JP4901170B2 - 熱融着性ポリイミドフィルム及び該熱融着性ポリイミドフィルムを用いた金属積層板 - Google Patents

熱融着性ポリイミドフィルム及び該熱融着性ポリイミドフィルムを用いた金属積層板 Download PDF

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Description

本発明は、熱融着性を有するポリイミドフィルム及びその熱融着性ポリイミドフィルムに金属を積層した金属積層板に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性等の諸物性がさらに求められ、半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線板にも、より高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになってきた。
フレキシブルプリント配線板(以下FPCと呼ぶ)に関しては、細線加工、多層形成等が行われるようになり、FPCに直接部品を搭載する部品実装用FPC、両面に回路を形成した両面FPC、複数のFPCを積層して層間を配線でつないだ多層FPCなどが出現してきた。
一般にFPCは柔軟で薄いベースフィルム上に回路パターンを形成し、その表面にカバー層を施した構成をしており、上述のようなFPCを得るためにはその材料として用いられる絶縁接着剤や絶縁有機フィルムの高性能化が必要となっている。具体的には、高い耐熱性、機械強度を有し、加工性、接着性、低吸湿性、電気特性、寸法安定性に優れることである。
現在のところFPCの絶縁有機フィルムには、諸特性に優れるポリイミド樹脂からなるフィルムが広く用いられている。特に、FPCとしてはポリアミド酸溶液を直接に銅箔表面に積層してなるキャスト2層CCL(Copper Clud Laminated)材料や、ポリイミドフィルム表面に耐熱性接着剤を塗布して金属箔とラミネートして作製するラミネート2層CCL材料、金属をポリイミドフィルム表面に直接に蒸着方法やスパッタリング方法で積層した後に電解メッキもしくは無電解メッキを施すPVD2層CCL、さらには、エポキシ系やアクリル系の接着材を介してポリイミドフィルムと金属箔を積層する3層CCLが一般には用いられる。
一方で、ポリイミドフィルム材料単層で熱融着性を有するフィルムを用いればフィルム膜厚を薄く出来き、加工性を向上させることができるので単層で熱融着性を有するポリイミドフィルムが望まれている。
例えばこれまでにも提案されている熱融着性のポリイミド樹脂(熱可塑性樹脂)を単層のシートに加工して使用することも考えられるが、単層で熱融着性を有するポリイミドフィルムは弾性率が低くてフィルム自体に腰が無いため、使用が困難であり、しかも、熱融着性を付与するために屈曲性を有するジアミン化合物を混合しているために、熱膨張係数が大きくなる等の問題があった。
特開2002−114848
このように、従来知られている熱融着性ポリイミドフィルムは、所望の特性(低線膨張係数、高弾性率)が得られ無いことが問題であった。
そこで、本発明者らは、上記の問題点を解決し、従来、両立が困難であった種々の優れた特性を兼ね備えた熱融着性ポリイミドフィルムを製造する方法に関し、鋭意検討を行った結果、本発明を開発するに到ったのである。
本発明は以下の新規な構成により上記課題を解決しうる。
1)芳香族テトラカルボン酸化合物類および芳香族ジアミン化合物類を原料とする、単層で熱融着性を有する熱融着性ポリイミドフィルムであって、全芳香族テトラカルボン酸化合物類成分中に、一般式(1)で表されるビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類を90〜100モル%、一般式(2)で表されるピロメリット酸ニ無水物類を10〜0モル%の割合で含み、さらに、全芳香族ジアミン中に、一般式(3)で表されるパラフェニレンジアミン類を0〜25モル%、一般式(4)で表されるジアミノジフェニルエーテル類を100〜75モル%の割合で含有し、弾性率が5.0〜8.0GPaであることを特徴とする熱融着性ポリイミドフィルム。
Figure 0004901170
(式中のR1は、
Figure 0004901170
で表される2価の有機基からなる一般式群(1)から選択される基であり、式中のR2は同一または異なって、−H,−OH,−CH3, −CF3,−SO4,−COOH,−CO-NH2からなる群より選択される1つの基である。)
Figure 0004901170
(式中のRは同一または異なってH−,CH−、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される何れかの1つの基である)
Figure 0004901170
(式中のRは、
Figure 0004901170
で表される2価の芳香族基からなる群から選択される基であり、式中のR6は同一または異なってH−,CH3−、−OH、−CF3、−SO4、−COOH、−CO-NH2、Cl−、Br−、F−、及びCH3O−からなる群より選択される何れかの1つの基である)
Figure 0004901170
(式中のRは、
Figure 0004901170
