JP5827766B1 - ヘッドレスト - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドレスト本体に起因する摩耗痕等がシートバックに形成されない収納式のヘッドレストを提供する。【解決手段】ヘッドレスト本体20の高さを収納高さと使用可能高さとで切替可能とし、ヘッドレスト本体20の姿勢を使用可能姿勢と収納姿勢とで切替可能としたヘッドレストにおいて、収納高さで収納姿勢にあるヘッドレスト本体20の下部背面がシートバック100の前面に接触しないようにヘッドレスト本体20の後方回動を規制する後方回動規制当接部材40を設け、ヘッドレスト本体20を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体20の当接部αと後方回動規制当接部材40の当接部βとの相対的な距離が短くなるようにすることにより、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、不使用時の頭受部を運転者の後方視界を遮らない場所に収納することのできる収納式のヘッドレストに関する。
後部座席のヘッドレストは、頭受部となるヘッドレスト本体が不使用時に高く突き出ていると、運転手の後方視界を遮る原因となる。このため、不使用時にヘッドレスト本体を低くして運転手の後方視界を確保しながらも、使用時にはヘッドレスト本体を高くすることができるようにした高さ調節式のヘッドレストが既に提案されている。高さ調節式のヘッドレストの中には、ヘッドレスト本体の頭受面積を広く確保しながらも、不使用時においてはヘッドレスト本体をより低くできるようにするために、そのヘッドレスト本体を、ヘッドレストステーの上端部に取り付けられる取付基部と、取付基部の前側から下向きに伸びる頭受部とを有する側面視L字状の形態としたものもある。以下においては、この形態の受受部を有するヘッドレストを「鞍型のヘッドレスト」と呼ぶことがある。
しかし、従来の鞍型のヘッドレストは、その不使用時(収納時)に頭受部がシートバックの前面側に配される構造となっていたため、ヘッドレスト本体をそのまま引き上げて使用すると、頭受部が前側にせり出してしまい、使用者の頭部にフィットせず、使用者が窮屈に感じやすいものとなっていた。このような実状に鑑みてか、これまでには、シートバックの前面側に、収納時のヘッドレスト本体における頭受部となる部分を格納するための窪みを設ける(例えば特許文献1を参照)ことも行われている。しかし、この種のヘッドレストは、ヘッドレストの設計変更に合わせてシートバックの設計も変更する必要があるという欠点があった。加えて、シートバックに形成した窪みの部分において、着席者の背中を支持する機能が低下するという欠点もあった。
また、これまでには、ヘッドレストステーの上端部に対してヘッドレスト本体を回動可能に支持することで、ヘッドレスト本体を押し下げた際に、ヘッドレスト本体の頭受部がシートバックの前面側へ突出するようにした鞍型のヘッドレスト(例えば特許文献2を参照)も提案されている。この種のヘッドレストでは、シートバックに窪みを設ける必要はないものの、ヘッドレスト本体がシートバックに対して摺り動く構造となっているため、それに起因する摩耗痕や圧接痕がシートバックにおける目立つ箇所に形成されるという問題が指摘されていた。
ところで、以上で述べた鞍型のヘッドレスト以外にも、ヘッドレスト本体の下端部をヘッドレストステーの上端部に対して回動可能に支持することで、収納時においてヘッドレスト本体を前方に倒すことができるようにしたヘッドレスト(例えば特許文献3を参照)も提案されている。以下においては、この構造のヘッドレストを「上振り式のヘッドレスト」と呼ぶことがある。しかし、上振り敷きのヘッドレストは、ヘッドレスト本体を倒すための操作ボタンを設ける必要がある等、機構が複雑で重量化しやすく、高コストとなりやすいという欠点があった。
特開2006−306250号公報 特開2014−162256号公報 特開2009−213541号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、収納式でありながらも、(1)頭受部(ヘッドレスト本体)の前後位置を着席者の頭部にフィットする位置に調節することができ、シートバックに窪み等を設ける必要がなくなる、(2)ヘッドレスト本体に起因する摩耗痕や圧接痕がシートバックに形成されない、といった各種の効果を奏することのできるヘッドレストを提供するものである。また、この種のヘッドレストを、できるだけ簡素かつ軽量な構造で実現し、ヘッドレストの製造コストを抑えることも本発明の目的である。
上記課題は、
シートバックの上部に対して上下スライド可能な状態で支持される2本の支柱の上部を連結部で連結した形態を為すヘッドレストステーと、
クッション材とクッション材に内包された回動機構とを有し、当該回動機構によってヘッドレストステーの連結部に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられたヘッドレスト本体と、
を備え、
ヘッドレスト本体の高さを、ヘッドレスト本体をそれよりも下方へスライドさせることができない収納高さと、ヘッドレスト本体を収納高さから上方へスライドさせた使用可能高さとで切替可能とするとともに、
ヘッドレスト本体の姿勢を、ヘッドレスト本体の下部が下向きとなる使用可能姿勢と、ヘッドレスト本体を使用可能姿勢から前方へ回動させてその下部が前方に突き出た収納姿勢とで切替可能としたヘッドレストであって、
収納高さで収納姿勢にあるヘッドレスト本体の下部背面がシートバックの前面に接触しないようにヘッドレスト本体の後方回動を規制する後方回動規制当接部材をシートバックとヘッドレスト本体との間に設け、
ヘッドレスト本体を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体の当接部αと後方回動規制当接部材の当接部βとの相対的な距離が短くなるようにすることにより、
収納高さにあるヘッドレスト本体を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体の後方回動が規制されるようにしたことを特徴とするヘッドレスト
