JP5827300B2 - 引き出し、及び、キャビネット - Google Patents
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Description
なお、上述した問題は、洗面化粧台の引き出し等、システムキッチン以外の引き出しにも存在する。
物を収納する収納凹部を有するトレイと、を備え、
前記引き出し本体の側部に前記トレイの底部が載置されて前記引き出し本体に対して前記トレイが前記側部に沿って摺動可能とされ、
前記トレイの側部は、下側へ延長されて前記引き出し本体の側部と内外に重なる延長部を有し、
前記トレイの底部は、下側へ出て前記引き出し本体の側部の上端に対して前記トレイの摺動方向へ移動可能に載置される脚部を有し、
前記引き出し本体の側部の上端は、該上端に沿って前記脚部を案内するガイド部を有する、態様を有する。
なお、上記引き出しを備えるキャビネットやシステムキッチン等も、上述した作用、効果を奏する。
まず、図1〜8を参照して本技術の概要を説明する。
図1は、キャビネット本体90に対して引き出し1を引き出し方向D1へ引き出し可能に収容するキッチン用のフロアキャビネット100を設置したシステムキッチンK1の要部の構築例を分解して示している。図中、符号D1は引き出し1の引き出し方向、符号D2は引き出し方向D1とは反対の収容方向、符号D4Lは引き出し方向D1側(手前側S1)から見たときの左方、符号D4Rは手前側S1から見たときの右方、符号D5は上方、符号D6は下方、符号S4Lは左側、符号S4Rは右側、を示している。前述の左方D4L及び右方D4Rを側方D4と総称する。方向D1,D2と方向D4L,D4Rと方向D5,D6は、互いに交わっていればよく、互いに直交していることが好ましいものの、直交しない場合も本発明に含まれる。誤差により厳密な直交からずれることは、直交することに含まれる。分かり易く示すため、各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
キャビネット本体の材質は、特に限定されず、木質素材、熱可塑性樹脂といった樹脂材料、ステンレス等の金属、等とすることができる。
図2は、引き出し1の外観を示している。引き出し1は、概略、物G1を収納する主収納凹部11を有する引き出し本体10と、物G1を収納する副収納凹部51を有する着脱可能なトレイ50とを備えている。引き出し本体10の前部13には、化粧板30及び取っ手31が取り付けられている。ただし、図2,4,7では、取っ手31の図示を省略している。
トレイ50は、引き出し本体10に対して該引き出し本体10の側部20に沿った摺動方向D7へ摺動可能とされている。摺動方向D7は、引き出し方向D1及び収容方向D2に一致する方向が好ましいものの、一致しない場合も本発明に含まれる。誤差により厳密な方向D1,D2から摺動方向D7がずれることは、一致することに含まれる。図2に示す引き出し本体10及びトレイ50は、それぞれ、熱可塑性樹脂といった樹脂材料で一体成形した樹脂成形品とされている。樹脂材料の成形には、射出成形等を用いることができる。なお、引き出し本体10及びトレイ50には、木質材料の加工品、ステンレスといった金属材料の加工品、等も用いることができる。
ここで、側部20L,20Rを側部20と総称する。また、引き出し本体の側部20のうち、トレイ50の側部70の延長部72と内外に重なる(オーバーラップする)部分を重なり部24と呼び、重なり部24の下にある部分を基部22と呼ぶことにする。延長部72と重なり部24とが内外に重なるとは、図6に例示するように、収納凹部11内の収納空間SP1と引き出し1の外部とを水平に結ぶ内外方向D3に沿った線分L1に延長部72と重なり部24の両方が交わることを意味する。
また、図6にも例を示すように、重なり部24(側部20L,20R)の摺動方向D7に沿った上端21は、該上端21に沿って、すなわち、摺動方向D7へトレイ底部60の脚部62を案内する溝状のガイド部21gを有している。
さらに、図7,8にも例を示すように、重なり部24(側部20L,20R)の上端21における奥側S2の端部には、トレイ底部の脚部62と干渉するように上方へ出た凸部81が一体形成されている。該凸部81は、図8に例示するように、脚部62と接触することにより引き出し本体10の背面14bよりもトレイ50の背面54bがより奥側S2となる停止位置P1でトレイ50の奥側S2への摺動を停止させるストッパー機構80を構成する。
設計上、トレイ側部の延長部72と引き出し本体側部の重なり部24とがごく僅かに離隔して配置され、延長部72における摺動抵抗が抑制されている。すなわち、延長部72の主機能は、トレイ50の摺動方向D7への案内ではなく、トレイ50に側方D4への力が加わったときに引き出し本体10からトレイ50が落ちないようにすることである。また、延長部72には、取り外していたトレイ50を引き出し本体10に載せるときに左右の位置を決める、すなわち、摺動位置に決める機能も有する。
なお、上述した爪状先端部63を有する脚部62が好ましいものの、脚部62が摺動方向D7へ長手状に形成され、脚部先端部63が溝状ガイド部21gに挿入される突条(突出した筋道)であっても、トレイ50を動かす操作性が得られる。このような突条も、凸部に含まれる。
