JP5834249B2 - 人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法 - Google Patents

人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法に関するものである。
コンビニエンスストアなどの店舗においては、店舗内を撮影するカメラを設置して、そのカメラの映像で店舗内の人物を監視する監視システムが広く普及しているが、このカメラの映像を利用して、店舗内での人物の移動状況を把握することができるようにすると、この人物の移動状況に基づいて、店舗内での商品の陳列方法の改善策などを考えることで、店舗の売上や利益の向上を図ることができる。
このような店舗内での顧客の移動状況の分析に関連するものとして、従来、監視エリアを撮影するカメラの映像上に検出ラインを設定して、その検出ラインを横切る人物をカウントする技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、所定の画角を有するカメラ、いわゆるボックスカメラで監視エリアを斜めから撮像した映像の場合に、誤カウントが発生する問題に対して、人物の移動方向を考慮してカウントを行うことで、計測精度を高めるようにしている。
特開2005−148863号公報
しかしながら、前記従来の技術では、検出ラインを通過する人物の人数を精度よく計測することができるが、検出ラインを横切る人物の人数だけでは、店舗内での顧客の移動状況、特に通路が交差する交差点などの要所での顧客の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができるように構成された人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法を提供することにある。
本発明の人物移動分析装置は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析装置であって、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
また、本発明の人物移動分析システムは、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析システムであって、前記監視エリアを撮影するカメラと、複数の情報処理装置と、を有し、前記複数の情報処理装置のいずれかが、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
また、本発明の人物移動分析方法は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する処理を情報処理装置に行わせる人物移動分析方法であって、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する第1のステップと、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する第2のステップと、この第2のステップにより取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する第3のステップと、この第3のステップでの検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する第4のステップと、を有し、前記第1のステップにて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
本発明によれば、計測エリアに対する移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターン別に人物の移動状況を表す出力情報が出力されるため、店舗などの監視エリア内の要所、例えば通路の交差点などに計測エリアを設定することで、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる。とりわけ、ユーザは計測エリアでの移動元や移動先を指定する際に、監視エリア全体を対象にして予め設定された基準となる複数の方向の中から選択するだけで済むため、移動元および移動先を指定する操作を容易にすることができる。
本実施形態に係る人物移動分析システムの全体構成図 店舗のレイアウト、カメラ1の設置状況、および人物(顧客)の移動状況を説明する店舗の平面図 PC3で行われる人物移動分析処理の概要を説明する説明図 人物移動分析処理で行われる移動人物検知処理の概要を説明する説明図 PC3の概略構成を示す機能ブロック図 図5に示したモニタ4に表示される計測条件入力画面を示す説明図 図5に示したモニタ4に表示される分析結果出力画面を示す説明図 移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターンの一例を示す説明図 図5に示したモニタ4に表示される分析結果出力画面の要部を示す説明図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析装置であって、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
これによると、計測エリアに対する移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターン別に人物の移動状況を表す出力情報が出力されるため、店舗などの監視エリア内の要所、例えば通路の交差点などに計測エリアを設定することで、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる。とりわけ、ユーザは計測エリアでの移動元や移動先を指定する際に、監視エリア全体を対象にして予め設定された基準となる複数の方向の中から選択するだけで済むため、移動元および移動先を指定する操作を容易にすることができる。
また、第2の発明は、前記移動人物検知部による検知結果を所定の集計期間単位で集計して、前記移動パターン別の人数を前記集計期間ごとに取得する集計処理部をさらに備え、前記出力情報生成部は、前記集計処理部により取得した前記集計期間ごとの移動パターン別の人数に関する前記出力情報を生成する構成とする。
これによると、集計期間ごとの移動パターン別の人数をユーザが把握することができる。そして、この集計期間ごとの移動パターン別の人数を時系列で並べて表示するようにすることで、移動パターン別の人数の時間的な変動状況をユーザが把握することができる。
