以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る複合機Aは、電子写真方式に基づいて記録紙に画像を形成する画像形成装置であり、図1に示すように、操作表示部1、画像読取部2、画像データ記憶部3、画像形成部4、通信部5及び演算制御部6を備える。
操作表示部1は、操作表示制御部11、ハードウェアキーである操作キー12及びソフトウェアキーや各種画像を表示するタッチパネル13を備えており、ユーザーと複合機Aとを関係付けるマンマシンインターフェイスとして機能する。なお、上記操作表示制御部11は、本実施形態における判断手段及び設定手段である。
操作表示制御部11は、演算制御部6による制御の下で、上記操作キー12及びタッチパネル13を制御する制御装置であり、MPU(Micro Processing Unit)、内部メモリ及び電気的に相互接続された操作キー12及びタッチパネル13と信号の送受信を行うインターフェイス回路等から構成されており、内部メモリに記憶された所定の制御プログラムに基づいて操作表示部1の全体動作を制御する。
例えば、この操作表示制御部11は、タッチパネル13に表示信号を出力することによりタッチパネル13に操作ボタンや各種画像を表示させる。また、操作表示制御部11は、操作キー12またはタッチパネル13から入力される操作信号に基づいていずれの操作キー12またはタッチパネル13に表示される操作ボタンが操作されたか判定し、判定結果に基づいて指示信号を演算制御部6に出力する。
操作キー12は、ハードウェアキーとして操作表示部1に物理的に備えられたものであり、例えば、電源キー12a(図2参照)、スタートキー、ストップ/クリアキー及びテンキー(数値入力キー)等がある。操作キー12では、ユーザーによって上述した各キーが押下されると、各キーから操作信号を操作表示制御部11に出力する。このような操作キー12の機械的構造について電源キー12aを例に説明する。
電源キー12aは、図3に示すように、押下部材a1、バネa2(付勢手段)、圧電素子a3及び収容部a4を備えている。押下部材a1は、ドーム状に形成され、ユーザーによって押下操作される押下部a11と、押下部a11の下面a13中央に設けられ、下方に向かって垂直に延びるロッドa12とから構成される。このような押下部材a1は、操作表示部1の筐体に形成された収容部a4内において、圧電素子a3上でバネa2によって押下部a11の下面a13が上方向(圧電素子aから離間する方向)に付勢されている。これにより、ロッドa12と圧電素子a3との間に微小な隙間が形成される。また、押下部材a1では、押下部a11がユーザーによって押下されると、ロッドa12が圧電素子a3を押圧する状態となる。
バネa2は、円筒形の螺旋状に巻いたバネであり、収容部a4内において、圧電素子a3上に垂直姿勢で載置され、押下部a11の下面a13に上方向(圧電素子aから離間する方向)への付勢力を付与する。
圧電素子a3は、操作表示制御部11の制御の下、印加される電圧に応じて高さ方向に伸縮すると共に、上記ロッドa12によって押圧されることで生じる変形の度合いに比例した電圧を操作表示制御部11に出力するものである。このような圧電素子a3は、収容部a4の底面に固定されると共に上にバネa2が載置されている。圧電素子a3が電圧の印加によって高さ方向に伸縮すると、バネa2の位置が高さ方向に変位して押下部a11の高さ方向の位置も変位する。
このような圧電素子a3は、図4に示すように、スイッチング素子a21、第1の抵抗器a22、第2の抵抗器a23、第3の抵抗器a24、第4の抵抗器a25、第1のダイオードa26、第2のダイオードa27及び第3のダイオードa28及び操作表示制御部11と共に圧電素子制御回路を構成している。なお、スイッチング素子a21、第1の抵抗器a22、第2の抵抗器a23、第1のダイオードa26及び操作表示制御部11は、本実施形態における電圧印加手段を構成する。
圧電素子a3は、一端が第1のダイオードa26のカソード端子、第3の抵抗器a24の一端及び第4の抵抗器a25の一端に接続され、他端が第3の抵抗器a24の他端、第2のダイオードa27のアノード端子及びグランドに接続されている。
