JP5832319B2 - 車軸軸受の異常を検知する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の車軸軸受の異常を検知する方法及びシステムに関する。
鉄道車両の構成要素の一部である車軸軸受は、車両の重量を支えつつ車軸の回転を妨げないように設置されている。車軸軸受内においてころが接触する内輪及び外輪の表面が荷重を与えられながら繰り返し接触すると機械的な疲労を起こし、はく離等の異常を生じるおそれがある。
このような車軸軸受の異常は、発熱、さらには焼きつき、ひいては車両の脱線などの問題を引き起こすおそれがあり、そのような損傷を早期に発見することが重要である。
車軸軸受の異常を発見する手法として、車軸軸受を収容する軸箱のそれぞれに加速度ピックアップを設置してその加速度を検出することにより、車軸軸受の異常を検知する方法が従来からあるものの、検出をする軸箱の全てに加速度ピックアップを設置しなければならないことによる煩雑さ及びコストが原因で、この手法を実際に検知方法として使用するに至っていない。
現在、車軸軸受が損傷した際に発生する音から車軸軸受の異常を検知する方法が既に提案されている。その1つとして、レールの脇に設置した、複数のマイクロホンから形成されるマイクロホンアレイにより、車軸軸受の異常を検知するソフトウェアRailBAM(商標)がVipac社より一般に発売されている。非特許文献1では、本ソフトウェアを使用して車軸軸受の異常を検知している。
キース・ブレイドン(Keith Bladon)他4名、「鉄道車両の予測状態モニタリング(PREDICTIVE CONDITION MONITORING OF RAILWAY ROLLIDNG STOCK)」、(オーストラリア)、RTSA、2004年6月20〜23日(鉄道工学カンファレンス(Conference On Railway Engineering))
しかしながら、RailBAMが対象とするのは貨車であって、付随車で検出した音のみでしか車軸軸受の異常を検知できないという問題がある。例えば駆動装置及び換気・空調装置などの車両床下機器の作動音、レール及び車輪の表面に存在する微小な凹凸に起因した加振力を基にした転動音、車輪踏面に不整がある場合はそれに伴う衝撃音等の車軸軸受以外の要素が発生する音が、音響的な外乱となり、車軸軸受の異常を検知する際において障害となるからである。
したがって、本発明の目的は、鉄道車両において、音響的な外乱を極力排除すると共に車輪踏面状態のばらつきに起因する転動音の変動を考慮しつつ、マイクロホンで検出した車両走行音から車軸軸受の異常を検知する方法及び軸受監視システムを提供することにある。
本発明によれば、
鉄道車両の車軸軸受の異常を検知するための、軸受監視方法であって、
レールの脇にマイクロホンを設置する段階と、
レールとマイクロホンとの間に遮音装置を設置する段階であって、遮音装置が、車軸軸受とマイクロホンとの間に開口部を有する遮音装置を設置する段階と、
マイクロホンによって車両走行音を検出する車両走行音検出段階と、
レールと車輪との間の接触面に作用する加振力により発生する音を代表する転動音相当値を、レールに設置された転動音相当値検出器によって検出する転動音相当値検出段階と、
前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて、車軸軸受の異常を検知する異常検知段階と、
を含む、
軸受監視方法が提供される。
前記軸受監視方法はさらに、前記車両走行音及び前記転動音相当値を、検出時の車両の速度に応じて定められる周波数帯のバンドパスフィルタに通過させる段階を含み、
前記異常検知段階が、バンドパスフィルタに通過させた後の前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて車軸軸受の異常を検知する段階であると好ましい。
車軸軸受が発生する音が主に含む周波数成分以外の周波数成分をカットすることで、車軸軸受が発生する音を検知し易くなるからである。
前記軸受監視方法は、さらに、車軸軸受が所定の検出位置を通過する時点をレールに設置した車軸通過検知装置によって検知する段階を含み、
前記異常検知段階は、所定の検知位置を通過する時点の前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて車軸軸受の異常を検知する段階であると好ましい。
車軸軸受がマイクロホン及び転動音相当値検出器を通過すると、車両走行音及び転動音相当値にピークが発生するようになっており、車軸通過検知装置によって、それらのピークの位置を認識し易くなるからであり、さらには、これらのピークの値を取得することが容易になるからである。
前記軸受監視方法は、
前記鉄道車両が、複数の車軸軸受を有しており、
車軸軸受がマイクロホンを通過すると、車両走行音にピークが発生するようになっており、
さらに、車軸軸受が転動音相当値検出器を通過すると、転動音相当値にピークが発生するようになっており、
前記異常検知段階が、
異常を検知する対象の車軸軸受に対応する前記車両走行音のピークの値である検知対象車両走行音ピーク値を検出する段階と、
他の車両軸受に対応する車両走行音のピークの値である評価車両走行音ピーク値を検出する段階と、