で表される2価の有機基からなる群から選択される基であり、式中のR8は同一または異なって、H−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO−NH、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される1つの基である。)
2)前記熱融着性ポリイミドフィルムの軟化温度が230℃以上340℃以下であることを特徴とする1)に記載の熱融着性ポリイミドフィルム。
3)前記熱融着性ポリイミドフィルムにおいて、100℃から200℃の間の線膨張係数が15〜30×10−6cm/cm/℃であることを特徴とする1)又は2)に記載の熱融着性ポリイミドフィルム。
4)1)〜3)のいずれかに記載の熱融着性ポリイミドフィルムを用いて作製された少なくとも片面に金属を積層してなる金属積層板。
本発明で得られる熱融着性ポリイミドフィルムは低線膨張係数、高弾性率を実現し、さらに、金属との接着強度を充分に実現可能な範囲に制御することの出来る熱融着ポリイミドフィルムである。
本発明に係る熱融着性ポリイミドフィルムの要旨とするところは芳香族テトラカルボン酸化合物類および芳香族ジアミン化合物類を原料とするポリイミドフィルムであって、全芳香族テトラカルボン酸化合物類成分中に、一般式(1)で表されるビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類、一般式(2)で表されるピロメリット酸ニ無水物類を含み、さらに、全芳香族ジアミン中に、一般式(3)で表されるパラフェニレンジアミン類、一般式(4)で表されるジアミノジフェニルエーテル類を含有することを特徴とする熱融着性ポリイミドフィルムである。
ここでいうビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類とは、下記一般式(1)で表される2つの無水ジカルボン酸構造を含む構造を有している芳香族テトラカルボン酸化合物類である。
Figure 0004901170
(式中のR1は、
Figure 0004901170
で表される2価の有機基からなる一般式群(1)から選択される基であり、式中のRは同一または異なって、−H,−OH,−CH,−CF,−SO,−COOH,−CO−NHからなる群より選択される1つの基であればよい。)
ここでいうピロメリット酸ニ無水物類とは、下記一般式()で表される2つの無水ジカルボン酸構造を含む構造を有している芳香族テトラカルボン酸化合物類である。
Figure 0004901170
(式中のRは同一または異なってH−,CH−、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される何れかの1つの基であればよい)
前記ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類を好ましくは90〜100モル%、特には95〜100モル%の割合で使用することが好ましい。ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の使用割合が前記の割合よりも少なくなると金属との接着力が低下する傾向にある。
特に本発明に用いられる芳香族テトラカルボン酸化合物類としては、ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類としてp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)もしくは、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を選ぶのが低線膨張係数、高弾性率を発現する面から好ましい。
ピロメリット酸ニ無水物類は、0〜10モル%、特に好ましくは0〜5モル%の割合で用いられることが好ましい。ピロメリット酸ニ無水物類が上記の割合よりも多くなるとフィルムの金属との接着力が低下し、さらに、フィルムの吸湿・吸水性が高くなるので上記範囲が最も好ましい。ピロメリット酸ニ無水物類としてピロメリット酸ニ無水物を選ぶのが原料の入手性及び高耐熱性を有する熱融着性ポリイミドフィルムを製造する上で好ましい。
本発明で用いられる芳香族ジアミン化合物類としては、下記一般式()式で表される構造を有するパラフェニレンジアミン化合物類が上げられる。
Figure 0004901170
(式中のRは、
Figure 0004901170
で表される2価の芳香族基からなる群から選択される基であり、式中のR6は同一または異なってH−,CH3−、−OH、−CF3、−SO4、−COOH、−CO-NH2、Cl−、Br−、F−、及びCH3O−からなる群より選択される何れかの1つの基であればよい。
また、本発明では、下記一般式()式で表されるジアミノジフェニルエーテル類も用いられる。
Figure 0004901170
(式中のRは、
Figure 0004901170
で表される2価の有機基からなる群から選択される基であり、式中のRは同一または異なって、H−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO−NH、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される1つの基であればよい。