スイッチング素子a21は、例えば、バイポーラトランジスタであり、ベース端子が第1の抵抗器a22を介して操作表示制御部11の出力ポート11aに接続され、エミッタ端子が直流電源及び第2の抵抗器a23の一端に接続され、コレクタ端子が第1のダイオードa26を介して圧電素子a3の一端に接続されている。このようなスイッチング素子a21は、操作表示制御部11から駆動信号がベース端子に入力されると、ON状態となって、直流電源から圧電素子a3への電力供給を可能にし、駆動信号がベース端子に入力されないと、OFF状態となって、直流電源から圧電素子a3への電力供給を停止する。このようなスイッチング素子a21は、バイポーラトランジスタ以外にも、例えばFETトランジスタ(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であってもよい。
第1の抵抗器a22は、一端が操作表示制御部11の出力ポート11aに接続され、他端がスイッチング素子a21のベース端子及び第2の抵抗器a23の他端に接続されており、スイッチング素子a21のベース端子に入力される駆動信号の電流値を調整するために設けられている。
第2の抵抗器a23は、一端が直流電源及びスイッチング素子a21のエミッタ端子に接続され、他端が第1の抵抗器a22の他端及びスイッチング素子a21のベース端子に接続されており、リーク電流やノイズがベース端子に流れることを防ぐために設けられている。
第3の抵抗器a24は、一端が圧電素子a3の一端、第1のダイオードa26のカソード端子及び第4の抵抗器a25の一端に接続され、他端が圧電素子a3の他端、第2のダイオードa27のアノード端子及びグランドに接続されている。
第4の抵抗器a25は、一端が圧電素子a3の一端、第1のダイオードa26のカソード端子及び第3の抵抗器a24の一端に接続され、他端が操作表示制御部11の入力ポート11b、第2のダイオードa27のカソード端子及び第3のダイオードa28のアノード端子に接続されている。
第1のダイオードa26は、アノード端子がスイッチング素子a21のコレクタ端子に接続され、カソード端子が圧電素子a3の一端、第3の抵抗器a24の一端及び第4の抵抗器a25の一端に接続されている。
第2のダイオードa27は、アノード端子が圧電素子a3の他端、第3の抵抗器a24の他端及びグランドに接続され、カソード端子が操作表示制御部11の入力ポート11b、第4の抵抗器a25の他端及び第3のダイオードa28のアノード端子に接続されている。
第3のダイオードa28は、アノード端子が操作表示制御部11の入力ポート11b、第4の抵抗器a25の他端及び第2のダイオードa27のカソード端子に接続され、カソード端子が直流電源に接続されている。
操作表示制御部11は、出力ポート11aが第1の抵抗器a22を介してスイッチング素子a21のベース端子に接続され、入力ポート11bが第4の抵抗器a25を介して圧電素子a3の一端に接続されている。このような操作表示制御部11は、出力ポート11aから駆動信号をスイッチング素子a21のベース端子に出力することによりスイッチング素子a21をON状態にして、圧電素子a3に電圧を供給し、一方出力ポート11aからの駆動信号の出力を停止することによりスイッチング素子a21をOFF状態にして、圧電素子a3への電圧の供給を停止する。
圧電素子a3に電圧が供給された場合には、圧電素子a3が高さ方向に収縮して、押下部材a1の高さ方向の位置が下がる(図3(b)参照)。一方、圧電素子a3に電圧が供給されない場合には、圧電素子a3の高さ方向の幅が通常に戻り、押下部材a1の高さ方向の位置が上がる(図3(a)参照)。また、操作表示制御部11は、圧電素子a3から入力ポート11bに入力された電圧信号に基づいて電源のON/OFF状態を制御すると共に、スイッチング素子a21を制御して圧電素子a3を振動させる。
タッチパネル13は、周知のように表示パネルの表示面に抵抗膜方式等の透明な面状押圧センサーを設けたものであり、操作表示制御部11から入力される表示信号に基づいて表示パネルに表示した操作ボタンをユーザーの指等によって押圧されると、面状押圧センサーが押圧位置(押圧座標)を示す操作信号を操作表示制御部11に出力するものである。
画像読取部2は、図5に示すようにADF(Automatic document feeder:自動原稿送り装置)21及びフラットベット読取部22から構成されており、演算制御部6から入力される制御信号に基づいてADF21により給紙される原稿またはユーザーによりフラットベット読取部22上に載置された原稿の表面画像(原稿画像)を読み取って原稿画像データに変換し、この原稿画像データを画像データ記憶部3に出力する。