前記検知対象車両走行音ピーク値から前記評価車両走行音ピーク値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値よりも高い原因が車軸軸受にあると仮判断する段階と、
当該検知対象車両走行音ピークに対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である検知対象転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
当該評価車両走行音ピークに対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である評価転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断し、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する段階と、
を含む段階であると好ましい。
このような異常検知段階を含むことにより、車輪踏面状態のばらつきに起因する転動音の変動による誤検知を減少させることができ、ひいては軸受監視方法の精度が向上するからである。
前記軸受監視方法は、
前記鉄道車両が、複数の車軸軸受を有しており、
車軸軸受がマイクロホンを通過すると、車両走行音にピークが発生するようになっており、
さらに、車軸軸受が転動音相当値検出器を通過すると、転動音相当値にピークが発生するようになっており、
前記異常検知段階が、
異常を検知する対象の車軸軸受に対応する前記車両走行音のピークの値である検知対象車両走行音ピーク値を検出する段階と、
他の車両軸受に対応する車両走行音のピークの値である評価車両走行音ピーク値を検出する段階と、
検出した当該評価車両走行音ピーク値の平均値を取る段階と、
前記検知対象車両走行音ピーク値から前記評価車両走行音ピーク値の平均値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値の平均値よりも高い原因が車軸軸受にあると仮判断する段階と、
当該検知対象車両走行音ピーク値に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピーク値である検知対象転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
当該評価車両走行音ピーク値に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピーク値である評価転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
検出した評価転動音相当値ピーク値の平均値を取る段階と、
検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断し、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する段階と、
を含む段階であると好ましい。
異常検知段階において、上述のように評価車両走行音ピーク値の平均値を基準にすることにより、車両走行音の検出誤差による誤検知をさらに減少させ、上述のように評価転動音相当値ピーク値の平均値を基準にすることにより、車輪踏面状態のばらつきに起因する転動音の変動による誤検知をさらに減少し、ひいては軸受監視方法の精度がさらに向上するからである。
前記異常検知段階が、
前記転動音相当値を車両走行音から除去した、転動音の影響を除去した車両走行音を算出する段階と、
この転動音の影響を除去した車両走行音に基づいて、車軸軸受の異常を検知する段階と、
を含む段階であると好ましい。
車両走行音から車輪踏面状態のばらつきによる転動音の変動を直接車両走行音から取り除くことができ、ひいては軸受監視方法の精度がさらに向上するからである。
前記遮音装置が略矩形の防音壁であり、
前記開口部及び前記マイクロホンの高さ位置が、車両軸受を収容する軸箱の高さ位置にほぼ等しいと好ましい。
検知対象の車軸軸受から発生する音の直達音がマイクロホンに到達するようになるからである。
前記開口部の高さが、軸箱の高さにほぼ等しく、
前記開口部のレール長手方向の長さが軸距よりも短いと好ましい。
検知対象の軸箱、ひいては車軸軸受からの直達音を遮音装置の遮音部分で遮音しないようにし、隣接する前後の車軸軸受からの直達音をマイクロホンに到達させないようにするからである。なおここで、用語「軸距」とは、同一の台車に取り付けられた車軸同士間の距離をいう。
前記マイクロホン及び前記転動音相当値検出器が、レールの長手方向と直角をなす水平方向に実質的に整列していると好ましい。
或る車軸軸受に起因にして発生する車両走行音ピークと転動音相当値ピークがほぼ同時点で検出され、その後のデータ処理が容易になるからである。
さらに、前記マイクロホン及び前記転動音相当値検出器だけでなく、車軸通過検知装置も設置されているならば同様に整列していると好ましい。上述と同様に、その後のデータ処理がさらに容易になるからである。
本発明によれば、
鉄道車両の車軸軸受の異常を検知するための、軸受監視システムであって、
レールの脇に設置された、車両走行音を検出するためのマイクロホンと、
レールとマイクロホンとの間に設置された遮音装置であって、車軸軸受とマイクロホンとの間に開口部を有すると共にレールとマイクロホンとの間に遮音部分を有する遮音装置と、
