JP6223108B2 - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘリウムや酸素など大気圧より高い圧力の流体を収容可能な圧力容器及びその製造方法に関するものである。
高圧流体を収容可能な圧力容器は、一般的に、口金部を有して中空形状をなす金属製のライナの外周面に、繊維強化プラスチックなどの補強層が形成されて構成されている。この場合、補強層は、フィラメントワインディング法により形成される。このフィラメントワインディング法は、樹脂を含浸させた強化繊維を、ライナの表面に張力を付与しながら交差するように巻き付け、樹脂を硬化させて成形する方法である。
従来の圧力容器及びその製造方法としては、例えば、下記特許文献1〜3に記載されたものが提案されている。
特許第4382536号公報 特公平03−028301号公報 特公平04−037773号公報
ところで、圧力容器の形状としては、従来、円筒形状が一般的である。しかし、この圧力容器を搭載する機器が円柱形状であるとき、円筒形状をなす圧力容器よりも中心部が空洞となるドーナツ形状の圧力容器の方が搭載性に有利な場合がある。しかし、ドーナツ形状の圧力容器を製造する場合、ドーナツ形状をなすライナの表面に張力を付与しながら強化繊維を交差するように巻き付けることは困難である。
本発明は上述した課題を解決するものであり、表面に強化繊維が交差してなる強化層を容易に形成可能な圧力容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の圧力容器は、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナと、前記ライナの周方向で且つ軸方向における一方側に向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されて前記ライナの外側を被覆する第1強化層と、前記ライナの周方向で且つ軸方向における他方側に向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されて前記ライナの外側を被覆する第2強化層と、を備えることを特徴とするものである。
従って、ライナの外周面に一方側に向ってらせん状に連続する強化繊維と、他方側に向ってらせん状に連続する強化繊維とを層状に巻き付けることで、第1強化層と第2強化層が積層に形成されることから、強化繊維が交差する2つの強化層を容易に形成することができる。
本発明の圧力容器では、前記第1強化層及び前記第2強化層を構成する強化繊維は、プリプレグにより構成されることを特徴としている。
従って、プリプレグを用いることで、強化繊維をライナの外周面に容易にらせん状に巻き付けることができる。
また、本発明の圧力容器の製造方法は、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナの表面に該ライナの周方向で且つ軸方向における一方側に向って樹脂が含浸された第1強化繊維をらせん状に巻き付ける工程と、前記第1強化繊維の表面に前記ライナの周方向で且つ軸方向における他方側に向って樹脂が含浸された第2強化繊維をらせん状に巻き付ける工程と、前記第1強化繊維と前記第2強化繊維が巻き付けられた前記ライナを硬化させることで第1強化層及び第2強化層を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、ライナの外周面に一方側に向って強化繊維をらせん状に巻き付け、その上に他方側に向って強化繊維をらせん状に巻き付け、これを硬化することで、第1強化層と第2強化層が積層して形成されることから、強化繊維が交差する2つの強化層を容易に形成することができる。
また、本発明の圧力容器の製造方法は、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナの表面全周に樹脂が含浸された強化繊維を巻回した後に硬化する圧力容器の製造方法であって、強化繊維をライナの周方向に対して軸方向に傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の強化繊維により前記ライナの軸方向に所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、前記ライナの表面全周に第1強化繊維層を巻回する第1巻回工程と、強化繊維を前記第1巻回工程の傾斜方向とは逆方向に傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の強化繊維により前記ライナの軸方向に所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、前記ライナの表面全周に第2強化繊維層を巻回する第2巻回工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、ライナに対する一部巻き付け工程における強化繊維の所定幅のらせん巻き付けは、傾斜していることから強化繊維の張力を保つことができ、また、強化繊維の緩みが生じない範囲での所定幅であり、らせん状に繊維相互が接するように密に巻き付けることができる。