JP5833303B2 - 接着剤層の形成方法、および接着剤組成物 - Google Patents

接着剤層の形成方法、および接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、接着剤層の形成方法、および接着剤組成物に関する。
近年、デジタル機器やモバイル機器等の半導体素子を使用した製品において、多機能化のみならず、小型化や軽量化が急速に進んでいる。製品の小型化、軽量化に伴い、半導体パッケージ等の半導体装置の薄型化に加えて、この半導体装置に内装される半導体素子自体の薄型化が求められている。現在、半導体素子の薄型化はダイシングにより小片化する前段階でシリコンウェハーを研削して行っているが、その厚みは100μm以下、例えば数十μm程度となっている。これにより、無機基板や有機基板等の基材と半導体素子とを接着する接着剤層の厚みが半導体装置等の薄型化に大きな影響を与えるようになっている。
接着剤層の形成は、例えば接着剤組成物をディスペンス法やスタンピング法によって接着面に塗布することにより行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ディスペンス法やスタンピング法によって10μm以下の厚さの接着剤層を形成することは必ずしも容易でなく、また塗付量にバラツキが生じ易いことから、均一な厚さの接着剤層を形成することも容易でない。
また、接着面の任意の位置に接着剤層を形成する方法として、スクリーン印刷法が知られている。しかし、スクリーン印刷法についても、10μm以下の厚さの接着剤層を形成することは必ずしも容易でなく、また接着剤層の形成時に印刷装置の部品であるスクリーンメッシュやスキージ等が接着面に触れ、この接着面を有する被接着物がシリコンウェハーや小片化された半導体素子等の場合に破損するおそれがある。
一方、接着剤組成物をフィルム状とした接着シートも知られている(例えば、特許文献2参照)。接着剤組成物をフィルム状とすることで、比較的厚さを薄く、また均一な厚さとすることができる。しかし、10μm以下の厚さで、均一な厚さを有する接着シートについては、必ずしも製造が容易でなく、また接着面に貼り付けるときのハンドリング性も低く、現実的ではない。さらに、このような接着シートの製造には従来以上のコストが必要である等、諸々の課題が残っている。
また、製品の高機能化に伴い、複数の半導体素子を積層する積層構造、例えば機能の異なる複数の半導体素子の積層構造やメモリーの大容量化を実現するためのメモリー素子の積層構造において、従来の接着剤層の形成方法では技術的に解決できない問題が発生している。例えば、半導体素子の薄型化により反りが生じやすくなっており、半導体素子の接着時や封止時に接着剤層の界面または内部に空隙(ボイド)が発生し、製品歩留まりが低下することがある。
さらに、複数の半導体素子を積層する積層構造では、ワイヤーボンディングあるいはフリップチップ実装の適正化から、半導体素子の接着位置に高い精度が要求されている。接着位置の精度には、接着剤層の形成位置の精度、接着剤層の特性等が影響する。
特開2008−270282号 特開2008−288571号
本発明は、従来の接着剤層の形成方法における課題を解決するためになされたものであり、接着物の損傷を抑制しつつ、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができる接着剤層の形成方法を提供することを目的としている。さらには、接着時に接着物の位置ずれを抑制できるとともに、界面もしくは内部における空隙の発生および残留を抑制できる接着剤層を形成することができる接着剤層の形成方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができ、さらには接着時の接着物の位置ずれを抑制できるとともに、界面もしくは内部における空隙の発生および残留を抑制できる接着剤層を形成することができる接着剤組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、非接触型の塗付装置を用いるとともに、熱硬化性成分、有機溶媒、および特定の無機フィラーを含有する接着剤組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の接着剤層の形成方法は、ウェハー表面上に、熱硬化性成分および有機溶媒を含む接着剤組成物をインクジェット装置を用いて選択的に塗布する接着剤層形成工程と、このウェハー表面上に塗布された接着剤組成物から溶媒を除去する溶媒除去工程とを有する。本発明の接着剤層の形成方法は、特に接着剤組成物として平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含有するとともに、25℃での粘度が5〜50mPa・sで、チクソ性が1.8〜3.7であるものを用いることを特徴としている。
また、本発明の接着剤組成物は、インクジェット装置によるウェハー表面上の接着剤層の形成に用いられるものである。本発明の接着剤組成物は、熱硬化性成分および有機溶媒を含むとともに、平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含み、25℃での粘度が5〜50mPa・sで、チクソ性が1.8〜3.7であることを特徴としている。
本発明の接着剤層の形成方法によれば、非接触型の塗付装置を用いるとともに、特定の接着剤組成物を用いることで、塗付装置の不具合、接着物の損傷を抑制しつつ、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができる。さらには、接着時に接着物の位置ずれを抑制できるとともに、界面または内部における空隙の発生や残留を抑制できる接着剤層を形成することができる。