を提供することによって解決される。
これにより、収納高さにあるヘッドレスト本体の後方回動を規制し、収納位置(収納高さで収納姿勢)にあるヘッドレスト本体の下部背面がシートバックの前面に接触しないようにする(ヘッドレスト本体の下部背面とシートバックの前面との間に隙間が設けられるようにする)ことが可能になる。したがって、ヘッドレスト本体に起因する摩耗痕や圧接痕がシートバックに形成されないようにすることが可能になる。また、本発明のヘッドレストは、ヘッドレスト本体の上下位置だけでなく、ヘッドレスト本体の前後位置も調節することができるようになっているため、ヘッドレスト本体における頭受部を使用者の頭部に容易にフィットさせることができる。
本発明のヘッドレストにおいて、後方回動規制当接部材をどのような態様で設けるのかについては、特に限定されないが、例えば、以下のような態様が挙げられる。
第一に、
後方回動規制当接部材を、ヘッドレストステーの2本の支柱のうち少なくとも一方に対して上下スライド可能な状態で取り付けられたスライド部材とするとともに、
スライド部材を下方へ付勢する第一付勢部材を設け、
回動機構を、
ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
で構成し、
当接部αを回動部材に設ける態様である。
以下においては、この態様のヘッドレストを、「スライド部材規制型のヘッドレスト」と呼ぶことがある。スライド部材規制型のヘッドレストについては、後で詳しく説明する。
第二に、
後方回動規制当接部材を、シートバックの上部に取り付けられる取付部材とするとともに、
回動機構を、
ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
で構成し、
当接部αを回動部材に設ける態様である。
以下においては、この態様のヘッドレストを「取付部材規制型のヘッドレスト」と呼ぶことがある。取付部材規制型のヘッドレストについては、後で詳しく説明する。
第三に、
後方回動規制当接部材を、シートバックの上部に突出した状態で取り付けられるヘッドレストサポートとするとともに、
回動機構を、
ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
で構成し、
当接部αを回動部材に設ける態様である。
以下においては、この態様のヘッドレストを「ヘッドレストサポート規制型のヘッドレスト」と呼ぶことがある。ヘッドレストサポート型のヘッドレストについては、後で詳しく説明する。
本発明のヘッドレストにおいて、当接部αと当接部βとを当接させる箇所(以下、単に「当接箇所」と呼ぶことがある。)は、特に限定されないが、軸部材を端側から見て6時から9時となるまでの範囲、又は、軸部材の上方で当接させると好ましい。前者の場合には、回動部材の中心(軸部材の中心)から当接箇所までの距離を確保しやすくなり、強度面から有利であるし、後者の場合には、回動機構の構造を簡素化しやすくなるという利点がある。
また、本発明のヘッドレストにおいて、軸部材の中心は、ヘッドレストステーの連結部の中心に一致させてもよいが、偏心させると好ましい。例えば、軸部材の中心をヘッドレストステーの連結部の中心よりも下方に位置させると好ましい。これにより、回動機構をダウンサイジングすることが可能になる。また、上記のスライド部材規制型のヘッドレストにおいては、スライド部材におけるヘッドレストステーの支柱に沿って支持される部分(ストレート部)の距離を確保することができ、当接箇所における強度面からも有利な構造を採用しやすくなる。
さらに、本発明のヘッドレストは、その頭受部(ヘッドレスト本体)の形態を特に限定されるものではないが、ヘッドレスト本体が、軸部材に取り付けられる取付基部と、取付基部の前側から下向きに伸びる頭受部とを有するもの(鞍型のヘッドレスト)とすると好ましい。これにより、従来の鞍型のヘッドレストで解決できなかった課題を解決することが可能になる。ここでいう「鞍型のヘッドレスト」は、典型的には、ヘッドレストの上端部が回動中心となる下振り式が挙げられるが、これに限定されず、ヘッドレストの上下方向中間部が回動中心となる中振り式のものも含まれる。
さらにまた、本発明のヘッドレストにおいては、ヘッドレスト本体を、収納姿勢においてシートバックの前面よりも70mm以上前方に突出する形態とすることも好ましい。これにより、収納位置(収納高さで収納姿勢)にあるヘッドレスト本体が着席の邪魔になるようにして、ヘッドレスト本体を使用位置に移動させる操作を着席者に促しやすくすることができる。
本発明のヘッドレストにおいて、回動機構は、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体の使用角度を調節可能にするための使用角度調節機構をさらに備えたものとすることが好ましい。使用角度調節機構の具体的な態様は、特に限定されないが、例えば、以下のような態様が挙げられる。
第一に、使用角度調節機構を、軸部材の外径よりも小さな内径を有し、軸部材に外嵌されて、その両端部が回動部材に固定されたコイルバネによって構成する態様である。これにより、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体の回動角度を無段調節することや、ヘッドレスト本体のガタツキを抑えることが可能になる。以下においては、この態様の使用角度調節機構を「ブレーキバネ型の使用角度調節機構」と呼ぶことがある。
第二に、使用角度調節機構を、
内周部における一部の区間に複数の係合歯を有するラチェット孔が形成された左右一対の縦壁部を備え、ヘッドレストステーに一体結合されるラチェットプレートと、
回動部材に一体結合されるフロントプレートと、
フロントプレートを後方へ回動するように付勢するフロントプレート付勢部材と、
前記係合歯に係合するための左右一対の係合片がその左右両側縁から外方に突出して設けられ、フロントプレートに対して回動可能な状態で支持されるロックプレートと、
ロックプレートを常時ロック方向に付勢するためのロックプレート付勢部材と、