レールからの発生する音を代表する転動音相当値を検出する、レールに設置する転動音相当値検出器と、
前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて、車軸軸受の異常を検知する異常検知装置と、
を具備する、
軸受監視システムが提供される。
上述の発明により、鉄道車両において、音響的な外乱を極力排除すると共に車輪踏面状態のばらつきに起因する転動音の変動を考慮しつつ、マイクロホンで検出した車両走行音から車軸軸受の異常を検知する方法及び軸受監視システムを提供することができる。
本発明による実施形態に係る、車軸軸受の異常を検出するための方法を実施するための各構成要素の配置を示す上面図。 本発明による実施形態に係る、車軸軸受の異常を検出するための方法を実施するための各構成要素の配置を示す、図1のII−II線による断面正面図。 本発明による実施形態に係る、レールとレールに付設する構成要素との位置関係を示すための、図2のA部の拡大図。 本発明による実施形態に係る、遮音装置及びマイクロホンの鉄道車両側からの正面図。 本発明による解析装置の構成を示す図。 車軸軸受に損傷がない場合の車両走行音及び転動音相当値の想定の時系列グラフ。 車軸軸受に損傷があると仮判断される場合の車両走行音、並びに車軸軸受に異常があると判断される場合及び判断されない場合の転動音相当値の想定の時系列グラフ。 異常検知段階の第3の実施形態に係る、車軸軸受に異常がある場合の車両走行音から転動音相当値を除去した後の、転動音の影響を除去した車両走行音の想定の時系列グラフ。
本発明は上述の図面を参照しつつより詳細に記載される。なお、図面は、本発明の理解を容易にし、図面の記載を簡略化するために実際の構成要素の大きさ、縮尺、形状とは異なって描かれていることに留意されたい。
図1及び図2は、本発明による実施形態に係る、車軸軸受の異常を検出するための方法を実施するときの各構成要素の配置を示す。ここで、鉄道車両は、他の様々な構成要素を具備するものの、図1及び図2では特に本発明に直接関与しない構成要素の記載が簡明な説明のために省略されている。
鉄道車両1は、動力をレールに伝えるための車輪3と、車輪3を連結する車軸5と、車軸5を支持する車軸軸受7と、車軸軸受7を収容する軸箱9とを具備する。鉄道車両1は、2本のレール11上を走行するものである。図1では、1車両分の上述した構成要素が示されており、この車両には2つの台車(図示しない)が取り付けられており、各台車がそれぞれ2本の車軸5を有し、各車軸の両端部に1つずつの車輪3、車軸軸受7及び軸箱9が設けられている。
さらに図1及び図2には、鉄道車両1が発生する車両走行音を検出するための、レール11の脇に設置されているマイクロホン31が示されている。マイクロホン31は、特に指向性マイクロホン等の特殊なマイクロホンである必要がなく、特殊な装備も必要としない。
さらに図1及び図2には、鉄道車両1が発生する車両走行音のうち、車軸軸受以外の鉄道車両の構成要素が発生する音の直達音を遮音するための遮音装置51が、レール11とマイクロホン31との間に設置されているのが示されている。
図3は、図2のA部の拡大図であり、レール11とレールに付設されている構成要素とを示す図である。
図3には、転動音相当値検出器71がレール11の底部に設置されているのが示されている。転動音相当値検出器71は、レール、まくら木及び車輪等の振動に起因して大気中に放射される音のうち、レールと車輪との間の接触面で作用する加振力を基に発生する転動音に相関のある物理量である転動音相当値を検出することを目的としている。
また、この実施形態では、図3に示されているように、上記の車両走行音及び転動音相当値のピークが発生する時点を検出するために、車両通過検知装置13が設置される。通常、車軸通過検知装置13はマイクロホン側のレールの側部に設置される。実施形態では、車両通過検知装置はコイルであり、回転する車輪がそのそばを通過するときの磁場の変化を検出することによって車軸の通過を検知する。しかしながら、本発明では、車両通過検知装置は、この機構のみに限定されず、車軸の通過が正確に検知できるものであればどのようなものでもよい。なお、この車両通過検知装置13を省略してもよい。
なお、この実施形態では、マイクロホン31及び転動音相当値検出器71は、レール11の長手方向と直角をなす水平方向に実質的に整列しているものとする。したがって、図6及び図7の車両走行音及び転動音相当値のピークはほぼ同時点に生じている。しかしながら、本発明は、このマイクロホン31と転動音相当値検出器71との間の位置関係に制限されない。マイクロホン31及び転動音相当値検出器71の設置等に関する事情により、これとは別の配置となることを妨げるものではない。
実施形態では、転動音相当値検出器71は加速度ピックアップである。しかしながら、転動音相当値検出器71は、転動音に相関する物理量を検出するものであればどのようなものでもよい。
次いで、転動音相当値について記載する。ここで、振動している物体から放射される音響パワーWは、以下の式により与えられることが公知である。
W(t)=ρSσv(t)
ここで、ρ:空気密度
:空気中の音速
S:物体の放射面積
σ:放射効率
v(t):振動速度
なお、ここで、振動速度は、鉛直方向の振動速度とする。レール−車輪間の加振力は、その方向に印加されるからである。したがって、任意の音響パワーW及び任意の振動速度の値vを基準とするときの、振動している物体から放射される音響レベルLvは、
