JP5829136B2 - コンテナ運搬車 - Google Patents

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Description

本発明は、コンテナを運搬するとともにコンテナをダンプさせてコンテナ内の積載物を排出するコンテナ運搬車に関する。
従来、車体後部にヒンジを介して回動可能にデッキを設け、該デッキ上面にコンテナを搭載することでコンテナを運搬するコンテナ運搬車は公知である。このようなコンテナ運搬車は、コンテナのテールゲートを開放した状態でデッキをダンプ(車体に対してデッキを回動し傾斜)させることでデッキに搭載したコンテナ内の積載物を排出するようにしている。コンテナ内の積載物が廃棄物であればゴミ処理場のピットに排出するのだが、ピット前のダンプ作業位置にコンテナ運搬車を停車させ、運転手がコンテナのテールゲートを解放するために車両の後ろに回りこんでテールゲートのロックを解除しようとすると、運転手が誤ってピットに落下してしまう危険がある。
そこで、デッキ両端に前後にスライド移動かつ左右に揺動可能な係合アームを備え、油圧シリンダの駆動力を係合アームにプッシュプルワイヤを介して伝達し、係合アームを前後にスライドかつ左右に揺動させて、テールゲートを押さえたり開放したりすることができるようにしている。これにより、ピットから離れた位置にて係合アームによりテールゲートを押さえた状態でロックを解除し、ピット手前までコンテナ運搬車を走行させて係合アームを解除しデッキをダンプすればピット前において車両の後ろに回り込むことなくテールゲートを解放することができる。
特公昭53−47965号公報
しかしながら、運搬および排出する予定のコンテナが、テールゲートを閉鎖した状態で保持するロック装置をテールゲートの両端下縁に備えていたとすると、前記のようなコンテナ運搬車に搭載した場合、テールゲート両端下縁に備えたロック装置と係合アームとが接触してしまい、上手くテールゲートを抑えることができなくなってしまう。テールゲートを押さえない状態のままピット前のダンプ作業位置まで走行すると、走行時の勢いでテールゲートが解放されてしまい、ピット以外の場所で廃棄物を散乱させてしまう。そこで、係合アームをコンテナロックに干渉しないように位置を変更するためには前述の係合アームとその駆動機構では大幅な構造の変更が必要で様々なコンテナに合わせて製造するのは非常に困難である。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、ピット前のダンプ作業位置より離れた位置にてテールゲートのロック装置を解除するにあたり積載物の散乱を防止することができる保持装置であってコンテナのロックに干渉しないように製造することができる保持装置を備えたコンテナ運搬車を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明のコンテナ運搬車は、車体に対してダンプ可能なデッキと、車幅方向に長手方向を向けて前記デッキに回転可能に支持されて前記デッキ上面と平行であるトルクシャフトと、該トルクシャフトに設けられるとともにコンテナのテールゲートと当接する当接部を有する保持バーとを備えた保持装置とを備え、前記保持バーは、前記テールゲートの回動軌跡上に位置する保持姿勢と前記テールゲートの回動軌跡外に位置する解除姿勢とに姿勢変更可能であり、前記デッキは、前記トルクシャフトよりも車両後方であって前記解除姿勢の保持バーの下方に位置することを特徴としている。
これにより、トルクシャフトの長手方向のいずれかの位置に保持バーを設ければよく、容易にコンテナのロックと干渉しない位置に保持バーを配置することができる。また、廃棄物を排出する際、解除姿勢の保持バーが廃棄物と接触し、保持バーや保持バーに連動する部品に過剰な力が加わって破損するのを防止できるという効果も奏します。