ロックプレートをロック解除方向に回動させて前記係合歯と前記係合片との係合を一時的に解除するロック解除手段と、
によって構成する態様である。
これにより、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体の回動角度を有段調節することや、ヘッドレスト本体のガタツキを抑えることが可能になる。以下においては、この態様の使用角度調節機構を「ラチェット型の使用角度調節機構」と呼ぶことがある。
さらにまた、本発明のヘッドレストにおいては、回動部材を、軸部材を前方から覆う前側回動部材と、軸部材を後方から覆う後側回動部材とで構成された前後分割式のものとしてもよいが、軸部材を左方から覆う左側回動部材と、軸部材を右方から覆う右側回動部材とで構成された左右分割式のものとすると好ましい。このように、回動部材を左右分割式のものとすることで、ヘッドレストの強度を向上することが可能になる。
以上のように、本発明によって、収納式でありながらも、[1]頭受部(ヘッドレスト本体)の前後位置を着席者の頭部にフィットする位置に調節することができ、シートバックに窪み等を設ける必要がなくなる、[2]ヘッドレスト本体に起因する摩耗痕や圧接痕がシートバックに形成されない、といった各種の効果を奏することのできるヘッドレストを提供することが可能になる。また、この種のヘッドレストを、できるだけ簡素かつ軽量な構造で実現し、ヘッドレストの製造コストを抑えることも可能になる。
第一実施態様のヘッドレストを分解した状態を示した斜視図である。 第一実施態様のヘッドレストにおけるスライド部材の周辺をx−z面に平行でヘッドレストステーの支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第一実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステーの左側の支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第二実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステーの左側の支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第三実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステーの左側の支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第四実施態様のヘッドレストにおけるスライド部材の周辺をx−z面に平行でヘッドレストステーの支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第四実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステーの左側の支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 第五実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステーの左側の支柱の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体が収納位置にある場合とについて示した断面図である。 ラチェット型の使用角度調節機構をy−z面に平行な平面で切断した断面図である。 ラチェット型の使用角度調節機構の動作を説明する図である。
本発明のヘッドレストの好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、第一実施態様から第五実施態様までの5つの実施態様を例に挙げて本発明のヘッドレストを説明するが、本発明のヘッドレストの技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、発明の主旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
[第一実施態様のヘッドレスト]
図1は、第一実施態様のヘッドレストを分解した状態を示した斜視図である。図2は、第一実施態様のヘッドレストにおけるスライド部材40の周辺をx−z面に平行でヘッドレストステー10の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。図3は、第一実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステー10の左側の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。
第一実施態様のヘッドレストは、図3に示すように、ヘッドレストステー10と、ヘッドレスト本体20と、ヘッドレストサポート30と、スライド部材40とを備えている。第一実施態様のヘッドレストにおいて、スライド部材40は、上述した「後方回動規制当接部材」に相当する。このため、第一実施態様のヘッドレストは、上記の「スライド部材規制型のヘッドレスト」に該当するものとなっている。
ヘッドレストステー10は、シートバック100の上部に対して上下スライド可能な状態で支持される2本の支柱11,12の上部を連結部13で連結した形態を為している。また、ヘッドレストサポート30は、シートバック100の上部に左右一対で取り付けられており、その上部がシートバック100の上面から突出した状態となっている。一対のヘッドレストサポート30には、ヘッドレストステー10の支柱11と支柱12とがそれぞれ上下スライド可能な状態で保持される。さらに、スライド部材40は、ヘッドレストステー10の支柱11に対して上下スライド可能な状態で取り付けられている。スライド部材40は、第一付勢部材50(図1を参照)によって下方へ付勢されている。スライド部材40の素材は、後述する当接部αと当接部βとの当接箇所において200N程度の圧縮強度を確保できるのであれば、特に限定されず、金属だけでなく樹脂を採用することもできる。特に、ポリアセタール(POM)やナイロン等の樹脂は、ヘッドレストステー10の支柱11に対して滑りやすいため、好適である。スライド部材40は、その全体が一体成形されたものであってもよいし、複数の部材を組み合わせて構成したものであってもよい。
