本発明の一実施形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。
図1を参照して、本実施形態の給湯システムは、燃焼式給湯器10と、タンクユニット30と、ヒートポンプユニット60とを備える。
ヒートポンプユニット60は、本発明における加熱手段としてのヒートポンプ61を備える。このヒートポンプ61は、圧縮機62、凝縮器63、減圧器64、及び蒸発器65と、これらを経由させて冷媒を循環させる冷媒循環路66とを備えている。
この場合、凝縮器63は、後述の貯湯タンク31内の湯水と冷媒との熱交換を行うことで該湯水を加熱する熱交換器としての機能を有するものであり、貯湯タンク31と凝縮器63との間で湯水を循環させるタンク循環路67を介して貯湯タンク31に接続されている。タンク循環路67は、貯湯タンク31の下部及び上部をそれぞれ凝縮器63の湯水の流入口、流出口に接続している。そして、タンク循環路67には、循環ポンプ68が介装されている。
従って、循環ポンプ68を作動させることで、貯湯タンク31内の湯水が貯湯タンク31の下部から凝縮器63に供給される。そして、該湯水は、凝縮器63を経由した後に、貯湯タンク31の上部から該貯湯タンク31内に還流する。このように貯湯タンク31内の湯水をタンク循環路67で循環させつつ、ヒートポンプ61を作動させることで、該湯水が、凝縮器63における冷媒(圧縮機62で圧縮されて昇温した冷媒)との熱交換によって加熱される。
なお、図1では、循環ポンプ68は、貯湯タンク31の下部から凝縮器63に至る流路に介装されているが、凝縮器63から貯湯タンク31の上部に至る流路に介装されていてもよい。
ヒートポンプユニット60は、さらにヒートポンプ61及び循環ポンプ68の作動制御を行う機能を有するヒートポンプコントローラ71を備えている。該ヒートポンプコントローラ71は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路ユニットにより構成されており、後述のタンクコントローラ41と相互に通信可能とされている。
また、タンク循環路67には、貯湯タンク31に凝縮器63から供給される湯水の温度を検出する温度センサ72と、凝縮器63に貯湯タンク31から供給される湯水の温度を検出する温度センサ73とが装着されている。
ヒートポンプコントローラ71には、後述のタンクコントローラ41から貯湯タンク31内の湯水を加熱すべき旨の貯湯沸き上げ指令を示すデータ等が入力されると共に、上記温度センサ72,73の検出データが入力される。
そして、ヒートポンプコントローラ71は、タンクコントローラ41から貯湯沸き上げ指令を受信すると、貯湯タンク31内の湯水を加熱させるように、ヒートポンプ61及び循環ポンプ68の作動を制御する。
この場合、ヒートポンプコントローラ71は、上記温度センサ72,73の検出温度を用いて、所定の制御プログラムを実行することで、貯湯タンク31内の湯水の温度を、給湯システムの基本動作モードに応じて規定される所定の貯湯沸き上げ温度まで昇温させるように、ヒートポンプ61の出力と循環ポンプ68の回転数(ひいては、タンク循環路67を流れる湯水の流量)とを制御する。
次に、タンクユニット30は、ヒートポンプ61により加熱された湯水を貯蔵する貯湯タンク31と、出湯管32、給水管33及び出湯バイパス管34とを備える。
出湯管32は、台所、洗面所、浴室等に配置される給湯口に給湯するための流路である。この出湯管32は、貯湯タンク31の上部から導出され、燃焼式給湯器10(詳しくは、後述の熱交換器13)を経由した後、終端の給湯口に至るように配管されている。出湯管32の終端の給湯口には、例えばカラン35が接続される。
なお、出湯管32の終端の給湯口は複数に分岐していてもよく、また、カラン35の代わりに、シャワー等が接続されていてもよい。
給水管33は、水道管等から供給される水を貯湯タンク31と出湯管32とに給水する流路である。この給水管33は、その下流側の途中部33xから第1分岐給水管33aと第2分岐給水管33bとに分岐されている。そして、第1分岐給水管33aが貯湯タンク31の下部に接続され、第2分岐給水管33bが、出湯管32の上流側の第1途中部32xに接続(合流)されている。
従って、給水管33は、第1分岐給水管33aを介して貯湯タンク31にその下部から給水すると共に、第2分岐給水管33bを介して出湯管32の第1途中部32xに給水するように構成されている。なお、給水管33の途中部33xよりも上流側の箇所には減圧弁36が介装されている。
出湯管32の第1途中部32xは、換言すれば、給水管33から第1分岐給水管33aを介して貯湯タンク31に給水することに伴い該貯湯タンク31から出湯管32に供給される湯水と、給水管33から第2分岐給水管33bを介して出湯管32に供給される水との混合部である。
そして、貯湯タンク31から出湯管32に供給される湯水の流量(出湯管32の第1途中部32xに貯湯タンク31側から流入する湯水の流量)であるタンク出湯流量を調整するための流量調整弁37が、貯湯タンク31と第1途中部32xとの間で出湯管32に介装されている。また、給水管33から第2分岐給水管33bを介して出湯管32の第1途中部32xに供給される水の流量である混合給水流量を調整するための流量調整弁38が第2分岐給水管33bに介装されている。
