JP5833453B2 - Vベルト掛け渡し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、Vベルト掛け渡し装置に関する。詳しくは、ベルト式無段変速機の無端状のVベルトを、ドライブプーリとドリブンプーリとの間に掛け渡すVベルト掛け渡し装置に関する。
従来、ベルト式無段変速機の組立て作業では、ドライブプーリとドリブンプーリを個別に組立てた後、作業者が手作業により、これらドライブプーリとドリブンプーリとの間に無端状のVベルトを掛け渡していた。以下に、従来の人手によるVベルト掛け渡し作業の手順について、図8を参照しながら説明する。図8は、従来の人手によるVベルト掛け渡し作業の手順を示す図である。
先ず、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、それらの軸線X1,X2方向が鉛直方向となるように配置し、且つ両プーリのV溝14,24に他方のプーリの固定プーリ半体22,12の一部を入り込ませた状態で保持する。この状態で、作業者90は手作業により、Vベルト30の一方側を構成する円弧部の内径を、一方のプーリ(図8ではドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(図8では可動プーリ半体23)の外径よりも大きくして、Vベルト30内に当該可動プーリ半体を通過させる。次いで、一方のプーリの可動プーリ半体が通過したVベルト30の一方側を構成する円弧部の内径を小さくするとともに、Vベルト30の他方側を構成する円弧部の内径を他方のプーリ(図8ではドライブプーリ10)の固定プーリ半体(図8では固定プーリ半体12)の外径よりも大きくして、Vベルト30内に当該固定プーリ半体を通過させる。その後、両プーリの軸線X1,X2間距離を広げることで、両プーリのV溝14,24間にVベルト30を掛け渡す。
以上のような一連の作業は、作業者の感覚に依存する部分が大きい。そのため、Vベルトの掛け渡し作業の習熟には時間を要する。
また、ベルト式無段変速機の組立て作業の効率化を図るためには、人手で行われるVベルトの掛け渡し作業の迅速化が求められ、作業者の負担が大きい。
そこで、例えば、一方のプーリのV溝の幅を広げてVベルトの巻き付け径を小さくするとともに、両プーリのV溝に他方の固定プーリ半体が入り込んだ状態で保持するベルト組付け装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置によれば、作業者は、従来よりもベルト掛け渡し作業を容易に行うことができるとされている。
また、さらに作業者の負担を軽減するために、例えば、Vベルトの中間部を把持する1対の把持具により、Vベルトの掛け渡し作業を行うVベルト掛け渡し装置が提案されている(特許文献2参照)。この装置によれば、人手で行われていたVベルトの掛け渡し作業を自動化でき、作業者の負担を軽減できるとされている。
特許第2681595号公報 特開平08−215953号公報
しかしながら、上述したようにVベルトの掛け渡し作業は、作業者の感覚に依存する部分が大きいため、自動化した場合に完全に再現するのが困難であった。そのため、自動化したVベルトの掛け渡し作業中に、Vベルトが各プーリと接触(干渉)して損傷するおそれがあった。
図9は、従来の人手によるVベルト掛け渡し作業において、Vベルトと各プーリとの接触が仮に生じた場合の想像図であり、(a)が、Vベルト30内に可動プーリ半体23を通過させるときに、仮に接触が生じた場合の想像図、(b)が、Vベルト30内に固定プーリ半体12を通過させるときに、仮に接触が生じた場合の想像図である。図9の(a)に示すように、Vベルト30内に可動プーリ半体23を通過させるときには、Vベルト30の一方側の外周下端部(図9の(a)における破線で囲まれた領域T1)が固定プーリ半体22に接触するおそれがある。また、図9の(b)に示すように、Vベルト30内に固定プーリ半体12を通過させるときには、Vベルト30の他方側の外周下端部(図9の(b)における破線で囲まれた領域T2)が可動プーリ半体13に接触するおそれがある。これらの領域T1,T2は、各プーリのV面に摺接する部位を含んでいることから、接触による損傷を回避する必要がある。
なお、従来の作業では、固定プーリ半体22や可動プーリ半体13にVベルトが接触するおそれがあるので、固定プーリ半体22と可動プーリ半体13とを覆うように、例えば樹脂製のカバーを取り付けている。また、Vベルトを掛け渡した後には、両プーリのV溝14、24やVベルト30の外周等を目視検査して有害な傷がないことを確認している。
また、Vベルトは、エレメントを周方向に複数積層してなる環状体の上下に設けられた溝のそれぞれに、径方向に複数の金属リングを積層してなる積層リングを嵌挿することで形成される。これに対して、従来のVベルト掛け渡し装置では、両プーリの軸線を鉛直方向に向けた状態でVベルトの掛け渡し作業を行うため、Vベルトの軸線が鉛直方向に向いた状態で作業が行われる。そのため、自重によってVベルトに軸線方向の垂れが生じ、嵌挿されていた積層リングがエレメントからはみ出す。すると、はみ出した積層リングが、各プーリに接触して損傷するおそれがあった。
なお、従来の人手によるVベルト掛け渡し作業では、作業を比較的早く完了させることで、Vベルトの自重による軸線方向の垂れを比較的生じ難くしている。また、上述の通り、Vベルトを掛け渡した後には、Vベルト30の外周等に有害な傷がないことを確認している。それと同時に、Vベルトの自重による軸線方向の垂れがないことも確認するために目視検査している。
図10は、Vベルト掛け渡し作業におけるVベルト30の軸線Y方向の垂れを示す図であり、(a)が軸線Y方向の垂れが生じていない場合、(b)が軸線Y方向の垂れが生じている場合を示す図である。図10の(a)に示すように、Vベルト30に軸線Y方向の垂れが生じていない場合には、嵌挿されている積層リング311,312がエレメント320からはみ出すことがない。これに対して、図10の(b)に示すように、Vベルト30に軸線Y方向の垂れが生じている場合には、嵌挿されている積層リング311,312がエレメント320からはみ出す。よって、従来の掛け渡し装置が行うVベルト掛け渡し作業においては、特に垂れ部の両側では、下側の溝に嵌挿された積層リング312が大きくはみ出し、各プーリに接触して損傷するおそれが高かった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、Vベルトを損傷させることなく高品質を維持しつつ、Vベルトの掛け渡し作業を自動化できるVベルト掛け渡し装置を提供することにある。