さらにまた、ヘッドレスト本体20は、後述する軸部材22aに取り付けられる取付基部20aと、取付基部20aの前側から下向きに伸びる頭受部20bとを有する鞍型のものとなっている。このヘッドレスト本体20は、クッション材21と、クッション材21に内包された回動機構22とで構成されており、この回動機構22によって、ヘッドレストステー10の連結部13に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられている。回動機構22は、ヘッドレストステー10の連結部13に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材22aと、軸部材22aに対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材22bとで構成されている。回動部材22bは、前後分割式のものとしてもよいが、第一実施態様のヘッドレストにおいては、軸部材22aを左方から覆う左側回動部材22bと、軸部材22aを右方から覆う右側回動部材22bとで構成された左右分割式のものとしている。これにより、ヘッドレストの強度を向上することが可能になる。
ヘッドレスト本体20は、図2(b)に示すように、それよりも下方へスライドさせることができない収納高さと、図2(a)に示すように、収納高さから上方へスライドさせた使用可能高さとで、高さを切り替えることができる。ヘッドレストサポート30に対する支柱11,12を支持させる場所は、無段階又は多段階で変化させることができる。このため、使用可能高さにあるときのヘッドレスト本体20の高さは、着席者の座高等に合わせて調節することが可能となっている。
また、ヘッドレスト本体20は、図3(a)に示すように、その下部が下向きとなる使用可能姿勢と、図3(b)に示すように、使用可能姿勢から前方(ヘッドレスト本体20の下部が前方を向く回動方向。以下同じ。)へ回動させてその下部が前方に突き出た収納姿勢とで、姿勢(回動角度)を切り替えることができる。ヘッドレスト本体20の姿勢(回動角度)は、後述する使用角度調節機構によって無段階又は有段階で変化させることができる。このため、使用可能姿勢にあるときのヘッドレスト本体20の姿勢(回動角度)を、着席者の姿勢等に合わせて調節することが可能となっている。
この第一実施態様のヘッドレストは、収納位置(収納高さで収納姿勢)にあるヘッドレスト本体20の下部背面がシートバック100の前面に接触しないよう(ヘッドレスト本体20の下部背面とシートバック100の前面との間に隙間Dが形成されるよう)に、収納位置においてヘッドレスト本体20の後方(上述した「前方」とは逆の回動方向。以下同じ。)への回動が規制される構造を有している。この回動を規制する構造は、以下のように実現している。
すなわち、ヘッドレスト本体10が使用可能高さにある際には、図2(a)に示すように、スライド部材40が第一付勢部材50によって下方へ押されて、スライド部材40のストッパー用突起41が回動部材22bに当接するまでスライド部材40が下方へ突き出るようにする一方、ヘッドレスト本体10を使用可能高さから収納高さ近傍まで下降する際には、図2(b)に示すように、スライド部材40の下面がヘッドレストサポート30の上面に当接して、スライド部材40が第一付勢部材50の付勢力に抗って回動部材22側へ押し込まれるようにしている。
このため、使用可能高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させると、図3(a)に示すように、回動部材22bに設けられた凸部先端の当接部αが、スライド部材40に設けられた凹部内の当接部γに当接するようになっており、ヘッドレスト本体20の下部を略真下に向けることができるようになっている。これに対し、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させると、図3(b)に示すように、回動部材22bの当接部αは、スライド部材40における当接部γよりも下方かつ前方に位置する当接部βに当接するようになっており、ヘッドレスト本体20の下部背面がシートバック100の前面に当接するまでヘッドレスト本体20を後方回動させることができないようになっている。
換言すると、第一実施態様のヘッドレストは、ヘッドレスト本体20を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体20の当接部αとスライド部材40(後方回動規制当接部材)の当接部βとの相対的な距離(上下方向の距離)が短くなることにより、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体の後方回動が規制されるようになっている。このため、収納位置にあるヘッドレスト本体20の下部背面とシートバック100の前面との間に隙間Dが形成されるようになっており、ヘッドレスト本体20に起因する摩耗痕や圧接痕がシートバック100に形成されないようになっている。
隙間Dの幅は、特に限定されないが、ヘッドレスト本体20の下部背面がシートバック100の前面により確実に当接しないようにするためには、10mm以上確保すると好ましい。また、シートバック100の前面から収納位置にあるヘッドレスト本体20の下部までの距離Lも、特に限定されないが、収納位置(収納高さで収納姿勢)にあるヘッドレスト本体20が着席の邪魔になるようにして、ヘッドレスト本体20を使用位置に移動させる操作を着席者に促しやすくするためには、70mm以上確保すると好ましい。
当接部αと当接部βとの当接箇所は、特に限定されないが、第一実施態様のヘッドレストにおいては、軸部材22aを端側から見て6時から9時となるまでの範囲(図3(b)における軸部材22aの中心Pを時計の針の中心とし、中心Pの真上を12時とした場合に、6時から9時となるまでの範囲)で当接部αと当接部βとが当接するようにすると好ましい。これにより、軸部材22aの中心Pから前記当接箇所までの距離を確保し、収納位置にあるヘッドレスト本体20の後方回動を強固に規制することが可能になる。第一実施態様のヘッドレストにおいては、略7時となる箇所で当接部αと当接部βとが当接するようにしている。