次に、引き出し1の作用及び効果を説明する。
図1に示すようにキャビネット本体90に収容されている引き出し1を引き出すと、側部20にトレイ50が載置された引き出し本体10が現れる。引き出し本体の主収納凹部11の手前側S1に対して物G1を出し入れするとき、トレイ50を手で奥側S2へ押すと、図8に示すようにトレイ50の脚部62が引き出し本体10の凸部81に突き当たるまでトレイ50を摺動させることができる。脚部62が凸部81に突き当たる停止位置P1でトレイ50の奥側S2への摺動が停止することにより、引き出し本体10に対してトレイ50が奥の方へ落ちない。また、停止位置P1ではトレイの背面54bが引き出し本体の背面14bよりも奥側S2にあるので、収納凹部11の開放された手前側S1に対して物G1を出し入れし易い。
また、トレイ側部の延長部72が引き出し本体側部20の外側S3oに配置され、引き出し本体側部20において重なり部24の外側面24oが基部22の外側面22oよりも内側S3iにあり、トレイ側部の延長部72の外側面72oが引き出し本体側部の基部22の外側面22oに合わせられているので、引き出された引き出し1の見た目が良好である。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、引き出しは、システムキッチン以外の場所に設置される食器棚、洗面化粧台、等に設けられてもよい。
引き出し本体側部の上端のガイド部は、溝以外にも、長手方向を摺動方向D7に向けた突条等でもよい。ガイド部を突条にする場合、この突条が挿入される摺動方向D7へ向いた溝をトレイ底部の脚部に設けると、引き出し本体に対してトレイを摺動方向D7へ摺動させることができる。むろん、トレイを摺動方向D7へ摺動させる機構は、凸部を溝に挿入する機構に限定されない。
ストッパー機構は、トレイ底部の脚部と干渉する引き出し本体側部上端の凸部以外にも、脚部以外のトレイ底部と干渉する引き出し本体背部上端等でもよい。
図9(a)の要部斜視図、及び、図9(b)の要部垂直断面図に例示する引き出し1Aのトレイ側部70は、基部71から外側S3o寄りに二股状に下方へ延長されて引き出し本体側部20の重なり部24が挿入される溝72gが形成された延長部72を有している。引き出し1Aの溝72gは、トレイ底部にあり、重なり部24(側部20)に載置されてトレイが摺動方向D7へ摺動するようにされている。延長部の外側面72oは、基部22の外側面22oに合わせられている。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、トレイに対して側方への力が加わってもトレイが摺動位置から外れ難い引き出し等の技術を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10…引き出し本体、11…収納凹部、
12…底部、12o…外底面、13…前部、14…背部、14b…背面、
20,20L,20R…側部、21…上端、21g…ガイド部、
22…基部、22o…外側面、
24…重なり部、24o…外側面、24g…溝、24h…折曲部、25…段部、
50…トレイ、51…収納凹部、
53…前部、54…背部、54b…背面、
60…底部、61…一般部、61o…外底面、62…脚部、63…先端部、
70…側部、71…基部、71o…外側面、
72…延長部、72o…外側面、72g…溝、72h…折曲部、72n…先端部、
80…ストッパー機構、81…凸部、
90…キャビネット本体、91…収容空間、92…側板、93…底板、
100〜102…キャビネット、
D1…引き出し方向、D2…収容方向、D3…内外方向、D3i…内方、D3o…外方、
D4…側方、D4L…左方、D4R…右方、D5…上方、D6…下方、D7…摺動方向、
K1…システムキッチン、K2…カウンター、
P1…停止位置、
S1…手前側(引き出し方向側)、S2…奥側、S3i…内側、S3o…外側。
Claims (2)
- 引き出し本体と、
物を収納する収納凹部を有するトレイと、を備え、
前記引き出し本体の側部に前記トレイの底部が載置されて前記引き出し本体に対して前記トレイが前記側部に沿って摺動可能とされ、
前記トレイの側部は、下側へ延長されて前記引き出し本体の側部と内外に重なる延長部を有し、
前記トレイの底部は、下側へ出て前記引き出し本体の側部の上端に対して前記トレイの摺動方向へ移動可能に載置される脚部を有し、
前記引き出し本体の側部の上端は、該上端に沿って前記脚部を案内するガイド部を有することを特徴とする引き出し。 - キャビネット本体に対して引き出しを引き出し可能に収容するキャビネットであって、
前記引き出しは、引き出し本体と、物を収納する収納凹部を有するトレイと、を備え、
前記引き出し本体の側部に前記トレイの底部が載置されて前記引き出し本体に対して前記トレイが前記側部に沿って摺動可能とされ、
前記トレイの側部は、下側へ延長されて前記引き出し本体の側部と内外に重なる延長部を有し、
前記トレイの底部は、下側へ出て前記引き出し本体の側部の上端に対して前記トレイの摺動方向へ移動可能に載置される脚部を有し、
前記引き出し本体の側部の上端は、該上端に沿って前記脚部を案内するガイド部を有することを特徴とするキャビネット。
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