JP5834476B2 - プレス成形金型、及び、金型によるかじり検知方法 - Google Patents
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Description
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
まず始めに、第一実施形態に係るプレス成形金型を備えたプレス成形装置10の概略について、図1(a)及び(b)を用いて説明する。
図1(a)及び(b)に示す如く、プレス成形装置10は上下に対向して配設されたポンチ21とダイ12とを備える。ポンチ21は上方に突出した状態で床面に配置されている。ダイ12はプレス機11に配設されており、プレス機11は例えば油圧機構等で構成される図示しないスライド機構によって上下に昇降可能に構成されている。換言すれば、ダイ12は昇降可能なプレス機11に配設されることにより、ポンチ21に対して近接離間可能に構成されているのである。
次に、第一実施形態に係るプレス成形金型の構成について、図2(a)から(c)を用いて説明する。なお、図2(a)は図1(b)におけるプレス成形装置10の成形部分αの拡大図であり、プレス機11は省略して記載している。
また、鋼板12a・12a・・・においては、溝部12b・12b・・・に沿って、ひずみゲージ13・13・・・と計測器15とを接続するリード線が収容されるのである。そして、前記の如く鋼板12a・12a・・・を前後方向に積層した際に、隣接する鋼板12a・12a・・・に配設されたひずみゲージ13・13・・・やリード線が相互に干渉しないように構成されている。
換言すれば、本実施形態に係るプレス成形金型は、ワーク成形面の加工面圧が微小部位で上昇した場合であっても、当該部位の加工面圧を正確に測定することができ、プレス成形金型において生じるかじりを検知することができるのである。
さらに、本実施形態に係るプレス成形金型においては、ダイ12において複数の鋼板12a・12a・・・が積層される構成としたが、ポンチ21を鋼板の積層構造とすることも可能である。
次に、第二実施形態に係るプレス成形金型の構成について、図3(b)を用いて説明する。本実施形態以降で説明するプレス成形金型については、既出のプレス成形金型と同じ構成については詳細な説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。また、本明細書に記載した各実施形態におけるプレス成形金型の構成を、2以上組み合わせてプレス成形金型を構成することも可能である。
換言すれば、本実施形態に係るプレス成形金型においても、ワーク成形面の摩擦係数が微小部位で上昇した場合であっても、当該部位の加工面圧の上昇に伴う摩擦係数の変動を正確に測定することができ、プレス成形金型において生じるかじりを検知することができるのである。
次に、第三実施形態に係るプレス成形金型の構成について、図4(a)を用いて説明する。本実施形態に係るプレス成形金型においては、図4(a)に示す如く、前後方向に積層される各鋼板212a・212a・・・の間に、樹脂等で形成された絶縁体216・216・・・を介装してダイ212が構成されている。また、隣接する鋼板212a・212aに対して絶縁体216・216により絶縁される各鋼板212a、及びワークWに接続された電圧計217を具備する温度測定手段を前記かじり検知手段として備えている。なお、図4(a)では、一つの鋼板212aに接続された一個の電圧計217のみを図示し、他の鋼板212aに接続された電圧計は図示を省略している。
具体的には、温度測定手段により、プレス加工時における鋼板212aとワークWとを熱電対として熱起電力を測定し、この熱起電力と温度との関係値から、プレス加工時の、前記電圧計217が接続された鋼板212aにおける前記ワークの成形面と接する周縁部の温度を測定するのである。
換言すれば、本実施形態に係るプレス成形金型は、ワーク成形面の加工面圧が微小部位で上昇した場合であっても、当該部位の加工面圧の上昇に伴う温度上昇を正確に測定することができ、プレス成形金型において生じるかじりを検知することができるのである。
