JP5836058B2 - エネルギー変換デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、変換効率が高いエネルギー変換デバイスに関する。
従来より、半導体に光を照射することで、半導体に電子正孔対を発生させ、発生した電子正孔対を利用して酸化還元反応を行うことで、所望の産物を得る手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、互いに接続された金属極及び窒化物半導体極を有し、両電極が溶媒中に設置されて成るガス発生装置が提案されている(請求項1等)。この文献で提案されている手法は、大別して、(1)p型半導体を一方の極として使用する手法、(2)n型半導体を一方の極として使用する手法、である。まず、(1)に関しては、p型半導体のバンドギャップより大きなエネルギーを有する光を照射して発生した電子正孔対の内、電子はp型半導体の表面に移動する一方、正孔はp型半導体内部に移動し導線を通じて他方の極(Pt対極)に移動する。その結果、半導体極側では還元反応が起きて水素ガスが発生し(電解液の溶媒として水を使用した場合)、他方の極では酸化反応が起きて酸素ガスが発生する。他方、(2)に関しては、n型半導体のバンドギャップより大きなエネルギーを有する光を照射して発生した電子正孔対の内、正孔はn型半導体の表面に移動する一方、電子はn型半導体内部に移動し導線を通じて他方の極(Pt極)に移動する。その結果、半導体極側では酸化反応が起きて酸素ガスが発生し(電解液の溶媒として水を使用した場合)、他方の極では還元反応が起きて水素ガスが発生する。
ここで、特許文献1では、理論値よりもガス発生量が少ないという課題がある。大きな原因は、半導体極の面内方向(横方向)での抵抗が大きく、光照射で生成したキャリアが有効利用されていないことにある。これは、キャリアの発生箇所と集電体(他方の電極と連絡する導線と接合した、半導体極上に設けられた層)との距離に応じ、距離が近い場合にはキャリアが集電体に到達し易いのに対し、距離が遠い場合にはキャリアが集電体に到達し難いことが一要因である。
この課題を解決すべく、非特許文献1には、半導体極の表面全体に亘り金属細片をパターン形成する手法が提案されている。この手法によれば、キャリアの発生箇所と金属細片までの距離とが小さくなるため、キャリアの発生箇所に拘わらず効率的にキャリアを他方の電極に移動させることが可能となる。
特開2003−24764号
Appl. Phys. Lett. 91, 093519(2007)
このように、非特許文献1で提案された手法は、従来法と比較し、光照射により発生したキャリアを効率的に他方の極に移送させることが可能になるという点では優れている。しかしながら、半導体表面にパターン化された金属細片が存在しているために金属細片直下の半導体には光照射が難くなる状況となる。即ち、パターンを緻密にすればする程、発生したキャリアを効率的に他方の極に移送させることができる反面、発生するキャリアの絶対量(使用した半導体量を基準)が減少してしまうというという課題がある。加えて、その製造に際しても、平坦なn−GaNに対し、フォトリソグラフィーにより金属細片をパターン化する、という面倒な手法で製造している。更に、非特許文献1で提案された手法は、効率向上という長所がある一方で、半導体の極性がn型のために酸化反応が起こり、半導体表面が徐々に腐食されてしまうという課題もある。
そこで、本発明は、半導体表面の腐食を防止しつつ、金属細片を半導体表面にパターン化しなくとも、光照射により発生したキャリアを効率的に利用する手段を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[5]に関する。
[1] 第一の半導体と第二の半導体とが接合し、第一の半導体側の接合界面に二次元ホールガス層が形成されたヘテロ接合半導体を含むデバイスであって、第二の半導体の厚さが30nm以下であるエネルギー変換デバイス。
[2] エネルギー変換デバイスが薄膜状であり、且つ、前記一方の表面上に集電体が形成されている、前記[1]のエネルギー変換デバイス。
[3] 一方の電極として、前記[2]のエネルギー変換デバイスと、
他方の電極として、エネルギー変換デバイスの集電体と電気的に接続した金属電極と
を有する、電解液中に存在する成分を酸化還元反応させることが可能な装置。
[4] 前記[3]の装置を用いて、電解液中に存在する成分を酸化還元反応させることにより所望の成分を製造する方法であって、
