JP5839405B2 - タンディッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、分配室に、溶鋼を鋳型に装入する注入口を複数設けた多ストランドのタンディッシュに関する。
従来より、連続鋳造設備では、転炉や二次精錬設備等から出鋼された溶鋼を取鍋によってタンディッシュまで搬送し、搬送された取鍋内の溶鋼をタンディッシュへ注入後、このタンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給することで、溶鋼を連続的に鋳造している。
このようなタンディッシュとして、特許文献1に開示されているものがある。
特許文献1は、取鍋から装入された溶鋼を連続的に鋳造する連続鋳造設備に具備されたT型タンディッシュにおいて、取鍋からの溶鋼が装入される注入室と、この注入室の溶鋼を鋳型に装入する分配室と、注入室と分配室とを仕切る仕切堰と、仕切堰に設けられて注入室の溶鋼を分配室に流す湯道とを有している。また、特許文献1のタンディッシュ以外に、タンディッシュとしては、特許文献2〜8のものがある。
特開2012−187596号公報 特許第3336962号公報 特開平6−142855号公報 実開平4−12352号公報 実公平4−34998号公報 実開平6−86849号公報 特許第3581587号公報 特開2010−167457号公報
特許文献1のT型タンディッシュは、分配室に4つの注入口(第1番目の注入口〜第4番目の注入口)が設けられたものとなっており、第1番目の注入口〜第4番目の注入口が左側から順に配設されている。ここで、第1番目の注入口から注入された溶鋼は1ストランドの鋳片となり、以降同様で、第4番目の注入口から注入された溶鋼は4ストランドの鋳片となる。そこで、第1番目の注入口〜第4番目の注入口を、同義的に第1ストランド〜第4ストランドと呼ぶこともある。
さて、特許文献1のタンディッシュにおいては、注入室の溶鋼は、仕切堰の孔(湯道)を通って分配室の中央部、即ち、第2ストランドと第3ストランドとの間の領域に吐出される。吐出した溶鋼は、タンディッシュの前壁に衝突した後、左右に分岐して第2ストランドと第3ストランドとに向かって流れる。一部の溶鋼流は第2ストランドと第3ストランドに流れ出て、残りの溶鋼は第1ストランドと第4ストランドに流れる。このように、溶鋼が移動する過程において、放熱および耐火物への伝導により、溶鋼は時間と共に徐々に温度が低下するため、第2ストランド及び第3ストランドよりも第1ストランド及び第4ストランドへの注入温度の方が低くなる。例えば、特許文献2にも記載されているように、溶鋼の温度差は5℃を超えてしまう。
溶鋼温度が凝固温度に近づくとノズル閉塞を生じ操業ができなくなる可能性があるため、温度が低くなる第1ストランドと第4ストランドの溶鋼温度に合せて、溶鋼の注入前に溶鋼温度を予め高めにしておく必要がある。例えば、転炉あるいは電気炉あるいは溶鋼処理工程での出鋼温度を高めなければならないことになる。出鋼温度の僅かな昇温は耐火物損耗に大きく影響し、消費電力も増大するので生産コストが高くなる。一方、ストランドへの溶鋼温度が高すぎると、鋳片品質に悪影響を与える。第2ストランドと第3ストランドは目標温度よりも5℃高いものとせざるを得ず、鋳片の品質が低下する場合がある。
以上のように、タンディッシュの中央部側に位置するストランドと、タンディッシュの
中央部から遠い側に位置するストランドとの間で、大きな温度差(大きな温度低下)がある場合は、上述したような問題が生じてしまうことになる。
そこで、ストランド間での溶鋼温度差を少なくするため、タンディッシュの形状を、特許文献3の図3のようにしたり、特許文献4の図1のようにしたり、特許文献5の図2のようにして、注入室に注入した溶鋼が出来るだけ均等に各ストランドに到達するようにすることが考えられるものの、ストランド数が4つ以上になると、タンディッシュがあまりにも大きくなり、実際に操業を行うことが困難になる可能性がある。また、タンディッシュが大きすぎると、溶鋼のタンディッシュ内に滞留する滞留時間が非常に長くなり、各ストランド間での溶鋼温度差が少なくできても、溶鋼自体の温度低下が著しく低下し、鋳片の品質低下等を招く可能性がある。即ち、特許文献1〜5のタンディッシュを用いても、鋳片の品質を維持しつつ、ストランド間での溶鋼温度差、即ち、溶鋼温度のバラツキを十分に小さくすることができないのが実情である。なお、特許文献1〜5の他に、特許文献6〜8のタンディッシュがあるが、これらを用いても、同様に鋳片の品質を維持しつつストランド間での溶鋼温度のバラツキを十分に小さくすることができないのが実情である。