Lv(t)=W(t)/W
=10log(ρSσv(t)/ρSσv
=10log(v(t)/v
=10logv(t)+C
ここで、C:定数(=−10log10
となる。この実施形態では、上記のLv(t)を転動音相当値として近似する。しかしながら、転動音相当値は、転動音に相関する値であればどのようなものでもよい。
図4は、前述の遮音装置51の正面からの形状を示す図である。
遮音装置51は、スリット状に開口している開口部53と、その他の部分であって、鉄道車両1側からの音を遮音することを目的とする遮音部分55とを具備する。実施形態では、遮音装置51は、平板であり、地面上に設置された防音壁である。さらに実施形態では、開口部53は、略矩形であって、ほぼ軸箱9と同じ高さ位置にあり、その高さは軸箱9の高さにほぼ等しい。この態様により、車軸軸受7で発生してマイクロホン31に到達する直達音を、開口部53を介して通過させる一方で、その他の構成要素が発生する音のマイクロホン31への直達音を遮蔽することを目的とするものである。また、遮音装置51のレール長手方向の長さが鉄道車両1の1車両分の長さよりも長く、開口部53のその方向の長さが軸距よりも短いと好ましい。隣接する車軸軸受7からの直達音がマイクロホン31に到達しないようにするためである。したがって、遮音装置51の形状、材質等は上記目的を達成できるものであればどのようなものでもよい。
図5は、本発明による解析装置の構成を示す図である。この解析装置は、上述の検出結果を入力として必要な解析を行うCPU(コンピュータ)91と、解析結果を出力する出力装置93とを備える。このCPU91は、マイクロホン31及び転動音相当値検出器71により検出された車両走行音及び転動音相当値を、並びに任意選択には車両通過検知装置13により検出された車両が通過した旨の信号を取り込み、後述の異常検知段階に必要なグラフ等のデータを作成する。CPU91は次いで、CPUが作成したデータをユーザが見ることができるようにディスプレ又はプリンタ等である出力装置93に出力する。
また、車軸軸受が発生する音は一定の周波数帯に現れる傾向があるので、車両走行音及び転動音相当値を、一定の周波数帯のバンドパスフィルタに通過させてもよい。それにより、さらに車軸軸受の損傷を発見し易くなる。なお、該周波数帯は、車軸軸受7の異常の状態から大きく影響を受けるものではなく、主に検出時の車両の速度に応じて定められる。バンドパスフィルタは、オクターブバンドフィルタ及び1/3オクターブバンドフィルタのような既存の周波数フィルタでもよく、ユーザによって定義された特定の周波数帯についてのバンドパスフィルタでもよい。
以上の構成により、鉄道車両1がレール11上を走行したときに、マイクロホン31及び転動音相当値検出器71によって、車両走行音及び転動音相当値を検出する。図6及び図7は、1車両分の車両走行音及び転動音相当値の想定の時系列グラフを示す。これらの図からも分かるように、車輪の踏面ひいては車軸軸受7が、マイクロホン31の前を通過すると車両走行音にピークが発生し、転動音相当値検出器の上を通過すると転動音相当値にピークが発生するようになっている。上述のように、図6及び図7は1車両分の車両走行音と転動音相当値を示しており、こうした現象が他の車両が走行する場合でも起こることになる。
図6は、車軸軸受に異常がない場合のモデルケースである。車軸軸受で発生され得る転動音が、車両走行音から検知されない場合の車両走行音と転動音相当値の挙動を示している。この場合、各ピークにおいて、車両走行音において転動音が非常に大きな割合を占め、車両走行音の挙動はほぼ転動音相当値の挙動と一致する。
図7は、この実施形態における4つの車両走行音のピークのうち1つが他のピークよりも大きいピークを発生しているときの車両走行音及び転動音相当値の挙動を示している。図7の転動音相当値のグラフにおいて、実線及び点線はそれぞれ、車軸軸受に異常があるとき及び異常がないときのモデルケースを示している。
これより、以上の実施形態の構成によって検出した車両走行音及び転動音相当値の時系列データを用いて、車軸軸受の異常を検知する異常検知段階について、いくつかの実施形態に分けて説明する。
異常検知段階の第1の実施形態では、以下の解析方法で車軸軸受の異常を検知する。
まず、車両走行音から異常を検知する対象の車軸軸受に対応する前記車両走行音のピークである検知対象車両走行音ピーク33を選択し、さらに他の車両軸受に対応する車両走行音のピークから評価車両走行音ピーク35を選択する。
なお、この評価対象車両走行音ピーク35は、この車軸軸受の異常を検知する方法を適用する鉄道車両1と同一の鉄道車両であって、車輪のばらつきによる転動音の変動が出ないように新品又はそれと同等である同一の鉄道車両を用いて、同様の環境であらかじめ検出しておいた車両走行音から選択してもよい。
これらのピークの値を用いて、以下の比較を行う。検知対象車両走行音ピーク値から評価車両走行音ピーク値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、その原因が車軸軸受にあると仮判断する。この段階では、車輪のばらつきにより転動音が大きくなった場合もあり得るので、この段階では車軸軸受の異常とは判断しない。また、検知対象車両走行音ピーク値から評価車両走行音ピーク値を引いた値が所定の車両走行音閾値以下の場合は、その原因が車軸軸受にはないものと判断することになる。