また、前記保持装置は、前記トルクシャフトを回転させる駆動装置をさらに備え、複数の保持バーをトルクシャフトに備えるようにしてもよい。これにより、少数の駆動装置により複数の少なくとも2本の保持バーを駆動することができるため安価に保持装置を製造することができる。
このような構成のコンテナ運搬車によれば、容易にコンテナのロックと干渉しない位置に保持バーを配置することができる。
本発明の保持装置を備えたコンテナ運搬車の側面図である。 デッキをダンプした状態を示した図である。 コンテナ運搬車の略中央を切断するとともに後端を拡大した要部拡大断面図である。 保持バーが揺動し保持姿勢を示した要部拡大断面図である。 保持装置4の保持状態を車両後方から見た要部拡大図である。 姿勢検知装置の拡大図である。 駆動装置の油圧回路図である。 ブロック図である。 コンテナ側面図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2を参照して本発明の保持装置を備えたコンテナ運搬車の基本構造について説明する。図1及び図2はコンテナ運搬車Vの側面図であり、図1は走行状態を、図2はデッキをダンプした状態をそれぞれ示している。
コンテナ運搬車Vは、左右一対のシャシフレーム11a(車体)の前部に運転席10を備え、後部にサブフレーム11bを搭載している。サブフレーム11bは2本の断面C型のチャンネル材であり、シャシフレーム11aと平行にその上面に複数のUボルト(図示せず)により固縛固定されている。該サブフレーム11bはその後端にヒンジ12を介してデッキ2を回動可能に支持している。
ヒンジ12はサブフレーム11bに溶接固定した固定側ブラケット12aとデッキ2に溶接固定した可動側ブラケット12bと両ブラケット12a,12bを貫通したピン12cとを備えている。
デッキ2はサブフレーム11b(シャシフレーム11a)に沿って車両前後方向に長手方向を向けた2本の主桁21と、2本の主桁21間を跨ぐように溶接固定した複数のクロスメンバ22により井桁状のフレームを構成し、該フレーム上面に鋼板よりなる床板23を溶接固定している。
主桁21は断面C型のチャンネル材21aとアングル材21bとを数字の「6」状になるように溶接固定している。一方、クロスメンバ22は断面ハット状の鋼材をその開口部が上方を向くようにし、中央のクロスメンバ22aは両端を一対のサブフレーム11bの側面に、両端のクロスメンバ22bは一端をサブフレーム11bの側面にそれぞれ溶接にて固定している。そして、デッキ2の後端に相当するクロスメンバ22cは断面C型のチャンネル材をその開口部を車両前方に向けて主桁21の後端に溶接固定している。前記床板23は略中央部に固縛装置24を備えており、後述のコンテナ7を固縛することができる。また、クロスメンバ22bの上方であって、コンテナ7の四隅に当たる床板23の上面には補強板23aが溶接により取り付けてある。なお、後側の補強板23aは、ヒンジ12に一番近いクロスメンバ22bの上方に位置している。
サブフレーム11bの中間部と主桁21の中間部との間にはホイスト3が備えられており、該ホイスト3のダンプシリンダ31を伸長することによりデッキ2の前端をヒンジ12回りに持ち上げる。これにより、デッキ2に固縛されたコンテナをダンプさせることができる。なお、デッキ2の後端はヒンジ12よりも後方に位置するため、ダンプシリンダ31の伸長に伴い下降する。
図3〜図8を用いて本発明の保持装置4について説明する。
図3及び図4は、コンテナ運搬車Vの略中央を切断するとともにコンテナ運搬車Vの後端を拡大した要部拡大図である。図3では保持装置4の解除姿勢を示し、図4は保持姿勢を示している。図5は、保持装置4の保持状態を車両後方から見た要部拡大図である。なお、図5において、デッキ2後端のクロスメンバ22cは省略している。