上記目的を達成するため第1の発明では、ドライブシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)上に同軸に配置された一対のプーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12,可動プーリ半体13)から構成されるドライブプーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)と、ドリブンシャフト(例えば、後述のドリブンシャフト21)上に同軸に配置された一対のプーリ半体から構成されるドリブンプーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)との間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルト(例えば、後述のVベルト30)を掛け渡すVベルト掛け渡し装置(例えば、後述のVベルト掛け渡し装置1)を提供する。
第1の発明に係るVベルト掛け渡し装置は、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線(例えば、後述の軸線X1,X2)方向が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝(例えば、後述のV溝14,24)に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持機構(例えば、後述の支持機構40)と、前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)の被支持側とは反対側のプーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体23)上部の外周面上から、前記V溝(例えば、後述のV溝24)側とは前記反対側に前記軸線(例えば、後述の軸線X2)方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイド(例えば、後述の第1倣いガイド51)と、前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)の被支持側とは反対側のプーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12)下部の外周面上から、前記軸線(例えば、後述の軸線X1)方向に対して傾斜して前記V溝(例えば、V溝24)側とは前記反対側のシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)まで延設された第2倣いガイド(例えば、後述の第2倣いガイド52)と、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを、前記軸線(例えば、後述の軸線X2)方向に沿って前記V溝(例えば、後述のV溝24)側に向かって押圧する押圧手段(例えば、後述のプッシャー60)と、を備え、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを前記押圧手段により押圧していくと、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とする。
また、第2の発明では、ドライブシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)上に同軸に配置された固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12)と可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体13)から構成されるドライブプーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)と、ドリブンシャフト(例えば、後述のドリブンシャフト21)上に同軸に配置された固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体22)と可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体23)から構成されるドリブンプーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)との間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルト(例えば、後述のVベルト30)を掛け渡すVベルト掛け渡し装置(例えば、後述のVベルト掛け渡し装置1)を提供する。
第1の発明に係るVベルト掛け渡し装置は、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線(例えば、後述の軸線X1,X2)方向が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝(例えば、後述のV溝14,24)に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持機構(例えば、後述の支持機構40)と、前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体23)上部の外周面上から、前記V溝(例えば、後述のV溝24)側とは反対側に前記軸線(例えば、後述の軸線X2)方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイド(例えば、後述の第1倣いガイド51)と、前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)の固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12)下部の外周面上から、前記軸線(例えば、後述の軸線X1)方向に対して傾斜して前記V溝(例えば、V溝24)側とは反対側のシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)まで延設された第2倣いガイド(例えば、後述の第2倣いガイド52)と、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを、前記軸線(例えば、後述の軸線X2)方向に沿って前記V溝(例えば、後述のV溝24)側に向かって押圧する押圧手段(例えば、後述のプッシャー60)と、を備え、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを前記押圧手段により押圧していくと、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの固定プーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とする。
第1の発明及び第2の発明では、ドライブプーリ及びドリブンプーリを軸線が略水平となるように上下に配置するとともに、両プーリのV溝に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する。また、上方プーリの可動プーリ半体上部の外周面上からV溝側とは反対側に軸線方向に沿って延設され、その外周面にVベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイドを設けるとともに、下方プーリの固定プーリ半体下部の外周面上から、軸線方向に対して傾斜してV溝側とは反対側のシャフトまで延設された第2倣いガイドを設ける。
