JP5829205B2 - 水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置 - Google Patents

水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置 Download PDF

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Description

本発明は、水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置に関する。
近年、地球環境の改善につながる燃料電池用の燃料として、水素への期待が高まっている。水素は、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノール等の炭化水素含有燃料と水蒸気を金属触媒の存在下で改質・変成した後、精製して得ることが一般的である。変成後のガスには水素以外に一酸化炭素、二酸化炭素、メタン及び水等が含まれており、固体高分子形燃料電池の原料として用いる場合は高純度水素が好ましい。
高純度水素を得る方法としては、水素PSA(Pressure Swing Adsorption)法が挙げられる。水素PSA法は、吸着剤への各ガス成分の吸脱着挙動の違いを利用して分離する方法であり、高圧下で不純物であるCO、CO、CH、及びHO等を吸着させ、これらのガスより吸着親和性の低いHのみを回収する方法である。
他の方法としては、水素吸蔵合金法が挙げられる。この方法は、水素吸蔵合金に水素含有ガス中の水素のみを選択的に吸蔵させて不純物ガスと分離し、水素吸蔵合金から水素のみを放出させることによって高純度水素を製造する方法である。この水素吸蔵合金法は、水素吸蔵合金が選択的に水素を吸蔵できるため、水素回収率の向上が期待できる。また、水素吸蔵合金法の方が水素PSA法よりも水素の回収率が高い。
この水素吸蔵合金法では水素吸蔵時に起こる水素化物生成反応が発熱反応であり、効率的に水素を吸蔵・精製させるためにはその反応熱を除去する必要がある。一方、水素放出は脱水素化反応であり、吸熱反応であるため反応熱分の熱を水素吸蔵合金充填層に供給する必要がある。これらの水素吸蔵合金充填層の温度制御方法として、例えば熱媒体を流通させる熱媒体流通路を水素吸蔵合金充填層に付設し、熱媒体流通路に温水を流通させて加熱し、冷水を流通させて冷却する方法が知られている(例えば特開2005−63703号公報参照)。
この水素吸蔵合金法においては、水素を得るためのエネルギー効率を高くするために、水素吸蔵合金充填層の冷却及び加熱を効率良く行うことが要求される。
特開2005−63703号公報
上述の従来の水素吸蔵放出法においては、加熱と冷却との切り替え時に熱媒体流通路で温水と冷水とが混ざってしまうので、加熱及び冷却を効率良くできず、水素精製のエネルギー効率が低下するおそれがあることを本発明者らは見い出した。
本発明は、上記のような不都合に鑑みなされたものであり、水素精製のエネルギー効率が高い水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る水素吸蔵放出方法は、
水素吸蔵合金が充填され、水素の吸蔵及び放出を行うタンクと、このタンクに付設され、水素吸蔵合金を加熱及び冷却する熱媒体が流通可能に構成される熱媒体流通部とを備える水素吸蔵放出装置を用いた水素吸蔵放出方法であって、
上記熱媒体流通部に加熱用熱媒体を流通する工程と、
上記熱媒体流通部に冷却用熱媒体を流通する工程と、
上記加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程間で少なくとも熱媒体流通部から熱媒体を除去する工程とを有する。
当該水素吸蔵放出方法は、上記加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程間、つまり加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程の内の一方から他方に切り替える前に熱媒体流通部から熱媒体を除去するので、熱媒体流通部の中で加熱用熱媒体と冷却用熱媒体とが混合することなく、熱媒体流通部中が直ぐに加熱用熱媒体又は冷却用熱媒体で満たされる。従って、加熱及び冷却を効率良くできるので、水素精製のエネルギー効率が高くなる。
上記水素吸蔵合金の20℃での水素平衡圧としては0.05MPa以上0.3MPa以下が好ましい。このように水素平衡圧を上記範囲内にすることで、水素の吸蔵放出を低コストで行うことができる。なお、水素平衡圧は、水素吸蔵合金の圧力・組成等温線(PCT線)の測定方法(JIS H7201)に基づく真空原点法によって得られた水素吸蔵合金のPCT線において、水素濃度(H/M)が0.5における圧力とする。また、水素平衡圧は絶対圧基準で表している。なお、ガスの供給圧等で、ゲージ圧基準で表す場合には、Paの後に記号Gを付け、1MPaG等のように表す。
