JP5834736B2 - 加熱炉の制御方法および加熱炉の制御装置 - Google Patents

加熱炉の制御方法および加熱炉の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、スラブを連続的に加熱する加熱炉の制御方法および制御装置に関する。
製鉄所で鋼板を熱間加工する際、素材であるスラブを熱間加工を実施する温度へ加熱するために加熱炉が一般に用いられている。この加熱炉は、予熱帯、加熱帯、および均熱帯など複数の炉帯を有し、その各炉帯に複数のスラブを連続的に装入することにより、スラブを目標温度に加熱する。その際、連続的に装入されたすべてのスラブを正確に目標温度へ加熱するために、加熱炉の燃焼状態を制御する様々な方法が採られている。
例えば、特許文献1には、加熱炉内における加熱中のスラブの平均温度を求めて、スラブが最終的に目標温度に加熱されるように加熱炉の炉温を制御する技術が記載されている。また、特許文献2には、明らかに目標温度に到達できない場合、スラブを抽出するピッチに追加時間を設けて加熱時間を延長する技術が記載されている。
特開平5−279754号公報 特開平8−246057号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の技術のように、目標温度と予測されるスラブの抽出温度との差を利用して加熱炉の制御をしても、正確にスラブを目標温度に加熱することが出来ないことも多い。スラブの抽出温度が変動する最も大きい要因は、加熱処理の次工程である圧延工程の不順に起因するからである。
例えば、圧延工程に停滞が発生した場合、目標温度に加熱されたスラブであっても、加熱炉から抽出できないために、目標温度以上に加熱されてしまう。さらに、圧延工程の停滞が解消された場合であっても、すでに加熱炉内に装入されているスラブが過加熱されないようにスラブの抽出ピッチを狭めると、逆に後続して装入されるスラブの在炉時間が短縮されてしまうので、結果的に目標温度にまで加熱されないスラブが発生する。このように、圧延工程の不順は、加熱処理に対する大きな外乱となっている。
以上のような理由から、特許文献1および特許文献2に記載の技術により加熱炉の制御をしても、スラブの温度の予測計算の負荷が膨大になるにもかかわらず、圧延工程の不順という予測不可能な事象によって予測計算の効果が失われるという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、外乱により加熱炉からスラブを抽出するピッチに変動が生じた場合でも、正確にスラブを目標温度へ加熱することができる加熱炉の制御方法および制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る加熱炉の制御方法は、被加熱体の搬送方法に沿って予熱帯、加熱帯、および均熱帯に区分けされた加熱炉の制御方法であって、前記加熱炉から抽出された前記被加熱体の前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間を算出する在炉時間算出ステップと、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間と、前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間とに基づいて前記加熱炉の炉温を変更する制御ステップとを含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る加熱炉の制御装置は、被加熱体の搬送方法に沿って予熱帯、加熱帯、および均熱帯に区分けされた加熱炉の制御装置であって、前記加熱炉から抽出された前記被加熱体の前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間を算出する在炉時間算出手段と、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間と、前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間とに基づいて前記加熱炉の炉温を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る加熱炉の制御方法および制御装置によれば、外乱により加熱炉からスラブを抽出するピッチに変動が生じた場合でも、正確にスラブを目標温度へ加熱することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を適用する加熱炉の構成例を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御装置の機能を示すブロック図である。 図3は、加熱炉におけるスラブの搬送ピッチの履歴の例を示す表である。 図4は、加熱炉におけるスラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を平面に投影したグラフである。 図5は、スラブの炉内搬送履歴についての場合分けをし、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を平面に投影したグラフである。 図6は、加熱炉の制御装置が行う基本制御を示すフローチャートである。 図7は、領域判定の処理を説明するフローチャートである。 図8は、炉温変更の処理を説明するフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を適用した場合の効果を示すスラブの加熱温度の表である。