図3〜図5に示すように主桁21の車両内側の床板23の裏面には軸受41が溶接にて固定されており、丸棒よりなるトルクシャフト42を当該軸受41に挿通することで支持している。トルクシャフト42は、床板23に平行であって、コンテナ運搬車Vの車幅方向に軸方向を向いている。前記トルクシャフト42の両端部は軸受41より主桁21の開口部まで延出し、端部42aにはブラケット43が溶接にて固定している。ブラケット43は、取付部43aを図3の姿勢において車両前後方向にオーバーハングするように備え、当該取付部43aはそれぞれひとつずつの貫通穴43bを有している。そして、ブラケット43は、床板23の穴23bを通じて床板23の上面に露わになっている。また、ブラケット43は、図3の姿勢において下方に延長した停止部43cを備えている。
ブラケット43には保持バー44が取付けられており、取付部43aの貫通穴43bに2本のビス43dを挿通し、保持バー44の基部44aに所定の間隔を開けて設けたネジ孔44bに螺入することで、保持バー44をブラケット43に固定している。保持バー44は角棒よりなり、先部44cにはクッションゴム44d(当接部)をボルト44eにて固定している。なお、ブラケット43と保持バー44との間には薄板よりなるシム44fを挟むことにより、ブラケット43の回動中心(トルクシャフト42)と保持バー44(特にクッションゴム44dの端面)との間の距離Dを調整することができる。
トルクシャフト42の右端にもブラケット43と保持バー44とを備えてある。詳細な構造は左端に設けたブラケット43と保持バー44と同一構造であるため説明は省略する。
トルクシャフト42の中央42bよりやや右舷より位置にアーム45を備えている。アーム45は左右一対の板材であり、図3に示す姿勢において、トルクシャフト42より車両下方かつやや前方に向かって突出するように溶接にて固定している。アーム45の先部にはピン孔45aを設けており、駆動装置5の一端(詳細は後述)をピン45bを介して連結している。駆動装置5の駆動によりアーム45は揺動し、トルクシャフト42は中心軸周りに回転する。このトルクシャフト42の回転はブラケット43を介して保持バー44に伝達され、保持バー44を解除位置(図2)と保持位置(図3)との間で先部44cを揺動させることができる。
トルクシャフト42のアーム45と左舷側端部との間には姿勢検知装置46を備えている。姿勢検知装置46は、床板23の裏面に溶接固定した支持板46aに2基の近接センサLS1,LS2を固定している。そして、検知片46bをトルクシャフト42の側面に溶接にて固定している。検知片46bはトルクシャフト42の回転に伴い揺動する。そして、近接センサLS1は図2に示した解除姿勢にある時の検知片46bを、近接センサLS2は図3に示した保持し性にある時の検知片46bをそれぞれ検出し、検知片46bを検出すると出力信号を発する。なお、近接センサLS1,LS2、検知片46bとはケース46cに覆われており、水滴や埃から近接センサを保護している。
駆動装置5は複動式の駆動シリンダ51と、駆動シリンダ51に一体に設けられたパワーユニットPとを備えている。
駆動シリンダ51は、ボトム端51aを中央のクロスメンバ22b及び床板23裏面に溶接固定したブラケット52にピン52aを介して揺動可能に支持されている。一方、ロッド端51bは、前述のアーム45のピン孔45aにピン45bを挿通することで連結している。
パワーユニットPは、電動モータM、可逆式のギヤポンプ53、リリーフ弁54a〜54d、パイロット式チェック弁54e,54f、切替弁54g、非常操作用マニュアル弁54h、スローリターン弁54i,54j、オイルタンク55を図6に示すように接続するとともに、駆動シリンダ51のヘッド側油室51c及びロッド側油室51dに接続している。
