JP5831589B2 - 含フッ素アルケン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素アルケン化合物の製造方法に関する。
末端に基-CF=CH2を有する含フッ素アルケンは、各種機能性材料、溶媒、冷媒、発泡剤として有用な化合物である。更に、該含フッ素アルケンは、機能性重合体のモノマーやそれらの原料などとして用いられており、例えば、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の改質用モノマーとして利用されている。更に、化学式:CF3CF=CH2で表される化合物(HFO-1234yf)は、近年、地球温暖化係数の低い冷媒化合物として有望視されている。
上記した末端に-CF=CH2基を有する含フッ素アルケンの製造方法として、目的とする含フッ素アルケンと同じ炭素数を持つ含塩素アルカン又は含塩素アルケンを原料として用い、触媒を用いてフッ素化剤と反応させて、含フッ素アルケンに変換する方法が知られている。例えば、酸化クロム又はフッ素化された酸化クロムを含むフッ素化触媒の存在下に、気相中で、フッ素化剤として用いる無水フッ化水素と原料化合物とを反応させる方法が多数報告されている。
しかしながら、酸化クロム又はフッ素化された酸化クロムを用いる方法では、通常、目的物に変換不可能な複数の副生成物が一定量生成することが避けられず、これにより目的とする含フッ素末端アルケンの収率の低下、精製工程の煩雑化等の問題を生じている。特に目的物と炭素数が同一であって、末端に基:-CF=CHW(WはF又はClである)を有する含フッ素アルケンは、目的物と沸点が近いために、精製工程の煩雑化という意味でも大きな問題である。通常、これらの副生成物は、反応温度を上げるなどして原料の転化率を上げると増える傾向にある。
また、上記した方法では、反応器出口において原料や目的物に変換し得る中間体が残存することが多い。これらの原料や中間体を反応器出口から回収し再び反応器入口に戻すことを繰り返してリサイクルすることによってこれらを有効利用することは可能であるが、再利用不可能な副生成物が製造プロセス内で濃縮されて、製造プロセスの障害となる。
また、塩化アンチモン等のアンチモン触媒に存在下に、気相または液相で無水フッ化水素と反応させてフッ素化し、次に脱ハロゲン化水素することで目的物を得る方法が提案されている(下記特許文献1、2等)。しかしながら、この方法では、副生化合物の生成は比較的抑制できるものの、塩化アンチモンは、水分や酸素に鋭敏であり、容易に失活するため、取り扱いが煩雑である。また、水分や酸素との接触を避けたとしても、長時間は使用できず、塩素ガス等による煩雑な再活性化処理を必要とする。
しかも、再活性化処理を施しても、塩化アンチモンやフッ素化されたフッ化アンチモンは、沸点や融点が低く、気相で用いる場合には、触媒の固定相からアンチモン触媒が流出するなど、長期的に安定に使用するには困難な点が多い。更に、塩化アンチモンは金属などに対する腐食性が非常に強いため、特に液相での反応に用いる場合は防食のため高価な材質を使用する必要がある。
上記した酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒は、安定性が高くかつ腐食性が低く、工業的な取り扱いが容易であり、アンチモン触媒を用いる場合のような問題は少ない。しかしながら、特許文献1等に記載されている反応条件(例えば、好ましい反応温度である30〜200℃程度)では、原料の転化率が非常に低く、効率良く目的とする含フッ素アルケンを得ることはできない。
また、下記特許文献3には、酸化クロム触媒を用いる方法において、反応時の圧力を上げることによって原料の転化率を改善する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、生成物中には、目的とする含フッ素アルケンの他に、この含フッ素アルケンにフッ化水素が付加した含フッ素アルカンが多く含まれる。この含フッ素アルカンは、目的とする含フッ素アルケンの中間体と考えられるものであり、特許文献3には中間体や原料は反応器に戻すことで再利用できると記載されているが、この文献に記載されている反応条件の反応器に循環させても、目的とする含フッ素アルケンに効率よく変換することはできない。
US2009182179 US2009203945 WO2009/003084
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、取り扱いの容易な触媒を用いて、目的物への変換が困難な副生物や分離の困難な副生成物の生成を抑制して、高い選択率で含フッ素アルケンを製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、原料として、特定の含塩素アルケン又は含塩素アルカンを用い、第一段階の反応として、酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒の存在下に、加圧された状態においてフッ素化反応を行って含フッ素アルカンに変換し、その後、第二段階の反応として、第一段階の反応より低い圧力下で該含フッ素アルカンの脱ハロゲン化水素反応を行う方法を見出した。そして、この方法によれば、目的とする含フッ素アルケンに変換できない副生物や分離が困難な副生物の生成を抑制して、含フッ素アルケンと該含フッ素アルケンに変換可能な中間体の選択率が大きく向上して、効率良く含フッ素アルケンを製造することが可能となることを見出した。本発明は、この様な知見に基づいて、更に、研究を重ねた結果完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の含フッ素アルケンの製造方法を提供するものである。