そして、第1倣いガイドに懸架されたVベルトを押圧手段により軸線方向に沿ってV溝側に向かって押圧していくと、Vベルトの上側円弧部が第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがてVベルトが上方プーリのV溝に落下する。これにより、上方プーリの可動プーリ半体がVベルト内を通過する。またこのとき、Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、Vベルトの下側円弧部が第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら、下方プーリの固定プーリ半体の外周面を通過してV溝に達する。これにより、下方プーリの固定プーリ半体がVベルト内を通過する。以上により、Vベルトがドライブプーリとドリブンプーリとの間に掛け渡される。
従って、第1の発明及び第2の発明によれば、Vベルトの自由落下を利用してVベルトの掛け渡し作業を自動化できる。また、第1の発明によれば、両プーリの軸線を略水平方向に向けた状態でVベルトの掛け渡し作業を行うため、Vベルトの軸線が略水平方向に向いていることから、自重によりVベルトに軸線方向の垂れが生じることがない。そのため、Vベルトに嵌挿されていた積層リングがエレメントからはみ出すことがなく、積層リングが各プーリに接触して損傷するおそれを回避でき、高品質を維持できる。
また第3の発明では、ドライブシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)上に同軸に配置された固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12)と可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体13)から構成されるドライブプーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)と、ドリブンシャフト(例えば、後述のドリブンシャフト21)上に同軸に配置された固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体22)と可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体23)から構成されるドリブンプーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)との間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルト(例えば、後述のVベルト30)を掛け渡すVベルト掛け渡し装置(例えば、後述のVベルト掛け渡し装置1A)を提供する。
第3の発明に係るVベルト掛け渡し装置は、傾動機構(例えば、後述する傾動機構41)を有し、当該傾動機構により前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線(例えば、後述の軸線X1,X2)方向が水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜するようにして、上方に配置される上方プーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体23)が固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体22)よりも上方に位置するように配置し、且つ両プーリのV溝(例えば、後述のV溝14,24)に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持可能な支持機構(例えば、後述の支持機構40A)と、前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリの可動プーリ半体上部の外周面上から、前記V溝(例えば、後述のV溝24)側とは反対側に前記軸線(例えば、後述の軸線X2)方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイド(例えば、後述の第1倣いガイド51)と、前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)の固定プーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体12)下部の外周面上から、前記軸線(例えば、後述の軸線X1)方向に対して傾斜して前記V溝(例えば、後述のV溝14)側とは反対側のシャフト(例えば、後述のドライブシャフト11)まで延設された第2倣いガイド(例えば、後述の第2倣いガイド52)と、を備え、前記支持機構が有する傾動機構により、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトが自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させることで、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの固定プーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とする。
第3の発明では、ドライブプーリ及びドリブンプーリを、各軸線が水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜するようにして、上方に配置される上方プーリの可動プーリ半体が固定プーリ半体よりも上方に位置するように配置し、且つ両プーリのV溝に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持可能な支持機構により支持する。また、上方プーリの可動プーリ半体上部の外周面上からV溝側とは反対側に軸線方向に沿って延設され、その外周面にVベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイドを設けるとともに、下方プーリの固定プーリ半体下部の外周面上から、軸線方向に対して傾斜してV溝側とは反対側のシャフトまで延設された第2倣いガイドを設ける。
そして、Vベルトが自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させると、Vベルトの上側円弧部が第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがてVベルトが上方プーリのV溝に落下する。これにより、上方プーリの可動プーリ半体がVベルト内を通過する。またこのとき、Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、Vベルトの下側円弧部が第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら、下方プーリの固定プーリ半体の外周面を通過してV溝に達する。これにより、下方プーリの固定プーリ半体がVベルト内を通過する。以上により、Vベルトがドライブプーリとドリブンプーリとの間に掛け渡される。