パワーユニットPは、電動モータMに対して正転方向に電流を流すことで、ギヤポンプ53がロッド側油室51dにある作動油を吸入するとともにヘッド側油室51cに供給することで駆動シリンダ51を伸長させる。なお、ロッドの有無によりロッド側油室51dとヘッド側油室51cは体積差が生じるが、パイロット圧により左位置に切り替えられた切替弁54gを通じてオイルタンクから作動油を吸引して補っている。一方、電動モータMに逆転方向に電流を流すと、ギヤポンプ53はヘッド側油室51cの作動油をロッド側油室51dに供給するため、駆動シリンダ51は収縮する。このとき、供給過多となる作動油は、リリーフ弁54bを通じてオイルタンク55に還流する。なお、駆動シリンダ51の動作は、スローリターン弁54i,54jの絞りにより緩やかに伸縮する。
電動モータMが動作していない場合は、パイロット式チェック弁54e,54fにより作動油は各油室51c,51d内に保持される。これにより、駆動シリンダ51は、モータが停止した状態のストローク位置を保持することができる。
駆動シリンダ51に外力が加わった場合、例えば収縮方向に外力が加えられると、ヘッド側油室51cからパイロット式チェック弁54eまでの油路の作動油圧が上昇する。しかしながら、圧力がリリーフ弁54cの設定圧を超えるとリリーフ弁54cが解放され作動油はオイルタンク55に還流するため、駆動シリンダ51が過負荷で破損してしまうことを防止することができる。なお、リリーフ弁54cの設定圧を変更することで駆動シリンダ51の耐荷重を変更することができる。
次に図8を用いて制御部6について説明する。制御部6は制御装置61に操作スイッチ62a,62b、近接センサLS1,LS2、報知装置としてのブザー63aとランプ63b、そして電動モータMを接続している。そして、制御装置61の電源は、車両に搭載したバッテリ64で、バッテリ64と制御装置61とはキースイッチ65、ヒューズ66a〜66c、コンタクタ67を図示のごとく結線している。なお、操作スイッチ62a,62b、ブザー63aとランプ63b、キースイッチ65は運転席10の内部に設けている。
運転手が車両の運転席10内に設けられたキースイッチ65をONにすると、バッテリ64の電気がコンタクタ67のコイル67aに流れてコイル67aを励磁する。コイル67aの励磁に伴いコンタクタ67の接点67bは接続され、バッテリ64からの電気が制御装置61に印加する。これにより、制御装置61は操作スイッチ62a,62b、近接センサLS1,LS2からの入力に基づき予め記憶されたプログラムにより判断し、所定の出力をブザー63a,ランプ63b、モータMに出力する。なお、モータMに出力する電力はバッテリ64から供給された電力である。
図9を参照してコンテナ7の構造について簡単に説明する。
コンテナ7は、貨物列車に搭載することで荷物を運搬することができるコンテナである。コンテナ7は、前面71aと、一対の側面71bと、底面71cとにより箱状に形成されている。そしてコンテナ7は、後方に向けて開口する後部開口71dと、上方に向けて開口する上部開口71eとが形成されている。コンテナ7の四隅は4本の支柱72aが固定されており、該支柱72a間も幅方向には4本の横梁72bが、前後方向も4本の縦梁72cが固定されることにより補強されている。
コンテナ7の後部には、左右両側面71bの後端縁に位置する支柱72aにヒンジ73aを介して左右に開閉可能なテールゲート73を備えている。テールゲート73は、ロックロッド73bを横梁72bに固定したキャッチャ73cに保持することにより、後部開口71dを閉鎖することができる。ロックロッド73bとキャッチャ73cがテールゲートロックLOを構成している。コンテナ上部の上部開口71eには、天蓋74が備えられており、前面71aに設けたハンドル(図示せず)を回転することにより天蓋74を開閉することができる。
底面71cの側端中央には貨車の固縛装置(図示せず)またはコンテナ運搬車Vの固縛装置24と係合する固縛金具75を備えている。なお、コンテナ7は、一対のフォークポケット76を底面71cの下側に備えており、フォークリフトにより貨車やコンテナ運搬車Vに積み降ろしすることができる。
以上のごとく構成されたコンテナ運搬車Vの作用について説明する。
まず、コンテナ7のテールゲート73を閉鎖した状態で天蓋74を開放し、積載物を投入する。以下の説明において積載物は産業廃棄物を想定している。
