JP5831464B2 - 高圧ガスタンクの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、高圧ガスタンクに関する。
高圧ガスタンクとしては、フィラメント・ワインディング法(以下、「FW法」とも呼ぶ)を用いて、高圧ガスタンクの本体部であるライナーの外周に繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)で構成された補強層を構成するための繊維(以下、「強化繊維」とも呼ぶ)を幾重にも巻き付けて多層的な構造を有する補強層を形成し、その強度の向上を図った高圧ガスタンクが提供されている(特許文献1〜4参照)。
図5は、従来の高圧ガスタンクの構造の一例を示す概略断面図である。この高圧ガスタンク10Rは、ライナー11と、ライナー11の外周に形成された補強層12Rと、を備えている。ライナー11は、略円筒形状のシリンダー部11aと、シリンダー部11aの両端に設けられた略凸曲面形状のドーム部11bと、を有する中空容体である。ドーム部11bの頂点には口金部13,14が設けられている。
補強層12Rは、シリンダー部11aの外周を覆うフープ層17Rと、フープ層17Rおよびドーム部11bを覆うことによりライナー11を全体的に覆うヘリカル層19と、を有する。フープ層17Rは、主に、強化繊維をシリンダー部11の中心軸AXにほぼ垂直な巻き角度で、中心軸AX方向に沿った方向に巻き付け位置を移動しつつ、巻き付けていく巻き付け方法(「フープ巻き」と呼ばれる)により形成される。なお、「巻き角度」とは、強化繊維の巻き付け方向(中心軸AXの方向)に対する強化繊維の繊維方向の角度を意味する。ヘリカル層19は、0°よりも大きく90°よりも小さい巻き角度で、中心軸AX方向に沿った巻き付け方向で螺旋状に巻き付け、ドーム部11bにおいて、巻き付け方向を折り返し、再び、0°よりも大きく90°よりも小さい巻き角度でシリンダー部11に螺旋状に巻き付けていく巻き付け方法(「ヘリカル巻き」と呼ばれる)により形成される。ヘリカル巻きには、シリンダー部11aにおいて強化繊維が少なくとも一周することができる程度の比較的大きい巻き角によるヘリカル巻き(「高角度ヘリカル巻き」とも呼ばれる)と、シリンダー部11aにおいて強化繊維が一周する前にドーム部11bにおいて巻き付け方向を折り返すこととなる程度の比較的小さい巻き角によるヘリカル巻き(「低角度ヘリカル巻き」あるいは「レーベル巻き」とも呼ばれる)と、がある。なお、フープ層では、高角度ヘリカル巻きが併用される場合もある。
特開2010−236614号公報 特開平11−082888号公報 特開2004−144172号公報 特開2010−234658号公報
ここで、フープ層17Rの端部17ERは、ドーム部11bの面との境界での段差を極力低減するために、その端部17ERが中心軸AX方向に向かって段階的に内側にずれて傾斜するように、多層にわたって積層形成される場合がある。この場合、以下で説明する課題がある。
図6は、本発明が解決しようとする課題について示す説明図である。上記したように、フープ層17Rの形成過程においては、フープ層17Rの端部17ERの傾斜構造をあらかじめ定めた構造とするために、図6(A)に示すように、あらかじめ定めた各層の端部位置を端部として、層毎に両端の端部位置間で少なくとも1往復の強化繊維が巻き付けられた複数の繊維巻層が形成されている。なお、図6(A)では、4層の繊維巻層17R−1〜17R−4が順に積層形成された場合が示されている。このとき、繊維巻層が順に重ねられるに従って、下側の層の端部が中心軸AXの方向(シリンダー部11aの表面および各繊維巻層の表面に沿った方向であり、以下、「繊維巻層面に沿った方向」とも呼ぶ)で外側にずれる場合がある。図6(B)では、4層の繊維巻層17R−1〜17R−4のうち1〜3層の繊維巻層17R−1〜17R―3の端部が外側へずれている例が示されている。特に、2層目の繊維巻層17R−2および3層目の繊維巻層17R−3が大きくずれている。上側の繊維巻層の強化繊維の巻き付け時には、強化繊維の張力により下の層に圧力が加わるため、下の層が徐々に押し出されるためである。特に、2層目以降では、先に強化繊維が巻き付けられた下側の繊維巻層の上に形成されるため、例えば、強化繊維に含浸されている熱硬化樹脂(エポキシ樹脂等)の染み出しにより、滑りやすい状態となり、外側に押し出される量が多くなる。上記したフープ層17Rの端部17ERにおける繊維ずれの発生はフープ層の強度の低下を招き、その結果補強層全体の強度の低下を招く。