11 プレス機
12 ダイ
12a 鋼板
13 ひずみゲージ
21 ポンチ
W ワーク
Claims (4)
- 板状の素材をポンチとダイとによりプレス加工してワークを成形するプレス成形金型であって、
前記ポンチとダイとのうち少なくとも一方は、複数の鋼板が、該鋼板のうち少なくとも一つの周縁部において、プレス加工時に前記ワークの成形面と接するように積層されて形成された積層部を備え、
前記鋼板のうち少なくとも一つには、プレス加工時における所定の方向のひずみを検知する第一ひずみゲージと、該第一ひずみゲージが検知するひずみの方向と直交する方向のひずみを検知する第二ひずみゲージと、を具備する摩擦係数測定手段が配設され、
前記摩擦係数測定手段が、前記第一ひずみゲージによる該第一ひずみゲージが配設された鋼板のひずみ量の検出値と、前記第二ひずみゲージによる該第二ひずみゲージが配設された鋼板のひずみ量の検出値と、前記第一ひずみゲージ及び第二ひずみゲージが配設された鋼板の縦弾性係数と、から、プレス加工時の、前記第一ひずみゲージ及び第二ひずみゲージが配設された鋼板における前記ワークの成形面と接する周縁部の摩擦係数を測定することにより、プレス加工時における前記ワークの成形面に生じるかじりを検知する、
ことを特徴とする、プレス成形金型。 - 板状の素材をポンチとダイとによりプレス加工してワークを成形するプレス成形金型であって、
前記ポンチとダイとのうち少なくとも一方は、複数の鋼板が、該鋼板のうち少なくとも一つの周縁部において、プレス加工時に前記ワークの成形面と接するように積層されて形成された積層部を備え、
隣接する鋼板に対して絶縁された鋼板及び前記ワークに接続された電圧計を具備する温度測定手段を備え、
温度測定手段は、前記電圧計で前記鋼板と前記ワークとの間に生じる熱起電力を測定し、該熱起電力に基づいて、プレス加工時の、前記電圧計が接続された鋼板における前記ワークの成形面と接する周縁部の温度を測定することにより、プレス加工時における前記ワークの成形面に生じるかじりを検知する、
ことを特徴とする、プレス成形金型。 - 板状の素材をポンチとダイとによりプレス加工してワークを成形するプレス成形金型によるかじり検知方法であって、
前記ポンチとダイとのうち少なくとも一方に、複数の鋼板を該鋼板のうち少なくとも一つの周縁部において、プレス加工時に前記ワークの成形面と接するように積層した積層部を形成し、
前記鋼板のうち少なくとも一つに、所定の方向のひずみを検知する第一ひずみゲージと、該第一ひずみゲージが検知するひずみの方向と直交する方向のひずみを検知する第二ひずみゲージと、を具備する摩擦係数測定手段を配設し、
前記第一ひずみゲージによる該第一ひずみゲージが配設された鋼板のひずみ量の検出値と、前記第二ひずみゲージによる該第二ひずみゲージが配設された鋼板のひずみ量の検出値と、前記第一ひずみゲージ及び第二ひずみゲージが配設された鋼板の縦弾性係数と、から、プレス加工時の、前記第一ひずみゲージ及び第二ひずみゲージが配設された鋼板における前記ワークの成形面と接する周縁部の摩擦係数を測定することにより、プレス加工時における前記ワークの成形面に生じるかじりを検知する、
ことを特徴とする、金型によるかじり検知方法。 - 板状の素材をポンチとダイとによりプレス加工してワークを成形するプレス成形金型によるかじり検知方法であって、
前記ポンチとダイとのうち少なくとも一方に、複数の鋼板を該鋼板のうち少なくとも一つの周縁部において、プレス加工時に前記ワークの成形面と接するように積層した積層部を形成し、
隣接する鋼板に対して絶縁された鋼板及び前記ワークに接続された電圧計を具備する温度測定手段を配設し、
前記電圧計で前記鋼板と前記ワークとの間に生じる熱起電力を測定し、該熱起電力に基づいて、プレス加工時の、前記電圧計が接続された鋼板における前記ワークの成形面と接する周縁部の温度を測定することにより、前記鋼板のうち少なくとも一つにおいて、プレス加工時における前記ワークの成形面に生じるかじりを検知する、
ことを特徴とする、金型によるかじり検知方法。
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