JP5835297B2 - 建設機械 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、油圧ショベル、クレーン等の建設機械に関する。
従来、建設機械としては、特開平7−180192号公報(特許文献1)に記載のものがある。
この従来の建設機械は、機体の傾斜角センサ、旋回体の回転角センサ、ブーム回転角センサおよびアーム回転角センサの出力から、演算手段で、静的転倒モーメントおよび動的転倒モーメントを演算し、さらに、この静的転倒モーメントと動的転倒モーメントとの加算値を求めて、転倒条件が成立すると、比例電磁弁を制御して、旋回体を駆動する油圧モ−タへの油を減少して、旋回体を減速して、転倒を防止するようにしている。
特開平7−180192号公報
しかしながら、上記従来の建設機械では、傾斜地で転倒条件が成立すると、旋回体の速度のみを減速しているだけなので、旋回体の速度を減速しても、ブームの動作によっては、転倒する場合があるという問題があった。具体的には、例えば、傾斜地にてブーム操作を行う場合、ブームを持ち上げる操作を行った場合、傾斜角度やブーム動作の反動により、バランスを崩して、機体が転倒する可能性があるため、平坦地以上にオペレータは各操作に慎重にならざるを得ない。
そのため、上記従来の建設機械では、オペレータが、ブームの位置および速度を細心の注意で制御しなければならなくて、疲労が大きいという問題があった。
また、上記従来の建設機械では、機体の傾斜角センサ、旋回体の回転角センサ、ブーム回転角センサおよびアーム回転角センサの出力から、静的転倒モーメントおよび動的転倒モーメントを演算して、比例電磁弁を制御しなければならないため、制御、構造が複雑になって、製造コストが高くなるという問題があった。
そこで、この発明の課題は、簡単安価な構成で、機体の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労度を軽減できる建設機械を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の建設機械は、
走行装置と、
この走行装置に設けられた機体と、
上記機体上に設けられたブームと、
上記機体の姿勢を検知するジャイロセンサと、
油圧ポンプと、
少なくとも上記ブームを駆動するアクチュエータと、
上記油圧ポンプから上記アクチュエータに供給する油を制御するコントロールバルブと、
上記油圧ポンプおよび上記コントロールバルブのための操作信号を出力するリモコンと、
上記操作信号と、上記ジャイロセンサからの出力とに基づいて、上記機体の姿勢に応じて、上記機体が転倒し難いように上記油圧ポンプの吐出量を減少するように補正制御するコントローラと
を備え
上記コントローラは、上記リモコンからの上記操作信号に基づいて、上記ブームが、上記機体が転倒する方向に作動するときに、上記油圧ポンプの吐出量が減少するように補正制御し、
上記機体は、旋回台を含み、
上記アクチュエータは、上記旋回台を旋回させる油圧モ−タを含み、
上記ジャイロセンサは上記旋回台に設けられており、
上記コントローラは、上記旋回台の傾斜角および上記ブームの平面視での向きを表す上記ジャイロセンサの出力に基づいて、上記機体が転倒し難いように上記油圧ポンプの吐出量を減少するように補正制御し、
上記ブームの回転角を検出するブーム回転角センサを備え、
上記旋回台の傾斜角および上記ブームの平面視での向きを表す上記ジャイロセンサの出力に基づいて、補正制御された上記油圧ポンプの吐出量を、上記ブームの回転角に基づく機体状態の危険度に対して定められた補正係数でさらに補正する
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記コントローラは、上記ジャイロセンサからの出力に基づいて、上記機体の姿勢に応じて、上記機体が転倒し難いように上記油圧ポンプの吐出量を減少するように補正制御をする。
このように、上記ジャイロセンサからの出力に基づいて、上記機体の姿勢に応じて、上記機体が転倒し難いように上記油圧ポンプの吐出量を減少するので、油圧ポンプから油が供給される少なくとも上記ブームを駆動するアクチュエータを含むアクチュエータの動作が通常よりも遅くなり、そのため、オペレータの操作が容易になって、簡単安価に、建設機械の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労度を軽減することができる。
また、このように、機体の姿勢に応じて、油圧ポンプの吐出量を制御するので、様々な機体姿勢においても、通常時と同等の操作性の確保が可能となって、作業姿勢や作業状態の組合せによる操作性の悪化を抑制することができる。例えば、操作量に対するポンプの吐出量の変化のゲインを下げることで、操作時のアクチュエータの動きを鈍らせることができるため、通常並の操作をした場合でも、機体はより安全な動きとすることが可能となって、オペレータの疲労度を抑制することが可能となる。