また、上記加熱用熱媒体が55℃以上90℃以下の温水であり、上記冷却用熱媒体が5℃以上40℃以下の冷水であることが好ましい。水を使用することにより低コストにすることができる。また、温水及び冷水の温度を上記範囲内にすることで、水素の吸蔵放出を低コストで行うことができる。
また、上記水素吸蔵合金としてAB5型水素吸蔵合金を用いることが好ましい。AB5型水素吸蔵合金は、AB2型水素吸蔵合金を始めとした他の種類の水素吸蔵合金と比較してCO2及びN等の不純物に対する耐性が強く、システムとしての耐久性を持たせることが可能となる。
また、上記課題を解決すべくなされた本発明に係る水素吸蔵放出装置は、
水素吸蔵合金が充填され、水素の吸蔵及び放出を行うタンクと、このタンクに付設され、水素吸蔵合金を加熱及び冷却する熱媒体が流通可能に構成される熱媒体流通部とを備える水素吸蔵放出装置であって、
上記熱媒体流通部に加熱用熱媒体が流通するラインと、
上記熱媒体流通部に冷却用熱媒体が流通するラインと、
上記少なくとも熱媒体流通部に気体が流通するラインとを備える。
上記気体流通ラインに気体を流通させることにより、熱媒体流通部内の熱媒体を容易に除去することができるので、加熱と冷却の切り替え時に、熱媒体流通部中を直ぐに加熱用熱媒体又は冷却用熱媒体で満たすことができる。このことにより、加熱及び冷却を効率良くでき、水素精製のエネルギー効率が高くなる。
上記加熱用熱媒体流通ライン及び冷却用熱媒体流通ラインが、これらの両ラインに切替三方弁を介して接続され、熱媒体流通部に熱媒体を流入させる熱媒体流入共用路と、同様に両ラインに切替三方弁を介して接続され、熱媒体流通部から熱媒体を流出させる熱媒体流出共用路とを有し、上記気体流通ラインが、熱媒体流入共用路及び熱媒体流出共用路のうち上方に配設される共有路に接続され、大気開放弁を有する通気路を備えることが好ましい。上記の構成により、水素吸蔵放出装置の設備コストを安くすることができる。
なお、上記熱媒体は、液体状の熱媒体を意味する。
当該水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置は、水素精製のエネルギー効率を高くできる。
図1は、本発明の一実施形態の水素吸蔵放出方法に用いられる水素吸蔵放出装置の概略構成図である。 図2は、本発明の他の実施形態の水素吸蔵放出方法に用いられる水素吸蔵放出装置の概略構成図である。 図3は、本発明の実施例に用いた水素吸蔵放出装置の概略構成図である。 図4は、上記実施例での水素精製の各工程の工程時間を示す図である。
以下、本発明に係る水素吸蔵放出方法の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[水素吸蔵放出装置]
図1の水素吸蔵放出装置1は、水素吸蔵合金21が充填され、水素の吸蔵及び放出を行うタンク2と、このタンク2に付設され、水素吸蔵合金21を加熱及び冷却する熱媒体Xが流通可能に構成される熱媒体流通部3とを備える。また、水素吸蔵放出装置1は、熱媒体流通部3に水素吸蔵合金21を加熱するための加熱用熱媒体X1が流通する加熱用熱媒体流通ライン4と、熱媒体流通部3に水素吸蔵合金21を冷却するための冷却用熱媒体X2が流通する冷却用熱媒体流通ライン5と、上記少なくとも熱媒体流通部3に気体が流通する気体流通ライン6とを備える。
<タンク>
タンク2は、水素吸蔵合金21と、水素吸蔵合金21が充填されたタンク本体22とを有している。タンク本体22は、水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給口22aと、水素含有ガスから水素吸蔵合金21が水素を吸蔵した後のオフガスを排出するオフガス排出口22bと、水素吸蔵合金21が放出する水素を排出する水素排出口22cとを具備している。水素吸蔵合金21の種類は、特に制限されるものではないが、AB5型水素吸蔵合金を用いることが好ましい。AB5型水素吸蔵合金は、AB2型水素吸蔵合金を始めとした他の種類の水素吸蔵合金と比較してCO2及びN等の不純物に対する耐性が強く、システムとしての耐久性を持たせることが可能となる。