前記一方の電極と前記他方の電極とが電解液に浸された状態にて、前記一方の電極に光照射する工程
を含む方法。
[5] 電解液が、酸性又はアルカリ性の水溶液であり、
所望の成分が、水素、酸素及びアルコール等の炭素を含む化合物から選択される一種以上の成分である、前記[4]の方法。
本発明[1]によれば、(1)二次元ホールガス層が形成されたヘテロ接合半導体を用いること、したがって、光照射により発生したホールが二次元ホールガス層内で高い移動度にて移動可能な状況となること、更には、(2)第二の半導体の厚さが30nm以下であること、即ち、二次元ホールガス層(第一の半導体の、第二の半導体との接合界面に形成された層)から半導体デバイスの一方の表面までの距離(第二の半導体の厚さ)が電子がトンネルする程度まで極薄であること、から、金属細片を半導体表面にパターン化しなくとも、光照射により発生したキャリアを効率的に利用することが可能になる(エネルギー変換効率を向上させることが可能になる)という効果を奏する。
更に、本発明[1]によれば、二次元ホールガス層が形成されたヘテロ接合半導体を含むデバイスであるため、光照射により発生したキャリアの内、半導体デバイスの光照射面にて反応するのが電子となる、即ち、半導体デバイスの光照射面にて起きる反応が還元反応である結果、酸化反応が起こることによる腐食が防止される(耐食性が高い半導体を提供することができる)という効果を奏する。
本発明[2]によれば、光照射により第一の半導体(p層又はi層)で発生した電子が表層までトンネルするので、当該電子に起因した還元反応が電解液と接触する面で発生する一方、光照射により発生した、酸化反応を生起させるホールが二次元ホールガス層内を移動して効率的に集電体まで運ばれるため、電極として使用可能となるという効果を奏する。
本発明[3]及び[4]によれば、本発明に係るエネルギー変換デバイスに光照射すると、極めて効率的に電解液中に存在する成分が酸化還元反応に付される結果、当該成分に由来した所望成分を非常に効率的に得ることが可能な装置又は方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明[5]によれば、本発明に係るエネルギー変換デバイスに光照射すると、極めて効率的に水溶液中に存在する成分(例えば、H、OH、HO、CO、HCO3 -)が酸化還元反応に付される結果、当該成分に由来した成分、特にH、O、アルコール等の炭素を含む化合物からなる群より選択される少なくとも一種以上の成分等を非常に効率的に得ることが可能な方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、実施例で用いたエネルギー変換デバイスの構造を示した図である。尚、図中、バンドギャップの小さい第一の半導体層をp層(又はi層)、バンドギャップの大きい第二の半導体層をP(大文字)層とした。 図2は、AlGaInNのバンドギャップを示した図である。 図3は、水素及び酸素の生成反応に着目した際の、水素発生電位及び酸素発生電位と、各種半導体の伝導帯と価電子帯との位置関係を示した図である。 図4は、本形態に係るエネルギー変換デバイスを用いた所望成分発生装置の一例である。 図5は、ヘテロ半導体接合界面で二次元ホールガスが生成している様子(光照射なし)を示した図である。尚、図中、FLはフェルミ準位、Ecは伝導帯下端、Evは価電子帯上端を意味する。 図6は、本デバイスの表層側を電解液に浸し、光照射して水の還元が起こる様子を示した図である。
≪エネルギー変換デバイスの構造≫
本形態に係るエネルギー変換デバイスは、二次元ホールガス層が形成されたヘテロ接合半導体と、ヘテロ接合半導体の一方の面(二次元ホールガス層と近接した面)上で接合した集電体と、前記一方の面とは反対側であるヘテロ接合半導体の他方の面上で接合した基板と、から構成される。ここで、図1は、実施例で用いたエネルギー変換デバイスの構造を示した図である。以下、各構成要素について詳述する。
<ヘテロ接合半導体>
まず、本形態に係るヘテロ接合体の材質は、二次元ホールガス層が形成される組み合わせである限り、特に限定されない。尚、二次元ホールガス層の形成手法は周知であり、バンドギャップ(Eg)の大きさ、不純物の濃度、場合によっては半導体の極性(p型又はn型)を踏まえ、当業者が適宜選択する。一般的には、バンドギャップが異なる2種類の半導体をヘテロ接合させると、条件次第で二次元ホールガス層がその接合界面(バンドギャップが小さい側の接合界面)で発生する。以下、基層半導体である第一の半導体と、基層半導体に接合させる第二の半導体と、のそれぞれについて求められる条件を説明する。