上記発明によれば、上記ブームが、上記機体が転倒する方向に作動するときに、上記油圧ポンプの吐出量が減少するように補正制御するので、つまり、上記ブームの作動方向を考慮して、上記油圧ポンプの吐出量を減少して、アクチュエータの速度を低くするので、より建設機械の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労度をより低減することができる。
上記発明によれば、上記ジャイロセンサは上記旋回台に設けられているから、上記ジャイロセンサは、上記旋回台の水平面に対する傾斜を検出し、かつ、上記旋回台の向き、つまり、ブームの平面視における向きを検出することができる。
したがって、上記コントローラは、上記ジャイロセンサからの上記操作信号が表す旋回台の傾斜およびブームの平面視での向きに応じて、上記油圧ポンプの吐出量を減少して、ブームを駆動するアクチュエータおよび油圧モ−タの速度を低くすることが可能である。したがって、より建設機械の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労をより低減することができる。
上記発明によれば、上記旋回台の傾斜角および上記ブームの平面視での向きを考慮して、上記油圧ポンプの吐出量を減少して、旋回台を旋回させる油圧モ−タとブームを駆動するアクチュエータとの両方の速度を低減するので、より一層建設機械の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労をより一層低減することができる。
上記発明によれば、上記旋回台の傾斜角および上記ブームの平面視での向きを表す上記ジャイロセンサの出力に基づいて、定められた(補正制御された)上記油圧ポンプの吐出量を、上記ブームの回転角に基づく機体状態の危険度に対して定められた補正係数でさらに補正するので、より適切に、油圧ポンプの吐出量を低減して、より適切にアクチュエータの速度を低減して、オペレータの疲労度をより一層低減することができる。
1実施形態では、
上記コントロールバルブは、メータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路を含む。
上記実施形態によれば、上記コントロールバルブが、夫々の開口特性を有するメータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路を含んで、操作性、操作感が良くなっている上に、さらに、上記ジャイロセンサの出力に基づいて、機体の姿勢に応じて、コントローラで油圧ポンプの吐出量を低減するので、オペレータの疲労をより一層軽減することができる。
1実施形態では、
上記リモコンは、リモコン弁である。
上記実施形態によれば、上記リモコンは、リモコン弁であるので、操作量に応じて、油圧信号であるパイロット圧力を制御したり、操作量に応じた電気信号である操作信号を出力することができる。
尤も、上記リモコン弁は、油圧信号のみを発生するものであってもよい。
この発明によれば、ジャイロセンサからの出力に基づいて、機体の姿勢に応じて、上記機体が転倒し難いように油圧ポンプの吐出量を減少するので、油圧ポンプから油が供給されるアクチュエータの動作が通常よりも遅くなって、オペレータの操作が安全、容易になって、簡単安価に、建設機械の転倒を抑制でき、かつ、オペレータの疲労度を軽減することができる。
この発明の第1実施形態の建設機械の正面図である。 上記第1実施形態の要部のブロック図である。 上記第1実施形態の要部の回路図である。 上記第1実施形態のコントローラの動作を説明するフローチャートである。 上記第1実施形態の油圧ポンプの吐出量の補正制御を示すグラフである。 上記第1実施形態の建設機械の動作を説明する概略正面図である。 上記第1実施形態の建設機械の動作を説明する概略平面図である。 この発明の第2実施形態の建設機械のコントローラの動作を説明するフローチャートである。 上記第2実施形態の油圧ポンプの吐出量の補正制御を説明するグラフである。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、この第1実施形態の建設機械の一例としての油圧ショベルは、走行装置11と、この走行装置11に設けた機体12とを備え、この機体12は、走行装置11に支持された下部21と、この下部21に旋回機構22を介して旋回可能に設けた上部の旋回台23とを備える。この旋回台23の前方片側には、キャブ24を設け、旋回台23の前方の中央に、ブーム25を俯仰可能に設けている。このブーム25の先端にアーム26を上下に回転可能に設け、このアーム26の先端にバケット27を回転可能に設けている。
上記ブーム25は、ブーム用の油圧シリンダ41で俯仰させ、アーム26はアーム用の油圧シリンダ42で回転させ、バケット27はバケット用の油圧シリンダ43で回転させるようにしている。上記油圧シリンダ41,42,43は、アクチュエータの一例である。
上記旋回台23の上には、この旋回台23を、旋回機構22を介して旋回させるための油圧モータ2と、旋回台23の旋回角を検出する旋回角センサ45と、旋回台23の姿勢を検知するジャイロセンサ8とを設けている。