1. 下記工程を含むことを特徴とする、一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、Xは各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として下記一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である)で表される含フッ素アルケンの製造方法:
(i)酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素化触媒の存在下に、一般式(2):CX3(CX2)nCClYCH2Z(式中、Xは各々独立してF又はClである。YはH又はFであり、YがHの場合はZはCl又はFであり、YがFの場合はZはHである。nは0〜2の整数である。)で表される含塩素アルカン、一般式(3):CX3(CX2)nCCl=CH2(式中、Xは、各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。)で表される含塩素アルケン、及び一般式(4):CH2XCCl=CX2(式中、Xは、各々独立してF又はClである。)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の含塩素化合物を、加圧下において、気相状態でフッ素化剤と反応させる第一反応工程、
(ii)第一反応工程より低い圧力下において、第一反応工程の生成物を気相状態で加熱して、該生成物に含まれる一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、Xは各々独立してF又はClであり、AはF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として、一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルカンの脱ハロゲン化水素反応を行う第二反応工程。
2. 第一反応工程で用いるフッ素化剤が、無水フッ化水素である上記項1に記載の方法。
3. 第一反応工程で用いるフッ素化触媒が、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒である上記項1又は2に記載の方法。
4. 第一反応工程における圧力が、0.3MPa〜5MPaの範囲である上記項1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 第一反応工程で用いる含塩素化合物が、一般式(2)においてn=0の含塩素アルカン、一般式(3)においてn=0の含塩素アルケン、及び一般式(4)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である上記項1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 第一反応工程で用いる含塩素化合物が、CCl3CHClCH2Cl、CF3CFClCH3、CCl3CCl=CH2、CH2ClCCl=CCl2、及びCF3CCl=CH2からからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である上記項1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 第二反応工程における圧力が、第一反応工程における圧力より低い圧力であって、大気圧〜0.3MPaの範囲である上記項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 第二反応工程を、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に行う、上記項1〜7のいずれかに記載の方法。
9. 第一反応工程及び第二反応工程における反応温度が、いずれも200〜550℃の範囲である上記項1〜8のいずれかに記載の方法。
本発明の含フッ素アルケンの製造方法は、第一反応工程と第二反応工程からなる二段階の反応工程を組み合わせる方法であり、これによって、一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、Xは各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物と