(第一の半導体)
基層半導体である第一の半導体に求められる必須の条件は、(条件1)バンドギャップが対象とする光エネルギー以下であること、である。また、基層半導体である第一の半導体に求められる好適な条件は、(条件2)真空準位を基準にすると、伝導帯の下端の電位>電解液中に存在する還元対象成分の還元反応電位であり、且つ、価電子帯の上端の電位<電解液中に存在する酸化対象成分の酸化反応電位であること、(条件3)不純物がドープされていないか、或いは極微量の不純物が、キャリアを散乱しない程度の濃度にドープされていること、である。尚、第一の半導体は、単一結晶であっても超格子であってもよい。以下、それぞれの条件について詳述する。
・条件1(必須)
半導体に光照射した際、半導体のバンドギャップ以上の光エネルギーが照射された場合、半導体では電子正孔対が発生する。ここで、対象とする光の種類(赤外線、可視光、紫外線等)により選択可能な半導体の種類は変わる。即ち、好適な半導体は、そのバンドギャップが対象とする光のエネルギー以下であるものである(例えば、対象とする光が可視光である場合、当該可視光のエネルギー以下のバンドギャップを有する半導体)。例えば、図2は、AlGaInNのバンドギャップを示した図である。尚、この図に記載された半導体はあくまで原理を説明するための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。この図から分かるように、AlN単独の場合、バンドギャップは非常に大きく、波長が200nm未満(紫外線領域)の高いエネルギーを有する光でないと、電子正孔対が発生しない。InN単独の場合、バンドギャップは非常に小さく、波長が1500nm程度(赤外線領域)の低いエネルギーを有する光でも、電子正孔対が発生する。更に、GaN単独の場合、バンドギャップは前記二者の間である360nm程度(可視光領域)のエネルギーを有する光で、電子正孔対が発生する。
・条件2(好適)
真空準位を基準にした場合、基層半導体の伝導帯下端の電位は電解液中に存在する還元対象成分の還元反応電位よりも高く、基層半導体の価電子帯の上端の電位は電解液中に存在する酸化対象成分の酸化反応電位よりも低いことが好適である。このような半導体を選択することで、光照射により所望の酸化還元反応が自発的に進行する。例えば、図3は、水素及び酸素の生成反応に着目した際の、水素発生電位及び酸素発生電位と、各種半導体の伝導帯と価電子帯との位置関係を示した図である。この図から分かるように、水素発生電位及び酸素発生電位を跨いでいるバンドギャップを有する半導体(例えばGaN)の場合、光照射により発生した電子正孔対による酸化還元反応が自発的に進行し、水素及び酸素が発生する。他方、水素発生反応及び酸素発生反応の一方のみしか跨いでいない半導体(例えばGaAs)の場合、光照射により発生した電子正孔対の一方(例えばGaAsの場合には電子)のみが反応(例えば水素発生反応)可能な状況となり他方(例えばGaAsの場合にはホール)は反応(例えば酸素発生反応)不能な状況となるため、ホールを用いた酸素発生反応が自発的には生じない。このような場合には、反応不能な電子正孔対の一方(例えばGaAsの場合にはホール)を反応に用いることができるよう、他の半導体{ホールが反応不能な場合には「価電子帯の電位<酸化反応の電位」である半導体(例えばWO)と接合させ、電子が反応不能な場合には「伝導帯の電位>還元反応の電位」である半導体}と接合させることが好ましい。
ところで、図3は、光照射により発生させる所望の成分として水素及び酸素を例に採り、選択すべき半導体例を示した。この例によれば、前述のように、好適な半導体は、そのバンドギャップが水素発生反応及び酸素発生反応の電位を跨いだもの、例えば、GaN、ZnS、ZnSe、CdS等である。しかしながら、選択すべき半導体の伝導帯と価電子帯の位置関係は、光照射によりどのような成分を発生させたいかにより変わる。例えば、二酸化炭素を還元してギ酸にするには、伝導帯下端は水素発生電位よりも少なくとも約0.2eVプラス側になければならない。尚、発生対象成分との関係でどのような半導体を選択すべきかは当業者の自明事項である。
・条件3(好適)
基層半導体には不純物がドープされていないか、或いは不純物散乱が無視できる程度の濃度が望ましい。即ち、基層半導体は真性半導体か、不純物を極微量ドープしたp型或いはn型半導体を用いることが好適である。不純物が多すぎると、アクセプタ不純物であってもキャリアは多く発生する一方、不純物イオンのクーロン力によりキャリアの運動の向きが変わってしまう不純物散乱を受けてしまう結果、キャリアの移動度が低下してしまうからである(トレードオフの関係)。
