JP5830905B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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Description
このようなヒータランプを用いた熱処理装置では、従来から、複数の棒状ヒータランプをワークに対して近接対向して並列に配置させている。しかしながら、単純にランプを並べて点灯させるだけでは、ワーク周辺領域はワーク中央領域に比べて加熱性が劣るため、ワーク表面において温度ムラが生じるという問題があった。
しかしながら、前者の方法では、ワーク周辺とワーク中央の微妙な温度コントロールが容易ではなく、制御機構や制御プロセスが複雑になるという問題があった。また、後者の方法では余計な部材が必要になるなど、装置のコスト高、装置の大型化という問題があった。
また、前記端部ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Tb)と、前記中央ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Ta)が、同じタイミングで反応開始温度(Ts)に到達するように制御されていることを特徴とする。
また、前記端部ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Tb)と、前記中央ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Ta)が、反応開始温度(Ts)以上の所定の最高温度(Th)に、同じタイミングで到達するように制御されていることを特徴とする。
また、前記ヒータランプは、並列配置された第1のヒータランプ群と、該第1のヒータランプ群と直交する方向に並列配置された第2のヒータランプ群が、井桁状に重ねて配置されていることを特徴とする。
この発光管3内部には、臭素などのハロゲンガスが封入されており、いわゆるハロゲンサイクルを行っている。このヒータランプ2の数値例をあげると、長さ300mm、外径φ13mm、定格電力2000Wである。
これら複数のヒータランプ2、2は、ワークWの中央部に対応する中央ランプ群Aと、該中央ランプ群Aの両側に配置されて、ワークWの両端部に対応する端部ランプ群Bとに区分される。
この実施例では、複数のヒータランプ2、2のうち、中央部に位置する5本が中央ランプ群Aを構成し、その両側に位置する2本ずつが端部ランプ群Bを構成しているが、これに限られず、ワークWの大きさとヒータランプ2の本数によって、その区分けは適宜な本数ずつに区分けされる。
また、図5は従来例の点灯パターンであって、まず当該従来例の点灯パターンを説明する。すべてのランプが同時に点灯を開始し、温度が上昇していくが、ワークの端部領域では、その昇温速度(Tb)は、中央部領域の昇温速度(Ta)よりも遅いため、ワークが熱反応する反応開始温度(Ts)に到達する時間(T1)、(T2)に差ができる。
そして、その後所定の時間経過後にランプを同時に消灯すると、ワークの温度は降下していくが、反応開始温度(Ts)まで降下する時間にも大きな開きができ、その結果、ワークの中央部領域と端部領域が反応開始温度(Ts)以上の温度領域にある反応時間帯(Δta)、反応開始温度(Δtb)に大きな差ができてしまう。
上記反応開始温度や反応時間は、ワークの材質や求める処理によって決定されるものであるが、端部領域側の時間(Δtb)に合わせて点灯パターンを設定すると、中央部領域の時間(Δta)が長すぎて、中央部領域の反応に前述のような不具合が生じるし、中央部領域側の反応時間(Δta)に合わせて設定すると、端部領域の反応時間(Δtb)の時間が短すぎて反応が十分に行われず、その結果、ワークの全表面での反応にむらが生じるという不具合が生じる。
図3は、ワークの中央部領域が反応開始温度(Ts)に到達する時間(t3)と、端部領域が到達する時間(t5)とが一致するように点灯を制御するものである。すなわち、先ず、端部ランプ群Bが時間(t1)に点灯され、それより、時間(Δt1)経過後に、中央ランプ群Aが点灯される。
これらランプ群A、Bの点灯により、ワークの中央領域と端部領域はそれぞれ昇温していくが、その昇温速度(Ta)(Tb)には差があり、それぞれ時間(t3)と時間(t5)に反応開始温度(Ts)に到達する。そして、これらの時間(t3)と(t5)とが一致するように、前記点灯開始時間(t1)、(t2)が調整制御される。
この間、ワークの中央部領域および端部領域の温度は所定の最高温度(Th)に到達した後に、ランプが消灯されて下降して、それぞれ、時間(t4)および時間(t6)において反応開始温度(Ts)に至る。
この反応開始温度(Ts)以上の温度領域にある時間帯(Δta)、(Δtb)が反応時間である。