また、本発明の接着剤組成物によれば、特定の組成とすることで、塗付装置の不具合を抑制しつつ、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができ、さらには接着時に接着物の位置ずれを抑制できるとともに、界面もしくは内部における空隙の発生および残留を抑制できる接着剤層を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の接着剤層の形成方法は、接着面上に、熱硬化性成分および有機溶媒を含む接着剤組成物を非接触型の塗付装置を用いて選択的に塗布する塗布工程と、接着面上に塗布された接着剤組成物から溶媒を除去する溶媒除去工程とを有するものである。本発明の接着剤層の形成方法では、特に接着剤組成物として平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含有するものを用いることを特徴としている。
本発明の接着剤層の形成方法によれば、非接触型の塗付装置を用いるとともに、特定の接着剤組成物を用いることで、塗付装置の不具合、接着物の損傷を抑制しつつ、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができる。さらには、接着時に接着物の位置ずれを抑制できるとともに、界面もしくは内部における空隙の発生および残留を抑制できる接着剤層を形成することができる。
従って、接着剤層の形成位置、形状等に高い精度が求められる電子工業分野、半導体産業分野等において、特に顕著な効果を発揮する。また、接着時の接着物の位置ずれ、空隙の発生等を抑制できることから、このような接着物を有する各種製品の歩留まり、信頼性を向上させることができる。さらに、接着剤組成物の組成、形成方法を調整することで、優れた接着力、耐熱性、タックフリー性を付与することができ、各種製品の歩留まり、信頼性をより向上させることができる。
塗布工程では、上記したように非接触型の塗付装置を用いて、接着面上に接着剤組成物を選択的に塗布する。非接触型の塗付装置を用いることで、接着物の損傷を抑制しつつ、適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を形成することができる。ここで、接着面を有する接着物としては、例えば半導体素子が好適なものとして挙げられるが、必ずしもこのようなものに限定されるものではない。
非接触型の塗付装置としては、例えばインクジェット装置、スプレー装置、ジェットディスペンス装置が挙げられる。これらの中でも、比較的容易に接着剤組成物を薄膜状に付着させることができるインクジェット装置、スプレー装置が好ましく、特に均一な厚みを得やすいインクジェット装置が好ましい。インクジェット装置では、その微細な吐出ノズルから接着面に接着剤組成物を吐出することで、特に均一な厚みを有する薄膜状の接着剤層を良好に形成することができる。
接着剤組成物は、上記したように熱硬化性成分および有機溶媒を含むとともに、平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含有するものである。
無機フィラーの平均粒子径が1nm未満の場合、接着剤組成物に十分なチクソ性を付与することができず、接着時の接着物の位置ずれなどを有効に抑制できないおそれがある。接着物に位置ずれが発生した場合、例えば接着剤層の露出が多くなることからその吸水率が上昇し、結果として耐湿信頼性が低下する。一方、200nmを超える場合、非接触型の塗付装置における微細な吐出ノズルに目詰まりが発生し、接着剤層を安定して形成できないおそれがあり、また接着時の接着物の位置ずれも大きくなるおそれがある。無機フィラーの平均粒子径は、特に3〜150nmが好ましい。なお、無機フィラーの平均粒子径はレーザー回折散乱法により測定されるものである。
また、接着剤組成物の全体中、無機フィラーの含有量が1質量%未満の場合、無機フィラーの含有量が少なすぎるために、接着剤組成物へのチクソ性の付与が十分でなく、接着時の接着物の位置ずれを有効に抑制できないおそれがある。また、この接着物の位置ずれにより、上記したように接着剤層の吸水率が上昇し、結果として耐湿信頼性が低下するおそれがある。一方、20質量%を超える場合、非接触型の塗付装置における微細な吐出ノズルに目詰まりが発生し、接着剤層を安定して形成できないおそれがある。また、接着剤層を形成したときに、十分な接着力を得られないおそれがある。さらに、接着時に接着剤層の界面または内部に空隙が発生し、この発生した空隙が最後まで消失せずに残留するおそれがある。結果として、接着物を有する各種製品のリフロー信頼性等が十分でなくなるおそれがある。無機フィラーの含有量は、3〜18質量%がより好ましく、3〜15質量%がさらに好ましい。
このような接着剤組成物は、25℃での粘度が100mPa・s以下であることが好ましく、特に5〜50mPa・sであることが好ましい。このような粘度とすることにより、特に非接触型の塗付装置における吐出性を良好にでき、また適切な位置、形状に薄膜状の接着剤層を安定して形成することができる。接着剤組成物の粘度は、通常、熱硬化性成分、有機溶媒、および無機フィラーの含有割合を調整することにより行うことができる。
溶媒除去工程は、塗布工程で接着面上に塗布した接着剤組成物から有機溶媒を除去して接着剤層を形成するものである。溶媒として揮発性のある有機溶媒を用いることで、加熱によって溶媒を容易に揮発させ、除去することができる。加熱方法は、接着剤組成物から有機溶媒を有効に揮発させて除去できるものであれば特に制限されるものではなく、例えばオーブン等を用いて行うことができる。また、加熱は、接着剤組成物の塗布後に行ってよいし、予め接着面に対して行っておき、接着剤組成物の塗布と同時に溶媒が揮発するようにしてもよい。