尚、第一の半導体が超格子である場合には、少なくとも一種類の結晶格子が、上記条件1を充足する必要があり、上記条件2及び条件3を充足することが好適である。
(第二の半導体)
基層半導体に接合させる第二の半導体に求められる必須の条件は、(条件1)基層半導体と接合させた際、二次元ホールガス層を形成させるものであること、(条件2)二次元ホールガス層と表層との間で電子がトンネルすること、である。以下、それぞれの性質について詳述する。
・条件1(必須)
まず、二次元ホールガス層を有する態様に関しては、第二の半導体のバンドギャップは、第一の半導体のバンドギャップよりも大きく、且つ、第二の半導体にはp型不純物が添加されていることが好適である。即ち、フェルミ準位の差が大きいものを接合することが好適である。尚、二次元ホールガス層の形成手法は周知であり、半導体の種類やp型不純物の種類、及び添加する量等については当業者が適宜設定する。
・条件2(必須)
第二の半導体は、第一の半導体との間に構築された二次元ホールガスと表層との間でキャリアがトンネルするよう構成されている。具体的には、第二の半導体の厚さは、30nm以下であり、好適には20nm以下であり、より好適には10nm以下であり、更に好適には5nm以下である。尚、下限値は特に限定されないが、例えば0.3nm程度(一原子層)である。また、反応面積をより大きくする観点から、第二の半導体の厚さが30nm以下である領域は、第二の半導体の全面積を基準として80%以上であることが好適であり、100%が最も好適である。ここで、当該厚さは、透過型電子顕微鏡の断面観察から求めた値とする。尚、第二の半導体層の表面が変質しており第二の半導体層として機能しない変質層が形成されている場合(例えば、第二の半導体層が空気や水蒸気と接触することで自然酸化膜が形成された場合)には、当該変質層(例えば、酸化膜層)を含まない部分を第二の半導体層の厚さとする。また、第二の半導体の厚さが30nm以下である領域(面積比)を算出する手法は、特に限定されないが、例えば、(1)本形態に係るエネルギー変換デバイスを破砕等して分割する(例えば、100片)、(2)それぞれの分割片について、第一の半導体層及び第二の半導体層を溶解させ、ICP発光分析にて構成原子の量を測定することで、当該分割片における第二の半導体層の体積を導出した上、当該分割片における第二の半導体層の表面積に基づき、当該分割片における第二の半導体層の厚さを導く(例えば、第一の半導体層がGaNであり第二の半導体層がAlGaNである場合、ICP発光分析にて導出されたAl量に基づき第二の半導体層の体積を導き、当該分割片における第二の半導体層の表面積で当該体積を割ることで算出される)、(3)すべての分割片について(2)の手法にて厚さを算出した上、30nm以下の厚みであった分割片の表面積の合計値を、分割前の全表面積(即ち、エネルギー変換デバイスにおける第二の半導体層の表面積)で割る、である。
・他の条件(好適)
第二の半導体に関し、第一の半導体に関する条件1及び条件2に関しては必須では無いが、充足している方が好適である。
(好適な第一の半導体/第二の半導体の組み合わせ)
上記のように、二次元ホールガス層を有する態様については、p型半導体/i型半導体が好適である。但し、必ずしも第二の半導体の極性がp型伝導性を示さなくてもよい。例えば、表層にp型不純物を添加してもイオン化エネルギーが大きいためp型を示さないこともあり得る。また、基層のi層に極微量のp型不純物やn型不純物を添加した「p層/p層」や「p層/n層」でも同様の効果を期待できる。
(ヘテロ接合半導体の具体例)
二次元ホールガス層を形成されたヘテロ接合半導体は、前述のように、あくまでもバンドギャップ(Eg)の大きさ、不純物の有無と濃度、半導体の極性(=p型かn型か)が重要であり、例えば、窒化ガリウム系では、AlGaInNのAlとGaとInの組成比を変化させれば無限大の組み合わせがある。例えば、AlN/GaN、AlGaN/GaN、GaN/InGaN、InGaN/InN、AlN/InGaN等を挙げることができる。他にも、AlGaAs/GaAs、InAs/GaSb、GaP/Si、ZnSe/GaAs、CuGaInSe/CuInSe等を挙げることができる。
(ヘテロ接合半導体の性質)