また、第3の発明は、前記計測条件設定部は、ユーザの入力操作に応じて、前記監視エリア内に複数の前記計測エリアを設定し、前記移動人物検知部は、前記計測エリアの各々において前記移動パターンに該当する人物を検知し、前記出力情報生成部は、前記計測エリアの各々における前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する構成とする。
これによると、監視エリア内に複数存在する要所ごとに計測エリアを設定することができたるめ、監視エリア内の要所ごとに人物の移動状況をユーザが把握することができる。
また、第4の発明は、前記計測条件設定部は、ユーザの入力操作に応じて、前記移動元および移動先の双方を設定し、前記移動人物検知部は、前記移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターン別に人物を検知する構成とする。
これによると、計測エリアの前後を含めてどのようなルートで人物が計測エリアを通過したかをユーザが把握することができることから、計測エリアを通過する際の人物の移動状況を詳細にユーザが把握することができる。
また、第5の発明は、前記出力情報生成部は、前記出力情報として、前記移動パターン別の人物の移動状況を並べて表示する表示情報を生成する構成とする。
これによると、人物の移動状況の移動パターンによる違いをユーザが一目で把握することができる。
また、第6の発明は、前記移動人物検知部は、前記移動元および移動先のいずれか一方により規定される移動パターン別に人物を検知し、前記出力情報生成部は、前記出力情報として、前記移動パターン別の人数をレーダーチャートで表示する表示情報を生成する構成とする。
これによると、移動元または移動先により規定される移動パターンごとの人数をユーザが一目で把握することができる。すなわち、計測エリアからどの方向にどれだけの人数の人物が移動したか、あるいはどの方向からどれだけの人数の人物が計測エリアに入ったかをユーザが一目で把握することができる。
また、第7の発明は、前記映像が、全方位カメラにより撮影されたものである構成とする。
これによると、全方位カメラでは広範囲の撮影が可能になるため、カメラの設置台数が少なくて済む。また、全方位カメラを天井に設置することで、映像上で計測エリアの位置を明確に設定することができ、また、計測エリアに対する人物の動線の通過状況が明確になるため、分析精度を高めることができる。
また、第8の発明は、前記計測エリアは、全ての頂点が前記歩行不能領域に接するとともに、少なくとも2つの辺が前記歩行可能領域を横切るように設定される構成とする。
これによると、歩行可能領域を通る人物を漏れなく検知することができるため、人物の移動状況をユーザが的確に把握することができる。また、ユーザは計測エリアを指定する際に頂点の位置を入力するだけで済むため、計測エリアを指定する操作が容易になる。
また、第9の発明は、前記計測エリアは、前記歩行可能領域が十字路となる場合に、4つの頂点が前記歩行不能領域の角点上に位置するように設定される構成とする。
これによると、十字路を通る人物を漏れなく検知して、十字路における人物の移動状況を的確にユーザが把握することができる。
また、第10の発明は、前記計測エリアは、前記歩行可能領域がT字路となる場合に、1つの辺が前記歩行不能領域に接するとともに、2つの頂点が前記歩行不能領域の角点上に位置するように設定される構成とする。
これによると、T字路を通る人物を漏れなく検知して、T字路における人物の移動状況を的確にユーザが把握することができる。
また、第11の発明は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析システムであって、前記監視エリアを撮影するカメラと、複数の情報処理装置と、を有し、前記複数の情報処理装置のいずれかが、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
これによると、第1の発明と同様に、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる。
また、第12の発明は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する処理を情報処理装置に行わせる人物移動分析方法であって、前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する第1のステップと、前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する第2のステップと、この第2のステップにより取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する第3のステップと、この第3のステップでの検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する第4のステップと、を有し、前記第1のステップにて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする。
これによると、第1の発明と同様に、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る人物移動分析システムの全体構成図である。この人物行動分析システムは、コンビニエンスストアなどの小売チェーン店などを対象にして構築されるものであり、複数の店舗ごとに設けられたカメラ(撮像装置)1、レコーダ(画像記録装置)2、PC(人物移動分析装置)3、およびモニタ(表示装置)4と、複数の店舗を総括する本部に設けられたPC11、およびモニタ12と、を備えている。
カメラ1は店舗内の適所に設置され、カメラ1により店舗内が撮像され、これにより得られた画像情報がレコーダ2に録画される。店舗に設けられたPC3や本部に設けられたPC11では、カメラ1で撮像された店舗内の画像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の画像を閲覧することができ、これにより店舗や本部で店舗内の状況を確認することができる。
店舗に設置されたPC3は、店舗内での人物の移動状況に関する分析を行う人物移動分析装置として構成される。また、この店舗に設置されたPC3で生成した分析結果情報は、PC3自身で閲覧することができ、さらに、本部に設置されたPC11に送信されて、このPC7でも閲覧することができ、PC3,11が分析結果情報を閲覧する閲覧装置として構成される。
次に、コンビニエンスストアを例にして店舗のレイアウト、カメラ1の設置状況、および顧客の移動状況について説明する。図2は、店舗のレイアウト、カメラ1の設置状況、および人物(顧客)の移動状況を説明する店舗の平面図である。
