無水物の含有率が1.00重量%以下である高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも用いるとともに、
    全ての酸二無水物成分を100モル%とした場合に、上記高純度芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量を40モル%以上とすることを特徴とするポリアミド酸の製造方法。
  10. 請求項1ないし8の何れか1項に記載のポリアミド酸をイミド化して得られることを特徴とするポリイミドフィルム。
  11. フレキシブルプリント配線板の絶縁基板、TAB用テープ、高密度記録媒体用ベースフィルムの少なくとも何れかに用いられることを特徴とする請求項10に記載のポリイミドフィルム。
  12. 請求項10または11に記載のポリイミドフィルムを含む積層体。
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