ここで、接着剤層は半導体素子等の接着物とこの接着物が接着される基板等の被接着物とを接着するものであることから、接着時に十分な接着力を発揮できる状態にある必要がある。従って、溶媒除去工程における加熱は、有機溶媒の揮発は完結できるが、熱硬化成分の硬化反応は完結しない範囲、いわゆる半硬化状態(Bステージ状態)となるように行う必要がある。
なお、半硬化状態とすることにより、例えば常温では他の部材と接触しても接着しない特性(タックフリー性)を付与でき、また接着剤層の形状も保持しやすくなる。このため、本発明の接着剤層の形成方法では、半硬化状態とするための加熱を行う半硬化工程を行うことが好ましい。接着剤組成物の組成等によっても異なるが、一般的には40〜120℃の温度で1〜180分間の加熱を行うことにより半硬化状態とすることができる。ここで、半硬化工程は、溶媒除去工程と合わせて行ってもよいし、溶媒除去工程後に別途行ってもよい。
接着剤組成物は、上記したように、熱硬化性成分、有機溶媒、および無機フィラーを含有するものである。熱硬化性成分は、例えばエポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、および硬化促進剤を含有するものである。このような熱硬化性成分の含有量は、非接触型の塗付装置における吐出性、接着剤層の形成性等の観点から、例えば接着剤組成物の全体中、5〜50質量%が好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等を使用することができる。
エポキシ硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化に使用されている化合物であれば特に制限なく使用でき、例えば、アミン硬化系として、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等が挙げられ、フェノール硬化系として、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができるが、耐熱性、耐湿信頼性等の観点からフェノール系硬化剤が好ましい。
エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤の配合比は、エポキシ樹脂のエポキシ当量とフェノール系硬化剤の水酸基当量との当量比が0.1〜1.2であることが好ましく、0.3〜1.0であることがさらに好ましい。0.1未満では硬化性が不十分であり、1.2を超えると、後述するような高温側での反応性が失われ、封止時の空隙の消失または微小化の効果を十分に得られないおそれがある。
硬化促進剤は、通常、エポキシ樹脂の硬化促進剤に使用されているものが使用でき、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン(TPP)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミン化合物等が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独または2種以上混合して使用することができる。
有機溶媒としては、熱硬化性成分を溶解できるものであれば特に限定されないが、非接触型の塗付装置における吐出ノズルが詰まらないように、沸点が120℃以上のものが望ましい。具体的な溶媒としては、ジグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ガンマ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
有機溶媒の含有量は、接着剤組成物の全体中、例えば30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。このような含有量とすることで、接着剤組成物の粘度を適切な範囲内とすることができる。なお、この有機溶媒の含有量は、必ずしも有機溶媒として単独で添加されたものに限定されない。例えば、市販されている無機フィラーには有機溶媒中に分散された状態のものがあるが、このようなものをそのまま使用する場合の有機溶媒の含有量(接着剤組成物中の有機溶媒の含有量)には、有機溶媒として単独で添加されたものの他、無機フィラーを分散させている有機溶媒も含まれる。すなわち、接着剤組成物中における実質的な有機溶媒の含有量が30〜80質量%となっていればよい。
無機フィラーは、無機材料からなり、かつ平均粒子径が1〜200nmのものであれば特に限定されない。このようなものとしては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子等が挙げられる。特に、熱的安定性等に優れることからシリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子は、珪酸ナトリウムと硫酸との中和反応により合成された、いわゆる湿式法により得られたものが挙げられるが、必ずしもこのようなものに限定されない。湿式法にはさらに沈降法、ゲル化法に大別されるが、どちらの方法であってもよい。
ここで、接着剤組成物は有機溶媒を含有することから、無機フィラーは有機溶媒中に適切に分散できるものである必要がある。従って、無機フィラーは、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルシラン、フェニルシラン、メルカプトシラン、イソシアネートシラン、ウレイドシラン等のカップリング剤により表面処理が行われたものが好ましい。