画像データ記憶部3は、半導体メモリ−またはハードディスク装置等であり、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて上記原稿画像データ、通信部5が外部のクライアントコンピューターから受信するプリント画像データあるいは通信部5が外部のファクシミリ装置から受信するファクシミリ画像データを記憶すると共に、これら画像データを演算制御部6から入力される制御信号に基づいて読み出して画像形成部4に出力する。
画像形成部4は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて、給紙カセット45から取り出した記録紙Pに画像データ記憶部3から読み出した画像データに基づくトナー画像を画像形成するものである。この画像形成部4は、ベルトローラー41、中間転写ベルト42、トナーの各色(Y,M,C,K)に対応する4つの画像形成ユニット43Y,43C,43M,43K、1次転写ローラー44Y,44C,44M,44K、給紙カセット45、ピックアップローラー46、搬送ローラー47、レジストローラー48、2次転写ローラー49、分離除電部50、定着ローラー51、排紙ローラー52、排紙トレイ53、反転ローラー54、分岐ガイド55、3対の反転紙搬送ローラー56及び記録紙センサー57を備えている。
ベルトローラー41は、図示するように、離間して配設された3つのローラー、つまり駆動ローラー41a、従動ローラー41b及びテンションローラー41cからなる。すなわち、駆動ローラー41aと従動ローラー41bとは水平方向に一定距離を空けて配置され、テンションローラー41cは、このような駆動ローラー41aと従動ローラー41bとの間かつ若干上方に変位した位置に配置されている。中間転写ベルト42は、このようなベルトローラー41(駆動ローラー41a、従動ローラー41b、テンションローラー41c)に架け渡された無端ベルトであり、駆動ローラー41aによって矢印で示す方向に走行する。
すなわち、中間転写ベルト42は、駆動ローラー41aと従動ローラー41bとの間においては水平方向に走行する。また、上述した駆動ローラー41aは、駆動力を発生するモーターが軸結合されたローラーであり、モーターの動力によって中間転写ベルト42を矢印方向に走行させる。上記従動ローラー41bは、自由回転するように設けられたフリーローラーであり、中間転写ベルト42を駆動ローラー41aの動力に従って案内する。また、上記テンションローラー41cは、回転軸が可動可能に設けられ、所定の付整力で中間転写ベルト42を押圧することにより一定のテンション(張力)を中間転写ベルト42に付与するローラーである。
画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kは、図示するように、上述した中間転写ベルト42の水平走行部位に所定間隔を空けて設けられている。これら画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kのうち、画像形成ユニット43Yは、イエロー(Y)のトナー画像を形成するユニットであり、従動ローラー41bに最も近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Cは、シアン(C)のトナー画像を形成するユニットであり、上記画像形成ユニット43Yの次に従動ローラー41bに近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Mは、マゼンダ(M)のトナー画像を形成するユニットであり、上記画像形成ユニット43Cの次に従動ローラー41bに近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Kは、ブラック(K)のトナー画像を形成するユニットであり、駆動ローラー41aに最も近い位置に設けられている。
このような画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kは、各々に感光体ドラムay,ac,am,ak、帯電部by,bc,bm,bk、レーザースキャニングユニットcy,cc,cm,ck、現像ユニットdy,dc,dm,dk及びクリーナーey,ec,em,ekを構成要素としている。
すなわち、画像形成ユニット43Yは、感光体ドラムay、帯電部by、レーザースキャニングユニットcy、現像ユニットdy及びクリーナーeyから構成され、画像形成ユニット43Cは、感光体ドラムac、帯電部bc、レーザースキャニングユニットcc、現像ユニットdc及びクリーナーecから構成され、画像形成ユニット43Mは、感光体ドラムam、帯電部bm、レーザースキャニングユニットcm、現像ユニットdm及びクリーナーemから構成され、画像形成ユニット43Kは、感光体ドラムak、帯電部bk、レーザースキャニングユニットck、現像ユニットdk及びクリーナーekから構成されている。
