以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。図1は、パチンコ遊技機の概略正面図である。
[パチンコ遊技機の概略構成]
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、基本構成として、遊技盤2と、遊技盤2の外周側を囲む枠部材3とを備えている。遊技盤2は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられている。枠部材3は、遊技盤2の平面に対して、所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。すなわち、パチンコ遊技機1は、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下(流通)可能な遊技領域10を形成している。
また、枠部材3の下部側には、上皿28、下皿29、及び、ハンドル20が設けられている。上皿28は、遊技球を貯留する部分であり、当該貯留された遊技球は主に後述する発射装置(図示しない)に供給される。下皿29は、上皿28の下方に位置し、主にパチンコ遊技機1から払い出された遊技球(賞球)を貯留する部分である。また、この下皿29には、取り出しボタン23が備え付けられており、当該取り出しボタン23を操作することで、当該下皿29に貯留された遊技球を下方に向けて排出することができる。ハンドル20は、遊技球を遊技領域10内に向けて打ち出す装置であり、回動式のレバー21と、当該レバー21と連動して作動する図示しない発射装置とを有する。
すなわち、このパチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計回り方向に回転させると、上皿28から案内された遊技球が発射装置側に流れ込み、次々と遊技球が遊技領域10に向けて発射される。この遊技領域10には、遊技球を流下させるための図示しない遊技クギや風車等(以下、クギ等という)が設けられており、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、クギ等に衝突しながら流下する。具体的には、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、一旦、遊技領域10の外枠に沿って上部側に案内され、クギ等に衝突することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の平面に沿って流下する。なお、ハンドル20のレバー21をもとの位置に戻したり、当該ハンドル20に備えられた停止ボタン22を操作したりすることによって、遊技領域10への遊技球の打ち出しを一時的に停止することができる。
また、この種のハンドル20は、レバー21の回転角度に応じて遊技球の打ち出し力を変化させることができる。すなわち、遊技者がレバー21の回転角度を調節することで、いわゆる「左打ち」と「右打ち」を使い分けることができる。
「左打ち」は、レバー21の回転角度を小さく(「右打ち」に比べて相対的に小さく)調節することで行うことができる。すなわち、「左打ち」によって、図1の矢印31に示すように、遊技盤2の概ね左半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「左打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口(図2)11と下側第2始動口(図2)12とを有する始動口形成部材8、及び、3つの普通入賞口14a,14b,14cが設けられている。
一方、「右打ち」は、レバー21の回転角度を大きく(「左打ち」に比べて相対的に大きく)調節することで行うことができる。すなわち、「右打ち」によって、図1の矢印32に示すように、遊技盤2の概ね右半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「右打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、大入賞口13、1つの普通入賞口14d、上側第2始動口15、電動式開閉役物16、及び、ゲート17が設けられている。
したがって、パチンコ遊技機1において、「左打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、始動口形成部材8、及び、普通入賞口14a〜14cのいずれかに入賞し得る。また「右打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、大入賞口13、上側第2始動口15、及び、普通入賞口14dのいずれかに入賞し得る。そして、遊技球が、いずれかの入賞口に入賞すれば、その入賞した個所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、前記したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下部に設けられた排出口18を介して、遊技領域10から排出される。
図2は、始動口形成部材8の内部を模式的に示した模式図である。図3は、図2の始動口形成部材8に遊技球が導入された状況を概念的に示した説明図であり、(A)は遊技球が第1始動口に振り分けられた状況を示し、(B)は遊技球が下側第2始動口12に振り分けられた状況を示す図である。
始動口形成部材8は、前記したように、第1始動口11と下側第2始動口12とを有する部材であり、図2に示すように、各始動口11,12に通じる始動導入口35と、始動導入口35を通過した遊技球を各始動口11,12に振り分ける振り分け部材36とをさらに有する。本実施形態では、振り分け部材36として、1つのヒンジを支点としたシーソーの原理で遊技球を機械的に振り分ける形式のものが採用されている。より詳細には、この振り分け部材36は、遊技盤2の平面に対して平行に回動し、その回動作用によって、遊技球を左右方向に交互に振り分ける機能を有する。すなわち、この振り分け部材36は、始動口形成部材8に導入された遊技球を、概ね50%の割合で、第1始動口11にも、下側第2始動口12にも導くことができる。すなわち、パチンコ遊技機1は、いわゆる、交互入賞タイプの遊技機である。なお、ここで、「概ね50%の割合」としたのは、後述するように、交互に入賞されない場合が発生し得るからである(図4参照)。
振り分け部材36は、遊技球を第1始動口11に振り分ける第1姿勢(図3(A)において遊技球が接触する前の姿勢)と、遊技球を下側第2始動口12に振り分ける第2姿勢(図3(B)において遊技球が接触する前の姿勢)とに変化可能に構成される。第1姿勢に変化した状態で遊技球が振り分け部材36に接触すると、遊技球は第1始動口11に振り分けられ、このときの遊技球の接触により、振り分け部材36は第2姿勢に変化する。次に始動導入口35を通過した遊技球は、第2姿勢の振り分け部材36に接触して下側第2始動口12に振り分けられる。このときも同様に、第2姿勢の振り分け部材36は、遊技球の接触によって、第1姿勢に変化する。このように、振り分け部材36は、遊技球が接触すると第1姿勢から第2姿勢(または第2姿勢から第1姿勢)に変化することで、遊技球を第1始動口11および下側第2始動口12に交互に振り分ける。したがって、かかる構成の始動口形成部材8においては、図3(A),(B)に示すように、始動導入口35を遊技球が通過すると、遊技球は、振り分け部材36によってその流下先が左(図3(A))か右(図3(B))に振り分けられ、その下流に位置する第1始動口11あるいは下側第2始動口12に導入される。
図4は、図2の始動口形成部材8に遊技球が導入された他の状況(図3とは異なる状況)を概念的に示した説明図である。上述のように、振り分け部材36は、始動導入口35を通過した遊技球を、第1始動口11の側と下側第2始動口12の側とに、基本的には交互に振り分けるものである。ただし、以下に示すように、何らかの原因によって2つの始動口11に対して交互に入賞が行われない場合がある。
例えば、図4(A)における実線矢印に示すように、振り分け部材36によって遊技球が第1始動口11に振り分けられても、その遊技球が振り分け先の始動口に必ずしも入賞しない場合があり得る。また、図4(A)における点線矢印に示すように、振り分け部材36が上記の第1姿勢(図4(A)に示す点線の姿勢)であっても、遊技球が第1始動口11の側へ振り分けられない場合もあり得る。これらの場合、下側第2始動口12へ遊技球が連続して入賞することになる。
また例えば、図4(B)に示すように、非常に短い間隔で複数(図4(B)では2つ)の遊技球が連続して始動導入口35を通過した場合には、それらの遊技球が互いに異なる始動口の側に振り分けられずに、同じ始動口に連続して入賞する場合があり得る。
なお、図4では、振り分け部材36が上記第1姿勢である場合を例として説明したが、振り分け部材36が上記第2姿勢である場合も第1姿勢と同様、振り分けがうまく行われなかったり(図4(A)に示す点線矢印参照)、振り分け先の始動口に入賞しなかったり(図4(A)に示す実線矢印参照)、連続して同じ側に振り分けられたり(図4(B))する場合がある。
パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は、遊技球が第2始動口(下側第2始動口12あるいは上側第2始動口15)を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
前記したように、本実施形態では、振り分け部材36は、第1始動口11に遊技球を振り分けた後、下側第2始動口12に遊技球を振り分けるように機械的に姿勢変化するが、他の実施形態では、振り分け部材36は、電気的に作動する駆動部によって姿勢が制御されて第1始動口11又は下側第2始動口12に振り分けるように動作してもよい。例えば、振り分け部材36は、一定期間において第1始動口11に振り分ける姿勢と、下側第2始動口12に振り分ける姿勢とに電気的に変化されてもよく、遊技球を所定の割合(例えば、50対50や40対60の割合)で各始動口に振り分けてもよい。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口(下側第2始動口12又は上側第2始動口15)への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して、「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記開口部が開放される。すなわち、プレートを作動させて大入賞口13を開放することで、大当たり遊技が実行される。この状況下においては、遊技者は、「右打ち」によって、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
普通入賞口14a〜14dは、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定数の賞球が払い出される入賞口である。なお、普通入賞口14では、前記した各始動口11,12,15のように、遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
上側第2始動口15は、前記したように、右打ち経路に設けられた始動口である。そして、本実施形態では、上側第2始動口15は、上述の下側第2始動口12と同様の役割を果たす始動口となっている。この上側第2始動口15は、通常は電動式開閉役物16によって、遊技球の導入開口が閉鎖されており、所定の条件が満たされると開放する構成である。具体的には、上側第2始動口15は、ゲート17に遊技球が通過することで、開放するか否かが判定される。そして、この判定によって上側第2始動口15を開放すると判定された場合、電動式開閉役物16を構成する羽根部材の開閉動作を規定回数(ここで言う開閉動作の回数は、開姿勢を1回、閉姿勢を1回する組み合わせを1回とする)行う。すなわち、上側第2始動口15は、電動式開閉役物16の羽根部材の姿勢が開姿勢となれば開放され、当該開放状態によって遊技球を通過させることができる。このように、上側第2始動口15は、電動式開閉役物16が作動していないときは遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動式開閉役物16が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、ゲート17に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を、「普通図柄判定(抽選)」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機の演出手段の構成]
遊技盤2又は枠部材3には、図1に示すように、各種演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、枠ランプ37が内蔵されている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。具体的には、液晶表示器5は、遊技盤2の概ね中央付近に配されている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定を行うことが待機された状態(保留状態)を表示する保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、液晶表示器に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されても構わない。
可動役物7は、電気的制御によって作動するものであり、例えば、遊技盤2に対して相対的に移動させるキャラクタの一部や、内蔵された発光装置(例えば発光素子を用いたLED等)を用いることができる。すなわち、可動役物7は、キャラクタの一部を動かしたり、発光装置を発行させたりすることによって、各種演出に寄与することができる。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターン変更、発光色の変更等、光によって各種演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種演出を行う。スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音によって演出を行う。
[パチンコ遊技機の演出等に係る操作手段の構成]
図5は、パチンコ遊技機の一部を示した概略平面図である。枠部材3には、図5に示すように、遊技者がハンドル20以外に操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押しボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うための演出キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図6は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図6に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第1特別図柄保留表示器42、第2特別図柄表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、及び、普通図柄保留表示器46などを有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器43は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器43には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器42は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。
上記の他、表示器4は、パチンコ遊技機1の電源投入時における遊技状態を表示する遊技状態表示器47、および、大当たり中の大入賞口13の開放回数(ラウンド数)を表示するラウンドランプ48を有している。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「第2特別図柄」と呼び、これらを総称して「特別図柄」と呼ぶ。また、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機1の遊技状態]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。ここで、パチンコ遊技機1は、大当たりとなる確率が第1の確率(例えば、1/200)である低確率状態と、当該第1の確率よりも高い第2の確率(例えば、1/60)である高確率状態とのいずれかで特別図柄判定が行われる。
また、パチンコ遊技機1には、非時短状態と、時短状態とがある。具体的には、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄判定において当たりと判定される確率が高く(例えば、1/1.1)、当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が長く(例えば、1.8秒×3回)、普通図柄の変動時間が短い(例えば、2秒)状態である。逆に、非時短状態は、時短状態と比べて、普通図柄判定において当たりと判定される確率が低く(例えば、1/20)、当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が短く(例えば、0.1秒×1回)、普通図柄の変動時間が長い(例えば、12秒)状態である。また、時短状態では、特別図柄の変動時間が非時短状態のときよりも短くなる(図14参照)。時短状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われて、高い確率で当たりとなり、上側第2始動口15が1.8秒×3回開放して遊技球が入賞し易い状態となる。このため、遊技者が「右打ち」をする限り、上側第2始動口15に遊技球が入賞し易く、通常は、第2特別図柄の変動が行われる。しかしながら、非時短状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われても、当たりとなる確率は比較的低く、かつ、上側第2始動口15が0.1秒×1回しか開放しないため、遊技球は上側第2始動口15に入賞し難い。このため、非時短状態では、通常、遊技者は「右打ち」を行わず、「左打ち」を行う。
上記4つの状態の組み合わせによって、パチンコ遊技機1の遊技状態が設定される。具体的には、本実施形態では、「通常遊技状態」と、「確変遊技状態」と、「潜伏確変遊技状態」との何れかにパチンコ遊技機1が設定される。
「通常遊技状態」は、低確率状態かつ非時短状態であり、パチンコ遊技機1に初期的に設定される遊技状態である。「確変遊技状態」は、高確率状態かつ時短状態である。また、「潜伏確変遊技状態」は、高確率状態かつ非時短状態である。
なお、上記3つの遊技状態とは別に、大当たり遊技が行われている間を「大当たり遊技状態」ということがある。
パチンコ遊技機1は、大当たり遊技が行われた後、「通常遊技状態」から「確変遊技状態」または「潜伏確変遊技状態」に移行する。
ここで、上述のように、本実施形態では、特別図柄を始動させる条件の1つとなる第1始動口11(第1特別図柄に対応)と下側第2始動口12(第2特別図柄に対応)が、遊技球を交互に入賞させることができる交互入賞タイプの始動口形成部材8によって構成されている。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合と、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合とで、出玉等の遊技者に対する有利さが異なる場合がある。
図7は、大当たりの内訳を示す円グラフであり、図7に示す(A)は第1始動口に係る大当たりの内訳を示し、図7に示す(B)は第2始動口に係る大当たりの内訳を示す図である。
遊技球が第1始動口11に入賞して第1特別図柄判定によって大当たりとなった場合には、図7(A)に示すように、1%の割合で「大当たり図柄A」が停止表示される「16R確変当たり」となり、24%の割合で「大当たり図柄B」が停止表示される「4R確変当たり」となり、30%の割合で「大当たり図柄C」が停止表示される「4R確変当たり」となり、10%の割合で「大当たり図柄D」が停止表示される「4R突確当たり」となり、35%の割合で「大当たり図柄E」が停止表示される「4R潜確当たり」となる。また、遊技球が第2始動口(12又は15)に入賞して第2特別図柄の変動によって大当たりとなった場合には、図7(B)に示すように、50%の割合で「大当たり図柄F」が停止表示される「16R確変当たり」となり、50%の割合で「大当たり図柄G」が停止表示される「4R確変当たり」となる。
「16R確変当たり」は、所定の条件(例えば、大入賞口13への遊技球の入賞が9個に達するまで、又は、大入賞口13が開放されてから29.5秒が経過するまで)を満たすまで大入賞口13を長開放する長開放ラウンドを16回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。なお、「16R確変当たり」(大当たり図柄A、F)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。
同様に、「4R確変当たり」(大当たり図柄B、G)及び「4R確変当たり」(大当たり図柄C)は、長開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。「16R確変当たり」又は「4R確変当たり」による大当たり遊技終了後は、確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に移行するため、遊技者が「右打ち」をする限り、通常は、第2特別図柄の変動が行われる。
なお、「4R確変当たり」(大当たり図柄B、G)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。これに対して、「4R確変当たり」(大当たり図柄C)は、3つの同種の装飾図柄51が揃わずに、特定図柄が出現することで報知される大当たりである。
「4R突確当たり」(大当たり図柄D)は、大入賞口13を例えば0.1秒間だけ短開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。大当たり遊技において大入賞口13が短時間(0.1秒間/ラウンド×4ラウンド)しか開放しないため、「4R突確当たり」は、大当たり遊技中の出玉をほぼ期待できない大当たりである。また、「4R突確当たり」では、大当たり遊技終了後は確変遊技状態に移行する。
「4R潜確当たり」(大当たり図柄E)は、前記4R突確当たりと同様、大入賞口13を例えば0.1秒間だけ短開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に潜伏確変遊技状態に移行する大当たりである。すなわち、「4R潜確当たり」は、大当たり遊技中の出玉をほぼ期待できない大当たりである。また、「4R潜確当たり」では、大当たり遊技終了後に潜伏確変遊技状態(高確率状態かつ非時短状態)となり、「16R確変当たり」や「4R突確当たり」等のように、第2特別図柄の変動割合を増加させることができない。つまり、「4R潜確当たり」では、大当たり遊技終了後、非時短状態が設定されるため、「左打ち」にて遊技が行われる。したがって、「4R潜確当たり」による大当たり遊技後は、第1特別図柄の変動と、第2特別図柄の変動とが基本的に交互に行われる。
「4R突確当たり」(大当たり図柄D)、および、「4R潜確当たり」(大当たり図柄E)もまた、3つの同種の装飾図柄51が揃わずに、特定図柄が出現することで報知される大当たりである。
なお、「4R」の大当たりは、「実質4R」の大当たりであってもよい。「実質4R」の大当たりは、上記長開放ラウンドが4回繰り返されるとともに、上記短開放ラウンドが12回繰り返される大当たりであり、ラウンドランプ48によって表示されるラウンド数としては16Rではあるが、実質的な出玉の数としては4R分しかない大当たりである。
[パチンコ遊技機1において実行される演出の概要]
次に、本実施形態において実行される演出の概要について説明する。まず、図8を参照して、液晶表示器5に表示される画像について説明する。図8は、特別図柄の変動中において液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。なお、以下においては、主に液晶表示器5を用いて行われる演出について説明するが、液晶表示器5における演出に加えて、スピーカ24や、盤ランプ25、枠ランプ37等を用いた演出を行っても構わない。
(装飾図柄)
図8に示すように、特別図柄の変動中においては、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄51が変動表示される。装飾図柄51は、左側領域に表示される左図柄、中間領域に表示される中図柄、及び右側領域に表示される右図柄の3つの図柄(それぞれは、例えば0〜9の数字を示す演出図柄)によって構成される。例えば、第1始動口(又は第2始動口12,15)に遊技球が入賞すると、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において特別図柄の変動表示が開始され、これに伴い、液晶表示器5に3列表示された装飾図柄が上から下にスクロールするように(図8に示す点線矢印を参照)、装飾図柄の変動表示が開始される。そして、特別図柄が停止表示されるのに伴い、液晶表示器5の画面における有効ライン上に、左図柄、右図柄、中図柄の3つの図柄が停止表示される。なお、装飾図柄51は、上記3つの図柄の停止態様によって特別図柄判定の判定結果を示唆する。
(保留アイコン)
図8に示すように、液晶表示器5の表示画面には、保留アイコン表示領域52が設けられている。保留アイコン表示領域52は、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコン53(図8では、5つの保留アイコン53a〜53e)を表示する領域である。この保留アイコン表示領域52には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と、第2特別図柄保留表示器44が示す第2特別図柄判定の保留数との和と同数の保留アイコン53が表示される。図8においては、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の保留数が「5」であることを示唆するために保留アイコン表示領域52に5個の保留アイコン53が表示される状態が例示されている。
本実施形態において、第1特別図柄判定の保留数の最大値は4つであり、第2特別図柄判定の保留数の最大値は4つである。つまり、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の保留数の最大値は8つであり、最大8個の保留アイコン53が表示され得る。そのため、図8に示すように、保留アイコン表示領域52は、保留アイコン53をそれぞれ表示するための8つの表示領域52a〜52hを有する。なお、各表示領域52a〜52hには、各保留アイコン53が何番目の保留アイコンであるかを示す1〜8の数字が表示される。
また、液晶表示装置5には、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動表示されていることを示唆する当該変動アイコン54を表示する表示領域として、当該領域55が設けられている。