して下記一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルケンを、高い選択率で製造できる。以下、本発明方法における第一反応工程と第二反応工程について具体的に説明する。
(1)第一反応工程
第一反応工程は、酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素化触媒の存在下に、特定の含塩素化合物からなる原料を、加圧下において、フッ素化剤と反応させる工程である。この工程により、副生成物の生成を抑制して、目的とする上記一般式(1)で表される含フッ素アルケンと、後述する第二反応工程において一般式(1)の含フッ素アルケンに容易に変換できる含フッ素アルカンを高い選択率で製造できる。
原料化合物
本発明の第一反応工程では、原料として、下記一般式(2)で表される含塩素アルカン、一般式(3)で表される含塩素アルケン、及び一般式(4)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の含塩素化合物を用いる。以下、各一般式について説明する。
(i)一般式(2):CX3(CX2)nCClYCH2Z
上記一般式(2)では、Xは各々独立してF又はClである。YはH又はFであり、YがHの場合はZはCl又はFであり、YがFの場合はZはHである。nは0〜2の整数である。
(ii)一般式(3):CX3(CX2)nCCl=CH2
上記一般式(3)では、Xは、各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。
(iii) 一般式(4):CH2XCCl=CX2
上記一般式(4)において、Xは、各々独立してF又はClである。
上記一般式(2)で表される含塩素アルカン及び一般式(3)で表される含塩素アルケンの内で、n=0の含塩素化合物と、一般式(4)で表される含塩素アルケンは、気相反応を行う上で適切な沸点を有する点から本発明方法における原料として好ましい。
本発明では、特に、上記一般式(2)〜(4)で表される含塩素化合物の内で、例えば、CCl3CHClCH2Cl、CF3CFClCH3、CCl3CCl=CH2、CH2ClCCl=CCl2、及びCF3CCl=CH2で表され
る化合物が、原料として好ましい。これらの化合物の内で、特に、化学式:CF3CCl=CH2で表される化合物(HCFC-1233xf)が好ましい。
HCFC-1233xfは、公知化合物であり、例えば、3,3,3-トリフルオロ-1-プロパンに塩素を付加させた後、アルカリ等で脱HClすることにより容易に得ることができる。
触媒
本発明の第一反応工程では、触媒として、酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素化触媒を用いる。
酸化クロムとしては、特に限定的ではないが、例えば、組成式:CrOにおいて、1.5<m<3、より好ましくは2<m<2.75、更に好ましくは2<m<2.3である酸化クロムを用いることが好ましい。酸化クロム触媒は、反応に適していれば、粉末状、ペレット状などいかなる形状のものも使用できる。なかでもペレット状のものが好ましい。上記した酸化クロム触媒は、例えば、特開平5−146680号に記載された方法によって調製することができる。
また、フッ素化された酸化クロムについては、特開平5−146680号公報に記載された方法によって調製することができる。例えば、上記した方法で得られる酸化クロムをフッ化水素によりフッ素化(HF処理)することによって得ることができる。フッ素化の温度は、例えば100〜460℃程度とすればよい。
フッ素化処理により触媒の表面積は低下するが、一般に高比表面積である程活性が高くなる。フッ素化された段階での比表面積は、25〜130m2/g程度であることが好ましく、40〜100m2/g程度であることがより好ましいが、この範囲に限定されるものではない。本願明細書では、比表面積はBET法によって測定した値である。
酸化クロムのフッ素化反応は、第一反応工程の実施に先立って、酸化クロムを充填した反応器にフッ化水素を供給することによって行ってもよい。この方法で酸化クロムをフッ素化した後、原料を反応器に供給することによって、目的物の生成反応を効率良く進行させることができる。
フッ素化の程度については、特に限定的ではないが、例えば、フッ素含有量は、好ましくは10〜30重量%程度である。
更に、特開平11−171806号公報に記載されているクロム系触媒も、酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒として用いることができる。このクロム系触媒は、非晶質状態であり、インジウム、ガリウム、コバルト、ニッケル、亜鉛及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素が添加されたクロム化合物を主成分とするものであり、前記クロム化合物におけるクロムの平均原子価数が+3.5以上、+5.0以下である。
上記した酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒は、アルミナ、活性炭等の担体に担持して使用することもできる。