なお、車両走行音閾値は、車両走行音及び転動音相当値を検出するにあたって関係する様々な検出条件(窓関数、時定数、オーバーラッピング等)、車両速度、車軸軸受に異常があった場合にどのぐらいの確率で検出できるかを表す検知率等を考慮して決定される値であり、ユーザが決定する任意の値である。
次いで、転動音相当値の時系列のグラフから、当該検知対象車両走行音ピーク33に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークである検知対象転動音相当値ピーク73を抽出し、当該評価車両走行音ピーク値に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音代表のピークである評価転動音相当値ピーク75を抽出する。
なお、車両走行音の場合と同様に、この評価転動音相当値ピーク75は、この車軸軸受の異常を検知する方法を適用する鉄道車両1と同一の鉄道車両であって、車輪のばらつきによる転動音相当値の変動が出ないように新品又はそれと同等である同一の鉄道車両を用いて、同様の環境であらかじめ検出しておいた転動音相当値から抽出してもよい。
最後に、これらのピークの値を用いて、以下の比較を行う。一方では、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。車輪のばらつきにより転動音が大きくなり、それが評価対象車両走行音ピーク35を大きくしたものではないと判断できるからである。他方では、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。車輪のばらつきにより転動音が大きくなり、それが評価対象車両走行音ピーク35を大きくしたものであると判断できるからである。
なお、転動音相当値閾値は、車両走行音閾値と同様に様々な要素を考慮して決定される値であり、ユーザが決定する任意の値である。
このように、検知対象転動音相当値ピーク値と評価転動音相当値ピーク値との差を比較することによって車輪同士のばらつきを考慮しつつ、車軸軸受の異常を検知することができる。
ここでは、図7を使用して、上述の第1の実施形態の異常検知段階を実際に実行する過程を示す。まずユーザが車両走行音のグラフを見て、他のピークよりも大きい(図7の車両走行音のグラフで左から3番目の)ピークを確認する。この場合、このピークを検知対象車両走行音ピーク33として選択することになる。他のピークよりも大きなピークが発生するということは、車軸軸受に異常があるという疑いがあるからである。次いで、他の車両走行音のピークを評価車両走行音ピーク35として選択する。この場合は、同一の台車の(図7の車両走行音のグラフで左から4番目の)ピークを選択したとする。次いで、上述のように検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値に対して所定の車両走行音閾値よりも高いならば、その車両走行音の大きなピークに対応する車軸軸受に異常があると仮判断する。当該検知対象車両走行音ピーク値と当該評価車両走行音ピーク値との間には一定の差があり、ここではその差が車両走行音閾値を越えているものとする。したがって、この場合では、車軸軸受に異常があると仮判断がされたものとする。次いで、上述のように検知対象車両走行音ピーク33及び評価車両走行音ピーク35に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過したときに発生する転動音相当値のピークである検知対象転動音相当値ピーク73及び評価転動音相当値ピーク75(図7の転動音相当値のグラフで左から3番目及び4番目のピーク)を抽出する。次いで、一方では、前述のように検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。これは、図7の転動音相当値のグラフの実線の場合を指し、当該検知対象転動音相当値ピーク値と当該評価転動音相当値ピーク値とがグラフ上でほぼ同一の値を取るので、この場合では両ピーク値の差はほとんどなく、ここでは転動音相当値閾値を越えるものではないとする。したがって、この場合では、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。他方では、上述のように検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。これは、図7の転動音相当値のグラフの点線の場合を指す。この場合では、当該検知対象転動音相当値ピーク値と当該評価転動音相当値ピーク値との間には一定の差があり、ここではその差が転動音相当値閾値を越えているものとする。したがって、この場合では、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。このようにして、第1の実施形態の異常検知段階では車軸軸受の異常を検知する。
異常検知段階の第2実施形態では、以下の解析方法で車軸軸受の異常を検知する。
まず、車両走行音から異常を検知する対象の車軸軸受に対応する前記車両走行音のピークである検知対象車両走行音ピーク33を選択し、さらに他の車両軸受に対応する車両走行音のピークから複数の評価車両走行音ピーク35を選択する。