なお、本実施形態では、保留アイコン53又は当該変動アイコン54が、第1特別図柄判定の権利に基づくものか、第2特別図柄判定の権利に基づくものか、相互間での区別がつかない表示態様(例えば色や形)となっている。すなわち、液晶表示装置5においては、第1始動口11への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、下側第2始動口12への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、それらに対応する保留アイコン53の表示態様は基本的に同一である。
特別図柄の変動表示が開始されると、装飾図柄51の変動表示が開始されると共に、その時点で保留アイコン表示領域52に保留アイコン53が表示されている場合には、保留アイコン53の中で最初に表示された保留アイコン53(当該領域55に最も近い側、図8では1番目を示す表示領域52aに表示される保留アイコン53a)が保留アイコン表示領域52から当該領域55に移動されて、当該変動アイコン54となる。このとき、保留アイコン表示領域52に他の保留アイコン53が表示されている場合には、他の特1保留アイコン53は、保留アイコン表示領域52内において当該領域55の側に表示位置がシフトされ、保留アイコン表示領域52に表示される保留アイコン53の数が1つ減ることになる。そして、当該変動アイコン54に係る特別図柄の変動が終了すると、装飾図柄51が停止表示され、当該領域55から当該変動アイコン54が消去される。
(ポイント画像)
図8に示すように、液晶表示器5にはポイント画像56が表示される。本実施形態においては、パチンコ遊技機1で行われた遊技に応じたポイント(以下、「演出特典ポイント」と呼ぶ)が遊技者に付与され、この演出特典ポイントを示すポイント画像56が表示される。この演出特典ポイントは、遊技中において各種のポイント付与条件が満たされることに応じて増加し(貯まり)、ポイントに応じて演出特典が付与される。ここで、ポイント付与条件は任意であるが、例えば以下の条件がある。
・演出に関する条件(例えば、リーチ演出やゾーン演出等の特定の演出が実行されたこと)
・大当たりに関する条件(例えば、特定の種類の大当たりと判定されたことや、大当たりが連続して行われた回数(連チャン回数)が所定回数となったこと)
・保留に関する条件(例えば、保留数が最大となったことや、後述する連続変動回数が所定数となったこと)
・始動口への遊技球の入賞に関する条件(例えば、後述するレア入賞パターンが発生したこと)
また、演出特典ポイントに応じて付与される演出特典は、賞球の払出には直接関連しない、演出に関する特典である。演出特典は、例えば、演出特典ポイントが所定数以上の場合にのみ特定の演出が実行されたり、通常では出現頻度が低い演出(プレミア演出等)の出現頻度が高くなったりする等、演出の実行に関する特典であってもよい。また、演出特典は、例えば、背景画像(壁紙)やリーチ演出の種類を遊技者が選択できるようになる等、パチンコ遊技機1において実行される演出の設定を指定する(カスタマイズする)ことができる特典であってもよい。また、後述するように遊技者の携帯通信端末によって遊技履歴を閲覧することができる場合、演出特典は、携帯通信端末上で付与される特典(例えば、携帯通信端末で表示可能な画像(壁紙等)が付与される特典)であってもよい。このように、演出特典ポイントは、遊技者に付与される特典(演出特典)を示す特典情報であると言える。また、演出特典が付与されることによって変更される演出の設定情報(例えば、上記プレミア演出の出現頻度を示す情報や、カスタマイズによって遊技者が選択した演出を示す情報)も、特典情報であると言える。
詳細は後述するが、遊技中において上記ポイント付与条件が満たされる毎に、パチンコ遊技機1は条件に応じた演出特典ポイントを加算し、加算後の演出特典ポイントを示すようにポイント画像56を更新する。
なお、本実施形態においては、遊技者が携帯通信端末を用いることによって、パチンコ遊技機1における遊技履歴を外部サーバに記憶することが可能である。上記演出特典ポイントも遊技履歴に含まれ、外部サーバに記憶される。遊技履歴としては、上記演出特典ポイントの他、例えば、特別図柄判定の判定結果、特別図柄の変動回数、大当たり回数、遊技状態が変更されることなく大当たりが連続して行われた回数(連チャン回数)等が例として挙げられる。なお、遊技履歴が外部サーバに記憶される際の動作については後述する。
(連続変動回数画像)
図8に示すように、液晶表示器5には、連続変動回数を示す連続変動回数画像57が表示される。ここで、特別図柄の変動中に保留がある場合には、特別図柄の停止に続いて、保留に係る特別図柄の変動が開始され、特別図柄の変動が連続して行われることになる。連続変動回数とは、このような特別図柄の変動が連続して行われた回数である。つまり、特別図柄の変動が停止した時点での特別図柄判定の保留数が1以上であり、この変動の停止に続いて次の特別図柄の変動が開始される場合、連続変動回数は継続してカウントされる。特別図柄の停止に続いて次の特別図柄の変動が開始される毎に、連続変動回数が1ずつカウントされる。一方、特別図柄の変動が停止した時点で保留数が0であり、この変動の停止に続いて次の特別図柄の変動が開始されない場合、連続変動は途切れる。なお、詳細は後述するが(図16〜図19参照)、本実施形態においては、特別図柄の連続変動が途切れた場合であっても、変動停止から一定時間以内に始動口に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始された場合、一定条件下で連続変動回数が継続してカウントされることがある。
なお、大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の前後で連続変動回数は継続してカウントされる。また、時短状態においては連続変動回数はカウントされず(カウントが中断され)、非時短状態から時短状態へ一旦移行した後で非時短状態へ戻った場合、先の非時短状態において継続してカウントされていた連続変動回数は、後の非時短状態において引き継がれる。つまり、後の非時短状態の開始時には、先の非時短状態の終了時の連続変動回数からカウントが再開される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、連続変動回数に応じて演出特典ポイントが付与される。ここで、時短状態では、上側第2始動口15に対する遊技球の入賞が容易な状態であるので、かかる時短状態においても連続変動回数をカウントすると、容易にポイントを付与してしまうことになり、好ましくない。そのため、本実施形態では、時短状態においては連続変動回数のカウントを中断するようにしている。
本実施形態においては、連続変動回数が所定回数(具体的には5回)以上となったことに応じて、連続変動回数画像57の表示が開始される。なお、他の実施形態においては、連続変動回数を常に(0回以上の場合)表示するようにしてもよい。連続変動回数画像57の表示が開始された後、特別図柄の変動が連続して行われる間は連続変動回数が1回ずつカウントされ、連続変動回数画像57の表示が更新される。また、本実施形態においては、連続変動回数が所定回数だけ増加する毎に(具体的には、5回増加する毎に)、所定数(例えば、5ポイント)の演出特典ポイントが付与され、上記のポイント画像56が示す演出特典ポイントの数が更新される。なお、連続変動回数が途切れそうになった場合には警告画像が表示されるが、この場合の動作については後述する。
(ゾーン演出)
次に、図9〜図13を参照して、パチンコ遊技機1において実行されるゾーン演出について説明する。本実施形態では、通常遊技状態においてゾーン演出が実行されることがある。詳細は後述するが、ゾーン演出は、例えば液晶表示器5の背景画像を通常の背景画像とは異なる別の背景画像に切り替える等、通常とは異なる画像や音を出力することによって遊技者の大当たりへの期待感を高める演出である。ゾーン演出は、通常の演出モード(ゾーン演出でない演出モード)に比べて大当たりの期待度が高い特殊演出モードであり、通常の演出モードからゾーン演出の演出モードへと移行することで、遊技者の大当たりへの期待感を高めることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への遊技球の入賞により取得情報が記憶されて特別図柄判定の権利として保留されると、この保留された権利に対して事前に大当たり判定(「事前判定」と呼ぶ)が行われる。この事前判定の結果に基づいて、保留された権利に対する先読み演出(「保留先読み演出」と呼ぶ)を行うか否かの判定が行われ、先読み演出を行うと判定された場合には、保留された特別図柄判定の権利に係る特別図柄の変動が行われる前に、液晶表示器5等によって、その特別図柄判定の結果を示唆する演出が行われる。本実施形態においては、保留先読み演出(の一つ)としてゾーン演出が行われる。
ゾーン演出は、先読み対象に係る特別図柄変動(ゾーン演出を行うと判定された保留に対応する特別図柄判定に係る特別図柄変動)の開始時点の以前に開始され、この先読み対象に係る特別図柄変動の変動停止時において終了する。なお、ゾーン演出は、上記のように、先読み対象に係る特別図柄変動よりも前の特別図柄変動の期間において開始されて複数回の特別図柄変動に亘って行われる場合もあるが、先読み対象に係る特別図柄変動の開始時に開始され、当該変動の期間中(だけ)に行われる場合もある。すなわち、「ゾーン演出」の意味は、複数回の特別図柄の変動に亘る演出に限られるわけではなく、単一回の特別図柄の変動に係る演出も含むものとする。なお、単一回の特別図柄の変動中にゾーン演出を行う場合には、事前判定の結果に基づかず、当該変動開始時に行われる特別図柄判定の結果に基づいて、ゾーン演出を行ってもよい。
まず、ゾーン演出とその遷移の概要について説明する。図9は、本実施形態におけるゾーン演出の遷移の仕方を示す図である。図9に示すように、本実施形態ではゾーン演出には4種類があり、具体的には、弱ゾーン演出である第1及び第2弱ゾーン演出と、強ゾーン演出である第1及び第2強ゾーン演出である。なお、弱ゾーン演出は、先読み対象に係る特別図柄判定の判定結果が大当たりである期待度が相対的に低く、強ゾーン演出は、大当たりである期待度が相対的に高い。2種類の弱ゾーン演出に関して、先読み対象に係る特別図柄判定の判定結果が大当たりである期待度は、同じである。また、2種類の強ゾーン演出に関して、先読み対象に係る特別図柄判定の判定結果が大当たりである期待度は、第2強ゾーン演出よりも第1強ゾーン演出の方が高いものとする。
図9に示すように、本実施形態では、ゾーン演出の開始時には弱ゾーン演出のいずれかが実行される。なお、ゾーン演出の開始時から強ゾーン演出が実行されることはない。そして、弱ゾーン演出から、一定条件下でゾーン演出が昇格して強ゾーン演出へと移行することがあり、その際、ゾーン演出の昇格を期待させる昇格演出が行われる。このとき、詳細は後述するが、保留数(第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の保留数の合計。以下、単に「保留数」という場合、合計の保留数を指すものとする。)が最大(ここでは8個)になることを条件として昇格演出が行われる。昇格演出には、昇格が成功する演出を行う場合と、昇格が失敗する演出を行う場合がある。昇格が失敗した場合には、昇格演出の後に、元の弱ゾーン演出が継続して実行される。
また、図9に示すように、本実施形態においては、弱ゾーン演出が第1弱ゾーン演出である場合と第2弱ゾーン演出である場合とで昇格後の強ゾーン演出が異なることがある。具体的には、第2弱ゾーン演出が実行される場合に昇格が成功した場合には、図9に示すように、第2強ゾーン演出へ移行する。第2弱ゾーン演出から第2強ゾーン演出へ移行することはない。一方、第1弱ゾーン演出が実行される場合に昇格が成功した場合には、図9に示すように、第1強ゾーン演出へ移行する場合と、第2強ゾーン演出へ移行する場合とがある。つまり、昇格が成功する場合、第1弱ゾーン演出については、第1強ゾーン演出と第2強ゾーン演出とのいずれにも移行する可能性がある。具体的には、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が第1特別図柄判定である場合には、移行後の強ゾーン演出は第2強ゾーン演出となる。一方、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が第2特別図柄判定である場合には、移行後の強ゾーン演出は第1強ゾーン演出となる。
以上より、弱ゾーン演出が実行されている場合には、遊技者は、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が、第1始動口への入賞によるものであるのか、第2始動口への入賞によるものであるかの判別を行うことができない。一方、ゾーン演出の昇格が行われて強ゾーン演出が実行される場合は、第1強ゾーン演出であるか第2強ゾーン演出であるかによって、遊技者は上記の判別を行うことができる。また、第1強ゾーン演出と第2強ゾーン演出とでは特別図柄判定の判定結果が大当たりである期待度が異なるので、期待度の違いも認識することができる。
次に、ゾーン演出の流れの一例を具体的に説明する。図10は、ゾーン演出の時間に応じた変化を示す図である。なお、図10(A)は、昇格演出のタイミング(昇格タイミングと呼ぶ)が到来するまでに保留数が最大となった場合におけるゾーン演出の流れを示しており、図10(B)は、昇格タイミングが到来するまでに保留数が最大とならなかった場合におけるゾーン演出の流れを示している。
図10に示すように、本実施形態では、特別図柄変動が開始されるタイミング(t=T1)でゾーン演出が開始される。具体的には、ゾーン演出の先読み対象に係る保留が追加された直後の変動開始タイミング、又は、ゾーン演出の先読み対象に係る保留に対応する特別図柄変動の開始タイミングで、ゾーン演出が開始される。なお、第1弱ゾーン演出及び第2弱ゾーン演出のどちらを実行するか、昇格が成功するか等といったゾーン演出の内容は、事前判定においてゾーン演出を行うか否かを決定する際に、演出内容を決定するために用いられる先読み演出乱数に基づいて決定される。
図11は、ゾーン演出開始時(図10に示すT1の時点)に液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。上記のように、本実施形態では、弱ゾーン演出中に特別図柄判定の保留数を最大(8個)となることを条件に昇格演出が行われ、一定条件下で昇格が成功することによって弱ゾーン演出から強ゾーン演出への昇格が行われる(図9、図10(A)参照)。つまり、本実施形態では、保留数を最大にすることが昇格演出の条件であるので、ゾーン演出開始時には、図11に示すように、保留を溜めることを促す保留指示画像61が表示される。
本実施形態では、昇格演出を実行するタイミングである昇格タイミング(図10に示すT2)が設定され、昇格タイミングまでの制限時間内に保留数が最大となったか否かが判定される。昇格タイミングは、任意のタイミングで良いが、本実施形態においては、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄変動の開始時点から、予め定められた所定時間が経過したタイミングである(図10参照)。なお、ゾーン演出の開始時に上記保留指示画像61を表示した後、先読み対象に係る特別図柄変動の開始時点で、昇格タイミングまで(上記制限時間が経過するまで)あと何秒かを表す表示が行われてもよい。
なお、図11に示すように、ゾーン演出中においては、ゾーン演出の種類毎の名前を示すゾーン名画像62が表示される。また、保留指示画像61が表示される際、装飾図柄51は、画面の端部付近において(相対的に)小さく表示される。
なお、他の実施形態においては、弱ゾーン演出の実行中において保留数が最大となったことに応じて、保留数が最大となったこと(換言すれば、昇格演出が実行される条件を満たしたこと)を報知するための所定の演出(例えば、保留アイコン53が光る等)が行われてもよい。
図9及び図10(A)に示すように、昇格タイミングが到来するまでに保留数が最大となった場合、昇格タイミングで昇格演出が行われる。上記のように、昇格タイミングは、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄変動の変動中のタイミングであるので、この変動中に昇格演出が行われる(図10参照)。
図12は、昇格演出が表示される際(図10に示すT2の時点)の液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。図12に示すように、本実施形態においては、昇格演出として、演出ボタン26の押下を遊技者に促すボタン示唆画像(後述するボタン示唆画像65と区別して、以下、「第1ボタン示唆画像」と呼ぶ)63を表示し、遊技者によるボタン押下に応じてゾーン演出の昇格の成功/失敗を表示する演出が行われる。なお、昇格演出は、ゾーン演出の昇格を期待させる任意の演出でよい。
第1ボタン示唆画像63は、上記昇格タイミングから予め定められた所定時間が経過するまでの間に表示される。第1ボタン示唆画像63の表示期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されたことに応じて、ゾーン演出の昇格が成功する演出、あるいは、ゾーン演出の昇格が失敗する演出のいずれかが実行される。なお、昇格が成功するか失敗するか等といったゾーン演出の内容は、事前判定においてゾーン演出を行うか否かを決定する際に決定されている。
図13は、ゾーン演出の昇格が成功する際(図10に示すT3の時点)において液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。図13に示すように、ゾーン演出の昇格が成功する場合、演出ボタン26の押下に応じて、強ゾーン演出に昇格することを示唆する画像(図13では、「××ゾーン突入」を示す文字)が表示される。図10(A)に示すように、その後、強ゾーン演出が開始される。すなわち、弱ゾーン演出用の背景画像から切り替えて、強ゾーン演出用の背景画像が表示され、ゾーン名画像62は、弱ゾーン演出の名前を示す内容から強ゾーン演出の名前を示すように切り替えて表示される。
一方、ゾーン演出の昇格が失敗する場合には、演出ボタン26の押下に応じて、昇格が失敗したことを示唆する画像(図示しないが、例えば「失敗」を示す文字)が表示される。この場合には、その後、弱ゾーン演出が再開される(図10(A)参照)。すなわち、元の弱ゾーン演出用の背景画像が表示され、弱ゾーン演出の名前を示すゾーン名画像62が表示される。このように、本実施形態においては、保留条件が満たされる場合であっても、昇格が失敗する場合がある。これによれば、強ゾーン演出の演出価値を高めることができ、強ゾーン演出による演出効果を向上することができる。また、ゾーン演出のパターンが増加するので、ゾーン演出をより興趣性のあるものとすることができる。
なお、第1ボタン示唆画像63の表示期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されなかった場合には、表示期間の終了に応じて、元の弱ゾーン演出用の背景画像が表示され、弱ゾーン演出の名前を示すゾーン名画像62が表示される。なお、他の実施形態においては、演出ボタン26が押下されずに表示期間が終了した場合には、演出ボタン26が押下された場合と同様の演出を行ってもよい。すなわち、事前判定において昇格が成功すると決定されていた場合には、表示期間の終了に応じて、強ゾーン演出に昇格する演出が行われ、事前判定において昇格が失敗すると決定されていた場合には、表示期間の終了に応じて、弱ゾーン演出が再開されてもよい。
一方、図10(B)は、上記昇格タイミングが到来するまでに保留数が最大とならなかった場合におけるゾーン演出の流れを示している。図10(B)に示すように、昇格タイミングが到来するまでに保留数が最大とならなかった場合には、昇格タイミングが到来しても昇格演出は行われない。この場合、弱ゾーン演出が継続して実行され、(事前判定において昇格が成功すると決定されていたとしても)強ゾーン演出への移行は行われない。なお、他の実施形態においては、昇格タイミングが到来するまでに保留数が最大とならなかった場合には、昇格タイミングで昇格演出が行われるものの、(事前判定において昇格が成功すると決定されていたとしても)昇格が必ず失敗するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、2種類の強ゾーン演出に関して、先読み対象に係る特別図柄判定の判定結果が大当たりである期待度は、第2強ゾーン演出よりも第1強ゾーン演出の方が高いものとする。
以上のように、本実施形態においては、ゾーン演出中において保留に関する保留条件(保留数が最大となったこと)が満たされたことに応じて、実行中のゾーン演出の内容が変化する(ゾーン演出が昇格する)。これによれば、与えられた課題をゾーン演出中に達成することでゾーン演出の内容が変化するという、興趣性の高い演出を行うことができる。
また、本実施形態のような、交互入賞タイプ(8個保留機とも呼ばれる)のパチンコ遊技機1では、保留数が最大の8個となりにくいので、遊技者は遊技球を単に打ち出し続けるだけになり、操作が単調になるおそれがある。これに関して、本実施形態によれば、「保留数を最大にする」という動機付けを与えることで、単調になりがちな操作を遊技者が退屈に感じにくくすることができ、遊技の興趣性を向上することができる。
また、交互入賞タイプのパチンコ遊技機1では、保留数が最大にはなりにくいものの、保留数が0にもなりにくく、ある程度の保留数が維持されるので、ある程度の保留数が維持された状態で遊技者が遊技球の打ち出しを一時中止する(いわゆる「止め打ち」を行う)ことがあり、これによって、打ち出される遊技球の数が減少するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、「保留数を最大にする」という動機付けを遊技者に与えることで、保留数が最大でない状態での止め打ちを抑制することができ、打ち出される遊技球の数を増加させることができる。
なお、本実施形態においては、保留条件が満たされ、かつ、昇格演出が成功する場合に、ゾーン演出の昇格が行われた。つまり、ゾーン演出中において保留条件が満たされたことを少なくとも条件として、ゾーン演出の変更(昇格)が行われた。ここで、他の実施形態においては、ゾーン演出中において保留条件が満たされた場合には常にゾーン演出が昇格するようにしてもよい。すなわち、他の実施形態においては、保留条件が満たされた場合には、昇格が成功することを示唆する昇格演出を常に実行するようにしてもよい。また、他の実施形態においては、昇格演出を行わずに、保留条件が満たされたことに応じて弱ゾーン演出から強ゾーン演出へと切り替えるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、保留条件が満たされた後における昇格タイミングでゾーン演出の昇格が行われた。ここで、他の実施形態においては、保留条件が満たされたタイミングでゾーン演出の昇格が行われてもよい。このとき、ゾーン演出の昇格は、本実施形態のように、昇格が成功することを追加の条件としてもよいし、保留条件が満たされた場合には必ず昇格が行われるようにしてもよい。
(ゾーン演出時に付与される演出特典ポイント)
次に、図14を参照して、ゾーン演出時に付与される演出特典ポイントについて説明する。図14は、ゾーン演出の演出パターンと、そのときに付与される演出特典ポイントとの関係を示す図である。図14に示すように、本実施形態においては、上記ゾーン演出が行われたことに応じて、演出特典ポイントが付与されることがある。また、付与される演出特典ポイントはゾーン演出の内容(演出パターン)によって異なる。
第1演出パターンは、ゾーン演出開始時に第1弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされ(保留数が最大となり)、昇格演出が成功し、(特2入賞であるため)第1強ゾーン演出が実行される演出パターンである。このような第1演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントとして20ポイントが付与される。
第2演出パターンは、ゾーン演出開始時に第1弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされ(保留数が最大となり)、昇格演出が成功し、(特1入賞であるため)第2強ゾーン演出が実行される演出パターンである。このような第2演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントとして10ポイントが付与される。
第3演出パターンは、ゾーン演出開始時に第1弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされた(保留数が最大となり)ものの、昇格演出が失敗し、第1弱ゾーン演出が継続される演出パターンである。このような第3演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントとして5ポイントが付与される。
第4演出パターンは、ゾーン演出開始時に第1弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされなかった(保留数が最大とならなかった)ため、昇格演出が行われずに第1弱ゾーン演出が継続される演出パターンである。このような第4演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントは付与されない。
第5演出パターンは、ゾーン演出開始時に第2弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされ(保留数が最大となり)、昇格演出が成功し、(特1入賞であるため)第2強ゾーン演出が実行される演出パターンである。このような第5演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントとして10ポイントが付与される。
第6演出パターンは、ゾーン演出開始時に第2弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされた(保留数が最大となった)ものの、昇格演出が失敗し、第2弱ゾーン演出が継続される演出パターンである。このような第6演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントとして5ポイントが付与される。
第7演出パターンは、ゾーン演出開始時に第2弱ゾーン演出が行われ、弱ゾーン演出中に保留条件が満たされなかった(保留数が最大とならなかった)ため、昇格演出が行われずに第2弱ゾーン演出が継続される演出パターンである。このような第7演出パターンのゾーン演出が実行された場合、演出特典ポイントは付与されない。
なお、各演出パターンに応じて演出特典ポイントが付与されるタイミングは、どのようなタイミングであってもよいが、本実施形態においては、ゾーン演出の終了時(換言すれば、ゾーン演出の先読み対象となる特別図柄変動の変動停止時)のタイミングで演出特典ポイントが付与される。また、このタイミングでポイント画像56が示す数値が更新される。なお、他の実施形態においては、付与すべきポイント数が確定したタイミング(すなわち、昇格タイミングや、昇格演出が成功したタイミング等)で演出特典ポイントが付与されてもよい。
上記のように、本実施形態においては、保留条件が満たされたか否かで、付与される演出特典ポイント(の数)が異なる。すなわち、保留条件が満たされた場合には、20、10、又は5ポイントが付与され、保留条件が満たされなかった場合には、ポイントが付与されない(5ポイントより少ないポイントが付与されてもよい)。