積載物の積み込みが完了したら、ハンドルを回して天蓋74を閉鎖する。これにより積載物の周囲6面が囲まれた状態となり、積載物がコンテナ7外に飛散することはない。
ここからはフォークリフトによりコンテナ運搬車や貨車(図示せず)に搭載されて、目的地までコンテナ7を運搬する。
目的地に最寄りの貨物駅に貨物列車が到着すると、本発明の保持装置4を備えたコンテナ運搬車Vにフォークリフトにより移載する。このときフォークポケット76にコンテナ7の側方からフォークを挿入することでフォークリフトによりコンテナ7を貨車から降ろすとともにコンテナ運搬車Vに積み込むことができる。デッキ2上に搭載されたコンテナ7は、固縛金具75を固縛装置24にロックさせ、デッキ2からコンテナ7が脱落するのを防いでいる。
そうしてコンテナ7を搭載したコンテナ運搬車Vを目的地(処分場)まで走行させる。
処分場ではコンテナ7内の廃棄物を排出する。そのためには、まず解除位置にある保持装置4を保持位置まで起立させるため、コンテナ運搬車Vのエンジンをかけた状態のまま運転席10内の起立操作スイッチ62aを操作する。制御装置61は、起立操作スイッチ62aの操作出力を得て、モータMを正転させることで駆動シリンダ51を伸長させる。駆動シリンダ51はその根元であるボトム端51aがデッキ2の床板23に軸支されており前後方向には移動できないのでロッド端51bが車両後方に移動する。この移動に伴いロッド端51bはアーム45を揺動させて、トルクシャフト42を図2及び図3における反時計回りに回転を開始する。トルクシャフト42の回転開始後すぐにトルクシャフト42に固定した検知片46bは近接センサLS1から離れ、近接センサLS1からの出力信号が途絶える。
制御装置61は、近接センサLS1からの出力信号がなくなると報知装置であるブザー63aを鳴動しつつランプ63bを点灯させる。これにより運転手は運転席10内に居ながらにして保持バー44が解除姿勢にないことを把握することができる。
制御装置61は、一旦起立操作スイッチ62aを操作すればモータMに電力を供給し続けるため、トルクシャフト42の反時計回りの回転を継続し、トルクシャフト42にブラケット43を介して固定された保持バー44を反時計回りに揺動させる。そして保持バー44が図3に示す保持位置まで揺動すると、検知片46bが近接センサLS2に接近し、近接センサLS2の検知範囲内に検知片46bが到達することで近接センサLS2から検出信号が制御装置61に入力される。制御装置61は、この近接センサLS2からの信号に基づきモータMの動作を停止、すなわち正転方向の電力供給を停止する。
保持位置にある保持バー44は、特にクッションゴム44dがテールゲートの下端縁73dより上方に突出し、テールゲート73の縁を取り囲むように固定した補強部材のうち下補強部73eに接近している。この状態でコンテナ7のロックロッド73bを操作してキャッチャ73cから離脱させたとしても、テールゲート73の回動軌跡上に保持バー44が配置されているため、テールゲート73は後部開口を解放することはできない。なお、ブラケット43の保持姿勢において、停止部43cはその先端が床板23の穴23bの縁に接近し当接する。これにより、保持バー44は保持姿勢よりも車両前方に揺動することができなくなり、保持バー44が必要以上にテールゲート73に押し付けられることによる破損を防止することができる。
そして運転手はピットまでコンテナ運搬車Vを移動させる。この間、前記の通り保持バー44によりテールゲート73が解放されるのを防いでいるため、走行の勢いよって後部開口71dが解放されない。これにより、ピット以外の場所で積載物がコンテナ7外に飛び出してしまうことを防止することができる。