これらの流量調整弁37,38により、それぞれタンク出湯流量、混合給水流量を調整することで、貯湯タンク31から出湯管32に供給される湯水と給水管33から第2分岐給水管33bを経由して出湯管32に供給される水との混合比(詳しくは、タンク出湯流量と混合給水流量との比)を変更することが可能となっている。以降この混合比をタンク出湯混合比という。
なお、流量調整弁37,38を上記の如く備える代わりに、例えば、出湯管32の第1途中部32xに三方弁を介装し、この三方弁により上記タンク出湯混合比を変更するようにしてもよい。
出湯バイパス管34は、出湯管32の第1途中部32xから下流側に流れる湯水(以降、タンク出湯混合湯水という)を、燃焼式給湯器10の上流側から下流側にバイパスさせて流す(燃焼式給湯器10を経由させずに流す)ための流路である。
この出湯バイパス管34は、燃焼式給湯器10の上流側における出湯管32の第2途中部32yと燃焼式給湯器10の下流側における出湯管32の第3途中部32zとを連通させるように配管されている。なお、上記第2途中部32yは、第1途中部32xよりも下流側の途中部である。また、第2途中部32y、第3途中部32zはそれぞれ本発明における途中部(A)、途中部(B)に相当する。
そして、出湯バイパス管34には、該出湯バイパス管34を開閉可能な流量調整弁により構成されたバイパス弁39が介装されている。
従って、バイパス弁39を閉弁した場合を除き、出湯管32の第1途中部32xから下流側に流れるタンク出湯混合湯水は、その一部が燃焼式給湯器10の内部の流路を通って下流側に流れ、残部が出湯バイパス管34を通って下流側に流れる。そして、出湯管32の終端の給湯口への給湯を行う場合には、燃焼式給湯器10から出湯管32の下流側に流れてくる湯水と、出湯バイパス管34を流れる湯水とが第3途中部32z(出湯バイパス管34の出口)で合流して混合され、その混合された湯水(以降、バイパス出口混合湯水という)が、出湯管32の終端の給湯口に供給されて出湯する。
この場合、バイパス弁39の開度を調整する(ひいては、出湯バイパス管34の流量を調整する)ことで、第3途中部32zに燃焼式給湯器10から流入する湯水の流量と、出湯バイパス管34から流入する湯水の流量との比率である混合比(以降、バイパス出口混合比という)を調整することができる。
なお、バイパス弁39を閉弁した状態では、出湯管32の第1途中部32xから下流側に流れる上流側混合湯水の全体が燃焼式給湯器10に供給されることとなる。
タンクユニット30は、さらに、前記流量調整弁37,38、及びバイパス弁39の作動制御等を行う機能を有するタンクコントローラ41を備えている。該タンクコントローラ41は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路ユニットにより構成されており、ヒートポンプコントローラ71及び後述の給湯コントローラ21と相互に通信可能とされている。
また、タンクコントローラ41には、使用者が給湯システムの運転操作等を行うためのリモコン43が接続されている。
リモコン43は、図示しない操作スイッチの操作、あるいは音声入力等に応じて、給湯システムの給湯運転のオンオフ、浴槽の湯はり運転のオンオフ、目標給湯温度、目標湯はり温度等の運転操作情報をタンクコントローラ41に指示する端末機器である。
また、タンクユニット30の貯湯タンク31、出湯管32、給水管33には、以下に説明する種々のセンサが組み付けられており、これらのセンサの検出データもタンクコントローラ41に入力される。
すなわち、貯湯タンク31には、該貯湯タンク31の湯切れ状態(貯湯タンク31内に所定温度以上の湯が無いか、もしくはほとんど無いと見なせる状態)を検知するためのタンク温度センサ48が付設されている。
このタンク温度センサ48は、貯湯タンク31の所定の高さ位置で該貯湯タンク31の上部の外周面又は内部に装着されており、その高さ位置での貯湯タンク31内の湯水の温度を検出する。
ここで、貯湯タンク31内の湯水が加熱された状態で、給水管33の第1分岐給水管33aから貯湯タンク31への給水が行われると、該給水に伴い、貯湯タンク31内の高温の湯が貯湯タンク31の上部から出湯管32に供給される。これに伴い、基本的には、貯湯タンク31内の下部に低温の水の層が生成されると共に上部に高温の湯の層が生成される。そして、貯湯タンク31への給水の進行に伴い、貯湯タンク31の下部の低温層が増加すると共に、上部の高温層が減少していく。
このため、タンク温度センサ48の検出温度が所定温度よりも高い状態は、貯湯タンク31の残湯量が、タンク温度センサ48の高さ位置に対応する所定量(タンク温度センサ48よりも上側の貯湯タンク31の容量)よりも多いことを示し、該検出温度が所定温度よりも低い状態は、該残湯量が上記所定量よりも少ないことを示す。
そこで、本実施形態では、タンクコントローラ41は、タンク温度センサ48の検出温度を所定温度と比較し、該検出温度が所定温度よりも低い場合に、貯湯タンク31の湯切れ状態が発生したことを検知する。
また、給水管33のうちの、途中部33xよりも上流側の箇所には、該給水管33を流れる水の流量(貯湯タンク31及び出湯管32へのトータルの給水流量)を検出する流量センサ49が装着され、第2分岐給水管33bには、給水温度を検出する温度センサ50が装着されている。
また、出湯管32の第1途中部32xよりも上流側の箇所には、前記タンク出湯流量を検出する流量センサ51と、貯湯タンク31側から第1途中部32xに流入する湯水の温度を検出する温度センサ52とが装着されている。