上記したずれの発生を抑制するには、上の層へ行くに従って巻き付けの張力を下げていき、圧力を低下させる押し付け力を低下させることが要求される。しかしながら、この場合も、フープ層の強度の低下を招き、その結果補強層全体の強度の低下を招く。
フープ層の強度の低下を補う方法としては積層する層数を増やすことが考えられる。しかしながら、層数を増加する方法では高圧タンクの質量増加を招く。また、層数の増加は、内層側においてはより大きな圧力が加わることになるため、ずれの発生を増大させることにつながり、結果として、端部の位置決めが困難となる場合がある。
なお、特許文献1には、繊維の端部における繊維の滑りの防止のために、ドーム部を覆うように補強部が設けられ、その端面がライナーの胴部(シリンダー部)の端部にあり、その端面と接するようにフープ巻きが行われている構造が開示されている。この構造では、フープ巻きされた繊維の端部の滑りを防止することが可能となる。しかしながら、この場合、別途補強部材を要するという課題がある。また、上記のように、端部の構造が内側に段階的に傾斜した構造に対応する補強部について何らの記載も示唆もない。
また、特許文献2には、フープ層端部の固定手段をヘリカル層の鏡部に設けた構造が開示されている。この構造も、フープ層の滑りを防止することが可能である。しかしながら、この場合、別途固定手段を要するという課題がある。また、上記のように、端部の構造が内側に段階的に傾斜した構造に対応する固定手段について何らの記載も示唆もない。
さらにまた、特許文献3には、ライナーの肩部に、フープ巻層が滑るのを規制する規制部が設けられている構造が開示されている。この構造では、フープ巻層が滑るのを規制することは可能となる。しかしながら、ライナー構造自体を規制部が設けられた新たな構造とすることを要する、という課題がある。また、上記のように、端部の構造が内側に段階的に傾斜した構造に対応する規制部を有するライナー構造について何らの記載も示唆もない。
また、特許文献4には、繊維の巻き付けがライナーの胴端部に差し掛かった場合に、巻き付け部分を冷却することにより、繊維に含まれる樹脂粘度を高めることにより、繊維の滑りを抑制することが開示されている。この場合には、繊維の巻き付け工程において、ライナーの胴端部の巻き付け部分を冷却する工程を要する、という課題がある。また、上記のように、端部の構造が内側に段階的傾斜した構造に対応する冷却工程に関して何らの記載も示唆もない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、略円筒状のシリンダー部と前記シリンダー部の両底部に設けられた凸曲面形状のドーム部とを有するライナーの外表面に、フィラメント・ワインディング法によって繊維が巻き付けられて補強層が形成される高圧ガスタンクの製造方法が提供される。この高圧ガスタンクの製造方法は、(a)前記シリンダー部の外表面全体に、少なくともフープ巻きによる前記繊維の巻き付けにより複数の繊維巻層が順に積層されたフープ層が形成される工程と;(b)前記フープ層および前記ドーム部を覆うように、ヘリカル巻きによる前記繊維の巻き付けによりヘリカル層が形成される工程と;を備える。前記工程(a)は、形成対象の繊維巻層が形成される際において、前記シリンダー部の軸方向の両端近傍における形成される前記形成対象の繊維巻層の両端部では、前記形成対象の繊維巻層のうちの前記両端部を除く他の部分よりも前記繊維が多く巻き付けられて壁状の突出部が形成される工程を含む。この形態の高圧ガスタンクの製造方法によれば、フープ層を構成する各繊維巻層の両端部に形成された突出部により、各繊維巻層の上層に形成された繊維巻層の横滑りが抑制される。この突出部は、フィラメント・ワインディング法による繊維の巻き付けの過程において、繊維の巻き付け位置、繊維の巻き付け回数、および、繊維の巻き付け張力を制御することのみで容易に形成することが可能である。なお、上記形成対象の繊維巻層の両端部には、繊維巻層の端縁から一つ上層の繊維巻層の端縁の内側近傍領域までを含む。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、フィラメント・ワインディング法による高圧ガスタンクの製造方法および製造装置、それらの方法または装置により製造された高圧ガスタンク等の形態で実現することができる。