水素含有ガス供給口22aは、水素含有ガスの供給源(図示せず)と水素含有ガス供給配管23によって接続されており、水素含有ガス供給配管23の途中にはガス第1開閉弁23aが設けられている。オフガス排出口22bは、オフガス排出配管24によってオフガスの排出先と接続されており、オフガス排出配管24の途中には、タンク本体22側から順にガス第2開閉弁24aと圧力コントロール弁24bとが設けられている。水素排出口22cは、水素排出配管25によって水素ガスの供給先(燃料電池等)と接続されており、水素排出配管25の途中には、タンク本体22側から順にガス第3開閉弁25aと水素ガスの質量流量を調整するマスフローコントローラ25bとが設けられている。
<加熱用熱媒体流通ライン>
加熱用熱媒体流通ライン4は、加熱用熱媒体X1を所定の温度に加熱して熱媒体流通部3に供給する加熱用熱媒体供給部41と、加熱用熱媒体供給部41から供給された加熱用熱媒体X1を熱媒体流通部3から循環して加熱用熱媒体供給部41に戻す加熱用熱媒体戻し部42とを有している。加熱用熱媒体X1としては、特に制限されるものでないが高温の水や油等の液体を好適に用いることができ、本実施形態では温水を用いている。
加熱用熱媒体供給部41は、温水を貯留する温水貯留タンク41aと、温水を加熱する加熱手段41bと、温水貯留タンク41aの温水を熱媒体流通部3に送り出す送湯ポンプ41cとを有している。また、加熱用熱媒体供給部41は、送湯ポンプ41cと熱媒体流通部3との間に、送湯ポンプ41c側から順に第1配管41d、第1切替三方弁41e、熱媒体流入共用路41fとを備え、熱媒体流入共用路41fの途中に第1開閉弁41gを有している。加熱手段41bの種類は、特に制限されるものでないが、電気ヒーターを好適に用いることができ、本実施形態では電気ヒーターを用いている。
加熱用熱媒体戻し部42は、熱媒体流通部3と温水貯留タンク41aとの間に、熱媒体流通部3側から順に、熱媒体流出共用路42aと、第2切替三方弁42bと、第2配管42cとを備え、熱媒体流出共用路42aの途中に第2開閉弁42dを有している。
<冷却用熱媒体流通ライン>
冷却用熱媒体流通ライン5は、冷却用熱媒体X2を所定の温度に冷却して熱媒体流通部3に供給する冷却用熱媒体供給部51と、冷却用熱媒体供給部51から供給された冷却用熱媒体X2を熱媒体流通部3から循環して冷却用熱媒体供給部51に戻す冷却用熱媒体戻し部52とを有している。冷却用熱媒体X2の種類としては、特に制限されるものでないが低温の水や油等の液体を好適に用いることができ、本実施形態では冷水を用いている。
冷却用熱媒体供給部51は、冷水を貯留する冷水貯留タンク51aと、冷水を冷却する冷却手段51bと、冷水貯留タンク51aの冷水を熱媒体流通部3に送り出す送水ポンプ51cとを有している。また、冷却用熱媒体供給部51は、送水ポンプ51cと熱媒体流通部3との間に、送水ポンプ51c側から順に第3配管51d、第1切替三方弁41e、熱媒体流入共用路41fとを備え、熱媒体流入共用路41fの途中に第1開閉弁41gを有している。冷却手段51bの種類は、特に制限されるものでないが、クーリングタワーやフィン等の冷却手段を好適に用いることができ、本実施形態ではクーリングタワーを用いている。なお、冷却用熱媒体供給部51は、第1切替三方弁41e、熱媒体流入共用路41f、第1開閉弁41gを加熱用熱媒体供給部41と共有している。
上述のように、加熱用熱媒体流通ライン4及び冷却用熱媒体流通ライン5が、これらの両ラインに第1切替三方弁41eを介して接続され、熱媒体流通部3に熱媒体Xを流入させる熱媒体流入共用路41fを有している。
冷却用熱媒体戻し部52は、熱媒体流通部3と冷水貯留タンク51aとの間に、熱媒体流通部3側から順に、熱媒体流出共用路42aと、第2切替三方弁42bと、第4配管52aとを備え、熱媒体流出共用路42aの途中に第2開閉弁42dを有している。冷却用熱媒体戻し部52は、熱媒体流出共用路42a、第2開閉弁42d、切替三方弁42bを加熱用熱媒体戻し部42と共有している。
上述のように、加熱用熱媒体流通ライン4及び冷却用熱媒体流通ライン5が、これらの両ラインに第2切替三方弁42bを介して接続され、熱媒体流通部3から熱媒体Xを流出させる熱媒体流出共用路42aを有している。
<気体流通ライン>
気体流通ライン6は、熱媒体流通部3中の加熱用熱媒体X1を除去する加熱用熱媒体除去部61と、熱媒体流通部3中の冷却用熱媒体X2を除去する冷却用熱媒体除去部62とを備えている。
加熱用熱媒体除去部61は、第2開閉弁42dと熱媒体流通部3との間の熱媒体流出共用路42aに繋がる第5配管61aと、第5配管61aの先端に設けられ、大気解放口を有する大気開放弁61bとを備えている。また、加熱用熱媒体除去部61は、第1開閉弁41gと熱媒体流通部3との間の熱媒体流入共用路41fと、温水貯留タンク41aとを繋ぐ第6配管61cと、第6配管61cの途中に設けられた第3開閉弁61dとを備えている。加熱用熱媒体除去部61は、熱媒体流通部3に気体を流通する気体流通ライン6を構成する。