各感光体ドラムay,ac,am,akは、周面が所定の感光体材料(例えばアモルファスシリコン)で形成された円筒部材である。各帯電部by,bc,bm,bkは、各感光体ドラムay,ac,am,akの周面(感光面)を均一に帯電させるものである。各レーザースキャニングユニットcy,cc,cm,ckは、帯電状態の上記感光面にレーザー光を照射することにより、感光面に静電潜像を形成するものである。
各現像ユニットdy,dc,dm,dkは、内部に所定の量のトナー(正極性トナー)を収容すると共に当該トナーを感光面に供給することにより当該感光面に形成された静電潜像をトナー画像として現像する。各クリーナーey,ec,em,ekは、トナー画像の転写後の感光面に残留するトナー(残留トナー)を掻き落として除去するものである。
1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kは、図示するように画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kに対応して4つ設けられており、各々に中間転写ベルト42を挟んだ状態で各画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kの感光体ドラムay,ac,am,akに対向配置されている。また、各1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kには負極性の1次転写バイアス(高電圧)が印加されており、各1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kは、この1次転写バイアスの作用によって各画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kの感光体ドラムay,ac,am,akにそれぞれ形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト42に転写(1次転写)させる。
給紙カセット45は、A4サイズやB5サイズ等、所定形状の記録紙Pを複数枚重ねた状態で収容する容器である。ピックアップローラー46は、給紙カセット45の上部において記録紙Pに圧接するように設けられ、給紙カセット45内の記録紙Pを1枚づつ取り出して搬送ローラー47に送り出すローラーである。搬送ローラー47は、ピックアップローラー46から給紙された記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送するローラーである。レジストローラー48は、搬送ローラー47から供給された記録紙Pを所定のタイミングで2次転写ローラー49に供給するローラーである。
2次転写ローラー49は、中間転写ベルト42を挟んで駆動ローラー41aに対向配置されたローラーであり、中間転写ベルト42上のトナー画像を記録紙Pに転写(2次転写)させるものである。この2次転写ローラー49には、負極性の2次転写バイアス(高電圧)が印加されており、2次転写ローラー49は、この2次転写バイアスの作用によって中間転写ベルト42上のトナー画像を記録紙Pに転写(2次転写)させる。
分離除電部50は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて記録紙Pに向けて正極性の除電バイアスを供給する。この除電バイアスは、記録紙Pの帯電を中和して無帯電状態にするためのものであり、記録紙Pの2次転写ローラー49からの分離を良好にするものである。分離除電部50は、ステンレスからなる鋸歯状電極を有し、この鋸歯状電極の先端から電界が形成され記録紙Pが除電される。
定着ローラー51は、内部にヒータを備えた加熱ローラー51aと、当該加熱ローラー51aに圧接する加圧ローラー51bとから構成されている。この定着ローラー51は、加熱ローラー51aと加圧ローラー51bとで各色のトナー画像が転写された記録紙Pを挟み込むことにより記録紙Pを加熱及び加圧して、各色のトナー画像を記録紙P上に定着させる。加熱ローラー51a及び加圧ローラー51bは、記録紙Pと接触する接触面(表面)が摩擦により負極性に帯電するフッ素系材料によって形成されている。すなわち、加熱ローラー51a及び加圧ローラー51bは、その表面が記録紙Pとの摩擦により負極性に帯電する。