さらに、出湯管32の第1途中部32xと第2途中部32yとの間の箇所には、第1途中部32xから下流側に流れるタンク出湯混合湯水の温度を検出する温度センサ53が装着され、第3途中部32zの下流側の箇所には、給湯口から出湯させる湯水の温度(給湯温度)を検出する温度センサ54が装着されている。
なお、給水温度を検出するための温度センサ50は、途中部33xよりも上流側の給水管33、あるいは、第1分岐給水管33aに装着されていてもよい。また、流量センサ49,51のいずれか一方の代わりに、第2分岐給水管33bを流れる水の流量を検出する流量センサが該第2分岐給水管33bに装着されていてもよい。
そして、タンクコントローラ41は、モード設定スイッチ42で設定された基本動作モード、リモコン43から与えられる運転操作情報、上記各センサ44〜54の検出データを用いて、所定の制御プログラムを実行する。
この場合、タンクコントローラ41は、制御プログラムを実行することで実現される機能として、ヒートポンプコントローラ71と協働して、ヒートポンプユニット60に係る制御を行う機能を有する。この制御では、タンクコントローラ41は、タンク温度センサ48の検出温度を監視し、該検出温度があらかじめ設定された貯湯沸き上げ開始温度以下になると、ヒートポンプコントローラ71に前記貯湯沸き上げ指令を出力する。なお、貯湯沸き上げ開始温度は、前記沸き上げ温度よりも低い温度である。
また、タンクコントローラ41は、タンク温度センサ48の検出温度に基づいて、前記した如く貯湯タンク31の湯切れ状態を検知する機能を有する。なお、この場合、貯湯タンク31が湯切れ状態を検知するために、タンク温度センサ48の検出温度と比較する所定温度として、給湯運転時(出湯管32の給湯口への給湯を行う運転時)には、リモコン43で設定された目標給湯温度が使用され、浴槽の湯はり運転時には、リモコン43で設定された目標湯はり温度が使用される。
さらに、タンクコントローラ41は、給湯コントローラ21と協働することで、本発明における運転制御手段としての機能を有している。この運転制御手段としての機能を概略的に説明すると、タンクコントローラ41は、貯湯タンク31の湯切れ状態が発生していない場合での給湯運転時又は湯はり運転時には、燃焼式給湯器10の加熱運転(詳しくは、燃焼式加熱源11による湯水の加熱を行う運転)を禁止した状態で、前記タンク出湯混合比を流量調整弁37,38を介して調整することで、出湯管32の給湯口への給湯温度又は浴槽の湯はり温度を各々、目標給湯温度、目標湯はり温度に制御する。
また、貯湯タンク31の湯切れ状態での給湯運転時には、タンクコントローラ41は、燃焼式給湯器10の加熱運転を行わせつつ、前記バイパス出口混合比をバイパス弁39を介して調整することで、給湯口に給湯する湯水の給湯温度を目標給湯温度に制御する。
さらに、貯湯タンク31の湯切れ状態での湯はり運転時には、タンクコントローラ41は、燃焼式給湯器10の加熱運転を行わせる。この場合、タンクコントローラ41は、バイパス弁39を基本的には、閉弁状態に制御するが、湯はり運転の開始初期に一時的に開弁状態に制御する場合もある。なお、湯はり運転では、浴槽に供給する湯水の温度は、燃焼式給湯器10の加熱運転によって、目標湯はり温度に制御される。
次に、燃焼式給湯器10は、出湯管32により上流側から供給される湯水を燃焼式加熱源11により適宜加熱するものである。この燃焼式加熱源11は、ガスバーナ等のバーナ12と、バーナ12の燃焼熱が付与される熱交換器13とを備えている。そして、燃焼式給湯器10に導入された出湯管32は、上流側の第2途中部32yから供給される湯水を、熱交換器13を経由させて、下流側の第3途中部32zに流すように配管されている。
燃焼式給湯器10は、さらに、熱交換器13の上流側から下流側に該熱交換器13をバイパスさせて湯水を流すためのバイパス管14と、熱交換器13の下流側から図示しない浴槽に湯はり用の湯水を供給する湯はり管15とを備える。
バイパス管14は、燃焼式給湯器10の内部の出湯管32における熱交換器13の上流側の途中部と下流側の途中部とを接続している。そして、燃焼式給湯器10の内部の出湯管32には、熱交換器13の上流側におけるバイパス管14との接続箇所に、該接続箇所から熱交換器13に流れる湯水の流量と、バイパス管14に流れる湯水の流量との比率であるバイパス比を調整するためのバイパスサーボ弁16が介装されている。
また、燃焼式給湯器10の内部の出湯管32には、バイパスサーボ弁16の上流側の箇所に、燃焼式給湯器10に上流側から流入する湯水の流量を調整するための水量サーボ弁17が介装されている。
さらに、該出湯管32には、熱交換器13の下流側の箇所に、水撃緩衝弁18が介装されている。この水撃緩衝弁18は、燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32において、下流側からの湯水の逆流を抑制するように機能する。該水撃緩衝弁18は、一般に、当該逆流を完全に阻止するものではなく、下流側から上流側への少量の湯水の流通は可能である。
湯はり管15は、熱交換器13の下流側における出湯管32から分岐されて、図示しない浴槽に接続されている。そして、この湯はり管15には、該湯はり管15を開閉する湯はり弁19が介装されている。
燃焼式給湯器10は、さらに、バーナ12の燃焼運転、あるいは、バイパスサーボ弁16、水量サーボ弁17及び湯はり弁19の作動制御等を行う機能を有する給湯コントローラ21を備えている。該給湯コントローラ21は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路ユニットにより構成されている。