反応方法
第一反応工程では、上記した酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素化触媒の存在下に、原料として用いる含塩素化合物を、加圧下において気相状態でフッ素化剤と反応させる。
具体的な処理方法については特に限定的ではないが、例えば、触媒を充填した管型の流通型反応器に、原料とする含塩素化合物とフッ素化剤を導入すればよい。流通型反応器としては、例えば、断熱反応器、熱媒体を用いて加熱した多管型反応器等を用いることができる。反応器は、ハステロイ(HASTALLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されていることが好ましい。
使用するフッ素化剤は特に限定されないが、無水フッ化水素を用いることが好ましい。導入するフッ素化剤と、原料として用いる含塩素化合物との比率については特に限定的ではないが、フッ素化剤の量が少なすぎると、原料の転化率が低下する傾向にある。一方、フッ素化剤の比率が多すぎても、反応後にフッ素化剤の分離量が増加することによる生産性の低下がある。これらの点から、例えば、フッ素化剤として用いる無水フッ化水素の使用量は、原料として用いる含塩素化合物1モルに対して、5モル程度以上とすることが好
ましく、10〜100モル程度とすることがより好ましい。
上記した原料及びフッ素化剤は、反応器にそのまま供給してもよく、或いは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の原料や触媒に対して不活性なガスを共存させてもよい。不活性ガスの濃度は、含塩素化合物、フッ素化剤及び不活性ガスの合計量に、酸素ガスを添加する場合には、これを加えた量を基準として、例えば、0〜80mol%程度とすることができる。
また、長時間の触媒活性を維持するために、上記原料に酸素を同伴させて反応器に供給してもよい。酸素の形態は特に限定されず、酸素単体のガスとして導入しても、酸素を含む空気として導入しても良い。酸素ガスの濃度は、含塩素化合物、フッ素化剤及び酸素ガスの合計量に、不活性ガスを添加する場合には、これを加えた量を基準として、例えば、0.1〜50mol%程度とすることが好ましく、0.1〜30mol%程度とすることがより好ましい。この場合、酸素供給量が少なすぎると酸素添加による効果が低く、一方、多すぎると酸素の浪費となる上、生産効率も低下する。
本発明の第一反応工程では、加圧下において、原料とする含塩素化合物とフッ素化剤とを気相状態で反応させることが必要である。この様な加圧状態で反応させることよって、目的とする含フッ素アルケンに変換不能な副生成物の生成を抑制できる。これは、加圧下で反応を行う場合には、目的とする含フッ素アルケンの末端-CF=CH2基の水素原子がフッ
素原子又は塩素原子に置換した副生成物が生じる反応経路が、大気圧下で反応を行う場合と比較して相対的に抑制されることによるものと思われる。
第一反応工程における圧力については、高圧にするほど副生成物の生成を抑制できるが、圧力が高過ぎると、昇圧のためのエネルギー消費が大きく、また高強度の構造材が必要となり、経済上、安全上等の問題がある。このため、通常、大気圧を上回る圧力、例えば、絶対圧として0.15MPa〜10MPa程度、特に好ましくは、0.3MPa〜5MPa程度とすればよい。
反応温度については、特に限定的ではないが、200〜550℃程度とすることが好ましく、250℃〜450℃程度とすることがより好ましい。この温度範囲より高温になると不純物の副生が増大することや、触媒が変質して活性が低下するおそれがあり、逆に上記温度範囲より低温になると、原料転化率が低下するので好ましくない。
第一反応工程の反応時間については、特に限定的ではないが、通常、反応系に流す原料ガスの全流量Fo(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)に対する触媒充填量W(g)の比率:W/Foで表される接触時間を0.1〜100 g・sec/cc程度、好ましくは5〜50 g・sec/cc程度とすればよい。尚、この場合の原料ガスの全流量とは、原料とする含塩素化合物とフッ素化剤の合計流量に、更に、不活性ガス、酸素などを用いる場合には、これらの流量を加えた量である。
上記した第一反応工程によれば、目的とする一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、Xは各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルケンの他に、後述する第二反応工程において一般式(1)の含フッ素アルケンに変換可能な一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、Xは各々独立してF又はClであり、AはF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルカンを、高い選択率で得ることができる。