第1実施形態としての高圧ガスタンクの構造例を示す概略断面図である。 図1(A)に示した構造のフープ層の端部を形成するための手順について示す説明図である。 高圧ガスタンクのフープ層の端部の変形例について示す概略断面図である。 第2実施形態としての高圧ガスタンクの構造例を示す概略断面図である。 従来の高圧ガスタンクの構造の一例を示す概略断面図である。 本発明が解決しようとする課題について示す説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態としての高圧ガスタンクの構造例を示す概略断面図である。高圧ガスタンク10は、図1(A)に示すように、ライナー11と、ライナー11の外周に形成された補強層12とを備えている点、および、補強層12はフープ層17とヘリカル層19とを有している点は、従来の高圧ガスタンク10R(図5)と同様である。ただし、高圧ガスタンク10は、フープ層17の端部17Eが、図1(B)に示すように、従来の高圧ガスタンク10Rのフープ層17Rの端部17ER(図6参照)と異なっている構造を有している点に特徴を有している。なお、図1(B)は図1(A)のフープ層17の左上側の端部17Eを拡大して示しているが、図1(A)の右上側の端部17Eも左右対称で同じ構造となっており、左下側および右下側の端部も上下対称で同じ構造となっている(不図示)。
フープ層17の端部17Eでは、繊維巻層ごとにそれぞれの一つ上層の繊維巻層の端部に対応する位置を端部とする壁状の突出部が形成されており、両側の突出部の間に壁面に接するように上層の繊維巻層が積層形成されている。具体的には、図1(B)では、1層目の繊維巻層17−1には、2層目の繊維巻層17−2の端部に対応する位置を端部とする2層目の突出部17−1Wが形成されており、左右両側の1層目の突出部17−1Wの間に2層目の繊維巻層17−2が形成されている。2層目の繊維巻層17−2には、3層目の繊維巻層17−3の端部に対応する位置を端部とする2層目の突出部17−2Wが形成されており、左右両側の2層目の突出部17−2Wの間に3層目の繊維巻層17−3が形成されている。3層目の繊維巻層17−3には、4層目の繊維巻層17−4の端部に対応する位置を端部とする3層目の突出部17−3Wが形成されており、左右両側の3層目の突出部17−3Wの間に4層目の繊維巻層17−4が形成されている。上記フープ層17の端部17Eの構造は、以下で説明する手順により形成される。
図2は、図1(A)に示した構造のフープ層の端部を形成するための手順について示す説明図である。図2(A)〜図2(D)は、図1のフープ層17の左上側の端部17Eに対応する部分のみの概略断面を拡大して示している。
1層目の繊維巻層17−1は、図2(A)に示すように、基本的には、ライナー11のシリンダー部11aの一方の端部(例えば、左側の端部)から他方の端部(例えば、右側の端部,不図示)までの外周表面に沿って、強化繊維としてのカーボン繊維がフープ巻きにより順に巻き付けられて1往復されることにより形成される。このときのカーボン繊維の巻き付け張力はあらかじめ定められた1層目用の基本巻き付け張力に設定される。なお、カーボン繊維は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が予め含浸された繊維であり、熱硬化性樹脂が加熱により硬化されることによってカーボン繊維強化プラスチックとされる繊維である。ただし、復路の巻き付け過程において、2層目の端部位置に対応する位置では、さらに、カーボン繊維が一定の幅で複数周回多く巻き付けられることにより、他の部分よりも厚い壁状の突出部17−1Wが形成される。この突出部17−1Wが形成される際のカーボン繊維の巻き付け張力は、2層目の繊維巻層17−2の基本巻き付け張力よりも高い巻き付け張力とされることが好ましい。また、突出部形成のための巻き付け周回数は、2層目の繊維巻層17−2の基本的な厚さに合わせられる。例えば、2層目の繊維巻層17−2が1層目の繊維巻層17−1と同様に、基本的には1往復のカーボン繊維の巻き付けにより形成されるとすると、これにより形成される厚さに合わせて、突出部17−1Wに対応する位置では、さらに、カーボン繊維が1往復分、すなわち、2周回分多く巻き付けられる。
