JP5828628B2 - 米配合パン生地、これを用いて得られる米配合パン、及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕米及び/又は米粉を、前記米及び/又は米粉の重量に対し2倍量(重量換算)以上の水と共に加熱して得られる糊化物を含有する、米配合パン生地。
〔2〕前記糊化物を、米配合パン生地の総重量に対して15重量%以上含有する、上記〔1〕に記載の米配合パン生地。
〔3〕さらに米及び米粉以外の穀物原料を含有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の米配合パン生地。
〔4〕前記米及び/又は米粉と前記米及び米粉以外の穀物原料の総重量に対する、前記米及び/又は米粉の配合比(重量比)が、10重量%以上である、上記〔3〕に記載の米配合パン生地。
〔5〕米及び/又は米粉を、前記米及び/又は米粉の重量に対し2倍量(重量換算)以上の水と共に加熱して糊化物を得て、前記糊化物を配合する、米配合パン生地の製造方法。
〔6〕前記糊化物と共に水を配合し、前記水の配合量は、下記式にて算出される添加水分量である、上記〔5〕に記載の製造方法。
〔式〕 添加水分量=目標水分量−糊化物に含まれる水分量
〔7〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の米配合パン生地、又は上記〔5〕又は〔6〕に記載の製造方法により得られる米配合パン生地を用いる、米配合パンの製造方法。
〔8〕米及び/又は米粉を、前記米及び/又は米粉の重量に対し2倍量(重量換算)以上の水と共に加熱して得られる糊化物を、米配合パン生地の原料として使用する方法。
表1に示す原料配合のパン生地を調製し、直捏法によりお粥パンを製造した。表1に示す配合割合は、穀物原料(強力粉の量及び米の量の合計)を100重量%としたときの割合である。穀物原料の合計(強力粉の量及び米の量の合計)は総計1000gとした。
米150gに対し水600g(4倍量)を、炊飯器(NP−NA10、象印マホービン株式会社)のお粥モードで炊飯を行ってお粥696g(米150g、水546g)を調製した。炊飯条件は、前記炊飯器のお粥モードの条件下で行った。得られたお粥を常温まで冷却し、次の工程に供した。
炊き上がったお粥を、表1に示すショートニング以外の原料と共にボールに入れ、製パン用ミキサー(KTM−10、関東混合機工業株式会社)を用いて混合(ミキシング)した。なお、パン生地にお粥のほかに添加した水の量は以下のようにして算出した。常温に冷ましたお粥の重量を計測し、お粥重量−投入した米重量=お粥に含まれている水分を求めた。ここでは、お粥の重量は696gであったので、696g−150g=546gがお粥に含まれる水分量であった。表1における配合割合(%)は、穀物原料(強力粉+米=1000g)に対する重量比(重量%)である。そこで、パン生地の水分量を69重量%(690g)とするためには、先のお粥の水分を考慮して、690g−546g=144gを加水した。
次に、一次発酵を行った。一次発酵は、27℃、75%RHに設定したドウコンディショナー(NS−D923FA、パナソニック株式会社)内で行い、時間は80分間とした。
表2に示す原料配合のパン生地を調製し、糊化米粉パンを製造した。表2に示す配合量は、穀物原料(強力粉の量及び米粉の量の合計)を100重量%としたときの割合である。穀物原料の合計(強力粉の量及び米粉の量の合計)は総計1000gとした。
米粉150gに対し水600gを添加し、500Wに設定した電子レンジ(NE−R3200、パナソニック株式会社)で5分加熱し、糊化米粉728g(米粉150g、水578g)を調製した。得られた糊化米粉を常温まで冷却し、次の工程に供した。
調製した糊化米粉728gを、表2に示すショートニング以外の原料と共にボールに入れ、混合した。なお、パン生地に糊化米粉のほかに添加した水の量は以下のようにして算出した。常温に冷ました糊化米粉の重量を計測し、糊化米粉重量−投入した糊化米粉重量=糊化米粉に含まれている水分を求めた。ここでは、糊化米粉の重量は728gであったので、728g−150g=578gが糊化米粉に含まれる水分量であった。表2における配合割合(%)は、穀物原料(強力粉+米=1000g)に対する重量比(重量%)である。そこで、パン生地の水分量を69重量%(690g)とするためには、先の糊化米粉の水分を考慮して、690g−578g=112gを加水した。
実施例1と同様に行い、米配合パンを得た。
実施例1において、米の代わりに小麦粉を用いたほかはすべて同様に行った。すなわち、総穀物量(小麦のみ)1000gとして、パン試料を調製した。
実施例2において、米粉に水を添加して加熱しなかったほかはすべて同様に行った。すなわち、実施例2において、米粉をそのまま他の原料と共に混合し、同様にパン試料を作成した。
実施例1において、米の配合量を20重量%(200g)としたこと、強力粉の配合量を80重量%としたこと、お粥の調製時に米に添加する水の量を600g(3倍量)とし、得られたお粥720g(米200g、水520g)に対し他の原料と共に添加した水の量を80g(合計600g(60重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、お粥パンを得た。