先ず、端部ランプ群Bが時間(t1)に点灯され、それより、時間(Δt1)経過後に、中央ランプ群Aが点灯される。
これらランプ群A、Bの点灯により、ワークの中央部領域と端部領域はそれぞれ昇温していくが、その昇温速度(Ta)(Tb)には差があり、それぞれ時間(t3)と時間(t5)に反応開始温度(Ts)に到達する。この時点では両領域の反応開始温度(Ts)への到達時間には若干の差があるが、両領域は更に昇温していき、最高温度(Th)にほぼ同じタイミングで到達する。この最高温度到達時間(t7)が一致するように、前記点灯開始時間(t1)、(t2)が調整制御される。
その時点で、ランプは消灯されてワーク温度は下降していき、それぞれ反応開始温度(Ts)まで降温するが、この反応開始温度(Ts)以上の温度領域にある時間帯(Δta)、(Δtb)が反応時間である。
なお、熱反応時間帯を一致させるという表記は、厳密な意味で一致させることを意味するものではなく、ワークの全表面での熱処理に実用上むらが生じないように、従来例との比較においてワークの中央部領域と端部領域が反応開始温度以上の温度領域にいる時間帯がほぼ一致していればよいものである。
この実施例では、図6(A)に示されるように、ワークWの上方に、第1のヒータランプ群Xと第2のヒータランプ群Yとが配置されている。
そして、図6(B)に示されるように、第1ヒータランプ群Xは、ワークWの上方に複数のヒータランプ2、2が並列配置されており、第2ヒータランプ群Yのヒータランプ2、2は、前記第1ヒータランプ群Xの上方に、その管軸方向がこれと直交するように井桁状に並列配置されている。
そして、これらの第1ヒータランプ群Xおよび第2ヒータランプ群Yは、それぞれ、中央ランプ群Aと、その両側の端部ランプ群Bとに区分されている。
上記構成において、図6には不図示の制御部によって、第1ヒータランプ群Xと第2ヒータランプ群Yのそれぞれの端部ランプ群B、Bを先ず点灯させ、その後、所定時間経過後に中央ランプ群A、Aを点灯させるものである。
2 ヒータランプ
3 発光管
4 フィラメント
5 反射鏡
6 制御部
7 ステージ
A 中央ランプ群
B 端部ランプ群
X 第1ヒータランプ群
Y 第2ヒータランプ群
W ワーク
Claims (4)
- 複数の同一構造の棒状ヒータランプが並列配置されるとともに、該ヒータランプを同一の定格電力で点灯制御する制御部を備えた熱処理装置において、
前記ヒータランプは、中央ランプ群と、その両側に配置された端部ランプ群とに区分けされ、
前記制御部は、前記中央ランプ群を構成するヒータランプの点灯時間を、前記端部ランプ群を構成するヒータランプの点灯時間よりも短くするとともに、
前記端部ランプ群を点灯した後に、前記中央ランプ群を点灯して、
前記端部ランプ群に対応した照射領域と、前記中央ランプ群に対応した照射領域の、反応開始温度以上の温度領域にいる反応時間帯の差が、前記端部ランプ群と前記中央ランプ群を同時点灯し、かつ同一点灯時間としたときの差よりも小さくなるように、制御する
ことを特徴とする熱処理装置。 - 前記端部ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Tb)と、前記中央ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Ta)が、同じタイミングで反応開始温度(Ts)に到達するように制御されていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
- 前記端部ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Tb)と、前記中央ランプ群に対応した照射領域の加熱温度(Ta)が、反応開始温度(Ts)以上の所定の最高温度(Th)に、同じタイミングで到達するように制御されていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
- 前記ヒータランプは、並列配置された第1のヒータランプ群と、該第1のヒータランプ群と直交する方向に並列配置された第2のヒータランプ群が、井桁状に重ねて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
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JP2011084173A JP5830905B2 (ja) | 2011-04-06 | 2011-04-06 | 熱処理装置 |
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JP2011084173A JP5830905B2 (ja) | 2011-04-06 | 2011-04-06 | 熱処理装置 |
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