二次元ホールガス層の態様の場合、二次元ホールガス層は、接合界面の基層半導体側に生成するので、表層半導体中のイオン化したアクセプタから空間的に離れており、したがってイオン化不純物散乱を受けにくく、半導体面内で高移動度のキャリアとなる。これにより面内抵抗が小さくなるため、光照射により発生したキャリアが有効利用でき、結果的にエネルギー変換効率が向上する。また、表層半導体と二次元ホールガスとの間で電子がトンネルできることも、光照射により発生したキャリアが有効利用できる重要な理由である。
<集電体>
(材質)
第二の半導体上に形成された集電体は、特に限定されず、公知の材料が使用可能である。尚、(1)電子伝導性に優れること、(2)電池内部で安定に存在すること、(3)電池内部での体積を縮小できること(薄膜化)、(4)体積あたりの重量が小さいこと(軽量化)、(4)加工が容易であること、(5)実用的強度があること、(6)第二の半導体と密着性(機械的密着性)があること、(7)第二の半導体との接触抵抗が小さいこと、等の特性が高いものであることが好適である。例えば、ニッケル、白金、銅、金、チタン、パラジウム、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ等を挙げることができる。
(構造)
本発明では、半導体に光照射することでのエネルギー変換効率の向上を図っている。よって、第二の半導体上に形成された集電体の面積は極力小さい方が好ましい。具体的には、第二の半導体上に集電体を形成させる。好適には、第二の半導体の面積を基準として、集電体の面積比が1/5以下であることが好適であり、1/20以下であることがより好適である。尚、下限値は特に限定されないが、1/100以上である。
<基板>
第一の半導体と接合した基板は特に限定されない。また、基板は当該基板上に半導体(第一の半導体)を積層して結晶を形成させる目的で使用するものであるから、基板それ自体は存在していなくともよい(製造後に剥離してもよい)。ここで、基板の種類は、特に限定されず、当業界にて周知の材料でよい。尚、一般に、基板に求められる好適な性質は、上に積層する半導体の格子定数が近い程よく、又は、上に積層する半導体の結晶構造が同一であるもの程よい。このような材料としては、例えば、窒化ガリウムの場合、サファイアやシリコンカーバイド、シリコン等を挙げることができる。
<他の構成要素>
本形態に係るエネルギー変換デバイスは、他の構成要素を有していてもよい。例えば、システムを組む際に当該デバイスが空気に晒された際の第二の半導体表面の酸化を防止すべく、第二の半導体上に保護膜が存在していてもよい(使用の際支障を生じることが無ければこのまま使用してもよいし、使用前に剥離してもよい)。また、例えば、第二の半導体表面が空気中の酸素で酸化され、自然酸化膜が形成されることがある(例えば、第二の層としてGaNを用いた場合には非晶質の酸化ガリウムが形成される)が、当該膜を含む態様も本形態の範囲内である。
≪エネルギー変換デバイスの製造方法≫
本発明に係るエネルギー変換デバイスの作製方法としては、当業者に採用されている公知手法であれば特に限定されないが、高結晶性を保ちながら精密に組成やキャリア濃度、膜厚を制御でき、また大型化や量産化にも対応できる、有機金属気相成長(MOCVD=MOVPE)法が望ましい。他には、分子ビーム堆積(MBE)法やハイドライド気相堆積(HVPE)法、パルスレーザー堆積(PLD)法なども使用可能である。
≪光触媒型の所望成分発生装置の構造≫
本態様に係るエネルギー変換デバイスの好適使用態様として、光触媒型の所望成分発生装置の概略構成を説明する。図4に示したように、好適な所望成分発生装置は、一方の電極として、前述したエネルギー変換デバイスと、他方の電極として、エネルギー変換デバイスの集電体と接続した対極とを有する、電解液中に存在する成分を酸化還元反応させることが可能な装置である(例えば、特開2003−24764号公報参照)。エネルギー変換デバイスについては前記で詳述したので、他の構成要素について詳述する。
(対極)
対極は、特に限定されない。例えば、一般的に用いられる材料として、金属極、好適には、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd) 、又はこれらの合金が挙げられる。但し、原理的には金属材料である必要はなく、例えば、図6に示す系を考察した場合、対極の特性として図中のような電子レベル(金属の場合は「仕事関数」)を満たしていれば、例えばn型の酸化物半導体である酸化亜鉛や酸化インジウムスズ(ITO)等も使用し得る。
(電解液)