このように、本実施形態においては、保留数に関する保留条件が満たされたことに応じて、演出特典ポイントが更新される。これによれば、演出特典ポイントによって演出上の特典を遊技者に与えることができ、遊技の興趣性を向上することができる。また、本実施形態のような交互入賞タイプ(8個保留機とも呼ばれる)のパチンコ遊技機1では、上述のように保留数が最大となりにくく、遊技者は遊技球を単に打ち出し続けるだけになって操作が単調になることから、遊技が単調になるおそれがある。これに関して、本実施形態によれば、「保留数を最大にする」という動機付けを与えることで、単調になりがちな操作を遊技者が退屈に感じにくくすることができ、遊技の興趣性を向上することができる。また、上述したように、「保留数を最大にする」という動機付けを遊技者に与えることによって、保留数が最大でない状態での止め打ちを抑制することができ、打ち出される遊技球の数を増加させることができる。
また、昇格演出が成功した場合(換言すれば、強ゾーン演出が行われた場合)には、20又は10ポイントが付与され、昇格演出が失敗した場合(換言すれば、強ゾーン演出が行われなかった場合)には、よりすくないポイント(5ポイント又はポイントが付与されない)が付与される。このように、本実施形態においては、昇格演出が成功したか否か(強ゾーン演出が実行されたか否か)で、付与される演出特典ポイント(の数)が異なる。昇格演出の成功の可否によって演出特典ポイントを異ならせることで、ポイント付与のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣性をより向上することができる。
また、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が第2特別図柄判定である場合(特2入賞である場合)には、第1強ゾーン演出が実行され、20ポイントが付与され、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が第1特別図柄判定である場合(特1入賞である場合)には、第2強ゾーン演出が実行され、10ポイントが付与される。このように、本実施形態においては、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄判定が第1特別図柄判定であるか、それとも、第2特別図柄判定であるか(特1入賞であるか、それとも、特2入賞であるか)によって、付与される演出特典ポイント(の数)が異なる。このように、遊技球が入賞した始動口の違いによって演出特典ポイントを異ならせることで、ポイント付与のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣性をより向上することができる。
(レア入賞パターンに応じたポイント付与)
次に、図15を参照して、レア入賞パターンを検知したことに応じて演出特典ポイントを付与する処理について説明する。図15は、第1始動口11及び下側第2始動口12に対する入賞パターンの一例を示す図である。
上述のように、本実施形態においては、始動口形成部材8の始動導入口35を遊技球が通過すると、振り分け部材36によって基本的には第1始動口11と下側第2始動口12とに交互に遊技球が振り分けられ、第1始動口11と下側第2始動口12とに交互に遊技球が入賞(入球)する(図2、図3参照)。本実施形態においては、このように2つの始動口に交互に遊技球が入賞する入賞パターンを「通常入賞パターン」と呼ぶ(図15参照)。
本実施形態においては上記通常入賞パターンで遊技球が入賞することが通常であるが、振り分けられた遊技球が各始動口からこぼれて入賞しなかった場合や、遊技球が近い間隔で連続して始動導入口35を通過した場合には、2以上の遊技球がいずれかの始動口に連続して入賞することもあり得る。本実施形態においては、このようにいずれか1つの始動口に2以上の遊技球が連続して入賞する入賞パターンを「レア入賞パターン」と呼ぶ(図15参照)。
パチンコ遊技機1は、各始動口に遊技球が入賞したことを検知しており、どちらの始動口に遊技球が入賞したかを検知している。したがって、遊技球の始動口への入賞の検知結果に基づいてレア入賞パターンを検知することができる(後述するステップS708参照)。すなわち、パチンコ遊技機1は、いずれかの始動口に遊技球が入賞する毎に、レア入賞パターンが発生したか否かを判定する。より具体的には、今回遊技球が入賞した始動口と、前回に遊技球が入賞した始動口とを比較し、両者が同じであるか否か判定する。そして、両者が同じである場合、レア入賞パターンとして検知し、両者が異なる場合、レア入賞パターンとして検知しない(通常入賞パターンであると判断する)。
上記レア入賞パターンが検知された場合、演出特典ポイントが付与される。すなわち、所定数のポイント(例えば10ポイント)が付与され、付与後のポイント数を示すようにポイント画像56が更新表示される。なお、レア入賞パターンが検知されない場合(通常入賞パターンであると判断された場合)には、演出特典ポイントは付与されない。
なお、本実施形態においては、遊技者が「左打ち」を行う場合に始動口形成部材8の始動導入口35を遊技球が通過し得るので、遊技者が「左打ち」を行う非時短状態においてレア入賞パターンが検知されたことに応じて演出特典ポイントを付与する。つまり、本実施形態においては、実行中の演出内容にかかわらず、レア入賞パターンが検知されたことに応じて演出特典ポイントを付与する。なお、他の実施形態においては、所定の演出中においてレア入賞パターンが検知されたことに応じて演出特典ポイントを付与するようにしてもよい。また、他の実施形態においては、遊技状態にかかわらず、レア入賞パターンが検知されたことに応じて演出特典ポイントを付与するようにしてもよい。
なお、レア入賞パターンは、通常の入賞パターンに比べて発生しにくい入賞パターンであればよく、具体的な入賞パターンは任意である。レア入賞パターンの他の例としては、後述する“[変形例]”で記載の入賞パターンが考えられる。
以上のように、本実施形態においては、入賞パターンがレア入賞パターンであることが検出された場合、演出特典ポイントが更新される。これによれば、遊技球の入賞の仕方に応じて遊技者に特典を付与することができる。また、予想できないタイミングで演出特典(ポイント)が付与されるので、遊技者にとっては思いがけないタイミングで演出特典が付与されることになり、遊技の興趣性を向上することができる。
(連続変動回数に応じたポイント付与)
次に、図16〜図19を参照して、上述の連続変動回数に応じて演出特典ポイントを付与する処理について説明する。上述のように、本実施形態においては、連続変動回数がカウントされ、カウントされた当該回数を示す連続変動回数画像57が液晶表示器5に表示される(図8参照)。なお、本実施形態においては、連続変動回数が所定回数以上(ここでは5回とする)となった場合に、連続変動回数画像57の表示が開始される。すなわち、連続変動回数が「5」以上となるまでは、連続変動回数画像57の表示は開始されない。
本実施形態においては、連続変動回数が所定回数だけ増加したことに応じて演出特典ポイントが付与される。具体的には、連続変動回数が5回増加する度に、5ポイントの演出特典ポイントが付与される。したがって、連続変動回数が5の倍数の回数となった場合、5ポイントの演出特典ポイントが付与されて、ポイント画像56が更新表示される。なお、連続変動回数に応じて演出特典ポイントを付与する方法は任意である。例えば他の実施形態においては、連続変動回数が所定回数(例えば100回)となったことに応じて演出特典ポイントが付与されてもよいし、所定期間に連続変動回数が所定回数だけ増加したことに応じて演出特典ポイントが付与されてもよい。また、連続変動回数が5の倍数となる毎に演出特典ポイントを付与しつつ、連続変動回数が所定回数(例えば50回や100回といった節目の回数)に達した場合にもポイントを付与するようにしてもよい。
図16は、連続変動が途切れそうになった場合の演出の流れを示す図である。本実施形態においては、連続変動回数が継続してカウントされている状態(図16(A)参照)において、連続変動が途切れた結果、連続変動回数がリセットされそうになった場合、警告が行われる(図16(B)参照)。すなわち、パチンコ遊技機1は、連続変動が途切れそうであるか否かを判定し、連続変動が途切れそうになったと判定した場合、遊技者に対して所定の報知(警告)を行う。図17は、連続変動回数に関する警告表示が行われる画面の一例を示す図である。本実施形態においては、警告表示は、図17に示すように、連続変動回数画像57が通常時(図8)とは表示態様を変えて表示される。すなわち、通常時においては連続変動回数画像57は点滅せずに表示されるのに対して、警告時においては連続変動回数画像57は通常時とは色を変更しつつ点滅表示(或いは反転表示)されることによって行われる。これによって、連続変動が途切れる(連続変動回数がリセットされる)おそれがあることを遊技者に報知することができる。なお、連続変動回数画像57は警告表示の態様においても連続変動回数を示している。また、警告の方法は任意であり、液晶表示器5に表示される画像とともに音声等によって行われてもよいし、音声のみによって行われてもよい。
本実施形態においては、連続変動が途切れそうであるか否かの判定は、その時点で予測される連続変動継続時間が所定時間以下となったか否かに基づいて行われる。ここで、連続変動継続時間とは、特別図柄の連続変動が停止する(と予測される)までの時間を示し、具体的には、その時点で変動中の特別図柄変動の残りの変動時間と、その時点で保留されている特別図柄判定による特別図柄変動の変動時間と、各特別図柄変動が停止した時の図柄確定表示時間との合計時間である。例えば、変動中の特別図柄変動の残りの変動時間が5秒であり、保留数が1個であって、保留されている特別図柄判定による特別図柄変動の変動時間が15秒であって、図柄確定表示時間がそれぞれ1秒である場合、連続変動継続時間は(5+15+2=)22秒である。なお、保留されている特別図柄判定による特別図柄変動の変動時間は、上述の事前判定によって予測することができる。パチンコ遊技機1は、保留数が増加又は減少する度に上記の連続変動継続時間を算出し(図46のステップS822)、また、所定時間に1回の割合で、連続変動継続時間が所定時間以下となったか否かの判定を繰り返し実行する(図46のステップS823)。
なお、他の実施形態においては、連続変動回数が途切れそうであるか否かの判定は、保留数に基づいて行われてもよい。パチンコ遊技機1は、例えば、保留数が所定個数(例えば1個)以下である場合に、連続変動回数が途切れそうであると判定するようにしてもよい。また他の実施形態においては、連続変動継続時間と保留数とに基づいて上記判定を行ってもよい。
なお、他の実施形態においては、上記警告を行う際、連続変動継続時間を液晶表示器5に表示すること等によって、遊技者に報知するようにしてもよい。なお、連続変動継続時間を報知すると、例えば連続変動継続時間が短い(例えば15秒)場合には、特別図柄判定の判定結果がハズレになると遊技者が予想してしまうおそれがある。そのため、連続変動継続時間は通知しないことが好ましい。
上記の警告表示が行われている期間(図16(B)参照)であって、連続変動が実際に途切れる前に新たに始動口への入賞があって保留が増加した場合、連続変動継続時間が算出し直される。具体的には、新たな入賞に応じた事前判定処理によって特別図柄の変動時間を特定する。そして、特定した変動時間と図柄確定時間とを、現在の連続変動継続時間に加算して、連続変動継続時間を更新する。その結果、連続変動継続時間が所定時間よりも長くなった場合、警告表示が終了し、通常の態様(図8参照)で連続変動回数画像57が表示される(図16(A))。この場合は当然、連続変動回数のカウントは継続される。なお、算出し直された連続変動継続時間が所定時間以下である場合には、警告表示が継続される。
本実施形態においては、警告表示が行われている状態において最後の特別図柄変動が停止して、連続変動が実際に途切れた場合においても、警告表示が継続される(図16(C)参照)。また、連続変動が実際に途切れた場合においても、連続変動回数画像57は、それまでの連続変動回数を示している。なお、継続して行われる警告表示の態様は、最後の特別図柄変動が停止する前と同じ態様であってもよい。また、実際には連続変動が途切れているものの警告表示が継続されている(つまり、連続変動回数が復活する可能性がある)ことを強調するべく、最後の特別図柄変動が停止する前後で警告表示の態様を異ならせるようにしてもよい。つまり、連続変動継続時間が0になったことに応じて、警告表示の態様を変化させるようにしてもよい。また、後述するように、連続変動が途切れた時点で警告表示を中止してもよい。
警告表示は、連続変動が実際に途切れた時点(最後の特別図柄変動が停止表示されて図柄確定表示が開始される時点)から所定長さの期間、継続して行われる。そして、始動口への新たな入賞がなく当該期間が経過した場合には、警告表示が終了し、連続変動回数はリセットされる(0になる)(図16(D)参照)。
一方、上記期間中に新たに始動口への入賞があった場合、連続変動回数のカウントを復活させるか否かの演出が行われる。本実施形態においては、この演出の一例として、遊技者に演出ボタン26を押下させ、演出ボタン26の押下に応じて成功/失敗を示す演出を行う(図16(E)参照)。図18は、連続変動回数のカウントを復活させるか否かの演出が行われる画面の一例を示す図である。図18に示すように、液晶表示器5には、演出ボタン26の押下を遊技者に促す第2ボタン示唆画像65が表示される。図18における第2ボタン示唆画像65は、本実施形態では、連続変動回数画像57の表示位置に(連続変動回数画像57に重ねて)表示される。なお、このとき、連続変動回数画像57は連続変動回数を示しておらず、枠のみが表示されている。なお、他の実施形態においては、連続変動が途切れた時点で警告表示を中止し、連続変動回数を表示しないようにしてもよい。そして、上記期間中に新たに始動口への入賞があった場合、第2ボタン示唆画像65を表示するようにしてもよい。これによれば、警告表示を中止することによって、連続変動回数が途切れたと遊技者に一旦思わせることができ、その後で連続変動回数が復活することによって、意外性のある演出を行うことができ、演出効果を向上することができる。
第2ボタン示唆画像65は、始動口に遊技球が入賞することで、途切れていた特別図柄の変動が再開されてから、所定期間中に表示される。第2ボタン示唆画像65の表示期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されたことに応じて、連続変動回数の復活が成功する演出、あるいは、復活が失敗する演出のいずれかが実行される。ここで、連続変動回数の復活が成功するか否かは、特別図柄の変動開始時に取得された演出乱数が所定の乱数値と一致するか否かに基づいて決定される。ただし、他の実施形態においては、演出乱数を用いた判定を行わず、第2ボタン示唆画像65の表示期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下された場合には、無条件に復活が成功するようにしてもよい。
図19は、連続変動回数のカウントの復活が成功したことを示唆する演出が行われる画面の一例を示す図である。連続変動回数のカウントの復活が成功する場合には、図19に示すように、「復活!」という文字が表示されるとともに、連続変動回数を示す連続変動回数画像57が表示される。このとき、例えば図17に示す状態においては連続変動回数が「24回」と示されているのに対して、図19に示す状態においては、これに1回加算された「25回」と示されているように、連続変動回数は、連続変動が途切れる前の数を引き継いでいる。その後、連続変動回数のカウントが再び継続することとなる(図16(A)参照)。なお、本実施形態においては、連続変動回数のカウントがリセットされて0回から開始される場合には、上述のように、連続変動回数が5回となってから連続変動回数画像57の表示が開始される。一方、連続変動回数が復活する場合は、復活前にすでに連続変動回数画像57が表示されているということであり、これはつまり、連続変動回数のカウントは5回以上であるということであるため、すぐに連続変動回数画像57の表示が再開される。
一方、連続変動回数のカウントの復活が失敗する場合には、警告表示が終了し、連続変動回数のカウントはリセットされる(0になる)(図16(D)参照)。また、図16において示していないが、第2ボタン示唆画像65の表示期間中に演出ボタン26が押下されなかった場合には、表示期間の終了時に連続変動回数のカウントはリセットされる(0になる)(図16(D)参照)。
以上のように、本実施形態においては、連続変動回数がカウントされ、それに応じて演出特典(演出特典ポイント)が付与される。これによって、演出特典を付与するバリエーションを増やすことができ、演出特典による興趣性の向上効果を増強することができる。
また、上記においては、連続変動が実際には途切れた場合でも、所定の条件下で(途切れる前の最後の特別図柄変動の停止時から所定期間中に新たな特別図柄変動が開始されることを少なくとも条件として)連続変動回数のカウントが継続される。これによれば、連続変動が実際には途切れた場合でもカウントを復活(継続)させるチャンスが遊技者に与えられることになり、遊技の興趣性を向上することができる。
(保留数と変動時間との関係)
次に、図20を参照して、保留数と、特別図柄変動の変動時間との関係について説明する。始動口に遊技球が入賞して特別図柄判定が行われる場合、パチンコ遊技機1は、特別図柄変動の変動開始時に行われる特別図柄判定において、特別図柄変動の変動時間を設定する。具体的には、始動口に遊技球が入賞すると、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数と共に、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理に使用される変動パターン乱数が取得される。次に、大当たり乱数に基づいて大当たりであると判定された場合には図柄乱数に基づいて大当たりの種類が決定される一方で、ハズレであると判定された場合にはリーチ乱数に基づいてリーチ演出の有無が決定される。そして、これらの処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)が設定される。
ここで、パチンコ遊技機1においては、上記の変動パターン及び変動時間を設定するためのテーブルとして、大当たり用変動パターンテーブル、リーチ用変動パターンテーブル、及びハズレ用変動パターンテーブルが用意されている。大当たり用変動パターンテーブルは、特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合に用いられるテーブルである。リーチ用変動パターンテーブルは、特別図柄判定の判定結果がハズレとなる場合であって、リーチ有り演出が行われる場合に用いられるテーブルである。ハズレ用変動パターンテーブルは、特別図柄判定の判定結果がハズレとなる場合であって、リーチ無し演出が行われる場合に用いられるテーブルである。
図20は、変動時間を設定するために用いられるハズレ用変動パターンテーブルの一例を示す図である。始動口入賞時に取得された大当たり乱数に基づいてハズレであると判定され、かつ、この大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数に基づいて、リーチ無し演出が選択された場合、ハズレ用変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが選択される。
図20に例示されるように、ハズレ用変動パターンテーブルでは、時短の有無(時短状態かそれとも非時短状態か)と、当該変動開始時における特別図柄判定の保留数(第1特別図柄判定の保留数と第2特別図柄判定の保留数との合計保留数)と、特別図柄の変動パターン及び変動時間とが対応付けられている。このハズレ用変動パターンテーブルを参照することによって、特別図柄の変動パターン及び変動時間は、上記時短の有無、及び、上記保留数に基づいて設定される。
具体的には、非時短状態において特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させる場合において、特別図柄判定の保留数が「0」〜「3」のいずれかである場合には特別図柄の変動時間が15秒である変動パターンAが選択され、保留数が「4」である場合には変動時間が10秒である変動パターンBが選択され、保留数が「5」である場合には変動時間が8秒である変動パターンCが選択され、保留数が「6」である場合には変動時間が5秒である変動パターンDが選択され、保留数が「7」である場合には変動時間が3秒である変動パターンEが選択される。なお、特別図柄の変動表示を開始する時点では、保留数は1減算されるので、最大の8であることはあり得ない。そのため、上記テーブルにおいては、保留数は0〜7として設定されている。
上記テーブルによって特別図柄の変動時間が設定される場合、変動開始の直前に保留数が4以下であった場合には、(変動開始時に保留数が1減算されて0〜3となるため)変動時間が15秒に設定されるのに対して、変動開始の直前に保留数が5以上であった場合には、変動時間が15秒よりも短く設定される。
また、時短状態において特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させる場合には、特別図柄判定の保留数が「0」〜「3」のいずれかである場合には特別図柄の変動時間が6秒である変動パターンFが選択され、保留数が「4」である場合には変動時間が4秒である変動パターンGが選択され、保留数が「5」である場合には変動時間が4秒である変動パターンHが選択され、保留数が「6」である場合には変動時間が2秒である変動パターンIが選択され、保留数が「7」である場合には変動時間が2秒である変動パターンJが選択される。
上記テーブルによって特別図柄の変動時間が設定される場合、変動開始の直前に保留数が4以下であった場合には、(変動開始時に保留数が1減算されて0〜3となるため)変動時間が6秒に設定されるのに対して、変動開始の直前に保留数が5以上であった場合には、変動時間が6秒よりも短く設定される。
上記のように、大当たりではないと判定され、かつ、リーチ演出を行わないと判定された場合には、特別図柄の変動時間は、保留消化時(当該変動開始時)における特別図柄判定の保留数に依存する。また、時短状態において、非時短状態のときに比べて、特別図柄判定の保留数が同じであったとしても、特別図柄の変動時間がより短い変動パターンが設定される。また、変動開始の直前における保留数が5以上の場合には、保留数が4以下の場合に比べて特別図柄の変動時間が短く設定される。つまり、本実施形態においては、変動開始の直前における保留数が5以上となった場合に、特別図柄の変動時間の長さが短縮されることとなる。さらに、変動開始の直前における保留数が5以上の場合には、保留数が多くなるにつれて変動時間が短くなるように、特別図柄の変動時間が設定される。
(遊技履歴を外部サーバに記憶するシステム構成)
上述のように、本実施形態においては、遊技者の携帯通信端末を用いることで、上記演出特典ポイントを含む遊技履歴の情報を外部サーバに記憶することが可能である。以下、図21を参照して、パチンコ遊技機1における遊技履歴を外部サーバに記憶するシステムの構成について説明する。図21は、携帯通信端末300とサーバ500とを含む遊技システムの構成例を示すシステム構成図である。
パチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者が所持する携帯通信端末300は、インターネットを介して、パチンコ遊技機1で行われた遊技の遊技履歴を記憶するサーバ500にアクセス可能である。ここで、「遊技履歴」は、上記の演出特典ポイントの他、演出特典ポイントによって付与された演出特典、特別図柄判定の判定結果、特別図柄の変動回数、大当たり回数、遊技状態が変更されることなく大当たりが連続して行われた回数(連チャン回数)等、遊技に関する各種の履歴を示すものであるが、必ずしもこれらすべての情報を含んでいる必要はなく、一部の情報のみを含むものであってもよい。
パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技開始操作が行われると、そのパチンコ遊技機1において遊技の履歴を示す遊技履歴情報の蓄積が開始される。そして、パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技終了操作が行われると、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間に蓄積された遊技履歴情報とサーバ500にアクセスするためのアドレス(いわゆるホームページのアドレス)とに基づいてQRコード(登録商標)が生成され、生成されたQRコードがメイン液晶表示器5に表示される。
携帯通信端末300は、例えばQRコードを読み取り可能なカメラ付き携帯電話であり、メイン液晶表示器5に表示されたQRコードを読み取り、サーバ500にアクセスする。
これに対して、サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、携帯通信端末300から遊技履歴情報を取得してその遊技履歴情報を記憶することになる。より詳細には、サーバ500は、携帯通信端末300の端末固有情報(例えば、携帯電話等であればユーザーID、以下「UID」という)を携帯通信端末300から受信し、端末固有情報毎に登録処理又は認証処理を行い、認証処理に成功すると、携帯通信端末300から受信した遊技履歴情報を記憶する。これらの処理の概念については、図22の遊技システムのシーケンスに基づいて後述する。
なお、サーバ500は、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300の画面に表示させるためのWEBサーバ501と、遊技者の登録処理及び認証処理を行うアプリケーションサーバ502と、遊技者の遊技履歴情報を記憶するデータベースサーバ503とから構成されている。なお、本実施形態ではサーバ500を3つのサーバから構成しているが、サーバ500を1つのサーバで構成したり、サーバ500に他の機能を有するサーバを含ませたりしてもよい。
次に、図22を参照して、図21で説明した遊技システムにおけるシーケンスについて説明する。ここで、図22は、遊技システムのシーケンスを示す図である。なお、図22において、左列は遊技者の行為又は遊技者が所持する携帯通信端末300が実行する処理を例示し、中央列はパチンコ遊技機1が実行する処理を例示し、右列はサーバ500が実行する処理を例示している。
携帯通信端末300を所持する遊技者は、パチンコ遊技機1における遊技を開始するに際して、演出キー27を用いて所定の遊技開始操作を行う。
所定の遊技開始操作が行われると、パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機1内に記憶している遊技履歴情報をクリアし(ステップS401)、第1QRコードを生成してメイン液晶表示器5に表示する(ステップS402)。そして、遊技履歴情報の蓄積を許可する(ステップS403)。
これに対して、遊技者は、メイン液晶表示器5に表示された第1QRコードを携帯通信端末300で読み取り、サーバ500にアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報(UID)、第1QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コード(QR識別カウンタ)を携帯通信端末300から取得し、取得した端末固有情報及び識別コードを登録するQR登録処理を行う(ステップS501)。そして、QR登録処理の結果を携帯通信端末300に表示させるための表示処理を実行する(ステップS502)。具体的には、QR登録処理における登録に成功すると成功した旨を報知する成功画像データを携帯通信端末300に送信し、QR登録処理における登録に失敗すると失敗した旨を報知する失敗画像データを携帯通信端末300に送信する。