この際、後述する第二反応工程において一般式(1)の含フッ素アルケンに変換できない副生成物、例えば、末端に基:−CH=CHW(式中、WはF又はClである)を有する化合物等の副生を抑制できる。このため、第一反応工程と後述する第二反応工程とを組み合わせて行うことによって、一般式(1)で表される含フッ素アルケンを選択性よく製造することが可能となる。
(2)第二反応工程
本発明方法における第二反応工程は、第一反応工程で得られた生成物を気相状態で加熱する工程である。この際、第一反応工程と比較して、低い圧力下で加熱することが必要である。
この工程では、第一反応工程で得られた生成物中に含まれる一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、Xは各々独立してF又はClであり、AはF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルカンの脱ハロゲン化水素(脱HA)反応が進行して、高い選択率で一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、X及びnは前記に同じ)で表される含フッ素アルケンに変換される。更に、第一反応工程の生成物中に残存する原料化合物についても、フッ素化反応と脱ハロゲン化水素反応が進行して、その一部が目的とする一般式(1)で表される含フッ素アルケンに変換される。その結果、一般式(1)で表される含フッ素アルケンを高い選択率で製造することが可能となる。
第二反応工程では、原料としては、第一反応工程で得られた生成物をそのまま用いることができるが、第二反応工程における含フッ素アルケンの収率や選択率をより良くするために、第一反応工程の出口ガスに含まれるHClや副生成物を除去した後、第二反応工程に
供給しても良い。
第二反応工程における反応時の圧力は、第一反応工程における圧力より低い圧力とする。通常は、第一段階の圧力より低い圧力であって、大気圧(0.1MPa)より低い減圧条件下(例えば、絶対圧として0.09MPa程度)から絶対圧として3MPa程度の加圧条件下までの圧力範囲とすればよい。特に、大気圧(0.1MPa)から0.3MPa程度の圧力範囲とすることが好ましく、大気圧(0.1MPa)で反応を行うことが最も好ましい。
第一反応工程と第二反応工程における圧力の調節方法としては、特に限定されないが、例えば第一工程の反応器の出口に背圧弁などの各種調節弁を設置したり、第一工程の反応器出口の径を、流量に対して相対的に細くしたり、障害物を設置するなどして、第一反応工程の圧力を第二反応工程の圧力より高い圧力とすることができる。
第二反応工程は、触媒の存在下又は不存在下において反応を行うことができる。特に、触媒の存在下に反応を行う場合には、目的とする含フッ素アルケンの選択率や収率をより向上させることができる。
触媒としては、脱ハロゲン化水素反応に使用できる公知の触媒を用いることができる。例えば、遷移金属、14族元素、15族元素などのハロゲン化物、酸化物などを例示できる。このような触媒は、金属元素と脱離するフッ素原子との親和性が高いために、脱フッ化水素反応を促進させる効果を有するものと考えられる。遷移元素の具体例としては、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Ta等を挙げることができる。14族元素の具体例としては、Sn,Pb等を挙げることができる。15族元素の具体例としては、As,Sb,Bi等を挙げることができる。これらの元素のハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物などを挙げることができる。これらの内で、好ましい触媒の一例としては、SbCl5、SbCl3、SbF5、TaCl5、SnCl4、NbCl5、FeCl3、CrCl3、CrF3、TiCl4、MoCl5、Cr2O3、CoCl2、NiCl2等を挙げることができる。これらの触媒は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ、担体に担持されていてもよい。担体としては、特に限定的ではないが、例えば、ゼオライトに代表される多孔性アルミナシリケート、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、活性炭、酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、フッ化アルミニウム等が挙げられ、これらのうち一種または二種以上を混合または構造上複合化したものも用いることができる。担体に担持された触媒の具体例としては、Cr2O3/Al2O3、Cr2O3/AlF3、Cr2O3/C、CoCl2/Cr2O3/Al2O3、NiCl2/Cr2O3/Al2O3、CoCl2/AlF3、NiCl2/AlF3等を例示できる。
本発明では、特に、触媒として、酸化クロム、フッ素化された酸化クロム等が好ましい。この様な酸化クロム触媒、フッ素化された酸化クロムとしては、結晶質酸化クロム、アモルファス酸化クロムなどを用いることができる。例えば、前述した第一反応工程において用いる酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒、特に、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒を好適に用いることができる。