排紙ローラー52は、定着ローラー51から搬送されると共に分岐ガイド55により案内された記録紙Pを排紙トレイ53に向けて搬送するローラーである。排紙トレイ53は、排紙ローラー52から供給された記録紙Pを収容・保持する収容部である。反転ローラー54は、定着ローラー51から搬送されると共に分岐ガイド55により案内された記録紙Pをスイッチバック搬送するためのローラーである。つまり、反転ローラー54は、正転することにより定着ローラー51から供給された記録紙Pを挟み込み、当該挟みこんだ状態で逆転することにより記録紙Pを反転紙搬送ローラー56に向けて搬送する。
分岐ガイド55は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて定着ローラー51から排出された記録紙Pの搬送先を排紙ローラー52または反転ローラー54に択一的に切り替える。つまり、分岐ガイド55は、記録紙Pを排紙トレイ53に排紙する場合には、第1の姿勢(図1に示す点線の姿勢)とすることにより記録紙Pの搬送先を排紙ローラー52とし、一方、第2の姿勢(図1に示す実線の姿勢)とすることにより記録紙Pの搬送先を反転ローラー54に切り替える。
反転紙搬送ローラー56は、反転ローラー54から供給された記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送するための搬送経路(反転経路)に設けられたローラーである。この反転紙搬送ローラー56は、図示するように、反転経路において離間した3箇所に設けられている。記録紙センサー57は、定着ローラー51と分岐ガイド55との間に配置され、定着ローラー51を通過した記録紙Pの枚数を検出し、当該枚数を示す検出信号を演算制御部6に出力する。
ここで、記録紙Pの表面と裏面とにトナー画像を形成する両面画像形成においては、上記反転ローラー54、分岐ガイド55及び反転紙搬送ローラー56が機能することにより、表面の画像形成において定着ローラー51を通過した記録紙Pが表面と裏面とが反転した状態でレジストローラー48に再度供給され、記録紙Pの裏面の画像形成が行われる。
通信部5は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて電話回線を介して外部の複合機あるいはファクシミリ装置、またLAN(Local Area Network)を介してクライアントコンピューター等と通信を行うものである。すなわち、この通信部5は、イーサネット(登録商標)等のLAN規格に準拠した通信機能と、G3等のファクシミリ規格に準拠した通信機能とを兼ね備えたものである。
演算制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び電気的に相互接続された各部と各種信号の送受信を行うインターフェイス回路等から構成されている。この演算制御部6は、上記ROMに記憶された制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行うと共に各部と通信を行うことにより複合機Aの全体動作を制御する。
次に、このように構成された複合機Aの動作について説明する。
最初に本複合機Aの全体動作を説明する。例えばユーザーがADF21に原稿をセットし、また操作表示部1を操作することによって記録紙Pの片面への原稿の複写(コピー)を指示すると、当該指示に関する指示信号は操作表示部1から演算制御部6に入力される。この結果、演算制御部6は、画像読取部2に原稿の頁毎に原稿画像を順次読み取らせると共に、当該原稿画像の原稿画像データを画像データ記憶部3に記憶させる。そして、演算制御部6は、上記原稿画像データに基づいて各トナー色に対応するビットマップ画像データをそれぞれ生成し、これらビットマップ画像データに基づいて原稿画像の画像形成処理を画像形成部4に実行させる。
すなわち、演算制御部6は、ピックアップローラー46を駆動させて給紙カセット45内の記録紙Pを1枚づつ取り出して搬送ローラー47に送り出させると共に当該搬送ローラー47を駆動させて記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送させる。また、演算制御部6は、駆動ローラー41aを駆動させて中間転写ベルト42を走行状態とすると共に、各画像形成ユニット43Y,43M,43C,43Kを駆動させ、上述した各ビットマップ画像データに基づいて各色の正極性トナーからなるトナー画像を各感光体ドラム43aの感光面(周面)に形成させる。そして、演算制御部6は、各1次転写ローラー44Y,44M,44C,44Kに負極性の1次転写バイアスを印加させることによって、各感光体ドラム43aのトナー画像を中間転写ベルト42上に1次転写させる。