2層目の繊維巻層17−2は、図2(B)に示すように、基本的には、1層目の繊維巻層17−1の両側の突出部17−1Wの間を覆うように、1層目と同様に、カーボン繊維が順に巻き付けられて1往復されることにより形成される。なお、このときのカーボン繊維の巻き付け張力は、あらかじめ定められた2層目用の基本巻き付け張力であって、1層目の基本巻き付け張力以上の張力に設定されることが好ましい。ただし、2層目においても、1層目と同様に、復路の巻き付け過程において、3層目の端部位置に対応する位置で、さらに、カーボン繊維が一定の幅で複数周回多く巻き付けられることにより突出部17−2Wが形成される。この突出部17−2Wが形成される際のカーボン繊維の巻き付け張力も、1層目の突出部17−1Wと同様に、3層目の繊維巻層17−3の基本巻き付け張力よりも高い巻き付け張力とされることが好ましい。また、突出部形成のための巻き付け周回数は、3層目の繊維巻層17−3の基本的な厚さに合わせられる。
3層目の繊維巻層17−3は、図2(C)に示すように、基本的には、2層目の繊維巻層17−2の両側の突出部17−2Wの間を覆うように、2層目と同様に、カーボン繊維が巻き付けられて1往復されることにより形成される。なお、このときのカーボン繊維の巻き付け張力は、あらかじめ定められた3層目用の基本巻き付け張力であって、2層目の基本巻き付け張力以上の張力に設定されることが好ましい。ただし、3層目においても、2層目と同様に、復路の巻き付け過程において、4層目の端部位置に対応する位置で、さらに、カーボン繊維が一定の幅で複数周回多く巻き付けられることにより突出部17−3Wが形成される。この突出部17−3Wが形成される際のカーボン繊維の巻き付け張力も、2層目の突出部17−2Wと同様に、4層目の繊維巻層17−4の基本巻き付け張力よりも高い巻き付け張力とされることが好ましい。また、突出部形成のための巻き付け周回数は、4層目の繊維巻層17−3の基本的な厚さに合わせられる。
4層目の繊維巻層17−4は、図2(D)に示すように、3層目の繊維巻層17−3の両側の突出部17−3Wの間を覆うように、3層目と同様に、カーボン繊維が巻き付けられて1往復されることにより形成される。なお、このときのカーボン繊維の巻き付け張力は、あらかじめ定められた4層目の基本巻き付け張力であって、3層目の基本巻き付け張力以上の張力に設定されることが好ましい。
なお、以上のようにして形成されたフープ層17およびドーム部11bを覆うように、さらに、カーボン繊維をヘリカル巻きにて巻き付けてヘリカル層となる繊維巻層が形成される。その後、全体を加熱してカーボン繊維に含浸されている熱硬化性樹脂を硬化させることにより、補強層12が形成される。
以上説明した手順によりフープ層17が形成される場合、下層側の繊維巻層に形成された突出部により、突出部の間に形成された繊維巻層が、さらに上の繊維巻層からの圧力によって面方向に沿って横滑りして押し出されて繊維巻層のずれが発生することを抑制することが可能であり、複数の繊維巻層の積層精度を高めることが可能である。また、上層側の繊維巻層ほど高い張力でカーボン繊維を巻き付けて繊維巻層を形成することができるので、作製された高圧タンクの剛性を高めることが可能である。
また、製造装置自体の機械的な改造を行う必要がなく、カーボン繊維の巻き付けの位置、巻き付けの張力、巻き付け回数等のカーボン繊維の巻き付けの制御を調整するのみで容易に実現することが可能である。
また、従来、繊維巻層のずれによる強度低下の対策として層数を増加させることにより、フープ層による強度が確保されていたが、繊維巻層のずれの抑制が可能となることにより、総層数の削減が可能となり、軽量化が可能となる。また、繊維巻層の層層数の削減分の厚さを内容量の増加に割り当てることが可能となる。
また、理想形状の繊維巻層の積層が可能となることにより、結果としてヘリカル層で覆われるドーム部の強度の最適化が可能となり、軽量化も可能となる。