遊技者は、携帯通信端末300に成功画像データが表示されたことを確認してから、ハンドル20を回転させて遊技を開始する。これに対して、パチンコ遊技機1は、特別図柄判定、特別図柄の変動表示、大当たり遊技、各種演出などの遊技処理を行う(ステップS404)。パチンコ遊技機1は、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間、上記ステップS404の遊技処理に応じた遊技履歴情報を蓄積していく(ステップS405)。
遊技者は、遊技をやめるに際して、パチンコ遊技機1に対して演出キー27を用いて所定の遊技終了操作を行う。
遊技者による遊技終了操作が行われると、パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機1に記憶されている遊技履歴情報をコード化した第2QRコードを生成し、生成した第2QRコードをメイン液晶表示器5に表示させる(ステップS406)。
メイン液晶表示器5に第2QRコードが表示されると、遊技者は、携帯通信端末300を用いてその第2QRコードを読み取り、サーバ500に再びアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300から再びアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300からその端末固有情報、第2QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コードを新たに取得し、取得した端末固有情報及び識別コードが上記ステップS501の処理で登録された端末固有情報及びパチンコ遊技機1の識別コードに対応するものであるか否かを認証する(ステップS503)。そして、この認証処理における認証に成功すると、第2QRコードに含まれていた遊技履歴情報をデータベースサーバ503に蓄積する(ステップS504)。ここで、認証処理における認証に成功したときには、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300に表示させるために、遊技履歴情報に基づいて生成した遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS505)。一方、認証処理における認証に失敗したときには、認証に失敗した旨を携帯通信端末300に表示させるためのエラー画像データを携帯通信端末300に送信する。
また、遊技者は、これまでの遊技履歴情報を確認したいときには、サーバ500に直接アクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報を取得し、取得した端末固有情報がデータベースに登録されているか否かの認証を行う(ステップS506)。そして、既にデータベースに登録されている端末固有情報である場合には、その端末固有情報に対応する遊技履歴情報を表示するための遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS507)。
ここまで、遊技システムにおけるシーケンスの一例について説明したが、遊技システムにおけるシーケンスはここで説明したものに限定されるものではなく、遊技履歴情報をサーバ500に適切に蓄積することができれば、他のシーケンスで遊技履歴情報を蓄積するようにしてもよい。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
以下、図8〜図20に基づいて上述した演出に関する制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図23に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
(遊技制御基板100の構成例)
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、下側第2始動口スイッチ112、上側第2始動口スイッチ113、開閉役物制御部114、ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、表示器4を構成する各表示器41〜46、及び、盤用外部情報端子基板180が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。下側第2始動口スイッチ112は、下側第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。また、上側第2始動口スイッチ113は、上側第2始動口15に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力するものであり、本実施形態では下側第2始動口スイッチ112と同一の検知信号を発信する。すなわち、本実施形態では、上側第2始動口スイッチ113において検知された信号は、下側第2始動口スイッチ112において検知された信号とみなされる。なお、本実施形態では、上側第2始動口スイッチ113によって検知された検知信号を、遊技制御基板100側で下側第2始動口スイッチ112から出力される検知信号と同等のものとして処理する一方で(すなわち、下側第2始動口12への入賞と上側第2始動口15への入賞によって何れも第2特別図柄を変動させる一方で)、入賞した第2始動口に応じて異なる演出が行われる構成であっても構わない。開閉役物制御部114は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、上側第2始動口15を開閉する。具体的には、開閉役物制御部114は、電動式開閉役物16を構成する羽根部材に、電動ソレノイドを介して駆動力を伝動し、上側第2始動口15を開閉する。ゲートスイッチ115は、遊技球がゲート17を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14a〜14dに入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、下側第2始動口スイッチ112、上側第2始動口スイッチ113、大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、下側第2始動口スイッチ112又は上側第2始動口スイッチ113からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部117によって大入賞口13を開閉させて特別遊技(大当たり遊技)を実行する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合、開閉役物制御部113によって上側第2始動口15を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜46に図6に基づいて上述した処理を実行させる。
また、パチンコ遊技機1は、不図示のホストコンピュータ(いわゆるホールコンピュータ)と通信可能に接続されており、メインCPU101は、盤用外部情報端子基板180を介して各種の情報をホストコンピュータへ送信する。なお、ホストコンピュータは、パチンコ遊技機1が設置される店舗(ホール)に設置される情報処理装置である。また、ホストコンピュータへ送信される各種の情報には、後述するエラー情報(ステップS25参照)が含まれる。
(演出制御基板130の構成例)
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
(ランプ制御基板150の構成例)
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、可動役物7、盤ランプ25、枠ランプ37、及び回転演出装置38,39の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等のそれぞれの動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等を動作させるモータの駆動を制御する。
(画像音響制御基板140の構成例)
図24は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示器5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムや各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを液晶表示器5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。本実施形態では、CGROM148には、上述した各種の操作演出において用いられる画像(静止画及び/又は動画)のデータが記憶されている。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、フレームバッファ1493などを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファ1493は、画像を描画して液晶表示器5に表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。なお、描画用のフレームバッファと表示用のフレームバッファとを個別に設けるダブルバッファ方式を採用してもよい。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。そして、VDP142は、フレームバッファ1493に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示器5に出力する。
動画を再生する場合、再生すべき動画を示す情報が演出制御基板130から画像音響制御基板140に送信される。これに対して、統括CPU141は、この情報が示す動画を指示するディスプレイリストを作成してディスプレイリスト記憶領域1491にセットする。VDP142は、CGROM148に記憶されている各種動画のムービーデータの中から、ディスプレイリストにより指示された1つのムービーデータを読み出して伸長して展開記憶領域1492に格納し、そのムービーデータを再生するための描画処理を行う。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147とが接続されている。演出音として楽曲を再生する場合、再生すべき楽曲を示す情報が演出制御基板130から画像音響制御基板140に送信される。これに対して、統括CPU141は、この情報が示す楽曲の再生を音響DSP143に指示する。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図25を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図25は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図25に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図25以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図27〜図30に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図31に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、開閉役物処理を実行する(ステップS5)。開閉役物処理では、CPU101は、ステップS4の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、開閉役物制御部114によって電動式開閉役物16の羽根部材を作動させる。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
(メインRAM103の構成例)
図26は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図26(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第5保留記憶領域1035、第6保留記憶領域1036、第7保留記憶領域1037、及び第8保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038は、特別図柄判定(第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定)に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域である。
図26(B)は、保留記憶領域に記憶される情報を示す図である。図26(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口11又は第2始動口12若しくは15に遊技球が入賞して獲得した特別図柄判定の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第1特別図柄判定の権利を30回、第2特別図柄判定の権利を30回獲得した場合、変動回数Nはこれらの回数を足し合わせた「60」となる。そして、この「60」という変動回数Nが例えば第3保留記憶領域1033に記憶された状態から更に特別図柄判定の権利が取得されると、「60」に「1」を加算した「61」という値が変動回数Nとして第4保留記憶領域1034に記憶される。なお、第1特別図柄判定の保留数U1が最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口11に新たな遊技球が入賞した場合、又は、第2特別図柄判定の保留数U2が最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口12又は15に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは、遊技球が第2始動口12又は15に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図30参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図26に基づいて説明した7つの情報は、第1始動口11又は第2始動口12若しくは15に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038のいずれにも情報が記憶されていない状態で特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに7つの情報が記憶された状態で特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
これに対して、液晶表示器5には、第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038に記憶される情報に対応する保留アイコン53が表示される保留アイコン表示領域52が設けられるとともに、判定用記憶領域1030に記憶される情報に対応する当該変動アイコン54が表示される当該領域55が設けられており、上記の情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンのシフト処理が行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12若しくは15に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を特別図柄判定の権利として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
(遊技制御基板100によるスイッチ処理)
図27は、図25のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図27に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図28に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、下側第2始動口スイッチ112又は上側第2始動口スイッチ113からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、下側第2始動口スイッチ112又は上側第2始動口スイッチ113からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図29に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
次に、メインCPU101は、エラー入賞(エラー入賞パターン)の発生を検知するための一連の処理(ステップS24〜S26)を実行する。ここで、エラー入賞パターンとは、何らかの不正によって発生すると想定される入賞パターンであり、通常では(正しく遊技を行っている場合には)発生し得ない入賞パターンである。本実施形態においては、第1始動口11に8個以上連続して遊技球が入賞する入賞パターン、及び、下側第2始動口12に8個以上連続して遊技球が入賞する入賞パターンを、エラー入賞パターンとする。
具体的には、ステップS23の処理に続いて、メインCPU101は、始動口スイッチ111〜113のいずれかが「ON」になったか否かを判定する(ステップS24)。この判定は、各始動口スイッチ111〜113からの検知信号(具体的には、始動口スイッチ111〜113が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて行われる。始動口スイッチ111〜113のいずれもが「ON」になっていないと判定した場合(ステップS24:NO)、メインCPU101は、スイッチ処理を終了する。
始動口スイッチ111〜113のいずれかが「ON」になったと判定した場合(ステップS24:YES)、メインCPU101は、エラー入賞パターンが発生したか否かを判定する(ステップS25)。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、メインCPU101は、メインRAM103に設けられる第1〜第8保留記憶領域(図26参照)にそれぞれ記憶される8つの入賞始動口情報に基づいて判定を行う。すなわち、8つの入賞始動口情報が、全て同一の始動口に係るものである場合、エラー入賞パターンが発生したと判定する。一方、上記8つの入賞始動口情報が、第1始動口11に係る情報と第2始動口12に係る情報との両方を含む場合、エラー入賞パターンが発生していないと判定する。なお、エラー入賞パターンが発生していないと判定する場合(ステップS25:NO)、メインCPU101は、スイッチ処理を終了する。
エラー入賞パターンが発生したと判定する場合(ステップS25:YES)、メインCPU101は、エラー報知処理を実行する(ステップS26)。具体的には、メインCPU101は、パチンコ遊技機1の各種演出手段を用いてエラー入賞を報知するべく、エラー報知コマンドをメインRAM103にセットする。このエラー報知コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。また、メインCPU101は、エラー入賞をホストコンピュータへ通知するべく、盤用外部情報端子基板180を介して所定のエラー報知信号をホストコンピュータへ送信する。このエラー報知信号がホストコンピュータに受信されるとホストコンピュータにおいて、パチンコ遊技機1においてエラー入賞が発生していることの報知が行われる。ステップS26の処理の後、メインCPU101は、スイッチ処理を終了する。
(遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理)
図28は、図27のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図28に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS213)。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS214〜ステップS217)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038(図26参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図23参照)や変動パターン選択処理(図32参照)に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図30に基づいて後に詳述する。
続いて、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
(遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理)
図29は、図27のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図29に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ(下側第2始動口スイッチ112又は上側第2始動口スイッチ113)からの検知信号(具体的には下側第2始動口スイッチ112又は上側第2始動口スイッチ113が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチが「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチが「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS223)。
そして、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS224〜ステップS227)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038(図26参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、これらの情報を用いた第2特別図柄判定に先立って、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理を実行する(ステップS228)。
ステップS228の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
図28及び図29に基づいて説明したように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12若しくは15を遊技球が通過すると、特別図柄判定に使用する取得情報としての大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等を取得する。
(遊技制御基板100による事前判定処理)
以下、図30を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図30は、図28のステップS218又は図29のステップS228における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図28のステップS217の処理に続いて、例えばメインRAM103に記憶されているパチンコ遊技機1の現在の遊技状態を示す遊技状態情報に基づいて、特別図柄判定において大当たりを実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態(本実施形態では確変遊技状態又は潜伏確変遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS2180)。
メインCPU101は、高確率状態であると判定した場合(ステップS2180:YES)、図28の第1始動口スイッチ処理又は図29の第2始動口スイッチ処理によって取得した特別図柄判定の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の特別図柄判定の権利に相当するかを判断する。すなわち、特別図柄判定の判定結果が確変大当たりとなって大当たり遊技が行われた後に高確率状態になると、その特別図柄判定に対応する変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから100回目の特別図柄判定の判定結果が確変当たりとなって高確率状態に移行することとなった場合、基準回数Mとして「100」というデータがメインRAM103に記憶される。この場合、パチンコ遊技機1の電源投入から101回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから1回目の特別図柄判定に相当し、110回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから10回目の特別図柄判定に相当することになる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された特別図柄判定の権利が、高確率状態に移行してから何回目の特別図柄判定に相当するかを演算する。具体的には、メインCPU101は、現在の変動回数Nから基準回数Mを減算することによって、演算値Lを算出する(ステップS2181)。
ステップS2181の処理に続いて、メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であるか否かを判定する(ステップS2182)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、この高確率遊技残余回数Kが予め「70」に設定されているので、大当たり遊技終了後の大当たり乱数に基づく大当たりか否かの判定が、70回を上限として高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。このため、メインCPU101は、ステップS2182において、演算値Lが「70」以下であるか否かを判定する。
ところで、例えば、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態)で遊技が制御されているときに3回の第1特別図柄判定の権利が保留されており、この中で最初に消化される特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合、残り2回の特別図柄判定に関して、これらの特別図柄判定が消化される前には低確率状態であったとしても、これらの特別図柄判定が実際に消化されるときには高確率状態になっている。このため、先に消化される特別図柄判定の権利の中に遊技状態を変更させる大当たりが存在するか否かを考慮して事前判定を行わなければ、正確な事前判定情報を得ることはできない。
そこで、メインCPU101は、高確率状態ではないと判定した場合(ステップS2180:NO)、又は演算値Lが高確率遊技残余回数K以下ではないと判定した場合(ステップS2182:NO)、先に消化される特別図柄判定の権利の中に当該変動開始時に(確変)大当たりであると判定されることになるものがあるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS214〜ステップS217の処理で例えば第4保留記憶領域1034に各種乱数を格納した場合、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033に大当たりに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であると判定した場合(ステップS2182:YES)、又は先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがある場合(ステップS2184:YES)、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