ところで、軸部材22aの中心Pは、ヘッドレストステー10の連結部13の中心Pに一致させてもよいが、偏心させると好ましい。第一実施態様のヘッドレストにおいては、軸部材22aの中心Pを連結部13の中心Pよりも下方に位置させている。これにより、回動機構22をダウンサイジングすることが可能になるだけでなく、スライド部材40におけるヘッドレストステー10の支柱11に沿って支持される部分(ストレート部)の距離を確保することができ、当接ストレート部における強度面からも有利な構造を採用することも可能になる。
[第二実施態様のヘッドレスト]
図4は、第二実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステー10の左側の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。第二実施態様のヘッドレストは、上述した第一実施態様のヘッドレストと同様、「スライド部材規制型のヘッドレスト」に該当するものとなっている。ただし、第一実施態様のヘッドレストは、ヘッドレスト本体20の取付基部20aと頭受部20bとが側面視略L字状を為す鞍型のものとなっていたが、第二実施態様のヘッドレストは、ヘッドレスト本体20における取付基部20aと頭受部20bとが側面視略I字状を為す枕型のものとなっている。その他、第二実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成については、第一実施態様のヘッドレストと同様の構成を採用することができる。
[第三実施態様のヘッドレスト]
図5は、第三実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステー10の左側の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。第三実施態様のヘッドレストは、上述した第一実施態様や第二実施態様のヘッドレストと同様、「スライド部材規制型のヘッドレスト」に該当するものとなっている。ただし、第三実施態様のヘッドレストでは、使用可能高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際には、図5(a)に示すように、スライド部材40に設けられた凸部先端の当接部βが、回動部材22bに設けられた凹部内の当接部δに当接することにより、使用可能高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。また、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際には、図5(b)に示すように、スライド部材40の当接部βが、回動部材22bにおける当接部δよりも上方かつ後方に位置する当接部αに当接することにより、収納高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。すなわち、第三実施態様のヘッドレストは、当接部α及び当接部βの凹凸態様が、第一実施態様とは逆になっている。
また、既に述べた通り、当接部αと当接部βとの当接箇所においては、200N程度の圧縮強度が必要であるところ、第三実施態様のヘッドレストでは、回動部材22bにおける当接部α及び当接部δを、金属板22bで形成するとともに、スライド部材40における当接部βを、金属板42で形成している。このため、スライド部材40を樹脂等の軽量な素材で形成しながらも、収納位置にあるヘッドレスト本体20の後方回動をより強固に規制することができるようになっている。その他、第三実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成については、第一実施態様や第二実施態様のヘッドレストと同様の構成を採用することができる。
[第四実施態様のヘッドレスト]
図6は、第四実施態様のヘッドレストにおけるスライド部材40の周辺をx−z面に平行でヘッドレストステー10の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。図7は、第四実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステー10の左側の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。図6及び図7においては、ヘッドレスト本体20におけるクッション材の図示を省略している。
第四実施態様のヘッドレストは、上述した第一実施態様から第三実施態様のヘッドレストと同様、「スライド部材規制型のヘッドレスト」に該当するものとなっている。ただし、第四実施態様のヘッドレストでは、回動部材22bの内部上面にスライド部材導入凹部22bを設けている。このスライド部材導入凹部22bは、図7(b)に示すように、ヘッドレスト本体20が収納姿勢にあるときには、その開口が下向きとなり、スライド部材40の上部が入り込むことができる状態となるものの、図7(a)に示すように、ヘッドレスト本体20が使用可能姿勢にあるときには、その開口が斜め後向きとなり、スライド部材40の上部が入り込むことができない状態となる。
このため、第四実施態様のヘッドレストでは、使用可能高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際には、図7(a)に示すように、回動部材22bに設けられた凸部先端の当接部δが、スライド部材40の前面側の当接部γに当接することにより、使用可能高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。また、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際には、図7(b)に示すように、回動部材22bのスライド部材導入凹部22bにおける前向き壁面の当接部αが、スライド部材40の上部後面の当接部βに当接することにより、収納高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。