そこで、本発明では、コンパクトでありながら多ストランドに適用でき、且つ、鋳片の品質を維持しつつストランド間での溶鋼温度のバラツキを十分に小さくすることができるタンディッシュを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明のタンディッシュは、取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、前記分配室には、第1番目〜第6番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第2番目の注入口と第3番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第4番目の注入口と第5番目の注入口の間に向けて配置し、前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とする。
また、本発明の他のタンディッシュは、取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、前記分配室には、第1番目〜第5番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第2番目の注入口と第3番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第3番目の注入口と第4番目の注入口の間に向けて配置し、前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とする。
さらに、本発明の他のタンディッシュは、取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、前記分配室には、第1番目〜第4番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第1番目の注入口と第2番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第3番目の注入口と第4番目の注入口の間に向けて配置し、前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とする。
記仕切堰を補強する補強部材を、前記分配室の幅方向中央部に設けていることが好ましい。
前記仕切堰であって前記一方の湯道と他方の湯道との間に、当該湯道とは別に流通孔を設けていることが好ましい。
本発明のタンディッシュによれば、コンパクトでありながら多ストランドに適用でき、且つ、鋳片の品質を維持しつつストランド間での溶鋼温度のバラツキを十分に小さくすることができる。
連続鋳造装置の概念図である。 本発明の6ストランドのタンディッシュの平面図である。 本発明の5ストランドのタンディッシュの平面図である。 本発明の4ストランドのタンディッシュの平面図である。 仕切堰が略V字状のタンディッシュに補強部材を設けた平面図である。 タンディッシュの仕切堰を直線状にした平面図である。 仕切堰が直線状のタンディッシュに補強部材を設けた平面図である。 従来の6ストランドのタンディッシュの平面図である。 本発明の6ストランドのタンディッシュにおける溶鋼温度の分布図である。 従来の6ストランドのタンディッシュにおける溶鋼温度の分布図である。 略V字状の仕切堰に1つの流通孔を設けたタンディッシュの平面図である。 略V字状の仕切堰に2つの流通孔を設けたタンディッシュの平面図である。 仕切堰が略V字状で且つ補強部材を設けたタンディッシュに流通孔を設けた平面図である。 直線状の仕切堰に1つの流通孔を設けたタンディッシュの平面図である。 第2側壁を直線状(注入室を略四角)にしたタンディッシュの平面図である。 第1後壁(後側の壁)を2段状に屈曲させたタンディッシュの平面図である。 第1後壁及び第2側壁(後側の壁)を円弧状にしたタンディッシュの平面図である。 仕切堰を完全にV字状にしたタンディッシュの平面図である。
本発明のタンディッシュについて図を基に説明する。
図1は、本発明のタンディッシュを備えた連続鋳造設備を示している。
図1に示すように、連続鋳造設備1は、溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュ2と、溶鋼を鋳造する鋳型3と、鋳型3から出た鋳片4を支えつつ移送する複数のサポートロール5とを有している。このような構成の連続鋳造設備1では、取鍋6により運ばれてきた溶鋼がタンディッシュ2に注がれ、注がれた溶鋼はタンディッシュ2に設けた浸漬ノズル7を介して鋳型3に注入される。鋳型3では注入された溶鋼が冷却され、その表面部が凝固した状態の鋳片4となって、サポートロール5に保持されながら鋳型3下部から引き抜かれて、下流側に搬送されるようになっている。