店舗には、出入口と、陳列棚と、レジカウンタと、が設けられている。顧客は、出入口から入店し、陳列棚の間の通路を通って店舗内を移動し、所望の商品が見つかると、その商品を持ってレジカウンタに向かい、レジカウンタで代金の支払いを済ませた後に退店する。
また、店舗には、監視エリア(店舗内)を撮像する複数のカメラ1が設置されている。特に、図2に示す例では、カメラ1に、魚眼レンズを用いて360度の撮影範囲を有する全方位カメラが採用され、このカメラ1が、陳列棚の中心の真上の天井に設置されており、これにより、通路を通って店舗内を移動する人物を撮像することができる。
次に、図1に示したPC3で行われる人物移動分析処理の概要について説明する。図3は、PC3で行われる人物移動分析処理の概要を説明する説明図である。図4は、人物移動分析処理で行われる移動人物検知処理の概要を説明する説明図である。
PC3では、監視エリアを撮影するカメラ1の映像に基づいて、監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析処理が行われる。特に本実施形態では、図2に示したように、陳列棚やレジカウンタが設置された領域を歩行不能領域として、監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に計測エリアが設定され、この計測エリアを通過する際の移動パターンごとに人物を検知して、その移動パターンごとの人数を計測する。
ここで、本実施形態では、計測エリアに進入する直前に人物が存在する通路を移動元とし、計測エリアから退出した直後に人物が存在する通路を移動先として、計測エリアに対する移動元および移動先により移動パターンを規定し、その移動パターンに該当する人物を検知して、移動パターンごとの人数を計測する。
特に本実施形態では、監視エリア全体を対象にして基準となる4つの方向A,B,C,Dが予め設定されており、この基準となる方向A,B,C,Dに基づいて、複数の計測エリアの各々における移動元および移動先が設定される。すなわち、計測エリアに対する移動元および移動先の相対的な位置関係が、基準となる方向A,B,C,Dで規定される。例えば、図4に示すように、計測エリアを人物が移動する場合、計測エリアに対する移動元が方向Aとなり、移動先が方向Bとなる。
なお、基準となる4つの方向A,B,C,Dは、監視エリアとなる店舗内に設けられた通路の方向と略平行となるように設定するとよく、店舗内では通常、通路が直交するように設けられるため、基準となる4つの方向A,B,C,Dは、隣り合うもの同士のなす角度が略90度となるように設定される。
また、移動パターンに該当する人物を検知する際には、計測エリアに対する人物の移動元および移動先に面した計測エリアの各辺S1,S2,S3,S4と、人物が移動する経路を表す動線との交差状況に基づいて判定を行う。例えば、計測エリアに対する移動元を方向Aとし、移動先を方向Bとした移動パターンでは、辺S1,S2と動線との交差状況に基づいて判定を行い、計測エリアに入る際に動線が辺S1と交差し、かつ計測エリアから出る際に動線が辺S2と交差する場合に、移動パターンに該当するものと判定する。なお、動線は人物の検出位置を時系列で連結することで生成される。
また、図2に示した例では、1本の通路P1の途中に第1の計測エリアMA1が設定され、4本の通路P3〜P6が集まる十字路の交差点に第2の計測エリアMA2が設定され、3本の通路P6〜P8が集まるT字路の交差点に第3の計測エリアMA3が設定され、2本の通路P8,P10が直角に繋がるL字路に第4の計測エリアMA4が設定されている。
第1の計測エリアMA1や第4の計測エリアMA4のように交差点でない位置に計測エリアを設定することで、特定の陳列棚の前を通った人物の人数を計測することができる。また、第2の計測エリアMA2や第3の計測エリアMA3のように交差点に計測エリアを設定することで、交差点を通過する際の移動パターン別の人数を計測することができる。これにより、どのようなルートでどれだけの人数の人物が交差点を通過したかをユーザが把握することができる。
ここで、本実施形態では、計測エリアが、矩形をなし、全ての頂点が歩行不能領域に接するとともに、少なくとも2つの辺が歩行可能領域を横切るように設定される。計測エリアの各辺は、基準となる方向A,B,C,Dに対して直交する方向に配置される。
図2に示した第1の計測エリアMA1は、図3(A)に示すように、互いに対向する2つの辺が歩行不能領域に接する、すなわち歩行不能領域の境界線上に位置するように設定される。これにより、通路P1を通る人物を漏れなくカウントすることができる。この第1の計測エリアMA1では、移動元および移動先は方向B,Dのいずれかとなる。ここで、例えば、移動元を方向Dとし、移動先を方向Bとすると、通路P1を右方向に進んだ人物をカウントする。
図2に示した第2の計測エリアMA2は、図3(B)に示すように、4つの頂点が歩行不能領域の角点上に位置するように設定される。これにより、十字路の交差点を通る人物を漏れなくカウントすることができる。この第2の計測エリアMA2では、移動元および移動先は方向A,B,C,Dのいずれも可能である。ここで、例えば、移動元を方向Aとし、移動先を方向Bとすると、通路P3から十字路の交差点を通って通路P5に進んだ人物をカウントする。
図2に示した第3の計測エリアMA3では、図3(C)に示すように、1つの辺が歩行不能領域に接する、すなわち歩行不能領域の境界線上に位置し、2つの頂点が歩行不能領域の角点上に位置するように設定される。これにより、T字路の交差点を通る人物を漏れなくカウントすることができる。この第3の計測エリアMA3では、移動元および移動先は方向A,B,Dのいずれかとなる。ここで、例えば、移動元を方向Aとし、移動先を方向Bとすると、通路P6から十字路の交差点を通って通路P8に進んだ人物をカウントする。
図2に示した第4の計測エリアMA4では、図3(D)に示すように、互いに隣り合う2つの辺が歩行不能領域に接する、すなわち歩行不能領域の境界線上に位置し、1つの頂点が歩行不能領域の角点上に位置するように設定される。これにより、L字路を通る人物を漏れなくカウントすることができる。この第4の計測エリアMA4では、移動元および移動先は方向A,Dのいずれかとなる。ここで、例えば、移動元を方向Aとし、移動先を方向Dとすると、通路P10からL字路を通って通路P8に進んだ人物をカウントする。
なお、L字路に限らないが、人物が一旦、計測エリアに入って引き返す場合には、移動元と移動先を同じ方向に設定すればよい。このような移動元と移動先を同じ方向にあるとき、歩行する人物の興味ポイントが過去に存在していたことなどを把握することができる。