使用する芳香族ジアミン化合物類の割合としては、パラフェニレンジアミン類が、全芳香族ジアミン化合物類成分の0〜25モル%、特に好ましくは0〜20モル%であり、ジアミノジフェニルエーテル類が、全芳香族ジアミン化合物類成分の75〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%であることが好ましい。パラフェニレンジアミン類としては、パラフェニレンジアミンもしくは、m−フェニレンジアミンを用いることが好ましく、特に、低線膨張係数、高弾性率を発現させるにはパラフェニレンジアミンを用いることが望ましい。また、ジアミノジフェニルエーテル類としては、4,4’―ジアミノジフェニルエーテルもしくは、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが望ましい。
本発明者らは、上記記載の芳香族テトラカルボン酸ニ無水物類と芳香族ジアミン化合物類とを重合させてポリアミド酸を製造し、そのポリアミド酸より得られる熱融着性ポリイミドフィルム成型体を検討した結果、これまで両立することが困難であった、種々の特性を有する熱融着性ポリイミドフィルムを製造することが可能となった。
次に、熱融着性ポリイミドフィルムの作製方法について以下に記述する。ポリイミドは、有機溶媒中にて酸ニ無水物とジアミン類とをおおよそ等モル反応させポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を作成し、触媒及び脱水剤と混合した後、支持体上に流延塗布し、乾燥・加熱することで得られる。以下に詳細を記述する。
ポリアミド酸の重合に使用される有機溶媒としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略す)、N,N’−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いて良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
本発明のポリアミド酸の製造方法について記載する。ポリアミド酸の製造方法は下記方法に特定されるものではなく、種々の方法を用いることが可能である。その一例を以下に示す。
パラフェニレンジアミン類及びジアミノジフェニルエーテル類を溶解した有機溶媒中にビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類、ピロメリット酸ニ無水物類を作用して、1時間以上混合することでポリアミド酸溶液を得る。反応温度を制御するために、温度調製装置を備えた反応装置内で重合反応を行うことが好ましく、反応溶液内の温度は0℃以上60℃以下であることが好ましく、更に好ましくは15℃以上50℃以下であることがポリアミド酸とジアミンとの反応を速やかに反応させる上で好ましい。
ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸固形分の重量%は、有機溶媒中にポリアミド酸が5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは、13〜25wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。尚、ポリアミド酸の平均分子量は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で平均重量分子量値(Mw値)で10000以上200000以下である事がフィルム物性上好ましい。
また、上記ポリアミド酸溶液の粘度は、23℃に保温された水浴中で1時間保温し、その時の粘度をB型粘度計で、ローターはNo.7を回転数は4rpmで測定を行いその粘度が50Pa・s以上1000Pa・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは100Pa・s以上500Pa・s以下、最も好ましくは200Pa・s以上400Pa・s以下であることがフィルム成形体を作製する際に取扱い上で最も好ましい。
このポリアミド酸の製造には1つの反応装置で1段階で重合反応を行い、ポリアミド酸溶液を生成することが好ましく、1段階で重合反応を行うためには、重合反応におけるモノマー成分からの不溶解原料や混入異物を取り除く為に、反応容器に添加直前にモノマーを有機溶媒中に溶解してフィルター等にて混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させる。或いは直接に粉末を篩にかけて直接に混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させた後に重合反応を行うことが好ましい。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、更に好ましくは1/10が良い。なぜなら、不溶解原料や混入異物に起因する欠陥が熱融着性ポリイミドフィルム表面に存在すると熱融着性ポリイミドフィルム上への金属層形成工程においてフィルムと金属層の密着性が低下するからである。