また、メインCPU101は、先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがないと判定した場合(ステップS2184:NO)、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2186)。
次に、メインCPU101は、ステップS2185又はステップS2186の処理によってメインRAM103にセットされた大当たり乱数テーブルを参照して、大当たりか否かを判定する(ステップS2187)。具体的には、メインRAM103に高確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この高確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。また、メインRAM103に低確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この低確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2187の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否かを判断する(ステップS2189)。ここで、当該変動開始時に大当たりと判定されると判断した場合(ステップS2189:YES)、大当たり用の図柄決定テーブルをメインROM102からメインRAM103に読み出してセットし(ステップS2190)、ステップS215の処理で取得した図柄乱数が、この図柄決定テーブルに格納されているどの大当たりに対応する図柄乱数と一致するかに基づいて、大当たりの種類を特定する(ステップS2191)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定され、大当たりであると事前判定された場合には大当たりの種類も事前判定される。
次に、メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2192)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2189:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2193)。具体的には、ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2193:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2194)。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、当該変動中の変動パターンを特定する(ステップS2195)。具体的には、ステップS217の処理で取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2195の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2193:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第8保留記憶領域1038のいずれかに格納する(ステップS2196)。具体的には、一連の処理としてステップS2187の判定処理、ステップS2191の特定処理、及びステップS2195の特定処理を行っている場合には、これらの処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2187の判定処理を行った後にステップS2191の特定処理とステップS2195の特定処理とを行っていない場合には、ステップS2187の判定結果を示す情報等を、ステップS2187の判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
なお、ここでは第1特別図柄判定に係る事前判定処理について説明したが、第2特別図柄判定に係る事前判定処理(図29のステップS228の処理)も、事前判定処理に使用される乱数値が異なる点などを除いて、第1特別図柄判定に係る事前判定処理と同様に行われる。
(遊技制御基板100による特別図柄処理)
次に、図31を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図31は、図25のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図31に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理へと処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、RAM103を参照して第1特別図柄判定の保留数U1と第2特別図柄判定の保留数U2との和が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。U1とU2の和が「1」以上でないと判定した場合(ステップS303:NO)、後述するステップS322へと処理を進める。
一方、CPU101は、U1とU2の和が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS304)。具体的には、第1保留記憶領域1031に記憶されている情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報を第1保留記憶領域1031側にシフトさせる。
ステップS304に続いて、CPU101は、U1又はU2を「1」だけ減算する(ステップS305)。具体的には、ステップS304で判定用記憶領域1030へシフトされた情報に含まれる入賞始動口情報が第1始動口11への入賞を示す場合は、U1を「1」だけ減算し、ステップS304で判定用記憶領域1030へシフトされた情報に含まれる入賞始動口情報が第2始動口12又は15への入賞を示す場合は、U2を「1」だけ減算する。
ステップS305の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)が判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図32に基づいて後に詳述する。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS308の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、ステップS309の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS308〜ステップS310の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS308〜ステップS310の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS312)。この客待ちフラグは、パチンコ遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、特別図柄判定の権利が保留されておらず且つ特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が再び開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS312:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS313)。そして、このステップS313の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS312:NO)、ステップS311における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS314)。
メインCPU101は、ステップS314の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS314における変動時間の計測開始から、ステップS309の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示器5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS308の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(本実施形態では1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS314の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
一方、メインCPU101は、U1とU2の和が「1」以上でないと判定した場合(ステップS303:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS322)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS322:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS322:NO)、パチンコ遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS323)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS324)。この客待ちコマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
(遊技制御基板100による大当たり判定処理)
図32は、図31のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12若しくは15に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3082:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS215又はステップS225の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3083)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3084)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
(遊技制御基板100による変動パターン選択処理)
図33は、図31のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図31のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3092)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3095)。ステップS3095の処理においては、図20に示すテーブルが用いられる結果、保留数が4以上の場合には、保留数が3以下の場合に比べて短くなるように、特別図柄の変動時間が設定されることになる。
続いて、メインCPU101は、ステップS3092の処理、ステップS3094の処理、又はステップS3095の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3096)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3097)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
(遊技制御基板100による停止中処理)
図34は、図31のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図34に例示されるように、ステップS3092の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグである。確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に設定する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定する場合には、確変遊技フラグが「ON」に設定されて時短遊技フラグが「OFF」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に設定する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3193の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3194)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技のラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示す情報等を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3197)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。
メインCPU101は、ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3201)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3201:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3202)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3202の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3203)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3203:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3204)。
このステップS3204の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3201:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3203:NO)、又はステップS3194の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
(遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理)
次に、図35は、図25のステップS6における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS3192でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、メインCPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、メインCPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、メインCPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、R(大当たり遊技におけるラウンド数を示す)に「0」を設定するとともに、Rmaxの値、大入賞口13の開放パターン等を設定する(ステップS604)。
ここで、大当たり図柄によって、Rmaxの値、および開放される大入賞口が異なる。例えば、大当たり図柄AやFの場合は、Rmaxに16が設定され、大入賞口13が開放される。また、大当たり図柄BやGの場合は、Rmaxに4が設定され、大入賞口13が開放される。
ステップS604に続いて、メインCPU101は、Rに「1」を加算してメインRAM103に保存する(ステップS605)。次に、メインCPU101は、ステップS604で設定した開放パターンに基づいて大入賞口13の開放制御を開始し(ステップS606)、ラウンドの開始を示すラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS607)。ステップS607の処理の後、メインCPU101は、次にステップS611の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、メインCPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS608)。エンディング中であれば(ステップS608:YES)、メインCPU101は、次にステップS617の処理を実行する。エンディング中でなければ(ステップS608:NO)、メインCPU101は、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル中か否かを判定する(ステップS609)。インターバル中である場合(ステップS609:YES)、メインCPU101は、インターバル時間が経過したか否かを判定し(ステップS610)、経過していれば(ステップS610:YES)、次にステップS605の処理を実行する。インターバル時間が経過していない場合は(ステップS610:NO)、メインCPU101は、大入賞口処理を終了する。
一方、インターバル中でない場合(ステップS609:NO)、すなわち、ラウンド遊技中である場合、メインCPU101は、ラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS611)。ラウンド終了条件が成立していない場合(ステップS611:NO)、メインCPU101は、大入賞口処理を終了する。
ここで、ラウンド終了条件は、例えば、ステップS606でこのラウンドの大入賞口の開放制御を開始してから例えば29.5秒が経過したこと、又は、ステップS606でこのラウンドの大入賞口の開放制御を開始してからの遊技球の大入賞口への入賞数が所定値になったことである。メインCPU101は、この2つの条件のうちの何れかの条件が満たされた場合、ラウンド終了条件が成立したと判定する。また、ラウンド終了条件の別の例では、このラウンドの大入賞口の開放制御を開始してから例えば0.1秒が経過したことである。
ラウンド終了条件が成立している場合(ステップS611:YES)、メインCPU101は、このラウンドにおける大入賞口の開放制御を終了する(ステップS612)。続いて、メインCPU101は、RがRmaxと等しいか否かを判定する(ステップS613)。すなわち、メインCPU101は、現在のラウンドがステップS604で設定した最大ラウンド数と等しいか否かを判定する。
RがRmaxと等しくないと判定した場合(ステップS613:NO)、メインCPU101は、インターバル時間の計測を開始し(ステップS614)、その後、大入賞口処理を終了する。
RがRmaxと等しいと判定した場合(ステップS613:YES)、メインCPU101は、エンディングを開始し(ステップS615)、エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS616)。
メインCPU101は、ステップS616の処理を行った場合、またはステップS608の処理でYESと判定した場合、ステップS615でエンディングを開始してから予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS617)。エンディング時間が経過していれば(ステップS617:YES)、メインCPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS618)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS618の遊技状態設定処理の後、メインCPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS619)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、ステップS617の処理でNOと判定した場合、ステップS610の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS614の処理を実行した場合、または、ステップS619の処理を実行した場合、メインCPU101は、図35に示す大入賞口処理を終了する。
(遊技制御基板100による遊技状態設定処理)
図36は、図35のステップS618の遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS6181)。続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kに例えば「70」を設定する(ステップS6182)。なお、大当たり図柄に応じて確変遊技フラグのON/OFFが設定されてもよい。
ステップS6182の処理の後、メインCPU101は、遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定するか否かを判定する(ステップS6183)。すなわち、大当たり図柄が上述の図柄Eであった場合には、遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定すると判定される。遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定すると判定した場合(ステップS6183:YES)、メインCPU101は、遊技状態設定処理を終了する。
一方、遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定しない(すなわち、確変遊技状態に設定する)と判定した場合(ステップS6183:YES)、メインCPU101は、時短遊技フラグをONに設定する(ステップS6184)。その後、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jに例えば「70」を設定する(ステップS6185)。
ステップS6185の処理を実行した場合、メインCPU101は、図36に示す遊技状態設定処理を終了する。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図37を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図37は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図37に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図37以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図38〜図42に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び演出キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示器5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、可動役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
ステップS14の処理に続いて、サブCPU131は、客待ち処理を実行する(S15)。客待ち処理は、パチンコ遊技機1が客待ち状態において、客待ち演出の実行等を管理するための処理である。この客待ち処理については、図42に基づいて後に詳述する。
(演出制御基板130によるコマンド受信処理)
図38は、図37のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図38に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、コマンド受信処理を終了してステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、そのコマンドがステップS219(図28参照)又はステップS229(図29参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS102:NO)、後述するステップS104に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS103)。この保留コマンド受信処理については、図39に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS102:NO)、そのコマンドがステップS310(図31参照)の処理に応じて送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS104:NO)、後述するステップS106に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS104:YES)、変動演出開始処理を実行する(ステップS105)。この変動演出開始処理については、図40に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS104:NO)、そのコマンドがステップS316(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS106)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS106:YES)、図柄確定時処理を実行する(ステップS107)。この図柄確定時処理については、図41に基づいて後に詳述する。
受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS106:NO)、サブCPU131は、そのコマンドがステップS26(図27参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたエラー報知コマンドであるか否かを判定する(ステップS108)。サブCPU131は、エラー報知コマンドであると判定した場合(ステップS108:YES)、エラー報知実行コマンドをサブRAM133にセットする。このエラー報知実行コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によってエラー報知が行われる。
受信したコマンドがエラー報知コマンドではないと判定した場合(ステップS108:NO)、サブCPU131は、遊技制御基板100から送信されたその他のコマンドに応じた処理を実行する(ステップS110)。ここで、その他のコマンドとは、例えば、ステップS3194(図34参照)に応じて送信されるオープニングコマンドや、ステップS607(図35参照)に応じて送信されるラウンド開始コマンドや、ステップS616(図35参照)に応じて送信されるエンディングコマンドがある。オープニングコマンドを受信した場合、サブCPU131は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出を開始したり、大当たり遊技中に行われる大当たり演出を大当たりの種類等に応じて決定したりするための処理を実行する。ラウンド開始コマンドを受信した場合、サブCPU131は、ラウンド開始時に行う演出(例えば、ラウンド数を表す表示の更新等)を行うための処理を実行する。エンディングコマンドを受信した場合、サブCPU131は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を行うための処理を実行する。具体的には、サブCPU131は、これらの演出を画像音響制御基板140やランプ制御基板150に行わせるためのコマンドをサブRAM133にセットする。このコマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によってコマンドに応じた演出が実行される。