そのため、一部巻き付け工程を、一連の強化繊維によりライナの軸方向に間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、強化繊維を緩み無く中空ドーナツ形状のライナに巻回することができる。この場合、一部巻き付け工程での軸方向の間隔は、強化繊維の巻き付け張力を保ったまま、巻回し得る間隔位置であり、当該間隔の一連の強化繊維もライナ表面に接して張設されることとなる。また、一部巻き付け工程での強化繊維の所定幅の巻き付けは密な巻きつけであり、一部巻き付け工程相互間の巻き付けはこの密な巻き付けに比べて疎の巻き付けであり、一部巻き付け工程を、一連の強化繊維によりライナの周方向に間隔をおいて連続的に多数回繰り返すことにより、ライナの表面全周に第1強化繊維層及び第2強化繊維層を隙間無く巻回することができる。
本発明の圧力容器及びその製造方法によれば、中空ドーナツ形状をなすライナの外側に強化繊維が交差する2つの強化層を容易に形成することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る圧力容器を表す一部切欠概略図である。 図2は、本実施例の圧力容器の製造方法の手順を表すフローチャートである。 図3は、本実施例の圧力容器の製造方法を表す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る圧力容器及びその製造方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る圧力容器を表す一部切欠概略図、図2は、本実施例の圧力容器の製造方法の手順を表すフローチャート、図3は、本実施例の圧力容器の製造方法を表す概略図である。
本実施例の圧力容器は、流体を充填するものであり、ドーナツ形状をなしている。この場合、ドーナツ形状をなす圧力容器は、中央部が空洞となっていることから、ここに各種機器を配置することができる。また、ドーナツ形状をなす圧力容器は、複数積層すると共に各容器を連通して使用することもできる。なお、圧力容器内に充填する流体としては、作動流体や燃料などとして利用可能なヘリウム、水素、酸素などがある。
本実施例にて、図1に示すように、圧力容器10は、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナ11と、このライナの周方向Bで且つ軸方向Aにおける一方側Lに向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されてライナ11の外側を被覆する第1強化層12と、ライナ11の周方向Bで且つ軸方向Aにおける他方側Rに向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されてライナ11(第1強化層12)の外側を被覆する第2強化層13とにより構成されている。
なお、上述した軸方向Aとは、圧力容器10が中央部に空洞部を有し、本体が周方向に連続するドーナツ形状(リング形状)をなすことから、その円周に沿った方向である。また、周方向Bとは、圧力容器10の軸方向Aに直交(交差)する断面がほぼ円形断面(子午面)をなすことから、この円形断面にて外周方向に沿った方向である。
ライナ11は、チタンやアルミニウムなどの金属材料から構成され、上部に2つの孔部21,22が形成されている。この孔部21,22は、内部に流体を供給する供給口、または、内部の流体を排出する排出口として利用される。なお、孔部21,22は、1つでも、3つ以上であってもよい。
第1強化層12は、強化繊維としての第1プリプレグをライナ11の外周面に周方向Bで、且つ、軸方向Aにおける一方側Lに向ってらせん状に巻き付け、これを硬化することでこのライナ11の外側を被覆して強化するものである。
第2強化層13は、強化繊維としての第2プリプレグをライナ11の外周面、ここでは、第1プリプレグの外側に周方向Bで、且つ、軸方向Aにおける他方側Rに向ってらせん状に巻き付け、これを硬化することでこのライナ11の外側を被覆して強化するものである。
ここで、プリプレグとは、炭素繊維(またはガラス繊維など)を同じ方向にそろえた帯状または短冊状の炭素繊維帯状物に、樹脂(エポキシ樹脂など)を含浸させ、半硬化させて成形したものである。
ここで、本実施例の圧力容器の製造方法について、図2のフローチャート及び図3の概略図を用いて説明する。