次に、図1に示したPC3で行われる処理を機能ブロック図に基づいて説明する。図5は、PC3の概略構成を示す機能ブロック図である。
PC3は、監視部31と、人物移動分析部32と、を備えている。監視部31は、PC3を店舗内を監視する監視システムとして機能させるものであり、この監視部31により、カメラ1およびレコーダ2の動作が制御され、また、カメラ1で撮像された店舗内の画像をリアルタイムで閲覧し、また、レコーダ2に録画された店舗内の画像を閲覧することができる。
人物移動分析部32は、監視エリアを撮影した映像に基づいて、監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析処理を行うものであり、計測条件設定部33と、動線取得部34と、移動人物検知部35と、集計処理部36と、GUI制御部37と、を備えている。
計測条件設定部33では、監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先を指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、計測エリアならびに移動元および移動先を計測条件として設定する処理が行われる。
動線取得部34では、カメラ1の映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する処理が行われる。この動線取得処理では、映像のフレームから人物の位置を検出する人物追跡処理により得られた検出時刻(撮像時刻)ごとの人物の検出位置を時系列で連結することで動線を生成する。
なお、本実施形態では、移動人物検知部35において計測エリアの辺(境界線)と動線との交差状況を判定するため、少なくとも計測エリアの内部および周辺部における動線情報を取得する。また、計測エリアの辺と動線との交差状況の判定では、計測エリアの辺と動線との交点を求める必要はなく、時系列で並んだ検出位置の情報のみで判定を行うことも可能である。このため、動線取得部34で取得する動線情報には、検出位置を連結する線分(ベクトル)情報は必ずしも必要ではない。
また、人物追跡処理は、公知の画像認識技術(人物検出技術および人物追跡技術など)を利用すればよい。また、人物追跡処理は、動線取得部34で行うことも可能であるが、PC3とは別に設けられた人物追跡装置で行うようにしたり、人物追跡機能をカメラ1に一体化した追跡機能付き撮像装置で行うようにしたりしてもよい。また、人物の検出位置を時系列で連結して動線を生成する動線生成処理をPC3とは別の人物追跡装置などに行わせて、ここで生成した動線に関する情報を動線取得部34が取得するようにしてもよい。
移動人物検知部35では、動線取得部34により取得した動線情報に基づき、計測エリアの各々において移動元および移動先により規定される移動パターンに該当する人物を検知する処理が行われる。この通過人物検知処理では、計測エリアの辺(境界線)と動線との交差状況、およびに動線が計測エリアの境界線と交差する際の進行方向に基づいて、移動パターンの判定が行われる。
特に本実施形態では、移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターンにより移動人物検知が行われる。このとき、移動元の方向にある計測エリアの辺と動線が交差するとともに、そのときの進行方向が計測エリアの外側から内側となり、かつ移動先の方向にある計測エリアの辺と動線が交差するとともに、そのときの進行方向が計測エリアの内側から外側となる場合に、移動パターンに該当するものと判定する。
また、本実施形態では、移動元および移動先のいずれか一方により規定される移動パターンにより移動人物検知を行うこともできる。この場合、移動元により規定される移動パターンでは、移動元の方向にある計測エリアの辺と動線が交差するとともに、そのときの進行方向が計測エリアの外側から内側となる場合に、移動パターンに該当するものと判定する。一方、移動先により規定される移動パターンでは、移動先の方向にある計測エリアの辺と動線が交差するとともに、そのときの進行方向が計測エリアの内側から外側となる場合に、移動パターンに該当するものと判定する。
集計処理部36では、移動人物検知部35による検知結果を所定の集計期間(例えば1時間や1日)単位で集計して、移動パターン別の人数を集計期間ごとに取得する処理が行われる。特に本実施形態では、計測エリアが複数設定されるとともに、計測エリアごとに移動パターンが複数設定されるようになっており、集計処理部36では、各計測エリアにおける移動パターンごとの人数を集計期間単位で集計する。
なお、動線取得部34により取得した動線情報には、人物追跡処理での検出時刻(撮像時刻)が含まれており、この検出時刻から注目する人物が計測エリアに進入した時刻および退出した時刻を取得することができ、これらの時刻に基づいて集計期間単位の集計を行うことができる。
GUI制御部37は、モニタ4およびマウスなどの入力デバイス(入力部)6を用いたGUI(Graphical User Interface)により、ユーザの入力操作による入力情報を取得する処理、および人物の移動状況に関する分析結果を出力する処理を行うものであり、入力情報取得部38と、画面生成部(出力情報生成部)39と、を備えている。
画面生成部39では、ユーザに計測条件を入力させる計測条件入力画面、および人物の移動状況に関する分析結果を表示する分析結果出力画面に関する表示情報を生成する処理が行われ、計測条件入力画面および分析結果出力画面がモニタ4に表示される。入力情報取得部38では、モニタ4に表示させた計測条件入力画面上で入力デバイス6を用いてユーザが行った入力操作に応じて入力情報を取得する処理が行われる。この入力情報取得部38で取得した入力情報に基づいて、計測条件設定部33において計測条件を設定する処理が行われる。
なお、監視部31および人物移動分析部32は、PC3のCPUで監視用および人物移動分析用のプログラムを実行させることで実現される。これらのプログラムは、情報処理装置としてのPC3に予め導入して専用の装置として構成する他、汎用OS上で動作するアプリケーションプログラムとして適宜なプログラム記録媒体に記録して、またネットワークを介して、ユーザに提供されるようにしてもよい。
次に、計測エリアならびに移動元および移動先に関する計測条件の入力操作について説明する。図6は、図5に示したモニタ4に表示される計測条件入力画面を示す説明図である。
この計測条件入力画面は、計測条件として計測エリアならびに移動元および移動先をユーザが指定するものであり、この計測条件入力画面には、開始ボタン41と、設定ボタン42と、カメラ選択ボタン43と、計測エリア入力部44と、移動元・移動先入力部45と、が設けられている。