なお、異常検知段階の第1の実施形態と同様に、当該評価車両走行音ピーク35は、あらかじめ新品又はそれと同等である同一の鉄道車両を用いて検出しておいた車両走行音から選択してもよい。さらに、後にする評価車両走行音ピーク35の値の平均をするために、多くのピークをこの時点で選択しておくことが好ましい。検知の精度が上がるからである。また、評価車両走行音ピーク35は、検知対象車両走行音ピーク33の基となる車軸軸受が設置されている車両と同じ車両のものを選択してもよく、それに加えて他の車両のものを選択してもよい。
これらのピークの値を用いて、以下の比較を行う。検知対象車両走行音ピーク値から複数の評価車両走行音ピーク値の平均値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、その原因が車軸軸受にあると仮判断する。異常検知段階の第1の実施形態と同様に、この段階では、車輪のばらつきにより転動音が大きくなった場合もあるので、この段階では車軸軸受の異常とは判断しない。また、検知対象車両走行音ピーク値から複数の評価車両走行音ピーク値の平均値を引いた値が所定の車両走行音閾値以下の場合は、その原因が車軸軸受にはないものと判断することになる。
次いで、転動音相当値の時系列のグラフから、当該検知対象車両走行音ピーク33に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークである検知対象転動音相当値ピーク73を抽出し、当該複数の評価車両走行音ピーク35のそれぞれに対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音代表のピークである評価転動音相当値ピーク75を抽出する。
なお、当該複数の評価転動音相当値ピーク75は、異常検知段階の第1の実施形態の場合と同様のやり方で、あらかじめ新品又はそれと同等である同一の鉄道車両を用いて検出しておいた転動音相当値から抽出してもよい。
最後に、これらのピークの値を用いて、以下の比較を行う。一方では、検知対象転動音相当値ピーク値から複数の評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。車輪のばらつきにより転動音が大きくなったものでないと判断できるからである。他方では、検知対象転動音相当値ピーク値から複数の評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。車輪のばらつきにより転動音が大きくなったと判断できるからである。
このように、複数の評価転動音相当値ピーク値の平均値を車軸軸受の異常の検出の基準に使用することにより、異常検知段階の第1の実施形態よりも各車輪間でのばらつきを考慮した上で、車軸軸受の異常を検知することができる。
ここでは、第1の実施形態の異常検知段階の場合と同様に図7を使用して、上述の第2の実施形態の異常検知段階を実際に実行する過程を示す。まずユーザが車両走行音のグラフを見て、他のピークよりも大きい(図7の車両走行音のグラフで左から3番目の)ピークを確認する。この場合、第1の実施形態の異常検知段階の場合と同様にこのピークを検知対象車両走行音ピーク33として選択することになる。次いで、他の車両走行音のピークを評価車両走行音ピーク35として選択する。この場合は、全ての同一の車両の(図7の車両走行音のグラフで左から1、2及び4番目の)ピークを選択したとする。次いで、上述のように検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値の平均値に対して所定の車両走行音閾値よりも高いならば、その車両走行音の大きなピークに対応する車軸軸受に異常があると仮判断する。当該検知対象車両走行音ピーク値と当該評価車両走行音ピーク値の平均値との間には一定の差があり、ここではその差が車両走行音閾値を越えているものとする。したがって、この場合では、車軸軸受に異常があると仮判断がされたものとする。次いで、上述のように検知対象車両走行音ピーク33及びそれぞれの評価車両走行音ピーク35に対応する車軸軸受が転動音相当値検出器の上を通過したときに発生する転動音相当値のピークである検知対象転動音相当値ピーク73(図7の転動音相当値のグラフで左から3番目のピーク)及びそれぞれの評価転動音相当値ピーク75(図7の転動音相当値のグラフで左から1、2及び4番目のピーク)を抽出する。次いで、一方では、上述のように検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。これは、図7の転動音相当値のグラフの実線の場合を指し、当該検知対象転動音相当値ピーク値と当該評価転動音相当値ピーク値の平均値とが(各評価転動音相当値には多少の変動があるものの)ほぼ同一の値を取るので、この場合では両ピーク値の差はほとんどなく、ここでは転動音相当値閾値を越えるものではないとする。したがって、この場合では、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受に異常があると判断する。他方では、上述のように検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。これは、図7の転動音相当値のグラフの点線の場合を指す。この場合では、当該検知対象転動音相当値ピーク値と当該評価転動音相当値ピーク値の平均値との間には一定の差があり、ここではその差が転動音相当値閾値を越えているものとする。したがって、この場合では、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受に異常がないと判断する。このようにして、第2の実施形態の異常検知段階では車軸軸受の異常を検知する。