尚、第二反応工程において、後述するフッ化水素の存在下に反応を行う場合には、予めフッ素化処理を行わない場合にも、反応中に触媒のフッ素化が進行すると考えられる。
第二反応工程では、具体的な反応方法については特に限定はなく、上記一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、X、A及びnは上記に同じ)で表される含フッ素アルカンを含む第一反応工程における生成物を気相状態で十分に加熱できる方法であればよい。
具体的な実施態様の一例としては、触媒を充填するか或いは触媒を充填していない管型の流通型反応器を用い、第一反応工程の反応器の出口ガスをそのまま、或いは、出口ガスに含まれるHClや副生成物を除去した後、第二反応工程で用いる反応器に導入する方法を挙げることができる。
第二反応工程における反応器については、特に限定的でないが、第一反応工程と同様に、例えば、断熱反応器、熱媒体を用いて加熱した多管型反応器等の流通型反応器を用いることができる。第二反応工程においても、反応器は、ハステロイ(HASTALLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものが好ましい。
第二反応工程に導入する第一反応工程における生成物には、窒素、ヘリウム、アルゴン等の原料や触媒に対して不活性なガスを共存させてもよい。不活性ガスの濃度は、第二反応工程に導入される気体成分、即ち、第一反応工程の生成物と不活性ガスの合計量に、更に、酸素ガス、フッ化水素等を添加する場合には、これらのガスを加えた合計量を基準として、例えば、0〜80mol%程度とすればよい。
また、第二工程において触媒を用いる場合には、第一反応工程と同様に、長時間の触媒活性を維持するために、反応器への導入ガスに酸素を同伴させてもよい。酸素の形態は特に限定されないが、酸素単体のガスとして導入しても、酸素を含む空気として導入しても良い。この場合、酸素の供給量は、第二反応工程の反応器に導入される気体成分の合計モル数、即ち、第一反応工程の生成物と酸素ガスの合計量に、不活性ガス、フッ化水素等を添加する場合には、これらの成分を加えた量を基準として、例えば、0.1〜50mol%程度とすることができる。
第二反応工程に導入する気体成分には、更に、無水フッ化水素を共存させてもよい。第一反応工程において、フッ素化剤として無水フッ化水素を用いる場合には、第二反応工程の反応器への導入ガスにフッ化水素が含まれることがあるが、この場合にも、更に、第二反応工程の反応器への導入ガスに無水フッ化水素を追加してもよい。特に、第一反応工程で得られた生成物中に含まれる一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、X、A及びnが上記に同じ)で表される含フッ素アルカンにおいて、AがFである場合には、一般式(5)で表される含フッ素アルカン1モルに対して5モル以上の無水フッ化水素を存在させることによって、一般式(1)で表される含フッ素アルケンの選択率が大きく向上する。この場合、無水フッ化水素の量は、一般式(5)で表される含フッ素アルカン1モルに対して、特に、10〜200モル程度であることが特に好ましい。
第二反応工程における反応温度は、通常、200℃〜550℃程度とすることが好ましく、300℃〜450℃程度とすることがより好ましい。反応温度が低すぎると、原料の転化率が低下する傾向にあり、一方、反応温度が高すぎると、不純物の副生が増大することや、触媒が変質して活性が低下することがあるので、いずれも好ましくない。
反応時間については限定的ではないが、触媒を用いない場合には、例えば、反応場に流す気体成分の全流量F0(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)に対する加熱された反応場の体積V(cc)の比率:V/F0(sec)で表される滞留時間を、1.0sec〜50sec程度とすればよい。また、触媒を用いる場合には、例えば、反応系に流す気体成分の全流量F0(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)に対する触媒の充填量W(g)の比率:W/F0で表される接触時間を0.1〜90g・sec/cc程度とすることが好ましく、1〜50g・sec/cc程度とすることがより好ましい。尚、この場合の気体成分の全流量とは、第一反応工程から第二反応工程に導入される気体成分の流量に、更に、第二反応工程において、不活性ガス、酸素、フッ化水素などを追加する場合には、これらの流量を加えた量である。
(3)反応生成物