次に、タンディッシュの構成について、詳しく説明する。
説明の便宜上、図2に示すように、タンディッシュ2を平面視した状態において、図2の下側を前側といい、図2の上側を後側といい、その前後を奥行き方向という。図2の左右方向を幅方向という。なお、タンディッシュ2を平面視している場合は、他の図も同様とする。
図2に示すように、タンディッシュ2は、有底箱形に形成されたもので、タンディッシュ2は、取鍋6からの溶鋼が注入される注入室10と、溶鋼を鋳型3に装入する分配室11と、注入室10と分配室11との間に設けられた仕切堰12とを備えている。
詳しくは、タンディッシュ2は、平面視で略T形状となる底壁15と、この底壁15の前側から立ち上がる前壁16と、この前壁16の幅方向の両端側に位置し且つ底壁15から立ち上がる左右一対の第1側壁17、17と、前壁16の後側であって底壁15の前後中途部から立ち上がり第1側壁17、17に連結する左右一対の第1後壁18,18と、第1後壁18,18の左右方向内側の端部側であって底壁15から立ち上がる左右一対の第2側壁19,19と、各第2側壁19,19の間に配置され底壁15の後側から立ち上がる第2後壁20とから構成されている。
図2に示すように、タンディッシュ2の平面視において、前壁16と第2後壁20とは平行となって、第1後壁18,18及び第2側壁19,19は前壁16に対して傾斜状となっている。具体的には、各第1後壁18,18は、内側の端部から外側の端部に行くにしたがって徐々に前側に移行しており、各第2側壁19,19も、内側の端部から外側の端部に行くにしたがって徐々に前側に移行している。
また、仕切堰12は、前壁16と平行となる第1堰部12aと、第1堰部12aの幅方向両端部から後ろにいくに従って幅方向外側に移行する一対の第2堰部12bとにより構成されている。即ち、仕切堰12は、第1堰部12aと第2堰部12bとにより略V字型
となっている。
注入室10は、左右一対の第2側壁19,19と、第2後壁20と、仕切堰12(第1堰部12a、第2堰部12b)と、底壁15とで囲むことにより構成されている。分配室11は、前壁16と、左右一対の第1側壁17、17と、第1後壁18,18と、仕切堰12(第1堰部12a、第2堰部12b)と、底壁15とで囲むことにより構成されている。
本発明のタンディッシュ2では、仕切堰12に設ける湯道21と、分配室11に設ける注入口22との構成を工夫することにより、注入口22から鋳型3に装入する溶鋼温度を略均一にしている。
本発明のタンディッシュ2の特徴的な構成について、さらに詳しく説明する。
図2に示すように、分配室11には、鋳型3に溶鋼を装入する6つの注入口22・・・22が設けられている。具体的には、タンディッシュ2のセンターライン(幅方向中央部)C1から左側には、3つの注入口22が幅方向に設けられ、センターラインC1から右側にも、3つの注入口22が幅方向に均等に設けられている。
即ち、分配室11には、左側から順に、注入口22が6つ設けられたものとなっている。説明の便宜上、最も左側の注入口22を1番目の注入口22aとし、1番目の注入口22aから右側へ順に、2番目の注入口22b、3番目の注入口22c、4番目の注入口22d、5番目の注入口22e、6番目の注入口22fが配設されている。1番目の注入口22a〜6番目の注入口22fは、それぞれ前壁16から同じ距離に位置しており、各注入口22の中心は一直線上となっている。
ここで、第1番目の注入口から注入された溶鋼は第1ストランドの鋳片となり、以降同様で、第6番目の注入口から注入された溶鋼は第6ストランドの鋳片となる。そこで、第1番目の注入口〜第6番目の注入口を、同義的に第1ストランド22a〜第6ストランド22fと呼ぶ。第1ストランド22a〜第6ストランド22fは、それぞれ前壁16から同じ距離に位置しており、各ストランド22の中心は一直線上となっている。
仕切堰12には、注入室10から分配室11へ溶鋼を流通させる湯道21が少なくとも2つ以上設けられている。具体的には、第2堰部12bには、それぞれ湯道21が設けられており、湯道21を平面視したとき、湯道21の軸心はハの字状となっている。
言い換えれば、左側の第2堰部12bに設けた湯道(第1湯道)21aの軸心と、センターラインC1のなす角をθ1とし、右側の第2堰部12bに設けた湯道(第2湯道)21bの軸心と、センターラインC1のなす角をθ2としたとき、θ1=θ2となるように、第1湯道21a及び第2湯道21bが設けられている。また、第1湯道21aからセンターラインC1までの水平距離(幅方向の距離)と、第2湯道21bからセンターラインC1までの水平距離とは、同じとなっている。
