JP4179930B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽を備えた引き出し部が、床面上またはその近くに設置される本体部に対して、引き出し移動および収納移動可能に設けられた食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような食器洗浄機は、台所のキャビネットなどに設置するビルトイン型のものであり、引き出し部を本体部から引き出し移動させて、洗浄槽に食器などの被洗浄物を洗浄槽内に収納可能とし、引き出し部を本体部に対して収納移動させて、洗浄槽を本体部の収納位置に収納させて、洗浄運転や乾燥運転などの各運転を行うものである。
【0003】
このような食器洗浄機が設置される台所のキャビネットの前壁部分には、その下方側部分を上方側部分よりも内方側に入り込めたキャビネット用蹴込み部分が備えられている。
したがって、このような食器洗浄機では、引き出し部の前壁部分に、その下方側部分を上方側部分よりも内方側に入り込めた蹴込み部を備えて構成することにより、引き出し部を本体部に収納移動した状態において、その引き出し部の前壁部分とキャビネットの前壁部分とが面一になるようにしている。
【0004】
そして、従来の食器洗浄機では、引き出し部における洗浄槽の設置位置を、上下方向において、引き出し部の前壁部分における蹴込み部に連なる下方側部分まで下げることにより、蹴込み部に連なる下方側部分をも洗浄槽の設置スペースとして利用し、その下方側部分まで下げた洗浄槽の前面部などを閉塞するために、引き出し部の前壁部分における蹴込み部を閉塞する蹴込み用閉塞体が設けられ、引き出し部の側方については、そのまま剥き出しになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−119457号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の食器洗浄機では、引き出し部の側方がそのまま剥き出しとなっているので、引き出し部の側方において、蹴込み部に対応する部分に、引き出し部の前壁部分における横端部よりも内側に入り込んだ大きな開放空間ができることになる。
説明を加えると、引き出し部の側方において、蹴込み部の下端部に対応する高さと洗浄槽の底面部に対応する高さとの間に隙間が生じるので、引き出し部の側方において、蹴込み部の下端部に対応する高さと洗浄槽の底面部に対応する高さとの間の部分が開放されて、その部分に大きな開放空間ができることになる。
【0007】
そして、引き出し部の側方において、蹴込み部に対応する部分に、大きな開放空間ができると、使用者が、その空間に足の指などを入り込ませたまま、誤って引き出し部を本体部に収納移動させてしまい、足の指などを挟んでしまう虞がある。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、引き出し部を本体部に収納移動させる際に、使用者が足の指などを挟んでしまうことを防止できる食器洗浄機を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明にかかる食器洗浄機の第1特徴構成は、洗浄槽を備えた引き出し部が、床面上またはその近くに設置される本体部に対して、引き出し移動および収納移動可能に設けられた食器洗浄機において、
前記引き出し部の前壁部分が、その下方側部分を上方側部分よりも内方側に入り込めた蹴込み部を備えて構成され、前記引き出し部の前壁部分における前記蹴込み部の前面に蹴込み用閉塞体が設けられ、前記引き出し部の側方には、前記蹴込み部に対応する高さに設置されて、その蹴込み部に対応する部分を閉塞する下方側用閉塞体が前記蹴込み用閉塞体の横端部に設けられている。
【0010】
すなわち、引き出し部の側方において、下方側用閉塞体にて蹴込み部に対応する部分を閉塞することができるので、引き出し部の側方における蹴込み部に対応する部分に、引き出し部の前壁部分における横側部よりも内側に入り込んだ大きな空間ができることを防止できる。
したがって、引き出し部の側方における蹴込み部に対応する部分に、足の指などが入り込むような大きな空間をなくすことができるので、引き出し部を本体部に収納移動させる際に、使用者が足の指を挟んでしまうことを防止できることになる。