また、第5配管61aと大気開放弁61bは、熱媒体流通部3に大気を通す通気路63を構成し、通気路63は、熱媒体流入共用路41fと熱媒体流出共用路42aのうち上方に配設されている共通路、つまり熱媒体流出共用路42aに接続されている。気体流通ライン6は、通気路63を有している。
冷却用熱媒体除去部62は、第2開閉弁42dと熱媒体流通部3との間の熱媒体流出共用路42aに繋がる第5配管61aと、第5配管61aの先端に設けられ、大気解放口を有する大気開放弁61bとを加熱用熱媒体除去部61と共用している。また、冷却用熱媒体除去部62は、第1開閉弁41gと熱媒体流通部3との間の熱媒体流入共用路41fと、冷水貯留タンク51aとを繋ぐ第7配管62aと、第7配管62aの途中に設けられた第4開閉弁62bとを備えている。冷却用熱媒体除去部62は、熱媒体流通部3に気体を流通する気体流通ライン6を構成する。なお、大気開放弁61bは、熱媒体流通部3より上方に設けられ、温水貯留タンク41a及び冷水貯留タンク51aは、熱媒体流通部3より下方に設けられている。
<熱媒体流通部>
熱媒体流通部3は、タンク本体22に付設されており、下方に熱媒体注入口3aを、上方に熱媒体排出口3bを有している。熱媒体注入口3aは、熱媒体流入共用路41fに接続しており、熱媒体排出口3bは、熱媒体流出共用路42aに接続している。熱媒体流通部3とタンク本体22の形態は特に制限されるものでない。例えば熱媒体流通部3がタンク本体22の周囲を覆うような形態でもよい。また、いわゆるシェルアンドチューブ型の形態とし、例えばシェル側を熱媒体流通部3として熱媒体Xを流通させ、チューブ側をタンク本体22として水素吸蔵合金21を充填させて水素含有ガスを供給してもよい。
<水素平衡圧>
水素吸蔵合金21の20℃における水素平衡圧の下限としては特に制限されるものではないが、0.05MPaが好ましく、0.1MPaがより好ましい。また、水素平衡圧の上限としては特に制限されるものではないが、0.3MPaが好ましく、0.25MPaがより好ましい。水素平衡圧が上記下限未満であると水素吸蔵合金21から水素を放出させるのに90℃以上に加熱しなければならないおそれがあり、加熱させるのに設備コストを含めてコストがかかる。また、水素平衡圧が上記上限を超えると、水素吸蔵合金21に水素を効率良く吸蔵させるのに水素含有ガスの供給圧を1.0MPaG以上に昇圧する必要があり、設備コストを含めてコストがかかる。
<加熱用媒体温度>
また、加熱用熱媒体X1である温水の温度の下限としては特に制限されるものではないが、55℃が好ましく、60℃がより好ましい。また、温水の温度の上限としては特に制限されるものではないが、90℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記下限未満であると水素吸蔵合金21から水素が放出され難くなり、上記上限を超えると設備を耐熱性にしなければならずコストがかかるおそれがある。
<冷却用媒体温度>
また、冷却用熱媒体X2である冷水の温度の下限としては特に制限されるものではないが、5℃が好ましく、10℃がより好ましい。また、冷水の温度の上限としては特に制限されるものではないが、40℃が好ましく、35℃がより好ましい。上記下限未満であると水素吸蔵合金が水素を吸蔵し難くなり、上記上限を超えると水素吸蔵合金を効率良く冷却できないおそれがある。上述した冷水のより好ましい10℃以上35℃以下の温度範囲は、クーリングタワーで容易に得ることができる。
<制御方法>
水素吸蔵放出装置1の各部の動作の制御方法は特に制限されるものではないが、例えば手動によって行えばよい。設備コストを安くすることができる。また、自動の制御手段を設けて各部を自動で制御するようにしてもよい。制御の精度が良くなると共に、手間が掛からなくなる。
[水素吸蔵放出方法]
本実施形態に係る水素吸蔵放出方法は、熱媒体流通部3に水素吸蔵合金21を加熱するための加熱用熱媒体X1を流通する加熱用熱媒体流通工程と、熱媒体流通部3に水素吸蔵合金21を冷却するための冷却用熱媒体X2を流通する冷却用熱媒体流通工程と、上記加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程間で少なくとも熱媒体流通部3から熱媒体Xを除去する熱媒体除去工程とを有する。具体的には、水素吸蔵放出方法は、例えば冷却用熱媒体流通工程、待機工程、減圧パージ工程、水除去工程(熱媒体除去工程)、加熱工程、加熱用熱媒体流通工程、温水除去工程(熱媒体除去工程)、及び冷却工程を有している。
上述した水素吸蔵放出方法の各工程の説明をする前に、水素吸蔵放出方法で行う水素吸蔵合金の加熱操作、水素吸蔵合金の冷却操作、及び熱媒体流通部内の熱媒体の除去操作について説明する。