さて、各ストランドの中心を結ぶストランド中心線C2と、第1湯道21aの軸心を延長した延長線L1とが交差するターゲットポイントP1は、第2ストランド22bと第3ストランド22cとの間に位置している。また、ストランド中心線C2と、第2湯道21bの軸心を延長した延長線L2とが交差するターゲットポイントP2は、第4ストランド22dと第5ストランド22eとの間に位置している。
即ち、注入口22が6つある6ストランドのタンディッシュ2では、一方の湯道21(第1湯道21a)を、第2ストランド22bと第3ストランド22cの間に向けて配置し、他方の湯道21(第2湯道21b)を、第4ストランド22dと第5ストランド22eとの間に向けて配置している。
次に、溶鋼の流れについて説明する。
以下、説明の便宜上、タンディッシュ2の左側に着目して溶鋼の流れについて説明するが、タンディッシュ2の右側は左側と左右対称であるため説明を省略する。
上述したように第1湯道21aを配置すれば、第1湯道21aから吐出した溶鋼の吐出流は、ターゲットポイントP1に達した後、ターゲットポイントP1付近で分岐するようになる。このとき、溶鋼は、左側に流れ易くなり、流量もターゲットポイントP1の右側より左側の方が大きくなる。タンディッシュ2の左側の溶鋼は、第2ストランド22bや
第3ストランド22cに入り鋳型3へと出て行く。一方で、残りの溶鋼は、最も離れた第1ストランド22aに入って出て行くことになるが、上述したように、第1後壁18,18を前壁16に対して傾斜状とすることによって分配室11の奥行きを幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしているため、第2ストランド22bから第1ストランド22a間での溶鋼の滞留時間を短くすることができる。
以上述べた本発明のタンディッシュ2の作用を、FEM流動解析により得られた溶鋼温度の分布を基に説明する。
図9は、図8に示す従来の6ストランドのタンディッシュ2において、FEM流動解析により溶鋼温度の分布を示したものである。図10は、本発明の6ストランドのタンディッシュ2において、FEM流動解析により溶鋼温度の分布を示したものである。取鍋6内の溶鋼温度を1520℃とした。
図9に示すように、従来のタンディッシュ2では、センターラインC1よりの第4ストランド22dの溶鋼温度は1517.92℃であるものの、最外側の第6ストランド22fの溶鋼温度は1508.86℃であり、両者ストランド間の溶鋼温度差は、約9.1℃にもなる。また、第6ストランド22fの溶鋼温度と取鍋6内の溶鋼温度との溶鋼温度差は、約11.1℃にもなる。
大凡、従来のタンディッシュ2では、第5ストランド22eの溶鋼温度は、第5ストランド22eの溶鋼温度に比べて5℃程度低く、第6ストランド22fの溶鋼温度は、さらに、第4ストランド22dの溶鋼温度に比べて5℃程度低いものとなる。第6ストランド22fの溶鋼温度と、第4ストランド22dの溶鋼温度との温度差は、10℃程度になる。なお、第1ストランド22a〜の第3ストランド22cの溶鋼温度分布に関しても上記と同様である。
一方、図10に示すように、本発明のタンディッシュ2では、第4ストランド22dの溶鋼温度は1512.36℃であり、第5ストランド22eの溶鋼温度は1514.84℃であり、第6ストランド22fの溶鋼温度は1513.04℃であり、ストランド間の溶鋼温度差は最大でも約2.5℃である。また、第6ストランド22fの溶鋼温度と取鍋6内の溶鋼温度との溶鋼温度差は、約7.0℃にとどまっているし、第4ストランド22dの溶鋼温度と取鍋6内の溶鋼温度との溶鋼温度差は、約7.6℃にとどまっている。第1ストランド22a〜の第3ストランド22cの溶鋼温度分布に関しても上記と同様である。
以上、本発明のタンディッシュ2では、6ストランドといった多ストランドであっても、ストランド間での溶鋼温度のバラツキ、即ち、温度差を十分に小さくすることができる。
図3は、ストランド数を5つに変形した本発明のタンディッシュ2を示しており、図4は、ストランド数を4つに変形した本発明のタンディッシュ2を示している。
図3に示すように、5ストランドのタンディッシュ2では、一方の湯道21(第1湯道21a)を、第2ストランド22bと第3ストランド22cの間に向けて配置し、他方の湯道21(第2湯道21b)を、第3ストランド22cと第4ストランド22dとの間に向けて配置している。