従って、第3の発明によれば、第1の発明及び第2の発明のように押圧手段を設けることなくVベルトが自重により移動し、Vベルトの自由落下を利用してVベルトの掛け渡し作業を自動化できる。また、第3の発明によれば、両プーリの軸線を水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜させた状態でVベルトの掛け渡し作業を行うため、Vベルトの軸線が略水平方向に向いており、自重によりVベルトに軸線方向の垂れが生じるのを抑制できる。そのため、Vベルトに嵌挿されていた積層リングがエレメントからはみ出すのが抑制され、積層リングが各プーリに接触して損傷するおそれを回避でき、高品質を維持できる。
上記第1〜第3の発明の場合、前記上方プーリ(例えば、後述のドリブンプーリ20)の被支持側のプーリ半体(例えば、後述の固定プーリ半体22)の上部と、前記下方プーリ(例えば、後述のドライブプーリ10)の被支持側のプーリ半体(例えば、後述の可動プーリ半体13)の下部には、干渉防止治具(例えば、後述の干渉防止治具71,72)が設けられていることが好ましい。
この発明では、上方プーリの被支持側のプーリ半体の上部と、下方プーリの被支持側のプーリ半体の下部に、干渉防止治具を設ける。上方プーリの被支持側のプーリ半体の上部はVベルトの上側円弧部の移動軌跡の延長線上にあり、下方プーリの被支持側のプーリ半体の下部はVベルトの下側円弧部の移動軌跡の延長線上にあるところ、これらはVベルトが勢いよく移動した場合に干渉し易い部位であるため、これらの箇所に干渉防止治具を設けることで、Vベルトとこれらの部位との干渉による損傷を回避できる。
また、第1の発明及び第2の発明に係るVベルト掛け渡し装置を使用して、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に前記Vベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し方法を提供する。このVベルト掛け渡し方法では、前記支持機構により、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持工程と、
前記第1倣いガイドに前記Vベルトを懸架する懸架工程と、前記押圧手段により、前記懸架されたVベルトを押圧していくことで、前記Vベルトの上側円弧部を前記第1倣いガイドの外周面に摺接させて前記上方プーリのV溝方向に移動させる第1移動工程と、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達する第2移動工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、第1の発明及び第2の発明と同様の効果が奏される。
また、第3の発明に係るVベルト掛け渡し装置を使用して、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に前記Vベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し方法を提供する。このVベルト掛け渡し方法は、前記支持機構により、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持工程と、前記第1倣いガイドに前記Vベルトを懸架する懸架工程と、前記支持機構が有する傾動機構により、前記懸架されたVベルトが自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させることで、前記Vベルトの上側円弧部を前記第1倣いガイドの外周面に摺接させて前記上方プーリのV溝方向に移動させる第1移動工程と、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達する第2移動工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、第3の発明と同様の効果が奏される。
本発明によれば、Vベルトを損傷させることなく高品質を維持しつつ、Vベルトの掛け渡し作業を自動化できるVベルト掛け渡し装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係るVベルト掛け渡し装置の構成を示す側面図である。 上記実施形態に係るVベルトの斜視図である。 上記実施形態に係るVベルトの断面図である。 上記実施形態に係るVベルト掛け渡し装置の動作を示す図である。 上記実施形態に係るVベルト掛け渡し装置の動作を示す図である。 上記実施形態の変形例に係るVベルト掛け渡し装置の動作を示す図である。 上記実施形態の変形例に係るVベルト掛け渡し装置の動作を示す図である。 従来の人手によるVベルト掛け渡し作業の手順を示す図である。 従来の人手によるVベルト掛け渡し作業において、Vベルトと各プーリとの接触が仮に生じた場合の想像図であり、(a)が、Vベルト内に可動プーリ半体を通過させるときに、仮に接触が生じた場合の想像図、(b)が、Vベルト内に固定プーリ半体を通過させるときに、仮に接触が生じた場合の想像図である。 Vベルト掛け渡し作業におけるVベルトの軸線方向の垂れを示す図であり、(a)が軸線方向の垂れが生じていない場合、(b)が軸線方向の垂れが生じている場合を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、変形例に記載において、本実施形態と共通の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1の構成を示す側面図である。本実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1は、Vベルト式無段変速機を組立てる工程において、無端状で金属製のVベルト30を、ドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け渡すものである。
ここで、Vベルト式無段変速機について説明する。
Vベルト式無段変速機は、ドライブプーリ10と、ドリブンプーリ20と、Vベルト30と、を含んで構成される。
ドライブプーリ10は、ドライブシャフト11上に軸線X1と同軸に配置された固定プーリ半体12及び可動プーリ半体13を備える。固定プーリ半体12及び可動プーリ半体13は、いずれも円盤状であり、互いに対向する側の面が、径方向外側に向かうに従い互いに離間する方向に傾斜する傾斜面(以下、「V面」という。)で形成される。固定プーリ半体12のV面121と、可動プーリ半体13のV面131とにより、固定プーリ半体12と可動プーリ半体13の間にV溝14が形成される。