また、燃焼式給湯器10の内部の出湯管32には、上流側から該燃焼式給湯器10に供給される湯水の全体の流量をバイパスサーボ弁16の上流側で検出する流量センサ22と、熱交換器13の下流側におけるバイパス管14との接続箇所から下流側に供給される湯水の温度(給湯器出湯温度)を当該接続箇所の下流側で検出する温度センサ23とが装着されている。さらに、湯はり管15には、該湯はり管15で浴槽に供給される湯水の流量を検出する流量センサ24が装着されている。
給湯コントローラ21には、タンクコントローラ41から、給湯運転又は湯はり運転を行うべき旨の指令、目標給湯温度又は目標湯はり温度を示すデータ、給湯運転時に燃焼式給湯器10の加熱運転を許可するか否かを示す指令等が入力されると共に、上記流量センサ22,24及び温度センサ23の検出データが入力される。
そして、給湯コントローラ21は、給湯運転を行うことが指令され、且つ、燃焼式給湯器10の加熱運転を行うことが許可されている状態では、流量センサ22により所定の下限流量以上の通水が検知される場合に、温度センサ23の検出温度が、目標温度になるように、バーナ12の燃焼量とバイパスサーボ弁16によるバイパス比とを制御する処理である加熱運転制御の処理を実行する。なお、この場合の上記目標温度は、目標給湯温度よりも高い温度に設定される。
また、給湯コントローラ21は、湯はり運転を行うことが指令されている状態では、湯はり弁19を開弁すると共に、温度センサ23の検出温度が、目標温度(ここでは目標湯はり温度)になるように、加熱運転制御の処理を実行する。なお、湯はり運転時には、流量センサ24の検出流量の積算値が、リモコン43等で設定される目標湯はり量に達すると、湯はり弁19が閉弁されると共に、燃焼式給湯器10の加熱運転が終了される。
本実施形態では、上記したタンクコントローラ41と給湯コントローラ21とにより本発明における運転制御手段が構成される。
次に、本実施形態の給湯システムの給湯運転時及び湯はり運転時におけるタンクコントローラ41及び給湯コントローラ21の制御処理を図2〜図5を参照して詳説する。
図2のフローチャートを参照して、給湯システムの電源が投入された当初の待機状態(給湯運転又は湯はり運転を行ことが要求されていない状態)で、バイパス弁39がタンクコントローラ41により開弁状態に制御されると共に、湯はり弁19が給湯コントローラ21により閉弁状態に制御されている(STEP1)。
この状態で、タンクコントローラ41は、浴槽の湯はり運転の要求があるか否かを判断する(STEP2)。
この場合、タンクコントローラ41は、リモコン43の操作によって、湯はり運転を行うべきことが指示された場合、あるいは、あらかじめ設定されたスケジュールによって、湯はり運転を開始すべき時刻になった場合に、湯はり運転の要求があると判断する。
そして、湯はり運転の要求があると判断した場合には、図3のフローチャートに示す制御処理がタンクコントローラ41及び給湯コントローラ21により実行される。また、STEP2で、湯はり運転の要求が無い場合には、タンクコントローラ41は、次にSTEP3において、給水管33における通水(カラン35の開栓等に起因する給湯口への通水)の有無を判断する。
この場合、タンクコントローラ41は、給水管33の流量センサ49の検出流量があらかじめ設定された下限流量以上となった場合に、通水を検知する。
そして、STEP3で通水が検知されない場合には、タンクコントローラ41は、STEP2からの処理を継続する。
また、STEP3で通水が検知されると、STEP4からの制御処理がタンクコントローラ41及び給湯コントローラ21により実行される。
STEP4では、タンクコントローラ41は、貯湯タンク31が湯切れ状態であるか否かを判断する。この場合、タンクコントローラ41は、タンク温度センサ48の検出温度が所定温度(ここでは目標給湯温度)よりも低いか否かによって、貯湯タンク31が湯切れ状態であるか否かを判断する。
STEP4で、貯湯タンク31が湯切れ状態でない場合には、STEP5からの制御処理が実行される。STEP5では、タンクコントローラ41は、バイパス弁39を全開状態に制御する。さらに、タンクコントローラ41は、STEP6において、燃焼式給湯器10の加熱運転を禁止する旨の指令を給湯コントローラ21に与える。
そして、STEP7において、タンクコントローラ41により、カラン35等の給湯口に供給される湯水の温度(給湯温度)をリモコン43で設定された目標給湯温度に制御する温調制御が行われる。
この温調制御では、燃焼式給湯器10の加熱運転が禁止されているので、該燃焼式給湯器10の加熱運転は行われない。そして、タンクコントローラ41は、温度センサ54(又は53)の検出温度が目標給湯温度になるように、前記タンク出湯混合比を流量調整弁37,38により調整する。これにより、給湯温度が目標給湯温度に制御される。
かかる温調制御と並行して、タンクコントローラ41は、給水管33が止水状態(通水が検知されない状態)になったか否かを判断する(STEP8)。この場合、タンクコントローラ41は、給水管33の流量センサ49の検出流量が下限流量未満になった場合に、止水状態を検知する。
そして、給水管33が止水状態でない場合には、STEP4からの処理が継続される。また、給水管33が止水状態になると、給湯運転が終了し、STEP1からの制御処理が再開される。