以下に、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法および制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。
〔装置構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を適用する加熱炉の構成例を示す模式図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を適用する加熱炉1は、スラブSの搬送方向に沿って順に配列された予熱帯2,加熱帯3,および均熱帯4に区分けされた炉帯を備える。予熱帯2にはバーナー5a,5bが設けられ、加熱帯3にはバーナー5c,5dが設けられ、均熱帯4にはバーナー5e,5fが設けられており、各バーナーに供給される燃料を独立に制御することにより、各炉帯が設定温度に加熱される構成である。なお、図1に示されるバーナー5a〜5fの配置は、軸流配置であるが、本発明の実施は、この配置に限定されず、サイドバーナー配置やルーフバーナー配置などの加熱炉1に対しても適用し得る。
上記構成の加熱炉1において、スラブSは、予熱帯2の入側に連続的に装入され、予熱帯2,加熱帯3,および均熱帯4にて順に所定の温度に加熱された後、均熱帯4の出側から抽出される。
図2は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を実施する加熱炉の制御装置の構機能を示すブロック図である。
図2に示されるように、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を実施する加熱炉1の制御装置6は、加熱炉1からスラブの炉内搬送履歴を取得し、加熱炉1の炉温を変更する制御を行う。具体的な炉内搬送履歴の取得方法としては、加熱炉1が備えるスラブの搬送手段の駆動履歴からスラブの炉内搬送履歴を取得する方法、または制御装置6が加熱炉1の搬送手段へ送信する制御信号のカウンタ履歴を参照する方法などが考えられる。また、加熱炉1の炉温を変更する制御は、加熱炉1が備えるバーナー5a〜5fに供給される燃料を制御することにより行われる。
制御装置6は、内部に履歴記憶部61と演算部62とを備える。履歴記憶部61は、加熱炉1におけるスラブの炉内搬送履歴を記憶する記憶手段である。演算部62は、均熱帯在炉時間算出手段621と加熱滞在炉時間算出手段622と領域判定手段623とを有し、履歴記憶部61に記憶されているスラブの炉内搬送履歴を参照して、加熱炉1の炉温変更のための演算を行う。
制御装置6は、出力装置7および入力装置8をさらに備える。出力装置7は、均熱帯在炉時間算出手段621および加熱滞在炉時間算出手段622が算出した均熱帯在炉時間および加熱滞在炉時間を画面出力するモニターである。入力装置8は、出力装置7に表示される均熱帯在炉時間および加熱滞在炉時間に基づいて、オペレータが加熱炉1の炉温変更するためのパラメータを入力する入力手段である。
〔炉内搬送履歴〕
図3は、加熱炉1におけるスラブの炉内搬送履歴のデータ例を示す表である。図3に例示されるスラブの炉内搬送履歴T1が、制御装置6の履歴記憶部61に記憶されている。
図3に示される炉内搬送履歴T1の例では、予熱帯2,加熱帯3,および均熱帯4の各炉帯にスラブを5本ずつ収納できる加熱炉1において、標準の抽出ピッチが10分間である操業を行った際の炉内搬送履歴である。図3に示される炉内搬送履歴T1の表は、予熱帯2,加熱帯3,および均熱帯4の各炉帯が、それぞれが、5個のセグメントに細分され、各セグメントのスラブが同一のピッチで次のセグメントへ搬送されていることを示している。なお、この炉内搬送履歴T1の例では、各セグメントにおける搬送ピッチも10分間なので、予熱帯2,加熱帯3,および均熱帯4の各炉帯におけるスラブの在炉時間は、標準で50分間となる。
〔在炉時間算出〕
先述の制御装置6の演算部62は、図3に例示されるような炉内搬送履歴T1を参照して、均熱帯在炉時間および加熱滞在炉時間を算出する。そこで、図3に示される炉内搬送履歴T1の例を用いて、均熱帯在炉時間および加熱滞在炉時間を算出について説明する。
図3に示される炉内搬送履歴T1の例にて、抽出スラブNo.1のスラブは、抽出ピッチが10分間で抽出されている。抽出ピッチとは、抽出スラブNo.0のスラブが抽出されてから抽出スラブNo.1のスラブが抽出されるまでの間隔であるので、抽出スラブNo.1のスラブは、均熱帯の抽出側直前のセグメントに10分間滞在したことになる。さらに、均熱帯の抽出側から2番目のセグメントに抽出スラブNo.1のスラブが滞在した時間は、抽出スラブNo.0の抽出ピッチと同一であるので、10分間となる。同様に、均熱帯の抽出側から3番目のセグメントに抽出スラブNo.1のスラブが滞在した時間は、抽出スラブNo.−1の抽出ピッチと同一であるので、11分間となる。
このように、抽出スラブNo.1のスラブの炉内搬送履歴は、図3に示される炉内搬送履歴T1の例において、セルを右斜め上に読み上げていくことで復元される(図3中の網目のセル参照)。つまり、演算部62の均熱帯在炉時間算出手段621は、均熱帯に対応するセルの数値を足し合わせることによって、抽出スラブNo.1が均熱帯に在炉していた時間が50分間(=10+10+11+9+10)であると算出することができる。同様に、演算部62の加熱帯在炉時間算出手段622は、加熱帯に対応するセルの数値を足し合わせることによって、抽出スラブNo.1が加熱帯に在炉していた時間が51分間(=11+10+11+9+10)であると算出することができる。
以上例示したように、演算部62の均熱帯在炉時間算出手段621および加熱帯在炉時間算出手段622は、各抽出スラブについて均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を算出する。図3における右表T2は、上記のように算出された各抽出スラブについての均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間である。