無機フィラーとしては、市販品を使用することもでき、例えば東ソー・シリカ(株)製の"NIPGEL"シリーズ、触媒化成工業(株)製の"OSCAL"シリーズ、扶桑化学工業(株)製の高純度オルガノゾル、電気化学工業(株)製のUltra Fine Powder、日産化学工業(株)製のオルガノゾル、アドマテックス(株)製のアドマナノ等を使用することができる。
なお、市販されている無機フィラーの中には有機溶媒中に分散された状態のものがあるが、このようなものをそのまま使用する場合における無機フィラーの含有量(接着剤組成物中の無機フィラーの含有量)は、無機フィラーを分散させている有機溶媒を含まず、無機フィラーのみを含む。すなわち、接着剤組成物中における実質的な無機フィラーの含有量が1〜20質量%となっていればよい。
接着剤組成物は、上記した熱硬化性成分、有機溶媒、および無機フィラーの他、シランカップリング剤、界面活性剤等を含有することができる。シランカップリング剤としては、エポキシシラン、アクリルシラン等のシランカップリング剤が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
また、界面活性剤は、接着剤組成物を接着面に塗布するときの濡れ性を向上させるために添加されるものであり、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
このような接着剤組成物は、例えば2つの硬化温度を有するものであり、低温側の硬化温度ではエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤との反応が進行し、高温側の硬化温度ではエポキシ樹脂の自己重合反応が進行する。これらの反応は示差走査熱量計を用いた示差走査熱量測定(DSC)により測定でき、例えば100〜160℃に低温側ピークが測定され、140〜200℃に高温側ピークが測定される。なお、上記記載では低温側ピークの温度範囲と高温側ピークの温度範囲とが一部重複しているが、実際の接着剤組成物では高温側ピークは低温側ピークよりも高い温度に現れる。
2つの硬化温度を有することで、例えば後述するように接着物が半導体素子であり、この半導体素子を基材等の被接着物に接着するとともに、これらの略全体を絶縁材料により封止して半導体装置とする場合、封止時までは低温側の反応であるエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤との反応を主として行わせ、封止時に高温側の反応であるエポキシ樹脂の自己重合反応を行わせることができる。結果として、封止時に、その温度および圧力を利用して接着剤層を再接着することができ、仮に接着剤層の界面または内部に空隙や剥離等が存在する場合でも、これらの空隙や剥離を消失または微小化させることができる。
本発明の接着剤層の形成方法は、半導体装置の製造に好適に適用することができる。
半導体装置の製造には、例えば半導体素子自体を形成する前工程と、この半導体素子を基材に実装して半導体装置とする後工程とがある。前工程には、例えば成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト除去等によりシリコンウェハーの表面に回路パターンを形成する回路形成工程、検査工程、洗浄工程、熱処理工程、不純物導入工程、拡散工程、平坦化工程等がある。また、後工程には、接着剤層形成工程、ダイシング工程、ダイボンディング工程、ワイヤーボンディング工程、封止工程等の組立工程、機能や信頼性の検査を行う検査工程等がある。なお、各工程は必要に応じて適宜順序を変更することができる。
本発明の接着剤層の形成方法は、特に後工程の接着剤層形成工程における接着剤層の形成に好適に適用することができ、例えばシリコンウェハーの素子形成面とは反対側の裏面に形成される接着剤層の形成に好適に適用することができる。
なお、本発明の接着剤層の形成方法は、ダイシング工程後に接着剤層形成工程を行う場合にも好適に適用することができる。この場合、ダイシング工程においてシリコンウェハーから切断された個々の半導体素子に対して接着剤層形成工程において接着剤層を形成するときに、本発明の接着剤層の形成方法を適用することができる。また、半導体素子が接着される被接着物としては、有機基板、無機基板、他の半導体素子等が挙げられる。
本発明の接着剤層の形成方法を適用して半導体装置を製造する場合、例えば上記したように接着剤層形成工程において本発明の接着剤層の形成方法を適用してシリコンウェハーの裏面に接着剤層を形成する。接着剤層の形成範囲は、例えばダイシング工程における切断部分を除いた個々の半導体素子部分とすることができるが、必ずしもこのような形成範囲に限定されるものではない。接着剤層形成工程後、ダイシング工程において裏面に接着剤層が形成されたシリコンウェハーを切断して個々の半導体素子を得る。
さらに、ダイボンディング工程において、この半導体素子と、被接着物、例えば有機基板、無機基板、または他の半導体素子等とを接着剤層を利用して接着する。接着は、接着剤層を加熱して硬化反応を進めることにより行うことができる。例えば、加熱したステージ上にバキューム等により被接着物を保持しておき、この被接着物上に半導体素子をコレットにより移動させ、両者を加熱し、熱圧着することにより行うことができる。