サブCPU131は、上記ステップS103,S105,S107,109,及びS110の処理の後、コマンド受信処理を終了する。
(演出制御基板130による保留コマンド受信処理)
図39は、図38のステップS103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。図39に例示されるように、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS1031)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、受信した保留コマンドが第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS1031の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1032)。この先読み演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を先読み演出乱数として取得する。
ステップS1032の処理に続いて、サブCPU131は、受信した保留コマンドを解析する(ステップS1033)。すなわち、サブCPU131は、保留コマンドに含まれる情報から、解析対象となった保留は、第1始動口に係るものか、あるいは、第2始動口に係るものか、さらに大当たりであるか否か、大当たりである場合には大当たりの図柄は何か、ハズレである場合にはリーチ演出を行うか否か、変動パターンは如何なるものか、等の判定を行う。
ステップS1033の処理に続いて、サブCPU131は、保留増加コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1034)。保留増加コマンドは、画像音響制御基板140に保留数が増加したことを通知するコマンドであり、保留に係る特別図柄判定が第1特別図柄判定であるか第2特別図柄判定であるかを示す情報や、保留変化に関する情報を含む。保留変化に関する情報とは、上記の事前判定情報に基づいて保留アイコンの表示形態を指定する情報や、保留アイコンの表示形態を変化させる変化パターンを指定する情報である。保留変化に関する情報に従って、保留アイコンは、通常とは異なる表示形態で表示されたり、表示中の適宜のタイミングで表示形態を変化させたりすることがある。上記ステップS1036の終了後、サブCPU131は保留コマンド受信処理を終了する。
(演出制御基板130による変動演出開始処理)
図40は、図38のステップS105における変動演出開始処理の詳細フローチャートである。図40に例示されるように、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1051)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1052)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS1053)。
図には示されていないが、サブROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS1051の処理によって取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ成立のタイミング、リーチ演出が発展するか否か、リーチ演出が発展する場合にはどのリーチ演出からどのリーチ演出に発展するか等が決定される。
また、上記ステップS1053の処理において、サブCPU131は、装飾図柄の変動演出中に実行される各種予告演出の演出パターンを設定する。予告演出パターンの設定処理は、公知な処理であるため、ここでの詳細な説明は省略するが、予告演出パターンの設定処理が実行されることにより、各種予告演出を実行するか否か、各種予告演出を実行する場合にはそれらの実行タイミング等が決定される。例えば、擬似連続予告演出については、擬似連続予告演出を実行するか否か、擬似連続予告演出を実行する場合には何連目まで発展させるか等が決定される。
ステップS1053の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1053の処理で設定した変動演出パターンの変動演出の開始と、予告演出パターンの予告演出の実行とを指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1054)。この変動演出開始コマンドは、ステップS1053の処理によって設定された変動演出パターンと予告演出パターンとを示す情報を含むものであり、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出及びこれに伴う予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS1054の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS1055)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
ステップS1055の処理に続いて、サブCPU131は、ゾーン演出の実行を開始するか否かを判定する(ステップS1056)。ゾーン演出を実行するか否かは、現時点での保留に係る事前判定情報に基づいて判定される。具体的には、サブCPU131はまず、ゾーン演出の実行条件を満たすか否かを解析結果に基づいて判定する。ゾーン演出の実行条件は、事前判定情報から判別可能な任意の条件であるが、例えば、保留に係る特別図柄判定が大当たりであるか、あるいは、ハズレであっても特定のリーチ演出(例えばSPSPリーチ等)が行われることである。これによれば、保留に係る特別図柄判定が大当たりと判定される場合や、ハズレであっても特定のリーチ演出が行われる場合にゾーン演出が実行される可能性があり、ハズレであってリーチ演出が行われない場合等にはゾーン演出が実行されないこととなる。また、現時点でゾーン演出を実行中である場合には、サブCPU131は、ゾーン演出が重複することを防止するべく、ゾーン演出の実行条件が満たされないと判定する。
ゾーン演出の実行条件を満たすと判定した場合、サブCPU131はさらに、演出乱数を用いて所定の抽選を行って、当該抽選結果に基づいて、ゾーン演出を実行するか否かを決定する。具体的には、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新されるゾーン演出判定用の演出乱数に関して、上記ステップS1051の処理と同様に、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておく。そして、取得された乱数値がサブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、ゾーン演出を実行するか否かを決定する。
ゾーン演出の実行を開始すると判定した場合(ステップS1056:YES)、サブCPU131は、ゾーン演出の内容を決定する(ステップS1057)。具体的には、ゾーン演出の内容として、(a)弱ゾーン演出が第1弱ゾーン演出であるか第2弱ゾーン演出であるか、(b)昇格可能か否か、(c)強ゾーン演出が第1強ゾーン演出であるか第2強ゾーン演出であるか、等が決定される。
上記「(a)弱ゾーン演出が第1弱ゾーン演出であるか第2弱ゾーン演出であるか」は、上記解析結果及び上記先読み演出乱数に基づいて決定される。すなわち、保留に係る特別図柄判定が第2始動口に係るものである場合には第1弱ゾーン演出を行うと決定され、保留に係る特別図柄判定が第1始動口に係るものである場合には、上記先読み演出乱数を用いた抽選によって、第1弱ゾーン演出を実行するか第2弱ゾーン演出を実行するかが決定される。
上記「(b)昇格可能か否か」は、例えば、上記先読み演出乱数を用いた抽選によって決定される。なお、「(b)昇格可能か否か」は、上記解析結果に基づいて決定されてもよい。例えば、大当たりである場合や、特定のリーチ演出が行われるには昇格可能であると決定されてもよい。
上記「(c)強ゾーン演出が第1強ゾーン演出であるか第2強ゾーン演出であるか」は、上記解析結果に基づいて決定される。すなわち、保留に係る特別図柄判定が第1始動口に係るものである場合には、第2強ゾーン演出を実行すると決定され、保留に係る特別図柄判定が第2始動口に係るものである場合には、第1強ゾーン演出を実行すると決定される。
ステップS1057の処理に続いて、サブCPU131は、ゾーン演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1058)。ゾーン演出開始コマンドは、上記ステップS1057で決定された、ゾーン演出の内容を示す情報を含む。このゾーン演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によってゾーン演出が開始される。
なお、上記のように、本実施形態においては、ゾーン演出開始コマンドと変動演出開始コマンドとは別々に送信される。ただし、本実施形態のようにゾーン演出の開始タイミングが変動演出の開始タイミングと同じである場合には、演出制御基板130は、ゾーン演出開始コマンドの内容を変動演出開始コマンドに含めて送信してもよい。すなわち、ステップS1058においては、サブCPU131は、ステップS1054でセットされた変動演出開始コマンドの内容(背景画像やBGMに関する内容)を変更するようにしてもよい。
ゾーン演出の実行を開始しないと判定した場合(ステップS1056:NO)、又は、上記ステップS1058の処理を実行した場合、サブCPU131は、今回受信した変動開始コマンドに係る変動期間(当該変動期間)が、ゾーン演出を終了する変動期間であるか否かを判定する(ステップS1059)。この判定処理は、当該変動期間が、ゾーン演出の先読み対象に係る特別図柄変動に対応する変動期間であるか否かを判定する処理である。
当該変動期間がゾーン演出を終了する変動期間であると判定した場合(ステップS1059:YES)、サブCPU131は、昇格タイミング設定コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1060)。この昇格タイミング設定コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることによって、画像音響制御基板140において昇格タイミングが設定され、昇格タイミングが到来した場合に一定条件下で昇格演出が行われる。
当該変動期間がゾーン演出を終了する変動期間でないと判定した場合(ステップS1059:NO)、又は、上記ステップS1060の処理の終了後、サブCPU131は変動演出開始処理を終了する。
(演出制御基板130による図柄確定時処理)
図41は、図38のステップS107における図柄確定時処理の詳細フローチャートである。図41に例示されるように、サブCPU131は、変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1071)。変動演出終了コマンドは、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄を停止表示する処理の実行を指示するためのコマンドである。この変動演出終了コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄が液晶画面に停止表示されることになる。
ステップS1071の処理に続いて、サブCPU131は、今回受信した変動開始コマンドに係る変動期間(当該変動期間)が、ゾーン演出を終了する変動期間であるか否かを判定する(ステップS1072)。ステップS1072の判定処理は、上記ステップS1059の判定処理と同様の判定処理であり、上記ステップS1059と同様の方法で判定を行うことができる。
当該変動期間がゾーン演出を終了する変動期間であると判定した場合(ステップS1072:YES)、サブCPU131は、ゾーン演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1073)。このゾーン演出終了コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150においてそれまで実行されていたゾーン演出が終了することになる。
当該変動期間がゾーン演出を終了する変動期間でないと判定した場合(ステップS1072:NO)、又は、上記ステップS1073の処理の終了後、サブCPU131は図柄確定時処理を終了する。
(演出制御基板130による客待ち処理)
図42は、図37のステップS15における客待ち処理の詳細フローチャートである。図42に例示されるように、サブCPU131は、客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS150)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信してから客待ち演出を開始させた後に変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、客待ち演出中であるか否かを判定する。ここで、客待ち演出中であると判定された場合(ステップS150:YES)、サブCPU131は客待ち処理を終了する。
一方、客待ち演出中ではないと判定した場合(ステップS150:NO)、サブCPU131は、ステップS323(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS151)。ここで、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS151:YES)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始し(ステップS152)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS153)。この計測フラグは、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを示すフラグである。
客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS151:NO)、サブCPU131は、計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS154)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS154:NO)、サブCPU131は客待ち処理を終了する。
計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS154:YES)、又はステップS153の処理を実行した場合、サブCPU131は、経過時間の計測を開始してから予め設定された設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS155)。具体的には、ステップS152の処理で計測を開始した経過時間が設定時間(例えば30秒)に達したか否かを判定する。ここで、設定時間が経過していないと判定された場合(ステップS155:NO)、サブCPU131は客待ち処理を終了する。
経過時間の計測を開始してから設定時間が経過したと判定した場合(ステップS155:YES)、サブCPU131は、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS156)、経過時間をリセットし(ステップS157)、客待ち演出の実行開始を指示する客待ち演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS158)。この客待ち演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、例えば、枠ランプ25や盤ランプ37を消灯させ、消音状態で液晶表示器5において、デモ動画が表示されたり、遊技者が演出に関して所定の設定操作を行うためのメニュー画面が表示されたりする。詳細は後述するが、上述したQRコードはこのメニュー画面上で所定の操作(上述の遊技開始操作又は遊技終了操作)を行うことで表示される。
[画像音響制御基板140による画像音響制御処理]
次に、画像音響制御基板140によって実行される画像音響制御処理について説明する。図43及び図44は、画像音響制御処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図43に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図43に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPU141はまず、演出制御基板130から送信された保留増加コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS701)。ここで、保留増加コマンドを受信したと判定した場合(ステップS701:YES)、液晶表示器5に保留アイコン53(図8参照)を1つ追加して表示する(ステップS702)。このとき、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている保留数の情報を1増加して更新する。一方、保留増加コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS701:NO)、後述するステップS711へ処理が進められる。
ステップS702の処理に続いて、統括CPU141は、ゾーン演出中であるか否かを判定する(ステップS703)。ゾーン演出中であると判定した場合(ステップS703:YES)、統括CPU141は、保留数が最大(ここでは8)となったか否かを判定する(ステップS704)。ステップS703及びS704の処理は、ゾーン演出中に保留に関する保留条件(より具体的には保留の増加に関する条件)が満たされたか否かを判定する処理である。詳細は後述するが、この保留条件が満たされたことを少なくとも条件として、ゾーン演出の昇格演出が行われる。
保留数が最大となったと判定した場合(ステップS704:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている昇格演出フラグを「ON」に設定する(ステップS705)。昇格演出フラグは、上記保留条件が満たされたか否かを示すフラグである。詳細は後述するが、昇格タイミングにおいて昇格演出フラグが「ON」に設定されている場合、昇格演出が実行されることになる。
ゾーン演出中でないと判定した場合(ステップS703:NO)、保留数が最大となっていないと判定した場合(ステップS704:NO)、又は、上記ステップS705の処理を実行した場合、統括CPU141は、エラー報知実行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS706)。エラー報知実行コマンドを受信したと判定した場合(ステップS706:YES)、統括CPU141は、エラー報知を行う(ステップS707)。エラー報知の具体的な方法は任意であるが、本実施形態においては、統括CPU141は、エラーが発生していることを液晶表示器5において表示するとともに、「入賞口エラーです」といった音声と、所定のエラー報知音とを最大音量でスピーカ24から出力する。
なお、上記エラー報知実行コマンドは、演出制御基板130からランプ制御基板150へも送信されている。そのため、画像音響制御基板140によって液晶表示器5及びスピーカ24を用いたエラー報知が行われるのと同じタイミングで、ランプ制御基板150によってもエラー報知が行われる。具体的には、エラー報知実行コマンドを受信すると、ランプ制御基板150は、枠ランプ37を所定のエラー報知態様で(例えば、枠ランプ37を赤く点滅させる態様で)点灯する。
エラー報知実行信号を受信していないと判定した場合(ステップS706:NO)、又は、上記ステップS707の処理を実行した場合、統括CPU141は、レア入賞パターンが発生したか否かを判定する(ステップS708)。上記のように、演出制御基板130から送信されてくる保留増加コマンドには、保留に係る特別図柄判定が第1始動口に係るものか、あるいは、第2始動口に係るものかを示す入賞始動口情報が含まれている。統括CPU141は、入賞始動口情報を制御用RAM145に記憶しておき、前回に受信した保留増加コマンドに含まれる入賞始動口情報と、今回に受信した保留増加コマンドに含まれる入賞始動口情報とを比較し、両者が同じ始動口に係るものである場合、レア入賞パターンが発生したと判定する。一方、両者が異なる始動口に係るものである場合、レア入賞パターンは発生していないと判定する。
レア入賞パターンが発生したと判定した場合(ステップS708:YES)、統括CPU141は、レア入賞パターンに応じた分の演出特典ポイントを加算する(ステップS709)。そして、演出特典ポイントが加算されたことを通知するべく、加算後の演出特典ポイントを示すポイント画像56(図8参照)を液晶表示器5に表示する(ステップS710)。
以上のように、パチンコ遊技機1は、レア入賞パターンを検知し(ステップS708)、レア入賞パターンが検知されたことに応じて、演出特典(演出特典ポイント)を付与する(ステップS709)。したがって、例えば図15に示すような入賞パターンが発生したことに応じて、演出特典が付与されることになる。
なお、上述したように、パチンコ遊技機1は、レア入賞パターンの他、エラー入賞パターンを検知し(図27に示すステップS25)、エラー入賞パターンが検知されたことに応じて、エラー報知を行う(図27に示すステップS25、図43に示すステップS707)。このように、本実施形態においては、レア入賞パターンを検知したことに応じて演出特典を遊技者に付与する一方、エラー入賞パターンを検知したことに応じてエラー報知を行う。これによれば、通常では発生しにくい入賞パターン(レア入賞パターン)に対して演出特典を付与することができるとともに、正しく遊技を行っていれば発生し得ない入賞パターンに対してはエラー報知を行うことができる。つまり、レア入賞パターンに対する特典付与によって遊技の興趣性を向上することができるとともに、エラー入賞パターンを不正として検知することができる。
ここで、本実施形態においては、レア入賞パターンは、同じ始動口への入賞が2個連続する入賞パターンであるのに対して、エラー入賞パターンは、同じ始動口への入賞が8個連続する入賞パターンである。つまり、エラー入賞パターンは、レア入賞パターンが発生したことを少なくとも条件として発生する入賞パターンである。換言すれば、レア入賞パターンは、エラー入賞パターンよりも発生しやすい入賞パターンである。したがって、エラー入賞パターンを検知する前にレア入賞パターンを検知することになるので、不正を行っていない遊技者に対してレア入賞パターンによる特典を付与することができるとともに、不正が行われた場合には不正を報知することができる。
なお、本実施形態においては、エラー入賞パターンは、レア入賞パターンが発生したことを少なくとも条件として発生する入賞パターンとしたが、他の実施形態においては、エラー入賞パターンは、レア入賞パターンとは異なる任意の入賞パターンであってよい。
保留増加コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS701:NO)、レア入賞パターンが発生していないと判定した場合(ステップS708:YES)、又は、ステップS710の処理を実行した場合、統括CPU141はステップS711の処理を実行する。すなわち、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。
変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、統括CPU141は、受信した変動演出開始コマンドに含まれる情報、及びディスプレイリスト作成テーブルに基づいて変動演出の表示内容を設定する(ステップS712)。そして、設定した内容の変動演出の実行を液晶表示器5に開始させる(ステップS713)。さらに、統括CPU141は、液晶表示器5に保留アイコン53が表示されている場合、保留アイコン53を当該領域55の側へシフトさせる表示を液晶表示器5に行わせる(ステップS714)。なお、ステップS714の処理において、液晶表示器5に保留アイコン53が表示されていない場合には、当該領域55に当該変動アイコン54を表示させる処理が実行される。
変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS711:NO)、又は、ステップS714の処理を実行した場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信されたゾーン演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS715)。ゾーン演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS715:YES)、統括CPU141は、ゾーン演出(弱ゾーン演出)の実行を開始する(ステップS716)。ここで、ゾーン演出開始コマンドには、ゾーン演出の内容を示す情報が含まれているので、統括CPU141はこの情報に基づいてゾーン演出の実行を開始する。これによって、液晶表示器5に表示される背景画像やスピーカ24から出力される演出音(BGM)がゾーン演出に応じたものに変更される等の演出が開始される。なお、このとき実行される弱ゾーン演出の種類(第1弱ゾーン演出或いは第2弱ゾーン演出)を示す情報はゾーン演出開始コマンドに含まれているので、いずれの弱ゾーン演出を実行するかはゾーン演出開始コマンドに基づいて決定される。
ゾーン演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS715:NO)、又は、ステップS716の処理を実行した場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された昇格タイミング設定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS717)。昇格タイミング設定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS717:YES)、統括CPU141は、昇格タイミングを設定する(ステップS718)。ここで、上述のように、昇格タイミングは、ゾーン演出の先読み対象に係る図柄変動の変動開始から予め定められた所定時間が経過したタイミング(図10参照)であり、昇格タイミング設定コマンドが受信されるタイミングは、この変動開始のタイミング(つまり、ステップS1716が実行される時点)である(ステップS1059,S1060参照)。したがって、ステップS1060において、統括CPU141は、現時点から上記所定時間経過後の時点を示す情報を昇格タイミングとして制御用RAM145に記憶しておく。
昇格タイミング設定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS717:NO)、又は、ステップS718の処理を実行した場合、統括CPU141は、昇格タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS719)。すなわち、上記ステップS718によって制御用RAM145に昇格タイミングが設定されており、かつ、現在時点がこの昇格タイミングの時点となった場合、昇格タイミングが到来したと判定する。一方、制御用RAM145に昇格タイミングが設定されていない場合、又は、現在時点がこの昇格タイミングの時点となっていない場合、昇格タイミングは到来していないと判定する。