【0011】
以上のことから、引き出し部を本体部に収納移動させる際に、使用者が足の指を挟んでしまうことを防止できる食器洗浄機を提供できるに至った。
【0012】
本発明にかかる食器洗浄機の第2特徴構成は、前記引き出し部の側方には、前記下方側用閉塞体の設置箇所よりも上方側部分を閉塞する上方側用閉塞体が設けられている点にある。
【0013】
すなわち、上方側用閉塞体と下方側用閉塞体とを設けることによって、引き出し部の側方において、蹴込み部に対応する部分とその部分よりも上方側部分を閉塞することができることになる。
そして、上方側用閉塞体については、洗浄槽の外側壁部分を利用することにより平面状で閉塞することができるので、引き出し部の側方のうち、洗浄槽の外側壁部分を閉塞する部分を上方側用閉塞体として兼用することができることになる。
【0014】
また、例えば、既設の食器洗浄機が引き出し部の前壁部分における蹴込み部を閉塞する蹴込み用閉塞体が設けられている食器洗浄機である場合には、その蹴込み用閉塞体の横端部に下方側用閉塞体を取り付けることにより、引き出し部の側方において、蹴込み部に対応する部分を閉塞することができることになる。
したがって、既設の食器洗浄機に下方側用閉塞体を取り付けるだけで、引き出し部を本体部に収納移動させる際に、使用者が足の指を挟んでしまうことを防止することができ、既設の食器洗浄機を利用しながら、容易に使用者が足の指を挟んでしまうことを防止することができることになる。
【0015】
本発明にかかる食器洗浄機の第3特徴構成は、前記下方側用閉塞体が、前記蹴込み用閉塞体と一体状態に設けられている点にある。
【0016】
すなわち、蹴込み用閉塞体と下方側用閉塞体とが一体状態に設けられているので、蹴込み用閉塞体に一体状態で設けられている下方側用閉塞体を取り付けるだけで、蹴込み部に対応する部分を閉塞するように下方側用閉塞体を設置することができることになる。
したがって、蹴込み用閉塞体と下方側用閉塞体とが別体状態に設けられているものと比べて、下方側用閉塞体を容易に設置することができることになる。
【0017】
本発明にかかる食器洗浄機の第4特徴構成は、前記下方側用閉塞体が、前記引き出し部の移動に伴って、前記本体部の内方側を移動するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、引き出し部の側方のうち、引き出し部を本体部に収納移動させた際に、下方側用閉塞体が本体部の内側に収納されることになる。
したがって、引き出し部を本体部に収納移動させた際に、下方側用閉塞体を本体部に安定して収納させることができることになる。
【0019】
本発明にかかる食器洗浄機の第5特徴構成は、前記下方側用閉塞体が、前記引き出し部の移動に伴って、前記本体部の外方側を移動するように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、引き出し部を本体部に収納移動させた際に、下方側用閉塞体が本体部の外方側に移動するので、単に、下方側用閉塞体を設けるだけで、本体部に下方側用閉塞体を収納させる空間などを設けなくても、引き出し部を本体部に収納移動させることができることになる。
したがって、本体部に下方側用閉塞体を収納する収納部を設けなくてもよいので、本体部の構成の簡素化を図ることができることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる食器洗浄機を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この食器洗浄機は、図1〜図4に示すように、台所のキャビネット1に隣接する状態で設置され、洗浄槽2を備えた引き出し部3が、床面上またはその近くに設置される本体部4に対して、引き出し移動および収納移動可能に設けられている。
【0022】
ちなみに、図1は、台所のキャビネット1に隣接するように食器洗浄機を設置した状態を示す図であり、図2は、食器洗浄機の斜視図であり、図3は、食器洗浄機の側面図であり、図4は、食器洗浄機の一部切欠正面図である。
【0023】
そして、この食器洗浄機は、引き出し部3を本体部4に収納した状態で洗浄槽2の上面部を閉塞し、かつ、引き出し部3を本体部4から引き出した状態で洗浄槽2の上面部を開口させる内蓋部5、食器洗浄機の運転を制御する制御部などを備えて構成されている。