熱圧着温度は、例えば60〜200℃が好ましく、70〜180℃がより好ましい。60℃未満であると、被接着物に対する接着剤層の濡れ性が不十分となり、接着剤層の界面または内部に空隙が発生し、結果として半導体装置のリフロー信頼性等が低下しやすい。200℃を超えると、接着剤層の粘度が過度に低下し、半導体素子の位置ずれや、接着剤層のはみだしが発生するおそれがある。また、接着剤層の硬化反応が過度に進み、この後に行われる封止工程において既に説明した接着剤層の再接着性が十分に得られないおそれがある。
さらに、ワイヤーボンディング工程において、半導体素子に形成された電極と、被接着物に形成された電極とをボンディングワイヤーで接続する。このボンディングワイヤーによる接続は、例えばボンディングアームの先端部に取り付けられたキャピラリに挿入されたボンディングワイヤーを電極に押し当て、超音波振動による熱で各電極とボンディングワイヤーとを接合することにより行われる。
ワイヤー流れを防止するためにも、接着剤層は未硬化状態でなく、半硬化状態とされていることが好ましい。接着剤層を半硬化状態とすることで、ワイヤーボンディング時の超音波振動の減衰を効果的に抑制し、ボンディングワイヤーの接合不良、接合強度不足等の不具合の発生を抑制することができる。
さらに、封止工程において、半導体素子が接着された被接着物の略全体を絶縁樹脂で覆うように封止する。封止工程は、例えば固定型と可動型とで形成されたキャビティ内に半導体素子が接着された被接着物を配置し、このキャビティ内に溶融させた絶縁樹脂を注入充填し、上記した固定型および可動型で加圧するとともに加熱を行って半導体装置とする。この封止時の温度は、例えば180℃程度である。
このように封止工程では、実質的に接着剤層に対して加圧と加熱とが行われることから、その硬化反応、特に高温側の反応であるエポキシ樹脂の自己重合反応を進行させ、接着剤層を再接着させることができる。これにより、接着剤層の界面または内部に空隙や剥離が存在している場合であっても、これらの空隙や剥離を消失または微小化させることができる。結果として、リフロー信頼性等の良好な半導体装置を得ることができる。
以上説明したように、本発明の接着剤層の形成方法は半導体装置の製造に好適に適用することができる。ここで、半硬化工程は、その全部または一部を必要に応じて接着剤層形成工程以外の他の工程中、もしくは工程間に行うことができる。例えば、ダイボンディング工程とワイヤーボンディング工程との間で、接着剤層の硬度を調整するために行ってもよい。このような半硬化工程は加熱炉等を用いて行うことができ、例えばプリキュア(Precure)を行うキュア炉等を用いて行うことができる。
以下、本発明について実施例を参照してさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーAとしてオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)370質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)416質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。
この接着剤組成物は、25℃における粘度が12mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。なお、無機フィラーAのオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)は、プロピレングリコールモノメチルアセテート中にシリカ(SiO)が分散されたものであり、SiOの粒子径は10〜20nm、SiOの含有量は30質量%である。ここで、接着剤組成物における無機フィラーの含有量は、このプロピレングリコールモノメチルアセテートを含まない、SiO単独での含有量である。
(実施例2)
表1に示すように、エポキシ樹脂A、BとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)80質量部、EOCN103S(日本化薬株式会社製、商品名)20質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーAとしてオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)370質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)416質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が11mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。
(実施例3)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーAとしてオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)190質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)439質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が11mPa・sであり、固形成分が23質量%であった。
(実施例4)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーAとしてオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)93質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)340質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が13mPa・sであり、固形成分が26質量%であった。