本実施例の圧力容器の製造方法は、図2に示すように、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナ11を製造する工程(S11)と、このライナ11の表面にライナ11の周方向Bで且つ軸方向Aにおける一方側Lに向って樹脂が含浸された第1プリプレグをらせん状に巻き付ける工程(S12〜S13)と、第1プリプレグの表面にライナ11の周方向Bで且つ軸方向Aにおける他方側Rに向って樹脂が含浸された第2プリプレグをらせん状に巻き付ける工程(S14)と、第1プリプレグと第2プリプレグが巻き付けられたライナ11を硬化させることで第1強化層12及び第2強化層13を形成する工程(S15〜S16)とから構成されている。
即ち、まず、工程(S11)にて、チタンや他の材料を用いて中空ドーナツ形状をなすライナ11を製造し、上部に2つの孔部21,22を形成する。次に、図3に示すように、工程(S12)にて、帯状の第1、第2プリプレグ31,32を所定の幅にカット(切断)する。そして、工程(S13)にて、所定幅の第1プリプレグ31をライナ11の外周面に周方向Bで且つ軸方向Aにおける一方側Lに向って第1プリプレグ31をらせん状(ヘリカル状)に沿って巻き付ける。つまり、ライナ11の外周面に第1プリプレグ31を左回り(一方側L)でらせん状に巻き付ける。
更に、工程(S14)にて、所定幅の第2プリプレグ32をライナ11の外周面に周方向Bで且つ軸方向Aにおける他方側Rに向って第2プリプレグ32をらせん状(ヘリカル状)に沿って巻き付ける。つまり、ライナ11の外周面に第2プリプレグ32を右回り(他方側R)でらせん状に巻き付ける。
即ち、第1プリプレグ31をライナ11の周方向Bに対して軸方向Aに所定角度傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の第1プリプレグ31によりライナ11の軸方向Bに所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、ライナ11の表面全周に第1強化繊維層を巻回する第1巻回工程と、第2プリプレグ32を第1巻回工程の傾斜方向とは逆方向に傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の強化繊維によりライナ11の軸方向Bに所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、ライナ11の表面全周に第2強化繊維層を巻回する第2巻回工程とにより構成している。
具体的に説明すると、図3にて、第1巻回工程では、第1プリプレグ31をテープ(図示略)によりライナ11の表面に仮止めし、この第1プリプレグ31をライナ11の周方向Bに対して軸方向Aに所定角度傾斜させた状態でらせん状に巻き付ける。このとき、第1プリプレグ31をライナ11の表面にらせん状に巻き付けると、1周目の第1プリプレグ31aに対して2周目の第1プリプレグ31bは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となる。続いて、2周目の第1プリプレグ31bに対して3周目の第1プリプレグ31cは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となり、続いて、3周目の第1プリプレグ31cに対して4周目の第1プリプレグ31dは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となる。そして、4周目の第1プリプレグ31dに対して5周目の第1プリプレグ31eは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れると共に、1周目の第1プリプレグ31aと隙間なく密に接した位置となる。つまり、ライナ11の表面を軸方向Aに4つの領域に分け、各領域に対して第1プリプレグ31を連続して巻き付けていくこととなる。
このように所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の第1プリプレグ31によりライナ11の軸方向Bに所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、ライナ11の表面全周に第1強化繊維層を巻回することができる。