このような構成を採用することにより、軸部材22aの上方で当接部αと当接部βとを当接させることが可能になり、回動機構20の構造を簡素化することができる。その他、第四実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成については、第一実施態様から第三実施態様までのヘッドレストと同様の構成を採用することができる。
[第五実施態様のヘッドレスト]
図8は、第五実施態様のヘッドレストをy−z面に平行でヘッドレストステー10の左側の支柱11の中心線を通る平面で切断した状態を、(a)ヘッドレスト本体20が使用位置にある場合と、(b)ヘッドレスト本体20が収納位置にある場合とについて示した断面図である。第五実施態様のヘッドレストでは、第一実施態様から第四実施態様までのヘッドレストにおけるスライド部材40に相当する部材が設けられておらず、シートバック100の上部に突出した状態で取り付けられるヘッドレストサポート30が、後方回動規制当接部材として機能するようになっている。すなわち、第五実施態様のヘッドレストは、上記の「ヘッドレストサポート規制型のヘッドレスト」に該当するものとなっている。
より具体的には、使用可能高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させると、図8(a)に示すように、回動部材22bに設けられた凸部先端の当接部αが、ヘッドレストステー10の支柱11における前面側の当接部εに当接することにより、使用可能高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。また、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させると、図8(b)に示すように、回動部材22bの当接部αが、ヘッドレストサポート30の上部前側に設けられた当接部βに当接することにより、使用高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動が規制されるようになっている。この構成を採用することにより、ヘッドレストステー10の支柱11にスライド部材を設けない、より簡素な構成で、本発明の目的を達することが可能になる。
この第五実施態様のヘッドレスト(ヘッドレストサポート規制型のヘッドレスト)においても、ヘッドレスト本体20を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体20の当接部αとヘッドレストサポート30(後方回動規制当接部材)の当接部βとの相対的な距離(上下方向の距離)が短くなることにより、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体の後方回動が規制されるようになる点については、上述したスライド部材規制型のヘッドレストと同様である。その他、第五実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成については、第一実施態様から第四実施態様までのヘッドレストと同様の構成を採用することができる。
[第六実施態様のヘッドレスト]
上述した第五実施態様のヘッドレスト(ヘッドレストサポート規制型のヘッドレスト)では、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際に、回動部材22bの当接部αがヘッドレストサポート30の当接部βに当接するようにしていた。しかし、ヘッドレストサポート規制型のヘッドレストと同様の動作は、シートバック100の上部に取り付けられた取付部材(ヘッドレストサポート30以外の部材)を後方回動規制当接部材として機能させても(当接部βを取付部材に設けても)実現できる。すなわち、本発明の目的は、上記の「取付部材規制型のヘッドレスト」を採用しても達成することができる。
例えば、シートバック100の上部における一対のヘッドレストサポート30の隙間となる部分に、シートバック100の上面から突出した状態で取付部材を取り付け、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際に、回動部材22bの当接部αが取付部材に設けた当接部βに当接することにより、収納高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動を規制されるようにすることができる。一方、使用可能高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動させた際には、回動部材22bの当接部αが、当接部βよりも後方に位置する部分、例えば、ヘッドレストステー10の支柱11,12の前面や、あるいは軸部材22aから下向きに設けた使用時後方回動規制突起の前面に当接するようにすれば、使用可能高さにおけるヘッドレスト本体20の後方回動を規制することができる。
この第六実施態様のヘッドレスト(取付部材規制型のヘッドレスト)においても、ヘッドレスト本体20を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体20の当接部αと取付部材(後方回動規制当接部材)の当接部βとの相対的な距離(上下方向の距離)が短くなることにより、収納高さにあるヘッドレスト本体20を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体の後方回動が規制されるようになる点については、上述したスライド部材規制型のヘッドレストと同様である。その他、第六実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成については、第一実施態様から第五実施態様までのヘッドレストと同様の構成を採用することができる。
[使用角度調節機構]