昇格タイミングが到来したと判定した場合(ステップS719:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている昇格演出フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS720)。昇格演出フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS720:YES)、統括CPU141は、昇格演出の実行を開始する(ステップS721)。すなわち、上述の第1ボタン示唆画像63(図12参照)を液晶表示器5に表示させる。なお、本実施形態においては、弱ゾーン演出に対応する背景画像の上に第1ボタン示唆画像63が重ねて表示されるものとする。また、ステップS721において、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている昇格タイミングを消去する。
昇格タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS719:NO)、又は、昇格演出フラグが「ON」でない(すなわち「OFF」である)と判定した場合(ステップS720:NO)、又は、上記ステップS721の処理を実行した場合、統括CPU141はステップS722の処理を実行する。すなわち、統括CPU141は、上記第1ボタン示唆画像63の表示中であるか否かを判定する(ステップS722)。そして、第1ボタン示唆画像63の表示中であると判定した場合(ステップS722:YES)、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS723)。操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS723:YES)、統括CPU141は、昇格演出を成功させるか否かを判定する(ステップS724)。ここで、昇格演出が成功するか失敗するかを示す情報はゾーン演出開始コマンドに含まれているので、統括CPU141は、ゾーン演出開始コマンドに基づいてステップS725の判定を行う。
昇格演出を成功させると判定した場合(ステップS724:YES)、統括CPU141は、第1ボタン示唆画像63を消去すると共に昇格演出が成功したことを示唆する演出(図13参照)を実行し、続いて強ゾーン演出の実行を開始する(ステップS725)。すなわち、昇格演出が成功したことを示唆する演出が実行された後、それまで表示されていた弱ゾーン演出に対応する背景画像に代えて、強ゾーン演出に対応する背景画像が表示される。また、それまで出力されていた弱ゾーン演出に対応する演出音(BGM)に代えて、強ゾーン演出に対応する演出音(BGM)がスピーカ24から出力される。なお、このとき実行される強ゾーン演出の種類(第1強ゾーン演出或いは第2強ゾーン演出)を示す情報はゾーン演出開始コマンドに含まれているので、いずれの強ゾーン演出を実行するかはゾーン演出開始コマンドに基づいて決定される。
一方、操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS723:NO)、統括CPU141は、第1ボタン示唆画像63の表示を終了するか否かを判定する(ステップS726)。上述のように、第1ボタン示唆画像63は、上記昇格タイミングから予め定められた所定時間が経過するまでの間に表示される。したがって、ステップS723の判定処理においては、昇格タイミングからこの所定時間が経過したか否かを判定する。
一方、第1ボタン示唆画像63の表示を終了すると判定した場合(ステップS726:YES)、又は、昇格演出を成功させない(すなわち、失敗させる)と判定した場合(ステップS724:NO)、統括CPU141は、第1ボタン示唆画像63を消去すると共に昇格演出が失敗したことを示唆する演出を実行することによって、昇格演出を終了する(ステップS727)。これによって、昇格演出の終了後に元の弱ゾーン演出が再開されることにとなる。
以上のように、本実施形態においては、昇格タイミングが到来した時点で昇格演出フラグが「ON」である場合(すなわち、ゾーン演出の実行中に保留条件が満たされた場合)に、昇格演出が実行される(図9、図10(A)、及び図44のステップS721参照)。一方、昇格タイミングが到来した時点で昇格演出フラグが「OFF」である場合(すなわち、ゾーン演出の実行中に保留条件が満たされなかった場合)、昇格演出は実行されない(図9及び図10参照)。また、昇格演出が実行されない場合には、強ゾーン演出への昇格は行われないことになる(図10(B)参照)。そして、昇格演出が成功した場合には、弱ゾーン演出から強ゾーン演出への昇格が行われ(図9、図10(A)、及び図44のステップS726参照)、昇格演出が失敗した場合には、昇格演出後に弱ゾーン演出が継続されることになる(図9、図10(A)、及び図44のステップS727参照)。
また、第1ボタン示唆画像63の表示中でないと判定した場合(ステップS722:NO)、第1ボタン示唆画像63の表示を終了しないと判定した場合(ステップS726:NO)、又は、上記ステップS725若しくはS727の処理を実行した場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS728)。変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS728:YES)、統括CPU141は、VDP142に実行中の変動演出を終了させる変動演出終了処理を実行する(ステップS729)。このとき、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている保留数の情報を1減算して更新する。
変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS728:NO)、又は、ステップS729の処理を実行した場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信されたゾーン演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS730)。ゾーン演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS730:YES)、統括CPU141は、ゾーン演出の終了を示すゾーン終了演出を、図柄確定表示時間だけ表示して、ゾーン演出を終了する(ステップS731)。これによって、液晶表示器5に表示される背景画像やスピーカ24から出力される演出音(BGM)が、通常のもの(ゾーン演出でない場合に用いられるもの)に戻される。
ステップS731に続いて、統括CPU141は、ゾーン演出に応じた演出特典ポイント(図14参照)を付与するポイント付与処理を実行する(ステップS732)。このポイント付与処理については、図45に基づいて後に詳述する。
ゾーン演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS730:NO)、又は、ステップS732の処理を実行した場合、統括CPU141は、上述の連続変動回数をカウントして表示等を行う連続変動回数処理を実行する(ステップS733)。この連続変動回数処理については、図46及び図47に基づいて後に詳述する。
ステップS733の処理に続いて、統括CPU141は、客待ち状態においてメニュー画面を表示し、遊技者の操作に応じて上述のQRコードを表示する客待ち時メニュー処理を実行する(ステップS734)。この客待ち時メニュー処理については、図48に基づいて後に詳述する。
ステップS734の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS735)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する(図37に示すステップS14)。これにより、液晶表示器5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって各種演出動作などが制御されることになる。
なお、上記においては演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて主に液晶表示器5で行われる変動演出の制御について説明したが、スピーカ24からの演出音の出力制御は、液晶表示器5における変動演出と対応したものとなるため、ここでの詳細な説明は省略する。
(画像音響制御基板140によるポイント付与処理)
図45は、図44のステップS732におけるポイント付与処理の詳細フローチャートである。図45に例示されるように、統括CPU141は、まず、制御用RAM145に設定されている昇格演出フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS801)。ステップS801の判定処理は、ゾーン演出中に保留条件が満たされたか否かを判定するための処理である。昇格演出フラグが「ON」でない(すなわち「OFF」である)と判定した場合(ステップS801:NO)、統括CPU141は、ポイント付与処理を終了する。
一方、昇格演出フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS801:YES)、統括CPU141は、今回の変動演出において行われていたゾーン演出において強ゾーン演出が実行されたか否かを判定する(ステップS802)。強ゾーン演出が実行されたと判定した場合(ステップS802:YES)、統括CPU141は、今回の変動演出に係る特別図柄判定が第2特別図柄判定であるか否かを判定する(ステップS803)。なお、上述のように保留増加コマンドには入賞始動口情報が含まれているので、ステップS803の判定は、この入賞始動口情報に基づいて行うことができる。また、ステップS803の判定は、実行された強ゾーン演出が第1強ゾーン演出かであるか、それとも、第2強ゾーン演出であるかによって行われてもよい。
今回の変動演出に係る特別図柄判定が第2特別図柄判定であると判定した場合(ステップS803:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントの値に20ポイントを加算し(ステップS804)、加算後の値を制御用RAM145に記憶する。
一方、今回の変動演出に係る特別図柄判定が第2特別図柄判定でない(すなわち、第1特別図柄判定である)と判定した場合(ステップS803:NO)、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントの値に10ポイントを加算し(ステップS805)、加算後の値を制御用RAM145に記憶する。
また、今回の変動演出において行われていたゾーン演出において強ゾーン演出が実行されていないと判定した場合(ステップS802:NO)、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントの値に5ポイントを加算し(ステップS806)、加算後の値を制御用RAM145に記憶する。
上記ステップS804〜S806の処理を実行した場合、統括CPU141は、演出特典ポイントが加算されたことを遊技者に通知する(ステップS807)。すなわち、加算後のポイントを示すように、液晶表示器5上のポイント画像56(図8参照)を更新して表示する。
ステップS807の処理に続いて、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている昇格演出フラグを「OFF」に設定する(ステップS808)。
以上のポイント付与処理によって、ゾーン演出の内容に応じて演出特典(演出特典ポイント)が付与されることになる。すなわち、図14に示したように、第2強ゾーン演出が実行される第1演出パターンの場合は20ポイントが付与され(S804)、第1強ゾーン演出が実行される第2又は第5演出パターンの場合は10ポイントが付与され(S805)、強ゾーン演出は実行されないものの昇格演出が実行される第3又は第6演出パターンの場合は5ポイントが付与され(S806)、昇格演出が実行されない第4又は第7演出パターンの場合(S801:NO)はポイントが付与されないことになる。
なお、図示していないが、本実施形態においては、上記ポイント付与処理以外にも適宜のタイミングで演出特典ポイントが付与される。例えば、ゾーン演出とは異なる他の所定の演出(例えば、所定の予告演出やリーチ演出等)が実行されたことを条件として演出特典ポイントが付与されてもよい。このとき、ポイントを付与する処理は、例えばその演出が実行された時点で実行されてもよいし、その演出が行われる変動期間の終了時点(変動停止時点)で実行されてもよい。また、ゾーン演出に対して演出特典ポイントを付与する場合においても、変動停止時点の他のタイミングでポイントが付与されてもよい。例えば、ゾーン演出が昇格するタイミング(昇格が成功(または失敗)することを示唆する演出が行われるタイミング)で、演出特典ポイントが付与されてもよい。
(画像音響制御基板140による連続変動回数処理)
図46及び図47は、図44のステップS733における連続変動回数処理の詳細フローチャートである。図46及び図47に例示されるように、統括CPU141は、まず、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS811)。なお、ステップS811の判定結果は、上記ステップS711と同じ判定結果になる。
変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS811:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定される連続変動カウンタCを1増加する(ステップS812)。連続変動カウンタCは、連続変動回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS812の処理に続いて、統括CPU141は、連続変動カウンタCの値が5以上であるか否かを判定する(ステップS813)。この判定処理は、連続変動回数を表示するか否かを判定するための処理である。連続変動カウンタCの値が5以上であると判定した場合(ステップS813:YES)、統括CPU141は、連続変動カウンタCの値を連続変動回数として表示する(ステップS814)。すなわち、連続変動カウンタCの値が5である場合には、連続変動カウンタCの値を示す連続変動回数画像57を液晶表示器5に表示開始し、連続変動カウンタCの値が6以上である場合には、連続変動回数画像57を、連続変動カウンタCに応じて更新表示する。このように、本実施形態においては、連続変動回数は、5回以上となった場合に表示されることとなる。
連続変動カウンタCの値が5以上でない(4以下である)と判定した場合(ステップS813:NO)、又は、上記ステップS814を実行した場合、統括CPU141は、連続変動カウンタCが、演出特典ポイントを付与するための条件を満たしたか否かを判定する(ステップS815)。なお、上述のように、本実施形態においては、上記条件は、連続変動カウンタCの値が5の倍数となったことである。連続変動カウンタCが上記条件を満たしたと判定した場合(ステップS815:YES)、統括CPU141は、所定の演出特典ポイントを付与し、ポイントを付与したことを遊技者に通知する(ステップS816)。すなわち、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントの値に所定値(ここでは、5ポイント)を加算し、加算後の値を制御用RAM145に記憶する。また、加算後のポイントを示すように、液晶表示器5上のポイント画像56(図8参照)を更新して表示する。
連続変動カウンタCが上記条件を満たしていないと判定した場合(ステップS815:NO)、又は、上記ステップS816を実行した場合、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている警告フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS817)。警告フラグは、連続変動回数が途切れそうになったことを通知する警告を行うか否かを示すフラグである。つまり、ステップS817の判定処理は、連続変動回数が途切れそうになったことを警告中であるか否かを判定する処理である。
警告フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS817:YES)、統括CPU141は、後述するステップS834で計測開始される経過時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS818)。ステップS818の処理は、連続変動が途切れた後であるかそれとも前であるかを判定するための処理である。経過時間の計測中であると判定した場合(ステップS818:YES)、統括CPU141は、第2ボタン示唆画像65(図18参照)を液晶表示器5に表示させる(ステップS819)。このとき、統括CPU141は、第2ボタン示唆画像65を表示してからの経過時間を計測しておく。
以上の処理によれば、保留数が増加するか、保留がない状態で始動口への入賞があった場合、連続変動カウンタCは1増加され(ステップS812)、連続変動カウンタCが一定条件を満たした場合には演出特典ポイントが付与される(ステップS813)。また、(連続変動が途切れた結果)変動演出が行われていない期間であって、かつ、連続変動回数が途切れそうになったことを通知する警告が行われている期間(図16(C)参照)に、始動口への入賞があった場合には、上述の第2ボタン示唆画像65が表示される(図16(E)、ステップS819参照)。
保留増加コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS811:NO)、警告フラグが「ON」でないと判定した場合(ステップS817:NO)、経過時間の計測中でないと判定した場合(ステップS818:NO)、又は、上記ステップS819を実行した場合、統括CPU141はステップS821の処理を実行する。
すなわち、統括CPU141は、連続変動回数を表示中であるか否かを判定する(ステップS821)。連続変動回数を表示中であると判定した場合(ステップS821:YES)、統括CPU141は、特別図柄の連続変動が停止する(と予測される)までの時間を示す、上述の連続変動継続時間を予測する(ステップS822)。ここで、保留増加コマンドには、保留に係る図柄変動の変動時間を示す情報が含まれており、統括CPU141は、現在変動中の図柄変動が停止するまでの残り時間と、保留増加コマンドに含まれる上記情報から得られる変動時間とに基づいて、連続変動継続時間を予測する。具体的には、上記残り時間と、現時点で保留されている特別図柄判定による特別図柄変動の変動時間との和として連続変動継続時間を算出する。
ステップS822の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS822で予測した連続変動継続時間が、予め定められた所定時間以下であるか否かを判定する(ステップS823)。この判定処理は、連続変動回数が途切れそうであるか否かを判定するための処理である。
連続変動継続時間が上記所定時間以下であると判定した場合(ステップS823:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている警告フラグを「ON」に設定し(ステップS824)、連続変動回数を警告表示する(ステップS825)。具体的には、液晶表示器5に表示されている連続変動回数画像57を、通常時(図8参照)とは異なる表示態様で表示する(図17参照)。なお、上記ステップS824において、すでに警告フラグが「ON」に設定されている場合には、統括CPU141は警告フラグを設定し直さなくてもよい。
一方、連続変動継続時間が上記所定時間以下でない(上記所定時間より長い)と判定した場合(ステップS823:NO)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている警告フラグを「OFF」に設定し(ステップS826)、連続変動回数を通常表示する(ステップS827)。具体的には、液晶表示器5に表示されている連続変動回数画像57を、通常時の表示態様で表示する(図8参照)。なお、上記ステップS826において、すでに警告フラグが「OFF」に設定されている場合には、統括CPU141は警告フラグを設定し直さなくてもよい。
以上の処理によれば、連続変動継続時間が逐次予測され(ステップS822)、連続変動継続時間が所定時間以下となったか否かによって、連続変動回数が途切れそうであるか否かが判定される(ステップS823)。したがって、連続変動の係属中に保留数が増加しない結果、連続変動継続時間が所定時間以下になると、警告表示が行われる(図16(B)、ステップS825)。なお、連続変動の係属中であって警告の表示中である状態(図16(B))において、保留数が増加した場合には、予測される連続変動継続時間が延びることとなり、その結果、連続変動継続時間が所定時間よりも長くなれば、連続変動回数は通常表示される(図16(A)、ステップS827)。
連続変動回数を表示中であると判定した場合(ステップS821:YES)、又は、上記ステップS825若しくはS827を実行した場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS831)。なお、ステップS831の判定結果は、上記ステップS728と同じの判定結果になる。
変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS831:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている保留数が0であるか否かを判定する(ステップS832)。保留数が0であると判定した場合(ステップS832:YES)、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている警告フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS833)。警告フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS833:YES)、統括CPU141は、変動演出が終了した時点(換言すれば、連続変動が実際に途切れた時点)からの経過時間の計測を開始する(ステップS834)。
変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS831:NO)、保留数が0でないと判定した場合(ステップS832:NO)、警告フラグが「ON」でないと判定した場合(ステップS833:NO)、又は、上記ステップS834の処理を実行した場合、統括CPU141はステップS835の処理を実行する。すなわち、統括CPU141は、上記ステップS819によって表示が開始された第2ボタン示唆画像65の表示中であるか否かを判定する(ステップS835)。
第2ボタン示唆画像65の表示中であると判定した場合(ステップS835:YES)、統括CPU141は、第2ボタン示唆画像65の表示から、予め定められた所定時間(ボタン画像表示時間と呼ぶ)が経過したか否かを判定する(ステップS836)。第2ボタン示唆画像65の表示からボタン画像表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS836:NO)、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された操作コマンドに基づいて、演出ボタン26が押下されたか否かを判定する(ステップS837)。なお、演出ボタン26が押下されていないと判定した場合、統括CPU141は、連続変動回数処理を終了する。
演出ボタン26が押下されたと判定した場合(ステップS837:YES)、統括CPU141は、連続変動回数のカウントを復活させるか否かを判定する(ステップS838)。ここで、画像音響制御基板140においても演出制御基板130と同様の乱数更新処理が実行されており、統括CPU141は、第2ボタン示唆画像65の表示の契機となった始動口への入賞の時点で演出乱数を取得しておく。ステップS838の判定は、この時点で取得された演出乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて行われる。
連続変動回数のカウントを復活させると判定した場合(ステップS838:YES)、統括CPU141は、例えば「復活!」といった文字を液晶表示器5に表示することによって、連続変動回数のカウントが復活することを通知し(ステップS839)、連続変動回数画像57の警告表示を停止して通常の態様で表示する(ステップS841)。このとき、連続変動カウンタCの値はリセットされていないので、連続変動回数画像57が示す値は、連続変動が実際に途切れる前の値を引き継いでいる。
ステップS841の処理に続いて、統括CPU141は、制御用RAM145に設定されている警告フラグを「OFF」に設定し(ステップS842)、ステップS834で計測を開始した経過時間の計測を終了する(ステップS843)。ステップS843の後、統括CPU141は、連続変動回数処理を終了する。
一方、第2ボタン示唆画像65の表示中でないと判定した場合(ステップS835:NO)、統括CPU141は、ステップS834で計測を開始した経過時間が、予め定められた所定時間(復活可能時間と呼ぶ)以上となったか否かを判定する(ステップS844)。復活可能時間以上となっていないと判定した場合(ステップS844:NO)、統括CPU141は連続変動回数処理を終了する。
また、ステップS834で計測を開始した経過時間が復活可能時間以上となったと判定した場合(ステップS844:YES)、第2ボタン示唆画像65の表示からボタン画像表示時間が経過したと判定した場合(ステップS836:YES)、又は、連続変動回数のカウントを復活させないと判定した場合(ステップS838:NO)、統括CPU141は、連続変動回数のカウントを復活しない。すなわち、統括CPU141は、以下のステップS845〜848の処理を実行する。
連続変動回数のカウントを復活しない場合、統括CPU141は、警告態様で表示されている連続変動回数画像57を消去し(ステップS845)、制御用RAM145に設定されている警告フラグを「OFF」に設定し(ステップS846)、ステップS834で計測を開始した経過時間の計測を終了する(ステップS847)。さらに、統括CPU141は、制御用RAM145に設定される連続変動カウンタCをリセットする、すなわち、カウンタCの値を0にする(ステップS848)。ステップS848の後、統括CPU141は連続変動回数処理を終了する。
以上の処理によれば、ステップS833の判定結果が肯定となった場合でも連続変動回数画像57の表示は消去されないので、連続変動が実際に途切れた後も連続変動回数画像57が継続して警告表示されることとなる(図16(C)参照)。そして、新たに遊技球が始動口に入賞した場合には第1ボタン示唆画像63が表示され(図16(E)、ステップS819)、さらに、演出ボタンが押下されて復活が成功する場合には、連続変動回数のカウントが復活する(図16(A)、ステップS841)。一方、遊技球が始動口に入賞せずに一定時間が経過した場合(図16(C)及び(D)、ステップS844:YES)、第1ボタン示唆画像63の表示期間中に演出ボタン26が押下されなかった場合(ステップS836:YES)、又は、演出ボタン26が押下されたものの復活が失敗する場合(図16(E)および(D)、ステップS838:NO)には、変動回数のカウントがリセットされる(ステップS848)。