(実施例5)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーBとしてオルガノシリカゾルIPA−ST−ZL(日産化学工業株式会社製、商品名)370質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)416質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。
この接着剤組成物は、25℃における粘度が11mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。なお、無機フィラーBのオルガノシリカゾルIPA−ST−ZL(日産化学工業株式会社製、商品名)は、イソプロパノール中にシリカ(SiO)が分散されたものであり、SiOの粒子径は70〜100nm、SiOの含有量は30質量%である。接着剤組成物における無機フィラーの含有量は、このイソプロパノールを含まない、SiO単独での含有量である。
(実施例6)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーCとしてコロイダルシリカ スノーテックスXS(日産化学工業株式会社製、商品名)280質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)288質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。
この接着剤組成物は、25℃における粘度が11mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。なお、無機フィラーCのコロイダルシリカ スノーテックスXS(日産化学工業株式会社製、商品名)は、Naで安定化されたシリカ(SiO)ゾルであり、SiOの粒子径は4〜6nm、SiOの含有量は30質量%である。接着剤組成物における無機フィラーの含有量は、このSiO単独での含有量である。
(比較例1)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマーブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)342質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が12mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。
(比較例2)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーDとしてアドマフィンSO−E3(株式会社アドマテックス製、商品名)110質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)672質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が14mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。なお、上記したアドマフィンSO−E3(株式会社アドマテックス製、商品名)は、SiOからなり、平均粒子径は1μmである。
(比較例3)
表1に示すように、エポキシ樹脂A、BとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)80質量部、EOCN103S(日本化薬株式会社製、商品名)20質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーDとしてアドマフィンSO−E3(株式会社アドマテックス製、商品名)110質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)672質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が13mPa・sであり、固形成分が25質量%であった。
(比較例4)
表1に示すように、エポキシ樹脂AとしてjER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)100質量部、エポキシ用硬化剤としてフェノール樹脂のBRG−556(昭和高分子株式会社製、商品名)10質量部、シランカップリング剤としてKBM403(信越化学工業株式会社製、商品名)2質量部、硬化促進剤A、BとしてU−CAT SA 102(サンアプロ株式会社製、商品名)1.5質量部、2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.2質量部、無機フィラーAとしてオルガノシリカゾルPMA−ST(日産化学工業株式会社製、商品名)5000質量部、界面活性剤としてBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量部、有機溶媒としてガンマ−ブチロラクトンGBL(三菱化学株式会社製、商品名)800質量部を混合し、60℃で加熱溶解して、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物は、25℃における粘度が12mPa・sであり、固形成分が27質量%であった。
次に、実施例および比較例の接着剤組成物について以下の評価を行った。