また、上記ブーム25の回転角をブーム回転角センサ51で検出し、上記アーム26の回転角をアーム回転角センサ52で検出し、上記バケット27の回転角をバケット回転角センサ53で検出するようにしている。
上記旋回台23,ブーム25,アーム26,バケット27,油圧モ−タ2,ブーム用の油圧シリンダ41,アーム用の油圧シリンダ42およびバケット用の油圧シリンダ43などは、作業機40を構成する。
図2は、この第1実施形態の建設機械の要部のブロック図である。図2に示すように、油圧ポンプ1から旋回台用の油圧モータ2への作動油の供給方向および供給量をコントロールバルブ3で制御し、このコントロールバルブ3はリモコンの一例としての操作用リモコン弁5からのパイロット圧力によって制御している。
また、上記ブーム25(図1を参照)を駆動するアクチュエータとしての油圧シリンダ41にも、図2に示すように、油圧モータ2と同様に、図示しないコントロールバルブを接続して、油圧ポンプ1からの油を制御する。図示しないが、コントロールバルブは、アーム用の油圧シリンダ42、バケット用の油圧シリンダ43等のアクチュエータ毎に設けられている。
上記コントロールバルブ3は、スプール弁であって、図3に模式的に示すように、ブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路33を有する。このブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路33の操作量に対する開口面積(開口特性)は、スプール弁に機械加工された図示しない溝状の通路によって、図3の各グラフにおいて実線で示すように、予め定められている。このような開口特性を有するコントロールバルブ3を用いることによって、操作性、操作感が良くなっている。
また、図2に示すように、上記ジャイロセンサ8は、機体姿勢情報、つまり、機体12の水平面に対する傾斜角(旋回台23の水平面に対する傾斜角)と、旋回台23の向き、つまり、作業機40の平面視の向き(ブーム25の平面視の向き)とを表す信号を、コントローラ70に出力する。上記コントローラ70は、リモコンの一例としての操作用リモコン弁5から受ける操作信号(操作レバー角に応じた圧力や角度信号)と、上記ジャイロセンサ8の出力である上記機体姿勢情報とに基づいて、吐出量指令信号を作成して油圧ポンプ1に出力する。
この吐出量指令信号によって、油圧ポンプ1の吐出量は、図3において、油圧ポンプ1の横のグラフにおいて破線で示されるように補正制御される。このグラフにおいて、実線は、油圧ポンプ1の吐出量の補正がされない通常時の操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量である。なお、上記油圧ポンプ1は、可変容量型の油圧ポンプであるが、固定容量型の油圧ポンプを用い、回転速度を制御して、吐出量を制御するようにしてもよい。
この補正制御は、図4に示すステップS1〜S5の手順で行われる。図4に示すように、まず、上記コントローラ70は、ジャイロセンサ8の出力(機体姿勢情報)を取り込み(ステップS1)、旋回台23が予め定められた値以上傾斜しているか否かを判別する(ステップS2)。否ならば、このステップS2の判別を繰り返し、是ならば、ステップS3に進む。
ステップS3では、ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報に基づいて、ブーム25の平面視の向きが旋回台23の傾斜方向の上向きであるか否かを判別する。ステップS3で、否と判別すれば、ステップS2に戻り、ステップS3で是と判別すれば、ステップS4に進む。
ステップS4では、操作用リモコン弁5からの操作信号によって、ブーム25の回転させる方向が旋回台23の傾斜方向の下向きであるか否か判別し、否ならばステップS2に戻り、是ならば、ステップS5に進む。
ステップS5では、図5に実線で示す通常時の油圧ポンプ1の吐出量に対して、破線で示すパターンで、操作量に応じて油圧ポンプ1の吐出量を補正制御する。この図5の破線で示すパターンは、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量の増加率を小さくし、速度変化を鈍らせ、また、吐出量の上限を制限して最高速度を抑制して、機体12が急激に危険姿勢になることを抑制するものである。図5において、複数の破線は、旋回台23の傾斜角をパラメータとするもので、その傾斜角が大きい程、下側の破線となって、吐出量がより小さくなる。この破線のパターンは、予め図示しないメモリに記憶しておいて、操作量と旋回台の傾斜角に応じて、メモリから油圧ポンプ1の吐出量を読み出して、油圧ポンプ1を制御してもよく、あるいは、この破線を表す予め記憶した演算式で、油圧ポンプ1の吐出量を制御してもよい。