(画像音響制御基板140による客待ち時メニュー処理)
図48は、図44のステップS734における連続変動回数処理の詳細フローチャートである。図48に例示されるように、統括CPU141は、まず、演出制御基板130から送信された客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS851)。客待ち演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS851:YES)、統括CPU141は、所定のデモ動画を液晶表示器5に表示させることによって、客待ち演出を開始する(ステップS852)。
客待ち演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS851:NO)、又は、上記ステップS852の処理を実行した場合、統括CPU141は、客待ち演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS853)。客待ち演出の実行中でないと判定した場合(ステップS853:NO)、統括CPU141は客待ち時メニュー処理を終了する。一方、客待ち演出の実行中であると判定した場合(ステップS853:YES)、統括CPU141は、コマンド演出制御基板130から送信された操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS854)。操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS854:NO)、統括CPU141は客待ち時メニュー処理を終了する。
一方、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS854:YES)、統括CPU141は、受信した操作コマンドに係る操作が、QRコードを表示する操作であるか否かを判定する(ステップS855)。ここで、本実施形態においては、客待ち演出の実行中において演出ボタン26が押下されると、メニュー画面が表示される。メニュー画面には、上述の各QRコードを表示する項目を含む複数の項目が含まれており、演出キー27(例えば選択項目の変更に用いられる)及び演出ボタン26(選択項目の決定に用いられる)による指示に応じて項目が選択され、項目に応じた処理が実行される。上記の「QRコードを表示する操作」とは、メニュー画面が表示されて、かつ、第1QRコードを表示する項目又は第2QRコードを表示する項目が選択された状態で行われる、選択項目を選択する操作である。
受信した操作コマンドに係る操作がQRコードを表示する操作であると判定した場合(ステップS855:YES)、統括CPU141は、液晶表示器5にQRコードを表示する(ステップS856)。すなわち、上記操作が第1QRコードを表示する項目を選択する操作である場合には、統括CPU141は、パチンコ遊技機1内に記憶している遊技履歴情報がクリアし(図22のステップS401参照)、第1QRコードを生成してメイン液晶表示器5に表示する。また、上記操作が第2QRコードを表示する項目を選択する操作である場合には、統括CPU141は、パチンコ遊技機1に記憶されている遊技履歴情報をコード化した第2QRコードを生成し、生成した第2QRコードをメイン液晶表示器5に表示させる(図22のステップS406参照)。上記ステップS856の処理の後、統括CPU141は客待ち時メニュー処理を終了する。
受信した操作コマンドに係る操作がQRコードを表示する操作でないと判定した場合(ステップS855:YES)、統括CPU141は、操作に応じた処理を実行する(ステップS857)。例えば、客待ち演出の実行中に演出ボタン26の押下操作が行われた場合には、メニュー画面を表示する。また例えば、メニュー画面の表示中に演出ボタン26の押下操作が行われた場合には、選択項目に応じた処理を実行する。上記ステップS857の処理の後、統括CPU141は客待ち時メニュー処理を終了する。
[変形例]
(保留条件に関する変形例)
上記実施形態においては、保留に関する条件(保留条件)として、保留数が最大となることを用いた。ここで、他の実施形態においては、保留条件は他の条件であってもよい。例えば、保留条件は、一定時間内において保留数が所定個数以上増加したことであってもよい。このように、保留条件は、保留の増加に関する条件であってもよい。
また、上述の変動連続回数(変動連続カウンタCの値)は、1回の特別図柄の変動期間(あるいは、その後の所定時間内)中に保留がある状態が連続する(特別図柄変動の)回数であると言うことができ、変動連続回数に関する条件は保留条件と言うことができる。したがって、他の実施形態においては、上記変動連続回数に関する条件が保留条件として用いられてもよい。例えば、変動連続回数が所定回数以上となったことを保留条件として用いてもよい。
また、保留条件は、保留に係る事前判定情報に関する条件であってもよい。パチンコ遊技機1は、例えば、保留アイコンの表示態様を事前判定情報に基づいて変更するようにしてもよく、このとき、保留条件は、所定の表示態様(具体的には、特別図柄判定が大当たりと判定される期待度が他の表示態様よりも高いことを示唆する表示態様)である保留アイコンが表示されることであってもよい。
(所定の演出の変形例)
上記実施形態においては、ゾーン演出の実行中に保留条件が満たされたことに応じて、実行中のゾーン演出を変更した。ここで、他の実施形態においては、保留条件が満たされたことに応じて変更する所定の演出の内容は、どのようなものであってもよい。
他の実施形態においては、所定の演出は、リーチ演出であってもよい。例えば、特別図柄判定の期待度(大当たりとなる期待度)が相対的に低いSPリーチ演出中において保留条件が満たされたことに応じて、SPリーチ演出が、特別図柄判定の期待度が相対的に高いSPSPリーチ演出に発展してもよい。また例えば、所定の演出は、特別図柄の変動中に行われる予告演出であってもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動中に液晶表示器5に表示されている背景(背景画像)を、保留条件が満たされたことに応じて変更する(例えば、昼であった背景を夜に変更する)ようにしてもよい。このように、所定の演出は、特別図柄判定に伴って行われる特別図柄の変動中に行われる演出(予告演出やリーチ演出)であってもよい。
また例えば、所定の演出は、保留数を示唆する演出(保留数を示す画像)であってもよい。以下、図49〜図51を参照して、所定の演出として、保留アイコンを用いた演出を実行する場合について説明する。
図49は、本実施形態の変形例において液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。図49に示すように、本変形例においても上記実施形態と同様、液晶表示器5の画面には保留アイコン表示領域52が設けられて、保留数に応じた数の保留アイコン53が表示される。その他、上記実施形態と同様の当該領域55が設けられ、当該変動アイコン54、ポイント画像56、及び連続変動回数画像57が適宜表示される。なお、図49では、保留数が7であり、7個の保留アイコン53a〜53gが表示されている。
図50は、図49に示す状態から保留数が1つ増加した場合に液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。本変形例においては、図50に示すように、保留条件が満たされた(すなわち、保留数が最大になった)場合、保留アイコン53の表示態様(形状や色や大きさ等)が変化する。具体的には、保留条件が満たされたことに応じて、各保留アイコン53a〜53hは、演出ボタン26を押下することを示唆するボタン示唆画像へと変化する。これに応じて、遊技者は、演出ボタン26を押下する操作を行う。
図51は、図50に示す状態から演出ボタンが押下された場合に液晶表示器5に表示される画像の一例を示す図である。図50に示す状態において、演出ボタン26が1回押下されると、図51に示すように、当該領域55に最も近い保留アイコン53aの表示形態が変化する。このとき、変化後の保留アイコン53は、保留に係る特別図柄判定が大当たりとなることの期待度を示唆する。変化後の保留アイコン53は、例えば、期待度に応じた色や形状や大きさとなる。
また、図51に示す状態からさらに演出ボタン26が押下された場合、1回押下される度に1つずつ、当該領域55に近いものから順に保留アイコン53b〜53hの表示形態が変化する。したがって、保留条件が満たされた場合、遊技者は、各保留に係る特別図柄判定の期待度を示唆する演出を見ることができ、遊技の興趣性を向上することができる。
以上のように、上記変形例においては、保留アイコンを表示する演出中において保留条件が満たされたことに応じて、保留アイコンを表示する演出の内容を変化させる(具体的には、保留アイコンの表示形態を変化させる)。このように、保留条件が満たされたことに応じて内容が変更される所定の演出は、保留数を示唆する演出(保留アイコンを表示する演出)であってもよい。
なお、上記の保留アイコンの表示形態を変化させる演出は、保留条件が満たされたことに応じて行われる、演出上の特典とも言うことができる。つまり、上記変形例においては、保留条件が満たされたことに応じて、保留アイコンの表示形態を変化させる(さらに言えば、それによって大当たり判定の期待度が示唆される)という演出特典を付与するものということができる。
また、保留条件が満たされたことに応じて変化する所定の演出(換言すれば、保留条件が満たされたことに応じて付与される演出特典)は、以下の演出であってもよい。
例えば、他の実施形態においては、上記変形例において、保留条件が満たされてから所定時間(例えば3分)が経過するまでの所定期間においては、遊技球が始動口(第1始動口11又は第2始動口12若しくは15)に入賞したことに応じて、図50に示すボタン示唆画像と同様の保留アイコンが追加表示されるようにしてもよい。すなわち、保留条件が満たされた場合、パチンコ遊技機1は、上記変形例で示したように、ボタン示唆画像を表すように保留アイコンの表示形態を変化させるとともに、時間の計測を開始する。そして、計測時間が所定時間以内となる上記所定期間においては、遊技球の入賞に応じて、ボタン示唆画像と同様の保留アイコンを追加表示する。また、上記所定期間において遊技者が演出ボタン26を押下した場合には、ボタン示唆画像である保留アイコンのうちで、当該領域55に最も近い保留アイコンの表示形態を変化させる。保留アイコンの変化の仕方は、上記変形例と同様であってもよい。なお、計測時間が上記所定時間を超えた場合、パチンコ遊技機1は、その時点でボタン示唆画像として表示されている保留アイコンを、元の表示形態(図49参照)に戻すように変化させてもよいし、上記変形例と同様、特別図柄判定の期待度を示唆するように変化させてもよい。
また例えば、他の実施形態においては、保留条件が満たされてから所定時間が経過するまでの所定期間において、遊技者による操作を伴うゲーム演出が行われてもよい。ゲーム演出は、遊技者に何らかの操作を行わせ、操作に応じた出力(表示や音声)が行われる任意の演出でよいが、例えば、所定のタイミングに合わせて演出ボタン26を押下させたり、演出ボタン26を連打させたりするゲームの演出が考えられる。
上記のように、保留条件が満たされたことに応じて実行される演出(演出特典として付与される演出)は、保留条件が満たされたことに応じて開始され、所定の終了条件が満たされるまで実行されてもよい。これによれば、遊技者は、保留条件が満たされた時点だけでなく、その時点からある期間の間は特典を享受することができるので、演出効果をより向上することができる。なお、終了条件は、上記のように、保留条件が満たされてから所定時間が経過することであってもよい。また、終了条件は、保留条件が満たされてから所定数の遊技球が始動口(第1始動口11又は第2始動口12若しくは15)に入賞したことであってもよい。
(レア入賞パターンに関する変形例)
また、上記実施形態においては、いわゆる交互入賞タイプのパチンコ遊技機1を例として、第1始動口及び第2始動口のいずれか一方に連続して遊技球が入賞する入賞パターンがレア入賞パターンとして検出される例を説明した。ここで、レア入賞パターンは、所定の基準よりも発生しにくい入賞パターンであればどのようなものであってもよい。
例えば他の実施形態においては、振り分け部材36は、第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球が入賞し易くなるように、始動導入口35を通過した遊技球を第1始動口及び第2始動口に対して振り分けてもよい。具体的には、振り分け部材は、自動的に(本実施形態のように遊技球によって動作するものではなく)作動してもよく、始動導入口35を通過した遊技球を、所定の第1時間(例えば7秒)の間は第1始動口に振り分け、第1時間よりも短い第2時間(例えば3秒)の間は第2始動口に振り分けるものであってもよい。これによれば、7対3の割合で第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分けることができる。なお、このとき、通常入賞パターンは、複数回(例えば10回)の入賞において、第2始動口に対する遊技球の入賞回数が所定の割合(例えば、入賞全体の4割)よりも少なくなる入賞パターンであり、レア入賞パターンは、第2始動口に対する遊技球の入賞回数が上記所定の割合よりも多くなる入賞パターンであってもよい。
なお、振り分け部材は、所定領域を通過した遊技球を第1始動口及び第2始動口に対して振り分ける任意の構成であってよい。例えば、振り分け部材は、クルーン等、可動する部材を有しない構成であってもよい。
さらに、他の実施形態においては、パチンコ遊技機は振り分け部材を有する構成でなくてもよい。また、レア入賞パターンは、第1始動口に対する入賞と第2始動口に対する入賞との組み合わせに関するものでなくてもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、第1始動口に対して所定時間以内に所定の個数以上(例えば、3秒間に3個以上)、遊技球が入賞する入賞パターンをレア入賞パターンとして検知するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、遊技球の入賞が特別遊技判定の契機となる始動領域(始動口11,12,15)に対する入賞のパターンについて、レア入賞パターンを検知した。ここで、他の実施形態においては、レア入賞パターンは、遊技球の入賞が普通図柄判定の契機となる始動領域(例えばゲート17)に対する入賞のパターンであってもよい。
[本実施形態及び変形例の作用効果]
(保留条件に応じて演出特典を付与することに関する作用効果)
以上のように、上記実施形態においては、遊技機(パチンコ遊技機1)は、以下の構成を備える。
・始動領域(第1始動口又は第2始動口)を遊技球が通過すると、取得情報を取得する取得手段(S1,S214,S224)
・取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)を実行する特別遊技判定手段(S3081)
・図柄表示手段(表示器4)に図柄を変動表示させ、特別遊技判定の判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(S317)
・図柄表示手段における図柄の変動表示中に又は特別遊技中に取得手段によって取得情報が取得されると、当該取得情報を、特別遊技判定手段による判定を保留する情報として記憶する保留情報記憶手段(S2196、保留記憶領域1031〜1038)
・特別遊技判定の保留数に関する所定の条件(保留数が最大となったこと)が満たされたことに応じて、演出特典を示す特典情報(演出特典ポイント)を更新する特典情報更新手段(S732)
上記によれば、保留数に関する保留条件が満たされたことに応じて演出特典を付与することができるので、遊技の興趣性を向上することができる。
なお、上記実施形態において、遊技機は、所定の演出(ゾーン演出)を実行する演出実行手段(液晶表示器5、ステップS716)をさらに備えている。また、上記特典情報更新手段は、上記所定の演出の実行中に上記所定の条件が満たされたことに応じて特典情報を更新する。これによれば、所定の演出の実行中に演出特典を付与する機会を与えることができ、所定の演出の興趣性を向上することができる。
(実行中の演出を保留条件に応じて変化させることに関する作用効果)
また、上記実施形態においては、遊技機(パチンコ遊技機1)は、上記取得手段と、上記特別遊技判定手段と、上記図柄表示制御手段と、上記保留情報記憶手段とを備えるとともに、以下の構成を備える。
・取得手段によって取得された取得情報に基づく所定の演出(ゾーン演出)を実行する演出実行手段
また、演出実行手段は、所定の演出の実行中において特別遊技判定の保留に関する所定の条件(保留条件。例えば、保留数が最大となったこと)が満たされたことに応じて、実行中である所定の演出を変化させる(弱ゾーン演出を強ゾーン演出に変化させる)。
上記によれば、所定の演出中において保留条件が満たされたことに応じて、実行中の演出の内容が変化する。これによれば、与えられた保留に関する課題を演出中に達成することでその演出の内容が変化するという、興趣性の高い演出を行うことができる。
なお、上記実施形態において、演出実行手段は、図柄表示制御手段による1又は複数回の図柄の変動表示にわたって、通常とは異なる特別演出(ゾーン演出)を所定の演出として実行する。これによれば、上記特別演出の興趣性を向上することができる。特に、複数回の図柄の変動表示にわたって特別演出が行われる場合には、ある程度の長い期間にわたって演出が行われることになるので、演出が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じるおそれがある。そのため、上記の場合には、保留条件が満たされたことに応じて演出を変化させることで特別演出に変化をつけることが、演出の効果を向上する上で特に有効である。
なお、上記変形例で述べたように、所定の演出は、図柄の変動表示中において実行されるリーチ演出であってもよい。これによれば、リーチ演出の興趣性を向上することができる。特に、所定の演出が、特別図柄判定の変動時間が相対的に長い(所定時間以上である)場合に実行されるリーチ演出である場合には、保留条件が満たされたことに応じて演出を変化させることでリーチ演出に変化をつけることが、演出の効果を向上する上で特に有効である。
(レア入賞パターンに応じて演出特典を付与することに関する作用効果)
また、上記実施形態においては、遊技機(パチンコ遊技機1)は、以下の構成を備える。
・第1始動領域(第1始動口)及び第2始動領域(第2始動口)のいずれかに遊技球が入賞すると、取得情報を取得する取得手段(S1,S214,S224)
・取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行する特別遊技判定手段(S3081)
・第1始動領域及び第2始動領域の両方又は一方に対する遊技球の複数回の入賞に関する入賞パターンが、相対的に発生しやすい第1入賞パターン(通常入賞パターン、図15参照)とは異なる、相対的に発生しにくい第2入賞パターン(レア入賞パターン、図15参照)であることを検出する入賞パターン検出手段(S708)
・入賞パターンが第2入賞パターンであることが検出された場合、演出特典を示す特典情報(演出特典ポイント)を更新する特典情報更新手段(S709)
上記によれば、相対的に発生しにくい入賞パターンが検出された場合、演出特典が付与される。これによれば、予想できないタイミングで演出特典が付与されるので、遊技者にとっては思いがけないタイミングで演出特典が付与されることになり、遊技の興趣性を向上することができる。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、所定領域(始動導入口35)を通過した遊技球を第1始動領域及び第2始動領域に対して交互に振り分ける振り分け部材(36)をさらに備える。ここで、上記第1入賞パターンは、第1始動領域及び第2始動領域に対して遊技球が交互に入賞する入賞パターンであり、上記第2入賞パターンは、第1始動領域及び第2始動領域のいずれか一方に連続して遊技球が入賞する入賞パターンである。ここで、上記のような交互入賞タイプのパチンコ遊技機では、上述のように保留数が最大となりにくく、遊技者は遊技球を単に打ち出し続けるだけになって遊技が単調になるおそれがある。これに関して、上記の構成によれば、第2入賞パターンによって特典を付与することで、単調になりがちな操作を遊技者が退屈に感じにくくすることができ、遊技の興趣性を向上することができる。
また、上記変形例で述べたように、パチンコ遊技機1は、第2始動領域よりも第1始動領域の方が遊技球が通過し易くなるように、所定領域を通過した遊技球を第1始動領域及び第2始動領域に対して振り分ける振り分け部材をさらに備えていてもよい。このとき、上記第1入賞パターンは、複数回の入賞において、第2始動領域に対する遊技球の入賞回数が所定の割合よりも少なくなる入賞パターンであり、上記第2入賞パターンは、第2始動領域に対する遊技球の入賞回数が上記所定の割合よりも多くなる入賞パターンである。これによれば、交互入賞タイプではない遊技機においてもレア入賞パターンに応じて演出特典を付与することができ、遊技の興趣性を向上することができる。
(保留数が5個以上である場合に変動時間を短縮することに関する作用効果)
上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、以下のように構成される。
・保留情報記憶手段は、特別遊技判定手段による判定を保留する保留情報として記憶する。
・保留情報記憶手段は、第1始動領域を遊技球が通過したことによって取得される取得情報を、第1所定数(4個)を上限として第1保留情報として記憶するとともに、第2始動領域を遊技球が通過したことによって取得される取得情報を、第2所定数(4個)を上限として第2保留情報として記憶する。
・図柄表示制御手段は、特別遊技判定に係る図柄を変動表示させる変動パターン(変動時間)を、上記第1保留情報の数および第2保留情報の数の和に基づいて設定する(図20参照)。
・図柄表示制御手段は、(a)図柄を変動表示させる直前の時点において記憶されている上記第1保留情報の数および第2保留情報の数の和が上記第1所定数以下となりかつ第2所定数以下となる場合、所定の第1変動パターンを設定し、(b)上記和が上記第1所定数又は第2所定数のいずれかより大きい場合、上記第1変動パターンよりも変動時間が短い第2変動パターンを設定する。
上記によれば、第1保留情報の数と第2保留情報の数との合計の保留数が、上記第1所定数又は第2所定数を超えた場合に、変動時間が短縮され、上記第1所定数及び第2所定数以下となる場合には、変動時間が短縮されない。したがって、上記合計の保留数が上記第1所定数又は第2所定数を超えるまでは、図柄の変動時間が相対的に長くなるので、遊技者は保留を溜める時間を確保しやすくなり、保留を増加させやすくなる。これによって、保留を途切れにくくすることができる。
(連続変動回数に関する作用効果)
上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、次の手段を備える。
・変動表示中の特別図柄の停止表示に連続して、上記保留情報記憶手段に記憶されている取得情報に対応する特別図柄の変動表示が開始される連続変動の回数をカウントするカウント手段(S812)
・(遊技者に対して付与される)演出特典を示す特典情報(演出特典ポイント)を記憶する特典情報記憶手段(S709)
・上記カウント手段によってカウントされた連続変動の回数が所定の条件を満たしたことに応じて特典情報を更新する特典情報更新手段(S816)
上記によれば、連続変動の回数に応じて特典情報が更新される(本実施形態では演出特典ポイントが加算される)ことによって、演出特典を付与する機会を増やすことができ、遊技の興趣性を向上することができる。特に、上記実施形態のような交互入賞タイプのパチンコ遊技機では、保留が途切れにくいために連続変動の回数を増加させやすいので、その特性を活かして、連続変動の回数に応じて演出特典を付与することが効果的である。また、遊技者に対して、保留を溜めることに関する動機を効果的に与えることが可能である。さらに、遊技者のいわゆる止め打ちを抑制することにも繋がり、その結果、保留が途切れて装飾図柄が停止表示されたままの状態が続くことにより遊技者に不快感を与えてしまうおそれを効果的に抑制することが可能である。
なお、パチンコ遊技機1は、上記特典情報に基づいて演出特典を付与する(例えば、パチンコ遊技機1において実行される演出の設定を指定できるにようする等)特典付与手段をさらに備えていてもよい。また、この特典付与手段は、パチンコ遊技機1とは異なる装置(例えば、上述の外部サーバ)に設けられてもよい。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、次の手段を備える。
・連続変動が途切れるまでの残り時間(上記実施形態では、連続変動継続時間)を特定(予測)する特定手段(S822)
・前記特定手段によって特定された残り時間が所定の時間条件(例えば、所定時間以下になったか否か、或いは、所定時間未満になったか否か)を満たすか否かを判定する時間判定手段(S823)
・上記残り時間が上記所定の時間条件を満たしたと上記時間判定手段によって判定された場合に、連続変動が途切れる可能性があることを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(S825)
上記によれば、連続変動が途切れそうであることが遊技者に対して示唆される。これによって、連続変動が途切れるまでに始動口に遊技球を入賞させることを遊技者に促すことができ、遊技の興趣性を向上することができる。なお、上記時間判定手段は、現時点から図柄の連続変動が終了するまでの時間(連続変動継続時間)を算出(予測)し、連続変動継続時間に基づいて判定を行ってもよいし、現時点での保留数に基づいて判定を行ってもよいし、連続変動継続時間および保留数に基づいて判定を行ってもよい。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、以下の手段を備えている。
・カウント手段によってカウントされた連続変動の回数を記憶する回数記憶手段(S812)
・連続変動が途切れてから所定時間が経過するまでに遊技球が始動領域を通過しなかったことに応じて、上記回数記憶手段に記憶されている連続変動の回数をリセットするリセット手段(S848)
また、パチンコ遊技機1は、次のように構成される。
・カウント手段は、(連続変動が途切れてから上記所定時間が経過するまでに遊技球が始動領域を通過しなかった場合には連続変動の回数のカウントを終了する一方で、)連続変動が途切れてから上記所定時間が経過するまでに遊技球が始動領域を通過したことを少なくとも条件として、連続変動が途切れる直前のカウント回数から、カウントを再開する。
上記によれば、連続変動が途切れたとしても、連続変動が途切れてから所定時間が経過するまでは連続変動の回数がリセットされることなく保持され、所定時間が経過するまでに新たな入賞があった場合には、保持されている回数から連続変動のカウントが再開される。このため、連続変動が途切れたことを理由に遊技を止めようと考えた遊技者に対して、遊技を継続する動機を与えることができ、ひいては、パチンコ遊技機1の稼働向上に寄与することができる。
なお、上記示唆演出実行手段は、連続変動が途切れる前に開始した示唆演出を、連続変動が途切れてから上記所定時間が経過するまで継続するようにしてもよい。これによれば、連続変動が実際には途切れた場合でも、連続変動のカウント値は継続される可能性があることを遊技者に認識させることができ、新たな始動口入賞を生じさせることに対する遊技者の意欲を効果的に向上させることができる。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。