以上で述べた第一実施態様から第六実施態様までのヘッドレストは、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体20の使用角度を調節可能にするための使用角度調節機構が、回動機構20に組み込まれたものとなっている。本発明のヘッドレストで好適に採用できる使用角度調節機構としては、上記の「ブレーキバネ型の使用角度調節機構」と「ラチェット型の使用角度調節機構」とが例示される。
・ブレーキバネ型の使用角度調節機構
ブレーキバネ型の使用角度調節機構60は、図6に示すように、軸部材22aに外嵌されたコイルバネ61(ブレーキバネ)によって実現される。コイルバネ61の両端部は、それぞれ回動部材22bに固定された状態となっており、軸部材22aに対して回動部材22bが回動すると、その回転力がコイルバネ61にも伝わるようになっている。また、コイルバネ61は、自然状態(軸部材22aに外嵌していない状態)においては、その内径が軸部材22aの外径よりも小さく、軸部材22aに対して締付状態で外嵌されており、軸部材22aに対して回動部材22bが回動すると、コイルバネ61の内周面と軸部材22aの外周面との間に抵抗力(摩擦力)が生ずるようになっている。この抵抗力は、ヘッドレスト本体20を前方回動する際は小さく、ヘッドレスト本体20を後方回動する際には大きくなるようになっている。このブレーキバネ型の使用角度調節機構60を採用することにより、操作ボタン等を設けることなく、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体20の回動角度を無段調節することが可能になる。また、ヘッドレスト本体20のガタツキを抑えることも可能になる。
・ラチェット型の使用角度調節機構
一方、ラチェット型の使用角度調節機構は、以下のように実現することができる。図9は、ラチェット型の使用角度調節機構70をy−z面に平行な平面で切断した断面図である。図10は、ラチェット型の使用角度調節機構70の動作を説明する図である。ラチェット型の使用角度調節機構70は、図9に示すように、ヘッドレストステー10の連結部13に一体結合されたラチェットプレート71と、回動部材22bに一体結合されたフロントプレート72と、フロントプレート72を後方へ回動するように付勢するフロントプレート付勢部材73と、フロントプレート72に対して回動可能な状態で支持されたロックプレート74と、ロックプレート74を常時ロック方向に付勢するためのロックプレート付勢部材75と、ロック解除手段76とで構成されている。
ラチェットプレート71は、一部の内周区間に複数の係合歯71aを有するラチェット孔が形成された左右一対の縦壁部(一方の縦壁部のみを図示している。)を備えている。ロックプレート74は、側面視屈曲形状を有しており、その下端部近傍における左右両側縁に、係合歯71aに係合するための左右一対の係合片74a(一方の係合片のみを図示している。)が外方に突出して設けられるとともに、その上端部近傍に、切替カム当接部74bが設けられている。ロック解除手段76は、ラチェットプレート71に固定された切替ピン76cと、フロントプレート72に一体結合されたガイドバー76dと、ガイドバー76dにスライド可能な状態で挿入された樹脂ピース76eとで構成されている。樹脂ピース76eは、切替当接片76eと切替当接片76eと切替カム76eとを具備している。このロック解除手段76は、ロックプレート74をロック解除方向に回動させて係合歯71aと係合片74aとの係合を一時的に解除するためのものとなっている。
このラチェット型の使用角度調節機構70では、図10に示すように、ロックプレート74の係合片74aが係合される係合歯71aが最も後側に位置するものから、最も前側に位置するものまで段階的に切り替えることができるようになっている。係合歯71aと係合片74aとが係合したロック状態においては、切替当接片76eが切替ピン76cに対して規制のない自由状態にあり、ヘッドレスト本体20を手で押して前方向に調節するときは、樹脂ピース76eがガイドバー76dと一体で動き、最前方調整位置で切替当接片76eが切替ピン76cに当接し、最前方調整位置を越えて、さらに前方に操作すると、樹脂ピース76eがガイドバー76dをスライドし、切替カム76eが切替カム当接部74bと当接し、ロックプレート74を回転動させることで、係合歯71aと係合片74aとの係合を外し、ロックを解除する。押した手を離すと、フロントプレート付勢手段73によって最後方調整位置に戻されるとともに、樹脂ピース76eがスライドすることで元の状態に復帰するようになっている。
このラチェット型の使用角度調節機構70を採用することにより、操作ボタン等を設けることなく、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体20の回動角度を多段調節することが可能になる。また、ヘッドレスト本体20のガタツキを抑えることも可能になる。さらに、係合歯71a及び係合片74aを左右一対に設けたことにより、係合歯71a及び係合片74aに掛かる荷重を分散することができるので、ラチェットプレート71及びロックプレート74を薄くすることができるようになっている。
10 ヘッドレストステー
11 支柱
12 支柱
13 連結部
20 ヘッドレスト本体
20a 取付基部
20b 頭受部20b
21 クッション材
22 回動機構
22a 軸部材
22b 回動部材
22b 左側回動部材
22b 右側回動部材
22b 金属板
22b スライド部材導入凹部
30 ヘッドレストサポート
40 スライド部材
41 ストッパー用突起
42 金属板
50 第一付勢部材
60 ブレーキバネ型の使用角度調節機構
61 コイルバネ(ブレーキバネ)
70 ラチェット型の使用角度調節機構
71 ラチェットプレート
71a 係合歯
71a 係合歯面
72 フロントプレート
73 フロントプレート付勢部材
74 ロックプレート
74a 係合片
74b ロック解除バー当接部
74b 切替カム当接部
75 ロックプレート付勢部材
76 ロック解除手段
76c 切替ピン
76d ガイドバー
76e 樹脂ピース
76e 切替カム
76e 切替当接片A
76e 切替当接片B