さらに、他の方法として、重合反応を2段階で行う方法もある。この方法では1段階目にプレポリマーを呼ばれる低粘度のポリアミド酸を重合しその後、有機溶媒に酸ニ無水物を溶解させた有機溶媒を添加しつつ高粘度のポリアミド酸を得る方法がある。この1段階目から2段階目に移行する際にフィルター等にてプレポリマー中の不溶解原料や混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させる。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、更に好ましくは1/10が良い。なぜなら、不溶解原料や混入異物に起因する欠陥が熱融着性ポリイミドフィルム表面に存在すると熱融着性ポリイミドフィルム上への金属層形成工程においてフィルムと金属層の密着性が低下するからである。
このポリアミド酸溶液から本発明のポリイミド組成物を得るためには、脱水剤を用いる化学的方法を少なくとも一度は用いることが望ましく、化学的方法によると生成する熱融着性ポリイミドフィルムの伸び率や引張強度等の機械的特性が優れるので好ましい。また、化学的方法による方が、短時間でイミド化する事ができ、しかも、低線膨張係数、高弾性率のフィルムを得る上で有利ある。尚、熱的方法と化学的方法を併用することもできる。
(化学的イミド化方法)
ポリアミド酸の有機溶媒溶液から熱融着性ポリイミドフィルムを化学的方法を用いて製造する代表的な方法としては、上記ポリアミド酸の有機溶媒溶液に脱水剤と触媒を加えた混合溶液をスリット付き口金からドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に連続的に流延塗布してフィルムに成形し、支持体上で200度以下1〜20分間で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体よりフィルムを引き剥がす。次いで、フィルムの両端部を固定する。その後100度〜400度の間で融解せずしわの発生しない温度まで徐々にもしくは段階的に加熱することによりイミド化を進行させ、徐冷後、端部の固定を取り外し熱融着性ポリイミドフィルムを得る方法である。
尚、皺等が発生した場合には、フィルム固定端距離を炉内で徐々に広げる操作を行うことでフィルムに発生する皺を抑制することができる。
化学的閉環法に用いられる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、β−ピコリン、γ―ピコリン、ピリジン、イソキノリン、3,5−ルチジンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
脱水剤及び触媒をポリアミド酸有機溶媒溶液と混合する前にフィルター等にて不溶解原料や混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させる。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、更に好ましくは1/10が良い。なぜなら、不溶解原料や混入異物に起因する欠陥が熱融着性ポリイミドフィルム表面に存在すると金属層形成工程においてフィルムと金属層の密着性が低下するからである。
ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の含有量は、ポリアミド酸を構成する構造式に依存するが、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましい。更に好ましくは、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.1が好ましい。なお、この場合には、アセチルアセトン等の反応遅延剤を併用しても良い。また、ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の含有量は、0℃にてポリアミド酸と脱水剤・触媒混合物とが混合されてから粘度上昇が始まるまでの時間(ポットライフ)で規定しても良い。一般にはポットライフが0.1分〜120分、さらに好ましくは0.5分〜60分が好ましい。
(異なる化学イミド化方法)
上記化学イミド化方法以外にも少なくとも一度化学イミド化を進める方法として、1)上記ポリアミド酸の有機溶媒溶液もしくは、ポリアミド酸の有機溶媒溶液に触媒を加えた有機溶剤溶液をスリット付き口金からドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に連続的に流延塗布してフィルムに成形し、支持体上で200度以下1〜20分間で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後に上記化学イミド化剤中に浸漬し少なくとも該溶液とゲルフィルム表面を接触させた後に加熱炉中で焼成する方法、2)化学イミド化反応で作製したゲルフィルムを一度化学イミド化剤が一部もしくは/または完全に除去されるまで溶剤もしくは水の中に浸漬した後に、加熱炉中で焼成する方法等が用いられている。
特に本願発明で好適に用いることの出来るイミド化反応は化学イミド化反応を必須として用いることが低線膨張係数、高弾性率を有し、しかも、熱融着性を有するポリイミドフィルムを得る上で望ましい。