ドライブプーリ10は、可動プーリ半体13がドライブシャフト11に沿って固定プーリ半体12に接近又は離間する方向に移動することで、V溝14の幅を変化させる。
ドリブンプーリ20は、ドライブシャフト11に並列されるドリブンシャフト21上に軸線X2と同軸に配置された固定プーリ半体22及び可動プーリ半体23を備える。固定プーリ半体22及び可動プーリ半体23は、いずれも円盤状であり、互いに対向する側の面が、径方向外側に向かうに従い互いに離間する方向に傾斜する傾斜面(以下、「V面」という。)で形成される。固定プーリ半体22のV面221と、可動プーリ半体23のV面231とにより、固定プーリ半体22と可動プーリ半体23の間にV溝24が形成される。
ドリブンプーリ20は、可動プーリ半体23がドリブンシャフト21に沿って固定プーリ半体22に接近又は離間する方向に移動することで、V溝24の幅を変化させる。
上記構成からなるドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を備えるベルト式無段変速機は、各プーリがそれぞれのV溝の幅を変化させることで、当該V溝に巻き付けられるVベルト30の巻き付け径を変化させる。これにより、変速比を無段階に調整可能となっている。
図2は、上記実施形態に係るVベルト30の斜視図であり、図3は、Vベルト30の断面図である。
図2に示すように、Vベルト30は、一対の積層リング311,312と、複数のエレメント320と、を含んで構成される。Vベルト30は、複数のエレメント320を周方向に複数積層してなる環状体に設けられた一対の溝(後述の溝324,324)のそれぞれに、一対の積層リング311,312を嵌挿することで形成される。
一対の積層リング311,312は、それぞれ、無端リボン状の複数の金属リングを径方向に複数積層することで構成される。なお、金属リングは、金属製の矩形の薄板を筒状にしてその端部同士を並べて溶接した後、必要に応じて表面処理や熱処理等を施し、一定の幅で切断することで形成される。
図3に示すように、複数のエレメント320は、ボディ部321と、当該ボディ部321からVベルト30の遠心方向に延在してボディ部321よりも幅の狭いネック部322と、当該ネック部322からVベルト30の遠心方向に延在してネック部322よりも幅の広いイヤー部323と、を備える。
ボディ部321は、Vベルト30の径方向の両側部321a,321bが、上述の固定プーリ半体12のV面121及び可動プーリ半体13のV面131や、固定プーリ半体22のV面221及び可動プーリ半体23のV面231に摺接する。
ネック部322の幅が狭いことにより、ボディ部321とイヤー部323との間には、一対の溝324,324が形成される。これら一対の溝324,324には、上記一対の積層リング311,312が嵌挿される。
ここで、図3に示すように、エレメント320では、ボディ部321におけるVベルト30の径方向の内側部(図3中の破線領域)と、イヤー部323における径方向の外側部(図3中の破線領域)は、比較的無害な傷が許容される領域である。これに対して、ボディ部321における径方向の両側部321a,321bは、上述の各V面に摺接する領域であるため、損傷を回避する必要がある。この点、本実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1では、これらの領域の損傷を回避しつつ、両プーリ間にVベルトを掛け渡すことが可能となっている。
なお、複数のエレメント320や金属リングは、積層される前に単体で、有害な傷がないことが確認されるともに、積層された後にも有害な傷がないことを確認するための検査がされる。また当然ながら、複数のエレメント320に形成された一対の溝324、324に積層リングが嵌挿された後にも、有害な傷がないことを確認するための検査がされる。
図1に戻って、本実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1は、支持機構40と、第1倣いガイド51と、第2倣いガイド52と、押圧手段としてのプッシャー60と、を備える。
支持機構40は、ドライブプーリ10とドリブンプーリ20を支持する。具体的には、支持機構40は、これら両プーリを、それらの軸線X1,X2が略水平方向となるように上下に配置して支持する。本実施形態では、図1に示すように、ドライブプーリ10を下方に配置し、ドリブンプーリ20を上方に配置して支持する。ただし、これに限定されず、ドリブンプーリ20を下方に配置し、ドライブプーリ10を上方に配置して支持してもよい。
また、支持機構40は、図1に示すように、両プーリのV溝14,24に、他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で、両プーリを支持する。即ち、両プーリの軸間距離を小さくして両プーリを近接させた状態で支持する。このときの軸間距離は、ベルト式無段変速機として実際に組み込んだときの軸間距離よりも近くなるように設定される。
これにより、上方に配置される上方プーリ(本実施形態ではドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(本実施形態では可動プーリ半体23)が、最もプッシャー60に近い位置に配置される。
なお、支持機構40は、支持するドライブプーリ10とドリブンプーリ20とを、互いに接近又は離間させる図示しないスライド機構を備える。このスライド機構により、両プーリ間の軸間距離が調整される。
第1倣いガイド51は、半筒状のガイドにより形成されており、その外周面にVベルト30が懸架される。第1倣いガイド51は、支持機構40により上方に配置されて支持された上方プーリ(本実施形態ではドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(本実施形態では可動プーリ半体23)上部の外周面上から、V溝24側とは反対側に軸線X2に沿って延設されている。Vベルト30をプッシャー60により押圧していく際には、第1倣いガイド51の外周面に、Vベルト30の上側円弧部が摺接して移動する。これにより、Vベルト30の上側円弧部が、V溝24に案内される。
第2倣いガイド52は、複数の棒状ガイドにより形成されているが(図1では便宜上、1本の棒状ガイドのみ記載)、これに限定されず、半円錐状であってもよい。第2倣いガイド52は、支持機構40により下方に配置されて支持された下方プーリ(本実施形態ではドライブプーリ10)の固定プーリ半体(本実施形態では固定プーリ半体12)下部の外周面上から、軸線X1方向に対して傾斜してV溝14側とは反対側のドライブシャフト11まで延設されている。Vベルト30をプッシャー60により押圧していき、Vベルト30がV溝24に落下した際には、第2倣いガイド52に、Vベルト30の下側円弧部が摺接して移動する。これにより、Vベルト30の下側円弧部が、V溝14に案内される。