【0024】
また、図示はしないが、引き出し部3には、洗浄槽2の下方に、洗浄ポンプ、排水ポンプなども備えられ、洗浄槽2の内部には、洗浄ノズルやヒーターなどが設けられ、食器などを収納載置するステンレス製の洗浄かごが取り出し自在に収納されている。
【0025】
前記本体部4の内側方側に、洗浄槽2を本体部4に対して収納移動および本体部4から引き出し移動させるための左右一対のレール案内体8が設けられ、引き出し部3の側壁部分3bに、レール案内体8にて案内される左右一対のレール体9が設けられている。
そして、洗浄槽2の前部には扉10が設けられ、その扉10の把手を操作することにより、引き出し部3を本体部4から引き出し移動させたり、引き出し部3を本体部4に収納移動させるように構成されている。
【0026】
説明を加えると、引き出し部3の引き出し操作に伴って、レール案内体8がレール体9を本体部4の前方側に案内して、本体部4から引き出し部3を前方側に引き出し移動させて、食器などの被洗浄物を洗浄槽2内に収納するように構成されている。
また、引き出し部3の収納操作に伴って、レール案内体8がレール体9を本体部4の後方側に案内して、引き出し部3を本体部4に対して後方側に収納移動させて、引き出し部3を本体部4の収納位置に収納させて扉10にて本体部4を閉塞するように構成されている。
【0027】
そして、引き出し部3を本体部4から引き出した状態で、食器などを洗浄かごに収納したり取り出し可能とし、引き出し部3を本体部4に収納した状態で、洗浄ポンプ、洗浄ノズルやヒータなどを作動させて、洗浄運転や乾燥運転などの各運転を行うように構成されている。
【0028】
前記内蓋部5は、図外のコイルスプリングやカム機構を利用して、引き出し部3の収納方向への移動および引き出し方向への移動に連動して、洗浄槽2の上面部に対して上下動させて、引き出し部3を収納位置まで移動させると、内蓋部5にて洗浄槽2の上面部を閉塞し、引き出し部3を本体部4から引き出した状態で洗浄槽2の上面部を開口させるように構成されている。
なお、内蓋部5を、洗浄槽2の移動に連動して移動させるとともに、洗浄槽2の上面部に対して上下動させるための構成は、コイルスプリングやカム機構に限らず、例えば、リンク機構など、各種のものが適応可能である。
【0029】
そして、引き出し部3の前壁部分3aが、その下方側部分を上方側部分よりも内方側に入り込めた蹴込み部6を備えて構成され、引き出し部3を本体部4に収納させた状態で、台所のキャビネット1の前壁部分に備えられているキャビネット用蹴込み部分7と、引き出し部3の前壁部分3aにおける蹴込み部6とが面一になるように構成されている。
また、引き出し部3の前壁部分3aにおける蹴込み部6の前面に設置自在な板状の蹴込み用閉塞体11が設けられ、この蹴込み用閉塞体11が蹴込み部6を閉塞するように構成されている。
そして、引き出し部3の前壁部分3aが、扉10および蹴込み用閉塞体11にて構成され、引き出し部3を本体部4の収納位置に収納させた際に、扉10および蹴込み用閉塞体11にて本体部4の開口を閉塞するように構成されている。
【0030】
前記引き出し部3の側方である、引き出し部3の左右一対の側壁部分3bには、蹴込み部6に対応する高さに設置されて、その蹴込み部6に対応する部分を閉塞する下方側用閉塞体13が設けられている。
また、左右一対の側壁部分3bには、下方側用閉塞体13に加えて、その下方側用閉塞体13とは別体で、下方側用閉塞体13の設置箇所よりも上方側部分を閉塞する上方側用閉塞体15が設けられている。
そして、下方側用閉塞体13が、蹴込み用閉塞体11と一体状態に設けられ、引き出し部3の移動に伴って、本体部4の内方側を移動するように構成されている。
【0031】
説明を加えると、図5に示すように、引き出し部3の側壁部分3bのうち、蹴込み部6に対応する部分よりも上方側部分については洗浄槽2の側壁部分3bを利用して平面状で閉塞してあるので、その上方側部分が上方側用閉塞体15を兼用するように構成されている。
そして、下方側用閉塞体13が蹴込み用閉塞体11の横端部にビスや接着材にて固着されて、蹴込み用閉塞体11と下方側用閉塞体13とが一体状態に設けられ、その一体状態の蹴込み用閉塞体11と下方側用閉塞体13とを、洗浄槽2の底面部などにビスや接着材などを用いて固着するように構成されている。