開始ボタン41は、人物移動分析部32での人物移動分析処理を開始させるものである。設定ボタン42は、計測エリア入力部44および移動元・移動先入力部45を表示させるものである。カメラ選択ボタン43は、カメラ1を指定するものである。カメラ選択ボタン43を操作すると、ホップアップでカメラ1を選択する画面が表示され、この画面でカメラ1を選択した上で、設定ボタン42を操作すると、選択されたカメラ1の映像が計測エリア入力部44に表示される。
計測エリア入力部44は、カメラ1の映像を表示させて、その映像上で計測エリアをユーザに指定させるものである。計測エリアの指定は、マウスなどの入力デバイス6を用いて計測エリアの頂点を入力すればよい。例えば、入力デバイス6を用いて画面上のポインタを所望の位置に移動させ、確定する操作(例えばマウスのダブルクリック)で頂点の位置が入力される。このとき、ユーザは、目視により映像に映った陳列棚の像から歩行不能領域を判別し、この歩行不能領域を除いた歩行可能領域に計測エリアを指定する。計測エリアの指定が終了する、すなわち全ての頂点の位置が入力されると、計測エリアを表す矩形の画像が表示され、さらに計測エリア上に計測エリアの通し番号が表示される。
移動元・移動先入力部45には、計測エリアの通し番号(No.)、計測エリアの名称、移動元および移動先の選択肢が表示されている。計測エリアの名称はキーボードなどの入力デバイス6を用いてユーザが入力する。
移動元および移動先の欄には、選択肢として、監視エリア全体を対象にして予め設定された基準となる4つの方向A,B,C,Dが表示されており、マウスなどの入力デバイス6を用いて、A,B,C,Dの4つの選択肢の中から移動元および移動先を選択する。このとき、ユーザは、計測エリアの周囲の歩行不能領域に基づいて、移動元および移動先に指定する方向A,B,C,Dを選択する。
なお、図6に示した例では、図2に示した第1の計測エリアMA1、第2の計測エリアMA2、第3の計測エリアMA3および第4の計測エリアMA4について、移動元および移動先とすることが可能な方向を全て選択するようにしたが、各計測エリアにおいて人数を計測する必要があるもののみを選択するようにしてもよい。
また、図6に示した例では、1台のカメラ1による映像上で2つの計測エリアを指定しているが、残りの計測エリアについては、カメラ選択ボタン43を操作して、カメラ1を切り替えることで、指定の操作を行うことができる。このとき、あるカメラ1で計測エリアが設定された後、他のカメラ1に指定済み計測エリアに相当する映像が現れる場合には、その計測エリアの指定が引き継がれるようにすると良い。
次に、図5に示した人物移動分析部32での分析結果の出力について説明する。図7は、図5に示したモニタ4に表示される分析結果出力画面を示す説明図である。図8は、移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターンの一例を示す説明図である。
この分析結果出力画面は、人物移動分析部32での分析結果、すなわち各計測エリアにおける集計期間ごとの人数を移動パターン別に出力するものであり、この分析結果出力画面には、表示ボタン51と、ダウンロードボタン52と、表示エリア選択部53と、集計期間選択部54と、日付表示部55と、分析結果出力部56と、が設けられている。
表示ボタン51は、分析結果出力部56に分析結果を表示させるものである。ダウンロードボタン52は、分析結果のメタファイル、例えばCSV(comma-separated values)ファイルを入手するものである。これにより、人物移動分析処理を行うPC3とは別の装置、例えば本部に設けられたPC11で分析結果出力画面を表示させた際に、そのPC11に分析結果を取り込んでユーザが分析結果を自由に編集することができる。
表示エリア選択部53は、分析結果出力部56に分析結果を表示させる計測エリアを選択するものである。この表示エリア選択部53では、選択した計測エリアが反転表示される。図7に示した例では、第2の計測エリアMA2、第3の計測エリアMA3および第4の計測エリアMA4が選択されている。
集計期間選択部54は、集計期間を選択するものである。図7に示した例では、集計期間として、日、週および月を選択することができる。日を選択すると、分析結果出力部56に表示されるグラフの横軸が時間帯となり、週を選択すると、グラフの横軸が曜日となり、月を選択すると、グラフの横軸が日付となる。この集計期間選択部54で集計期間を選択すると、カレンダー画面がポップアップで表示され、このカレンダー画面で表示させる日、週、月を選択する。
日付表示部55は、分析結果出力部56に表示させた分析結果の日付を表示するものである。なお、この日付表示部55に日付を直接入力して、分析結果出力部56に分析結果を表示させる日付を指定することができるようにしてもよい。
分析結果出力部56には、人物移動分析部32での分析結果、すなわち各計測エリアにおける集計期間ごとの人数を時系列で繋いだグラフ(折れ線グラフ)が表示されている。このグラフの縦軸は人数である。また、図7に示した例では、集計期間が日に選択されているため、グラフの横軸が時間帯となっている。これにより、時間帯ごとの人数の変動状況をユーザが把握することができる。
また、分析結果出力部56には、移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターンごとのグラフ表示欄57a〜57dが表示されている。
図7に示した例では、上から1番目のグラフ表示欄57aが、移動元をA方向とし、移動先をB方向とした移動パターンの場合である(図8(A)参照)。上から2番目のグラフ表示欄57bは、移動元をA方向とし、移動先をC方向とした移動パターンの場合である(図8(B)参照)。上から3番目のグラフ表示欄57cは、移動元をA方向とし、移動先をD方向とした移動パターンの場合である(図8(C)参照)。上から4番目のグラフ表示欄57dは、移動元をB方向とし、移動先をA方向とした移動パターンの場合である(図8(D)参照)。この他にも種々の移動パターンがあり、残りの移動パターンは、スクロールにより表示させることができる。
また、分析結果出力部56の各グラフ表示欄57a〜57dでは、計測エリアごとのグラフが重ねて表示されている。図7に示した例では、選択された第2の計測エリアM2、第3の計測エリアM3および第4の計測エリアM4のグラフが重ねて表示されているが、移動パターンが成立しない計測エリアのグラフは表示されない。例えば、第3の計測エリアM3や第4の計測エリアM4では、移動元をA方向とし、移動先をC方向とした移動パターン(図8(B)参照)が成立しないため、上から2番目のグラフ表示欄57bには、第2の計測エリアM2のグラフのみが表示され、第3の計測エリアM3や第4の計測エリアM4のグラフは表示されない。