上記した第一反応工程及び第二反応工程を含む本発明の含フッ素アルケンの製造方法によれば、一般式(2):CX3(CX2)nCClYCH2Z(式中、X,Y,Zおよびnは前記に同じ)で表される含塩素アルカン、一般式(3):CX3(CX2)nCCl=CH2(式中、X及びnは前記に同じ)で表される含塩素アルケン、及び一般式(4):CH2XCCl=CX2(式中、Xは上記に同じ)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の含塩素化合物を原料として、高い選択率で一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、X及びnは上記に同じ)で表される含フッ素アルケンを得ることができる。
反応生成物は、蒸留などによって精製して回収することが出来る。また、2段目の出口の未反応原料や中間物は分離・精製後に再び1段目もしくは2段目の反応器に戻してリサイクルして用いることができる。特に、一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、X、A及びnは上記に同じ)で表される含フッ素アルカンについては、第二反応工程の反応器に戻すことによって、目的とする一般式(1)で表される含フッ素アルケンに容易に変換できる。この様に、本発明方法では、未反応の原料をリサイクルできることによって、原料転化率が高くない場合であっても、高い生産性を維持することができる。
本発明の製造方法によれば、含塩素アルカン、含塩素アルケンなどを原料として、取り扱いの容易な触媒を用いて、目的物への変換が困難な副生物や分離の困難な副生成物の生成を抑制して、高い選択率で含フッ素アルケンを得ることができる。
本発明の製造プロセスの一例を示すフロー図。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
図1に示すフロー図に従って、下記の第一反応工程及び第二反応工程を行った。
第一反応工程
組成式CrO2で表される酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒20.0g (フッ素含有量約15.0重量%)を、出口に背圧弁を備えた内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この第一反応工程の反応器を大気圧(0.1MPa)および365℃に維持し、無水フッ化水素ガスを210 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量、以下同じ)の流速、及び酸素ガスを4cc/minの流速で該反応器に供給して1時間維持した。
その後、CF3CCl=CH2(HCFC-1233xf)のガスを21cc/minの流速で供給し、直後より背圧弁を操作して反応器の圧力を0.3MPaに変更した。1時間後の反応器からの流出ガスを、ガスクロマトグラフを使用して分析した。
第二反応工程
組成式CrO2で表される酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒20.0g (フッ素含有量約15.0重量%)を、内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この第二反応工程の反応器を大気圧(0.1MPa)および365℃に維持して、上記第一反応工程からの出口ガスを235cc/minの流速で、該反応器に導入した。1時間後の反応器の流出物を、ガスクロマトグラフを使用して分析した。
第一反応工程及び第二反応工程における分析結果を下記表1に示す。
実施例2
第一反応工程
反応器内の圧力を0.6MPaに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。
第二反応工程
導入するガスを、実施例2の第一反応工程の出口ガス(流速235cc/min)に変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。
第一反応工程及び第二反応工程における分析結果を下記表1に示す。
比較例1
第一反応工程における触媒充填量を2倍の40.0gに変更し、圧力を大気圧(0.1MPa)に変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。この実験では、触媒と導入ガスとの接触時間を、実施例1の第一反応工程と第二反応工程の合計接触時間に一致させて、大気圧下において一段階の反応を行った。出口ガスの分析結果を下記表1に示す。
尚、各化合物の化学式は以下の通りである。
CF3CCl=CH2(HCFC-1233xf)
CF3CF=CH2(HFC-1234yf)
CF3CF2CH3(HFC-245cb)
CF3CH=CHF (HFC-1234ze)
CF3CH=CHCl (HCFC-1233zd)
Figure 0005831589
以上の結果から明らかなように、加圧下でフッ素化反応(第一反応工程)を行った後、大気圧下で脱フッ化水素反応(第二反応工程)を行った実施例1及び2では、大気圧下で同じ接触時間の反応を行った比較例1と比較して、目的物であるHFC-1234yfの選択率が向上した。特に、HFC-1234yfに容易に変換できるHFC-245cbとの合計選択率(HFC-1234yf+HFC-245cb選択率)については、比較例1と比べて、実施例1及び2において大きく向上しており、不純物の比率が非常に少ないことが判る。よって、この結果は、本発明方法によって、含フッ素アルケンを効率良く製造できることを示すものである。