また、このポリアミド酸有機溶媒溶液には必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、或いは、無機のフィラー類、金属微粉末類、或いは各種の強化剤を添加してもよい。特にフィルム同士のすべり性を向上させる目的で、燐酸水素カルシウム粒子、シリカ粒子、シリカコロイド粒子、ニ酸化チタン粒子、ニ酸化チタンコロイド粒子、硫酸バリウム粒子等の無機質フィラーを混合することが望ましい。
本願発明における「熱融着性」とは、ポリイミドフィルムを金属板中に積層して加熱・加圧圧着した際にフィルムが溶融して金属板との接着性を発現するポリイミドフィルムをいう。本願発明における熱融着性を有するポリイミドフィルムとは、軟化温度が230℃以上340℃以下であるポリイミドフィルムを指し、軟化温度とは、ポリイミドフィルムの動的粘弾性挙動を測定した際に貯蔵弾性率の保持率が30%以下になる温度のことをいう。貯蔵弾性率の保持率は公知効用の装置を用いて測定することが出来るが、本願発明においては、下記条件にて測定を行った。
測定装置:セイコー電子(株)製 DMS200
サンプル形状:9mm×40mm
測定モード:引張りモード
プロファイル:20℃〜400℃ 昇温3℃/分
周波数:5Hz
Lamp.(交流歪振幅目標値):20μm
Fbase(測定中のテンション最小値):0g
F0gain(測定中にテンションを交流力振幅に応じて変化させる場合の係数)
:3.0
上記設定で測定を実施した。測定した結果より温度Aでの貯蔵弾性率の保持率は下記算出式にて求めた。
貯蔵弾性率の保持率=(温度Aでの貯蔵弾性率)/(20℃での貯蔵弾性率)×100・・・(式1)
本発明における線膨張係数とは、セイコー電子製TMA装置(品番120C)を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分で100℃〜200℃の値である。
本発明における弾性率とは、島津製作所製引張り試験機(オートグラフ S−100−C)を使用し、ASTM−D882に準じで測定した時の値である。
熱融着性ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント基板用途、TAB用テープ基板あるいは高密度記録媒体用ベースフィルム等の電気・電子機器基板用途に用いる場合に好ましい熱融着性ポリイミドフィルムは、100℃〜200℃の線膨張係数は、20〜30×10-6cm/cm/℃であること好ましい。熱膨張係数が銅の熱膨張係数(16×10-6cm/cm/℃)と同等よりも大きい方が銅箔を積層した後のそり量が小さくなるので好ましい。弾性率は、好ましくは5.0〜8.0GPa、さらに好ましくは5.0〜7.0GPaであることが好ましい。上記範囲に熱融着性ポリイミドフィルムの物性値が無い場合には、例えば、弾性率が上記値よりも低い場合には、金属配線を形成したフレキシブル配線基板表面にIC、LSIを積層する際に、高温に加熱することで、接着時にフィルムがたるむ場合がある。また、線膨張係数が上記値よりも大きい場合には、金属配線間隔の広がりが大きくなり、接着不良が発生する。
更に、熱融着性ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント基板用途、TAB用テープ基板あるいは高密度記録媒体用ベースフィルム等に用いる場合には、接着剤を介して金属箔と貼り合わせても良いが、金属を直接にポリイミド表面に積層して形成することがより好ましい。
そして、フレキシブル配線基板に好適に用いられる、金属を直接積層した金属積層板における、金属と熱融着性ポリイミドフィルムとの接着強度は、以下のようにして測定されるピール強度で判断することができる。
本発明に係るフレキシブル金属張積層板は、上記熱融着性ポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせることにより得られる。使用する金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅若しくは銅合金、ステンレス鋼若しくはその合金、ニッケル若しくはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル金属張積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。なお、これらの金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着層が塗布されていてもよい。 本発明において、上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。熱融着性ポリイミドフィルムと金属箔の貼り合わせ方法としては、例えば、単板プレスによるバッチ処理、熱ロールラミネート或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理が挙げられるが、生産性、維持費も含めた設備コストの点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を使用した方法がより好ましい。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