一方、給湯運転の継続等によって、STEP4で貯湯タンク31が湯切れ状態になったことが検知されると、STEP9からの制御処理が実行される。
STEP9では、タンクコントローラ41は、燃焼式給湯器10の加熱運転を許可する旨の指令を給湯コントローラ21に与える。
そして、STEP10において、タンクコントローラ41と給湯コントローラ21との協働によって、給湯温度を目標給湯温度に制御する温調制御が行われる。
この温調制御では、タンクコントローラ41は、前記温度センサ53により検出される前記タンク出湯混合湯水の温度が目標給湯温度よりも低い所定の混合目標温度以下となるように、前記タンク出湯混合比を流量調整弁37,38を介して調整する。
また、給湯コントローラ21は、温度センサ23の検出温度(燃焼式給湯器10から流出する湯水の温度)が目標給湯温度よりも所定温度だけ高い目標給湯器出湯温度になるように、バーナ12の燃焼量とバイパスサーボ弁16によるバイパス比とを制御する(加熱運転制御の処理を実行する)。なお、バイパス比を一定として、バーナ12の燃焼量だけを制御するようにしてもよい。
さらに、タンクコントローラ41は、温度センサ54により検出される温度(給湯温度の検出値)が、目標給湯温度になるように、バイパス弁39の開度(ひいては、前記バイパス出口混合比)を制御する。
これにより、給湯温度が目標給湯温度に制御される。なお、STEP10の制御処理は、本発明におけるバイパス混合給湯制御処理に相当する制御処理である。
かかる温調制御と並行して、タンクコントローラ41は、給水管33が止水状態になったか否かを判断する(STEP11)。この判断は、前記STEP8と同様に行われる。
そして、給水管33が止水状態でない場合には、STEP4からの処理が継続される。また、給水管33が止水状態になると、タンクコントローラ41は、当該止水から第1の所定時間が経過したか否かをSTEP12で判断する。換言すれば、タンクコントローラ41は、STEP10の温調制御の処理(バイパス混合給湯制御処理)を行う給湯運転の終了後の経過時間が第1の所定時間に達したか否かをSTEP12で判断する。該第1の所定時間は、本発明における「所定時間」に相当するものである。本実施形態では、該第1の所定時間は、例えば20分である。
ここで、STEP10の温調制御が行われる給湯運転では、燃焼式給湯器10の加熱運転によって、燃焼式給湯器10から出湯管32に下流側に流出する湯水の温度が目標給湯温度よりも高い目標給湯器出湯温度になるように制御される。
このため、当該給湯運転の終了直後は、燃焼式給湯器10の出湯管32(詳しくは熱交換器13の下流側から第3途中部32zに至る出湯管32)の内部に目標給湯温度よりも高い温度の湯水が残留する。
そして、上記第1の所定時間(20分)は、当該残留する湯水が目標給湯温度よりも低い温度に冷めるまでに必要な時間として、あらかじめ実験等に基づき設定された時間である。
そして、STEP12の判断結果が肯定的である場合(給水管33が止水状態になってからの経過時間が第1の所定時間(20分)に達した場合)には、STEP1からの制御処理が再開される。
一方、STEP12の判断結果が否定的である場合(給水管33が止水状態になってからの経過時間が所定時間(20分)に達していない場合)には、タンクコントローラ41は、STEP13において、湯はり運転の要求があるか否かを判断する。この判断は、前記STEP2と同様に行われる。
STEP13で湯はり運転の要求が無い場合には、タンクコントローラ41は、STEP15において、給水管33における通水の有無を判断する。この判断は、前記STEP3と同様に行われる。
そして、STEP15で通水が検知されない場合には、STEP12からの処理が繰り返される。また、STEP15で通水が検知された場合には、前記STEP4からの処理が実行される。
STEP13で湯はり運転の要求がある場合には、タンクコントローラ41は、STEP14の処理を実行し、さらに図3のフローチャートに示す制御処理(湯はり運転の制御処理)を給湯コントローラ21と協働して実行する。
上記STEP14では、タンクコントローラ41は、タイマを起動して、該タイマによる計時を開始する。これにより、湯はり運転の開始時からの経過時間の計時が開始される。なお、タイマは、計時時間があらかじめ定められた第2の所定時間に達すると、計時を終了するタイマ(例えばカウントダウンタイマ)である。該第2の所定時間は、本実施形態では例えば60秒である。
前記STEP2又は13で湯はり運転の要求があった場合に、図3のフローチャートに示す制御処理は次のように実行される。
まず、STEP16において、給湯コントローラ21は、タンクコントローラ41からの指令により湯はり弁19を開弁状態に制御する。これにより、浴槽への湯水の供給を行う湯はり運転が開始される。
次いで、STEP17において、タンクコントローラ41は、前記タイマが計時中であるか否か(すなわち、該タイマの計時時間が第2の所定時間に達する前の状態であるか否か)を判断する。
ここで、湯はり運転の開始時のSTEP17で前記タイマが計時中である状況は、今回の湯はり運転の開始前に、STEP10の温調制御を行う給湯運転が実行されており、且つ、該給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間(20分)に達していない状態で今回の湯はり運転が開始された状況である。この状況は、換言すれば、今回の湯はり運転の開始時から第1の所定時間前(20分前)までの期間内でSTEP10の温調制御を行う給湯運転が実行された状況である。この状況では、燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32の内部に目標給湯温度よりも高い温度の湯水が残留している可能性が高い状態である。