図4は、図3の右表T2の均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を平面に投影したグラフである。図4において、横軸は均熱帯在炉時間を示し、縦軸は加熱帯在炉時間を示している。図4から、先行するスラブに発生した遅延が後続するスラブに伝播し、後続するスラブの多くが標準の在炉時間から乖離してしまう様子が解る。
〔在炉時間の推移〕
ここで、図4を参照しながら、図3に示されるスラブの炉内搬送履歴の例をより詳細に検討する。
先述のように、抽出スラブNo.1のスラブは、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間がそれぞれ50分間および51分間であり、標準の在炉時間とほぼ等しい。したがって、図4のグラフにおいて、抽出スラブNo.1のスラブは、ほぼ中央の位置にプロットされている。また、抽出スラブNo.2のスラブも、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間がそれぞれ50分間および51分間であり、図4のグラフにおいてほぼ中央の位置にプロットされている。
ところが、抽出スラブNo.3のスラブは、抽出ピッチが12分間となり、結果、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間がそれぞれ53分間および51分間となり、均熱帯在炉時間が少し増加している。したがって、図4のグラフにおいて、抽出スラブNo.3のスラブは、抽出スラブNo.1およびNo.2の位置より横軸正方向にずれた位置にプロットされている。
この抽出スラブNo.3のスラブにおける抽出ピッチの遅延は、その後の抽出スラブNo.7のスラブにまで、抽出ピッチの遅延を発生させている。図4のグラフによれば、この抽出ピッチの遅延は、最初に均熱帯在炉時間の増加に影響し、その後に加熱帯在炉時間の増加に影響していることが解る。つまり、抽出スラブNo.3のスラブから抽出スラブNo.7のスラブまでは、横軸正方向にプロット位置が変化し、抽出スラブNo.8から抽出スラブNo.12までは、均熱帯在炉時間の超過量は減少する一方で、加熱帯在炉時間は増加している。
その後、図4のグラフによれば、抽出スラブNo.12から抽出スラブNo.18まで、均熱帯在炉時間は増加し、かつ、加熱帯在炉時間は減少している。さらに、抽出スラブNo.18から抽出スラブNo.27まで、均熱帯在炉時間は減少し、かつ、加熱帯在炉時間は増加するなど、抽出スラブNo.3のスラブにおける抽出ピッチの遅延が、その後多くのスラブに対して影響を与えるということが解る。
〔制御方法〕
以上の考察から、先行するスラブにおける標準在炉時間からの乖離が後続するスラブに影響を与えることが解る。そこで、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法では、制御装置6が、抽出されたスラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間に応じて場合分けをして、この場合分けに応じて加熱炉1の温度設定を変更する。このスラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間に応じた場合分けについて、以下に説明する。図5は、図3に例示したスラブの炉内搬送履歴について下記の場合分けを適用し、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を平面に投影したグラフである。
(O)均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間と標準の在炉時間との差が6分間以内である領域を領域Oとする。
(A)均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が共に標準の在炉時間よりも長い領域を領域Aとする。
(B)均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも短く、加熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長い領域を領域Bとする。
(C)均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が共に標準の在炉時間よりも短い領域を領域Cとする。
(D)均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長く、加熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも短い領域を領域Dとする。
以上の場合分けの下に、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法では、以下のように制御装置6が加熱炉1の炉温を変更する。なお、制御装置6が加熱炉1の炉温を変更する方法は、先述のように、加熱炉1のバーナー5a〜5fに供給される燃料を制御することによって行うことができる。
(O)抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Oに属する場合、加熱炉1全体の炉温を標準加熱の炉温に設定する。
(A)抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Aに属する場合、均熱帯4および加熱帯3の炉温を標準加熱の炉温よりも低く設定する。すなわち、制御装置6は、加熱炉1のバーナー5a〜5fのうち、均熱帯4および加熱帯3のバーナー5c〜5fに供給される燃料を減少させる制御を行う。