<水素吸蔵合金の加熱操作>
タンク本体22中の水素吸蔵合金21を加熱するには、第1切替三方弁41eを第1配管41d側に開、第1開閉弁41gを開、第3開閉弁61dを閉、第4開閉弁62bを閉、第2開閉弁42dを開、大気開放弁61bを閉、第2切替三方弁42bを第2配管42c側に開として送湯ポンプ41cを運転する。温水貯留タンク41a中の温水が熱媒体流通部3内を循環し、水素吸蔵合金21が加熱される。
<水素吸蔵合金の冷却操作>
タンク本体22中の水素吸蔵合金21を冷却するには、第1切替三方弁41eを第3配管51d側に開、第1開閉弁41gを開、第3開閉弁61dを閉、第4開閉弁62bを閉、第2開閉弁42dを開、大気開放弁61bを閉、第2切替三方弁42bを第4配管52a側に開として送水ポンプ51cを運転する。冷水貯留タンク51a中の冷水が熱媒体流通部3内を循環し、水素吸蔵合金21が冷却される。
<熱媒体流通部内の熱媒体の除去操作>
熱媒体流通部3内の熱媒体Xを冷水貯留タンク51aに戻すには、第1開閉弁41gを閉、第3開閉弁61dを閉、第4開閉弁62bを開、第2開閉弁42dを閉とし、大気開放弁61bを開にする。また、熱媒体流通部3内の熱媒体Xを温水貯留タンク41aに戻すには、第1開閉弁41gを閉、第3開閉弁61dを開、第4開閉弁62bを閉、第2開閉弁42dを閉とし、大気開放弁61bを開にする。
以下、水素吸蔵放出方法の各工程を説明する。
<冷却用熱媒体流通工程>
熱媒体流通部3に冷水(冷却用熱媒体X2)を流通させて水素吸蔵合金21を冷却しながら、タンク本体22内に充填された水素吸蔵合金21に水素含有ガスを流通させ、水素吸蔵合金21に水素を吸蔵させる。水素吸蔵合金21に吸蔵されない水素以外のガス、及び吸蔵できなかった水素はオフガスとして排出する。このとき、ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを開、ガス第2開閉弁24aを開、ガス第3開閉弁25aを閉とし、圧力コントロール弁24bは所定の圧力に調整する。この圧力コントロール弁24bの圧力は、水素吸蔵合金21の水素平衡圧よりも高いほど水素の吸蔵が進行するが、圧力を高めるのに設備コスト及び運転コストがかかるので、この圧力は全体的なエネルギー効率から決められる。
<待機工程>
冷却用熱媒体流通工程終了後に熱媒体流通部3に冷水を流通させて水素吸蔵合金21を冷却しながらタンク本体22への水素含有ガスの供給を停止する。ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを閉とする。この工程によりタンク本体22内に残存した水素を水素吸蔵合金21に吸蔵させる。
<減圧パージ工程>
続いて、水素放出時の水素純度を向上させるため、熱媒体流通部3に冷水を流通させて水素吸蔵合金21を冷却しながらタンク本体22への水素含有ガスの供給を停止してタンク本体22内を大気圧にし、タンク本体22内に残存した不純物を排出する。ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを開、ガス第3開閉弁25aを閉とし、圧力コントロール弁24bは大気圧に調整する。
<冷水除去工程>
続いて、水素吸蔵合金21を加熱する前に熱媒体流通部3内の冷水を冷却用熱媒体供給部51に戻す。このとき熱媒体系統の開閉弁は、第1開閉弁41gを閉、第3開閉弁61dを閉、第4開閉弁62bを開、第2開閉弁42dを閉、大気開放弁61bを開とする。大気開放弁61bから大気が吸入され、熱媒体流通部3内の冷水が重力で冷水貯留タンク51aに戻る。このとき、ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを閉とする。
<加熱工程>
続いて、熱媒体流通部3に温水(加熱用熱媒体X1)を流通させて水素吸蔵合金21を加熱する。これにより、水素吸蔵合金21が高純度水素を放出可能な状態になる。ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを閉とする。
<加熱用熱媒体流通工程>
続いて、熱媒体流通部3に温水を流通させて水素吸蔵合金21への加熱を維持し、水素吸蔵合金21から高純度水素を放出する。ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを開とする。このとき、マスフローコントローラ25bを用いて、流量を制御しながら放出を行う。
<温水除去工程>