上記構成の油圧ショベルにおいて、今、図6に示すように、油圧ショベルが予め定められた値以上に傾斜した斜面100上に位置しているとする。そして、操作用リモコン弁5によって、図6において、矢印Xに示すように、ブーム25を持ち上げる方向に回転させるとする。
このとき、機体12の傾斜姿勢でのブーム25の持ち上げ操作のため、機体12の重心位置が後退して、機体12の転倒の可能性が増加するが、次にように、補正制御されるため、機体12の転倒が抑制され、また、オペレータの疲労感が軽減される。
上記コントローラ70は、ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報に基づいて、旋回台23が予め定められた値以上に傾斜していると判別し(図4のステップS2)、さらに、上記ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報に基づいて、ブーム25の向きが平面視で旋回台23の傾斜方向の上向きであると判別する(ステップS3)。
次に、操作用のリモコン弁5からの操作信号に基づいて、ブーム25を回転させる方向Xが旋回台23の傾斜方向の下向きであると判別して(ステップS5)、図5に破線で示すパターンで、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量を、通常時よりも、減少するように補正制御する(ステップS4)。この図5に破線で示す補正制御は、旋回台23の傾斜角をパラメータとして、その傾斜角が大きい程、吐出量の減少が大きくなるものである。
この図5の破線で示すように、油圧ポンプ1の吐出量を制御することによって、操作量に対する吐出量の増加ゲインを小さくし、ブーム25や旋回台23等のアクチュエータの速度変化を鈍らせ、また、吐出量の上限を制限して、ブーム25や旋回台23等の最高速度を抑制して、機体12が急激に危険姿勢になることを抑制することができ、機体12の転倒を抑制できる。
また、ブーム25や旋回台23等のアクチュエータの速度変化が鈍くなるので、オペレータは過度に慎重になる必要がなくて、オペレータの疲労度を軽減できる。
また、作業姿勢や作業状態の組合せによる操作性の悪化を抑制することができる。例えば、油圧ポンプ1の吐出量を減少することによって、操作時のアクチュエータの動きを鈍らせることができるため、通常並の操作をした場合でも、機体12はより安全な動きとすることが可能となって、オペレータの疲労度を抑制することが可能となる。
また、上記コントロールバルブ3の開口特性を維持したままで、油圧ポンプ1の吐出量を減少するように補正するので、オペレータにとって操作性、操作感が損なわれることがない。
(第2実施形態)
この第2実施形態の建設機械の一例としての油圧ショベルは、図1に示すブーム回転角センサ51の出力で、図5に示す補正時の油圧ポンプ1の吐出量のパターンをさらに補正する点のみが、第1実施形態の油圧ショベルと異なる。
したがって、第2実施形態のハードウェアは、第1実施形態と同じであるので、図1〜3および図5およびそれらの説明を援用し、異なる構成のみを以下に説明する。
この第2実施形態の図8に示すフローチャートは、第1実施形態の図4に示すフローチャートとは、ステップS6を追加した点のみが、図4と異なるので、ステップS1〜S5については、第1実施形態の説明を援用して省略し、ステップS6のみについて、以下に説明する。
コントローラ70は、図8のステップS6で、ステップS5で求められた旋回台23の傾斜角とブーム25の向きによって定められた油圧ポンプ1の図9の(A)に示す補正吐出量に、図9の(B)に示す機体状態の危険度による補正係数を乗算して、油圧ポンプ1の補正吐出量を修正し、この修正された補正吐出量に、油圧ポンプ1の吐出量を制御する。
ここで、機体状態の危険度は、ブーム25が高く上がる程、機体12の危険度が上がると考えられるから、ブーム25の高さに対応するブーム回転角センサ51で検出した回転角により定義している。尤も、機体状態の危険度を、ブーム回転角センサ51の出力に加えて、アーム回転角センサ52の出力を用いて、あるいは、アーム回転角センサ52およびバケット回転角センサ53の出力を用いて、作業機40の高さによって、定義してもよい。しかし、ブーム25の回転角が機体状態の危険度の主たる要因なので、この第2実施形態では、ブーム25の回転角で定義している。
そして、図9の(B)に示すような機体状態の危険度と補正係数との関係を示すグラフを図示しないメモリに予め記憶している。そして、図9の(A)に示す旋回体23の傾斜角およびブーム25の向きによって補正された補正後の出力値つまり補正吐出量と、図9の(B)に示された補正係数とを乗算して、油圧ポンプ1の修正後の補正吐出量を算出する。そして、ブーム25の操作中はブーム25の回転角度に合わせて、遂次、補正係数が変化するから、油圧ポンプ1の修正後の補正吐出量は逐次変化する。