(B)抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Bに属する場合、均熱帯4の炉温を標準加熱の炉温よりも高く設定し、加熱帯3の炉温を標準加熱の炉温よりも低く設定する。すなわち、制御装置6は、加熱炉1のバーナー5a〜5fのうち、均熱帯4のバーナー5e,5fに供給される燃料を増加させ、加熱帯3のバーナー5c,5dに供給される燃料を減少させる制御を行う。
(C)抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域に属する場合、均熱帯4および加熱帯3の炉温を標準加熱の炉温よりも高く設定する。すなわち、制御装置6は、加熱炉1のバーナー5a〜5fのうち、均熱帯4および加熱帯3のバーナー5c〜5fに供給される燃料を増加させる制御を行う。
(D)抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Dに属する場合、均熱帯4の炉温を標準加熱の炉温よりも低く設定し、加熱帯3の炉温を標準加熱の炉温よりも高く設定する。すなわち、制御装置6は、加熱炉1のバーナー5a〜5fのうち、均熱帯4のバーナー5e,5fに供給される燃料を減少させ、加熱帯3のバーナー5c,5dに供給される燃料を増加させる制御を行う。
上記の制御において、加熱炉1の各帯の炉温の変更量は、数値計算や加熱温度の実績の良好なものを採用することができる。例えば、制御装置6の演算部62が炉温の変更量を算出する方式が考えられ、または、オペレータが入力装置により炉温の変更量を入力する方式も考えられる。
(B’)なお、抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Bに属する場合、均熱帯在炉時間が標準在炉時間よりく、加熱帯在炉時間が標準在炉時間よりいので、両者の在炉時間の長短に相殺する部分がある。そして、標準の在炉時間(図4のグラフ中の原点)に関して比較的線形に在炉時間が推移する。
したがって、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間と標準在炉時間との差に応じて加熱炉1の炉温を変更する変更量を決定することも可能である。
(D’)同様に、抽出されたスラブの炉内搬送履歴における均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Dに属する場合も、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間と標準在炉時間との差に応じて加熱炉1の炉温を変更する変更量を決定することも可能である。
さらに、スラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間の推移の傾向が解る場合、この推移の傾向を加熱炉1の炉温の変更量に反映することで、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法をより高精度に実施することができる。例えば、図5における矢印(1)に示されるように、抽出スラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間の推移の傾向が標準在炉時間(図中の原点)から遠ざかる傾向であれば、加熱炉1の炉温の変更量を大きくすることが好ましい。反対に、例えば、図5における矢印(2)に示されるように、抽出スラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間の推移の傾向が標準在炉時間(図中の原点)に近づく傾向であれば、加熱炉1の炉温の変更量を小さくすることが好ましい。
〔制御フロー〕
以下、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法において、制御装置6が行う制御フローについて説明する。すなわち、上記説明した制御方法を制御装置6が実施するための処理の例を説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法において、制御装置6が行う基本制御を示すフローチャートである。図6に示されるように、制御装置6が行う基本制御を示すフローチャートは、加熱炉1におけるスラブの炉内搬送履歴を取得することから始まる(ステップS1)。
次に、制御装置6の演算部62は、加熱炉1におけるスラブの炉内搬送履歴に基づいて、スラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間を算出する(ステップS2)。そして、算出されたスラブの均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間に基づいて、制御装置6の演算部62は、領域判定を行い(ステップS3)、この領域判定に基づいて加熱炉1の炉温を変更する(ステップS4)。
図7および図8は、それぞれ上記領域判定および炉温変更の処理を説明するフローチャートである。図7に示されるように、領域判定の処理は、加熱帯在炉時間および均熱帯在炉時間が標準の在炉時間から所定の範囲内(例えば6分間以内)である場合(ステップS31;Yes)、加熱帯在炉時間および均熱帯在炉時間の誤差が許容範囲内であるとして、領域Oと判定する(ステップS35)。