参考例1
実施例1で用いた酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒9.35g (フッ素含有量約15.0重量%)を、出口に背圧弁を備えた内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この反応管を大気圧(0.1MPa)下で365℃に維持し、無水フッ化水素(HF)ガスを28 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量、以下同じ)の流速、酸素ガスを0.11 cc/minの流速で反応器に供給して1時間維持した。その後、CF3CF2CH3(HFC-245cb)を0.25 cc/minの流速で供給した。この時のHF: HFC-245cbモル比は110:1であった。6時間後の反応器からの流出ガスを、ガスクロマトグラフを使用して分析した。その結果、HFC-245cbの転化率は82%であり、HFC-1234yfの選択率は90%であった。
これに対して、無水フッ化水素ガスを供給することなく、その他は上記した方法と同様にして、反応を行ったところ、HFC-245cbの転化率は74%であり、HFC-1234yfの選択率は79%であった。
以上の結果から、本発明の第二反応工程において、多量の無水フッ化水素の存在下に脱フッ化水素反応を行う場合に、含フッ素アルケンの選択率が向上することが確認できる。

Claims (8)

  1. 下記工程を含むことを特徴とする、一般式(1):CF3(CX2)nCF=CH2(式中、Xは各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として下記一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である)で表される含フッ素アルケンの製造方法:
    (i)組成式:CrOm(2≦m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素化触媒の存在下に、(2):CCl 3 CHClCH 2 Clで表される含塩素アルカン、一般式(3):CX3(CX2)nCCl=CH2(式中、Xは、各々独立してF又はClであり、nは0〜2の整数である。)で表される含塩素アルケン、及び一般式(4):CH2XCCl=CX2(式中、Xは、各々独立してF又はClである。)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の含塩素化合物を、加圧下において、気相状態でフッ素化剤と反応させる第一反応工程、
    (ii)第一反応工程より低い圧力下において、第一反応工程の生成物を気相状態で加熱して、該生成物に含まれる一般式(5):CF3(CX2)nCFACH3(式中、Xは各々独立してF又はClであり、AはF又はClであり、nは0〜2の整数である。但し、含塩素化合物として、一般式(4)の含塩素アルケンを用いる場合には、n=0である。)で表される含フッ素アルカンの脱ハロゲン化水素反応を行う第二反応工程。
  2. 第一反応工程で用いるフッ素化剤が、無水フッ化水素である請求項1に記載の方法。
  3. 第一反応工程における圧力が、絶対圧として0.3MPa〜5MPaの範囲である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第一反応工程で用いる含塩素化合物が、()の含塩素アルカン、一般式(3)においてn=0の含塩素アルケン、及び一般式(4)で表される含塩素アルケンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 第一反応工程で用いる含塩素化合物が、CCl3CHClCH2Cl、CCl3CCl=CH2、CH2ClCCl=CCl2、及びCF3CCl=CH2からからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第二反応工程における圧力が、第一反応工程における圧力より低い圧力であって、絶対圧として大気圧〜0.3MPaの範囲の圧力である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 第二反応工程を、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に行う、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 第一反応工程及び第二反応工程における反応温度が、いずれも200〜550℃の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
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