まず、接着剤組成物について、粘弾性測定機 Rheometer ARES(Rheometric Scientific社製、商品名)を用いて、測定温度80℃で角速度を可変にして5ラジアン毎秒と50ラジアン毎秒との溶融粘度の比を算出した(表中、チクソ性)。一例として、実施例1の接着剤組成物については、5ラジアン毎秒では14800Pa・s、50ラジアン毎秒では5500Pa・sであり、その比は2.7であった。
また、接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するとともに、半導体装置の製造を行い、以下の評価を行った。まず、温度を70℃にした塗付ステージ上に直径200mm、厚み100μmのシリコンウェハーを裏面を上にして配置し、インクジェット装置(ピエゾ式、ノズル径70μmφ、ノズル間隔0.4mm)を用いて接着剤組成物を塗付した。その後、90℃で30分間保持し、接着剤組成物を乾燥させて接着剤層を形成した。
この際、インクジェット装置の吐出ノズルからの吐出状態を観察するとともに、得られた接着剤層の膜厚を測定した(表中、吐出性、膜厚)。なお、吐出ノズルに詰まりが発生しなかったものを吐出性が良好(○)であると判定し、吐出ノズルに詰まりが発生したものを吐出性が不良(×)と判定した。また、接着剤層の膜厚は、アルファステップ500(KLA−Tencor社製)を用いて測定した。
この接着剤層が形成されたシリコンウェハーを10mm角にダイシングして半導体素子を得た。そして、0.3mm厚の有機パッケージ基板上に、半導体素子を150℃に加熱して2.0Nの圧力で2段に積層、熱圧着し、さらに150℃で1時間硬化させた。この際、半導体素子の位置ずれを測定した(表中、位置ずれ)。位置ずれの測定は、チップのX方向、Y方向の搭載位置精度を側微計で測定し、いずれも25μm以下であったものを合格(○)と判定し、いずれかが25μmを超えるものを不合格(×)と判定した。また、超音波映像装置(株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス)を用いて接着剤層付近の空隙および剥離の有無を観察した(表中、積層後の空隙等)。
このチップが積層された有機パッケージ基板を封止材料であるKE−G1250(京セラケミカル株式会社製、商品名)により0.8mm厚に封止し、175℃で8時間硬化させて半導体装置を得た。この半導体装置について、超音波映像装置(株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス)を用いて接着剤層付近の空隙および剥離の有無を観察した(表中、封止後の空隙等)。
また、この半導体装置について、JEDECレベル3の吸湿処理、および260℃のリフロー処理を行う吸湿リフロー試験後、超音波映像装置(株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス)を用いて接着剤層付近の剥離の有無を観察した(表中、リフロー信頼性)。
Figure 0005833303
無機フィラーを含有しない比較例1の接着剤組成物については、インクジェット装置における吐出性は良好であるが、チクソ性が低く、半導体素子に位置ずれが発生する。また、無機フィラーを含有するが、その粒径が大きい比較例2、3の接着剤組成物については、インクジェット装置における吐出性が低く、また半導体素子に位置ずれが発生する。無機フィラーを過度に含有する比較例4の接着剤組成物については、インクジェット装置における吐出性が低く、また接着剤層に空隙や剥離が発生する。これに対して実施例1〜6の接着剤組成物については、インクジェット装置における吐出性が良好であり、薄膜状の接着剤層を安定して形成できる。また、半導体素子の位置ずれ、接着剤層における空隙や剥離の発生等も抑制できる。

Claims (6)

  1. ウェハー表面上に、熱硬化性成分および有機溶媒を含む接着剤組成物をインクジェット装置を用いて選択的に塗布する塗布工程と、前記ウェハー表面上に塗布された前記接着剤組成物から溶媒を除去する溶媒除去工程とを有する接着剤層の形成方法であって、
    前記接着剤組成物は、平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含有するとともに、25℃での粘度が5〜50mPa・sで、チクソ性が1.8〜3.7であることを特徴とするウェハー表面上への接着剤層の形成方法。
  2. 前記熱硬化性成分は、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、および硬化促進剤を含むことを特徴とする請求項1記載の接着剤層の形成方法。
  3. 前記無機フィラーがシリカであることを特徴とする請求項1または2記載の接着剤層の形成方法。
  4. 前記溶媒除去工程において40〜120℃で加熱を行うことにより前記接着剤組成物を半硬化状態とする半硬化工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の接着剤層の形成方法。
  5. 前記接着剤組成物中の前記熱硬化性成分の含有量が5〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の接着剤層の形成方法。
  6. インクジェット装置によるウェハー表面上の接着剤層の形成に用いられる接着剤組成物であって、
    熱硬化性成分および有機溶媒を含むとともに、平均粒子径が1〜200nmの無機フィラーを1〜20質量%含み、25℃での粘度が5〜50mPa・sで、チクソ性が1.8〜3.7であることを特徴とする接着剤組成物。
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