加熱帯在炉時間および均熱帯在炉時間が標準の在炉時間から所定の範囲内でない場合(ステップS31;No)、さらに加熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長いかまたは短いかを判別し(ステップS32)、加熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長い場合(ステップS32;長い)、ステップS33へ進み、加熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも短い場合(ステップS32;短い)、ステップS34へ進む。
ステップS33では、さらに均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長いかまたは短いかを判別し(ステップS33)、均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長い場合(ステップS33;長い)、領域Aであると判定し(ステップS36)、均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも短い場合(ステップS33;短い)、領域Bであると判定する(ステップS37)。一方、ステップS34では、さらに均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長いかまたは短いかを判別し(ステップS34)、均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも短い場合(ステップS34;短い)、領域Cであると判定し(ステップS38)、均熱帯在炉時間が標準の在炉時間よりも長い場合(ステップS34;長い)、領域Dであると判定する(ステップS39)。
図8は、炉温変更の処理を説明するフローチャートである。図8に示されるように、上記領域判定処理で判定された領域O、領域A、領域B、領域C、および領域Dに基づいて、制御装置6が加熱炉1の炉温を変更する。
具体的には、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Oに属する場合(ステップS41;Yes)、制御装置6は加熱炉1の炉温を変更せずに炉温変更の処理を終了する。均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Oに属さない場合(ステップS41;No)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Aに属するか否かを判断し(ステップS42)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Aに属する場合(ステップS42;Yes)、制御装置6は加熱炉1の加熱帯3および均熱帯4の炉温をく変更する(ステップS43)。
均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Aに属さない場合(ステップS42;No)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Bに属するか否かを判断し(ステップS44)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Bに属する場合(ステップS44;Yes)、制御装置6は加熱炉1の加熱帯3の炉温を低く変更し、均熱帯4の炉温を高く変更する(ステップS45)。
均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Bに属さない場合(ステップS44;No)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Cに属するか否かを判断し(ステップS46)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Cに属する場合(ステップS43;Yes)、制御装置6は加熱炉1の加熱帯3および均熱帯4の炉温をく変更する(ステップS47)。一方、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Cに属さない場合(ステップS46;No)、均熱帯在炉時間および加熱帯在炉時間が領域Dに属することになるので、制御装置6は加熱炉1の加熱帯3の炉温を高く変更し、均熱帯4の炉温を低く変更する(ステップS48)。
〔検証例〕
図9は、図3に示されたスラブの炉内搬送履歴に対して、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法を適用した場合の効果を示すスラブの加熱温度の表である。図9に示された表は、上記領域分けに従い、従来の制御方法に従う指示炉温(均熱帯および加熱帯)およびその指示炉温によるスラブの抽出予測温度、並びに、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法による加熱炉の炉温の補正温度(均熱帯および加熱帯)およびその炉温によるスラブの抽出実績温度を示している。
図9に示されるように、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法によれば、従来の制御方法による抽出予測温度よりも、抽出スラブの実績温度の精度が向上することが解る。
以上より、本発明の実施形態に係る加熱炉の制御方法は、予熱帯2、加熱帯3、および均熱帯4に区分けされた加熱炉1の制御方法であって、加熱炉1から抽出されたスラブの加熱帯3および加熱帯4における在炉時間を算出する在炉時間算出ステップと、加熱帯3および均熱帯4における在炉時間と、加熱帯3および均熱帯4における標準の在炉時間と、に基づいて加熱炉1の炉温を変更する制御ステップとを含むので、外乱により加熱炉1からスラブを抽出するピッチに変動が生じた場合でも、正確にスラブを目標温度に加熱することができる。