異常検知段階の第3の実施形態では、以下の解析方法で検出した転動音相当値を直接音に変換して、その音により車両走行音に補正を加えることによって、車軸軸受の異常を検知する。
転動音相当値Lvを使用して次式により、前記転動音相当値を車両走行音から除去した、転動音の影響を除去した車両走行音を算出する。
Lb(t)=10log(10Ld(t)/10−10Lv(t)/10
ここで、Ld:車両走行音
Lb:転動音の影響を除去した車両走行音
具体的には図7のケースで、車軸軸受に異常があった場合(図7の転動音相当値のグラフが実線を取る場合)に、上述のような解析をすると、最終的に出てくるLbは、図8のようなグラフを描くことが想定される。このように、車輪のばらつきによる転動音の変動を含んだ転動音相当値が車両走行音から直接取り除かれることにより、最終的には異常のある車軸軸受によって発生したピーク音が残ることになる。したがって、車軸軸受に異常があることを検知することが可能になり、ひいては本発明の目的を達成することができる。
これより、上記方法を実施するための軸受監視システムについて説明する。
軸受監視システムの設備及び検出の過程は、上述の方法と同じであるので、ここでは説明を割愛する。
上述の異常検知段階では、ユーザがグラフを見ることによって異常を検知していたが、この軸受監視システムでは、異常検知装置にあらかじめ車両走行音閾値及び転動音相当値閾値が入力されており、異常検知装置が、検出した車両走行音及び転動音相当値を用いて、この例では、上記異常検知段階の第1〜第3の実施形態のいずれか1つの異常検知段階を実行するように設定されているので、異常検知装置により自動的に車軸軸受7の異常を検知することができる。なお、異常検知装置は、この例ではCPU91である。
上述の軸受監視システムによって、前記軸受監視方法を自動的に実施することができる。
1 鉄道車両
3 車輪
5 車軸
7 車軸軸受
9 軸箱
11 レール
13 車両通過検知装置
31 マイクロホン
33 検知対象車両走行音ピーク
35 評価車両走行音ピーク
51 遮音装置
53 開口部
55 遮音部分
71 転動音相当値検出器
73 検知対象転動音相当値ピーク
75 評価転動音相当値ピーク
91 CPU
93 出力装置

Claims (7)

  1. 鉄道車両(1)の車軸軸受(7)の異常を検知するための、軸受監視方法であって、
    レール(11)の脇にマイクロホン(31)を設置する段階と、
    レール(11)とマイクロホン(31)との間に遮音装置(51)を設置する段階であって、遮音装置(51)が、車軸軸受(7)とマイクロホン(31)との間に開口部(53)を有する遮音装置(51)を設置する段階と、
    マイクロホン(31)によって車両走行音を検出する車両走行音検出段階と、
    レール(11)と車輪(3)との間の接触面に作用する加振力を基に発生する転動音を代表する転動音相当値を、レールに設置された転動音相当値検出器(71)によって検出する転動音相当値検出段階と、
    前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて、車軸軸受(7)の異常を検知する異常検知段階と、
    を含む、
    軸受監視方法において、
    前記鉄道車両(1)が、複数の車軸軸受を有しており、
    車軸軸受(7)がマイクロホン(31)を通過すると、車両走行音にピークが発生するようになっており、
    さらに、車軸軸受(7)が転動音相当値検出器(71)を通過すると、転動音相当値にピークが発生するようになっており、
    前記異常検知段階が、
    異常を検知する対象の車軸軸受(7)に対応する前記車両走行音のピークの値である検知対象車両走行音ピーク値を検出する段階と、
    他の車両軸受(7)に対応する車両走行音のピークの値である評価車両走行音ピーク値を検出する段階と、
    前記検知対象車両走行音ピーク値から前記評価車両走行音ピーク値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値よりも高い原因が車軸軸受(7)にあると仮判断する段階と、
    当該検知対象車両走行音ピークに対応する車軸軸受(7)が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である検知対象転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
    当該評価車両走行音ピークに対応する車軸軸受(7)が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である評価転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