一方、湯はり運転の開始時のSTEP17で前記タイマが計時中でない状況は、今回の湯はり運転の開始前に、STEP10の温調制御を行う給湯運転が実行されていないか、又は該給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間に達した後に今回の湯はり運転が開始された状況である。この状況は、換言すれば、今回の湯はり運転の開始時から第1の所定時間前(20分前)までの期間内でSTEP10の温調制御を行う給湯運転が実行されていない状況である。従って、この状況では、燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32の内部に目標給湯温度よりも高い温度の湯水が残留していることはない。
そこで、STEP17で前記タイマが計時中でない場合には、タンクコントローラ41は、STEP18においてバイパス弁39を閉弁状態に制御する。従って、今回の湯はり運転の開始時から第1の所定時間前までの期間内でSTEP10の温調制御を行う給湯運転が実行されていない場合には、今回の湯はり運転の開始時に直ちに、バイパス弁39が閉弁状態に制御される。
一方、STEP17で前記タイマが計時中である場合には、タンクコントローラ41は、最終的にSTEP17で前記タイマが計時中でないこと(計時が終了したこと)が確認されるまで、STEP19において、バイパス弁39を例えば現状開度に保持する。該現状開度は、STEP10の温調制御を行う給湯運転の終了時の開度(開弁状態の開度)である。なお、該バイパス弁39の開度は既定値の開度でもよい。
ここで、前記STEP16で湯はり弁19を開弁しているので、STEP18でバイパス弁39を閉弁状態にした場合には、出湯管32の第1途中部32xから下流側に流れるタンク出湯混合湯水の全体が、燃焼式給湯器10の熱交換器13の上流側の出湯管に流入し、さらに、該熱交換器13の下流側から湯はり管15を通って浴槽に供給される。
一方、STEP19でバイパス弁39を開弁状態の開度に保持した場合には、タンク出湯混合湯水の多くは、第2途中部32yから燃焼式給湯器10の熱交換器13の上流側の出湯管32に流入し、さらに、該熱交換器13の下流側から湯はり管15を通って浴槽に供給される。
ただし、燃焼式給湯器10における湯はり管15の分岐箇所の下流側で出湯管32に介装されている水撃緩衝弁18は、下流側から上流側への湯水の流通がある程度可能である。このため、タンク出湯混合湯水の一部は、出湯バイパス管34及び第3途中部32zを経由して、燃焼式給湯器10の出湯管32に下流側から流入し、さらに、水撃緩衝弁18を逆流方向に通った後に、湯はり管15を通って浴槽に供給される。
この場合、湯はり運転の開始直後に燃焼式給湯器10の出湯管32に下流側から流入する湯水の温度は、該出湯管32に残留していた湯水の温度よりも低いので、熱交換器13の下流側の出湯管32の湯水の温度が低下する。
上記の如くバイパス弁39を閉弁状態又は開弁状態に制御した状態で、STEP20において、タンクコントローラ41及び給湯コントローラ21の協働によって、浴槽に供給する湯水の温度(湯はり温度)を制御する湯はり温調制御処理が実行される。
この湯はり温調制御処理は、図4のフローチャートで示す如く実行される。すなわち、タンクコントローラ41は、STEP31において、貯湯タンク31の湯切れ状態であるか否かを判断する。この判断処理は、前記STEP4と同様に行われる。
STEP31で、貯湯タンク31が湯切れ状態でない場合には、STEP32,33の制御処理が実行される。STEP32では、タンクコントローラ41は、燃焼式給湯器10の加熱運転を禁止する旨の指令を給湯コントローラ21に与える。
そして、STEP33において、タンクコントローラ41により、浴槽に供給する湯水の温度(湯はり温度)をリモコン43で設定された目標湯はり温度に制御する温調制御が実行される。
この温調制御では、燃焼式給湯器10の加熱運転が禁止されているので、該燃焼式給湯器10の加熱運転は行われない。そして、タンクコントローラ41は、温度センサ53(又は23)の検出温度が目標湯はり温度になるように、前記タンク出湯混合比を流量調整弁37,38により調整する。これにより、浴槽に供給される湯水の温度が目標湯はり温度に制御される。
また、STEP31で貯湯タンク31が湯切れ状態になったことが検知された場合には、STEP34,35の制御処理が実行される。STEP34では、タンクコントローラ41は、燃焼式給湯器10の加熱運転を許可する旨の指令を給湯コントローラ21に与える。
そして、STEP35において、タンクコントローラ41と給湯コントローラ21との協働によって、給湯温度を目標給湯温度に制御する温調制御が行われる。
この温調制御では、タンクコントローラ41は、前記温度センサ53により検出される前記タンク出湯混合湯水の温度が目標湯はり温度よりも低い所定の混合目標温度以下となるように、前記タンク出湯混合比を流量調整弁37,38を介して調整する。