一方、第2巻回工程では、第2プリプレグ32をテープ(図示略)によりライナ11の外側に形成された第1強化繊維層の表面に仮止めし、この第2プリプレグ32をライナ11の周方向Bに対して軸方向Aに所定角度傾斜させた状態でらせん状に巻き付ける。この場合、第2プリプレグ32を巻き付ける傾斜方向は、第1プリプレグ31を巻き付ける傾斜方向と対称となる逆方向である。このとき、第2プリプレグ32を第1強化繊維層の表面にらせん状に巻き付けると、1周目の第2プリプレグ32aに対して2周目の第2プリプレグ32bは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となる。続いて、2周目の第2プリプレグ32bに対して3周目の第2プリプレグ32cは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となり、続いて、3周目の第2プリプレグ32cに対して4周目の第2プリプレグ32dは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れた位置となる。そして、4周目の第2プリプレグ32dに対して5周目の第2プリプレグ32eは、ライナ11の軸方向Bに所定間隔だけ離れると共に、1周目の第2プリプレグ32aと隙間なく密に接した位置となる。つまり、ライナ11の表面を軸方向Aに4つの領域に分け、各領域に対して第2プリプレグ32を連続して巻き付けていくこととなる。
このように所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の第2プリプレグ32によりライナ11の軸方向Bに所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、ライナ11における第1強化繊維層の表面全周に第2強化繊維層を巻回することができる。
この場合、第1巻回工程にて、ライナ11に対する一部巻き付け工程における第1プリプレグ31の所定幅のらせん巻き付けは、傾斜していることから第1プリプレグ31の張力を保つことができ、また、第1プリプレグ31の緩みが生じない範囲での所定幅であり、らせん状に繊維相互が接するように密に巻き付けることができる。そのため、一部巻き付け工程を、一連の第1プリプレグ31によりライナ11の軸方向Bに間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、第1プリプレグ31を緩み無く中空ドーナツ形状のライナ11に巻回することができる。この場合、一部巻き付け工程での軸方向Bの間隔は、第1プリプレグ31の巻き付け張力を保ったまま、巻回し得る間隔位置であり、当該間隔の一連の第1プリプレグ31もライナ11の表面に接して張設されることとなる。また、一部巻き付け工程での第1プリプレグ31の所定幅の巻き付けは密な巻き付けであり、一部巻き付け工程相互間の巻き付けはこの密な巻き付けに比べて疎の巻き付けであり、一部巻き付け工程を、一連の第1プリプレグ31によりライナの周方向に間隔をおいて連続的に多数回繰り返すことにより、ライナ11の表面全周に第1強化繊維層を隙間無く巻回することができる。
一方、第2巻回工程では、第1強化繊維層が形成されたライナ11に対する一部巻き付け工程における第2プリプレグ32の所定幅のらせん巻き付けは、第1巻回工程と逆に傾斜していることから第2プリプレグ32の張力を保つことができ、また、第2プリプレグ32の緩みが生じない範囲での所定幅であり、らせん状に繊維相互が接するように密に巻き付けることができる。そのため、一部巻き付け工程を、一連の第2プリプレグ32によりライナ11の軸方向Bに間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、第2プリプレグ32を緩み無く中空ドーナツ形状のライナ11に巻回することができる。この場合、一部巻き付け工程での軸方向Bの間隔は、第2プリプレグ32の巻き付け張力を保ったまま、巻回し得る間隔位置であり、当該間隔の一連の第2プリプレグ32もライナ11の表面に接して張設されることとなる。また、一部巻き付け工程での第2プリプレグ32の所定幅の巻き付けは密な巻き付けであり、一部巻き付け工程相互間の巻き付けはこの密な巻き付けに比べて疎の巻き付けであり、一部巻き付け工程を、一連の第2プリプレグ32によりライナの周方向に間隔をおいて連続的に多数回繰り返すことにより、ライナ11に形成された第1強化繊維層の表面全周に第2強化繊維層を隙間無く巻回することができる。
その後、工程(S15)にて、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32が巻き付けられたライナ11にて、樹脂を硬化させることで、このライナ11の外側を被覆する第1強化層12と第2強化層13を形成する。その後、工程(S16)にて、仕上げ加工を行うことで、圧力容器10が製造される。
このように本実施例の圧力容器にあっては、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナ11と、このライナ11の周方向Bで且つ軸方向Aにおける一方側Lに向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されてライナ11の外側を被覆する第1強化層12と、ライナ11の周方向Bで且つ軸方向Aにおける他方側Rに向ってらせん状に連続する強化繊維が樹脂により硬化されてライナ11(第1強化層12)の外側を被覆する第2強化層13とを設けている。