上記熱ラミネートを実施する手段の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。保護材料としては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えるものであれば特に限定されず、非熱可塑性ポリイミドフィルム等の耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等を好適に用いることができる。中でも、耐熱性、リサイクル性等のバランスが優れる点から、非熱可塑性ポリイミドフィルムがより好ましく用いられる。 上記熱ラミネート手段における被積層材料の加熱方式は特に限定されるものではなく、例えば、熱循環方式、熱風加熱方式、誘導加熱方式等、所定の温度で加熱し得る従来公知の方式を採用した加熱手段を用いることができる。同様に、上記熱ラミネート手段における被積層材料の加圧方式も特に限定されるものではなく、例えば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等、所定の圧力を加えることができる従来公知の方式を採用した加圧手段を用いることができる。
上記熱ラミネート工程における加熱温度、すなわちラミネート温度は、熱融着ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)+50℃以上の温度であることが好ましく、熱融着ポリイミドフィルムのTg+100℃以上がより好ましい。Tg+50℃以上の温度であれば、熱融着ポリイミドフィルムと金属箔とを良好に熱ラミネートすることができる。またTg+100℃以上であれば、ラミネート速度を上昇させてその生産性をより向上させることができる。
上記熱ラミネート工程におけるラミネート速度は、0.5m/分以上であることが好ましく、1.0m/分以上であることがより好ましい。0.5m/分以上であれば十分な熱ラミネートが可能になり、1.0m/分以上であれば生産性をより一層向上することができる。 上記熱ラミネート工程における圧力、すなわちラミネート圧力は、高ければ高いほどラミネート温度を低く、かつラミネート速度を速くすることができる利点があるが、一般にラミネート圧力が高すぎると得られる積層板の寸法変化が悪化する傾向がある。また、逆にラミネート圧力が低すぎると得られる積層板の金属箔の接着強度が低くなる。そのためラミネート圧力は、49〜490N/cm(5〜50kgf/cm)の範囲内であることが好ましく、98〜294N/cm(10〜30kgf/cm)の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、ラミネート温度、ラミネート速度およびラミネート圧力の三条件を良好なものにすることができ、生産性をより一層向上することができる。
本発明にかかるフレキシブル金属張積層板を得るためには、連続的に被積層材料を加熱しながら圧着する熱ラミネート装置を用いることが好ましいが、この熱ラミネート装置では、熱ラミネート手段の前段に、被積層材料を繰り出す被積層材料繰出手段を設けてもよいし、熱ラミネート手段の後段に、被積層材料を巻き取る被積層材料巻取手段を設けてもよい。これらの手段を設けることで、上記熱ラミネート装置の生産性をより一層向上させることができる。上記被積層材料繰出手段および被積層材料巻取手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、ボンディングシートや金属箔、あるいは得られる積層板を巻き取ることのできる公知のロール状巻取機等を挙げることができる。
さらに、保護材料を巻き取ったり繰り出したりする保護材料巻取手段や保護材料繰出手段を設けると、より好ましい。これら保護材料巻取手段・保護材料繰出手段を備えていれば、熱ラミネート工程で、一度使用された保護材料を巻き取って繰り出し側に再度設置することで、保護材料を再使用することができる。また、保護材料を巻き取る際に、保護材料の両端部を揃えるために、端部位置検出手段および巻取位置修正手段を設けてもよい。これによって、精度よく保護材料の端部を揃えて巻き取ることができるので、再使用の効率を高めることができる。なお、これら保護材料巻取手段、保護材料繰出手段、端部位置検出手段および巻取位置修正手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種装置を用いることができる。
この金属積層板に形成した5mmの金属配線パターンを180度に剥離するピール強度で初期ピール強度を評価することでフレキシブル配線基板用途に適した熱融着性ポリイミドフィルムであるかを判断することができる。
金属積層板として用いる場合に必要とされるピール強度は金属パターン5mmで180度ピールで評価した場合に、耐環境試験を行う以前のピ−ル強度として、4N/cm以上、好ましくは5N/cm以上であることが好ましい。金属積層板の金属のピール強度が上記強度を満たさない場合には、例えば回路形成後にIC、LSIの実装を行った際にその接着応力により配線回路が剥離する、或いは、金属配線が剥離・短絡に伴いIC、LSI回路が故障する等の問題があった。更に、屈曲性のある部位に使用される場合には、上記接着強度を保持していないと剥離する場合がある。