ピット前の所定位置までの移動が完了すると、再び保持バー44を解除位置まで揺動させるため、運転手は運転席内に設けた倒伏操作スイッチ62bを操作する。この操作スイッチ62bからの信号によりモータMを逆転方向に回転させるよう電力を供給する。検知片46bの揺動に伴い、近接センサLS2が検出状態から非検出の状態に、近接センサLS1が非検出の状態から検出状態に移行する。近接センサLS1の出力信号検出に伴いモータを停止する。
なお、近接センサLS1が出力するまでは、キースイッチ65をOFFに操作しないかぎりブザー63aは鳴動し続け、ランプは点灯し続けることで解除姿勢にまで倒伏が完了していないことを運転席に居ながらにして知ることができる。
保持バー44の解除が完了するとダンプシリンダを伸張させてデッキ2を車両後方に向かって傾斜させる。これに伴いコンテナ7も後部開口71dが斜め下方を向いた傾斜姿勢をとる。すると、テールゲート73はその自重とコンテナ7に搭載した廃棄物の重量によりヒンジ73a回りに回転し、後部開口71dは解放され、廃棄物をピットに排出することができる。このとき、保持バー44はコンテナ7の底面71cよりも下方に位置するため、排出する廃棄物と接触しにくい。また、デッキ2の床板23の後端かつ両端には規制部25を立設しており、解放されたテールゲート73の開放角度を規制する。なお、規制部25にはクッションゴム25aが取り付けてあり、テールゲート73が勢い良く開いた時の衝撃を吸収することができる。
コンテナ7から廃棄物の排出が完了すれば、ピットから離れた位置までコンテナ運搬車Vを移動させ、テールゲート73を閉じてロックロッド73bをキャッチャ73cに係合させることによって後部開口71dを閉鎖し、一連の排出作業が完了する。
以上のように、本発明の保持装置によれば保持バー44の起伏によりテールゲート73を押さえることでテールゲート73が解放されることを一時的に抑制することができる。保持装置4が一時的にテールゲート73を閉鎖状態で保持できるので、運転手がピットに落下してしまわないようにピットから離れた場所でロックロッド73bを解除し、その後ピットまでコンテナ運搬車Vを走行させたとしてもテールゲート73が解放されて積載物がこぼれ落ちてしまうことを防ぐことができる。そして、保持バー44が押さえる位置はテールゲート73下縁部のコンテナ7の中央寄りであるため、観音扉式のテールゲート73を効率よく押さえることができる。また、本発明の保持装置4はコンテナ運搬車Vに固定されているため、複数のコンテナ7を運搬するような業態であって、コンテナ7が入れ替わったとしても、一時的にテールゲート73を閉鎖した状態で保持することができる。よって、すべてのコンテナ7に保持装置4を設けなくてもよく、安価に保持装置4を導入することができる。
また、コンテナ7は、テールゲート73を閉鎖状態で保持するためのテールゲートロック装置LOすなわちロックロッド73bやキャッチャ73cを備えている。図5に示すようにコンテナの種類によっては保持バー44とテールゲートロック装置LOとが干渉してしまい、テールゲート73を保持バー44が押さえられなくなることがある。しかしながら、本発明の保持装置4では、保持バー44を揺動させるトルクシャフト42を閉鎖姿勢にあるテールゲート73と平行に配置されているため、トルクシャフト42の長手方向のいずれかの箇所にブラケット43を固定したとしても、保持バー44を解除位置と保持位置との間を揺動させることができる。従って、ロックロッド73bやキャッチャ73cを回避した位置に容易に保持バー44を配置することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
上記実施例において各部材を溶接やビス止めを適宜採用したが、上記に限られない。とりわけ、トルクシャフト42とブラケット43との固定を溶接にて固定したが、ビスやボルトを用いてトルクシャフト42に対してブラケット43を車幅方向に移動可能に固定することで、コンテナ7の種類に応じてブラケット43の位置を変更するようにしてもよい。また、位置変更は、トルクシャフト42に対するブラケット43の位置を変更するようにしたが、相対姿勢を固定したトルクシャフト42及びブラケット43を軸受41に対して車幅方向に移動させることでブラケット43の位置を変更するようにしてもよい。