図4に示すように、4ストランドのタンディッシュ2では、一方の湯道21(第1湯道21a)を、第1ストランド22aと第2ストランド22bとの間に向けて配置し、他方の湯道21(第2湯道21b)を、第3ストランド22cと第4ストランド22dとの間に向けて配置している。5ストランド及び4ストランドのタンディッシュ2において、その他の構成は6ストランドのタンディッシュ2と同じであるため説明を省略する。
図5〜7及び図11〜18は、本発明のタンディッシュ2の変形例を示したものである。なお、変形例は6ストランドのタンディッシュ2であるが、5ストランドや4ストランドのタンディッシュ2でも適用可能である。以下、変形例について順に説明する。
図5に示すように、仕切堰12と前壁16との間に、仕切堰12を補強する補強部材25を設けてもよい。即ち、第1堰部12aの幅方向中央部と、前堰の幅方向中央部とを結ぶように、耐火物から構成された補強部材25を設置する。この場合、補強部材25をセ
ンターラインC1上に配置することが好ましい。このようにすれば、タンディッシュ2の分配室11を流れる溶鋼流動の挙動が、センターラインC1を中心として線対称となるため、補強部材25を設けたことによる溶鋼流動の挙動の変化の影響を最小限に留めることができる。即ち、補強部材25を設けたとしても、各ストランド22間の溶鋼温度差に大きな影響はなく、温度差を小さいままとすることができる。
図6に示すように、仕切堰12をV字状ではなく左右方向を向く直線状に構成してもよい。即ち、第2側壁19の一方側(左側)から他方側(右側)に延びるように、仕切堰12を構成して、その仕切堰12に、平面視でハの字状となるように少なくとも2つの湯道21(第1湯道21a、第2湯道21b)を設ける。また、図7に示すように、仕切堰12を直線状とした図6のタンディッシュ2に、図5と同様に補強部材25を設けるようにしてもよい。
図11〜14に示すように、仕切堰12に設けた湯道21の他に流通孔26を設けてもよい。即ち、仕切堰12であって一方の湯道21(第1湯道21a)と他方の湯道21(第2湯道21b)との間に、当該第1湯道21a及び第2湯道21bとは別の流通孔26を設けてもよい。流通孔26は、第1湯道21aや第2湯道21bとは異なり、タンディッシュ2の幅方向中央側において溶鋼が停滞するのを防止するためのもので、第1湯道21aや第2湯道21bよりも内径が小さなものとなっている。
詳しくは、図11では、第1堰部12aの幅方向中央部に1つの流通孔26を設けており、図12では、センターラインC1を中心として第1堰部12aに2つの流通孔26を設けており、図13では、補強部材25を中心として第1堰部12aの左右に2つの流通孔26を設けており、図14では、直線状の仕切堰12の幅方向中央部に1つの流通孔26を設けている。
図15〜18は、タンディッシュ2の外観形状を変形したものである。
図15は、第2側壁19,19を前後に延びる直線状の形状とし、第2側壁19,19と第1後壁18,18とのコーナ部付近に仕切堰12を構成する第2堰部12bを連結している。図16は、第1後壁18,18を直線状ではなく幅方向中途部を2段階に屈曲させたもの(タンディッシュ3の後側の壁を屈曲させたもの)で、第2側壁19,19の前側から外側にいくにしたがって当該第1後壁18,18を前側に移行し、第1後壁18,18の中途部で前側に移行する割合を緩やかにしている。図17は、第2側壁19,19及び第1後壁18,18が連続的につながるように、第2側壁19,19及び第1後壁18,18を円弧状にしたもの(タンディッシュ3の後側の壁を円弧状にしたもの)で、第2側壁19,19及び第1後壁18,18は外側にいくにしたがって前側に徐々に移行している。
また、図18は、第1堰部12aと第2堰部12bとで構成していた仕切堰12を、一対の第2堰部12bで構成したもので、各第2堰部12bは、センターラインC1から後ろ側にいくにしたがって徐々に外側に移行し、仕切堰12は平面視でV字状に形成されている。このようにすれば、簡単に仕切堰12を構成することができ、仕切堰12の構造をシンプルになる。
上述した実施形態では、一対の第2堰部12b、即ち、センターラインC1を中心として左右側に、1つの湯道21をそれぞれ設けるようにしているが、第1堰部12aや第2堰部12bの一方側(左側)や他方側(右側に)に、複数の湯道21を設けるようにしてもよい。また、注入室10からの溶鋼の吐出流の分布や流速を最適化するため、湯道21と流通孔26とをそれぞれ組み合わせたり、湯道21や流通孔26を上方(湯面)に向けたり、湯道21や流通孔26を下方(底部)に向けたりして、傾斜させてもよい。