このように、集計期間ごとの人数を表すグラフが移動パターン別に表示されるため、人数の時間的な変動状況の移動パターンによる違いを把握することができる。また、各移動パターンにおいて計測エリアごとのグラフが重ねて表示されるため、人数の時間的な変動状況の計測エリアによる違いを把握することができる。これにより、監視エリア内の計測エリアが設定された要所での人物の移動状況を多様な視点から把握することができる。
なお、図7に示した例では、計測エリアごとのグラフを識別しやすくするために、計測エリアごとのグラフを色の濃さを変えて表示するようにしたが、グラフの色合いを変える、例えば、赤、緑および青で表示するようにしてもよい。
また、図6及び図7に示した例では、PC3にWebサーバの機能が設けられ、計測条件入力画面および分析結果出力画面をWebブラウザで表示させるようにしている。このようにすると、人物移動分析処理を行うPC3とは別の装置、例えば本部に設けられたPC11などの装置に導入された汎用的なWebブラウザで計測条件入力や分析結果出力の機能を実現することができる。
以上のように、本実施形態では、計測エリアに対する移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターン別に人物の移動状況を表す出力情報が出力されるため、店舗などの監視エリア内の要所、例えば通路の交差点などに計測エリアを設定することで、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる。
また、本実施形態では、移動人物検知処理の検知結果を所定の集計期間単位で集計して、移動パターン別の人数を集計期間ごとに取得して、その集計期間ごとの移動パターン別の人数に関する出力情報を生成するようにしたため、集計期間ごとの移動パターン別の人数をユーザが把握することができる。そして、この集計期間ごとの移動パターン別の人数を時系列で並べて表示するようにすることで、移動パターン別の人数の時間的な変動状況をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、監視エリア内に複数の計測エリアを設定して、それらの計測エリアの各々において移動パターンに該当する人物を検知して、計測エリアの各々における移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成するようにしたため、監視エリア内に複数存在する要所ごとに計測エリアを設定することができることから、監視エリア内の要所ごとに人物の移動状況をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、複数の計測エリアの各々において、監視エリア全体を対象にして予め設定された基準となる複数の方向に基づいて、移動元および移動先を設定するようにしたため、複数の計測エリアで共通した方向に基づいて移動元および移動先が設定されることから、各計測エリアにおける人物の移動状況を簡単に比較することができる。また、ユーザは移動元および移動先を指定する際に、計測エリアの周辺の歩行不能領域に基づいて、基準となる複数の方向の中から選択するだけで済むため、移動元および移動先を指定する操作が容易になる。
また、本実施形態では、計測エリアに対する移動元および移動先の双方を設定して、その移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターン別に人物を検知するようにしたため、計測エリアの前後を含めてどのようなルートで人物が計測エリアを通過したかをユーザが把握することができることから、計測エリアを通過する際の人物の移動状況をユーザが詳細に把握することができる。
また、本実施形態では、移動パターン別の人物の移動状況を並べて表示するようにしたため、人物の移動状況の移動パターンによる違いをユーザが一目で把握することができる。
また、本実施形態では、映像が、全方位カメラにより撮影されたものであり、この全方位カメラでは広範囲の撮影が可能になるため、カメラの設置台数が少なくて済む。また、全方位カメラを天井に設置することで、映像上で計測エリアの位置を明確に設定することができ、また、計測エリアに対する人物の動線の通過状況が明確になるため、分析精度を高めることができる。
また、本実施形態では、計測エリアが、多角形をなし、全ての頂点が歩行不能領域に接するとともに、少なくとも2つの辺が歩行可能領域を横切るように設定されるようにしたため、歩行可能領域を通る人物を漏れなく検知することができ、人物の移動状況をユーザが的確に把握することができる。また、ユーザは計測エリアを指定する際に多角形の頂点の位置を入力するだけで済むため、計測エリアを指定する操作が容易になる。
また、本実施形態では、計測エリアが、矩形をなし、歩行可能領域が十字路となる場合に、4つの頂点が歩行不能領域の角点上に位置するように設定されるようにしたため、十字路を通る人物を漏れなく検知して、十字路における人物の移動状況を的確にユーザが把握することができる。また、本実施形態では、計測エリアが、矩形をなし、歩行可能領域がT字路となる場合に、1つの辺が歩行不能領域に接するとともに、2つの頂点が歩行不能領域の角点上に位置するように設定されるようにしたため、T字路を通る人物を漏れなく検知して、T字路における人物の移動状況を的確にユーザが把握することができる。
次に、図5に示した人物移動分析部32での分析結果の出力の別の例を説明する。図9は、図5に示したモニタ4に表示される分析結果出力画面の要部を示す説明図である。
本実施形態では、図5に示した移動人物検知部35において、計測エリアに対する移動元および移動先のいずれか一方により規定される移動パターン別に人物を検知し、集計処理部36において、移動パターン別の人数を取得し、画面生成部39において、図9に示すように、移動パターン別の人数をレーダーチャートで表示する表示情報を生成する。
特に、図9に示すレーダーチャートには、移動先により規定される移動パターン別の人数が表示されており、監視エリア全体を対象にして予め設定された4つの方向A,B,C,Dが4つの軸に割り当てられ、各軸が各移動パターンの人数を表している。このレーダーチャートにより、計測エリアから退出する際にどの方向にどれだけの人数の人物が移動したかをユーザが把握することができる。