なお、トルクシャフト42は丸棒を用いたが角棒や中空のパイプを採用してもよく、角棒であればボルトによりブラケット43をトルクシャフト42に対して位置変更可能に固定した場合であってもトルクシャフト42のトルクをブラケット43(保持バー44)に効率的に伝達することができる。
また、上記実施例ではテールゲート73の破損を抑制するために保持バー44の先端の当接部にはクッションゴム44dを設けたが、保持バー44が直接テールゲート73に当接するようにしてもよい。
保持バー44はトルクシャフト42の両端に合計2本設けているが、1本もしくは3本以上の保持バー44をトルクシャフト42に設けてもよい。このように1本のトルクシャフト42に複数の保持バー44を備えているため同時に保持バー44を駆動することができる。同時に保持バー44を駆動すれば揺動遅れによりいずれか一本に過負荷がかかることを抑制することができる。
上記実施例では、トルクシャフト42の長さを左右の主桁21の間隔と略同じ寸法とし、主桁21間に配置するようにしたが、長さを変更してもよい。例えばデッキ2の幅寸法と略同じ寸法としてもよく、主桁21に貫通穴を設け、トルクシャフト42を挿通することでデッキ2の左端から右端に亘ってトルクシャフト42を配置するようにしてもよい。これによると、コンテナ7の左端から右端に亘ってトルクシャフト42が位置するため、保持バー44をコンテナ7に左端から右端に亘る任意の位置に配置することができる。保持バー44をテールゲートロック装置LOと干渉しない箇所に、さらに容易に配置することができる。
駆動装置5として、パワーユニットPを一体に設けた駆動シリンダ51を用いたが、パワーユニットPが別体であり、油圧ホースや油圧配管を介して作動油を授受するようにしてもよく、駆動シリンダ51も複動式ではなく単動式の油圧シリンダを用いてもよい。また、駆動装置として油圧を用いるものであれば油圧モータや、その他のアクチュエータ(例えば電動モータ)を採用してもよい。
上記実施例において制御装置61はPLCやマイコンを例にしているが、PLCやマイコンを複数のリレーを組み合わせたシーケンス回路やその他の電気回路と代替してもよい。また、報知装置としてブザー63aとランプ63bとを備えているが、いずれか一方のみ若しくは省略してもよい。
V コンテナ運搬車
11a シャシフレーム(車体)
12 ヒンジ
2 デッキ
21 主桁
22 クロスメンバ
23 床板
3 ホイスト
4 保持装置
41 軸受
42 トルクシャフト
43 ブラケット
44 保持バー
44d クッションゴム(当接部)
45 アーム
46 姿勢検知装置
46b 検知片
5 駆動装置、
51 駆動シリンダ
6 制御部
7 コンテナ
73 テールゲート
73b ロックロッド
73c キャッチャ

Claims (2)

  1. 車体に対してダンプ可能なデッキと、
    車幅方向に長手方向を向けて前記デッキに回転可能に支持されて前記デッキ上面と平行であるトルクシャフトと、該トルクシャフトに設けられるとともにコンテナのテールゲートと当接する当接部を有する保持バーとを備えた保持装置とを備え
    前記保持バーは、前記テールゲートの回動軌跡上に位置する保持姿勢と前記テールゲートの回動軌跡外に位置する解除姿勢とに姿勢変更可能であり、
    前記デッキは、前記トルクシャフトよりも車両後方であって前記解除姿勢の保持バーの下方に位置する
    ことを特徴とするコンテナ運搬車。
  2. 前記保持装置は、前記トルクシャフトを回転させる駆動装置をさらに備え、複数の保持バーをトルクシャフトに備えたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ運搬車。
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