図3は、高圧ガスタンクのフープ層の端部の変形例について示す概略断面図である。なお、図3は、変形例の高圧ガスタンク10Bのうち、図1(A)に示したフープ層17の左上側の端部17Eに対応するフープ層17Bの端部17BEを拡大して示している。変形例の高圧ガスタンク10Bでは、フープ層17Bを構成する4つの繊維巻層17B−1〜17B−4のうち、下層側の繊維巻層17B−1〜17B−3の端部に、それぞれ突出部17−1W〜17−3Wが形成されている例を示している。各突出部17W−1〜17W−3の形成方法は、上記実施形態における場合と同様である(図2参照)。変形例の高圧ガスタンク10Bにおいても、上層側の繊維巻層17B−2〜17B−4は、それぞれ対応する突出部17−1W〜17−3Wによって、それ以上面方向の外側にずれてしまうことが抑制される。
なお、本実施形態および変形例では、フープ巻きによりカーボン繊維を巻き付けてフープ層を構成する繊維巻層が形成されることとして説明したが、フープ巻きだけでなく高角度ヘリカル巻きによってフープ層を構成する繊維巻層が形成されてもよく、フープ巻きおよび高角度ヘリカル巻きの併用によってフープ層を構成する繊維巻層が形成されてもよい。
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態としての高圧ガスタンクの構造例を示す概略断面図である。なお、図4は、本実施形態の高圧ガスタンク10Cのうち、図1(A)に示したフープ層17の左上側の端部17Eに対応するフープ層17Cの端部17CEを拡大して示している。高圧ガスタンク10Cは、ライナーと、ライナーの外周に形成された補強層と、を備えている点で、第1実施形態としての高圧ガスタンク10と同様であるが、以下で説明するライナーの構造およびフープ層の端部構造が異なっている。
高圧ガスタンク10Cのライナー11Cは、シリンダー部11aとドーム部11bとの境界部分に、突出部11cが形成されている。この突出部11cのフープ層17Cの端部17CE側の形状は、フープ層17Cを構成する繊維巻層17C−1〜17C−4の傾斜に沿った形状を有しており、フープ層17Cとは反対側の形状は、ドーム部11bの湾曲した面に沿って滑らかに繋がった形状を有している。
本実施形態の高圧ガスタンク10Cでは、本実施形態の突出部11cによって、フープ層17Cの各繊維巻層17C−1〜17C−4の端部のずれが抑制される。
なお、フープ層を構成する各繊維巻層17C−1〜17C−4の構造については、第1実施形態における各繊維巻層17−1〜17−4および第1実施形態の変形例における各繊維巻層17B−1〜17B−4の構造としてもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…高圧ガスタンク
10B…高圧ガスタンク
10C…高圧ガスタンク
10R…高圧ガスタンク
11…ライナー
11C…ライナー
11a…シリンダー部
11b…ドーム部
11c…突出部
12…補強層
17−1〜17−4…繊維巻層
17B−1〜17B−4…繊維巻層
17C−1〜17C−4…繊維巻層
17−1W〜17−3W…突出部
17…フープ層
17B…フープ層
17C…フープ層
17R…フープ層
17E…端部
17BE…端部
17CE…端部
17ER…端部
19…ヘリカル層

Claims (1)

  1. 略円筒状のシリンダー部と前記シリンダー部の両底部に設けられた凸曲面形状のドーム部とを有するライナーの外表面に、フィラメント・ワインディング法によって繊維が巻き付けられて補強層が形成される高圧ガスタンクの製造方法であって、
    (a)前記シリンダー部の外表面全体に、少なくともフープ巻きによる前記繊維の巻き付けにより複数の繊維巻層が順に積層されたフープ層が形成される工程と、
    (b)前記フープ層および前記ドーム部を覆うように、ヘリカル巻きによる前記繊維の巻き付けによりヘリカル層が形成される工程と、
    を備え、
    前記工程(a)は、
    形成対象の繊維巻層が形成される際において、前記シリンダー部の軸方向の両端近傍における形成される前記形成対象の繊維巻層の両端部では、前記形成対象の繊維巻層のうちの前記両端部を除く他の部分よりも前記繊維が多く巻き付けられて壁状の突出部が形成される工程を含む
    ことを特徴とする高圧ガスタンクの製造方法。
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