以上より、予熱帯2、加熱帯3、および均熱帯4に区分けされた加熱炉1の制御装置であって、加熱炉1から抽出されたスラブの加熱帯3および均熱帯4における在炉時間を算出する加熱帯在炉時間算出手段622および均熱帯在炉時間算出手段621と、加熱帯3および均熱帯4における在炉時間と、加熱帯3および均熱帯4における標準の在炉時間と、に基づいて加熱炉1の炉温を変更する演算部62とを備えるので、外乱により加熱炉1からスラブを抽出するピッチに変動が生じた場合でも、正確にスラブを目標温度に加熱することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
1 加熱炉
2 予熱帯
3 加熱帯
4 均熱帯
5a,5b,5c,5d,5e,5f バーナー
6 制御装置
61 履歴記憶部
62 演算部
621 均熱帯在炉時間算出手段
622 加熱帯在炉時間算出手段
623 領域判定手段
7 出力装置
8 入力装置

Claims (8)

  1. 被加熱体の搬送方向に沿って予熱帯、加熱帯、および均熱帯に区分けされた加熱炉の制御方法であって、
    前記加熱炉から抽出された前記被加熱体の前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間を算出する在炉時間算出ステップと、
    前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間と、前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間と、に基づいて、前記加熱帯および前記均熱帯の炉温を制御する制御ステップと、を含み、
    前記制御ステップは、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間の推移が前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間から遠ざかる傾向の場合は前記加熱帯および前記均熱帯の炉温の変更量を大きくし、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間の推移が前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間に近づく傾向の場合は前記加熱帯および前記均熱帯の炉温の変更量を小さくすることを特徴とする加熱炉の制御方法。
  2. 前記制御ステップは、前記加熱帯の在炉時間および前記均熱帯の在炉時間が共に標準の在炉時間よりも長い場合、前記加熱帯および前記均熱帯の炉温を標準の炉温よりも低く変更することを特徴とする請求項に記載の加熱炉の制御方法。
  3. 前記制御ステップは、前記加熱帯の在炉時間および前記均熱帯の在炉時間が共に標準の在炉時間よりも短い場合、前記加熱帯および前記均熱帯の炉温を標準の炉温よりも高く変更することを特徴とする請求項又はに記載の加熱炉の制御方法。
  4. 前記制御ステップは、前記加熱帯の在炉時間が標準の在炉時間よりも長く、前記均熱帯の在炉時間が標準の在炉時間よりも短い場合、前記加熱帯の炉温を標準の炉温よりも低く、かつ、前記均熱帯の炉温を標準の炉温よりも高く変更することを特徴とする請求項の何れか1項に記載の加熱炉の制御方法。
  5. 前記制御ステップは、前記加熱帯の在炉時間が標準の在炉時間よりも短く、前記均熱帯の在炉時間が標準の在炉時間よりも長い場合、前記加熱炉の炉温を標準の炉温よりも高く、かつ、前記加熱帯の炉温を標準の炉温よりも低く変更することを特徴とする請求項の何れか1項に記載の加熱炉の制御方法。
  6. 前記制御ステップは、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間と前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間との差に応じて、前記加熱炉の炉温の変更量を決定することを特徴とする請求項又はに記載の加熱炉の制御方法。
  7. 前記在炉時間算出ステップが算出した前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間を、オペレータが目視し得るように画像モニタへ2次元投影する表示ステップと、
    前記表示ステップによる表示に基づく、オペレータによる前記制御ステップの炉温の変更量入力を受け付ける変更量入力ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の加熱炉の制御方法。
  8. 被加熱体の搬送方法に沿って予熱帯、加熱帯、および均熱帯に区分けされた加熱炉の制御装置であって、
    前記加熱炉から抽出された前記被加熱体の前記均熱帯および前記加熱帯においる在炉時間を算出する在炉時間算出手段と、
    前記均熱帯および前記加熱帯における在炉時間と、前記均熱帯および前記加熱帯における標準の在炉時間と、に基づいて、前記加熱帯および前記均熱帯の炉温を制御する制御手段と、を備え
    前記制御部は、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間の推移が前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間から遠ざかる傾向の場合は前記加熱帯および前記均熱帯の炉温の変更量を大きくし、前記加熱帯および前記均熱帯における在炉時間の推移が前記加熱帯および前記均熱帯における標準の在炉時間に近づく傾向の場合は前記加熱帯および前記均熱帯の炉温の変更量を小さくすることを特徴とする加熱炉の制御装置。
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