以上述べた如く、本発明のタンディッシュ2では、コンパクトでありながら多ストランドに対応でき、上述した効果に加え、タンディッシュ2を移動させるタンディッシュカーなどのタンディッシュ関連設備もコンパクトにすることができる。タンディッシュ2を構成する内張の耐火物の総量も削減でき、保温性が向上し、鋳片4の製造コストも削減できる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運
転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 連続鋳造設備
2 タンディッシュ
3 鋳型
4 鋳片
5 サポートロール
6 取鍋
7 浸漬ノズル
10 注入室
11 分配室
12 仕切堰
12a 第1堰部
12b 第2堰部
15 底壁
16 前壁
17 第1側壁
18 第1後壁
19 第2側壁
20 第2後壁
21 湯道
21a 第1湯道
21b 第2湯道
22 注入口
22a 第1ストランド(1番目の注入口)
22b 第2ストランド(2番目の注入口)
22c 第3ストランド(3番目の注入口)
22d 第4ストランド(4番目の注入口)
22e 第5ストランド(5番目の注入口)
22f 第6ストランド(6番目の注入口)
25 補強部材
26 流通孔
C1 センターライン
C2 ストランド中心線
L1 第1湯道の軸心を延長した延長線
L2 第2湯道の軸心を延長した延長戦
P1 ターゲットポイント
P2 ターゲットポイント

Claims (5)

  1. 取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、
    前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、
    前記分配室には、第1番目〜第6番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第2番目の注入口と第3番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第4番目の注入口と第5番目の注入口の間に向けて配置し、
    前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とするタンディッシュ。
  2. 取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、
    前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、
    前記分配室には、第1番目〜第5番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第2番目の注入口と第3番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第3番目の注入口と第4番目の注入口の間に向けて配置し、
    前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とするタンディッシュ。
  3. 取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する複数の注入口を有する分配室と、前記注入室と前記分配室とを隔離的に仕切る仕切堰と、前記仕切堰の厚み方向へ貫通状に設けられて且つ注入室から分配室へ溶鋼を流通させる少なくとも2つの湯道孔と、を備え、
    前記注入室は、左右一対の側壁と、後壁と、前記仕切堰と、底壁とで囲むことにより構成されていて、
    前記分配室には、第1番目〜第4番目の注入口が当該分配室の幅方向に沿って一列に順に形成されており、前記仕切堰に形成した湯道孔のうち一方の湯道孔を、第1番目の注入口と第2番目の注入口の間に向けて配置し、他方の湯道孔を、第3番目の注入口と第4番目の注入口の間に向けて配置し、
    前記分配室の奥行きを、当該分配室の幅方向に沿って外側に行くにつれて徐々に狭くしていることを特徴とするタンディッシュ。
  4. 前記仕切堰を補強する補強部材を、前記分配室の幅方向中央部に設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタンディッシュ。
  5. 前記仕切堰であって前記一方の湯道孔と他方の湯道孔との間に、当該湯道孔とは別に流通孔を設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタンディッシュ。
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