プッシャー60は、第1倣いガイド51の延設方向側に配置されており、駆動シリンダを含んで構成される。プッシャー60は、駆動シリンダにより、第1倣いガイド51の外周面に懸架されたVベルト30を軸線X1に沿ってV溝14側に向かって押圧する。
なお、本実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1では、下方に配置されて支持された下方プーリ(本実施形態ではドライブプーリ10)の可動プーリ半体(本実施形態では可動プーリ半体13)の下部と、上方に配置されて支持された上方プーリ(本実施形態ではドリブンプーリ20)の固定プーリ半体(本実施形態では固定プーリ半体22)の上部に、干渉防止治具71,72が設けられている。可動プーリ半体13の下部はVベルト30の下側円弧部の移動軌跡の延長線上にあり、固定プーリ半体22の上部はVベルト30の上側円弧部の移動軌跡の延長線上にあるところ、Vベルト30が勢いよく移動した場合に干渉し易い部位であるため、これらの箇所に干渉防止治具71,72を設けることで、Vベルト30とこれらの部位との干渉による損傷が回避される。
以上の構成を備える本実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1を使用することにより、本実施形態のVベルト掛け渡し方法の実行が可能となっている。本実施形態のVベルト掛け渡し方法は、支持工程と、懸架工程と、第1移動工程と、第2移動工程と、を有し、各工程の詳細は次の通りである。
支持工程では、支持機構40により、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、それらの軸線X1,X2が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝14,24に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する。
懸架工程では、第1倣いガイド51にVベルト30を懸架する。
第1移動工程では、プッシャー60により、懸架されたVベルト30を押圧していくことで、Vベルト30の上側円弧部を第1倣いガイド51の外周面に摺接させて上方のドリブンプーリ20のV溝24方向に移動させる。
第2移動工程では、やがてVベルト30が上方のドリブンプーリ20のV溝24に落下することで、Vベルト30の上側円弧部が縮径するとともに、Vベルト30の下側円弧部が第2倣いガイド52に摺接して移動することで拡径しながら下方のドライブプーリ10の被支持側とは反対側の固定プーリ半体12の外周面に達する。
以上により、Vベルト30がドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け渡される。
Vベルト掛け渡し装置1の動作及び効果について、図4及び図5を参照して詳しく説明する。
先ず、本実施形態では、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、軸線X1,X2が略水平となるように上下に配置するとともに、両プーリのV溝14,24に他方の固定プーリ半体22,12の一部を入り込ませた状態で支持する。このとき、支持機構40のスライド機構により、両プーリ間の軸間距離を調整する。
また、上方に配置されたドリブンプーリ20の可動プーリ半体23上部の外周面上からV溝24側とは反対側に軸線X2に沿って延設され、その外周面にVベルト30が懸架される半筒状の第1倣いガイド51を設けておく。さらに、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12下部の外周面上から、軸線X1方向に対して傾斜してV溝14側とは反対側のドライブシャフト11まで延設された第2倣いガイド52を設けておく。そして、第1倣いガイド51の外周面にVベルト30を懸架する。
次いで、図4に示すように、第1倣いガイド51に懸架されたVベルト30を、プッシャー60により軸線X2に沿ってV溝14側に向かって押圧していく。すると、Vベルト30の上側円弧部が、第1倣いガイド51の外周面に摺接して移動する。
やがて、図5に示すように、Vベルト30が上方に配置されたドリブンプーリ20のV溝24に落下する。これにより、上方に配置されたドリブンプーリ20の可動プーリ半体23がVベルト30内を通過する。またこのとき、Vベルト30の上側円弧部が縮径するとともに、Vベルト30の下側円弧部が第2倣いガイド52に摺接して移動することで拡径しながら、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12の外周面を通過してV溝14に達する。これにより、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12がVベルト30内を通過する。
そして、支持機構40のスライド機構により、両プーリ間の軸間距離を調整し、Vベルト30がドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け渡される。
従って、本実施形態によれば、Vベルト30の自由落下を利用することで、Vベルト30の掛け渡し作業を自動化できる。また、本実施形態によれば、両プーリの軸線X1,X2を略水平方向に向けた状態でVベルト30の掛け渡し作業を行うため、Vベルト30の軸線Yが略水平方向に向いていることから、自重によりVベルト30に軸線Y方向の垂れが生じることがない。そのため、Vベルト30に嵌挿されていた積層リング311,312がエレメント320からはみ出すことがなく、積層リング311,312が各プーリに接触して損傷するおそれを回避でき、高品質を維持できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態に係る支持機構40を変形し、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、各軸線X1,X2が水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜するようにして、上方に配置される上方プーリ(例えば、ドリブンプーリ20)の可動プーリ半体(例えば、可動プーリ半体23)が固定プーリ半体(例えば、固定プーリ半体22)よりも上方に位置するように配置し、且つ両プーリのV溝14,24に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持可能な支持機構40Aとしてもよい。
具体的には、例えば支持機構40Aは、図6及び図7に示すように、ステッピングモータ等により駆動する傾動機構41を備えるように構成する。これにより、第1倣いガイド51に懸架されたVベルト30が自重により移動し始める鋭角の傾斜角度で、両プーリを支持することが可能となる。
ここで、「鋭角の傾斜角度」とは、第1倣いガイド51の外周面にVベルト30を懸架したときに、自重によりVベルト30の上側円弧部が第1倣いガイド51の外周面に摺接して移動することが可能な程度の傾斜角度を意味する。