    検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受(7)に異常があると判断し、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受(7)に異常がないと判断する段階と、
    を含む段階である、
    軸受監視方法
  2. 鉄道車両(1)の車軸軸受(7)の異常を検知するための、軸受監視方法であって、
    レール(11)の脇にマイクロホン(31)を設置する段階と、
    レール(11)とマイクロホン(31)との間に遮音装置(51)を設置する段階であって、遮音装置(51)が、車軸軸受(7)とマイクロホン(31)との間に開口部(53)を有する遮音装置(51)を設置する段階と、
    マイクロホン(31)によって車両走行音を検出する車両走行音検出段階と、
    レール(11)と車輪(3)との間の接触面に作用する加振力を基に発生する転動音を代表する転動音相当値を、レールに設置された転動音相当値検出器(71)によって検出する転動音相当値検出段階と、
    前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて、車軸軸受(7)の異常を検知する異常検知段階と、
    を含む、
    軸受監視方法において、
    前記鉄道車両(1)が、複数の車軸軸受(7)を有しており、
    車軸軸受(7)がマイクロホン(31)を通過すると、車両走行音にピークが発生するようになっており、
    さらに、車軸軸受(7)が転動音相当値検出器(71)を通過すると、転動音相当値にピークが発生するようになっており、
    前記異常検知段階が、
    異常を検知する対象の車軸軸受(7)に対応する前記車両走行音のピークの値である検知対象車両走行音ピーク値を検出する段階と、
    他の車両軸受(7)に対応する車両走行音のピーク値である評価車両走行音ピークの値を検出する段階と、
    検出した当該評価車両走行音ピーク値の平均値を取る段階と、
    前記検知対象車両走行音ピーク値から前記評価車両走行音ピーク値の平均値を引いた値が所定の車両走行音閾値よりも高いときに、検知対象車両走行音ピーク値が評価車両走行音ピーク値の平均値よりも高い原因が車軸軸受(7)にあると仮判断する段階と、
    当該検知対象車両走行音ピークに対応する車軸軸受(7)が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である検知対象転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
    当該評価車両走行音ピークのそれぞれに対応する車軸軸受(7)が転動音相当値検出器の上を通過するときに発生する転動音相当値のピークの値である評価転動音相当値ピーク値を検出する段階と、
    検出した評価転動音相当値ピーク値の平均値を取る段階と、
    検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値よりも低いことを検知したならば、前記仮判断が正しいと判断し、車軸軸受(7)に異常があると判断し、検知対象転動音相当値ピーク値から評価転動音相当値ピーク値の平均値を引いた値が所定の転動音相当値閾値以上であることを検知したならば、前記仮判断が正しくなかったと判断し、車軸軸受(7)に異常がないと判断する段階と、
    を含む段階である、
    軸受監視方法。
  3. さらに、前記車両走行音及び前記転動音相当値を、検出時の車両の速度に応じて定められる周波数帯のバンドパスフィルタに通過させる段階を含み、
    前記異常検知段階は、バンドパスフィルタに通過させた後の前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて車軸軸受(7)の異常を検知する段階である、
    請求項1又は2に記載の軸受監視方法。
  4. さらに、車軸軸受(7)が所定の検出位置を通過する時点をレール(11)に設置した車軸通過検知装置(13)によって検知する段階を含み、
    前記異常検知段階は、所定の検知位置を通過する時点の前記車両走行音及び前記転動音相当値に基づいて車軸軸受(7)の異常を検知する段階である、
    請求項の1〜3のいずれか1項に記載の軸受監視方法。
  5. 前記遮音装置(51)が略矩形の防音壁であり、
    前記開口部(53)及び前記マイクロホン(31)の高さ位置が、車両軸受(7)を収容する軸箱(9)の高さ位置にほぼ等しい、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の軸受監視方法。
  6. 前記開口部(53)の高さが、軸箱(9)の高さにほぼ等しく、
    前記開口部(53)のレール長手方向の長さが軸距よりも短い、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の軸受監視方法。
  7. 前記マイクロホン(31)及び前記転動音相当値検出器(71)が、レールの長手方向と直角をなす水平方向に実質的に整列している、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の軸受監視方法。
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