また、このレーダーチャートは計測エリア別に表示される。図9(A)に示すレーダーチャートは、図3(B)に示したように、十字路の交差点に設定された第2の計測エリアMA2の場合であり、4つの方向A,B,C,Dに人物が移動することができるため、計測エリアに対する移動先を方向A,B,C,Dの各方向とした移動パターンごとの人数が表示されている。図9(B)に示すレーダーチャートは、図3(C)に示したように、T字路の交差点に設定された第3の計測エリアMA3の場合であり、3つの方向A,B,Dに人物が移動することができるため、計測エリアに対する移動先を方向A,B,Dの各方向とした移動パターンごとの人数が表示されている。図9(C)に示すレーダーチャートは、図3(D)に示したように、L字路に設定された第4の計測エリアMA4の場合であり、2つの方向A,Dに人物が移動することができるため、計測エリアに対する移動先を方向A,Dの各方向とした移動パターンごとの人数が表示されている。
また、このレーダーチャートは、1日の営業時間を朝、昼および夕の3つの時間帯に分けて、この朝、昼および夕の時間帯別に移動パターンごとの人数が表示されている。これにより、移動パターンごとの人数の時間帯による違いを把握することができる。
このように本実施形態では、計測エリアに対する移動先により規定される移動パターン別に人物を検知し、その移動パターン別の人数をレーダーチャートで表示するようにしたため、移動先により規定される移動パターンごとの人数、すなわち計測エリアからどの方向にどれだけの人数の人物が移動したかをユーザが一目で把握することができる。
なお、図9に示した例では、移動先により規定される移動パターン別の人数を表示するようにしたが、移動元により規定される移動パターン別の人数を表示することも可能である。このようにすると、移動元により規定される移動パターンごとの人数、すなわちどの方向からどれだけの人数の人物が計測エリアに入ったかをユーザが一目で把握することができる。また、この移動パターン別の人数の表示は、レーダーチャートに限らず、棒グラフなど様々なチャートを用いることができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、本実施形態では、コンビニエンスストアなどの店舗の例について説明したが、このような店舗に限定されるものではなく、監視エリア内を移動する人物の移動状況を把握することが有用である場所に広く適用することができる。
また、本実施形態では、図2に示したように、計測エリアを矩形としたが、計測エリアは矩形に限定されるものではなく、三角形や、5つ以上の頂点を有する多角形とすることも可能である。
また、本実施形態では、図2に示したように、監視エリア全体を対象にして4つの基準となる方向A,B,C,Dを予め設定するようにしたが、この基準となる方向は4つに限定されるものではなく、2つ、3つ、または5つ以上設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図2に示したように、1本の通路、十字路、T字路およびL字路に計測エリアを設定するようにしたが、この他に、3本の通路が集まる三叉路(Y字路)や、5本以上の道路が集まる交差点である多叉路に計測エリアを設定することも可能である。
また、本実施形態では、カメラ1を、魚眼レンズを用いて360度の撮影範囲を有する全方位カメラとしたが、所定の画角を有するカメラ、いわゆるボックスカメラでも可能である。
また、本実施形態では、人物移動分析に必要な処理を、店舗に設けられたPC3に行わせるようにしたが、この必要な処理を、図1に示したように、本部に設けられたPC11や、クラウドコンピューティングシステムを構成するクラウドコンピュータ21に行わせるようにしてもよい。また、必要な処理を複数の情報処理装置で分担し、IPネットワークやLANなどの通信媒体を介して、複数の情報処理装置の間で情報を受け渡すようにしてもよい。この場合、必要な処理を分担する複数の情報処理装置で顧客管理システムが構成される。
このような構成では、店舗に設けられた装置に、少なくとも人物検出処理および動線生成処理を行わせるようにするとよい。このように構成すると、残りの処理で必要となる情報のデータ量が少なくて済むため、残りの処理を店舗とは異なる場所に設置された情報処理装置、例えば本部に設置されたPC11に行わせるようにしても、通信負荷を軽減することができるため、広域ネットワーク接続形態によるシステムの運用が容易になる。
また、クラウドコンピュータ21に、人物移動分析に必要な処理のうち、少なくとも演算量が大きな処理、例えば人物検出処理および動線生成処理を行わせるようにしてもよい。このように構成すると、演算量が大きな処理をクラウドコンピュータ21に行わせることで、店舗などのユーザ側に高速な情報処理装置が不要となり、また、残りの処理は演算量が小さくて済むため、店舗に設置された販売情報管理装置を構成する情報処理装置に拡張機能として兼用させることも可能になり、これによりユーザが負担するコストを軽減することができる。
また、クラウドコンピュータ21に必要な処理の全部を行わせ、あるいは、必要な処理のうちの少なくとも出力情報生成処理をクラウドコンピュータ21に分担させるようにしてもよく、このように構成すると、店舗や本部に設けられたPC3,11の他に、スマートフォン22などの携帯型端末でも分析結果を確認することができるようになり、これにより店舗や本部の他に外出先などの任意の場所で分析結果を確認することができる。
また、本実施形態では、店舗に設置されたPC3のモニタ4に分析結果を出力するようにしたが、分析結果の出力装置をPC3とは別に設けることも可能であり、例えば、前記のように本部に設置されたPC11やスマートフォン22を分析結果の閲覧装置とする他に、店舗に設置された販売情報管理装置に分析結果の閲覧装置としての機能を付加することも可能である。また、分析結果をプリンタで出力することも可能である。
また、本実施形態では、店舗に設置されたPC3のモニタ4に計測条件入力画面および分析結果出力画面を表示させ、またPC3に接続された入力デバイス6で入力操作を行うようにしたが、人物移動分析処理を行うPC3とは別に、必要な入力および出力を行う情報処理装置、特に携帯型情報処理装置、例えばタブレット端末を設けるようにしてもよい。
本発明にかかる人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法は、監視エリア内の要所での人物の移動状況を店舗管理者などのユーザが容易に把握することができる効果を有し、監視エリアを撮影した映像に基づいて、監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析装置、人物移動分析システムおよび人物移動分析方法などとして有用である。
1 カメラ
2 レコーダ
3 PC
4 モニタ
6 入力デバイス