このような支持機構40Aを備えるVベルト掛け渡し装置1Aでは、上記実施形態に係るVベルト掛け渡し装置1とは異なり、押圧手段としてのプッシャー60は特に必須ではない。
本変形例に係るVベルト掛け渡し装置1Aを使用することにより、本実施形態の変形例に係るVベルト掛け渡し方法の実行が可能となっている。本実施形態の変形例に係るVベルト掛け渡し方法は、支持工程と、懸架工程と、第1移動工程と、第2移動工程と、を有し、各工程の詳細は次の通りである。
支持工程では、支持機構40Aにより、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、それらの軸線X1,X2が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝14,24に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する。
懸架工程では、第1倣いガイド51にVベルト30を懸架する。
第1移動工程では、支持機構40Aが有する傾動機構41により、第1倣いガイド51に懸架されたVベルト30が自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させることで、Vベルト30の上側円弧部を第1倣いガイド51の外周面に摺接させて上方のドリブンプーリ20のV溝24方向に移動させる。
第2移動工程では、やがてVベルト30が上方のドリブンプーリ20のV溝24に落下することで、Vベルト30の上側円弧部が縮径するとともに、Vベルト30の下側円弧部が第2倣いガイド52に摺接して移動することで拡径しながら下方のドライブプーリ10の被支持側とは反対側の固定プーリ半体12の外周面に達する。
以上により、Vベルト30がドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け渡される。
本変形例に係るVベルト掛け渡し装置1Aの動作及び効果について、図6及び図7を参照して説明する。
先ず、図6に示すように、ドライブプーリ10及びドリブンプーリ20を、軸線X1,X2が略水平となるように上下に配置するとともに、両プーリのV溝14,24に他方の固定プーリ半体22,12の一部を入り込ませた状態で支持する。このとき、支持機構40Aのスライド機構により、両プーリ間の軸間距離を調整する。
また、上方に配置されたドリブンプーリ20の可動プーリ半体23上部の外周面上からV溝24側とは反対側に軸線X2に沿って延設され、その外周面にVベルト30が懸架される半筒状の第1倣いガイド51を設けておく。さらに、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12下部の外周面上から、軸線X1方向に対して傾斜してV溝14側とは反対側のドライブシャフト11まで延設された第2倣いガイド52を設けておく。そして、第1倣いガイド51の外周面にVベルト30を懸架する。
次いで、図7に示すように、支持機構40Aが有する傾動機構41により、第1倣いガイド51に懸架されたVベルト30が自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させる。すると、Vベルト30の上側円弧部が、第1倣いガイド51の外周面に摺接してV溝24方向に移動する。
やがて、Vベルト30が上方に配置されたドリブンプーリ20のV溝24に落下する。これにより、上方に配置されたドリブンプーリ20の可動プーリ半体23がVベルト30内を通過する。またこのとき、Vベルト30の上側円弧部が縮径するとともに、Vベルト30の下側円弧部が第2倣いガイド52に摺接して移動することで拡径しながら、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12の外周面を通過してV溝14に達する。これにより、下方に配置されたドライブプーリ10の固定プーリ半体12がVベルト30内を通過する。
そして、支持機構40のスライド機構により、両プーリ間の軸間距離を調整し、Vベルト30がドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け渡される。
上記変形例に係るVベルト掛け渡し装置1Aによれば、上記実施形態のようにプッシャー60による押圧によらずVベルト30が自重による移動して自由落下するのを利用することで、Vベルト30の掛け渡し作業を自動化できる。また、両プーリの軸線X1,X2を水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜させた状態でVベルト30の掛け渡し作業を行うため、Vベルト30の軸線Yは略水平方向を向いているため、自重によりVベルト30に軸線Y方向の垂れが生じることがない。そのため、Vベルト30に嵌挿されていた積層リング311,312がエレメント320からはみ出すことがなく、積層リング311,312が各プーリに接触して損傷するおそれを回避でき、高品質を維持できる。
1,1A…Vベルト掛け渡し装置
10…ドライブプーリ
11…ドライブシャフト
12,22…固定プーリ半体
13,23…可動プーリ半体
14,24…V溝
20…ドリブンプーリ
21…ドリブンシャフト
30…Vベルト
40,40A…支持機構
41…傾動機構
51…第1倣いガイド
52…第2倣いガイド
60…プッシャー(押圧手段)
X1,X2…軸線

Claims (6)

  1. ドライブシャフト上に同軸に配置された一対のプーリ半体から構成されるドライブプーリと、ドリブンシャフト上に同軸に配置された一対のプーリ半体から構成されるドリブンプーリとの間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し装置において、
    前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線方向が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持機構と、
    前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体上部の外周面上から、前記V溝側とは前記反対側に前記軸線方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイドと、
    前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体下部の外周面上から、前記軸線方向に対して傾斜して前記V溝側とは前記反対側のシャフトまで延設された第2倣いガイドと、
    前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを、前記軸線方向に沿って前記V溝側に向かって押圧する押圧手段と、を備え、
    前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを前記押圧手段により押圧していくと、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とするVベルト掛け渡し装置。