実施例1において、米の配合量を25重量%(250g)としたこと、強力粉の配合量を75重量%としたこと、お粥の調製時に米に添加する水の量を750g(3倍量)とし、得られたお粥912g(米250g、水662g)に対し他の原料と共に添加した水の量を0g(合計662g(66重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、お粥パンを得た。
実施例3において、お粥の代わりに、米に対し水320g(1.6倍量)を添加して炊飯して得たごはん438g(米200g、水238g)を用い、ごはんに対し他の原料と共に添加した水の量を362g(合計600g(60重量%))としたほかは、実施例3と同様に行い、ごはんパンを得た。
実施例4において、お粥の代わりに、米に対し水400g(1.6倍量)を添加して炊飯して得たごはん568g(米250g、水318g)を用い、ごはんに対し他の原料と共に添加した水の量を344g(合計662g(66重量%))としたほかは、実施例3と同様に行い、ごはんパンを得た。
各実施例及び比較例において、焼成後、パン型から出した各パン試料(ローフ)を、室温で1時間冷却した。その後、各パン試料を、重量計測及びレーザー体積計(SELNAC−WinVM2100A、株式会社アステックス)による形状計測に供試した。これらの計測により、パンの膨張性の指標であるローフ高さ(最大高さ)及び比容積を得た。
実施例1及び2、ならびに比較例1及び2において得られた各パン試料(ローフ)は乾燥を防ぐために、ポリエチレン製の袋に入れ室温で保存し、焼成終了後1日経過後に本試験を行った。
実施例3及び4、ならびに比較例3及び4において得られ、焼成終了後1日経過した各パン試料(ローフ)を、カットし、パンの膨張性を目視により比較した。
パネラー28名(男子13名、女子15名)に、比較例1の小麦パン、比較例2の米粉パン、及び実施例1のお粥パンを試食してもらい、以下の各官能評価項目について順位付けの評価を得た。
・ふっくら感(ふっくら感があるほど、つまり柔らかいほど高順位)
・甘味(強いほど高順位)
実施例1において、米の配合量を10重量%(100g)としたこと、強力粉の配合量を90重量%(900g)としたこと、お粥の調製時に米に添加する水の量を200g(2倍量)とし、得られたお粥270g(米100g、水170g)に対し他の原料と共に添加した水の量を520g(合計690g(69重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、パン生地(糊化物含有量15.9重量%)を得た。
実施例1において、お粥の調製時に米に添加する水の量を300g(2倍量)とし、得られたお粥405g(米150g、水255g)に対し他の原料と共に添加した水の量を435g(合計690g(69重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、パン生地(糊化物含有量24重量%)を得た。
実施例1において、お粥の調製時に米に添加する水の量を450g(3倍量)とし、得られたお粥540g(米150g、水390g)に対し他の原料と共に添加した水の量を300g(合計690g(69重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、パン生地(糊化物含有量32重量%)を得た。
実施例1において、米の配合量を10重量%(100g)としたこと、強力粉の配合量を90重量%(900g)としたこと、お粥の調製時に米に添加する水の量を300g(3倍量)とし、得られたお粥360g(米100g、水260g)に対し他の原料と共に添加した水の量を430g(合計690g(69重量%))としたほかは、実施例1と同様に行い、パン生地(糊化物含有量21重量%)を得た。
Claims (3)
- 米及び/又は米粉を、前記米及び/又は米粉の重量に対し3〜4倍量(重量換算)の水と共に加熱して糊化物を得て、前記糊化物と小麦粉とを、前記米及び/又は米粉と小麦粉との総重量に対する、前記米及び/又は米粉の配合比(重量比)が15重量%以上25重量%以下となるように配合し、パン生地に含まれる穀物原料全体の重量に対する水分量が65重量%以上69重量%以下となるように水を配合する米配合パン生地の製造方法であって、
前記米及び/又は米粉が、うるち米の白米及び/又はうるち米の白米の米粉であり、
糊化物を得る際にαアミラーゼ、βアミラーゼ及びグルコアミラーゼから選ばれる酵素、該酵素を含有する物質、糖類、酸およびグルテンが添加されない、
米配合パン生地の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られる米配合パン生地を用いる、米配合パンの製造方法。
- 米及び/又は米粉を、前記米及び/又は米粉の重量に対し3〜4倍量(重量換算)の水と共に加熱して得られ、αアミラーゼ、βアミラーゼ及びグルコアミラーゼから選ばれる酵素、該酵素を含有する物質、糖類、酸及びグルテンは添加されずに得られる糊化物であって、
前記米及び/又は米粉が、うるち米の白米及び/又はうるち米の白米の米粉であり、
穀物原料全体の重量に対する水分量が65重量%以上69重量%以下である量の糊化物と、小麦粉とを、
前記米及び/又は米粉と小麦粉との総重量に対する、前記米及び/又は米粉の配合比(重量比)が、15重量%以上25重量%以下なるように配合し、
米配合パン生地の原料として使用する方法。
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