11 PC
12 モニタ
21 クラウドコンピュータ
22 スマートフォン
31 監視部
32 人物移動分析部
33 計測条件設定部
34 動線取得部
35 移動人物検知部
36 集計処理部
37 GUI制御部
38 入力情報取得部
39 画面生成部(出力情報生成部)

Claims (12)

  1. 監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析装置であって、
    前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、
    前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、
    この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、
    この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、
    前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする人物移動分析装置。
  2. 前記移動人物検知部による検知結果を所定の集計期間単位で集計して、前記移動パターン別の人数を前記集計期間ごとに取得する集計処理部をさらに備え、
    前記出力情報生成部は、前記集計処理部により取得した前記集計期間ごとの移動パターン別の人数に関する前記出力情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の人物移動分析装置。
  3. 前記計測条件設定部は、ユーザの入力操作に応じて、前記監視エリア内に複数の前記計測エリアを設定し、
    前記移動人物検知部は、前記計測エリアの各々において前記移動パターンに該当する人物を検知し、
    前記出力情報生成部は、前記計測エリアの各々における前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人物移動分析装置。
  4. 前記計測条件設定部は、ユーザの入力操作に応じて、前記移動元および移動先の双方を設定し、
    前記移動人物検知部は、前記移動元および移動先の双方の組み合わせにより規定される移動パターン別に人物を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の人物移動分析装置。
  5. 前記出力情報生成部は、前記出力情報として、前記移動パターン別の人物の移動状況を並べて表示する表示情報を生成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の人物移動分析装置。
  6. 前記移動人物検知部は、前記移動元および移動先のいずれか一方により規定される移動パターン別に人物を検知し、
    前記出力情報生成部は、前記出力情報として、前記移動パターン別の人数をレーダーチャートで表示する表示情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の人物移動分析装置。
  7. 前記映像が、全方位カメラにより撮影されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の人物移動分析装置。
  8. 前記計測エリアは、全ての頂点が前記歩行不能領域に接するとともに、少なくとも2つの辺が前記歩行可能領域を横切るように設定されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の人物移動分析装置。
  9. 前記計測エリアは、前記歩行可能領域が十字路となる場合に、4つの頂点が前記歩行不能領域の角点上に位置するように設定されることを特徴とする請求項8に記載の人物移動分析装置。
  10. 前記計測エリアは、前記歩行可能領域がT字路となる場合に、1つの辺が前記歩行不能領域に接するとともに、2つの頂点が前記歩行不能領域の角点上に位置するように設定されることを特徴とする請求項8に記載の人物移動分析装置。
  11. 監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する人物移動分析システムであって、
    前記監視エリアを撮影するカメラと、
    複数の情報処理装置と、
    を有し、
    前記複数の情報処理装置のいずれかが、
    前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する計測条件設定部と、
    前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する動線取得部と、
    この動線取得部により取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する移動人物検知部と、
    この移動人物検知部での検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、
    前記計測条件設定部にて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする人物移動分析システム。
  12. 監視エリアを撮影した映像に基づいて、前記監視エリア内での人物の移動状況を分析する処理を情報処理装置に行わせる人物移動分析方法であって、
    前記監視エリアから歩行不能領域を除いた歩行可能領域に矩形の計測エリアを指定するとともに、その計測エリアに対する人物の移動元および移動先の少なくとも一方を前記監視エリア全体を対象にして予め設定された複数の基準方向から指定する入力操作をユーザに行わせて、そのユーザの入力操作に応じて、前記計測エリアならびに前記移動元および移動先の少なくとも一方を計測条件として設定する第1のステップと、
    前記映像から検出された人物ごとの動線情報を取得する第2のステップと、
    この第2のステップにより取得した前記動線情報に基づき、前記計測エリアにおいて前記移動元および移動先の少なくとも一方により規定される移動パターンに該当する人物を検知する第3のステップと、
    この第3のステップでの検知結果に基づき、前記計測エリアにおける前記移動パターン別の人物の移動状況を表す出力情報を生成する第4のステップと、を有し、
    前記第1のステップにて指定される前記計測エリアの各辺は、複数の前記基準方向とそれぞれ直交する関係にあることを特徴とする人物移動分析方法。
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