両電極が浸される電解液は、発生成分の種類によって変わる。例えば、水素及び酸素を発生させる場合、酸性又はアルカリ性の水溶液を電解液として用いることが好適である。一方、塩橋を介して、水素を発生させる極側には酸性水溶液を、酸素を発生させる側にはアルカリ性の水溶液を、それぞれ用いることも可能である。また、発生成分が炭素を含む化合物(例えば、アルコール等)の場合、例えば、二酸化炭素を含有する電解液(例えば炭酸水)を使用する。
≪エネルギー変換デバイスの用途≫
次に、エネルギー変換デバイスの用途(好適例として、光触媒型の所望成分発生装置の使用方法)を説明する。エネルギー変換デバイス(一方の電極)に、ヘテロ接合半導体(の内、少なくとも第一の半導体)のバンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射する。例えば、前述の酸性又はアルカリ性の水溶液を電解液として使用した場合、二次元ホールガス層を有する態様の場合には、半導体側では水素が発生し、対極側では酸素が発生する。ここで、図5は、ヘテロ半導体接合界面で二次元ホールガスが生成している様子(光照射なし)を示した図である。また、図6は、本デバイスの表層側を電解液に浸し、光照射して水の還元が起こる様子を示した図である。
以下、生成すべき所望の成分として「水素」及び「酸素」を例に採り、本発明のエネルギー変換デバイスを用いた実施例を説明する。但し、本発明は当該実施例に何ら限定されるものではない。
有機金属気相成長(MOCVD)法により、直径2インチのサファイア基板上にi−GaNを形成した後(膜厚5μm)、MgドープAl0.2Ga0.8N(p型層)を形成した(膜厚10nm)。次に、この試料を窒素中800℃で10分間加熱処理してAl0.2Ga0.8Nのp型活性化処理(結晶中の不純物水素の除去)を行った。このようにして得たヘテロ接合半導体のp型層上に、集電体(面積0.5cm)としてニッケルを端部に接合してオーミック電極を形成してエネルギー変換デバイスとした。このようにして製造した半導体電極(集電体の端子箇所)とプラチナ(Pt)対極とを導線で電気的に接合した上、アルカリ性水溶液(1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液)に浸漬した。このようにして実施例に係るガス発生装置を製造した(図4参照)。
次に、当該ガス発生装置の半導体電極に、キセノン(Xe)ランプからの光(波長250−1300nm)を照射した。その結果、半導体電極側及びプラチナ対極側にて、水素及び酸素がそれぞれ発生した。また、発生した水素及び酸素量を測定することで、エネルギー変換効率がp型GaN単層に比べて高いことが確認されたと共に、n−GaN単層に比べて半導体電極の耐腐食性の大幅な向上も確認できた。

Claims (6)

  1. 第一の半導体と第二の半導体とが接合し、第一の半導体側の接合界面に二次元ホールガ
    ス層が形成されたヘテロ接合半導体を含むデバイスであって、
    前記デバイスが薄膜状であり、且つ、前記第二の半導体の表面上に直接集電体が形成され、
    前記第二の半導体の厚さが30nm以下であり、
    前記第二の半導体が、Mgドープ半導体であり、
    前記ヘテロ接合半導体が超格子層である場合を除く、エネルギー変換デバイス。
  2. 第二の半導体の厚さが10nm以下である、請求項1記載のエネルギー変換デバイス。
  3. 前記第二の半導体の表面に酸化チタン膜が成膜されている場合を除く、請求項1又は2記載のエネルギー変換デバイス。
  4. 一方の電極として、請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー変換デバイスと、
    他方の電極として、エネルギー変換デバイスの集電体と電気的に接続した対極とを有す
    る、電解液中に存在する成分を酸化還元反応させることが可能な装置。
  5. 請求項4の装置を用いて、電解液中に存在する成分を酸化還元反応させることにより所
    望の成分を製造する方法であって、
    前記一方の電極と前記他方の対極とが電解液に浸された状態にて、前記一方の電極に光
    照射する工程
    を含む方法。
  6. 電解液が、酸性又はアルカリ性の水溶液であり、
    所望の成分が、水素、酸素及びアルコール等の炭素を含む化合物から選択される一種以
    上の成分である、請求項5記載の方法。
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