続いて、水素吸蔵合金21を冷却する前に、熱媒体流通部3内の温水を加熱用熱媒体供給部41に戻す。このとき熱媒体系統の開閉弁は、第1開閉弁41gを閉、第3開閉弁61dを開、第4開閉弁62bを閉、第2開閉弁42dを閉、大気開放弁61bを開とする。大気開放弁61bから大気が吸入され、熱媒体流通部3内の温水が重力で温水貯留タンク41aに戻る。このとき、ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを閉とする。
<冷却工程>
続いて、熱媒体流通部3に冷水を流通させて水素吸蔵合金21を冷却する。これにより、水素吸蔵合金21が水素を吸蔵可能な状態になる。ガス系統の開閉弁は、ガス第1開閉弁23aを閉、ガス第2開閉弁24aを閉、ガス第3開閉弁25aを閉とする。そして、上記の冷却用熱媒体流通工程から冷却工程までの工程を必要な水素量に応じて繰り返す。
[利点]
本実施形態では、加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程間、つまり加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程の内の一方から他方に切り替える前に熱媒体流通部3から熱媒体Xを除去するので、熱媒体流通部3の中で温水と冷水とが混合することなく、熱媒体流通部3中が直ぐに温水又は冷水で満たされる。このことにより、冷却及び加熱を効率良くでき、水素精製のエネルギー効率が高くなる。
特に、本実施形態のように、温水及び冷水を循環させている場合、切り替えるときに熱媒体流通部3から熱媒体Xを除去しないと、熱媒体流通部3中で混合した温水と冷水とが、加熱用熱媒体供給部41及び冷却用熱媒体供給部51に戻る。加熱用熱媒体供給部41に温水と冷水の混合水が戻ると混合水の温度が加熱用熱媒体供給部41での加熱温度よりも大きく低下しているので、その混合水を所定の温度に加熱するのに多くのエネルギーが必要になり水素精製のエネルギー効率が低下する。また、同様に、冷却用熱媒体供給部51に温水と冷水の混合水が戻ると混合水の温度が冷却用熱媒体供給部51での冷却温度よりも大きく上昇しているので、その混合水を所定の温度に冷却するのに多くのエネルギーが必要になり水素精製のエネルギー効率が低下する。しかしながら、本実施形態のように熱媒体流通部3から熱媒体Xを除去すれば、加熱用熱媒体供給部41に戻る温水を加熱用熱媒体供給部41での加熱温度に加熱すること、及び冷却用熱媒体供給部51に戻る冷水を冷却用熱媒体供給部51での冷却温度に冷却することに必要なエネルギーが少なくなり、水素精製のエネルギー効率が高くなる。
また、本実施形態では、熱媒体流入共用路41fを熱媒体流通部3の下方に設けると共に、熱媒体流出共用路42aを熱媒体流通部3の上方に設け、熱媒体Xを熱媒体流通部3の下方から上方に流通させている。このことにより、熱媒体Xが熱媒体流通部3内を下方から上方に満たし熱媒体流通部3内に空間が生じ難くなるので、熱媒体Xと水素吸蔵合金21との間の熱交換が熱媒体流通部3内に空間によって妨げられるおそれが少なくなる。
また、本実施形態では、熱媒体流入共用路41f及び熱媒体流出共用路42aを、加熱用熱媒体流通ライン4及び冷却用熱媒体流通ライン5で共用している。このことにより、配管の数を減らすことができ、設備コストが安くなる。
[その他の実施形態]
本実施形態では、大気開放弁61bを開き、熱媒体流通部3内の熱媒体Xを自重によって除去したが、熱媒体流通部3内の熱媒体Xを除去する方法はこの方法に限定されない。例えば熱媒体流通部3にポンプ等で気体を供給し、その圧力で熱媒体Xを押し出してもよい。熱媒体Xを速く除去することが期待できる。また、熱媒体流通部3の上方から吸引ポンプによって熱媒体流通部3内の熱媒体Xを吸引して除去してもよい。温水貯留タンク41a及び冷水貯留タンク51aを熱媒体流通部3より上方に設けることができる。この場合には、大気開放弁61bと吸引ポンプが気体流通ライン6cを構成する。
また、本実施形態では、熱媒体流入共用路41fを熱媒体流出共用路42aの下方に設け、熱媒体Xを熱媒体流通部3の下方から供給しているが、図2に示す水素吸蔵放出装置101のように熱媒体流入共用路41fを熱媒体流出共用路42aの上方に設け、熱媒体Xを熱媒体流通部3の上方から供給してもよい。この場合、通気路63は、熱媒体流入共用路41fと熱媒体流出共用路42aのうち上方に配設されている共通路、つまり熱媒体流入共用路41fに接続される。大気開放弁61bからの大気は、第5配管61a、熱媒体流入共用路41fを通って熱媒体流通部3に入る。このような構成にすると、上述した水素吸蔵放出装置1の第6配管61c及び第7配管62aは不要になり、熱媒体流通部3内の熱媒体Xは、第4配管52aを通って冷水貯留タンク51aに戻るか、又は第2配管42cを通って温水貯留タンク41aに戻る。設備コストが安くなる。なお、この構成の場合、第4配管52a及び第2配管42cの先端口から大気が逆流し、熱媒体流通部3中に空間が生じて熱媒体Xと水素吸蔵合金21との間の熱交換が妨げられることがないように、第2開閉弁42dの開度を調整することが好ましい。