本実施の形態にかかる熱融着性ポリイミドフィルムは上述のように金属積層板に加工することができる。それゆえ、本発明にかかる金属積層板としては、本実施の形態にかかる熱融着性ポリイミドフィルムを用いて作製されたものを挙げることができる。本発明の金属積層板は、特に、ラミネート法により金属を積層した金属積層板で顕著な効果を示すが、金属を蒸着やスパッタリングのように直接金属を形成した場合や、接着剤を介して金属箔と貼り合わせた金属積層板であってもよい。上記の金属積層板は、フレキシブル配線基板用途、COF用ベースフィルム、TABテープ、高密度記録媒体用ベースフィルム等の電気・電子機器用途に好適に用いることができる。
本発明の接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム系樹脂等を単独又は種々の混合割合で溶剤と共に混合し、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤等の添加剤を添加したものを用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、反応容器としてステンレス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミド酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
上記セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が18.5重量%になるように仕込み、これに、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)75モル%と、パラフェニレンジアミン(p−PDA)25モル%とを加え、20℃で攪拌することで、ODA及びp−PDAをDMFに完全に溶解させてジアミン溶液を調製した。
上記ジアミン溶液に、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TMHQ)99.5モル%を徐々に添加・攪拌して、TMHQをジアミン溶液中に十分に分散させた。分散状態にあるTMHQが重合用溶媒DMF中に完全溶解するまで攪拌溶解を行った。
次いで、PMDA0.5モル%を徐々に添加し完全溶解するまで攪拌溶解を行い、ポリアミド酸溶液を得た。完全溶解後、攪拌装置で40分攪拌してポリアミド酸溶液を得た。
(熱融着性ポリイミドフィルムの製造)
得られた重合ワニスにポリアミド酸のモル数に対して2倍量の無水酢酸(AA)、及び等量のイソキノリン(IQ)と混合し、混合液をアルミ板上に流延塗布して、100℃にて5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をアルミ板より剥がし、その塗膜を支持枠に固定して、その後、200℃にて20秒間、300℃にて20秒間、更に400℃で20秒間加熱し、脱水閉環乾燥して、25μmの熱融着性ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの特性の評価を行い表1にその結果を記載した。
尚、熱融着性ポリイミドフィルムの各物性値評価方法は以下の方法で評価した。
(評価方法)
〔線膨張係数〕
セイコー電子製TMA装置(品番120C)を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分で100℃〜200℃の値を測定した。
〔弾性率〕
島津製作所製引張り試験機(オートグラフ S−100−C)を使用し、ASTM−D882に準じで測定した。
[金属積層板のピ−ル強度測定]
得られた熱融着性ポリイミドフィルムに18μmの圧延銅箔(BHY−22B−T;ジャパンエナジー製)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;株式会社カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度300℃、ラミネート圧力196N/cm(20kgf/cm)、ラミネート速度1.5m/分の条件で熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル金属張積層板を作製した。
このフレキシブル金属積層板の金属のピ−ル強度をJIS C−6471に従って金属パターン5mmを180度ピールで評価した。
(実施例2〜4)
前記実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示す割合でそれぞれポリアミド酸溶液を得た後、実施例1と同じ操作で得られた熱融着性ポリイミドフィルムの各物性評価およびフレキシブル金属積層板のピール評価を行い、表1にその結果を示した。
(比較例1)
セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が18.5重量%になるように仕込み、これに、ODA50モル%と、p−PDA50モル%とを加え、20℃で攪拌することで、ODA及びp−PDAをDMFに完全に溶解させてジアミン溶液を調製した。