そして、演算制御部6は、画像形成ユニット43Y,43M,43C,43Kにおける各色の画像形成の処理タイミングに合わせてレジストローラー48を駆動させると共に2次転写ローラー49に負極性の2次転写バイアスを印加させることによって、記録紙Pの所望位置に中間転写ベルト42上のトナー画像(原稿画像)を2次転写させる。そして、演算制御部6は、分離除電部50に正極性の除電バイアスを使用させて記録紙Pを除電しつつ、定着ローラー51を駆動させると共に、分岐ガイド55を第1の姿勢に切り替えさせることで記録紙Pを排紙ローラー52に向けて搬送させる。そして、演算制御部6は、排紙ローラー52を駆動させて記録紙Pを排紙トレイ53に排出させる。
一方、演算制御部6は、ユーザーにより記録紙Pの両面への原稿の複写(コピー)が指示された場合には、定着ローラー51を駆動させるまでの処理を上記処理と同様に進め、その後の処理を異ならせる。つまり、演算制御部6は、定着ローラー51を駆動させると共に、分岐ガイド55を第2の姿勢(図5に示す実線の姿勢)に切り替えさせることで記録紙Pを反転ローラー54に向けて搬送させる。そして、演算制御部6は、反転ローラー54を所定時間正回転させた後に、分岐ガイド55を第1の姿勢(図5に示す点線の姿勢)に切り替えさせると共に、反転ローラー54を逆回転させて記録紙Pを反転紙搬送ローラー56に向けて搬送させる。そして、演算制御部6は、反転紙搬送ローラー56を駆動させて、記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送させる。
また、演算制御部6は、各色の正極性トナーからなるトナー画像を各感光体ドラム43aの感光面に形成させる。そして、演算制御部6は、各1次転写ローラー44Y,44M,44C,44Kに負極性の1次転写バイアスを印加させることによって、各感光体ドラム43aのトナー画像を中間転写ベルト42上に1次転写させる。そして、演算制御部6は、各1次転写ローラー44Y,44M,44C,44Kに負極性の1次転写バイアスを印加させることによって、各感光体ドラム43aのトナー画像を中間転写ベルト42上に1次転写させる。
そして、演算制御部6は、画像形成ユニット43Y,43M,43C,43Kにおける各色の画像形成の処理タイミングに合わせてレジストローラー48を駆動させると共に2次転写ローラー49に負極性の2次転写バイアスを印加させることによって、記録紙Pの裏面の所望位置に中間転写ベルト42上のトナー画像を2次転写させる。そして、演算制御部6は、分離除電部50に正極性の除電バイアスを使用させて記録紙Pを除電させつつ供給させつつ、定着ローラー52を駆動させると共に、分岐ガイド55を第1の姿勢に切り替えさせることで記録紙Pを排紙ローラー52に向けて搬送させる。そして、演算制御部6は、排紙ローラー52を駆動させて記録紙Pを排紙トレイ53に排出させる。
ここで、操作表示部1の操作表示制御部11は、例えば、以下の特徴的な処理を行う。すなわち、操作表示制御部11は、図6のフローチャートに示すように、電源キー12aの制御処理を行う。操作表示制御部11は、「しきい値設定画面」表示指示を受け付けると、タッチパネル9aに図7に示すような「しきい値設定画面」を表示させる(ステップS1)。上記「しきい値設定画面」は、押下部材a1が押下操作されたか否かを判断する際に、圧電素子a3から出力される電圧と比較されるしきい値を設定するための画面であり、図7に示すように、「高い」、「普通」、「低い」を選択するための選択ボタンと、設定を完了する「OK」ボタンと、設定をキャンセルする「キャンセル」ボタンとが表示されている。
操作表示制御部11は、「しきい値設定画面」において選択された「高い」、「普通」、「低い」のいずれかの設定値に基づいて、電源キー12aの押下部材a1が押下操作されたか否かを、圧電素子a3から入力ポート11bに入力された電圧信号の電圧値に基づいて判断するためのしきい値を決定する。圧電素子a3は、変形の度合いに比例した電圧を発生するため、押下部材a1のロッドa12による圧力が高い程、高い電圧を出力する。したがって、操作表示制御部11は、ステップS2において、「高い」であれば、高いしきい値を設定し、「低い」であれば、低いしきい値を設定する。