従って、ライナ11の外周面に一方側Lに向って第1プリプレグ31をらせん状に巻き付け、その上に他方側Rに向って第2プリプレグ32をらせん状に巻き付け、これを硬化することで、第1強化層12と第2強化層13が積層して形成されることから、強化繊維が交差する2つの強化層12,13を容易に形成することができる。
ライナ11の表面に炭素繊維が交差する少なくとも2つの強化層12,13を形成する場合、帯状の炭素繊維は、ライナ11の周方向Bに沿って巻き付けられるものの、ライナ11の軸方向Aに沿って巻き付けることは困難である。即ち、ライナ11の外周側には、所定の張力で軸方向Aに沿って炭素繊維を巻き付けることはできるものの、ライナ11の内周側には、所定の張力で軸方向Aに沿って炭素繊維を巻き付けることはできない。本実施例では、プリプレグ31,32を異なる2方向へ向ってらせん状に巻き付けることで、ライナ11の表面に炭素繊維が交差する少なくとも2つの強化層12,13を形成することができる。
また、本実施例の圧力容器では、第1強化層12及び第2強化層13を構成する強化繊維を第1プリプレグ31と第2プリプレグ32により構成している。従って、プリプレグ31,32を用いることで、強化繊維をライナ11の外周面に容易にらせん状に巻き付けることができる。
また、本実施例の圧力容器の製造方法にあっては、中空ドーナツ形状をなす金属製のライナ11を製造する工程(S11)と、ライナ11の表面に一方側Lに向って第1プリプレグ31をらせん状に巻き付ける工程(S12〜S13)と、第1プリプレグ31の表面に他方側Rに向って第2プリプレグ32をらせん状に巻き付ける工程(S14)と、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32が巻き付けられたライナ11を硬化させることで第1強化層12及び第2強化層13を形成する工程(S15〜S16)とから構成されている。
従って、ライナ11の外周面に一方側Lに向って第1プリプレグ31をらせん状に巻き付け、その上に他方側Rに向って第2プリプレグ32をらせん状に巻き付け、これを硬化することで、第1強化層12と第2強化層13が積層して形成されることから、強化繊維が交差する2つの強化層12,13を容易に形成することができ、製造工程の簡略化を可能とすることができる。
なお、上述した実施例では、ライナ11の外側に2つの強化層12,13を形成したが、この数に限定されるものではなく、強化繊維が交差する方向に配列された2つの強化層があればよく、3層以上でもよいものである。また、上述した実施例では、ライナ11の表面を軸方向Aに4つの領域に分け、各領域に対して各プリプレグ31,32を連続して巻き付けていくようにしたが、領域の個数は、1つに限定されるものではなく、各プリプレグ31,32の巻き付け角度に応じて適宜設定すればよいものである。更に、ライナ11に対する第1プリプレグ31と第2プリプレグ32との巻き付け角度は、対称な角度であることが望ましい。
本発明に係る圧力容器及びその製造方法は、ライナの外側に強化繊維が交差する方向に配列された複数の強化層を容易に設けること可能なものであり、いずれの圧力容器にも適用することができる。
10 圧力容器
11 ライナ
12 第1強化層
13 第2強化層
31 第1プリプレグ(強化繊維)
32 第2プリプレグ(強化繊維)

Claims (2)

  1. 中空ドーナツ形状をなす金属製のライナの表面全周に樹脂が含浸された強化繊維を巻回した後に硬化する圧力容器の製造方法であって、
    強化繊維をライナの周方向に対して軸方向に傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の強化繊維により前記ライナの軸方向に所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、前記ライナの表面全周に第1強化繊維層を巻回する第1巻回工程と、
    強化繊維を前記第1巻回工程の傾斜方向とは逆方向に傾斜させて、所定幅らせん状に巻き付ける一部巻き付け工程を、一連の強化繊維により前記ライナの軸方向に所定間隔をおいて連続的に繰り返すことにより、前記ライナの表面全周に第2強化繊維層を巻回する第2巻回工程と、
    を有することを特徴とする圧力容器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧力容器の製造方法により製造されたことを特徴とする圧力容器。
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