100 シートバック
D 隙間
L シートバックの前面から収納位置にあるヘッドレスト本体の下部までの距離
軸部材の中心
ヘッドレストステーの連結部の中心
α 当接部(収納高さにおける後方回動規制用)
β 当接部(収納高さにおける後方回動規制用)
γ 当接部(使用可能高さにおける後方回動規制用)
δ 当接部(使用可能高さにおける後方回動規制用)
ε 当接部(使用可能高さにおける後方回動規制用)

Claims (12)

  1. シートバックの上部に対して上下スライド可能な状態で支持される2本の支柱の上部を連結部で連結した形態を為すヘッドレストステーと、
    クッション材とクッション材に内包された回動機構とを有し、当該回動機構によってヘッドレストステーの連結部に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられたヘッドレスト本体と、
    を備え、
    ヘッドレスト本体の高さを、ヘッドレスト本体をそれよりも下方へスライドさせることができない収納高さと、ヘッドレスト本体を収納高さから上方へスライドさせた使用可能高さとで切替可能とするとともに、
    ヘッドレスト本体の姿勢を、ヘッドレスト本体の下部が下向きとなる使用可能姿勢と、ヘッドレスト本体を使用可能姿勢から前方へ回動させてその下部が前方に突き出た収納姿勢とで切替可能としたヘッドレストであって、
    収納高さで収納姿勢にあるヘッドレスト本体の下部背面がシートバックの前面に接触しないようにヘッドレスト本体の後方回動を規制する後方回動規制当接部材をシートバックとヘッドレスト本体との間に設け、
    ヘッドレスト本体を使用可能高さから下方へスライドさせる際に、ヘッドレスト本体の当接部αと後方回動規制当接部材の当接部βとの相対的な距離が短くなるようにすることにより、
    収納高さにあるヘッドレスト本体を後方回動した際に当接部αと当接部βとが当接してヘッドレスト本体の後方回動が規制されるようにしたことを特徴とするヘッドレスト。
  2. 後方回動規制当接部材を、ヘッドレストステーの2本の支柱のうち少なくとも一方に対して上下スライド可能な状態で取り付けられたスライド部材とするとともに、
    スライド部材を下方へ付勢する第一付勢部材を設け、
    回動機構を、
    ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
    軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
    で構成し、
    当接部αを回動部材に設けた
    請求項1記載のヘッドレスト。
  3. 後方回動規制当接部材を、シートバックの上部に取り付けられる取付部材とするとともに、
    回動機構を、
    ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
    軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
    で構成し、
    当接部αを回動部材に設けた
    請求項1記載のヘッドレスト。
  4. 後方回動規制当接部材を、シートバックの上部に突出した状態で取り付けられるヘッドレストサポートとするとともに、
    回動機構を、
    ヘッドレストステーの連結部に対して平行かつ不動な状態で固定された軸部材と、
    軸部材に対して前後方向に回動可能な状態で取り付けられた回動部材と、
    で構成し、
    当接部αを回動部材に設けた
    請求項1記載のヘッドレスト。
  5. 軸部材を端側から見て6時から9時となるまでの範囲で当接部αと当接部βとが当接する請求項2〜4いずれか記載のヘッドレスト。
  6. 軸部材の上方で当接部αと当接部βとが当接する請求項2〜4いずれか記載のヘッドレスト。
  7. 軸部材の中心が、ヘッドレストステーの連結部の中心よりも下方に位置する請求項2〜6いずれか記載のヘッドレスト。
  8. ヘッドレスト本体が、軸部材に取り付けられる取付基部と、取付基部の前側から下向きに伸びる頭受部とを有する請求項2〜7いずれか記載のヘッドレスト。
  9. ヘッドレスト本体が、収納姿勢においてシートバックの前面よりも70mm以上前方に突出する形態とされた請求項1〜8いずれか記載のヘッドレスト。
  10. 回動機構が、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体の使用角度を調節可能にするための使用角度調節機構をさらに備え、
    使用角度調節機構が、軸部材の外径よりも小さな内径を有し、軸部材に外嵌されて、その両端部が回動部材に固定されたコイルバネによって構成された
    請求項2〜9いずれか記載のヘッドレスト。
  11. 回動機構が、使用可能姿勢におけるヘッドレスト本体の使用角度を調節可能にするための使用角度調節機構をさらに備え、
    使用角度調節機構が、
    内周部における一部の区間に複数の係合歯を有するラチェット孔が形成された左右一対の縦壁部を備え、ヘッドレストステーに一体結合されるラチェットプレートと、
    回動部材に一体結合されるフロントプレートと、
    フロントプレートを後方へ回動するように付勢するフロントプレート付勢部材と、
    前記係合歯に係合するための左右一対の係合片がその左右両側縁から外方に突出して設けられ、フロントプレートに対して回動可能な状態で支持されるロックプレートと、
    ロックプレートを常時ロック方向に付勢するためのロックプレート付勢部材と、
    ロックプレートをロック解除方向に回動させて前記係合歯と前記係合片との係合を一時的に解除するロック解除手段と、
    で構成された請求項1〜9いずれか記載のヘッドレスト。
  12. 回動部材が、軸部材を左方から覆う左側回動部材と、軸部材を右方から覆う右側回動部材とで構成された左右分割式のものとされた請求項2〜11いずれか記載のヘッドレスト。
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