そして、操作表示制御部11は、電源キー12aの押下部材a1が押下されることによって圧電素子a3から入力ポート11bに電圧信号が入力されると、該電圧信号の電圧値がしきい値より高いか否か判定する(ステップS3)。操作表示制御部11は、圧電素子a3からの電圧信号の電圧値がしきい値より高い場合(YESの場合)、つまり押下部材a1が押下されと認識した場合には、スイッチング素子a21を所定間隔でスイッチングさせることによって圧電素子a3を振動させる(ステップS4)。これによって、電源キー12aの押下部材a1が振動する。このように、電源キー12aの押下部材a1を振動させることで、電源キー12aの押下を検知したことユーザーに知らせる。
続いて、操作表示制御部11は、ステップS4の後に、電源のON/OFF状態の切り替えを行う(ステップS5)と共に、電源のON/OFF状態に応じて電源キー12aの押下部材a1の高さ方向の位置を変位させる(ステップS6)。つまり、操作表示制御部11は、上記ステップS5において、電源がON状態である場合にはOFF状態に切り替え、電源がOFF状態である場合には、ON状態に切り替える。
また、操作表示制御部11は、上記ステップS5において電源をON状態にする場合には、上記ステップS6において、出力ポート11aから駆動信号をスイッチング素子a21のベース端子に出力することによりスイッチング素子a21をON状態にして、圧電素子a3に電圧を供給する。これにより、圧電素子a3は高さ方向に収縮して、押下部材a1の高さ方向の位置が下がる(図3(b)参照)。一方、操作表示制御部11は、電源をOFF状態にする場合には、上記ステップS6において、出力ポート11aからの駆動信号の出力を停止することによりスイッチング素子a21をOFF状態にして、圧電素子a3への電圧の供給を停止する。これにより、圧電素子a3の高さ方向の幅が通常に戻り、押下部材a1の高さ方向の位置が上がる(図3(a)参照)。この押下部材a1の高さの違いによって、ユーザーが容易に電源キー12aのON状態とOFF状態とを認識することができる。
一方、操作表示制御部11は、圧電素子a3からの電圧信号の電圧値がしきい値より低い場合(NOの場合)、つまり押下部材a1が押下されと認識しない場合には、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
このような本実施形態によれば、操作表示制御部11が圧電素子a3からの電圧値としきい値を比較し、比較結果に基づいて電源キー1の押下部材a1が押下されたか否かについて判断する。つまり、本実施形態によれば、ユーザが押下部材a1を強く押下して圧電素子a3からの電圧値が短時間でしきい値を超える場合には、押下操作を認識するまでの時間が短くなり、ユーザが押下部材a1を軽く押下して圧電素子a3からの電圧値がしきい値を超えるまでに時間がかかる場合には、押下操作を認識するまでの時間が長くなる。よって、ユーザは各個人の押下操作の特徴に応じて上記しきい値を変更することで、押下部材a1に対する押下操作が認識されるまでの時間を調整できる。
また、このような本実施形態によれば、電源キー12aが押下されたことを検知した際に、圧電素子a3を振動させることにより押下部材a1を振動させて、電源キー12aに対する押下操作を検知したことをユーザーに知らせるので、電源キー12aが不要な力で押されることがなくなり、電源キー12aへのストレスも減り、劣化が軽減される。また、このような本実施形態によれば、電源キー12aのON状態とOFF状態に応じて押下部材の高さ方向の位置を変位させるので、ユーザーは電源のON/OFF状態を容易に認識することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、ユーザーに操作ストロークを設定させいるが、生産ラインにおいて操作ストロークを調整することに活用してもよい。つまり、複合機A各々の操作ストロークが一定になるように、複合機A各々の操作表示制御部11に上記しきい値を設定するようにしてもよい。
(2)上記実施形態における圧電素子a3の振動(ステップS4の動作)や圧電素子a3の伸縮(ステップS6の動作)について、これら動作を有効にするかについては有効するか否かをユーザーに設定させるようにしてもよい。つまり、これら動作については、必要に応じて付可すればよい。
(3)上記実施形態では、複合機A(画像形成装置)に本願発明に係るスイッチ装置である操作キー12(電源キー12a)を搭載しているが、画像形成装置以外の電子機器に本願発明に係るスイッチ装置を搭載するようにしてもよい。また、電源(機能)のON/OFF状態(機能状態)を切り替える電源キー12aだけでなく、所定の設定の設定値を切り替える設定キー等に本発明を適用するようにしてもよい。