  2. ドライブシャフト上に同軸に配置された固定プーリ半体と可動プーリ半体から構成されるドライブプーリと、ドリブンシャフト上に同軸に配置された固定プーリ半体と可動プーリ半体から構成されるドリブンプーリとの間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し装置において、
    前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線方向が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持機構と、
    前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリの可動プーリ半体上部の外周面上から、前記V溝側とは反対側に前記軸線方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイドと、
    前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリの固定プーリ半体下部の外周面上から、前記軸線方向に対して傾斜して前記V溝側とは反対側のシャフトまで延設された第2倣いガイドと、
    前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを、前記軸線方向に沿って前記V溝側に向かって押圧する押圧手段と、を備え、
    前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトを前記押圧手段により押圧していくと、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの固定プーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とするVベルト掛け渡し装置。
  3. ドライブシャフト上に同軸に配置された固定プーリ半体と可動プーリ半体から構成されるドライブプーリと、ドリブンシャフト上に同軸に配置された固定プーリ半体と可動プーリ半体から構成されるドリブンプーリとの間に、ベルト式無段変速機の無端状のVベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し装置において、
    傾動機構を有し、当該傾動機構により前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリをそれらの軸線方向が水平方向に対して略同一の鋭角の傾斜角度で傾斜するようにして、上方に配置される上方プーリの可動プーリ半体が固定プーリ半体よりも上方に位置するように配置し、且つ両プーリのV溝に他方の固定プーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持可能な支持機構と、
    前記支持機構により上方に配置されて支持された上方プーリの可動プーリ半体上部の外周面上から、前記V溝側とは反対側に前記軸線方向に沿って延設され、その外周面に前記Vベルトが懸架される半筒状の第1倣いガイドと、
    前記支持機構により下方に配置されて支持された下方プーリの固定プーリ半体下部の外周面上から、前記軸線方向に対して傾斜して前記V溝側とは反対側のシャフトまで延設された第2倣いガイドと、を備え、
    前記支持機構が有する傾動機構により、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトが自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させることで、前記Vベルトの上側円弧部が前記第1倣いガイドの外周面に摺接して移動し、やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの固定プーリ半体の外周面に達することで、前記Vベルトが前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に掛け渡されることを特徴とするVベルト掛け渡し装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のVベルト掛け渡し装置において、
    前記上方プーリの被支持側のプーリ半体の上部と、前記下方プーリの被支持側のプーリ半体の下部には、干渉防止治具が設けられていることを特徴とするVベルト掛け渡し装置。
  5. 請求項1又は2に記載のVベルト掛け渡し装置を使用して、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に前記Vベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し方法において、
    前記支持機構により、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持工程と、
    前記第1倣いガイドに前記Vベルトを懸架する懸架工程と、
    前記押圧手段により、前記懸架されたVベルトを押圧していくことで、前記Vベルトの上側円弧部を前記第1倣いガイドの外周面に摺接させて前記上方プーリのV溝方向に移動させる第1移動工程と、
    やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達する第2移動工程と、を有することを特徴とするVベルト掛け渡し方法。
  6. 請求項3に記載のVベルト掛け渡し装置を使用して、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に前記Vベルトを掛け渡すVベルト掛け渡し方法において、
    前記支持機構により、前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリを、それらの軸線が略水平方向となるようにして上下に配置し、且つ両プーリのV溝に他方のプーリ半体の一部を入り込ませた状態で支持する支持工程と、
    前記第1倣いガイドに前記Vベルトを懸架する懸架工程と、
    前記支持機構が有する傾動機構により、前記第1倣いガイドに懸架されたVベルトが自重により移動し始める鋭角の傾斜角度に両プーリを傾動させることで、前記Vベルトの上側円弧部を前記第1倣いガイドの外周面に摺接させて前記上方プーリのV溝方向に移動させる第1移動工程と、
    やがて前記Vベルトが前記上方プーリのV溝に落下することで、前記Vベルトの上側円弧部が縮径するとともに、前記Vベルトの下側円弧部が前記第2倣いガイドに摺接して移動することで拡径しながら前記下方プーリの被支持側とは反対側のプーリ半体の外周面に達する第2移動工程と、を有することを特徴とするVベルト掛け渡し方法。
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