このように、コントローラ70は、旋回体23の傾斜角およびブーム25の向きによって補正された補正吐出量を、ブーム25の回転角度に応じて変化する補正係数によって、逐次、修正し、この修正後の補正吐出量に、油圧ポンプ1の吐出量を制御するので、より適切に、油圧ポンプ1の吐出量を低減して、より適切にブーム25,油圧モ−タ2等のアクチュエータの速度を低減して、機体の転倒をより確実に抑制でき、かつ、オペレータの疲労度をより一層低減することができる。
上記第1、第2実施形態では、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量の補正を、図5の破線の折れ線に示すようにしているが、この補正は、折れ線に限らず、図示しない直線や湾曲した曲線に沿って補正するようにしてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、リモコンとして、パイロット油圧信号と電気信号を出力する操作用リモコン弁5を用いたが、電気信号のみを出力するリモコンを用いてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、コントロールバルブ3は、メータイン通路32、メータアウト通路33およびブリードオフ通路31を有する単一の弁であったが、コントロールバルブは、夫々がメータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路に対応する複数の弁からなる複合弁であってもよい。また、コントロールバルブは、メータイン通路とメータアウト通路とを有し、ブリードオフ通路を有さないコントロールバルブであってもよい。
上記第1、第2実施形態では、建設機械は油圧ショベルであったが、この発明は、油圧ショベルに限らず、クレーン等のような建設機械にも適用可能である。例えば、トラッククレーン等のように、ブームとアームを有して、旋回台を有さない建設機械であってもよい。
上記第1、第2実施形態および変形例で述べた構成要素は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよいのは、勿論である。
1 油圧ポンプ
2 油圧モータ
3 コントロールバルブ
5 操作用リモコン弁
70 コントローラ
8 ジャイロセンサ
11 走行装置
12 機体
23 旋回台
25 ブーム
26 アーム
27 バケット
31 ブリードオフ通路
32 メータイン通路
33 メータアウト通路
41,42,43 油圧シリンダ
40 作業機
51 ブーム回転角センサ
52 アーム回転角センサ
53 バケット回転角センサ

Claims (3)

  1. 走行装置(11)と、
    この走行装置(11)に設けられた機体(12)と、
    上記機体(12)上に設けられたブーム(25)と、
    上記機体(12)の姿勢を検知するジャイロセンサ(8)と、
    油圧ポンプ(1)と、
    少なくとも上記ブーム(25)を駆動するアクチュエータ(2、41)と、
    上記油圧ポンプ(1)から上記アクチュエータ(2,41)に供給する油を制御するコントロールバルブ(3)と、
    上記油圧ポンプ(1)および上記コントロールバルブ(3)のための操作量信号を出力するリモコン(5)と、
    上記操作量信号と、上記ジャイロセンサ(8)からの出力とに基づいて、上記機体(12)の姿勢に応じて、上記機体(12)が転倒し難いように上記油圧ポンプ(1)の吐出量を減少するように補正制御するコントローラ(70)と
    を備え
    上記コントローラ(70)は、上記リモコン(5)からの上記操作量信号に基づいて、上記ブーム(25)が、上記機体(12)が転倒する方向に作動するときに、上記油圧ポンプ(1)の吐出量が減少するように補正制御し、
    上記機体(12)は、旋回台(23)を含み、
    上記アクチュエータ(2、41)は、上記旋回台(23)を旋回させる油圧モ−タ(2)を含み、
    上記ジャイロセンサ(8)は上記旋回台(23)に設けられており、
    上記コントローラ(70)は、上記旋回台(23)の傾斜角および上記ブーム(25)の平面視での向きを表す上記ジャイロセンサ(8)の出力に基づいて、上記機体(12)が転倒し難いように上記油圧ポンプ(1)の吐出量を減少するように補正制御し、
    上記ブーム(25)の回転角を検出するブーム回転角センサ(51)を備え、
    上記旋回台(23)の傾斜角および上記ブーム(25)の平面視での向きを表す上記ジャイロセンサ(8)の出力に基づいて、補正制御された上記油圧ポンプ(1)の吐出量を、上記ブーム(25)の回転角に基づく機体状態の危険度に対して定められた補正係数でさらに補正することを特徴とする建設機械。
  2. 請求項1に記載の建設機械において、
    上記コントロールバルブ(3)は、メータイン通路(32)、メータアウト通路(33)およびブリードオフ通路(31)を含むことを特徴とする建設機械。
  3. 請求項1または2に記載の建設機械において、
    上記リモコン(5)は、リモコン弁(5)であることを特徴とする建設機械。
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