また、本体部4の内側面部の下方側部分は、図4に示すように、引き出し部3を収納移動させた際に、下方側用閉塞体13を収納できるように、その上方側部分よりも外側に張り出した状態で構成されている。
【0032】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態の下方側用閉塞体13についての別実施形態を示すものであり、その点を中心に図面に基づいて説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0033】
この第2実施形態では、図6および図7に示すように、引き出し部3の側壁部分3bにおける下方側用閉塞体13が、引き出し部3の移動に伴って、本体部4の外方側を移動するように構成されている。
説明を加えると、下方側用閉塞体13が、本体部4の外方側に位置するように、蹴込み用閉塞体11の横端部に固着され、本体部4の外側面部には、その上方側部分よりも内方側に入り込めた下方側用閉塞体用収納部16を備えて構成されている。
そして、引き出し部3を本体部4に収納移動させると、図8に示すように、下方側用閉塞体13が下方側用閉塞体用収納部16に移動するように構成されている。
【0034】
〔別実施形態〕
(1)上記第1および第2実施形態では、下方側用閉塞体13を、蹴込み用閉塞体11と一体状態に設けて、その一体状態の蹴込み用閉塞体11と下方側用閉塞体13とを固着するようにしているが、図9に示すように、下方側用閉塞体13を、蹴込み用閉塞体11と分離状態で設けて、下方側用閉塞体13と蹴込み用閉塞体11とを各別に洗浄槽2の底面部などにビスや接着剤などを用いて固着するように構成して実施してもよい。
【0035】
(2)上記第1および第2実施形態では、引き出し部3の側壁部分3bにおいて、下方側用閉塞体13に加えて、その下方側用閉塞体13の設置箇所よりも上方側部分を閉塞する上方側用閉塞体15を設けているが、必ずしも上方側用閉塞体15を設ける必要はなく、下方側用閉塞体13のみを設けて実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】食器洗浄機を設置した状態を示す斜視図
【図2】第1実施形態における食器洗浄機の斜視図
【図3】第1実施形態における食器洗浄機の側面図
【図4】第1実施形態における食器洗浄機の一部切欠正面図
【図5】第1実施形態における食器洗浄機の要部を分解した斜視図
【図6】第2実施形態における食器洗浄機の斜視図
【図7】第2実施形態における食器洗浄機の側面図
【図8】第2実施形態における食器洗浄機の一部切欠正面図
【図9】別実施形態における食器洗浄機の要部を分解した斜視図
【符号の説明】
2 洗浄槽
3 引き出し部
3a 引き出し部の前壁部分
4 本体部
6 蹴込み部
11 蹴込み用閉塞体
13 下方側用閉塞体
15 上方側用閉塞体
Claims (5)
- 洗浄槽を備えた引き出し部が、床面上またはその近くに設置される本体部に対して、引き出し移動および収納移動可能に設けられた食器洗浄機であって、
前記引き出し部の前壁部分が、その下方側部分を上方側部分よりも内方側に入り込めた蹴込み部を備えて構成され、
前記引き出し部の前壁部分における前記蹴込み部の前面に蹴込み用閉塞体が設けられ、
前記引き出し部の側方には、前記蹴込み部に対応する高さに設置されて、その蹴込み部に対応する部分を閉塞する下方側用閉塞体が前記蹴込み用閉塞体の横端部に設けられている食器洗浄機。 - 前記引き出し部の側方には、前記下方側用閉塞体の設置箇所よりも上方側部分を閉塞する上方側用閉塞体が設けられている請求項1に記載の食器洗浄機。
- 前記下方側用閉塞体が、前記蹴込み用閉塞体と一体状態に設けられている請求項1または2に記載の食器洗浄機。
- 前記下方側用閉塞体が、前記引き出し部の移動に伴って、前記本体部の内方側を移動するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
- 前記下方側用閉塞体が、前記引き出し部の移動に伴って、前記本体部の外方側を移動するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
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