また、本実施形態では、加熱用熱媒体流通ライン4及び冷却用熱媒体流通ライン5で熱媒体流入共用路41f及び熱媒体流出共用路42aを共用しているが、路を共用せずに、別々に路を設けてもよい。共用路中で温水と冷水が混合することを防止できるので、水素精製のエネルギー効率を向上させることが期待できる。
また、本実施形態では、温水及び冷水を循環して使用しているが、熱媒体流通部3を流通した温水及び冷水を循環させずに他の用途に用い、新たに供給した水を加熱又は冷却して熱媒体流通部3に供給してもよい。
また、当該水素吸蔵放出装置1は、上記のような水素精製用途に限定されず、その他に水素の貯蔵等にも適用でき、同様の理由で貯蔵時のエネルギー効率を向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
水素吸蔵放出装置102を3台、図3に示すように並列に繋ぎ、水素精製を行った。タンク2及び熱媒体流通部3をシェルアンドチューブ型とし、シェル側を熱媒体流通部3として熱媒体Xを流通させ、チューブ側をタンク2として水素吸蔵合金21を充填した。チューブの内径は45.3mmで、20本のチューブがシェルの中に収められている。なお、水素吸蔵放出装置102は、各水素吸蔵放出装置102が減圧パージ工程のときに他の水素吸蔵放出装置102からのオフガスの圧力を逃がすように、上述した水素吸蔵放出装置1と異なりガス第4開閉弁26aを有するパージ配管26をタンク本体22に設けた。減圧パージ工程のときに、ガス第4開閉弁26aを開にし、他の水素吸蔵放出装置からのオフガスの圧力を逃がした。また、圧力コントロール弁24bとマスフローコントローラ25bとを3台の水素吸蔵放出装置102に共有とし、それらの構成以外の水素吸蔵放出装置102の構成は、水素吸蔵放出装置1の構成と同様である。
水素精製の条件を下記に示す。
(1)各工程時間
精製の各工程の実施時間は次の時間配分とした。
1.冷却用熱媒体流通工程:60分
2.待機工程:5分
3.減圧パージ工程:5分
4.冷水除去工程:2分
5.加熱工程:23分
6.加熱用熱媒体流通工程:60分
7.温水除去工程:2分
8.冷却工程:23分
連続して水素ガスを放出するように、図4に示すように1台目の水素吸蔵放出装置が精製を開始した後60分後に2台目の水素吸蔵放出装置の精製を開始し、更に60分後に3台目の水素吸蔵放出装置の精製を開始した。各水素吸蔵放出装置とも上記1〜8の工程を1サイクルとして精製を2サイクル行った。
(2)水素含有ガス
圧力:0.8MPa
温度:20℃
流量:55NL/min
組成:H:80体積%、CO:体積20%(水素分圧0.64MPa)
なお、実施例における全ての圧力は絶対圧基準で表している。
(3)圧力コントロール弁
ガス第2開閉弁24aを開にする冷却用熱媒体流通工程時及び減圧パージ工程時の圧力コントロール弁24bの圧力を0.7MPaとした。
(4)水素吸蔵合金
20℃における水素平衡圧が0.2MPaとなるように調整したAB5型水素吸蔵合金32.7kgをチューブ内に充填した。
(5)熱媒体
1.温水
温度(熱媒体流通部入口温度):80℃
流量:8L/min
2.冷水
温度(熱媒体流通部入口温度):32℃
流量:8L/min
(6)気温
27℃
[実施例2]
実施例1の条件の内で、温水の温度を60℃に変更し、他の条件は実施例1と同じにして水素精製を行った。
[比較例1]
実施例1の条件の内で、水除去工程を省略して加熱工程を23分から25分に延長し、温水除去工程を省略して冷却工程を23分から25分に延長した。他の条件は実施例1と同じにして水素精製を行った。
[比較例2]
実施例2の条件の内で、冷水除去工程を省略して加熱工程を23分から25分に延長し、温水除去工程を省略して冷却工程を23分から25分に延長した。他の条件は実施例2と同じにして水素精製を行った。
上記実施例1、2及び比較例1、2の結果を表1に示す。
Figure 0005829205
ここで、投入水素量とは、タンク本体22に供給した水素含有ガス中の水素ガスの量であり、放出水素量とは水素吸蔵合金21から放出された水素ガスの量である。また、使用平均電力は、簡略化のために使用電力の少ない冷却用熱媒体供給部51の使用電力は無視し、加熱用熱媒体供給部41の使用電力のみを用いて計算した。エネルギー効率は、下記の式(1)により算出した。
エネルギー効率(HHV)=(放出水素の燃焼熱量)/(投入水素の燃焼熱量+使用電力の熱量)×100 ・・・(1)
水素1Nmの燃焼熱量:12.7MJ