また、給湯コントローラ21は、熱交換器13の下流側の温度センサ23の検出温度(浴槽に供給される湯水の温度の検出値)が目標湯はり温度になるように、バーナ12の燃焼量とバイパスサーボ弁16によるバイパス比とを制御する(加熱運転制御の処理を実行する)。なお、バイパス比を一定として、バーナ12の燃焼量だけを制御するようにしてもよい。
これにより、浴槽に湯はり管15から供給される湯水の温度が、目標湯はり温度にほぼ一致するように制御される。
図3に戻って、上記の如く湯はり温調制御処理がSTEP20で実行されるのと並行して、タンクコントローラ41は、割り込み給湯の有無をSTEP21で判断する。該割り込み給湯は、浴槽の湯はり運転中に出湯管32に給湯口が開栓される(例えばカラン35が開栓される)ことに応じて給湯口への給湯を行うものである。
かかる割り込み給湯が開始されると、給水管33の給水流量が、湯はり管15で浴槽に流れる湯水の流量よりも多くなる。そこで、タンクコントローラ41は、給水管33の流量センサ49の検出流量が、湯はり管15の流量センサ24の検出流量よりも所定量以上大きくなった場合に、割り込み給湯がなされたことを検知する。
STEP21で割り込み給湯が検知されない場合には、タンクコントローラ41(又は給湯コントローラ21)は、STEP22で浴槽の湯はりが完了したか否かを判断する。
この場合、湯はり管15の流量センサ24の検出流量の積算値(湯はり運転の開始時からの積算値)が、リモコン43で設定される目標湯はり量に達した場合に、湯はりが完了したと判断される。
そして、STEP22で湯はりが完了していない場合には、STEP17からの制御処理が継続する。
また、STEP22で湯はりが完了した場合には、湯はり運転が終了し、STEP1からの制御処理が再開される。
以上のようにして湯はり運転が行われる。この場合、湯はり運転の開始時のSTEP14でタイマが起動された場合には、該タイマの計時が終了するまで(湯はり運転の開始時から第2の所定時間(60秒)が経過するまで)、バイパス弁39が開弁状態とされ、該タイマの計時が終了した後は、STEP18の処理によって、バイパス弁39が閉弁状態に制御される。従って、湯はり運転では、その開始直後に前記タイマが計時中となっている期間(これは本発明における所定期間に相当する)を除いて、バイパス弁39が閉弁状態に維持される。
補足すると、前記STEP10の温調制御を行う給湯運転時に、例えば目標給湯温度が比較的高い場合、あるいは、給水管33の流量が少量である場合には、バイパス弁39を閉弁状態に保持してもよい。この場合には、該給湯運転の終了時における燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32の内部の湯水の温度は、目標給湯温度もしくはそれに近い温度となっている。
従って、この場合には、STEP19でバイパス弁39を閉弁状態に制御してもよい。STEP19でバイパス弁39を開弁状態に制御することは、STEP10の温調制御を行う給湯運転時(詳しくは、今回の湯はり運転の開始時から第1の所定時間前までの期間内での当該給湯運転時)に、バイパス弁39が開弁状態の開度に制御された場合にだけ行うようにしてもよい。
STEP21で割り込み給湯がなされたことが検知された場合には、STEP23において、給湯コントローラ21はタンクコントローラ41の指令により、湯はり弁19を閉弁状態に制御する。これにより、浴槽の湯はり運転が一旦、中断される。
そして、給湯コントローラ21及びタンクコントローラ41の協働によって、前記したたSTEP4からの制御処理が実行される。これにより、給湯口に供給する湯水の温度(給湯温度)が目標給湯温度になるように制御される。
なお、この場合、給湯管33が止水状態となって割り込み給湯が終了すると(STEP8又はSTEP11の判断結果が肯定的となると)、その直後に実行されるSTEP2又はSTEP13の処理における判断結果が肯定的となって、湯はり運転が再開される。
また、タイマの計時中に割り込み給湯が行われた場合には、該タイマの計時が継続する。ただし、STEP10の温調制御が行われる割り込み給湯の終了後に、湯はり運転が再開される場合には、該湯はり運転の再開時にSTEP14でタイマが再起動される。
以上のようにして湯はり運転中に、割り込み給湯があった場合には、湯はり運転が一旦、中断され、割り込み給湯の終了後に、湯はり運転が再開される。
以上説明した実施形態によれば、STEP10の温調制御(詳しくは、バイパス弁39が開弁状態の開度に制御される温調制御)を行う給湯運転が実行される給湯運転が行われた後、該給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間(20分)に達していない状態で、湯はり運転を開始した場合に、該湯はり運転の開始直後は、タイマの計時が終了するまで(湯はり運転の開始時からの経過時間が第2の所定時間(60秒)に達するまで)、バイパス弁39が開弁状態に制御される。
このため、タイマの計時中に割り込み給湯が行われた場合には、燃焼式給湯器10の出湯管32からの湯水と前記第2途中部32yから出湯バイパス管34を通って下流側に流れてくる湯水とが第3途中部32zで混合された後に、給湯口に供給される。
この場合、第2途中部32yに上流側から供給されるタンク出湯混合湯水の温度は、前記STEP10の温調制御が行われる給湯運転時の終了時における燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32(第3途中部32zよりも燃焼式給湯器10側の出湯管32)の湯水の温度よりも低い。