上記ジアミン溶液に、TMHQを99.5モル%を徐々に添加・攪拌して、TMHQをジアミン溶液中に十分に分散させた。分散状態にあるTMHQが重合用溶媒DMF中に完全溶解するまで攪拌溶解を行った。
次いで、TMHQ0.5モル%を徐々に添加し完全溶解するまで攪拌溶解を行い、ポリアミド酸溶液を得た。完全溶解後、攪拌装置で40分攪拌してポリアミド酸溶液を得た。
(熱融着性ポリイミドフィルムの製造)
得られた重合ワニスにポリアミド酸のモル数に対して2倍量の無水酢酸(AA)、及び等量のイソキノリン(IQ)と混合し、混合液をアルミ板上に流延塗布して、100℃にて5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をアルミ板より剥がし、その塗膜を支持枠に固定して、その後、200℃にて20秒間、300℃にて20秒間、更に400℃で20秒間加熱し、脱水閉環乾燥して、25μmの熱融着性ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの特性の評価を行い表1にその結果を記載した。
尚、熱融着性ポリイミドフィルムの各物性値評価は実施例1記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
比較例1記載の熱融着性ポリイミドフィルムは、フィルムの接着強度が低く、金属積層板用途に用いるには問題がある。
Figure 0004901170
本発明で得られる熱融着性ポリイミドフィルムは低線膨張係数、高弾性率を実現し、さらに、金属との接着強度を充分に実現可能な範囲に制御することの出来る熱融着ポリイミドフィルムであり、電子材料用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. 芳香族テトラカルボン酸化合物類および芳香族ジアミン化合物類を原料とする、単層で熱融着性を有する熱融着性ポリイミドフィルムであって、
    全芳香族テトラカルボン酸化合物類成分中に、一般式(1)で表されるビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)類を90〜100モル%、一般式(2)で表されるピロメリット酸ニ無水物類を10〜0モル%の割合で含み、さらに、全芳香族ジアミン中に、一般式(3)で表されるパラフェニレンジアミン類を0〜25モル%、一般式(4)で表されるジアミノジフェニルエーテル類を100〜75モル%の割合で含有し、弾性率が5.0〜8.0GPaであることを特徴とする熱融着性ポリイミドフィルム。
    Figure 0004901170
    (式中のRは、
    Figure 0004901170
    で表される2価の有機基からなる一般式群(1)から選択される基であり、式中のRは同一または異なって、−H,−OH,−CH,−CF,−SO,−COOH,−CO−NHからなる群より選択される1つの基である。)
    Figure 0004901170
    (式中のRは同一または異なってH−,CH−、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される何れかの1つの基である)
    Figure 0004901170
    (式中のRは、
    Figure 0004901170
    で表される2価の芳香族基からなる群から選択される基であり、式中のRは同一または異なってH−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO−NH、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される何れかの1つの基である)
    Figure 0004901170
    (式中のRは、
    Figure 0004901170
    で表される2価の有機基からなる群から選択される基であり、式中のRは同一または異なって、H−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO−NH、Cl−、Br−、F−、及びCHO−からなる群より選択される1つの基である。)
  2. 前記熱融着性ポリイミドフィルムの軟化温度が230℃以上340℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱融着性ポリイミドフィルム。
  3. 前記熱融着性ポリイミドフィルムにおいて、100℃から200℃の間の線膨張係数が20〜30×10−6cm/cm/℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱融着性ポリイミドフィルム。
  4. 前記熱融着性ポリイミドフィルムの製造方法において、少なくとも一度、化学イミド化を施して製造した請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱融着性ポリイミドフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱融着性ポリイミドフィルムを用いて作製された少なくとも片面に金属を積層してなる金属積層板。
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