電力量1kWhの熱量:3.6MJ
実施例1と比較例1は、冷水除去工程及び温水除去工程を実施するか否かが異なるだけで他の条件は同じである。冷水除去工程及び温水除去工程を実施する実施例1は、冷水除去工程及び温水除去工程を実施しない比較例1に比べて水素回収率が高く、また、エネルギー効率も高い。これは、冷水除去工程及び温水除去工程を実施しない比較例1では、加熱と冷却の切替時に熱媒体流通部3内に温水と冷水とが混合し、水素吸蔵合金21の加熱と冷却が効率良く行えなかったために、水素の吸蔵、放出が十分に行えず、水素回収率が低くなったためと考えられる。また、熱媒体流通部3内の混合した温水と冷水とが加熱用熱媒体供給部41に戻ったため、加熱するのに必要なエネルギーが増加し、エネルギー効率が低くなったものと考えられる。また、実施例1及び比較例1と温水の温度が異なる実施例2及び比較例2の比較においても同様の結果となっている。
また、温水温度が異なる実施例1と実施例2との比較では、水素回収率及びエネルギー効率ともに大きな差は無く、温水温度が好ましい範囲の55℃以上90℃以下の範囲内の80℃及び60℃で良好な結果となった。
本発明の水素吸蔵放出方法及び水素吸蔵放出装置は、水素の貯蔵、精製に好適に用いることができる。
1、101、102 水素吸蔵放出装置
2 タンク
21 水素吸蔵合金
3 熱媒体流通部
4 加熱用熱媒体流通ライン
41f 熱媒体流入共有路
42a 熱媒体流出共有路
5 冷却用熱媒体流通ライン
6 気体流通ライン
63 通気路
X 熱媒体
X1 加熱用熱媒体
X2 冷却用熱媒体

Claims (7)

  1. 水素吸蔵合金が充填され、水素の吸蔵及び放出を行うタンクと、このタンクに付設され、水素吸蔵合金を加熱及び冷却する熱媒体が流通可能に構成される熱媒体流通部とを備える水素吸蔵放出装置を用いた水素吸蔵放出方法であって、
    上記熱媒体流通部に加熱用熱媒体を流通する工程と、
    上記熱媒体流通部に冷却用熱媒体を流通する工程と、
    上記加熱用熱媒体流通工程及び冷却用熱媒体流通工程間で少なくとも熱媒体流通部から熱媒体を除去する工程と
    を有し、
    上記水素吸蔵放出装置が上記熱媒体流通部に接続される大気開放弁を備え、
    上記熱媒体の除去を上記熱媒体流通部の大気開放により行うことを特徴とする水素吸蔵放出方法。
  2. 上記水素吸蔵合金の20℃での水素平衡圧が0.05MPa以上0.3MPa以下である請求項1に記載の水素吸蔵放出方法。
  3. 上記加熱用熱媒体が55℃以上90℃以下の温水であり、冷却用熱媒体が5℃以上40℃以下の冷水である請求項1又は請求項2に記載の水素吸蔵放出方法。
  4. 上記水素吸蔵合金としてAB5型水素吸蔵合金を用いる請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水素吸蔵放出方法。
  5. 上記水素吸蔵放出装置が加熱用熱媒体を貯留する熱媒体貯留タンク及び冷却用熱媒体を貯留する熱媒体貯留タンクをさらに備え、
    上記熱媒体流通部から除去された熱媒体を上記熱媒体貯留タンクに戻す請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水素吸蔵放出方法。
  6. 水素吸蔵合金が充填され、水素の吸蔵及び放出を行うタンクと、このタンクに付設され、水素吸蔵合金を加熱及び冷却する熱媒体が流通可能に構成される熱媒体流通部とを備える水素吸蔵放出装置であって、
    上記熱媒体流通部に加熱用熱媒体が流通するラインと、
    上記熱媒体流通部に冷却用熱媒体が流通するラインと、
    上記少なくとも熱媒体流通部に気体が流通するラインと
    を備え
    上記加熱用熱媒体流通ライン及び冷却用熱媒体流通ラインが、これらの両ラインに切替三方弁を介して接続され、熱媒体流通部に熱媒体を流入させる熱媒体流入共用路と、同様に両ラインに切替三方弁を介して接続され、熱媒体流通部から熱媒体を流出させる熱媒体流出共用路とを有し、
    上記気体流通ラインが、上記熱媒体流入共用路及び熱媒体流出共用路のうち上方に配設される共有路に接続され、大気開放弁を有する通気路と、加熱用熱媒体流通後又は冷却用熱媒体流通後に少なくとも上記熱媒体流通部から大気開放により熱媒体を除去する熱媒体除去部とを備えることを特徴とする水素吸蔵放出装置。
  7. 上記加熱用熱媒体を貯留する熱媒体貯留タンク及び冷却用熱媒体を貯留する熱媒体貯留タンクと、上記熱媒体流通部から除去された熱媒体を上記熱媒体貯留タンクに戻すラインとをさらに備える請求項6に記載の水素吸蔵放出装置。
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