従って、湯はり運転中に、前記タイマの計時中となっている途中で、割り込み給湯が行われても、給湯口に目標給湯温度に比して高温の湯が供給されるのが防止される。
また、STEP10の温調制御を行う給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間(20分)に達した後に開始された湯はり運転の途中で割り込み給湯が行われた場合、あるいは、湯はり運転中にタイマの計時が終了した後に、割り込み給湯が行われた場合には、該割り込み給湯の開始時にバイパス弁39が閉弁状態に制御されている。
ただし、この場合、該割り込み給湯の開始時には、第3途中部32zよりも燃焼式給湯器10側の出湯管32の湯水の温度は既に十分に低下している。
従って、当該割り込み給湯においても、その開始直後に、給湯口に目標給湯温度に比して高温の湯が供給されるのが防止される。
また、タイマの計時終了後の湯はり運転では、バイパス弁39が閉弁されているので、出湯管32の第1途中部32xから下流側に流れるタンク出湯混合湯水の全量が、燃焼式給湯器10のその上流側から供給される。このため、浴槽に供給する湯水の温度を好適に目標湯はり温度に制御することができる。
次に、以上説明した実施形態の変形態様を説明する。
前記実施形態では、STEP10の温調制御を行う給湯運転が実行される給湯運転が行われた後、該給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間(20分)に達していない状態で、湯はり運転が開始された場合に、タイマの計時が終了するまで(湯はり運転の開始時からの経過時間が第2の所定時間(60秒)に達するまで)、バイパス弁39を一定開度の開弁状態に制御したが、該バイパス弁39の開度を、タイマの計時中に徐々に減少させていくようにしてもよい。例えば、タイマの計時中に、バイパス弁39の開度を一定の減少速度で減少させたり、あるいは、タイマの計時終了時にバイパス弁39の開度がゼロになるように該バイパス弁39の開度を徐々に減少させるようにしてもよい。
このようにした場合には、タイマの計時中に割り込み給湯が行われた場合に、該割り込み給湯の開始タイミングがタイマの計時終了の時刻に近いほど、該割り込み給湯の開始直後に出湯バイパス管34を通って第3途中部32zに流入する湯水(燃焼式給湯器10側からの第3途中部32zに流れる湯水に混合する湯水)の流量を抑制できる。
このため、第3途中部32zよりも燃焼式給湯器10側の出湯管32内の湯水の温度に適した量の湯水を出湯バイパス管34から第3途中部32zに流入させることができる。ひいては、割り込み給湯の開始直後に給湯口に供給される湯水の温度が低くなり過ぎないようにして、該湯水の温度を速やかに目標給湯温度に近づけることができる。
また、前記実施形態では、STEP10の温調制御を行う給湯運転が実行される給湯運転が行われた後、該給湯運転の終了後の経過時間が前記第1の所定時間(20分)に達していない状態で、湯はり運転が開始された場合に、該湯はり運転の開始直後に、バイパス弁39を開弁状態に制御する期間を、該湯はり運転の開始時から一定時間としての第2の所定時間(60秒)が経過するまでの期間とした。
ただし、湯はり運転の開始時からバイパス弁39を開弁状態に制御する期間の時間を、例えば、STEP10の温調制御を行う給湯運転の終了時から湯はり運転の開始時までの時間(以降、時間Xという)に応じて可変的に設定してもよい。この場合、時間Xが長いほど、湯はり運転の開始時において燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側の出湯管32内の湯水の温度が低下していると考えられる。従って、例えば、時間Xが長いほど、バイパス弁39を開弁状態に制御する期間の時間が短くなるようにしてもよい。
このようにした場合には、湯はり運転中にバイパス弁39を開弁状態に保持する期間を必要最小限の時間に留めることができる。
さらには、例えば、燃焼式給湯器10の熱交換器13の下流側(湯はり管15の分岐箇所よりも下流側)の出湯管32内の湯水の温度を検出する温度センサを備える場合には、湯はり運転の開始直後にバイパス弁39を開弁状態に保持する期間を、当該温度センサによる検出温度に応じて決定するようにしてもよい。例えば、湯はり運転の開始後、当該検出温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致する温度に低下するまで、バイパス弁39を開弁状態に制御するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、燃焼式給湯器10内の出湯管32には、熱交換器13の下流側に水撃緩衝弁18が介装されているが、該水撃緩衝弁18が省略されていてもよい。
また、前記実施形態では、貯湯タンク31の湯切れ状態を検知するために、貯湯タンク31に装着した温度センサ48を使用したが、例えば次のような手法で湯切れ状態を検知することも可能である。
すなわち、貯湯タンク31の沸き上げ状態(残湯量の満杯状態)から、貯湯タンク31から出湯管32に流れる湯水(所定温度以上の湯水)の流量を適宜の流量センサにより検出し、その検出値を積算する。そして、該流量の検出値の積算値を、貯湯タンク31の容量から減算することにより、貯湯タンク31の残湯量を推定する。この残湯量の推定値を、湯切れ状態判定用の閾値を比較することで、貯湯タンク31の湯切れ状態を検知することもできる。